JP2017049523A - 積層型電子写真感光体及び積層型電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

積層型電子写真感光体及び積層型電子写真感光体の製造方法 Download PDF

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賢輔 大川
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潤 東
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Akihiko Ogata
明彦 尾形
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Junichiro Otsubo
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Abstract

【課題】耐摩耗性及び白色耐光性の両立が可能な積層型電子写真感光体を提供する。
【解決手段】積層型電子写真感光体は、感光層を備える。感光層として、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。電荷輸送層は一層であり、電荷輸送層は最表面層として配置される。電荷輸送層は、電荷輸送剤、バインダー樹脂、シリカ粒子及びレベリング剤を含有する。シリカ粒子の平均一次粒径は、5nm以上150nm以下である。シリカ粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下である。感光層の表面における動摩擦係数は、0.25以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層型電子写真感光体及び積層型電子写真感光体の製造方法に関する。
電子写真方式のプリンター又は複合機においては、像担持体として電子写真感光体が用いられている。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、積層型電子写真感光体が用いられる。積層型電子写真感光体は、感光層として、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを備える。
特許文献1に記載の電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも感光層を有する。電子写真感光体の表面層が、シロキサン構造の繰り返し単位を含む変性ポリカーボネート共重合体を含有する。電子写真感光体の表面層が、体積平均粒径が0.005μm以上0.05μm未満であるシリカ粒子を含有する。
特開2001−66800号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電子写真感光体では、電子写真感光体の耐摩耗性及び白色耐光性を両立させることは困難である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐摩耗性及び白色耐光性の両立が可能な積層型電子写真感光体を提供することである。また、耐摩耗性及び白色耐光性の両立が可能な積層型電子写真感光体の製造方法を提供することである。
本発明の積層型電子写真感光体は、感光層を備える。前記感光層として、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。前記電荷輸送層は一層であり、前記電荷輸送層は最表面層として配置される。前記電荷輸送層は、電荷輸送剤、バインダー樹脂、シリカ粒子及びレベリング剤を含有する。前記シリカ粒子の平均一次粒径は、5nm以上150nm以下である。前記シリカ粒子の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下である。前記感光層の表面における動摩擦係数は、0.25以下である。
本発明の積層型電子写真感光体の製造方法は、上述の積層型電子写真感光体の製造方法である。本発明の積層型電子写真感光体の製造方法は、電荷輸送層形成工程を有する。前記電荷輸送層形成工程では、電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に塗布し、塗布した前記電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して前記電荷輸送層を形成する。前記電荷輸送層用塗布液は、前記電荷輸送剤、前記バインダー樹脂、前記シリカ粒子及び前記レベリング剤を、超音波分散装置を用いて前記溶剤中に分散させることにより得られる。
本発明の積層型電子写真感光体によれば、耐摩耗性及び白色耐光性を両立させることができる。本発明の積層型電子写真感光体の製造方法によれば、耐摩耗性及び白色耐光性の両立が可能な積層型電子写真感光体を製造することができる。
(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る積層型電子写真感光体の構造を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。化学式中の「−OMe」、「−n−Bu」、「n−C1837」、「n−C37」、「i−C37」及び「t−Bu」は、各々、メトキシ基、n−ブチル基、n−オクタデシル基、n−プロピル基、イソプロピル基及びtert−ブチル基を表す。
以下、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカン及び炭素原子数6以上14以下のアリール基は、各々、次の意味である。
炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換の炭素原子数1以上8以下のアルキル基である。炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換の炭素原子数1以上6以下のアルキル基である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基又はヘキシル基が挙げられる。
炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換の炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基である。炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基又はオクチルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換の炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンは、例えば、炭素原子数5以上7以下の非置換のシクロアルカンである。炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンの例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン又はシクロヘプタンが挙げられる。
炭素原子数6以上14以下のアリール基は、例えば、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基又は素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基である。炭素原子数6以上14以下のアリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基又はフェナントリル基が挙げられる。
<積層型電子写真感光体>
本発明の実施形態は、積層型電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)に関する。本実施形態に係る感光体は、感光層を備える。感光体は、感光層として、電荷発生層と電荷輸送層とを備える。
以下、図1を参照して、本実施形態における感光体10の構造を説明する。図1は、本実施形態における感光体10の構造を示す概略断面図である。
図1(a)に示すように、感光体10は、例えば、導電性基体11と、感光層12とを備える。感光体10は、感光層12として、電荷発生層13と電荷輸送層14とを備える。導電性基体11上に電荷発生層13が配置される。
電荷輸送層14は一層(単層)である。電荷発生層13上に電荷輸送層14が最表面層として配置される。後述する所定の成分を含有する一層構造の電荷輸送層14が最表面層として配置されることにより、感光体の耐摩耗性及び白色耐光性を向上させることができる。また、電荷輸送層14の膜厚は、電荷発生層13の膜厚と比べて薄いことが多い。電荷輸送層14が最表面層として配置されることにより、感光体10を長期間使用した場合であっても、電荷発生層13の磨耗及び破損を抑制できる傾向がある。なお、電荷発生層13は、単層であってもよく、複数層であってもよい。
電荷輸送層が一層であること及び最表面層として配置されることは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製「JSM−6700F」)を用いて確認される。詳しくは、感光層の断面を形成する。TEMを用いて、感光層の断面の画像を撮影する。得られた画像を観察し、電荷輸送層が一層であること及び最表面層として配置されることを確認する。
図1(b)に示すように、感光体10は、導電性基体11と感光層12と中間層(下引き層)15とを備えていてもよい。図1(b)に示すように、中間層15は、導電性基体11と電荷発生層13との間に設けられてもよい。中間層15は、電荷発生層13と電荷輸送層14との間に設けられてもよい。
以上、図1を参照して、本実施形態に係る感光体10の構造を説明した。続いて、本実施形態に係る感光体の要素を説明する。
<1.導電性基体>
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いられる限り、特に限定されない。導電性基体は、少なくとも表面部が導電性を有する材料で形成されていればよい。導電性基体の一例は、導電性を有する材料で形成される導電性基体である。導電性基体の別の例は、導電性を有する材料で被覆される導電性基体である。導電性を有する材料で被覆される導電性基体として具体的には、導電性を有する材料が蒸着又はラミネートされたプラスチック又はガラスが挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮、ヨウ化アルミニウム、アルマイト、酸化スズ又は酸化インジウムが挙げられる。これらの導電性を有する材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。
これらの導電性を有する材料の中でも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることからアルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体の形状は、導電性基体が用いられる画像形成装置の構造に合わせて、適宜選択される。導電性基体は、例えば、シート状であってもよく、ドラム状であってもよい。導電性基体の厚みは、導電性基体の形状に応じて、適宜選択される。
<2.電荷発生層>
電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。電荷発生層は、必要に応じて、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することがある)及び各種添加剤を含有してもよい。電荷発生層の厚さは、電荷発生層として十分に作用する限り、特に限定されない。電荷発生層の厚さは、具体的には、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。
<2−1.電荷発生剤>
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム又はアモルファスシリコン)の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料又はキナクリドン系顔料が挙げられる。
フタロシアニン顔料としては、例えば、化学式(CGM−1)で表される無金属フタロシアニン又は金属フタロシアニンが挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、化学式(CGM−2)で表されるチタニルフタロシアニン、化学式(CGM−3)で表されるヒドロキシガリウムフタロシアニン又は化学式(CGM−4)で表されるクロロガリウムフタロシアニンが挙げられる。フタロシアニン顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。フタロシアニン顔料の結晶形状(例えば、α型、β型、Y型、V型又はII型)については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン顔料が使用される。
Figure 2017049523
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Figure 2017049523
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無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶(以下、X型無金属フタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型又はY型結晶(以下、α型、β型又はY型チタニルフタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニンのV型結晶が挙げられる。クロロガリウムフタロシアニンの結晶としては、クロロガリウムフタロシアニンのII型結晶が挙げられる。
所望の領域に吸収波長を有する電荷発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上の電荷発生剤を組み合わせて用いてもよい。例えば、デジタル光学系の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用したレーザービームプリンター又はファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。この場合、電荷発生剤としては、波長領域700nm以上で高い量子収率を有することから、X型無金属フタロシアニン又はY型チタニルフタロシアニンが好ましい。Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、例えば、ブラッグ角2θ±0.2°の27.2°にピークを有する。
(CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法)
CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法の一例について説明する。試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(例えば、株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、例えば3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。
短波長レーザー光源(例えば、350nm以上550nm以下程度の波長を有するレーザー光源)を用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料又はペリレン系顔料が好適に用いられる。
電荷発生剤の含有量は、ベース樹脂100質量部に対して、5質量部以上1000質量部以下であることが好ましく、30質量部以上500質量部以下であることがより好ましい。
<2−2.ベース樹脂>
ベース樹脂は、電荷発生層用の樹脂である限り、特に限定されない。ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリレート(エポキシ化合物のアクリル酸付加物)又はウレタン−アクリレート(ウレタン化合物のアクリル酸付加物)が挙げられる。ベース樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂が好適に使用される。ベース樹脂は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
ベース樹脂としては、後述するバインダー樹脂とは異なる樹脂が選択されることが好ましい。感光体を製造する際、例えば、電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液が塗布されることから、電荷発生層が電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが好ましいためである。
<3.電荷輸送層>
電荷輸送層は、電荷輸送剤としての正孔輸送剤、レベリング剤、シリカ粒子及びバインダー樹脂を含有する。電荷輸送層は、必要に応じて、電子アクセプター化合物及び各種添加剤を含有してもよい。電荷輸送層の厚さは、具体的には、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。
感光層の表面における動摩擦係数、すなわち電荷輸送層の表面における動摩擦係数は0.25以下である。感光層の表面における動摩擦係数が0.25以下であることにより、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。感光体の白色耐光性、耐摩耗性及び表面外観を向上させるためには、感光層の表面における動摩擦係数が0.23以下であることが好ましく、0.21以下であることがより好ましい。耐久性に優れる感光体の製造を容易にするためには、感光層の表面における動摩擦係数が0.10以上であることが好ましい。
感光層の表面における動摩擦係数は、例えば、以下の方法で測定される。ビーム型ロードセルを用いて、荷重を付与しながら感光層の表面の抵抗値を測定する。得られた抵抗値を荷重で除することにより、感光層の表面における動摩擦係数を算出する。具体的には、実施例で述べる方法が挙げられる。
<3−1.レベリング剤>
電荷輸送層にレベリング剤と後述するシリカ微粒子とが併用されることにより、感光層の表面における動摩擦係数を0.25以下に調整し易くなる。これにより、感光層の耐摩擦性を向上させて、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。その結果、耐久性に優れた感光体が得られると考えられる。
また、電荷輸送層がレベリング剤を含有することにより、塗膜の表面張力を均一にし、塗膜表面の欠陥(例えば、ベナードセル、ヘコミ又はハジキ)を抑制できる傾向がある。
レベリング剤としては、例えば、シリコーンレベリング剤、アクリル酸系レベリング剤又はフッ素含有レベリング剤が挙げられる。レベリング剤は、溶剤に溶かして使用してもよい。
レベリング剤のなかでも、シリコーンレベリング剤が好ましく、シロキサン骨格を有するシリコーンオイルがより好ましい。感光体の耐摩耗性及び白色耐光性を向上させるためには、シロキサン骨格を有するシリコーンオイルとしては、下記一般式(Ia)又は(Ib)で表される化合物(以下、化合物(Ia)又は(Ib)と記載することがある)が好ましい。更に、電荷輸送層における固形状異物の発生を抑制し感光体の外観を向上させるためには、シロキサン骨格を有するシリコーンオイルとして、化合物(Ia)が含有されることがより好ましい。
Figure 2017049523
一般式(Ia)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェニル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、グリシジル基、カルボキシル基又はアミノ基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基を表すことがより好ましい。
一般式(Ia)中、rは、1以上の整数を表す。rは、rが付された繰り返し単位の個数(重合度)を表す。rは10以上の整数であることが好ましく、20以上の整数であることがより好ましい。rが10以上の整数であれば、化合物(Ia)の分子量が十分大きくなり、感光体の耐摩耗性及び表面外観を向上させ易くなる。rは、5000以下の整数であることが好ましく、3000以下の整数であることがより好ましい。
Figure 2017049523
一般式(Ib)中、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェニル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、グリシジル基、カルボキシル基又はアミノ基を表す。R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
一般式(Ib)中、s及びtは、各々独立に、1以上の整数を表す。s及びtは、各々、s及びtが付された繰り返し単位の個数を表す。s及びtは、各々独立に、10以上の整数であることが好ましい。s及びtがそれぞれ、10以上の整数であれば、化合物(Ib)の分子量が十分大きくなり、感光体の耐摩耗性及び表面外観を向上させ易くなる。s及びtは、各々独立に、5000以下の整数であることが好ましく、3000以下の整数であることがより好ましく、1500以下の整数であることが更に好ましい。なお、化合物(Ib)は、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体又はブロック共重合体の何れであってもよい。
化合物(Ia)の具体例としては、下記一般式(Oil−1)で表される化合物が挙げられる。化合物(Ib)の具体例としては、下記一般式(Oil−2)で表される化合物が挙げられる。一般式(Oil−1)及び(Oil−2)中、r、s及びtは各々、一般式(Ia)及び(Ib)中のr、s及びtと同義である。以下、一般式(Oil−1)及び(Oil−2)で表される化合物を、各々、化合物(Oil−1)及び(Oil−2)と記載することがある。
Figure 2017049523
Figure 2017049523
感光体の耐摩耗性を向上させるためには、レベリング剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上1.5質量部以下であることが好ましい。また、レベリング剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上であると、感光層の表面における動摩擦係数を所望の値に調整し易くなる。更に、電荷輸送層における固形状異物の発生を抑制し感光体の外観を向上させるためには、レベリング剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上0.9質量部以下であることがより好ましい。
<3−2.電荷輸送剤>
電荷輸送剤としての正孔輸送剤は、アリールアミン構造を有する化合物であることが好ましい。正孔輸送剤の例としては、下記一般式(II)、(III)、(IV)又は(V)で表される化合物が挙げられる。以下、一般式(II)、(III)、(IV)及び(V)で表される化合物を、各々、化合物(II)、(III)、(IV)及び(V)と記載することがある。
Figure 2017049523
一般式(II)中、Q1は、水素原子、フェニル基、炭素原子数1以上8以下のアルキル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。Q1がフェニル基である場合、フェニル基は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよい。Q1としては、水素原子又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基が好ましい。Q1で表される炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基が好ましく、メチル基で置換されてもよいフェニル基がより好ましい。
一般式(II)中、Q2は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基を表す。Q2としては、炭素原子数1以上8以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上6以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
一般式(II)中、Q3、Q4、Q5、Q6及びQ7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基を表す。Q3、Q4、Q5、Q6及びQ7としては、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基が好ましい。Q3、Q4、Q5、Q6及びQ7で表される炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基又はn−ブチル基が特に好ましい。Q3、Q4、Q5、Q6及びQ7で表される炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基としては、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
一般式(II)中、Q3、Q4、Q5、Q6及びQ7のうちの隣接した二つが互いに結合して、環を形成してもよい。例えば、Q3〜Q7のうちの隣接したQ3とQ4とが互いに結合して、環を形成してもよい。形成される環としては、例えば、ベンゼン環又は炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンが挙げられる。Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合してベンゼン環を形成する場合、このベンゼン環はQ3〜Q7が結合するフェニル基と縮合して二環縮合環基(ナフチル基)を形成する。Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成する場合、この炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンはQ3〜Q7が結合するフェニル基と縮合して二環縮合環基を形成する。この場合、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンとフェニル基との縮合部位は、二重結合を含んでもよい。Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合して、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成することが好ましく、シクロヘキサンを形成することがより好ましい。
一般式(II)中、aは、0以上5以下の整数を表す。aが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ2は、互いに同一でも異なっていてもよい。Q2の結合位置は特に限定されない。Q2は、ブタジエニル基に対してフェニル基のオルト位、メタ位及びパラ位の何れに結合してもよい。
aが2以上5以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ2は、同一でも異なっていてもよい。理解を容易にするために、aが2であり、同一のフェニル基に結合する2個のQ2がブタジエニル基に対してフェニル基のオルト位とメタ位とに結合する場合を例に挙げて説明する。この場合、同一のフェニル基において、オルト位のQ2とメタ位のQ2とは同一でも異なっていてもよい。但しこの場合、Q2が結合する異なる2個のフェニル基については、各フェニル基のオルト位に結合するQ2は、何れも同一である。また、この場合、各フェニル基のメタ位に結合するQ2は、何れも同一である。
aは0又は1であることが好ましい。aが1である場合、Q2はブタジエニル基に対してフェニル基のパラ位に結合することがより好ましい。
Figure 2017049523
一般式(III)中、Q8、Q10、Q11、Q12、Q13及びQ14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基を表す。Q8、Q10、Q11、Q12、Q13及びQ14としては、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基又はフェニル基であることが好ましい。Q8、Q10、Q11、Q12、Q13及びQ14で表される炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、メチル又はエチルがより好ましい。
一般式(III)中、Q9及びQ15は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基を表す。
一般式(III)中、bは、0以上5以下の整数を表す。bが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ9は、互いに同一でも異なっていてもよい。bが2以上5以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ9は、同一でも異なっていてもよい。複数のQ9が同一でも異なってもよいとは、一般式(II)中のaが2以上5以下の整数である場合と同様である。bは、0であることが好ましい。
一般式(III)中、cは、0以上4以下の整数を表す。cが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ15は、互いに同一でも異なっていてもよい。cが2以上4以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ15は、同一でも異なっていてもよい。複数のQ15が同一でも異なってもよいとは、一般式(II)中のaが2以上5以下の整数である場合と同様である。cは、0であることが好ましい。
一般式(III)中、kは、0又は1を表す。
Figure 2017049523
一般式(IV)中、Ra、Rb及びRcは、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。Ra及びRbの表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基又はエチル基を表すことがより好ましい。
一般式(IV)中、m及びpは、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。mが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRbは、互いに同一でも異なっていてもよい。pが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRaは、互いに同一でも異なっていてもよい。複数のRa又はRbが同一でも異なってもよいとは、一般式(II)中のaが2以上5以下の整数である場合と同様である。m及びpは、各々独立に、0以上2以下の整数を表すことが好ましい。
一般式(IV)中、qは、0以上4以下の整数を表す。qが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRcは、互いに同一でも異なっていてもよい。複数のRcが同一でも異なってもよいとは、一般式(II)中のaが2以上5以下の整数である場合と同様である。qは0を表すことが好ましい。
Figure 2017049523
一般式(V)中、Ar1は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基を表す。又は、Ar1は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されてもよい共役二重結合を有する複素環基を表す。
一般式(V)中、Ar1が表わすアリール基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基が挙げられる。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、炭素原子数6以上14以下の芳香族単環炭化水素基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上(好ましくは1個又は2個)の置換基で置換されてもよい。アリール基が置換基で置換される場合、アリール基の置換基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
一般式(V)中、Ar1が表わす共役二重結合を有する複素環基は、2個の二重結合が1個の単結合で連結された構造を少なくとも1個有する。Ar1が表わす共役二重結合を有する複素環基としては、例えば、1個以上(好ましくは1個以上3個以下)のヘテロ原子を含み、2個以上3個以下の二重結合を有する5員又は6員の単環の複素環基;このような単環同士が縮合した複素環基;又は、このような単環と、5員又は6員の炭化水素環とが縮合した複素環基が挙げられる。ヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選択される1種以上である。共役二重結合を有する複素環基の具体例としては、チオフェニル基、フラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、イソインドリル基、クロメニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、プリニル基、プテリジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、4H−キノリジニル基、ナフチリジニル基、ベンゾフラニル基、1,3−ベンゾジオキソリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基又はベンズイミダゾリル基が挙げられる。共役二重結合を有する複素環基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上(好ましくは1個又は2個)の置換基で置換されてもよい。
一般式(V)中、Ar2は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基を表す。
一般式(V)中、Ar2が表わすアリール基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基が挙げられる。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、炭素原子数6以上14以下の芳香族単環炭化水素基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上(好ましくは1個又は2個)の置換基で置換されてもよい。
化合物(II)〜(V)の具体例としては、化学式(CTM−1)〜(CTM−10)で表される化合物が挙げられる。化学式(CTM−1)〜(CTM−10)で表される化合物を、各々、化合物(CTM−1)〜(CTM−10)と記載することがある。
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、20質量部以上100質量部以下であることがより好ましく、30質量部以上60質量部以下であることが一層好ましく、30質量部以上55質量部以下であることが特に好ましい。正孔輸送剤の含有量がバインダー樹脂100質量部に対して10質量部以上であると、感光体の電気特性を向上させ易い。一方、正孔輸送剤の含有量がバインダー樹脂100質量部に対して200質量部以下であると、電荷輸送層中での正孔輸送剤の分散性が向上し、感光体の正孔輸送効率を向上させ易い。
電荷輸送層は、化合物(II)〜(IV)以外の別の正孔輸送剤を更に含有してもよい。正孔輸送剤は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
<3−3.電子アクセプター化合物>
電荷輸送層は、必要に応じて、電子アクセプター化合物を含有してもよい。電子アクセプター化合物を含有することにより、正孔輸送剤の正孔輸送能を向上させることができる。
電子アクセプター化合物としては、例えば、キノン系化合物(例えば、ナフトキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アゾキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物又はジニトロアントラキノン系化合物)、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸又はジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。これらの電子アクセプター化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
電子アクセプター化合物の具体例としては、下記化学式(ETM−1)〜(ETM−8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
電子アクセプター化合物の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
<3−4.バインダー樹脂>
バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂の例としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂の例としては、エポキシアクリレート(エポキシ化合物のアクリル酸付加物)又はウレタン−アクリレート(ウレタン化合物のアクリル酸付加物)が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
これらの樹脂の中では、加工性、機械的特性、光学的特性及び耐摩耗性のバランスに優れた感光層が得られることから、ポリカーボネート樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂の例としては、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールZC型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールC型ポリカーボネート樹脂又はビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂が挙げられる。バインダー樹脂の具体例としては、化学式(Resin−1)で表される繰り返し単位を有する樹脂が挙げられる。
Figure 2017049523
バインダー樹脂の粘度平均分子量は、30000以上であることが好ましく、40000以上であることがより好ましく、40000以上52500以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が30000以上であると、電荷輸送層の耐摩耗性を高めることができ、感光体の耐摩耗性を向上させ易い。更に、バインダー樹脂の粘度平均分子量が40000以上であると、感光体の耐摩耗性を一層向上させることができる。更に、バインダー樹脂の粘度平均分子量が52500以下であると、バインダー樹脂が溶剤に溶解し易くなり、電荷輸送層用塗布液を調製し易くなる。
<3−5.シリカ粒子>
電荷輸送層はシリカ粒子を含有する。電荷輸送層がシリカ粒子を含有することにより、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。また、シリカ粒子には、表面処理が容易であり、製造コストに優れ、粒径の調製が容易であるという利点もある。更に、既に述べたように、電荷輸送剤にレベリング剤とシリカ粒子とが併用されることにより、感光層の表面における動摩擦係数を0.25以下に調整し易くなる。これにより、感光層の耐摩擦性を向上させて、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。その結果、耐久性に優れた感光体が得られると考えられる。
シリカ粒子の平均一次粒径は、5nm以上150nm以下である。シリカ粒子の平均一次粒径が150nmを超えると、感光体の白色耐光性が低下する傾向がある。一方、シリカ粒子の平均一次粒径が5nm未満であると、シリカ粒子同士の凝集が進み、バインダー樹脂へのシリカ粒子の分散性が悪化する場合がある。
電荷輸送層における固形状異物の発生を抑制し感光体の外観を向上させるためには、シリカ粒子の平均一次粒径は、10nm以上150nm以下であることが好ましい。感光体の耐摩耗性、白色耐光性及び感光体の外観を更に向上させるためには、シリカ粒子の平均一次粒径は、50nm以上150nm以下であることがより好ましく、80nm以上145nm以下であることが更に好ましく、80nm以上110nm以下であることが特に好ましい。
シリカ粒子の平均一次粒径は、例えば、以下の方法で測定される。測定試料として、シリカ(複数のシリカ粒子である粉体)を使用する。測定試料の−196℃でのN2吸着等温線を測定する。得られたN2吸着等温線をBrunauer、Emmett及びTellerの方法、更にDe Boerによるt曲線法に従って評価する。これにより、測定試料の比表面積を算出する。得られた測定試料の比表面積から、数式「S=6/ρd」に従って、測定試料の粒径を算出する。数式中、Sは測定試料の比表面積を、ρは測定試料の密度を、dは測定試料の粒径を示す。算出された測定試料の粒径を、シリカ粒子の平均一次粒径とする。なお、シリカ粒子の平均一次粒径を測定する別の方法としては、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて測定試料の画像を撮影し、得られた画像から平均一次粒径を算出する方法も挙げられる。
シリカ粒子の表面は、感光体の耐摩耗性を向上させるために、表面処理剤で処理されていることが好ましい。シリカ粒子の表面が表面処理剤で処理されることにより、シリカ粒子の表面の水酸基の少なくとも一部がシリル化される。シリカ粒子の表面処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、N−メチル−ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチル−N−プロピルジシラザン、ジメチルジクロロシラン又はポリジメチルシロキサンが挙げられる。
シリカ粒子の表面処理剤としては、ヘキサメチルジシラザンを用いることが好ましい。表面処理剤としてヘキサメチルジシラザンを用いることにより、以下の利点があると考えられる。第一の利点として、電荷輸送層における固形状異物の発生を抑制し、感光体の外観を向上させることができる。第二の利点として、シリカ粒子の表面の水酸基とヘキサメチルジシラザンが有するトリメチルシリル基との反応性が良好であるため、シリカ粒子の表面の水酸基が少なくなる傾向がある。その結果、水分(湿度)による感光体の電気特性の低下を抑制できると考えられる。第三の利点として、シリカ粒子の表面からの表面処理剤の遊離を抑制できる傾向がある。このため、遊離した表面処理剤が電荷をトラップすることによる感光体の感度繰り返し特性の低下を抑制できると考えられる。
表面処理剤が例えばヘキサメチルジシラザンである場合、シリカ粒子の表面の水酸基がシリル化されて、シリカ粒子の表面は下記化学式で表される部位を有する。
Figure 2017049523
シリカ粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下である。シリカ粒子の含有量がバインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上であると、感光体の耐摩耗性が向上する傾向がある。シリカ粒子の含有量がバインダー樹脂100質量部に対して15質量部以下であると、感光体の白色耐光性が向上する傾向がある。また、シリカ粒子の含有量がバインダー樹脂100質量部に対して15質量部以下であると、感光層の表面における動摩擦係数を所望の値に調整し易くなる。更に、シリカ粒子の含有量がバインダー樹脂100質量部に対して15質量部以下であると、バインダー樹脂のスタッキング構造が保持され易くなる。シリカ粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上8質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以上5質量部以下であることが一層好ましい。その理由は、感光体の白色耐光性を一層向上させることができるからである。また、電荷輸送層における固形状異物の発生を抑制し、感光体の外観を向上させることができるからである。
<4.添加剤>
電荷発生層、電荷輸送層及び中間層のうちの少なくとも一つは、必要に応じて、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項クエンチャー又は紫外線吸収剤)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー又は界面活性剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン若しくはこれらの誘導体、有機硫黄化合物又は有機燐化合物が挙げられる。
電荷発生層は、感光体の感度を向上させるために、添加剤として増感剤(例えば、テルフェニル、ハロナフトキノン類又はアセナフチレン)を含有してもよい。
電荷輸送層は、感光体の耐オイルクラック性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。可塑剤としては、ビフェニル誘導体が挙げられる。ビフェニル誘導体は、例えば、下記化学式(BP−1)〜(BP−20)で表される化合物である。
Figure 2017049523
<5.中間層>
感光体は、中間層(例えば、下引き層)を有してもよい。中間層は、例えば、無機粒子及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、抵抗の上昇を抑えることができる。
中間層が無機粒子を含有すると、感光体への入射光を散乱させて、干渉縞の発生を抑制できる傾向がある。また、カブリや黒点の原因となる非露光時の導電性基体から感光層への電荷注入を抑制できる傾向がある。
無機粒子としては、例えば、金属(例えば、アルミニウム、鉄又は銅)、金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ又は酸化亜鉛)の粒子又は非金属酸化物(例えば、シリカ)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いられる樹脂であれば、特に限定されない。中間層の膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましい。
<6.感光体の製造方法>
感光体の製造方法の一例について説明する。感光体の製造方法は、例えば、電荷輸送層形成工程を有する。感光体の製造方法は、更に電荷発生層形成工程を有していてもよい。
<6−1.電荷発生層形成工程>
電荷発生層形成工程では、例えば、電荷発生層用塗布液を調製する。電荷発生層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、塗布した電荷発生層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷発生層を形成する。電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤と、溶剤とを含む。電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤を溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。電荷発生層用塗布液には、必要に応じてベース樹脂又は各種添加剤を加えてもよい。
<6−2.電荷輸送層形成工程>
電荷輸送層形成工程では、電荷輸送層用塗布液を調製する。電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布する。次いで、塗布した電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷輸送層を形成する。電荷輸送層用塗布液は、レベリング剤と、シリカ粒子と、電荷輸送剤としての正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、溶剤とを含む。電荷輸送層用塗布液は、レベリング剤と、シリカ粒子と、電荷輸送剤としての正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを、溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。電荷輸送層形成用塗布液には、必要に応じて電子アクセプター化合物又は各種添加剤を加えてもよい。
以下、電荷発生層形成工程及び電荷輸送層形成工程を更に具体的に説明する。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液に含有される溶剤は、それぞれ電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できれば、特に限定されない。具体的には、塗布液としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール又はブタノール)、脂肪族炭化水素(例えば、n−ヘキサン、オクタン又はシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン又はキシレン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素又はクロロベンゼン)、エーテル類(例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル又はジエチレングリコールジメチルエーテル)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン又はシクロヘキサノン)、エステル類(例えば、酢酸エチル又は酢酸メチル)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。感光体製造時の作業性を向上させるためには、溶剤としてハロゲン化炭化水素以外の溶剤を用いることが好ましい。
更に、電荷輸送層用塗布液に含有される溶剤は、電荷発生層用塗布液に含有される溶剤と、異なることが好ましい。感光体を製造する際に電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液を塗布する場合、電荷発生層は電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが好ましいからである。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液は、各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー又は超音波分散装置が用いられる。
感光層の表面における動摩擦係数を所望の値に調整し易いことから、電荷輸送層用塗布液の調製には、これらの装置の中でも超音波分散装置を用いることが好ましい。具体的には、電荷輸送剤、バインダー樹脂、シリカ粒子及びレベリング剤を、超音波分散装置を用いて溶剤中に分散させることにより、電荷輸送層用塗布液を得ることが好ましい。超音波分散装置による電荷輸送層用塗布液の調製は、周波数19.5±0.5kHz、及び振幅10μm以上40μm以下の条件で行われることが好ましい。循環量は0.05L/分以上10L/分以下であることが好ましい。分散時間は、2時間以上24時間以下であることが好ましく、10時間以上15時間以下であることがより好ましい。分散時の溶剤の温度は、10℃以上40℃以下であることが好ましい。電荷輸送層塗布液の調製において、溶剤の添加量は、バインダー樹脂100質量部に対して、200質量部以上2000質量部以下であることが好ましく、400質量部以上1000質量部以下であることがより好ましい。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液には、各成分の分散性を向上させるために、例えば、界面活性剤を含有してもよい。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液を塗布する方法としては、電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液が均一に塗布される方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法又はバーコート法が挙げられる。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液中の溶剤を蒸発させ得る方法であれば、特に限定されない。除去する方法としては、例えば、加熱、加圧又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
なお、感光体の製造方法は、必要に応じて中間層を形成する工程を更に有してもよい。中間層を形成する工程には、公知の方法が適宜選択される。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
<1.感光体の材料>
感光体の電荷発生層及び電荷輸送層を形成するための材料として、以下の電荷発生剤、電荷輸送剤(正孔輸送剤)、バインダー樹脂、レベリング剤及びシリカ粒子を準備した。
<1−1.電荷発生剤>
電荷発生剤として、化合物(CGM−2Y)を準備した。化合物(CGM−2Y)は実施形態で述べた化学式(CGM−2)で表されるチタニルフタロシアニンであった。更に化合物(CGM−2Y)は、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°の27.2°に1つのピークを有していた。
<1−2.電荷輸送剤>
電荷輸送剤(正孔輸送剤)として、実施形態で述べた化合物(CTM−1)〜(CTM−10)を準備した。
<1−3.バインダー樹脂>
バインダー樹脂として、ポリカーボネート樹脂(Resin−1a)を準備した。ポリカーボネート樹脂(Resin−1a)は、実施形態で述べた化学式(Resin−1)で表される繰り返し単位から形成され、粘度平均分子量は45,000であった。
<1−4.レベリング剤>
レベリング剤として、実施形態で述べた化合物(Oil−1)及び(Oil−2)を準備した。化合物(Oil−1)として、シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製「KF96−50CS」)を使用した。化合物(Oil−2)として、シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製「FL−5」、フロロアルキル変性シリコーンオイル)を使用した。
<1−5.シリカ粒子>
シリカ粒子として、下記のシリカ粒子S1〜S9を準備した。シリカ粒子S1〜S9の平均一次粒径は、実施形態で述べたN2吸着等温線を測定する方法により測定した。
シリカ粒子S1:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX200」、平均一次粒径12nm)。
シリカ粒子S2:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX300」、平均一次粒径7nm)。
シリカ粒子S3:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)NAX50」、平均一次粒径50nm)。
シリカ粒子S4:ジメチルジクロロシラン(DMDCS)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)R974」、平均一次粒径12nm)。
シリカ粒子S5:ポリジメチルシロキサン(PDMS)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RY200」、平均一次粒径12nm)。
シリカ粒子S6:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「VP RX40S」、平均一次粒径80nm)。
シリカ粒子S7:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「VP SX110」、平均一次粒径110nm)。
シリカ粒子S8:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(試作品、平均一次粒径145nm)。
シリカ粒子S9:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(試作品、平均一次粒径170nm)。
<2.感光体の製造>
以下のようにして、感光体A−1〜A−25及びB−1〜B−7を製造した。
<2−1.感光体A−1の製造>
始めに、表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、数平均一次粒径10nm)を準備した。この表面処理された酸化チタンは、以下のように調製された。酸化チタンをアルミナとシリカとを用いて表面処理した。アルミナとシリカとで表面処理された酸化チタンを、湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて更に表面処理した。
次に、下引き層用塗布液を調製した。具体的には、容器内に、表面処理された酸化チタン2質量部、ポリアミド樹脂(東レ株式会社製「アミラン(登録商標)CM8000」、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66及びナイロン610の四元共重合体)1質量部、メタノール10質量部、ブタノール1質量部及びトルエン1質量部を投入した。容器の内容物を、ビーズミルを用いて5時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。これにより、下引き層用塗布液を得た。
次に、下引き層を形成した。具体的には、得られた下引き層用塗布液を5μmのフィルターを用いてろ過した。その後、下引き層用塗布液を、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長246mm)の表面に、ディップコート法を用いて塗布した。続いて、塗布した下引き層用塗布液を、130℃で30分間加熱した。これにより、導電性基体上に下引き層(膜厚2μm)を形成した。
次に、電荷発生層用塗布液を調製した。具体的には、容器内に、電荷発生剤としての化合物(CGM−2Y)1.5質量部、ベース樹脂としてのポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX−5」)1質量部、分散媒としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル40質量部及び分散媒としてのテトラヒドロフラン40質量部を投入した。容器の内容物を、ビーズミルを用いて2時間混合し、分散媒に材料を分散させた。これにより、電荷発生層用塗布液を得た。次に、得られた電荷発生層用塗布液を3μmのフィルターを用いてろ過した。その後、電荷発生層用塗布液を、下引き層を形成した導電性基体上に、ディップコート法を用いて塗布した。続いて、塗布した電荷発生層用塗布液を、50℃で5分間乾燥させた。これにより、下引き層上に、電荷発生層(膜厚0.3μm)が形成された。
次に、電荷輸送層用塗布液を調製した。具体的には、電荷輸送剤(正孔輸送剤)としての化合物(CTM−1)60質量部、添加剤としてのヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF株式会社製「イルガノックス(登録商標)1010」)2質量部、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−1a)100質量部、レベリング剤としての化合物(Oil−1)0.6質量部、シリカ粒子(S1)5質量部、溶剤としてのテトラヒドロフラン350質量部及び溶剤としてのトルエン350質量部を、容器内に投入した。続けて、容器の内容物を循環型超音波分散装置(株式会社日本精機製作所製「超音波ホモジナイザー US−600AT」)を用いて12時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。循環型超音波分散装置の周波数を19.5kHzに、振幅を25μmに設定した。分散時の溶剤の温度は25℃であった。分散時の循環量は0.5L/分であった。これにより、電荷輸送層用塗布液を得た。次に、得られた電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層用塗布液と同様の方法で、下引き層及び電荷発生層を形成した導電性基体上に塗布した。続いて、塗布した電荷輸送層用塗布液を、120℃で40分間乾燥させた。これにより、電荷発生層上に、電荷輸送層(膜厚30μm)が形成された。その結果、感光体A−1が得られた。
<2−2.感光体A−2〜A−25及びB−1〜B−7の製造>
以下の点を変更した以外は、感光体A−1の製造と同様の方法で、感光体A−2〜A−25及びB−1〜B−7を各々製造した。感光体A−1の製造に用いたレベリング剤としての化合物(Oil−1)を、表1〜表3に示す種類のレベリング剤に変更した。レベリング剤の含有量(添加量)を、感光体A−1の製造における0.6質量部から、表1〜表3に示す含有量に変更した。感光体A−1の製造に用いたシリカ粒子(S1)を、表1〜表3に示す種類のシリカ粒子に変更した。シリカ粒子の含有量(添加量)を、感光体A−1の製造における5質量部から、表1〜表3に示す含有量に変更した。
<3.動摩擦係数の測定>
感光体A−1〜A−25及びB−1〜B−7の各々に対して、感光層の表面における動摩擦係数を測定した。詳しくは、ビーム型ロードセル(株式会社昭和測器製「WBU−10N」)及び圧接部材PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シート(SANG−A−FRONTEC社製)を用いて、荷重540gfかつ操作速度9mm/秒の条件で、感光層の表面の抵抗値を測定した。得られた抵抗値を荷重で除した値を、感光体の評価値(動摩擦係数)とした。得られた動摩擦係数を、表1〜表3に示す。
<4.電気特性評価>
感光体A−1〜A−25及びB−1〜B−7の各々に対して、電気特性を評価した。詳しくは、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、感光体の回転速度31rpmで、感光体の表面電位が−800Vになるように帯電させた。続けて、ハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて単色光(露光波長780nm、露光量1.0μJ/cm2)を取り出した。取り出された単色光を感光体の表面に照射した。単色光の照射後、50ミリ秒が経過した時の感光体の表面電位を測定した。測定された感光体の表面電位を残留電位(VL、単位−V)とした。測定環境は、温度23℃、かつ湿度50%RHであった。測定された残留電位(VL)を、表1〜表3に示す。残留電位(VL)の絶対値が小さい程、感光体の電気特性が優れていることを示す。
<5.外観評価>
感光体A−1〜A−25及びB−1〜B−7の各々に対して、感光体の外観を評価した。詳しくは、感光体の表面全域を、光学顕微鏡を用いて倍率5倍で観察した。これにより、固形状異物の有無を確認した。確認された固形状異物の大きさ(長径)及び個数に基づいて、以下の基準で感光体の外観を評価した。評価A、B及びCを合格とした。
(外観の評価基準)
評価A:固形状異物が全く確認されなかった。
評価B:長径が0.20mm未満である固形状異物が1個又は2個確認された。
評価C:長径が0.20mm以上0.30mm未満である固形状異物が1個確認された。
評価D:長径が0.30mm以上である固形状異物が1個以上確認された。
<6.白色耐光性評価>
感光体A−1〜A−25及びB−1〜B−7の各々に対して、感光体の白色耐光性を評価した。詳しくは、感光体の表面の一部に、蛍光灯を用いて照度1000luxの白色光を2時間照射した。以下、感光体の表面の白色光を照射した部分を白色光照射部と、感光体の表面の白色光を照射していない部分を白色光非照射部と記載する。
続いて、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、感光体の表面電位が−800Vになるように感光体を帯電させた。続けて、ハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて単色光(露光波長780nm、露光量1.0μJ/cm2)を取り出した。取り出された単色光を感光体の表面に照射した。単色光の照射後50ミリ秒が経過した時に、感光体の白色光照射部の表面電位と、白色光非照射部の表面電位とを測定した。測定環境は、温度23℃、かつ湿度50%RHであった。測定された白色光照射部の表面電位(残留電位)をVi(単位−V)とした。測定された白色光非照射部の表面電位(残留電位)をVni(単位−V)とした。白色光照射部と白色光非照射部との表面電位の差(ΔVni−Vi、単位V)を数式「Vni−Vi」から算出した。
得られた白色光照射部と白色光非照射部との表面電位の差(ΔVni−Vi)を、表1〜表3に示す。表面電位の差(ΔVni−Vi)の絶対値が25V以下である感光体を、白色耐光性が良好であると評価した。なお、白色耐光性が良好であると、感光体を備えた画像形成装置の製造時又はメンテナンス時に、白色光が室内灯等から感光体に照射された場合であっても、形成される画像に画像不良が引き起こされ難い傾向がある。
<7.耐摩耗性評価>
感光体A−1〜A−25及びB−1〜B−7の各々に対して、耐摩耗性を評価した。詳しくは、各感光体の製造で使用した電荷輸送層用塗布液を、アルミパイプ(直径78mm)に巻きつけたポリプロピレンシート(厚さ0.3mm)に塗布した。ポリプロピレンシートに塗布された電荷輸送層用塗布液を、120℃で40分乾燥させた。これにより、ポリプロピレンシート上に評価用シート(厚さ30μm)が形成された。続けて、ポリプロピレンシートから評価用シートを剥離した。そして、剥離された評価用シートをウィール(テーバー社製「S−36」)に貼り付けて、試験片を得た。
続けて、摩耗試験前における試験片の質量MAを測定した。その後、試験片について摩耗試験を行った。詳しくは、試験片をロータリーアブレージョンテスタ(株式会社東洋精機製作所)の回転台に取り付けた。そして、試験片上に荷重500gfの摩耗輪(テーバー社製「CS−10」)を乗せた状態で、回転台を回転速度60rpmで回転させて、1000回転の摩耗試験を行った。続けて、摩耗試験後における試験片の質量MBを測定した。そして、摩耗試験前後の試験片の質量変化である摩耗減量(=MA−MB)を求めた。得られた摩耗減量を表1〜表3に示す。摩耗減量が6.0mg以下である感光体を、感光体の耐摩耗性が良好であると評価した。
Figure 2017049523
Figure 2017049523
Figure 2017049523
感光体A−1〜A−25では、電荷輸送層は一層であり、電荷輸送層は最表面層として配置されていた。電荷輸送層に、電荷輸送剤、バインダー樹脂、シリカ粒子及びレベリング剤を含有していた。シリカ粒子の平均一次粒径は、5nm以上150nm以下であった。シリカ粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下であった。感光層の表面における動摩擦係数は、0.25以下であった。そのため、表1及び表2から明らかなように、感光体A−1〜A−25では、耐摩耗性及び白色耐光性が両立されていた。
一方、感光体B−1は、電荷輸送層にシリカ粒子を含有していなかった。そのため、表3から明らかなように、感光体B−1は耐摩耗性に劣っていた。
感光体B−2では、シリカ粒子の平均一次粒径が150nmを超えていた。そのため、表3から明らかなように、感光体B−2は白色耐光性に劣っていた。
感光体B−3では、感光層の表面における動摩擦係数が0.25を超えていた。そのため、表3から明らかなように、感光体B−3は耐摩耗性に劣っていた。
感光体B−4では、シリカ粒子の含有量が、バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部未満であった。そのため、表3から明らかなように、感光体B−4は耐摩耗性に劣っていた。
感光体B−5では、感光層の表面における動摩擦係数が0.25を超えていた。また、シリカ粒子の含有量が、バインダー樹脂100質量部に対して15質量部を超えていた。そのため、表3から明らかなように、感光体B−5は白色耐光性に劣っていた。
感光体B−6では、電荷輸送層にレベリング剤が含有されていなかった。感光層の表面における動摩擦係数は0.25を超えていた。そのため、表3から明らかなように、感光体B−6は耐摩耗性及び白色耐光性に劣っていた。
感光体B−7では、感光層の表面における動摩擦係数が0.25を超えていた。そのため、表3から明らかなように、感光体B−7は白色耐光性に劣っていた。
以上のことから、本発明に係る感光体によれば、耐摩耗性及び白色耐光性を両立させることができる。
本発明に係る感光体は、複合機のような画像形成装置に好適に利用できる。
10 積層型電子写真感光体
11 導電性基体
12 感光層
13 電荷発生層
14 電荷輸送層
15 中間層

Claims (13)

  1. 感光層を備える積層型電子写真感光体であって、
    前記感光層として、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送層とを備え、
    前記電荷輸送層は一層であり、前記電荷輸送層は最表面層として配置され、
    前記電荷輸送層は、電荷輸送剤、バインダー樹脂、シリカ粒子及びレベリング剤を含有し、
    前記シリカ粒子の平均一次粒径は、5nm以上150nm以下であり、
    前記シリカ粒子の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下であり、
    前記感光層の表面における動摩擦係数は、0.25以下である、積層型電子写真感光体。
  2. 前記レベリング剤は、シロキサン骨格を有するシリコーンオイルである、請求項1に記載の積層型電子写真感光体。
  3. 前記シリコーンオイルは、下記一般式(Ia)又は(Ib)で表される化合物である、請求項2に記載の積層型電子写真感光体。
    Figure 2017049523
    前記一般式(Ia)中、
    1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェニル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、グリシジル基、カルボキシル基又はアミノ基を表し、
    rは、1以上の整数を表す。
    Figure 2017049523
    前記一般式(Ib)中、
    9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェニル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、グリシジル基、カルボキシル基又はアミノ基を表し、
    s及びtは、各々独立に、1以上の整数を表す。
  4. 前記式(Ia)中、
    1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、
    rは、1以上の整数を表し、
    前記一般式(Ib)中、
    9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、
    s及びtは、各々独立に、1以上の整数を表す、請求項3に記載の積層型電子写真感光体。
  5. 前記シリコーンオイルは、前記一般式(Ia)で表される化合物である、請求項3又は4に記載の積層型電子写真感光体。
  6. 前記レベリング剤の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上0.9質量部以下である、請求項1〜5の何れか一項に記載の積層型電子写真感光体。
  7. 前記シリカ粒子の平均一次粒径は、50nm以上150nm以下である、請求項1〜6の何れか一項に記載の積層型電子写真感光体。
  8. 前記シリカ粒子の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上8質量部以下である、請求項1〜7の何れか一項に記載の積層型電子写真感光体。
  9. 前記シリカ粒子の表面は、ヘキサメチルジシラザンで処理されている、請求項1〜8の何れか1項に記載の積層型電子写真感光体。
  10. 前記電荷輸送剤は、下記一般式(II)、(III)、(IV)又は(V)で表される化合物である、請求項1〜9の何れか1項に記載の積層型電子写真感光体。
    Figure 2017049523
    前記一般式(II)中、
    1は、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基、炭素原子数1以上8以下のアルキル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、
    2は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基を表し、
    3、Q4、Q5、Q6及びQ7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基を表すか、或いは、Q3、Q4、Q5、Q6及びQ7のうちの隣接した二つが互いに結合して、環を形成してもよく
    aは、0以上5以下の整数を表し、aが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
    Figure 2017049523
    前記一般式(III)中、
    8、Q10、Q11、Q12、Q13及びQ14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基を表し、
    9及びQ15は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基を表し、
    bは、0以上5以下の整数を表し、bが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ9は、互いに同一でも異なっていてもよく、
    cは、0以上4以下の整数を表し、cが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ15は、互いに同一でも異なっていてもよく、
    kは、0又は1を表す。
    Figure 2017049523
    前記一般式(IV)中、
    a、Rb及びRcは、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、
    m及びpは、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、mが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、pが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRaは、互いに同一でも異なっていてもよく、
    qは、0以上4以下の整数を表し、qが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRcは、互いに同一でも異なっていてもよい。
    Figure 2017049523
    前記一般式(V)中、
    Ar1は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基を表すか、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されてもよい共役二重結合を有する複素環基を表し、
    Ar2は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基を表す。
  11. 前記一般式(II)中、
    1は、水素原子又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基を表し、
    2は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表し、
    3、Q4、Q5、Q6及びQ7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表すか、或いはQ3、Q4、Q5、Q6及びQ7のうち隣接した二つが互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成してもよく、
    aは、0又は1を表し、
    前記一般式(III)中、
    8、Q10、Q11、Q12、Q13及びQ14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基又はフェニル基を表し、
    b及びcは、0を表し、
    前記一般式(IV)中、
    a及びRbは、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表し、
    m及びpは、各々独立に、0以上2以下の整数を表し、
    qは0を表し、
    前記一般式(V)中、
    Ar1は、1個又は2個の炭素原子数1以上6以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基を表し、
    Ar2は、フェニル基を表す、請求項10に記載の積層型電子写真感光体。
  12. 前記バインダー樹脂の粘度平均分子量が40000以上である、請求項1〜11の何れか1項に記載の積層型電子写真感光体。
  13. 請求項1〜12の何れか一項に記載の積層型電子写真感光体の製造方法であって、
    電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に塗布し、塗布した前記電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して前記電荷輸送層を形成する電荷輸送層形成工程を有し、
    前記電荷輸送層用塗布液は、前記電荷輸送剤、前記バインダー樹脂、前記シリカ粒子及び前記レベリング剤を、超音波分散装置を用いて前記溶剤中に分散させることにより得られる、積層型電子写真感光体の製造方法。
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