JP2017049520A - 積層型電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、積層型電子写真感光体に関する。
電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンター、又は複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、積層型電子写真感光体が用いられる。積層型電子写真感光体においては、感光層は電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを備える。
特許文献1に記載の電子写真感光体は、感光体の表面層に変性ポリカーボネート樹脂とシリカ粒子とを含有する。変性ポリカーボネート樹脂は、シロキサン構造の繰り返し単位を含む。シリカ粒子の体積平均粒径は、0.005μm以上0.05μm未満である。
しかしながら、特許文献1に記載された技術を用いた場合は、耐摩耗性に優れる感光層を備えた電子写真感光体を得ることは困難である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐摩耗性に優れる感光層を備えた電子写真感光体を提供することである。
本発明の積層型電子写真感光体は、感光層を備える。前記感光層は、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤、バインダー樹脂、及びシリカ粒子を含有する電荷輸送層とを備える。前記電荷輸送層は一層である。前記電荷輸送層は最表面層として配置される。前記シリカ粒子の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下である。前記シリカ粒子の平均一次粒径は、5nm以上150nm以下である。前記バインダー樹脂は、一般式(I)で表されるポリカーボネート樹脂を含む。
前記一般式(I)中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、又は、置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R3及びR4は、各々独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は、置換若しくは無置換のアリール基を表す。R3とR4とは互いに結合してシクロアルキリデン基になってもよい。nの値は0.00より大きく1.00未満である。
本発明の積層型電子写真感光体によれば、優れた耐摩耗性を発現させることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
以下、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカン、及び炭素原子数6以上14以下のアリール基は、各々、次の意味である。
炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換の炭素原子数1以上8以下のアルキル基である。炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、又はオクチル基が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換の炭素原子数1以上6以下のアルキル基である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、又はヘキシル基が挙げられる。
炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換の炭素原子数1以上4以下のアルキル基である。炭素原子数1以上4以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、又はt−ブチル基が挙げられる。
炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換の炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基である。炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、又はオクチルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換の炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、又はヘキシルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンは、例えば、炭素原子数5以上7以下の非置換のシクロアルカンである。炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンの例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、又はシクロヘプタンが挙げられる。
炭素原子数6以上14以下のアリール基は、例えば、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基、又は素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基である。炭素原子数6以上14以下のアリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はフェナントリル基が挙げられる。
<感光体>
本発明の電子写真感光体(以下、「感光体」と記載することがある)は、感光層を備える。以下、図1を参照して、本実施形態に係る感光体10の構造を説明する。図1は、感光体10の構造を示す概略断面図である。図1(a)に示すように、感光体10は、例えば、導電性基体11と、感光層12とを備える。感光層12は、電荷発生層13と電荷輸送層14とを備える。図1(a)に示すように、電荷輸送層14は、感光体10の最表面層として配置される。電荷輸送層14は、一層(単層)である。
本発明の電子写真感光体(以下、「感光体」と記載することがある)は、感光層を備える。以下、図1を参照して、本実施形態に係る感光体10の構造を説明する。図1は、感光体10の構造を示す概略断面図である。図1(a)に示すように、感光体10は、例えば、導電性基体11と、感光層12とを備える。感光層12は、電荷発生層13と電荷輸送層14とを備える。図1(a)に示すように、電荷輸送層14は、感光体10の最表面層として配置される。電荷輸送層14は、一層(単層)である。
図1(a)に示すように、感光層12は導電性基体11上に直接的に配置されてもよい。また、図1(b)に示すように、感光体10は、例えば、導電性基体11と、中間層15(下引層)と、感光層12とを備える。図1(b)に示すように、感光層12は導電性基体11上に間接的に配置されてもよい。図1(b)に示すように、中間層15は、導電性基体11と電荷発生層13との間に設けられてもよい。中間層15は、例えば、電荷発生層13と電荷輸送層14との間に設けられてもよい。
電荷輸送層14は一層(単層)であり、後述する所定の成分を含有する。このような電荷輸送層14が最表面層として配置されることにより、感光体10の耐摩耗性及び耐オイルクラック性を向上させることができる。なお、電荷発生層13は、単層であってもよく、複数層であってもよい。
以上、図1を参照して、本実施形態に係る感光体10の構造を説明した。続いて、本実施形態に係る感光体の要素(導電性基体11、感光層12、及び中間層14)を説明する。感光体の製造方法も説明する。
[1.導電性基体]
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体としては、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成される導電性基体を用いることができる。導電性基体としては、例えば、導電性を有する材料で構成される導電性材料;及び導電性材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、又は真鍮が挙げられる。これらの導電性を有する材料の中でも、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体としては、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成される導電性基体を用いることができる。導電性基体としては、例えば、導電性を有する材料で構成される導電性材料;及び導電性材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、又は真鍮が挙げられる。これらの導電性を有する材料の中でも、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。
これらの導電性を有する材料の中でも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから導電性、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができる。例えば、シート状の導電性基体、又はドラム状の導電性基体を使用することができる。また、導電性基体の厚みは、導電性基体の形状に応じて、適宜選択することができる。
[2.感光層]
既に述べたように、感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。感光層は、添加剤を更に含有してもよい。以下、電荷発生層及び電荷輸送層を説明する。更に、添加剤を説明する。
既に述べたように、感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。感光層は、添加剤を更に含有してもよい。以下、電荷発生層及び電荷輸送層を説明する。更に、添加剤を説明する。
[2−1.電荷発生層]
電荷発生層は、例えば、電荷発生剤、及び電荷発生層用バインダー樹脂(以下、「ベース樹脂」と記載することがある)を含む。電荷発生層の厚さは、電荷発生層として十分に作用することができれば、特に限定されない。電荷発生層の厚さは、具体的には、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。以下、電荷発生剤、及びベース樹脂について説明する。
電荷発生層は、例えば、電荷発生剤、及び電荷発生層用バインダー樹脂(以下、「ベース樹脂」と記載することがある)を含む。電荷発生層の厚さは、電荷発生層として十分に作用することができれば、特に限定されない。電荷発生層の厚さは、具体的には、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。以下、電荷発生剤、及びベース樹脂について説明する。
[2−1−1.電荷発生剤]
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤であれば、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンのような無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、又はキナクリドン系顔料が挙げられる。フタロシアニン系顔料としては、例えば、フタロシアニン、又はフタロシアニン誘導体が挙げられる。フタロシアニンとしては、例えば、無金属フタロシアニン顔料(より具体的には、X型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)等)が挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、例えば、金属フタロシアニン顔料(より具体的には、チタニルフタロシアニン、又はV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン等)が挙げられる。フタロシアニン系顔料の結晶形状については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。フタロシアニン顔料の結晶形状としては、例えば、α型、β型、又はY型が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤であれば、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンのような無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、又はキナクリドン系顔料が挙げられる。フタロシアニン系顔料としては、例えば、フタロシアニン、又はフタロシアニン誘導体が挙げられる。フタロシアニンとしては、例えば、無金属フタロシアニン顔料(より具体的には、X型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)等)が挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、例えば、金属フタロシアニン顔料(より具体的には、チタニルフタロシアニン、又はV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン等)が挙げられる。フタロシアニン系顔料の結晶形状については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。フタロシアニン顔料の結晶形状としては、例えば、α型、β型、又はY型が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
所望の領域に吸収波長を有する電荷発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上の電荷発生剤を組み合わせて用いてもよい。更に、例えば、デジタル光学系の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用したレーザービームプリンター、又はファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。そのため、例えば、フタロシアニン系顔料が好ましく、X型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)、又はY型チタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)がより好ましい。
短波長レーザー光源(例えば、350nm以上550nm以下程度の波長を有するレーザー光源)を用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料、又はペリレン系顔料が好適に用いられる。
電荷発生剤は、例えば、式(CGM−1)〜(CGM−4)で表されるフタロシアニン系顔料である(以下、電荷発生剤(CGM−1)〜(CGM−4)と記載することがある)。
電荷発生剤の含有量は、ベース樹脂100質量部に対して、5質量部以上1000質量部以下であることが好ましく、30質量部以上500質量部以下であることがより好ましい。
[2−1−2.ベース樹脂]
ベース樹脂は、感光体に適用し得るベース樹脂である限り、特に限定されない。ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリル酸系樹脂、又はウレタン−アクリル酸系樹脂が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ベース樹脂は、感光体に適用し得るベース樹脂である限り、特に限定されない。ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリル酸系樹脂、又はウレタン−アクリル酸系樹脂が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ベース樹脂は、後述するバインダー樹脂と同様の樹脂も例示されているが、同一の感光体においては、通常、バインダー樹脂とは異なる樹脂が選択される。このことは、以下のことによる。感光体を製造する際、通常、電荷発生層、電荷輸送層の順に形成するため、電荷発生層に、電荷輸送層形成用塗布液を塗布することになる。電荷輸送層の形成時に、電荷発生層は、電荷輸送層形成用塗布液の溶剤に溶解しないことが求められるからである。そこで、ベース樹脂は、同一の感光体においては、通常、バインダー樹脂とは異なる樹脂が選択される。
[2−2.電荷輸送層]
電荷輸送層は、電荷輸送剤、バインダー樹脂、及びシリカ粒子を含有する。電荷輸送層の厚さは、電荷輸送層として十分に作用することができれば、特に限定されない。電荷輸送層の厚さは、具体的には、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。また、電荷輸送層は、電子アクセプター化合物を更に有してもよい。以下、電荷輸送剤、バインダー樹脂、及びシリカ粒子について説明する。
電荷輸送層は、電荷輸送剤、バインダー樹脂、及びシリカ粒子を含有する。電荷輸送層の厚さは、電荷輸送層として十分に作用することができれば、特に限定されない。電荷輸送層の厚さは、具体的には、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。また、電荷輸送層は、電子アクセプター化合物を更に有してもよい。以下、電荷輸送剤、バインダー樹脂、及びシリカ粒子について説明する。
[2−2−1.電荷輸送剤]
電荷輸送剤(特に、正孔輸送剤)は、2以上のスチリル基と、1以上のアリール基とを有する化合物を含むことが好ましい。このような正孔輸送剤としては、例えば、一般式(II)、(III)、(IV)又は(V)で表される化合物が挙げられる。電荷輸送層が一般式(II)〜(V)で表される化合物を含有することにより、感光体の耐摩耗性に加え、感光体の電気的特性を向上できる。
電荷輸送剤(特に、正孔輸送剤)は、2以上のスチリル基と、1以上のアリール基とを有する化合物を含むことが好ましい。このような正孔輸送剤としては、例えば、一般式(II)、(III)、(IV)又は(V)で表される化合物が挙げられる。電荷輸送層が一般式(II)〜(V)で表される化合物を含有することにより、感光体の耐摩耗性に加え、感光体の電気的特性を向上できる。
一般式(II)中、Q1は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基を表す。Q2は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。Q3、Q4、Q5、Q6、及びQ7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基で表す。Q3、Q4、Q5、Q6、及びQ7のうちの隣接した二つが互いに結合して環を形成してもよい。aは、0以上5以下の整数を表す。aが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(III)中、Q8、Q10、Q11、Q12、Q13、及びQ14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。Q9、及びQ15は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。bは、0以上5以下の整数を表す。bが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ9は、互いに同一でも異なっていてもよい。cは、0以上4以下の整数を表す。cが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ15は、互いに同一でも異なっていてもよい。kは、各々独立に、0又は1を表す。
上記式(IV)中、Ra、Rb及びRcは、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。qは、各々独立に、0以上4以下の整数を表す。qが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRcは、互いに同一でも異なっていてもよい。m及びpは、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。mが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRbは、互いに同一でも異なっていてもよい。pが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRaは、互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(V)中、Ar1は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基、及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されてもよいアリール基、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基、及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されてもよい複素環基を表す。Ar2は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基、及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されてもよいアリール基を表す。
一般式(II)中、Q1の表すフェニル基は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されたフェニル基であることが好ましく、メチル基で置換されたフェニル基であることがより好ましい。
一般式(II)中、Q2の表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。aは、各々独立に、0又は1を表すことが好ましい。
一般式(II)中、Q3〜Q7の表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又はn−ブチル基であることがより好ましい。一般式(II)中、Q3〜Q7の表す炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基は、メトキシ基であることが好ましい。一般式(II)中、Q3〜Q7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表すことが好ましく、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はメトキシ基を表すことがより好ましい。
一般式(II)中、Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合して、環(より具体的には、ベンゼン環、又は炭素原子数5以上7以下のシクロアルカン)を形成してもよい。例えば、Q3〜Q7のうちの隣接したQ6とQ7とが互いに結合して、ベンゼン環、又は炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成してもよい。Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合してベンゼン環を形成する場合、このベンゼン環はQ3〜Q7が結合するフェニル基と縮合して二環縮合環基(ナフチル基)を形成する。Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成する場合、この炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンはQ3〜Q7が結合するフェニル基と縮合して二環縮合環基を形成する。この場合、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンとフェニル基との縮合部位は、二重結合を含んでもよい。Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合して、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成することが好ましく、シクロヘキサンを形成することがより好ましい。
一般式(II)中、Q1は、各々独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されたフェニル基を表すことが好ましい。Q2は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表すことが好ましい。Q3〜Q7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表すことが好ましい。Q3〜Q7のうち隣接した二つが互いに結合して環を形成することが好ましい。aは、各々独立に、0又は1を表すことが好ましい。
一般式(III)中、Q8及びQ10〜Q14の表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることが好ましい。一般式(III)中、Q8及びQ10〜Q14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表すことが好ましい。一般式(III)中、b及びcは、0を表すことが好ましい。
一般式(IV)中、Ra及びRbの表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基を表すことがより好ましい。m及びpは、各々独立に、0以上2以下の整数を表すことが好ましい。qは0を表すことが好ましい。
一般式(V)中、Ar1の表すアリール基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基が挙げられる。一般式(V)中、Ar1の表すアリール基は、置換基で置換されてもよい。このような置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基、及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される置換基である。一般式(V)中、Ar1の表すアリール基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基で置換されたフェニル基であることが好ましく、メチル基及びエチル基で置換されたフェニル基であることがより好ましい。一般式(V)中、Ar2の表すアリール基は、フェニル基を表すことが好ましい。
一般式(V)中、Ar1の表す複素環基は、例えば、1個以上(好ましくは1個以上3個以下)のヘテロ原子を含み、芳香性を有する5員又は6員の単環の複素環基;このような単環同士が縮合した複素環基;又は、このような単環と、5員又は6員の炭化水素環とが縮合した複素環基が挙げられる。ヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子からなる群から選択される1種以上である。複素環基の具体例としては、チオフェニル基、フラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、イソインドリル基、クロメニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、プリニル基、プテリジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、4H−キノリジニル基、ナフチリジニル基、ベンゾフラニル基、1,3−ベンゾジオキソリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、又はベンズイミダゾリル基が挙げられる。一般式(V)中、Ar1の表す複素環基は、置換基で置換されてもよい。このような置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基、及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される置換基である。
正孔輸送剤は、具体的には、式(CTM−1)〜(CTM−10)で表される電荷輸送剤である(以下、電荷輸送剤(CTM−1)〜(CTM−10)と記載することがある)。なお、電荷輸送剤(CTM−1)〜(CTM−4)は、式(II)で表される化合物の具体例である。電荷輸送剤(CTM−5)〜(CTM−7)は、式(III)で表される化合物の具体例である。電荷輸送剤(CTM−8)及び電荷輸送剤(CTM−9)は式(IV)で表される化合物の具体例である。電荷輸送剤(CTM−10)は、式(V)で表される化合物の具体例である。
正孔輸送剤は、一般式(II)〜(V)で表される化合物以外の化合物であってもよい。このような正孔輸送剤としては、例えば、含窒素環式化合物又は縮合多環式化合物を使用することができる。含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物としては、例えば、ジアミン誘導体(例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、又はN,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体);オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール);スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン);カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール);有機ポリシラン化合物;ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン);ヒドラゾン系化合物;インドール系化合物;オキサゾール系化合物;イソオキサゾール系化合物;チアゾール系化合物;チアジアゾール系化合物;イミダゾール系化合物;ピラゾール系化合物;トリアゾール系化合物が挙げられる。
上記の一般式(II)〜(V)で表される化合物以外の化合物は、具体的には、式(CTM−11)〜(CTM−12)で表される化合物である(以下、電荷輸送剤(CTM−11)〜(CTM−12)と記載することがある)。
感光体において、正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、20質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
[2−2−2.バインダー樹脂]
バインダー樹脂は、感光体の電荷輸送層に用いられる。バインダー樹脂は、一般式(I)で表されるポリカーボネート樹脂(以下、ポリカーボネート樹脂(I)と記載することがある)を含む。
バインダー樹脂は、感光体の電荷輸送層に用いられる。バインダー樹脂は、一般式(I)で表されるポリカーボネート樹脂(以下、ポリカーボネート樹脂(I)と記載することがある)を含む。
一般式(I)中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、又は、置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R3及びR4は、各々独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は、置換若しくは無置換のアリール基を表す。R3とR4とは互いに結合して環を形成しシクロアルキリデン基になってもよい。nの値は0.00より大きく1.00未満である。
一般式(I)中、R1及びR2の表すアルキル基としては、例えば、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。R1及びR2の表すアルキル基は、無置換であってもよいし、置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、又はシアノ基が挙げられる。このようなハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
一般式(I)中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すことが好ましく、水素原子又はメチル基を表すことがより好ましい。
一般式(I)中、R3及びR4の表すアルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。R3及びR4の表すアルキル基は、無置換であっても、置換基を有してもよい。このような置換基としては、R1及びR2の表すアルキル基の有してもよい置換基と同義である。R3とR4とが互いに結合して環を形成するシクロアルキデン基としては、炭素原子数5以上7以下のシクロアルキデン基であることが好ましく、シクロヘキシリデン基であることがより好ましい。
一般式(I)中、R3及びR4の表すアリール基は、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基であることが好ましい。R3及びR4の表すアリール基は、無置換であってもよいし、置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、ニトロ基、又はシアノ基が挙げられる。
一般式(I)中、R3及びR4は、水素原子、若しくは炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すこと、又は互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルキリデン基を表すことが好ましく、水素原子、メチル基、若しくはエチル基を表すこと、又はシクロヘキシリデン基を表すことがより好ましい。
一般(I)中、R1〜R4のうちの少なくとも1つは、アルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数が1以上4以下のアルキル基を表すことがより好ましく、メチル基を表すことが更に好ましい。
R1〜R4のうち少なくとも1つがアルキル基を表す場合、ポリカーボネート樹脂(I)におけるアルキル基の鎖長、分岐性、又は数量が過度に増加しにくいため、分子同士の絡み合いが低下しにくく、分子のパッキング性が低下しにくい傾向となる。このため、特に感光体の耐摩耗性を向上できる。詳しくは、アルキル基の鎖長を例に挙げると、炭素原子数1以上4以下のアルキル基の鎖長は、ポリカーボネート樹脂(I)における繰返し構造単位の芳香環に適している。このため、優れた電気的特性及び耐摩耗性を感光体に付与できる。
また、R1〜R4のうち少なくとも1つがアルキル基を表す場合、感光層を作製する際の、ポリカーボネート樹脂(I)の溶剤に対する溶解性、及び上記の正孔輸送剤との相溶性を向上できる。その結果、感光体の電気的特性及び耐摩耗性を向上できる。
ポリカーボネート樹脂(I)は、一般式(I−1)で表される繰返し構造単位(以下、繰返し単位(I−1)と記載することがある)と一般式(I−2)で表される繰返し構造単位(以下、繰返し単位(I−2)と記載することがある)とを含むポリカーボネート樹脂である。なお、一般式(I−1)中のR1は、一般式(I)中のR1と同義である。一般式(I−2)中のR2、R3及びR4は、各々一般式(I)中のR2、R3及びR4と同義である。
繰返し単位(I−2)における2つのフェニレン基の間には第四級炭素が存在し得る。この第四級炭素がアルキル基で置換されると、第二級炭素が存在する繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂と比べて、繰返し単位自体として、相対的に低極性の箇所が部分的に存在する。これにより、正孔輸送剤は、ポリカーボネート樹脂(I)の繰返し単位の近傍に集まりやすくなる。その結果、本実施形態に係る感光体は、電荷輸送層中の正孔輸送剤の分散性が高まって、安定した光感度を達成することができる。
一般式(I)中、nの値は、0.00より大きく1.00未満である。nは、ポリカーボネート樹脂(I)における繰返し単位(I−1)と繰返し単位(I−2)との合計物質量(モル)に対する、繰返し単位(I−1)の物質量(モル)の比率(モル比率)を表す。1.00−nは、ポリカーボネート樹脂(I)における繰返し単位(I−1)と繰返し単位(I−2)との合計物質量(モル)に対する、繰返し単位(I−2)の物質量(モル)の比率(モル比率)を表す。バインダー樹脂として、このようなポリカーボネート樹脂(I)を用いることで、耐摩耗性及び耐オイルクラック性に優れる感光層を備える感光体を得ることができる。
nの値が0.25以上である場合、感光体の耐摩耗性が向上する。特に、感光体の他の特性(例えば、電気的特性又は耐オイルクラック性)を考慮すると、nの値は0.25以上0.50以下であることがより好ましい。
ポリカーボネート樹脂(I)は、例えば、繰返し単位(I−1)と繰返し単位(I−2)とがランダムに共重合したランダム共重合体であってもよい。又は、例えば、繰返し単位(I−1)と繰返し単位(I−2)とが交互に共重合した交互共重合体であってもよい。又は、1以上の繰返し単位(I−1)と、1以上の繰返し単位(I−2)とが周期的に共重合した周期的共重合体であってもよい。又は、複数の繰返し単位(I−1)からなるブロックと、複数の繰返し単位(I−2)からなるブロックとが共重合したブロック共重合体であってもよい。
バインダー樹脂の分子量は、粘度平均分子量で40,000以上であることが好ましく、40,000以上52,500以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が40,000以上である場合、バインダー樹脂の耐摩耗性を十分に高めることができ、電荷輸送層が更に摩耗しにくくなる。また、バインダー樹脂の粘度平均分子量が40,000以上であると、耐摩耗性に加え、耐オイルクラック性を向上させ易くなる。一方、バインダー樹脂の分子量が52,500以下である場合、電荷輸送層の形成時に、バインダー樹脂が溶剤に溶解し易くなり、電荷輸送層の形成が容易になる傾向がある。
バインダー樹脂の製造方法は、ポリカーボネート樹脂(I)を製造できれば、特に限定されない。これらの製造方法として、例えば、ポリカーボネート樹脂の繰返し単位を構成するためのジオール化合物とホスゲンとを界面縮重合させる方法(いわゆる、ホスゲン法)、又は、ジオール化合物とジフェニルカーボネートとをエステル交換反応させる方法が挙げられる。より具体的には、例えば、一般式(I−3)で表されるジオール化合物及び一般式(I−4)で表されるジオール化合物を混合して得た混合物と、ホスゲンとを、一般式(I−3)で表されるジオール化合物が存在するように、界面縮重合させる方法が挙げられる。なお、一般式(I−3)中のR1は、一般式(I)中のR1と同義である。一般式(I−4)中のR2、R3及びR4は、各々一般式(I)中のR2、R3及びR4と同義である。
一般式(I)で表されるポリカーボネート樹脂としては、例えば、式(Resin−1)〜(Resin−8)で表されるポリカーボネート樹脂(以下、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)〜(Resin−8)と記載することがある)が挙げられる。
本実施形態に用いられるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂(I)を単独で用いてもよいし、ポリカーボネート樹脂(I)以外の樹脂(その他の樹脂)を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。その他の樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂(ポリカーボネート樹脂(I)以外のポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、又はポリエステル樹脂)、熱硬化性樹脂(シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、又はその他架橋性の熱硬化性樹脂)、又は、光硬化性樹脂(エポキシアクリル酸系樹脂、又はウレタン−アクリル酸系共重合体)が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態において、ポリカーボネート樹脂(I)の含有量は、電荷輸送層において40質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
[2−2−3.シリカ粒子]
本実施形態に係る感光体において、感光層の耐摩耗性の向上のために、電荷輸送層はシリカ粒子を含有する。つまり、感光層の最表面層にシリカ粒子が含有される。シリカ粒子は、シリカ粒子以外の粒子(例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモン若しくはタンタルをドープした酸化スズ、又は酸化ジルコニウム)と比較すると、感光層の耐摩耗性を良好に向上できる。更に、シリカ粒子は、容易に表面処理がなされるとともに、製造コストに優れ、粒子径の調整が容易であるという利点もある。
本実施形態に係る感光体において、感光層の耐摩耗性の向上のために、電荷輸送層はシリカ粒子を含有する。つまり、感光層の最表面層にシリカ粒子が含有される。シリカ粒子は、シリカ粒子以外の粒子(例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモン若しくはタンタルをドープした酸化スズ、又は酸化ジルコニウム)と比較すると、感光層の耐摩耗性を良好に向上できる。更に、シリカ粒子は、容易に表面処理がなされるとともに、製造コストに優れ、粒子径の調整が容易であるという利点もある。
シリカ粒子は、耐摩耗性を向上させるために、表面処理剤で表面処理が施されていることが好ましい。表面処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、N−メチル−ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチル−N−プロピルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、又はポリジメチルシロキサンが挙げられる。表面処理剤は、ヘキサメチルジシラザンが特に好ましい。その理由は、以下の通りである。ヘキサメチルジシラザンが有するトリメチルシリル基とシリカ粒子表面の水酸基との反応性が良好であるために、ヘキサメチルジシラザンは、シリカ粒子表面の水酸基を低減し易い。その結果、水分(湿度)による電気的特性の低下を抑制できる。また、感光体の耐オイルクラック性を向上できる。
更に、表面処理剤として、ヘキサメチルジシラザンを用いることにより、シリカ粒子表面からの表面処理剤の遊離を抑制することができる。なお、遊離した表面処理剤が電荷トラップの原因となって、感度が低下する場合がある。しかし、本実施形態においては、ヘキサメチルジシラザンを用いることにより、シリカ粒子表面からの表面処理剤の遊離を抑制できるので、感光体の感度の低下を、十分に抑制することができる。
ヘキサメチルジシラザンのような表面処理剤を用いてシリカ粒子の表面を表面処理すると、シリカ表面の水酸基がシリル化され、シリカ粒子の表面は一般式(VI)で表される部位を有する。
一般式(VI)中、R5、R6及びR7は、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表す。R5、R6及びR7の表すアルキル基としては、例えば、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が挙げられ、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることが好ましい。R5、R6及びR7の表すアリール基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基を挙げることができる。
更に、一般式(VI)中、R5、R6及びR7は、各々メチル基を表すことがより好ましい。この好適な例は、表面処理剤がヘキサメチルジシラザンである場合に相当する。
シリカ粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下であることが好ましく、1質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。なお、電荷輸送層がシリカ粒子を含む。
シリカ粒子の粒子径(平均一次粒径)は、5nm以上150nm以下であり、50nm以上150nm以下であることが好ましく、80nm以上145nm以下であることがより好ましい。シリカ粒子の粒子径が5nm以上であると、耐摩耗性及び耐オイルクラック性を向上させ易い。一方、シリカ粒子の粒子径が150nm以下であると、バインダー樹脂中のシリカ粒子の分散性が低下しにくい。また、シリカ粒子の平均一次粒径が80nm以上145nm以下である場合、感光体の耐摩耗性を向上させ易い。
シリカ粒子の平均一次粒径は、以下の方法で測定される。測定試料として、シリカ(複数のシリカ粒子である粉体)を使用する。測定試料の−196℃でのN2吸着等温線を測定する。得られたN2吸着等温線をBrunauer、Emmett及びTellerの方法、更にDe Boerによるt曲線法に従って評価する。これにより測定試料の比表面積を算出する。得られた測定試料の比表面積から、数式「S=6/ρd」に従って、測定試料の粒径を算出する。数式中、Sは測定試料の比表面積を、ρは測定試料の密度を、dは測定試料の粒径を示す。算出された測定試料の粒径を、シリカ粒子の平均一次粒径とする。なお、シリカ粒子の平均一次粒径を測定する別の方法としては、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて測定試料の画像を撮影し、得られた画像から平均一次粒径を算出する方法も挙げられる。
[2−3.添加剤]
感光層(電荷発生層及び電荷輸送層)、及び中間層のうちの少なくとも一つが、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、又は紫外線吸収剤)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、電子アクセプター化合物、ドナー、界面活性剤、又はレベリング剤が挙げられる。これらの添加剤のうち、増感剤、可塑剤、電子アクセプター化合物、及び酸化防止剤を説明する。
感光層(電荷発生層及び電荷輸送層)、及び中間層のうちの少なくとも一つが、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、又は紫外線吸収剤)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、電子アクセプター化合物、ドナー、界面活性剤、又はレベリング剤が挙げられる。これらの添加剤のうち、増感剤、可塑剤、電子アクセプター化合物、及び酸化防止剤を説明する。
[2−3−1.増感剤]
電荷発生層は、感度を向上させるために、添加剤として増感剤(例えば、テルフェニル、ハロナフトキノン類、又はアセナフチレン)を含有してもよい。
電荷発生層は、感度を向上させるために、添加剤として増感剤(例えば、テルフェニル、ハロナフトキノン類、又はアセナフチレン)を含有してもよい。
[2−3−2.可塑剤]
電荷輸送層は、耐オイルクラック性を向上させるために、添加剤として、可塑剤を含有してもよい。可塑剤としては、例えば、ビフェニル誘導体が挙げられる。ビフェニル誘導体は、例えば、式(BP−1)〜(BP−20)で表される化合物である。
電荷輸送層は、耐オイルクラック性を向上させるために、添加剤として、可塑剤を含有してもよい。可塑剤としては、例えば、ビフェニル誘導体が挙げられる。ビフェニル誘導体は、例えば、式(BP−1)〜(BP−20)で表される化合物である。
[2−3−3.電子アクセプター化合物]
感光層は、必要に応じて、電子アクセプター化合物を含有してもよい。感光体の感光層は電子アクセプター化合物を含有する場合、正孔輸送剤の正孔輸送能を向上させることができる。
感光層は、必要に応じて、電子アクセプター化合物を含有してもよい。感光体の感光層は電子アクセプター化合物を含有する場合、正孔輸送剤の正孔輸送能を向上させることができる。
電子アクセプター化合物としては、例えば、キノン系化合物(ナフトキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アゾキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物、又はジニトロアントラキノン系化合物)、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、又はジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。これらの電子アクセプター化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述した電子アクセプター化合物としては、例えば、式(EA−1)〜(EA−8)で表される電子アクセプター化合物(以下、電子アクセプター化合物(EA−1)〜(EA−8)と記載することがある)が挙げられる。
電子アクセプター化合物の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
[2−3−4.酸化防止剤]
電荷輸送層は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、チオエーテル系化合物、又はホスファイト系化合物が挙げられる。これらの酸化防止剤の中でも、ヒンダードフェノール系化合物及びヒンダードアミン系化合物が好ましい。
電荷輸送層は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、チオエーテル系化合物、又はホスファイト系化合物が挙げられる。これらの酸化防止剤の中でも、ヒンダードフェノール系化合物及びヒンダードアミン系化合物が好ましい。
電荷輸送層中の酸化防止剤の添加量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。酸化防止剤の添加量がこのような範囲内であると、感光体が酸化されることによる電気特性の低下を抑制し易い。
[3.中間層]
本実施形態に係る感光体は、中間層(例えば、下引き層)を有してもよい。感光体において、中間層は、導電性基体と電荷発生層との間に介在する。中間層は、例えば、無機粒子、及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
本実施形態に係る感光体は、中間層(例えば、下引き層)を有してもよい。感光体において、中間層は、導電性基体と電荷発生層との間に介在する。中間層は、例えば、無機粒子、及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
無機粒子としては、例えば、金属(例えば、アルミニウム、鉄、又は銅)、金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、又は酸化亜鉛)の粒子、又は非金属酸化物(例えば、シリカ)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いることができる樹脂であれば、特に限定されない。
[4.感光体の製造方法]
感光体の製造方法について説明する。感光体の製造方法は、例えば、感光層形成工程を有する。感光層形成工程は、電荷発生層形成工程と電荷輸送層形成工程とを有する。
感光体の製造方法について説明する。感光体の製造方法は、例えば、感光層形成工程を有する。感光層形成工程は、電荷発生層形成工程と電荷輸送層形成工程とを有する。
[4−1.電荷発生層形成工程]
電荷発生層形成工程では、例えば、電荷発生層用塗布液を調製する。電荷発生層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷発生層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷発生層を形成する。電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤と、溶剤とを含む。電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤を溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。電荷発生層用塗布液は、必要に応じてベース樹脂又は各種添加剤を加えてもよい。
電荷発生層形成工程では、例えば、電荷発生層用塗布液を調製する。電荷発生層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷発生層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷発生層を形成する。電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤と、溶剤とを含む。電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤を溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。電荷発生層用塗布液は、必要に応じてベース樹脂又は各種添加剤を加えてもよい。
[4−2.電荷輸送層形成工程]
電荷輸送層形成工程では、電荷輸送層用塗布液を調製する。電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷輸送層を形成する。電荷輸送層用塗布液は、電荷輸送剤と、ポリカーボネート樹脂(I)と、シリカ粒子と、溶剤とを含む。電荷輸送層用塗布液は、電荷輸送剤、ポリカーボネート樹脂(I)、及びシリカ粒子を溶剤に溶解又は分散させることにより調製することができる。電荷輸送層形成用塗布液には、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
電荷輸送層形成工程では、電荷輸送層用塗布液を調製する。電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷輸送層を形成する。電荷輸送層用塗布液は、電荷輸送剤と、ポリカーボネート樹脂(I)と、シリカ粒子と、溶剤とを含む。電荷輸送層用塗布液は、電荷輸送剤、ポリカーボネート樹脂(I)、及びシリカ粒子を溶剤に溶解又は分散させることにより調製することができる。電荷輸送層形成用塗布液には、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
以下、電荷発生層形成工程及び電荷輸送層形成工程を例に挙げ、感光層形成工程の詳細を説明する。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液に含有される溶剤は、それぞれ電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できれば、特に限定されない。具体的には、溶剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はブタノール)、脂肪族系炭化水素(n−ヘキサン、オクタン、又はシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、又はキシレン)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、又はクロロベンゼン)、エーテル類(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、又はジエチレングリコールジメチルエーテル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン)、エステル類(酢酸エチル、又は酢酸メチル)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、非ハロゲン系溶剤を用いることが好ましい。
更に、電荷輸送層用塗布液に含有される溶剤は、電荷発生層用塗布液に含有される溶剤と、異なることが好ましい。感光体を製造する際、通常、電荷発生層、電荷輸送層の順に形成するため、電荷発生層上に、電荷輸送層用塗布液を塗布することになる。電荷輸送層形成時に、電荷発生層は、電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが求められるからである。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液は、各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散器を用いることができる。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液は、各成分の分散性、又は形成される各々の層の表面平滑性を向上させるために、例えば、界面活性剤又はレベリング剤を含有してもよい。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液を塗布する方法としては、電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液を均一に塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、又はバーコート法が挙げられる。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液中の溶剤を蒸発させ得る方法であれば、特に限定されない。除去する方法としては、例えば、加熱、加圧、又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機、又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
なお、感光体の製造方法は、必要に応じて中間層を形成する工程を更に有してもよい。中間層を形成する工程は、公知の方法を適宜選択することができる。
以上説明した本発明の電子写真感光体は、優れた電気的特性を維持しつつ、耐摩耗性及び耐オイルクラック性の何れにも優れるため、種々の画像形成装置で好適に使用できる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
感光体の製造
[感光体(A−1)の製造]
以下、実施例1に係る感光体(A−1)の製造について説明する。
(中間層の形成)
はじめに、表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、平均一次粒径10nm)を準備した。詳しくは、アルミナとシリカとを用いて表面処理し、更に、表面処理された酸化チタンを湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて表面処理したものを準備した。次いで、表面処理された酸化チタン(2質量部)と、ポリアミド樹脂であるアミラン(登録商標)(東レ株式会社製「CM8000」)(ポリアミド6,ポリアミド12,ポリアミド66,及びポリアミド610の四元共重合ポリアミド樹脂)(1質量部)とを、メタノール(10質量部)、ブタノール(1質量部)及びトルエン(1質量部)を含む溶剤に対して添加した。これらをビーズミルを用いて5時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。これにより、中間層用塗布液を調製した。
[感光体(A−1)の製造]
以下、実施例1に係る感光体(A−1)の製造について説明する。
(中間層の形成)
はじめに、表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、平均一次粒径10nm)を準備した。詳しくは、アルミナとシリカとを用いて表面処理し、更に、表面処理された酸化チタンを湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて表面処理したものを準備した。次いで、表面処理された酸化チタン(2質量部)と、ポリアミド樹脂であるアミラン(登録商標)(東レ株式会社製「CM8000」)(ポリアミド6,ポリアミド12,ポリアミド66,及びポリアミド610の四元共重合ポリアミド樹脂)(1質量部)とを、メタノール(10質量部)、ブタノール(1質量部)及びトルエン(1質量部)を含む溶剤に対して添加した。これらをビーズミルを用いて5時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。これにより、中間層用塗布液を調製した。
得られた中間層用塗布液を、目開き5μmのフィルターを用いてろ過した。その後、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長246mm)の表面に、中間層用塗布液をディップコート法を用いて塗布した。続いて、塗布した中間層用塗布液を130℃で30分間乾燥させて、導電性基体(ドラム状支持体)上に中間層(膜厚2μm)を形成した。
(電荷発生層の形成)
Cu−Kα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に1つのピークを有するチタニルフタロシアニン(1.5質量部)と、ベース樹脂としてのポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX−5」)(1質量部)とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル(40質量部)及びテトラヒドロフラン(40質量部)を含む溶剤に対して添加した。これらをビーズミルを用いて2時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷発生層用塗布液を作製した。得られた電荷発生層用塗布液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。次いで、得られたろ過液を、上述のようにして形成された中間層上にディップコート法を用いて塗布し、50℃で5分間乾燥させた。これにより、中間層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。
Cu−Kα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に1つのピークを有するチタニルフタロシアニン(1.5質量部)と、ベース樹脂としてのポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX−5」)(1質量部)とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル(40質量部)及びテトラヒドロフラン(40質量部)を含む溶剤に対して添加した。これらをビーズミルを用いて2時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷発生層用塗布液を作製した。得られた電荷発生層用塗布液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。次いで、得られたろ過液を、上述のようにして形成された中間層上にディップコート法を用いて塗布し、50℃で5分間乾燥させた。これにより、中間層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。
(電荷輸送層の形成)
正孔輸送剤としての電荷輸送剤(CTM−1)50質量部と、添加剤としてのヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF株式会社製「イルガノックス(登録商標)1010」)2質量部と、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−1)(粘度平均分子量52,500)100質量部と、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)5質量部とを、テトラヒドロフラン350質量部及びトルエン350質量部を含む溶剤に対して添加した。これらを循環型超音波分散装置を用いて12時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。
正孔輸送剤としての電荷輸送剤(CTM−1)50質量部と、添加剤としてのヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF株式会社製「イルガノックス(登録商標)1010」)2質量部と、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−1)(粘度平均分子量52,500)100質量部と、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)5質量部とを、テトラヒドロフラン350質量部及びトルエン350質量部を含む溶剤に対して添加した。これらを循環型超音波分散装置を用いて12時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。
電荷発生層用塗布液と同様の操作により、電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布した。その後、120℃で40分間乾燥させて、電荷発生層上に電荷輸送層(膜厚30μm)を形成した。その結果、感光体(A−1)が得られた。感光体(A−1)は、導電性基体上に、中間層、電荷発生層、及び電荷輸送層が、この順で積層された構成を有していた。
[感光体(A−2)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−2)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−2)を作製した。
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−2)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−2)を作製した。
[感光体(A−3)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−3)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−3)を作製した。
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−3)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−3)を作製した。
[感光体(A−4)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−4)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−4)を作製した。
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−4)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−4)を作製した。
[感光体(A−5)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−5)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−5)を作製した。
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−5)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−5)を作製した。
[感光体(A−6)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−6)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−6)を作製した。
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−6)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−6)を作製した。
[感光体(A−7)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−7)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−7)を作製した。
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−7)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−7)を作製した。
[感光体(A−8)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−8)を用いた以外は、感光体A−1と同様の手法により、感光体(A−8)を作製した。
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−8)を用いた以外は、感光体A−1と同様の手法により、感光体(A−8)を作製した。
[感光体(A−9)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−9)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−9)を作製した。
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−9)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−9)を作製した。
[感光体(A−10)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−10)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−10)を作製した。
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−10)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−10)を作製した。
[感光体(A−11)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−11)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−11)を作製した。
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−11)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−11)を作製した。
[感光体(A−12)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−12)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−12)を作製した。
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−12)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−12)を作製した。
[感光体(A−13)]
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−2)(粘度平均分子量49,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−13)を作製した。
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−2)(粘度平均分子量49,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−13)を作製した。
[感光体(A−14)]
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−3)(粘度平均分子量48,500)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−14)を作製した。
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−3)(粘度平均分子量48,500)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−14)を作製した。
[感光体(A−15)]
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−4)(粘度平均分子量51,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−15)を作製した。
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−4)(粘度平均分子量51,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−15)を作製した。
[感光体(A−16)]
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−5)(粘度平均分子量50,500)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−16)を作製した。
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−5)(粘度平均分子量50,500)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−16)を作製した。
[感光体(A−17)]
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−6)(粘度平均分子量50,700)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−17)を作製した。
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−6)(粘度平均分子量50,700)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−17)を作製した。
[感光体(A−18)]
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−7)(粘度平均分子量51,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−18)を作製した。
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−7)(粘度平均分子量51,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−18)を作製した。
[感光体(A−19)]
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−8)(粘度平均分子量52,500)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−19)を作製した。
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−8)(粘度平均分子量52,500)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−19)を作製した。
[感光体(A−20)]
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−9)(粘度平均分子量40,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−20)を作製した。なお、ポリカーボネート樹脂(Resin−9)は、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)と同様の繰返し単位を有していた。
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−9)(粘度平均分子量40,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−20)を作製した。なお、ポリカーボネート樹脂(Resin−9)は、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)と同様の繰返し単位を有していた。
[感光体(A−21)]
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−10)(粘度平均分子量31,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−21)を作製した。なお、ポリカーボネート樹脂(Resin−10)は、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)と同様の繰返し単位を有していた。
ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(Resin−10)(粘度平均分子量31,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−21)を作製した。なお、ポリカーボネート樹脂(Resin−10)は、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)と同様の繰返し単位を有していた。
[感光体(A−22)]
シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)に代えて、シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX300」)(平均一次粒径7nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−22)を作製した。
シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)に代えて、シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX300」)(平均一次粒径7nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−22)を作製した。
[感光体(A−23)]
シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)に代えて、シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)NAX50」)(平均一次粒径50nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−23)を作製した。
シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)に代えて、シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)NAX50」)(平均一次粒径50nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−23)を作製した。
[感光体(A−24)]
シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)に代えて、シリカ粒子(試作品)(平均一次粒径80nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−24)を作製した。
シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)に代えて、シリカ粒子(試作品)(平均一次粒径80nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−24)を作製した。
[感光体(A−25)]
シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)に代えて、シリカ粒子(株式会社トクヤマ製「NHM−3N」)(平均一次粒径125nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−25)を作製した。
シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)に代えて、シリカ粒子(株式会社トクヤマ製「NHM−3N」)(平均一次粒径125nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−25)を作製した。
[感光体(A−26)]
シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)に代えて、シリカ粒子(試作品)(平均一次粒径145nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−26)を作製した。
シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)に代えて、シリカ粒子(試作品)(平均一次粒径145nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−26)を作製した。
[感光体(A−27)]
ヘキサメチルジシラザンで表面処理したシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)に代えて、ジメチルジクロロシランで表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)R974」)(平均一次粒径12nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−27)を作製した。
ヘキサメチルジシラザンで表面処理したシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)に代えて、ジメチルジクロロシランで表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)R974」)(平均一次粒径12nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−27)を作製した。
[感光体(A−28)]
ヘキサメチルジシラザンで表面処理したシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)に代えて、ポリジメチルシロキサン(PDMP)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RY200」)(平均一次粒径12nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−28)を作製した。
ヘキサメチルジシラザンで表面処理したシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)に代えて、ポリジメチルシロキサン(PDMP)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RY200」)(平均一次粒径12nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−28)を作製した。
[感光体(A−29)]
シリカ粒子の含有量を、バインダー樹脂100質量部に対して5質量部から0.5質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−29)を作製した。
シリカ粒子の含有量を、バインダー樹脂100質量部に対して5質量部から0.5質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−29)を作製した。
[感光体(A−30)]
シリカ粒子の含有量を、バインダー樹脂100質量部に対して5質量部から2.0質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−30)を作製した。
シリカ粒子の含有量を、バインダー樹脂100質量部に対して5質量部から2.0質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−30)を作製した。
[感光体(A−31)]
シリカ粒子の含有量を、バインダー樹脂100質量部に対して5質量部から10質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−31)を作製した。
シリカ粒子の含有量を、バインダー樹脂100質量部に対して5質量部から10質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−31)を作製した。
[感光体(A−32)]
シリカ粒子の含有量を、バインダー樹脂100質量部に対して5質量部から15質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−32)を作製した。
シリカ粒子の含有量を、バインダー樹脂100質量部に対して5質量部から15質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−32)を作製した。
[感光体(B−1)]
バインダー樹脂として、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりに式(Resin−11)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−1)を作製した。なお、ポリカーボネート樹脂(Resin−11)は、繰返し単位(I−1)を有していなかった。
バインダー樹脂として、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりに式(Resin−11)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−1)を作製した。なお、ポリカーボネート樹脂(Resin−11)は、繰返し単位(I−1)を有していなかった。
[感光体(B−2)]
シリカ粒子の含有量を5質量部から0質量部に変更した以外(シリカ粒子を用いなかった以外)は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−2)を作製した。
シリカ粒子の含有量を5質量部から0質量部に変更した以外(シリカ粒子を用いなかった以外)は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−2)を作製した。
[感光体(B−3)]
シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)に代えて、シリカ粒子(試作品)(平均一次粒径170nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−3)を作製した。
シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」)(平均一次粒径12nm)に代えて、シリカ粒子(試作品)(平均一次粒径170nm)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−3)を作製した。
[感光体(B−4)]
シリカ粒子の含有量を5質量部から0質量部に変更した以外(シリカ粒子を用いなかった以外)は、感光体(B−1)と同様の手法により、感光体(B−4)を作製した。
シリカ粒子の含有量を5質量部から0質量部に変更した以外(シリカ粒子を用いなかった以外)は、感光体(B−1)と同様の手法により、感光体(B−4)を作製した。
[感光体(B−5)]
シリカ粒子の含有量を5質量部から2質量部に変更した以外は、感光体(B−1)と同様の手法により、感光体(B−5)を作製した。
シリカ粒子の含有量を5質量部から2質量部に変更した以外は、感光体(B−1)と同様の手法により、感光体(B−5)を作製した。
[感光体(B−6)]
シリカ粒子の含有量を5質量部から20質量部に変更した以外は、感光体(B−1)と同様の手法により、感光体(B−6)を作製した。
シリカ粒子の含有量を5質量部から20質量部に変更した以外は、感光体(B−1)と同様の手法により、感光体(B−6)を作製した。
[感光体の性能評価]
(電気的特性評価)
感光体(A−1)〜(A−32)及び感光体(B−1)〜(B−6)の何れかを、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、回転数を31rpmとし、−800Vになるように帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm、露光量:1.0μJ/cm2)をハロゲンランプの光からハンドパスフィルターを用いて取り出し、感光体の表面に照射した。単色光の照射後、50ミリ秒が経過した後の表面電位を測定した。測定した表面電位を残留電位(VL)とした。測定環境は、温度23℃、かつ湿度50%RHとした。
(電気的特性評価)
感光体(A−1)〜(A−32)及び感光体(B−1)〜(B−6)の何れかを、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、回転数を31rpmとし、−800Vになるように帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm、露光量:1.0μJ/cm2)をハロゲンランプの光からハンドパスフィルターを用いて取り出し、感光体の表面に照射した。単色光の照射後、50ミリ秒が経過した後の表面電位を測定した。測定した表面電位を残留電位(VL)とした。測定環境は、温度23℃、かつ湿度50%RHとした。
(感光体の耐オイルクラック性評価)
感光体(A−1)〜(A−32)及び感光体(B−1)〜(B−6)の何れかの表面に指を圧接して、指油を一か所付着させて、温度23℃及び湿度50%RHの条件で、48時間(2日間)放置した。その後、目視で及び光学顕微鏡(ニコン株式会社製「OPTISHOT300」倍率50倍)を用いて指油が付着した感光体の表面を観察し、クラックの発生箇所を数えた。得られたクラック発生箇所から下記基準に従って、感光体の耐オイルクラック性を評価した。
A:目視によっても顕微鏡によってもクラック発生箇所が確認されなかった。
B:目視ではクラック発生箇所を確認できず、顕微鏡で観察できるクラック発生箇所が1箇所以下であった。
C:目視で確認できるクラック発生箇所が5箇所以下であった。
D:目視で確認できるクラック発生箇所が6箇所以上であった。
感光体(A−1)〜(A−32)及び感光体(B−1)〜(B−6)の何れかの表面に指を圧接して、指油を一か所付着させて、温度23℃及び湿度50%RHの条件で、48時間(2日間)放置した。その後、目視で及び光学顕微鏡(ニコン株式会社製「OPTISHOT300」倍率50倍)を用いて指油が付着した感光体の表面を観察し、クラックの発生箇所を数えた。得られたクラック発生箇所から下記基準に従って、感光体の耐オイルクラック性を評価した。
A:目視によっても顕微鏡によってもクラック発生箇所が確認されなかった。
B:目視ではクラック発生箇所を確認できず、顕微鏡で観察できるクラック発生箇所が1箇所以下であった。
C:目視で確認できるクラック発生箇所が5箇所以下であった。
D:目視で確認できるクラック発生箇所が6箇所以上であった。
(感光体の耐摩耗性評価)
感光体(A−1)〜(A−32)及び感光体(B−1)〜(B−6)の何れかの製造において調製した電荷輸送層用塗布液を、アルミパイプ(直径:78mm)に巻きつけたポリプロピレンシート(厚さ0.3mm)に塗布した。これを、120℃で40分乾燥し、膜厚30μmの電荷輸送層が形成された摩耗評価試験用のシートを作製した。
感光体(A−1)〜(A−32)及び感光体(B−1)〜(B−6)の何れかの製造において調製した電荷輸送層用塗布液を、アルミパイプ(直径:78mm)に巻きつけたポリプロピレンシート(厚さ0.3mm)に塗布した。これを、120℃で40分乾燥し、膜厚30μmの電荷輸送層が形成された摩耗評価試験用のシートを作製した。
このポリプロピレンシートから電荷輸送層を剥離し、ウィールS−36(テーバー社製)に貼り付け、サンプルを作製した。作製したサンプルをロータリーアブレージョンテスター(株式会社東洋精機製作所製)にセットし、摩耗輪CS−10(テーバー社製)を用い、荷重500gfかつ回転速度60rpmの条件で1,000回転させ、摩耗評価試験を実施した。摩耗評価試験前後のサンプルの質量変化である摩耗減量(mg/1000回転)を測定した。得られた摩耗減量に基づいて、感光体の耐摩耗性を評価した。
表1、表2及び表3は、感光体(A−1)〜(A−32)及び感光体(B−1)〜(B−6)の電荷輸送層に含有される各材料を示す。表1〜3中、シリカ粒子の平均一次粒径は、実施形態で述べたN2吸着等温線を測定する方法により測定した。表4及び表5は、感光体(A−1)〜(A−32)及び感光体(B−1)〜(B−6)の性能評価結果を示す。
表1及び表2に示すように、感光体(A−1)〜(A−32)では、電荷輸送層は、電荷輸送剤(CTM−1)〜(CTM−12)の何れかを含有していた。また、電荷輸送層は、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−1)〜(Resin−10)の何れかを含有していた。バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−1)〜(Resin−10)は、ポリカーボネート樹脂(I)であった。また、電荷輸送層はシリカ粒子を含有していた。シリカ粒子の平均一次粒径は、7nm以上145nm以下であった。シリカ粒子の含有量はバインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下であった。
表3に示すように、感光体(B−1)では、電荷輸送層はバインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−11)を含有していた。ポリカーボネート樹脂(Resin−11)は、ポリカーボネート樹脂(I)ではなかった。感光体(B−2)では、電荷輸送層はシリカ粒子を含有していなかった。感光体(B−3)では、電荷輸送層はシリカ粒子を含有していた。このシリカ粒子の平均一次粒径は170nmであった。感光体(B−4)では、電荷輸送層はバインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−11)を含有していた。電荷輸送層はシリカ粒子を含有していなかった。感光体(B−5)では、電荷輸送層は平均一次粒径12nmのシリカ粒子を含有していた。シリカ粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して2質量部であった。感光体(B−6)では、電荷輸送層は平均一次粒径12nmのシリカ粒子を含有していた。シリカ粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して20質量部であった。
表4及び表5に示すように、感光体(A−1)〜(A−32)では、摩耗減量が2.2mg以上5.0mg以下であった。感光体(A−1)〜(A−32)では、耐オイルクラック性の評価がA、B又はCであった。
表5に示すように、感光体(B−1)及び(B−6)では、摩耗減量が4.0mg以上5.4mg以下であり、耐オイルクラック性の評価がDであった。感光体(B−2)(B−5)では、摩耗減量が4.9mg以上6.5mg以下であり、耐オイルクラック性の評価がA、又はBであった。
表1〜表5から明らかなように、本発明の積層型電子写真感光体(感光体(A−1)〜(A−32))は、感光体(B−1)〜(B−6)に比べ、オイル付着に起因するクラックの発生が抑制されており、加えて耐摩耗試験において摩耗減量が少なかった。従って、本発明に係る電子写真感光体によれば、優れた電気的特性を維持しつつ、耐摩耗性及び耐オイルクラック性が向上することが明らかである。
本発明に係る電子写真感光体は、複合機のような画像形成装置に利用できる。
10 積層型電子写真感光体
11 導電性基体
12 感光層
13 電荷発生層
14 電荷輸送層
15 中間層
11 導電性基体
12 感光層
13 電荷発生層
14 電荷輸送層
15 中間層
Claims (8)
- 感光層を備える積層型電子写真感光体であって、
前記感光層は、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤、バインダー樹脂、及びシリカ粒子を含有する電荷輸送層とを備え、
前記電荷輸送層は一層であり、前記電荷輸送層は最表面層として配置され、
前記シリカ粒子の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下であり、
前記シリカ粒子の平均一次粒径は、5nm以上150nm以下であり、
前記バインダー樹脂は、一般式(I)で表されるポリカーボネート樹脂を含む、積層型電子写真感光体。
R1及びR2は、各々独立に、水素原子、又は、置換若しくは無置換のアルキル基を表し、
R3及びR4は、各々独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は、置換若しくは無置換のアリール基を表し、R3とR4とは互いに結合して環を形成しシクロアルキリデン基になってもよく、
nの値は0.00より大きく1.00未満である。
- 前記一般式(I)中、
nの値が0.25以上0.50以下である、請求項1に記載の積層型電子写真感光体。
- 前記一般式(I)中、
R1及びR2は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、
R3及びR4は、各々独立に、水素原子、若しくは炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すか、又は互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルキリデン基を表す、請求項1又は2に記載の積層型電子写真感光体。
- 前記シリカ粒子の表面は、ヘキサメチルジシラザンで処理された、請求項1〜3の何れか一項に記載の積層型電子写真感光体。
- 前記シリカ粒子の平均一次粒径が50nm以上150nm以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の積層型電子写真感光体。
- 前記電荷輸送剤が、一般式(II)、(III)、(IV)又は(V)で表される化合物を含む、請求項1〜5の何れか1項に記載の積層型電子写真感光体。
Q1は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基を表し、
Q2は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表し、
Q3、Q4、Q5、Q6、及びQ7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基で表し、Q3、Q4、Q5、Q6、及びQ7のうちの隣接した二つが互いに結合して環を形成してもよく、
aは、0以上5以下の整数を表し、aが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
Q8、Q10、Q11、Q12、Q13、及びQ14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表し、
Q9、及びQ15は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表し、
bは、0以上5以下の整数を表し、bが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ9は、互いに同一でも異なっていてもよく、
cは、0以上4以下の整数を表し、cが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ15は、互いに同一でも異なっていてもよく、
kは、各々独立に、0又は1を表す。
Ra、Rb及びRcは、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、
qは、各々独立に、0以上4以下の整数を表し、qが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRcは、互いに同一でも異なっていてもよく、
m及びpは、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、mが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、pが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRaは、互いに同一でも異なっていてもよい。
Ar1は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基、及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されてもよいアリール基、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基、及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されてもよい複素環基を表し、
Ar2は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基、及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されてもよいアリール基を表す。
- 前記一般式(II)中、
Q1は、各々独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されたフェニル基を表し、
Q2は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表し、
Q3、Q4、Q5、Q6及びQ7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、若しくは炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表すか、又はQ3、Q4、Q5、Q6及びQ7のうち隣接した二つが互いに結合して環を形成し、
aは、各々独立に、0又は1を表し、
前記一般式(III)中、
Q8、Q10、Q11、Q12、Q13及びQ14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、
b及びcは、0を表し、
前記一般式(IV)中、を表し、
Ra及びRbは、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表し、
m及びpは、各々独立に、0以上2以下の整数を表し、
qは0を表し、
前記一般式(V)中、
Ar1は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基で置換されたフェニル基を表し、
Ar2は、フェニル基を表す、請求項7に記載の積層型電子写真感光体。
- 前記バインダー樹脂の粘度平均分子量が40,000以上である、請求項1〜7の何れか1項に記載の積層型電子写真感光体。
Priority Applications (1)
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JP2015174540A JP2017049520A (ja) | 2015-09-04 | 2015-09-04 | 積層型電子写真感光体 |
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