JP2021086125A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性に優れ、電気特性が良好な電子写真感光体を提供する。また、本発明によれば、前記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、および電子写真装置を提供する。【解決手段】導電性支持体と、該導電性支持体上に単層型の感光層を少なくとも有してなり、前記単層型の感光層が、結着樹脂、電荷発生物質、正孔輸送物質、電子輸送物質、ターフェニル化合物、およびメラミン樹脂を含む粒子または(メタ)アクリル樹脂を含む粒子、を含有する単層型の感光層を有する電子写真感光体。【選択図】なし

Description

本発明は電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
複写機、プリンタなどの画像形成装置において電子写真感光体は、像担持体として用いられている。電子写真感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体、および積層型電子写真感光体が挙げられる。
単層型電子写真感光体は、電荷発生の機能と電荷輸送の機能とを有する単層型の感光層を含む。積層型電子写真感光体は、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とが積層された層構成を有する。
単層型電子写真感光体において、繰り返し使用により、摩耗が生じると画像形成に影響することがある。摩耗抑制方法としては、感光層に樹脂粒子を添加する方法が知られている。
特許文献1には、単層型電子写真感光体の感光層に樹脂粒子を含有する電子写真感光体が記載されている。
特開2016−90610号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の電子写真感光体では、電気特性が十分でないという点で改善の余地が残っている。
したがって、本発明の目的は耐摩耗性に優れ、電気特性が良好な電子写真感光体を提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、および電子写真装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明の一実施形態にかかる電子写真感光体は、導電性支持体と、該導電性支持体上に単層型の感光層を少なくとも有してなり、前記単層型の感光層が、結着樹脂、電荷発生物質、正孔輸送物質、電子輸送物質、ターフェニル化合物、およびメラミン樹脂を含む粒子または(メタ)アクリル樹脂を含む粒子、を含有する単層型の感光層を有する。
本発明によれば、耐摩耗性に優れ、電気特性が良好な電子写真感光体を提供することができる。また、本発明によれば、前記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る電子写真感光体は、導電性支持体と、結着樹脂、電荷発生物質、正孔輸送物質、電子輸送物質、ターフェニル化合物、およびメラミン樹脂を含む粒子または(メタ)アクリル樹脂を含む粒子、を含有する単層型の感光層を有する電子写真感光体である。
単層型の感光層とは、電荷発生能とともに、正孔輸送能および電子輸送能を持つ感光層である。
本発明者らは、本発明の電子写真感光体が耐摩耗性に優れ、かつ電気特性が良好である理由を以下のように推測している。
一般に、メラミン樹脂を含む粒子または(メタ)アクリル樹脂を含む粒子を含有する表面層は、それら樹脂粒子による潤滑性付与の効果により、耐摩耗性が向上することが知られている。しかしながら、本発明のように単層型の感光層が表面層となる場合、感光層中に樹脂粒子を用いると電気特性を損なう傾向があった。本発明者らは、感光層中の電荷発生物質から発生した電子が、樹脂粒子表面に捕捉されやすいためではないかと推測している。
本発明者らは鋭意検討した結果、ターフェニル化合物をさらに存在させることで、電荷発生物質から発生した電子が、メラミン樹脂を含む粒子または(メタ)アクリル樹脂を含む粒子に捕捉されることを効果的に抑制し、結果、良好な電気特性が得られることを見出した。
電子写真感光体の構成について、以下、図1を参照して説明する。
ここで、図1は、本実施形態に係る電子写真感光体の一例の一部断面を概略的に示している。
電子写真感光体104は、図1(a)に示すように、導電性支持体101上に、単層型の感光層102が直接設けられてもよい。また、図1(b)に示すように、導電性支持体101上に、下引き層103および単層型の感光層102が設けられてもよい。
以下、電子写真感光体104の各構成について説明する。なお、符号は省略して説明する。
<導電性支持体>
導電性支持体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)または合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、および金属ベルト等が挙げられる。また、導電性支持体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)または合金を塗布、蒸着またはラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1×1013Ωcm未満であることをいう。
導電性支持体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaが0.04μm以上0.50μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性支持体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性支持体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性支持体の表面を粗面化することなく、導電性または半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性支持体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性支持体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性支持体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気または沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15.0μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性支持体には、酸性処理液による処理またはベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸およびフッ酸を含む酸性処理液を調製する。例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2.0質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18.0質量%以下の範囲が好ましい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15.0μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、または90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。
被膜の膜厚は、0.1μm以上5.0μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
<下引き層>
下引き層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、体積抵抗率が1×10Ωcm以上1×1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
上記の体積抵抗率を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子が好ましく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。無機粒子は、1種類の無機粒子を用いてもよく、また、2種類以上の無機粒子を用いてもよい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、1×10m/g以上が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)が好ましい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、または、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤が好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による無機粒子の表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法または湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10.0質量%以下が好ましい。
ここで、下引き層は、無機粒子とともに電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点から好ましい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引き層中に無機粒子とともに分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で下引き層に含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、または、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接または有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、または乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物を滴下または噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下または噴霧した後、さらに溶剤の沸点以上の温度で焼き付けを行ってもよい。焼き付けの条件は、得られた無機粒子を含む下引き層を有する電子写真感光体が電気特性を得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌または分散した後、溶剤を除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過または蒸留により留去される。溶剤除去後には、焼き付けを行ってもよい。焼き付けの条件は、得られた無機粒子を含む下引き層を有する電子写真感光体が電気特性を得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の無機粒子への付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前または後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20.00質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10.00質量%以下である。
下引き層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引き層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引き層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂およびポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引き層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤としてさらに下引き層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、または複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引き層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引き層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引き層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引き層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引き層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引き層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引き層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引き層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引き層形成用塗布液を導電性支持体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
<中間層>
図示は省略するが、下引き層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独でまたは複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子またはケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、好ましくは0.1μm以上3.0μm以下の範囲に設定される。
なお、中間層を下引き層として使用してもよい。
<単層型の感光層>
単層型の感光層は、結着樹脂、電荷発生物質、正孔輸送物質、電子輸送物質、ターフェニル化合物、およびメラミン樹脂を含む粒子または(メタ)アクリル樹脂を含む粒子に加え、必要に応じて、その他添加剤を含んで構成される。
[結着樹脂]
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独または2種以上混合して用いてもよい。
これらの結着樹脂の中でも、特に、メラミン樹脂を含む粒子または(メタ)アクリル樹脂を含む粒子の感光層中での分散性が向上し、良好な耐摩耗性が得られやすい点で、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
[電荷発生物質]
電荷発生物質としては、例えば、ビスアゾ化合物、トリスアゾ化合物等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等の電子写真感光体に用いられる公知の電荷発生物質が適用される。
中でも、電子写真感光体の高感度化、および感光対中での電荷発生物質の分散の点から、電荷発生物質として、無金属フタロシアニン顔料、チタニルフタロシアニン顔料、ガリウムフタロシアニン顔料からなる群から選択される少なくとも1種が適用されることが好ましい。これらフタロシアニン顔料の中でも、特に、電荷発生物質の分散の点から、無金属フタロシアニン顔料を用いることがより好ましい。
電荷発生物質の含有量としては、例えば、結着樹脂に対して、0.05質量%以上30.00質量%以下がよく、好ましくは1質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上10質量%以下である。
[正孔輸送物質]
正孔輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の電子写真感光体に用いられる公知の正孔輸送物質が適用される。
中でも、ターフェニル部位を有する正孔輸送物質が、本発明の効果がより高まる点で好ましい。とくに、下記式(2)で示される化合物が好ましい。
Figure 2021086125
式(2)中、Ar、Ar、Ar、およびArは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリール基を示す。アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、フルオレニル基、9,9’−ジメチルフルオレニル基、ナフチル基等が挙げられる。置換アリール基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ニトロ基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
正孔輸送物質は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
正孔輸送材料の含有量としては、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上300質量%以下がよく、好ましくは10質量%以上200質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上100質量%以下である。
[電子輸送物質]
電子輸送物質としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物、およびジニトロアントラキノン系化合物等のキノン系化合物、ジイミド系化合物、ヒドラゾン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、およびジブロモ無水マレイン酸等が挙げられる。
これらの電子輸送物質は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
電子輸送材料の含有量としては、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上200質量%以下がよく、好ましくは10質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上75質量%以下である。
[ターフェニル化合物]
ターフェニル化合物としては、置換もしくは無置換のo−ターフェニル、置換もしくは無置換のm−ターフェニル、置換もしくは無置換のp−ターフェニルが挙げられる。置換ターフェニルの置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ニトロ基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
本発明の効果の点から、下記式(1)で示されるm−ターフェニル化合物が好ましい。
Figure 2021086125
式(1)中、R、R、およびRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子を示す。本発明の効果が高まる点で、R、R、およびRが水素原子であることがより好ましい。
[メラミン樹脂を含む粒子]
メラミン樹脂を含む粒子は、メラミン構造を有する樹脂を含有する。中でも、これに限定されないがメラミンホルムアルデヒド樹脂を含む粒子であることが好ましい。メラミン樹脂の重合度や、樹脂が熱可塑性か熱硬化性であるかは、特に限定されない。メラミン樹脂を含む粒子の粒子径は、2.0μm以下であることが好ましい。
本発明に用いることのできる市販のメラミン樹脂を含む粒子としては、例えば、日本触媒株式会社製メラミンホルムアルデヒド樹脂粒子:エポスターSS、エポスターS、エポスターFS、エポスターS6、エポスターS12、日本触媒株式会社製メラミンベンゾグアナミン樹脂粒子:エポスターM30、などが挙げられる。
[メラミン樹脂を含む粒子とターフェニル化合物の質量比率]
本発明の単層型の感光層中に含有される、メラミン樹脂を含む粒子の質量をA、ターフェニル化合物の質量をBとしたとき、Aに対するBの比率(B/A)は0.27質量%以上2.70質量%以下であることが本発明の効果がより高まる点で好ましい。
[(メタ)アクリル樹脂を含む粒子]
本発明における(メタ)アクリル樹脂を含む粒子は、アクリル酸エステルの重合体またはメタクリル酸エステルの重合体を含有する。(メタ)アクリル樹脂の重合度や、樹脂が熱可塑性か熱硬化性であるかは、特に限定されない。中でも、(メタ)アクリル樹脂を含む粒子が、スチレン(メタ)アクリル樹脂粒子であることが好ましい。(メタ)アクリル樹脂を含む粒子の粒子径は、2.0μm以下であることが好ましい。
本発明に用いることのできる市販の(メタ)アクリル樹脂を含む粒子としては、例えば、日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製ファインスフェア:FS−101、FS−102、FS−107、FS−201、FS−301、MG−155、MG−351、MG−451、積水化成品工業株式会社製TECHPOLYMER:SSX−101、SSX−102、SSX−103、SSX−104、SSX−105、JSR株式会社製高架橋粒子:SX8002、積水化成品工業株式会社製ポリメタクリル酸メチル粉体:XX−159AP、XX−160APなどが挙げられる。
[(メタ)アクリル樹脂を含む粒子とターフェニル化合物の質量比率]
本発明の単層型の感光層中に含有される、(メタ)アクリル樹脂を含む粒子の質量をC、ターフェニル化合物の質量をBとしたとき、Cに対するBの比率(B/C)は0.20質量%以上2.00質量%以下であることが本発明の効果がより高まる点で好ましい。
[その他添加剤]
単層型の感光層は、シリコーンオイル、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。
<単層型の感光層の形成>
単層型の感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状若しくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独または2種以上混合して用いる。
感光層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生物質)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
感光層形成用塗布液を下引き層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
単層型の感光層の膜厚は、好ましくは5μm以上60μm以下、より好ましくは10μm以上50μm以下の範囲に設定される。
<プロセスカートリッジ、電子写真装置>
次に、図2に電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図2において、円筒状の電子写真感光体201は、軸202を中心に矢印方向に所定の周速度をもって回転駆動される。電子写真感光体201は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段)203により、その表面(周面)が正または負に帯電される。次いで、電子写真感光体201の表面には、露光手段(像露光手段)(不図示)から出力される露光光(像露光光)204が照射される。露光光204は、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調される。露光手段としては、スリット露光やレーザービーム走査露光などが挙げられる。こうして電子写真感光体201の表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
電子写真感光体201の表面に形成された静電潜像は、次いで、現像手段205内に収容されたトナーで現像(正規現像または反転現像)され、トナー像が形成される。電子写真感光体201の表面に形成されたトナー像は、転写手段206により転写材207に転写される。ここで、転写材207が紙である場合、給紙部(不図示)から電子写真感光体201の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体201と転写手段206との間に給送される。また、転写手段206には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写手段は、一次転写部材、中間転写体および二次転写部材を有する中間転写方式の転写手段であってもよい。
トナー像が転写された転写材207は、電子写真感光体201の表面から分離され、定着手段208へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体201の表面は、クリーニング手段209によってクリーニングされ、転写残トナーなどの付着物が除去される。転写残トナーは、現像手段などで回収することもできる。さらに、必要に応じて、電子写真感光体201の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光210の照射により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段203が帯電ローラなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
上記の電子写真感光体201、帯電手段203、現像手段205、転写手段206およびクリーニング手段209などの構成要素のうち、複数の要素を選択して容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に支持して構成する。このプロセスカートリッジ211を複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図2では、電子写真感光体201と、帯電手段203、現像手段205およびクリーニング手段209とを一体に支持してカートリッジ化している。そして、電子写真装置本体のレールのなどの案内手段212を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ211としている。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[電子写真感光体の製造例1]
まず、以下の結着樹脂と溶剤を混合攪拌し、結着樹脂溶液を得た。
・結着樹脂:ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂 44.0部
・溶剤:テトラヒドロフラン 350部
この結着樹脂溶液と以下の物質とを混合し、直径1mmφのガラスビーズを用いたサンドミルにて4時間分散して感光層形成用塗布液を得た。
・電荷発生物質:無金属フタロシアニン顔料 2.0部
・正孔輸送物質:下記式(3)で示される化合物 24.0部
・電子輸送物質:下記式(4)で示される化合物 24.0部
・ターフェニル化合物:下記式(5)で示される化合物 3.0部
・樹脂粒子:メラミンホルムアルデヒド樹脂粒子(日本触媒株式会社製、エポスターS、平均粒子径 0.2μm) 3.0部
この感光層形成用塗布液を、浸漬塗布法にて、直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウム支持体上に塗布し、温度100℃で40分の乾燥硬化を行い、厚さ30μmの単層型の感光層を形成した。
以上の工程を経て、電子写真感光体(1)を作製した。
Figure 2021086125
Figure 2021086125
Figure 2021086125
[電子写真感光体の製造例2〜19]
電子写真感光体の製造例1において、結着樹脂、電荷発生物質、正孔輸送物質、電子輸送物質、ターフェニル化合物、樹脂粒子の種類および添加量を表1に記載のように変更したこと以外は電子写真感光体の製造例1と同様にして、電子写真感光体2〜19を作製した。
なお、表1中、1−1〜1−2、2−1、3−1〜3−2、4−1、5−1〜5−2、6−1〜6−6は、それぞれ以下に示す物質を意味する。
1−1:ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂
1−2:ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製、エスレックBX−1)
2−1:無金属フタロシアニン顔料
3−1:式(3)で示される化合物
3−2:下記式(6)で示される化合物
Figure 2021086125
4−1:式(4)で示される化合物
5−1:式(5)で示される化合物
5−2:下記式(7)で示される化合物
Figure 2021086125
6−1:メラミンホルムアルデヒド樹脂粒子(日本触媒株式会社製、エポスターS、平均粒子径0.2μm)
6−2:メラミンホルムアルデヒド樹脂粒子(日本触媒株式会社製、エポスターS6、平均粒子径0.4μm)
6−3:メラミンホルムアルデヒド樹脂粒子(日本触媒株式会社製、エポスターS12、平均粒子径1.2μm)
6−4:スチレンアクリル樹脂粒子(日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製、MG−451、平均粒子径0.1μm)
6−5:スチレンアクリル樹脂粒子(日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製、FS−301、平均粒子径1.0μm)
6−6:ポリメタクリル酸メチル粒子(積水化成品工業株式会社製、SSX−102、平均粒子径2.0μm)
Figure 2021086125
[評価]
電子写真感光体1〜19の評価を、以下のようにして行った。
(電気特性評価)
評価装置として、電子写真装置である複写機(商品名:iR−ADV C5051、キヤノン(株)製)の帯電手段を、正の直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を帯電ローラに印加する正帯電方式に変更した改造機を使用した。
電子写真感光体の表面電位の測定は、評価装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位プローブ(商品名:model 6000B−8、トレック・ジャパン(株)製)を固定し、表面電位計(商品名:model 344、トレック・ジャパン(株)製)を使用して行った。
測定は、温度25℃、湿度50%RHの環境下で行った。
まず、各電子写真感光体の暗部電位(Vd)が+700[V]になるように、印加電圧の条件を設定した。
次に、露光装置の露光光量条件一定の下、各電子写真感光体の表面の明部電位(Vl)を測定した。明部電位(Vl)が0Vに近いほど電気特性は良好といえる。以下の判定基準に従ってランク付けを行い、ランクDを不良と判断した。評価結果を表2に示す。
ランクA:Vl≦+200V
ランクB:+200V<Vl≦+230V
ランクC:+230V<Vl≦+260V
ランクD:+260V<Vl
(耐摩耗性の評価)
評価は、温度25℃、湿度50%RHの環境下で行った。
各電子写真感光体の暗部電位(Vd)が+700[V]、明部電位(Vl)が+300[V]になるように、印加電圧と露光装置の露光光量の条件を設定した。
次に、各電子写真感光体をドラムカートリッジに装着し、このドラムカートリッジを上記評価装置に取り付け、画像印字比率4%の画像をA4サイズの普通紙にて、10000枚の連続画像形成を行った。画像形成終了後の電子写真感光体の膜厚を測定し、画像出力前の電子写真感光体の膜厚との差分を、削れ量[μm]として算出した。摩耗量が少ないほど耐摩耗性は良好である。以下の判定基準に従って摩耗量をランク付けし、ランクCを不良と判断した。評価結果を表2に示す。
ランクA:摩耗量≦1.5μm
ランクB:1.5μm<摩耗量≦2.0μm
ランクC:2.0μm<摩耗量
Figure 2021086125
101 導電性支持体
102 感光層
103 下引き層
104 電子写真感光体
200 電子写真装置
201 電子写真感光体
202 軸
203 帯電手段
204 露光光
205 現像手段
206 転写手段
207 転写材
208 定着手段
209 クリーニング手段
210 前露光光
211 プロセスカートリッジ
212 案内手段

Claims (10)

  1. 導電性支持体と、該導電性支持体上に単層型の感光層を少なくとも有してなり、
    前記単層型の感光層が、結着樹脂、電荷発生物質、正孔輸送物質、電子輸送物質、ターフェニル化合物、およびメラミン樹脂を含む粒子または(メタ)アクリル樹脂を含む粒子、を含有する電子写真感光体。
  2. 前記感光層が、前記メラミン樹脂を含む粒子を含有し、
    前記メラミン樹脂を含む粒子の質量をA、前記ターフェニル化合物の質量をBとしたとき、
    Aに対するBの比率(B/A)が0.27質量%以上2.70質量%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光層が、前記(メタ)アクリル樹脂を含む粒子を含有し、
    前記(メタ)アクリル樹脂を含む粒子の質量をC、前記ターフェニル化合物の質量をBとしたとき、
    Cに対するBの比率(B/C)が0.20質量%以上2.00質量%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 前記ターフェニル化合物が、下記式(1)で示されるm−ターフェニル化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2021086125
    (式(1)中、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子を示す。)
  5. 前記式(1)中、R、R、およびRがそれぞれ水素原子である請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記正孔輸送物質が、下記式(2)で示される化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2021086125
    (式(2)中、Ar、Ar、Ar、およびArは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアリール基を示す。)
  7. 前記結着樹脂が、ポリカーボネート樹脂である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記電荷発生物質が、無金属フタロシアニン顔料である請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも一つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在である、プロセスカートリッジ。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段と、露光手段、現像手段、転写手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも一つの手段と、を有する電子写真装置。
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