JP2018054820A - 電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性に優れる電子写真感光体を提供する。【解決手段】電子写真感光体は、導電性基体と、感光層とを備える。感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを含有する。バインダー樹脂は、一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂を含む。【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体に関する。
電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンター、又は複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体、又は積層型電子写真感光体が用いられる。単層型電子写真感光体においては、感光層は単層であって、電荷発生の機能と、電荷輸送の機能とを有する。積層型電子写真感光体においては、感光層は電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを備える。
特許文献1には、化学式(E−1)で表される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂が記載されている。また、上記ポリカーボネート樹脂を含有する電子写真感光体が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載のポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂中の分子鎖同士の絡み合いが低下し、ポリカーボネート樹脂のパッキング性が低下し、電子写真感光体の耐摩耗性を十分に向上させることができない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐摩耗性に優れる感光層を備えた電子写真感光体を提供することである。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、感光層とを備える。前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを含有する。前記バインダー樹脂は、一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂を含む。
前記一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。Xは、単結合、又は炭素原子数1以上2以下のアルキレン基を表す。前記アルキレン基は、メチレン基又はエチレン基を表し、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してもよい。Yは、単結合又は酸素原子を表す。kは、0以上の整数を表す。lは、正の整数を表す。k+l=100である。
本発明の電子写真感光体は、耐摩耗性に優れる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。なお、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
以下、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基、及び炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル環は、各々、次の意味である。
炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、又はオクチル基が挙げられる。
炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、又はt−ブチル基が挙げられる。
炭素原子数1以上3以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上3以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、又はイソプロピル基が挙げられる。
炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、へプチルオキシ基、又はオクチルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、又はt−ブトキシ基が挙げられる。
炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、又はイソプロポキシ基が挙げられる。
炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル環は、非置換である。炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル環としては、例えば、シクロペンチル環、シクロヘキシル環、又はシクロへプチル環が挙げられる。
<感光体>
本発明の実施形態に係る電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)は、導電性基体と、感光層とを備える。感光体は、例えば、積層型電子写真感光体(以下、積層型感光体と記載することがある)、又は単層型電子写真感光体(以下、単層型感光体と記載することがある)が挙げられる。
本発明の実施形態に係る電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)は、導電性基体と、感光層とを備える。感光体は、例えば、積層型電子写真感光体(以下、積層型感光体と記載することがある)、又は単層型電子写真感光体(以下、単層型感光体と記載することがある)が挙げられる。
積層型感光体は、電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。以下、図1を参照して、本実施形態に係る積層型感光体1の構造を説明する。図1は、積層型感光体1の構造を示す概略断面図である。図1(a)に示すように、積層型感光体1は、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層3は、電荷発生層3aと電荷輸送層3bとを備える。図1(a)に示すように、積層型感光体1は、導電性基体2上に電荷発生層3aを備え、電荷発生層3aの上に更に電荷輸送層3bを備えてもよい。また、図1(b)に示すように、積層型感光体1は、導電性基体2上に電荷輸送層3bを備え、電荷輸送層3bの上に更に電荷発生層3aを備えてもよい。図1(a)に示すように、電荷輸送層3bは積層型感光体1の最表面層として配置されてもよい。電荷輸送層3bは、一層(単層)であってもよい。
図1(a)に示すように、感光層3は導電性基体2上に直接的に配置されてもよい。また、図1(c)に示すように、積層型感光体1は、例えば、導電性基体2と、中間層4(下引層)と、感光層3とを備える。図1(c)に示すように、感光層3は導電性基体2上に間接的に配置されてもよい。図1(c)に示すように、中間層4は、導電性基体2と電荷発生層3aとの間に設けられてもよい。中間層4は、例えば、電荷発生層3aと電荷輸送層3bとの間に設けられてもよい。電荷発生層3aは、単層であってもよく、複数層であってもよい。
単層型感光体は、単層の感光層を備える。単層型感光体も積層型感光体と同様に、例えば、導電性基体と感光層とを備える。単層型感光体は、中間層を備えてもよい。感光層は、単層型感光体の最表面層として配置されてもよい。
本実施形態に係る感光体は、耐摩耗性に優れる。その理由は以下のように推測される。本実施形態に係る感光体は、バインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂を含む。ポリカーボネート樹脂は、一般式(1)で表される(以下、このようなポリカーボネート樹脂をポリカーボネート樹脂(1)と記載することがある)。
ポリカーボネート樹脂(1)では、R1〜R5は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。Xは、単結合、又は炭素原子数1以上2以下のアルキレン基を表す。アルキレン基は、メチレン基又はエチレン基を表し、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してもよい。ポリカーボネート樹脂(1)は、このような構造を有するため、バインダー樹脂とバインダー樹脂との絡み合いが低下しにくく、バインダー樹脂のパッキング性が低下しにくい。また、ポリカーボネート樹脂(1)は、溶剤への溶解性が高いため、感光層を形成するための塗布液を調製し易い。その結果、層密度の高い感光層を得られ易い。よって、本実施形態に係る感光体は、耐摩耗性に優れると考えられる。
以下、本実施形態に係る感光体の要素(導電性基体、感光層、及び中間層)を説明する。更に感光体の製造方法も説明する。
[1.導電性基体]
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体としては、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成される導電性基体を用いることができる。導電性基体としては、例えば、導電性を有する材料で構成される導電性基体、又は導電性材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、又はインジウムが挙げられる。これらの導電性を有する材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。2種以上の組合せとしては、例えば、合金(より具体的には、アルミニウム合金、ステンレス鋼、又は真鍮等)が挙げられる。
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体としては、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成される導電性基体を用いることができる。導電性基体としては、例えば、導電性を有する材料で構成される導電性基体、又は導電性材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、又はインジウムが挙げられる。これらの導電性を有する材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。2種以上の組合せとしては、例えば、合金(より具体的には、アルミニウム合金、ステンレス鋼、又は真鍮等)が挙げられる。
これらの導電性を有する材料の中でも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができる。導電性基体の形状としては、例えば、シート状又はドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚みは、導電性基体の形状に応じて、適宜選択することができる。
[2.感光層]
感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを含有する。感光層は添加剤を含有してもよい。積層型感光体の感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。電荷輸送層は、正孔輸送剤及びバインダー樹脂を含有する。電荷発生層の厚さは、電荷発生層として十分に作用することができれば、特に限定されない。電荷発生層の厚さは、具体的には、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。電荷輸送層の厚さは、電荷輸送層として十分に作用することができれば、特に限定されない。電荷輸送層の厚さは、具体的には、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。
感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを含有する。感光層は添加剤を含有してもよい。積層型感光体の感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。電荷輸送層は、正孔輸送剤及びバインダー樹脂を含有する。電荷発生層の厚さは、電荷発生層として十分に作用することができれば、特に限定されない。電荷発生層の厚さは、具体的には、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。電荷輸送層の厚さは、電荷輸送層として十分に作用することができれば、特に限定されない。電荷輸送層の厚さは、具体的には、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。
単層型感光体の感光層は、電荷発生剤、正孔輸送剤、及びバインダー樹脂を含有する。感光層の厚さは、感光層としての機能を十分に発現できれば、特に限定されない。具体的には、感光層の厚さは、5μm以上100μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
[2−1.共通の構成要素]
以下、電荷発生剤、正孔輸送剤、及びバインダー樹脂を説明する。更に添加剤を説明する。
以下、電荷発生剤、正孔輸送剤、及びバインダー樹脂を説明する。更に添加剤を説明する。
[2−1−1.電荷発生剤]
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤であれば、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンのような無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、又はキナクリドン系顔料が挙げられる。フタロシアニン系顔料としては、例えば、フタロシアニン、又はフタロシアニン誘導体が挙げられる。フタロシアニンとしては、例えば、無金属フタロシアニン顔料(より具体的には、X型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)等)が挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、例えば、金属フタロシアニン顔料(より具体的には、チタニルフタロシアニン又はV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン等)が挙げられる。フタロシアニン系顔料の結晶形状については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。フタロシアニン顔料の結晶形状としては、例えば、α型、β型、又はY型が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの電荷発生剤のうち、フタロシアニン系顔料が好ましく、Y型チタニルフタロシアニン結晶(Y−TiOPc)がより好ましい。
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤であれば、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンのような無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、又はキナクリドン系顔料が挙げられる。フタロシアニン系顔料としては、例えば、フタロシアニン、又はフタロシアニン誘導体が挙げられる。フタロシアニンとしては、例えば、無金属フタロシアニン顔料(より具体的には、X型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)等)が挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、例えば、金属フタロシアニン顔料(より具体的には、チタニルフタロシアニン又はV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン等)が挙げられる。フタロシアニン系顔料の結晶形状については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。フタロシアニン顔料の結晶形状としては、例えば、α型、β型、又はY型が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの電荷発生剤のうち、フタロシアニン系顔料が好ましく、Y型チタニルフタロシアニン結晶(Y−TiOPc)がより好ましい。
Y型チタニルフタロシアニン結晶は、Cu−Kα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に主ピークを有する。CuKα特性X線回折スペクトルにおける主ピークとは、ブラッグ角(2θ±0.2°)が3°以上40°以下である範囲において、1番目又は2番目に大きな強度を有するピークである。
(CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法)
CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法を説明する。試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。得られたX線回折スペクトルから主ピークを決定し、主ピークのブラッグ角を読み取る。
CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法を説明する。試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。得られたX線回折スペクトルから主ピークを決定し、主ピークのブラッグ角を読み取る。
所望の領域に吸収波長を有する電荷発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上の電荷発生剤を組み合わせて用いてもよい。更に、例えば、デジタル光学式の画像形成装置には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。なお、デジタル光学式の画像形成装置としては、例えば、半導体レーザーのような光源を使用したレーザービームプリンター又はファクシミリが挙げられる。
短波長レーザー光源を用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料、又はペリレン系顔料が好適に用いられる。短波長レーザーの波長としては、例えば、350nm以上550nm以下の範囲の波長が挙げられる。
電荷発生剤は、例えば、化学式(CGM−1)〜(CGM−4)で表されるフタロシアニン系顔料である(以下、電荷発生剤(CGM−1)〜(CGM−4)と記載することがある)。
電荷発生剤の含有量は、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することがある)100質量部に対して、5質量部以上1000質量部以下であることが好ましく、30質量部以上500質量部以下であることがより好ましい。
[2−1−2.正孔輸送剤]
正孔輸送剤としては、例えば、含窒素環式化合物又は縮合多環式化合物を使用することができる。含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物としては、例えば、ジアミン誘導体(例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、又はN,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体);オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール);スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン);カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール);有機ポリシラン化合物;ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン);ヒドラゾン系化合物;インドール系化合物;オキサゾール系化合物;イソオキサゾール系化合物;チアゾール系化合物;チアジアゾール系化合物;イミダゾール系化合物;ピラゾール系化合物;トリアゾール系化合物が挙げられる。
正孔輸送剤としては、例えば、含窒素環式化合物又は縮合多環式化合物を使用することができる。含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物としては、例えば、ジアミン誘導体(例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、又はN,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体);オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール);スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン);カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール);有機ポリシラン化合物;ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン);ヒドラゾン系化合物;インドール系化合物;オキサゾール系化合物;イソオキサゾール系化合物;チアゾール系化合物;チアジアゾール系化合物;イミダゾール系化合物;ピラゾール系化合物;トリアゾール系化合物が挙げられる。
これらの正孔輸送剤のうち、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、又は一般式(5)で表される化合物が好ましい。正孔輸送剤は、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、又は一般式(5)で表される化合物を含むことが好ましい。
一般式(2)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、及びR30は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又はフェニル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、及びR30より選択される2つは、隣接する炭素原子に結合している場合、互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル環を表してもよい。Ar1は、水素原子、又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してよいフェニル基を表す。
mは、0以上2以下の整数を表す。
mは、0以上2以下の整数を表す。
一般式(3)中、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、及びR41は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。Ar2は、水素原子、又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。pは、0又は1を表す。qは0又は1を表す。
一般式(4)中、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、及びR61は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。rは0又は1を表す。
一般式(5)中、R71、R72、R73、R74、R75、R76、R77、R78、R79、及びR80は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。Ar3は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してもよいフェニル基又は水素原子を表す。sは0以上2以下の整数を表す。
一般式(2)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、及びR30で表される炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、及びR30で表される炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基は、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、及びR30より選択される2つは、隣接する炭素原子に結合している場合、互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル環を表してもよい。炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル環は、シクロヘキシル環が好ましい。一般式(2)中、Ar1の表す炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してもよいフェニル基は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有するフェニル基が好ましく、メチルフェニル基が好ましい。
一般式(2)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、及びR30は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を表すか、又はR21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、及びR30より選択される2つは、隣接する炭素原子に結合している場合、互いに結合してシクロヘキシル環を表すことが好ましい。Ar1は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有するフェニル基又は水素原子を表すことが好ましい。
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、化学式(HTM−1)、化学式(HTM−2)、化学式(HTM−3)、化学式(HTM−4)、又は化学式(HTM−5)で表される化合物が挙げられる(以下、それぞれ正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−5)と記載することがある)。
一般式(3)中、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、及びR41の表す炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
一般式(3)中、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、及びR41は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、Ar2は水素原子を表すことが好ましい。
一般式(3)で表される化合物としては、例えば、化学式(HTM−6)、化学式(HTM−7)、又は化学式(HTM−8)で表される化合物が挙げられる(以下、それぞれ正孔輸送剤(HTM−6)〜(HTM−8)と記載することがある)。
一般式(4)中、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、及びR61の表す炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、メチル基又はn−ブチル基が好ましい。
一般式(4)中、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、及びR61は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すことが好ましい。
一般式(4)で表される化合物としては、例えば、化学式(HTM−9)又は化学式(HTM−10)で表される化合物が挙げられる(以下、それぞれ正孔輸送剤(HTM−9)〜(HTM−10)と記載することがある)。
一般式(5)中、R71、R72、R73、R74、R75、R76、R77、R78、R79、及びR80の表す炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。一般式(5)中、R71、R72、R73、R74、R75、R76、R77、R78、R79、及びR80の表す炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基は、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。一般式(5)中、Ar2の表す炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してもよいフェニル基は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有するフェニル基が好ましく、メチルフェニル基がより好ましい。
一般式(5)中、R71、R72、R73、R74、R75、R76、R77、R78、R79、及びR80は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基を表し、Ar3は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有するフェニル基又は水素原子を表し、sは0又は1を表すことが好ましい。
一般式(5)で表される化合物としては、例えば、化学式(HTM−11)又は化学式(HTM−12)で表される化合物が挙げられる(以下、それぞれ正孔輸送剤(HTM−11)〜(HTM−12)と記載することがある)。
感光体の耐摩耗性を更に向上させかつ感度特性を向上させる観点から、一般式(2)〜一般式(5)で表される化合物のうち、一般式(3)で表される化合物が好ましい。
積層型感光体において、正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、20質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
[2−1−3.バインダー樹脂]
バインダー樹脂は、積層型感光体の電荷輸送層又は単層型感光体の感光層に用いられる。感光層は、バインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(1)を含む。ポリカーボネート樹脂(1)は、一般式(1)で表される。
バインダー樹脂は、積層型感光体の電荷輸送層又は単層型感光体の感光層に用いられる。感光層は、バインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(1)を含む。ポリカーボネート樹脂(1)は、一般式(1)で表される。
一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。Xは、単結合、又は炭素原子数1以上2以下のアルキレン基を表す。アルキレン基は、メチレン基又はエチレン基を表し、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してもよい。Yは、単結合又は酸素原子を表す。kは、0以上の整数を表す。lは、正の整数を表す。k+l=100である。
一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6の表す炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。一般式(1)中、Xの表すアルキレン基はメチレン基又はエチレン基である。アルキレン基は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基(より具体的には、メチル基)を有してもよい。
一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18の表す炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表し、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことが好ましい。
ポリカーボネート樹脂(1)としては、例えば、化学式(Resin−1)〜化学式(Resin−3)で表される繰返し単位を含むポリカーボネート樹脂(以下、それぞれポリカーボネート樹脂(Resin−1)〜(Resin−3)と記載することがある)が挙げられる。
また、感光体の耐摩耗性を更に向上させる観点から、モル分率k/(k+l)は0.10以上0.70以下であることが好ましい。このようなポリカーボネート樹脂(1)としては、例えば、化学式(Resin−4)〜(Resin−7)で表されるポリカーボネート樹脂(以下、それぞれポリカーボネート樹脂(Resin−4)〜(Resin−7)と記載することがある)が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(1)は、モル分率k/(k+l)の一般式(1−1)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−1)と記載することがある)と、モル分率l/(k+l)の一般式(1−2)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−2)と記載することがある)とを有する。
一般式(1−1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、及びXは、それぞれ一般式(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、及びXと同義である。一般式(1−2)中のR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びYは、一般式(1)中のR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びYと同義である。
ポリカーボネート樹脂(1)は、繰返し単位(1−1)及び繰返し単位(1−2)以外の繰返し単位を有してもよい。ポリカーボネート樹脂(1)中の繰返し単位の物質量の合計に対する繰返し単位(1−1)及び繰返し単位(1−2)の物質量の合計の比率(モル分率)は、0.80以上が好ましく、0.90以上がより好ましく、1.00が更に好ましい。
ポリカーボネート樹脂(1)における、繰返し単位(1−1)及び繰返し単位(1−2)の配列は、繰返し単位(1−1)と繰返し単位(1−2)とが隣接して互いに結合する配列である。
ポリカーボネート樹脂(2)の粘度平均分子量は、20,000以上80,000以下であることが好ましく、47,000以上54,000以下であることがより好ましい。ポリカーボネート樹脂(1)の粘度平均分子量が20,000以上である場合、感光体の耐摩耗性を更に高めることができる。一方、ポリカーボネート樹脂(1)の粘度平均分子量が80,000以下である場合、感光層の形成時に、ポリカーボネート樹脂(1)が溶剤に溶解し易くなり、感光層の形成が容易になる傾向がある。
本実施形態に用いられるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂(1)のみを単独で用いてもよいし、ポリカーボネート樹脂(1)以外の樹脂(その他の樹脂)を含んでいてもよい。その他の樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネート樹脂(1)以外のポリカーボネート樹脂)、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ−アクリル酸系樹脂又はウレタン−アクリル酸系共重合体が挙げられる。これらのベース樹脂は、変性してもよい。例えば、ポリビニルブチラール樹脂は、部分的にアセトアセタール化してもよく、部分アセトアセタール化ポリビニルブチラール樹脂であってもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂(1)の製造方法は、ポリカーボネート樹脂(1)を製造できれば、特に限定されない。これらの製造方法として、例えば、ホスゲン法、エステル交換反応させる方法、又は他の公知の方法が挙げられる。ホスゲン法は、ポリカーボネート樹脂(1)の繰返し単位を形成するためのジオール化合物とジハロゲン化カルボニルとを界面縮重合させる方法である。エステル交換させる方法は、ジオール化合物とジフェニルカーボネートとをエステル交換反応させる方法である。
以下、ホスゲン法を用いて、ポリカーボネート樹脂(1)を製造する場合を例に挙げて説明する。
ポリカーボネート樹脂(1)は、一般式(1−3)で表される化合物と、一般式(1−4)で表される化合物とを界面重合させることにより製造される。界面重縮合反応は、例えば、ジハロゲン化カルボニル(より具体的には、ホスゲン等)を用いて、酸結合剤及び溶媒の存在下で行われてもよい。
一般式(1−3)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、及びXは、それぞれ一般式(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、及びXと同義である。一般式(1−4)中のR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びYは、一般式(1)中のR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びYと同義である。
ポリカーボネート樹脂(1)の含有量の合計は、バインダー樹脂に対して80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが更に好ましい。
本実施形態において、バインダー樹脂の含有量の比率は、電荷輸送層に含まれるすべての構成要素(例えば、正孔輸送剤、又はバインダー樹脂)の質量の合計に対して40質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
[2−1−4.添加剤]
電荷発生層、電荷輸送層、単層型感光体の感光層、及び中間層のうちの少なくとも一つが、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(より具体的には、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、又は紫外線吸収剤等)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、電子アクセプター化合物、ドナー、界面活性剤、又はレベリング剤が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物が挙げられる。
電荷発生層、電荷輸送層、単層型感光体の感光層、及び中間層のうちの少なくとも一つが、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(より具体的には、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、又は紫外線吸収剤等)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、電子アクセプター化合物、ドナー、界面活性剤、又はレベリング剤が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物が挙げられる。
[2−2.共通しない構成要素]
積層型感光体では、電荷発生層は、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することある)を含有してもよい。ベース樹脂は、感光体に適用し得るベース樹脂である限り、特に限定されない。ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリル酸系樹脂、又はウレタン−アクリル酸系樹脂が挙げられる。これらのベース樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
積層型感光体では、電荷発生層は、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することある)を含有してもよい。ベース樹脂は、感光体に適用し得るベース樹脂である限り、特に限定されない。ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリル酸系樹脂、又はウレタン−アクリル酸系樹脂が挙げられる。これらのベース樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ベース樹脂は、上述したバインダー樹脂と同様の樹脂も例示されているが、同一の積層型感光体においては、通常、バインダー樹脂とは異なる樹脂が選択される。その理由は、以下の通りである。積層型感光体を製造する際、通常、電荷発生層、電荷輸送層の順に形成するため、電荷発生層に、電荷輸送層用塗布液を塗布する。電荷輸送層の形成時に、電荷発生層は、電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが求められる。そこで、ベース樹脂は、同一の積層型感光体においては、通常、バインダー樹脂とは異なる樹脂が選択される。
[3.中間層]
本実施形態に係る感光体は、中間層(例えば、下引き層)を有してもよい。中間層は、例えば、無機粒子、及び樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、電流リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
本実施形態に係る感光体は、中間層(例えば、下引き層)を有してもよい。中間層は、例えば、無機粒子、及び樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、電流リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
無機粒子としては、例えば、金属(より具体的には、アルミニウム、鉄、又は銅等)の粒子、金属酸化物(より具体的には、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、又は酸化亜鉛等)の粒子、又は非金属酸化物(より具体的には、シリカ等)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの無機粒子には表面処理を施してもよい。
中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いることができる樹脂であれば、特に限定されない。
[4.感光体の製造方法]
感光体の製造方法について説明する。感光体の製造方法は、例えば、感光層形成工程を有する。
感光体の製造方法について説明する。感光体の製造方法は、例えば、感光層形成工程を有する。
[4−1.積層型感光体の製造方法]
積層型感光体の製造方法において、感光層形成工程は、電荷発生層形成工程と電荷輸送層形成工程とを有する。電荷発生層形成工程では、まず、電荷発生層を形成するための塗布液(以下、電荷発生層用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷発生層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷発生層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷発生層を形成する。電荷発生層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、ベース樹脂と、溶剤とを含む。このような電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤とベース樹脂とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製する。電荷発生層用塗布液には、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
積層型感光体の製造方法において、感光層形成工程は、電荷発生層形成工程と電荷輸送層形成工程とを有する。電荷発生層形成工程では、まず、電荷発生層を形成するための塗布液(以下、電荷発生層用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷発生層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷発生層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷発生層を形成する。電荷発生層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、ベース樹脂と、溶剤とを含む。このような電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤とベース樹脂とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製する。電荷発生層用塗布液には、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
電荷輸送層形成工程では、まず、電荷輸送層を形成するための塗布液(以下、電荷輸送層用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷輸送層を形成する。電荷輸送層用塗布液は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(1)と、溶剤とを含む。電荷輸送層用塗布液は、正孔輸送剤と、ポリカーボネート樹脂(1)とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製することができる。電荷輸送層形成用塗布液には、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
[4−2.単層型感光体の製造方法]
単層型感光体の製造方法において、感光層形成工程では、感光層を形成するための塗布液(以下、感光層用塗布液と記載することがある)を調製する。感光層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した感光層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して感光層を形成する。感光層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(1)と、溶剤とを含む。このような感光層用塗布液は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(1)とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。感光層用塗布液は、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
単層型感光体の製造方法において、感光層形成工程では、感光層を形成するための塗布液(以下、感光層用塗布液と記載することがある)を調製する。感光層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した感光層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して感光層を形成する。感光層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(1)と、溶剤とを含む。このような感光層用塗布液は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(1)とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。感光層用塗布液は、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
以下、感光層形成工程の詳細を説明する。電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液(以下、これらの3つの塗布液を塗布液と記載することがある)に含有される溶剤は、それぞれ電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できれば、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール類(より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n−ヘキサン、オクタン、又はシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン、トルエン、又はキシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、又はクロロベンゼン等)、エーテル類(より具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、又はジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン類(より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン等)、エステル類(より具体的には、酢酸エチル又は酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、非ハロゲン系溶剤を用いることが好ましい。
更に、電荷輸送層用塗布液に含有される溶剤は、電荷発生層用塗布液に含有される溶剤と、異なることが好ましい。積層型感光体を製造する際、通常、電荷発生層、電荷輸送層の順に形成するため、電荷発生層上に、電荷輸送層用塗布液を塗布することになる。電荷輸送層形成時に、電荷発生層は、電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが求められるからである。
塗布液は、それぞれ各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散器を用いることができる。
塗布液は、各成分の分散性、又は形成される各々の層の表面平滑性を向上させるために、例えば、界面活性剤又はレベリング剤を含有してもよい。
塗布液を塗布する方法としては、塗布液を均一に塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、又はバーコート法が挙げられる。
塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、塗布液中の溶剤の一部を除去させ得る方法(より具体的には、蒸発させ得る方法等)であれば、特に限定されない。除去する方法としては、例えば、加熱、減圧、又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機、又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
なお、感光体の製造方法は、必要に応じて中間層を形成する工程を更に有してもよい。中間層を形成する工程は、公知の方法を適宜選択することができる。
以上説明した本発明の電子写真感光体は、耐摩耗性に優れるため、種々の画像形成装置で好適に使用できる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
<感光体の材料>
積層型感光体を製造するための材料として、以下の電荷発生剤、正孔輸送剤、及びバインダー樹脂を準備した。
積層型感光体を製造するための材料として、以下の電荷発生剤、正孔輸送剤、及びバインダー樹脂を準備した。
(電荷発生剤)
実施形態で説明した電荷発生剤(CGM−2)を準備した。電荷発生剤(CGM−2)は、化学式(CGM−2)で表されるチタニルフタロシアニン(Y型チタニルフタロシアニン結晶)であった。結晶構造はY型であった。
実施形態で説明した電荷発生剤(CGM−2)を準備した。電荷発生剤(CGM−2)は、化学式(CGM−2)で表されるチタニルフタロシアニン(Y型チタニルフタロシアニン結晶)であった。結晶構造はY型であった。
Y型チタニルフタロシアニン結晶は、CuKα特性X線回折スペクトルチャートにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=9.2°、14.5°、18.1°、24.1°、27.2°にピークを有しており、主ピークは27.2°であった。なお、CuKα特性X線回折スペクトルは、実施形態で説明した測定装置及び測定条件で測定された。
[チタニルフタロシアニンの合成]
Y型チタニルフタロシアニン結晶を、以下のように調製した。まず、チタニルフタロシアニンを合成した。アルゴン置換したフラスコ中に、o−フタロニトリル22g(0.17mol)と、チタンテトラブトキシド25g(0.073mol)と、キノリン300gと、尿素2.28g(0.038mol)とを加えた。フラスコの内容物を攪拌しつつフラスコの内温を150℃まで昇温した。
Y型チタニルフタロシアニン結晶を、以下のように調製した。まず、チタニルフタロシアニンを合成した。アルゴン置換したフラスコ中に、o−フタロニトリル22g(0.17mol)と、チタンテトラブトキシド25g(0.073mol)と、キノリン300gと、尿素2.28g(0.038mol)とを加えた。フラスコの内容物を攪拌しつつフラスコの内温を150℃まで昇温した。
次いで、反応系から発生する蒸気を系外へ留去しながら215℃まで昇温した。その後、フラスコの内温を215℃に維持しつつ更に2時間、フラスコの内容物を攪拌して反応させた。反応終了後、フラスコの内温を150℃まで冷却した時点で内容物をフラスコから取り出した。内容物をガラスフィルターによってろ別し固体を得た。固体をN,N−ジメチルホルムアミド及びメタノールで順次洗浄した。その後、真空乾燥して、青紫色の固体24gを得た。
[Y型チタニルフタロシアニン結晶の製造]
次いで、Y型チタニルフタロシアニン結晶を調製した。この調製では、岩礁化前処理と、顔料化処理とを行った。
次いで、Y型チタニルフタロシアニン結晶を調製した。この調製では、岩礁化前処理と、顔料化処理とを行った。
(顔料化前処理)
青紫色の固体12gを反応容器へ投入し、N,N−ジメチルホルムアミド100mL中に加えた。反応容器の内容物を攪拌しつつ反応容器の内温を130℃に昇温し、反応容器の内温を130℃に維持して更に2時間攪拌した。次いで、2時間経過した時点で温度保持を停止し、反応容器を冷却した。反応容器の内温が23±1℃となった時点で攪拌を停止した。この状態で12時間、反応容器の内容物を静置して安定化処理を行った。そして安定化された後に内容物の上澄みをガラスフィルターによってろ別し、固体を得た。固体をメタノールで洗浄した後、真空乾燥した。その結果、チタニルフタロシアニンの粗結晶11.8gを得た。
青紫色の固体12gを反応容器へ投入し、N,N−ジメチルホルムアミド100mL中に加えた。反応容器の内容物を攪拌しつつ反応容器の内温を130℃に昇温し、反応容器の内温を130℃に維持して更に2時間攪拌した。次いで、2時間経過した時点で温度保持を停止し、反応容器を冷却した。反応容器の内温が23±1℃となった時点で攪拌を停止した。この状態で12時間、反応容器の内容物を静置して安定化処理を行った。そして安定化された後に内容物の上澄みをガラスフィルターによってろ別し、固体を得た。固体をメタノールで洗浄した後、真空乾燥した。その結果、チタニルフタロシアニンの粗結晶11.8gを得た。
(顔料化処理)
チタニルフタロシアニンの粗結晶10gを、97wt%の濃硫酸100gに加えて溶解し、溶液を調製した。なお、かかる酸処理は、5℃で1時間行った。次いで、この溶液を、氷冷下の純水5L中に毎分10mLにて滴下した。その後15±3℃付近で30分間、攪拌した。その後30分静置した。次いで溶液をガラスフィルターでろ過し、ウェットケーキを得た。
チタニルフタロシアニンの粗結晶10gを、97wt%の濃硫酸100gに加えて溶解し、溶液を調製した。なお、かかる酸処理は、5℃で1時間行った。次いで、この溶液を、氷冷下の純水5L中に毎分10mLにて滴下した。その後15±3℃付近で30分間、攪拌した。その後30分静置した。次いで溶液をガラスフィルターでろ過し、ウェットケーキを得た。
次いで、ウェットケーキをメタノール500mLに懸濁して洗浄した。その後メタノールをガラスフィルターによってろ別した。そして、かかる洗浄を4回行った。その後、ウェットケーキを20℃の純水500mLで懸濁して洗浄し、洗浄後の水をガラスフィルターでろ過した。
次いで、洗浄後のウェットケーキ5gを、混合溶媒中に加え、溶液を得た。混合溶媒は、水0.75gと、クロロベンゼン100gとを含んでいた。溶液を50℃にて24時間加熱し攪拌した。上澄みをガラスフィルターによってろ別し、結晶を得た。結晶を100mLのメタノールで漏斗上にて洗浄した。その後、50℃で5時間、真空乾燥させて、化学式(CGM−2)で表されるY型チタニルフタロシアニン結晶(青色粉末)4.5gを得た。
(正孔輸送剤)
実施形態で説明した正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−12)を準備した。
実施形態で説明した正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−12)を準備した。
(バインダー樹脂)
実施形態で説明したポリカーボネート樹脂(Resin−1)〜(Resin−7)に加えて、ポリカーボネート樹脂(Resin−8)を準備した。ポリカーボネート樹脂(Resin−8)は、化学式(Resin−8)で表される。
実施形態で説明したポリカーボネート樹脂(Resin−1)〜(Resin−7)に加えて、ポリカーボネート樹脂(Resin−8)を準備した。ポリカーボネート樹脂(Resin−8)は、化学式(Resin−8)で表される。
<感光体の製造方法>
[感光体(A−1)]
以下、実施例1に係る感光体(A−1)の製造について説明する。
[感光体(A−1)]
以下、実施例1に係る感光体(A−1)の製造について説明する。
(中間層の形成)
はじめに、表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、平均一次粒径10nm)を準備した。詳しくは、アルミナとシリカとを用いて酸化チタンを表面処理し、更に、表面処理された酸化チタンを湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて表面処理したものを準備した。次いで、表面処理された酸化チタン(2質量部)と、ポリアミド樹脂であるアミラン(登録商標)(東レ株式会社製「CM8000」)(1質量部)とを、メタノール(10質量部)、ブタノール(1質量部)及びトルエン(1質量部)を含む溶剤に対して添加した。アミランは、ポリアミド6,ポリアミド12,ポリアミド66,及びポリアミド610の四元共重合ポリアミド樹脂であった。ビーズミルを用いて、これら材料及び溶剤を5時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。これにより、中間層用塗布液を調製した。
はじめに、表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、平均一次粒径10nm)を準備した。詳しくは、アルミナとシリカとを用いて酸化チタンを表面処理し、更に、表面処理された酸化チタンを湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて表面処理したものを準備した。次いで、表面処理された酸化チタン(2質量部)と、ポリアミド樹脂であるアミラン(登録商標)(東レ株式会社製「CM8000」)(1質量部)とを、メタノール(10質量部)、ブタノール(1質量部)及びトルエン(1質量部)を含む溶剤に対して添加した。アミランは、ポリアミド6,ポリアミド12,ポリアミド66,及びポリアミド610の四元共重合ポリアミド樹脂であった。ビーズミルを用いて、これら材料及び溶剤を5時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。これにより、中間層用塗布液を調製した。
中間層用塗布液を、目開き5μmのフィルターを用いてろ過した。その後、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長246mm)の表面に、ディップコート法を用いて、中間層用塗布液を塗布した。続いて、塗布した中間層用塗布液を130℃で30分間乾燥させて、導電性基体(ドラム状支持体)上に中間層(膜厚1μm)を形成した。
(電荷発生層の形成)
Y型チタニルフタロシアニン結晶(電荷発生剤(CGM−2) 1.5質量部)と、ベース樹脂としての部分アセトアセタール化ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX−5」)(1質量部)とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル(40質量部)及びテトラヒドロフラン(40質量部)を含む溶剤に対して添加した。ビーズミルを用いて、これらの材料及び溶媒を2時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷発生層用塗布液を作製した。得られた電荷発生層用塗布液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。次いで、ろ過液を、中間層上にディップコート法を用いて塗布し、50℃で5分間乾燥させた。これにより、中間層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。
Y型チタニルフタロシアニン結晶(電荷発生剤(CGM−2) 1.5質量部)と、ベース樹脂としての部分アセトアセタール化ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX−5」)(1質量部)とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル(40質量部)及びテトラヒドロフラン(40質量部)を含む溶剤に対して添加した。ビーズミルを用いて、これらの材料及び溶媒を2時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷発生層用塗布液を作製した。得られた電荷発生層用塗布液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。次いで、ろ過液を、中間層上にディップコート法を用いて塗布し、50℃で5分間乾燥させた。これにより、中間層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。
(電荷輸送層の形成)
正孔輸送剤としての正孔輸送剤(HTM−1)50質量部と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(ユニチカ株式会社製 ユニファイナー2040H)10質量部及びポリカーボネート樹脂(Resin−1)(粘度平均分子量49,000)90質量部と、添加剤としての紫外線吸収剤(ADEKA社製 アデカスタブLA36)とを、テトラヒドロフラン550質量部及びトルエン150質量部を含む溶剤に対して添加した。循環型超音波分散装置を用いて、これらの材料及び溶剤を12時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。
正孔輸送剤としての正孔輸送剤(HTM−1)50質量部と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(ユニチカ株式会社製 ユニファイナー2040H)10質量部及びポリカーボネート樹脂(Resin−1)(粘度平均分子量49,000)90質量部と、添加剤としての紫外線吸収剤(ADEKA社製 アデカスタブLA36)とを、テトラヒドロフラン550質量部及びトルエン150質量部を含む溶剤に対して添加した。循環型超音波分散装置を用いて、これらの材料及び溶剤を12時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。
電荷発生層用塗布液と同様の操作により、電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布した。その後、120℃で40分間乾燥させて、電荷発生層上に電荷輸送層(膜厚20μm)を形成した。その結果、感光体(A−1)が得られた。感光体(A−1)は、積層型感光体であって、導電性基体上に、中間層、電荷発生層、及び電荷輸送層が、この順で積層されていた。
[感光体(A−2)〜(A−18)及び感光体(B−1)]
正孔輸送剤(HTM−1)の代わりに表1に記載の正孔輸送剤を用いた。バインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりに表1に記載のバインダー樹脂を用いた。そのようにして感光体(A−2)〜(A−18)及び感光体(B−1)を得た。表1は感光体(A−1)〜(A−18)及び感光体(B−1)の構成を示す。表1中、欄「正孔輸送剤の種類」のHTM−1〜HTM−12は、それぞれ正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−12)を示す。欄「バインダー樹脂の種類」のResin−1〜Resin−8は、それぞれポリカーボネート樹脂(Reisn−1)〜(Resin−8)を示す。欄「バインダー樹脂の分子量」は、バインダー樹脂の粘度平均分子量を示す。
正孔輸送剤(HTM−1)の代わりに表1に記載の正孔輸送剤を用いた。バインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(Resin−1)の代わりに表1に記載のバインダー樹脂を用いた。そのようにして感光体(A−2)〜(A−18)及び感光体(B−1)を得た。表1は感光体(A−1)〜(A−18)及び感光体(B−1)の構成を示す。表1中、欄「正孔輸送剤の種類」のHTM−1〜HTM−12は、それぞれ正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−12)を示す。欄「バインダー樹脂の種類」のResin−1〜Resin−8は、それぞれポリカーボネート樹脂(Reisn−1)〜(Resin−8)を示す。欄「バインダー樹脂の分子量」は、バインダー樹脂の粘度平均分子量を示す。
[感光体の性能評価]
(感光体の感度特性の評価:帯電電位V0の測定)
感光体(A−1)〜(A−18)及び感光体(B−1)の何れかに対して、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、回転数31rpm及びドラム流れ込み電流−10μAの条件下で、帯電させた。感光体の表面電位を測定した。測定した表面電位を帯電電位(V0)とした。測定環境は、温度10℃、かつ相対湿度15%RHであった。
(感光体の感度特性の評価:帯電電位V0の測定)
感光体(A−1)〜(A−18)及び感光体(B−1)の何れかに対して、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、回転数31rpm及びドラム流れ込み電流−10μAの条件下で、帯電させた。感光体の表面電位を測定した。測定した表面電位を帯電電位(V0)とした。測定環境は、温度10℃、かつ相対湿度15%RHであった。
(感光体の感度特性の評価:感度電位VLの測定)
感光体(A−1)〜(A−18)及び感光体(B−1)の何れかに対して、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、回転数を31rpmとし、−600Vになるように帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm、露光量:0.40μJ/cm2)をハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出し、感光体の表面に照射した。単色光の照射終了後、40ミリ秒が経過した後の表面電位を測定した。測定した表面電位を感度電位(VL)とした。測定環境は、温度10℃、かつ相対湿度15%RHであった。
感光体(A−1)〜(A−18)及び感光体(B−1)の何れかに対して、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、回転数を31rpmとし、−600Vになるように帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm、露光量:0.40μJ/cm2)をハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出し、感光体の表面に照射した。単色光の照射終了後、40ミリ秒が経過した後の表面電位を測定した。測定した表面電位を感度電位(VL)とした。測定環境は、温度10℃、かつ相対湿度15%RHであった。
(感光体の耐摩耗性評価)
感光体(A−1)〜(A−18)及び感光体(B−1)の何れかの製造において調製した電荷輸送層用塗布液を、アルミパイプ(直径:78mm)に巻きつけたポリプロピレンシート(厚さ0.3mm)に塗布した。これを、120℃で40分乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層が形成された摩耗評価試験用のシートを作製した。
感光体(A−1)〜(A−18)及び感光体(B−1)の何れかの製造において調製した電荷輸送層用塗布液を、アルミパイプ(直径:78mm)に巻きつけたポリプロピレンシート(厚さ0.3mm)に塗布した。これを、120℃で40分乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層が形成された摩耗評価試験用のシートを作製した。
このポリプロピレンシートから電荷輸送層を剥離し、ウィールS−36(テーバー社製)に貼り付け、サンプルを作製した。作製したサンプルをロータリーアブレージョンテスター(株式会社東洋精機製作所製)にセットし、摩耗輪CS−10(テーバー社製)を用い、荷重500gfかつ回転速度60rpmの条件で1,000回転させ、摩耗評価試験を実施した。摩耗評価試験前後のサンプルの質量変化である摩耗減量(mg/1000回転)を測定した。得られた摩耗減量から下記基準に基づいて、感光体の耐摩耗性を評価した。評価A及び評価Bを合格とした。
(耐摩耗性の評価基準)
評価A:摩耗減量が6.0mg未満であった。
評価B:摩耗減量が6.0mg以上10mg未満であった。
評価C:摩耗減量が10mg以上であった。
(耐摩耗性の評価基準)
評価A:摩耗減量が6.0mg未満であった。
評価B:摩耗減量が6.0mg以上10mg未満であった。
評価C:摩耗減量が10mg以上であった。
表1は感光体(A−1)〜(A−18)及び感光体(B−1)の帯電電位V0、感度電位VL、及び耐摩耗性の評価結果を示す。
表1に示すように、感光体(A−1)〜(A−18)では、電荷輸送層は、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−1)〜(Resin−7)を含んでいた。ポリカーボネート樹脂(Resin−1)〜(Resin−7)は、一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂であった。表1に示すように、感光体(A−1)〜(A−18)では、耐摩耗性の評価結果が評価A又は評価Bであった。
表1に示すように、感光体(B−1)では、電荷輸送層は、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−8)を含んでいた。ポリカーボネート樹脂(Resin−8)は、一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂ではなかった。表1に示すように、感光体(B−1)では、耐摩耗性の評価結果が評価Cであった。
感光体(A−1)〜(A−18)は、感光体(B−1)に比べ、耐摩耗性に優れていた。
表1に示すように、感光体(A−15)〜(A−18)では、電荷輸送層は、ポリカーボネート樹脂(Resin−4)〜(Resin−7)を含んでいた。感光体(A−15)〜(A−18)では、摩耗減量が4.9mg以上5.9mg以下であった。
表1に示すように、感光体(A−1)、(A−13)、及び(A−14)では、電荷輸送層は、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)〜(Resin−3)を含んでいた。感光体(A−1)、(A−13)、及び(A−14)では、摩耗減量が6.3mg以上7.8mg以下であった。
感光体(A−15)〜(A−18)は、感光体(A−1)、(A−13)、及び(A−14)に比べ、耐摩耗性に優れていた。
本発明に係る電子写真感光体は、複合機のような画像形成装置に利用できる。
1 積層型電子写真感光体
2 導電性基体
3 感光層
3a 電荷発生層
3b 電荷輸送層
4 中間層
2 導電性基体
3 感光層
3a 電荷発生層
3b 電荷輸送層
4 中間層
Claims (8)
- 導電性基体と、感光層とを備える電子写真感光体であって、
前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを含有し、
前記バインダー樹脂は、一般式(1)で表されるポリカーボネート樹脂を含む、電子写真感光体。
R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、
R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、
Xは、単結合、又は炭素原子数1以上2以下のアルキレン基を表し、
前記アルキレン基は、メチレン基又はエチレン基を表し、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してもよく、
Yは、単結合又は酸素原子を表し、
kは、0以上の整数を表し、
lは、正の整数を表し、
k+l=100である。 - k/(k+l)は0.10以上0.70以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(1)中、
R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表し、
R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表す、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。 - 前記正孔輸送剤は、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、又は一般式(5)で表される化合物を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子写真感光体。
R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、及びR30は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又はフェニル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、
R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、及びR30より選択される2つは、隣接する炭素原子に結合している場合、互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル環を表してもよく、
Ar1は、水素原子、又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してよいフェニル基を表し、
mは、0以上2以下の整数を表す。
R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、及びR41は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、
Ar2は、水素原子、又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、
pは、0又は1を表し、
qは0又は1を表す。
R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、及びR61は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、
rは0又は1を表す。
R71、R72、R73、R74、R75、R76、R77、R78、R79、及びR80は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表し、
Ar3は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有してもよいフェニル基又は水素原子を表し、
sは0以上2以下の整数を表す。 - 前記一般式(2)中、
R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、及びR30は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を表すか、又はR21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、及びR30より選択される2つは、隣接する炭素原子に結合している場合、互いに結合してシクロヘキシル環を表し、
Ar1は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有するフェニル基又は水素原子を表し、
前記一般式(3)中、
R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、及びR41は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、
Ar2は、水素原子を表し、
前記一般式(4)中、
R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、及びR61は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、
前記一般式(5)中、
R71、R72、R73、R74、R75、R76、R77、R78、R79、及びR80は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基を表し、
Ar3は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を有するフェニル基又は水素原子を表し、
sは0又は1を表す、請求項4に記載の電子写真感光体。 - 前記正孔輸送剤は、前記一般式(3)で表される化合物を含む、請求項1〜5の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生剤は、Y型チタニルフタロシアニン結晶を含む、請求項1〜6の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とを備え、
前記電荷発生層は、前記電荷発生剤を含み、
前記電荷輸送層は、前記正孔輸送剤と、前記バインダー樹脂とを含む、請求項1〜7の何れか一項に記載の電子写真感光体。
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