JP6440590B2 - ゴルフボール - Google Patents
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Description
前記球状コアは、単層構造でも、2層以上の多層構造でもよい。前記球状コアは、単層構造であることが好ましい。単層構造の球状コアは、多層構造の界面における打撃時のエネルギーロスがなく、反発性が向上する。前記球状コアはゴム組成物から形成されていることが好ましい。
前記カバーは、1層でもよいし、2層以上であってもよい。前記カバーは、少なくとも一層が、第一樹脂組成物から形成されていることが好ましい。
前記球状コアには、公知のゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」という場合がある。)を用いることができ、例えば、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤および(c)架橋開始剤を含むゴム組成物を用いることができる。
前記(a)基材ゴムとしては、天然ゴムおよび/または合成ゴムを使用することができ、例えば、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを使用できる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、特に、反発に有利なシス−1,4−結合を、40質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上有するハイシスポリブタジエンが好適である。
前記(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩は、共架橋剤として、ゴム組成物に配合されるものであり、基材ゴム分子鎖にグラフト重合することによって、ゴム分子を架橋する作用を有する。炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等を挙げることができる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
前記(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩としては、(b1)粉末状の炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩(以下、「(b1)共架橋剤粉末」と称する場合がある。)が好ましい。
(c)架橋開始剤は、(a)基材ゴム成分を架橋するために配合されるものである。(c)架橋開始剤としては、有機過酸化物が好適である。前記有機過酸化物は、具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。
前記ゴム組成物が、共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸のみを含有する場合、ゴム組成物は、(d)金属化合物をさらに含有することが好ましい。(d)前記金属化合物としては、ゴム組成物中において(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸を中和することができるものであれば、特に限定されない。(d)前記金属化合物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化銅などの金属水酸化物;酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化銅などの金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウムなどの金属炭酸化物が挙げられる。(d)前記金属化合物として好ましいのは、二価金属化合物であり、より好ましくは亜鉛化合物である。二価金属化合物は、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸と反応して、金属架橋を形成するからである。また、亜鉛化合物を用いることにより、反発性の高いゴルフボールが得られる。これらの(d)金属化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物は(e)カルボン酸および/またはその塩を含有してもよい。前記(e)カルボン酸および/またはその塩を含有することで、得られる球状コアの外剛内柔度合を大きくできる。前記(e)カルボン酸および/またはその塩としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸および芳香族カルボン酸塩が挙げられる。前記(e)カルボン酸および/またはその塩は、単独または2種以上の混合物として使用することもできる。前記(e)カルボン酸および/またはその塩としては、炭素数が1〜30のカルボン酸および/またはその塩が好ましく、より好ましくは炭素数が4〜30のカルボン酸および/またはその塩、さらに好ましくは炭素数が5〜25のカルボン酸および/またはその塩である。なお、(e)カルボン酸および/またはその塩には、共架橋剤として使用する(b)炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩は含まれないものとする。
前記ゴム組成物は、さらに(f)有機硫黄化合物を含有することが好ましい。前記(f)有機硫黄化合物を含有することで、得られる球状コアの反発性をより高めることができる。前記(f)有機硫黄化合物としては、例えば、チオフェノール類、チオナフトール類、ポリスルフィド類、チウラム類、チオカルボン類、ジチオカルボン類、スルフェンアミド類、ジチオカルバミン酸塩類、チアゾール類などを挙げることができる。球状コアの硬度分布が大きくなるという観点から、(f)有機硫黄化合物としては、チオール基(−SH)を有する有機硫黄化合物、または、その金属塩が好ましく、チオフェノール類、チオナフトール類、または、これらの金属塩が好ましい。前記(f)有機硫黄化合物は、単独もしくは二種以上を混合して使用することができる。
前記カバーは、樹脂成分を含有する樹脂組成物から形成されることが好ましい。前記カバー用樹脂組成物が含有する樹脂成分としては、例えば、アイオノマー樹脂、BASFジャパン(株)から商品名「エラストラン(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)」で市販されている熱可塑性スチレンエラストマーなどが挙げられる。
前記第一樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂、(B)両性界面活性剤、(C)脂肪酸を含有することが好ましい。
前記(A)熱可塑性樹脂は、(A1)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物(以下、「(A1)二元系アイオノマー樹脂」と称する場合がある。)、および/または、(A2)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物(以下、「(A2)三元系アイオノマー樹脂」と称する場合がある。)を含有することが好ましい。(A1)二元系アイオノマー樹脂および(A2)三元系アイオノマー樹脂は、共重合体が有するカルボキシ基を金属イオンにより中和したアイオノマー樹脂である。
アイオノマー樹脂の中和度(モル%)=100×共重合体中の中和されているカルボキシル基のモル数/共重合体中のカルボキシル基の総モル数
(B)両性界面活性剤は、(A1)二元系アイオノマー樹脂および/または(A2)三元系アイオノマー樹脂のイオン会合体に取り込まれ、イオン会合体を微分散化してエチレン鎖の結晶化を阻害したり、イオン会合体による主鎖の拘束を弱めたりすると考えられる。これらの作用により、樹脂組成物は、分子鎖の運動性が高くなり、柔軟性を維持したまま反発性が高くなる。
(C)脂肪酸を含有することにより、樹脂組成物の流動性が向上し、薄い層の形成が容易となる。前記(C)脂肪酸としては、特に限定されず、飽和脂肪酸、あるいは、不飽和脂肪酸のいずれも使用できる。また、前記(C)脂肪酸は、直鎖脂肪酸、分岐鎖を有する脂肪酸のいずれであってもよい。前記(C)脂肪酸は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第一樹脂組成物は、さらに(D)金属化合物を含有してもよい。(D)金属化合物を含有することにより、(A1)二元系アイオノマー樹脂、(A2)三元系アイオノマー樹脂の中和度を一層高めることができ、樹脂組成物の反発性がより向上する。
式中、Σ(樹脂組成物が有する陰イオン成分のモル数×陰イオン成分の価数)は、(A)成分のカルボキシル基のモル数、(B)成分のカルボキシル基のモル数および、(C)成分のカルボキシル基のモル数の合計である。]
前記第一樹脂組成物は、さらに(F)フィラーを含有してもよい。前記(F)フィラーとしては、従来公知のフィラーを使用できる。前記(F)フィラーとしては、(F1)有機化層状珪酸塩、(F2)カーボンナノチューブ、(F3)表面に極性官能基を有する炭素質フィラーが好ましい。
層状珪酸塩とは、層状の構造を有する珪酸塩である。有機化層状珪酸塩とは、層状珪酸塩がその結晶層間に本来有している金属陽イオンの一部または全部を、有機オニウムイオンに交換したものをいう。
前記(F2)カーボンナノチューブの短手方向の平均径は、0.02μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.3μm以下が好ましく、0.25μm以下がより好ましい。カーボンナノチューブの短手方向の平均径が前記範囲内であれば、ソフトな打球感を確保しながら、反発性に優れるゴルフボールが得られやすくなる。
前記(F3)表面に極性官能基を有する炭素質フィラーとしては、極性官能基が炭素質フィラーに直接結合しているものや、炭素質フィラーの表面が極性官能基を有する重合体で被覆されたもののいずれも使用できる。前記(F3)炭素質フィラーの材料としては、天然グラファイト、人工グラファイト、炭素繊維、カーボンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、グラファイトが好ましく、特にグラフェン、グラファイト薄片が好ましい。なお、グラフェンとは、グラファイトの一原子層からなるシートである。
(1)粒子径測定
ドライ粉末の試料をレーザー回折粒子径測定装置(株式会社セイシン企業製、LMS−2000e型)の乾式ユニット中にセットし、試料屈折率を1.52として粒子径を測定した。得られた体積基準頻度分布グラフ(対数プロットの粒子径0.02μm〜2000μmを100分割して得られる頻度分布)からモード径を求めた。また、同様にして得られた体積基準累積分布グラフから、d10、粒子径が6μm〜300μmの粒子の体積比率(V6-300)、粒子径が200μm以下の粒子の体積比率(V0-200)、および、比表面積をそれぞれ求めた。なお、累積%V(300μm)としては、粒子径が300μm以上の最も近い測定値を採用し、累積%V(6μm)としては、粒子径が6μm以下の最も近い測定値を採用した。粒子径が200μm以下の粒子径の体積比率%は、粒子径が200μm以下の最も近い測定値を採用した。比表面積は、粒子形状を球状と仮定し、各粒子の粒子径から算出した。
ゴム粉末の作製に使用したゴムシート(厚さ2mm)を、3枚以上重ねた状態で、自動硬度計(H.バーレイス社製、デジテストII)を用いて硬度を測定した。検出器は、「Shore C」を用いた。
コアの表面部において測定した硬度をコア表面硬度とした。また、コアを半球状に切断し、切断面の中心、および、中心から所定の距離において硬度を測定した。なお、コア硬度は、コア断面の中心から所定の距離の4点で硬度を測定して、これらを平均することにより算出した。硬度は、自動硬度計(H.バーレイス社製、デジテストII)を用いて測定した。検出器は、「Shore C」を用いた。
コアに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向にコアが縮む量)を測定した。
カバー用組成物を用いて、射出成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートを、測定基板などの影響が出ないように、3枚以上重ねた状態で、自動硬度計(H.バーレイス社製、デジテストII)を用いて硬度を測定した。検出器は、「Shore D」を用いた。
ゴルフボール用樹脂組成物を用いて、熱プレス成形(190℃、10分間)により、厚み約2mm、幅20mm、長さ100mmのテストピースを作製した。このテストピースを、温度23±2℃、相対湿度50±5%で、14日間保存した。作製したテストピースについて、オルゼン剛性度試験機(東洋精機製作所製)を用いて所定の曲げ角度における荷重目盛を測定し、横軸に曲げ角度(°)、縦軸に荷重目盛の読みをプロットし、その一次近似曲線の傾きを求めた。測定条件は、温度23±2℃、相対湿度50±5%、曲げ速度60°/min、支点間距離50mmとした。曲げ剛性は、前記傾きの値に8.7078を乗じ、試験片の厚み(cm)の三乗で除することで算出した。なお、曲げ剛性は曲げ角度3°、6°、9°および12°における荷重目盛を測定した。
ゴルフボールの圧縮試験は、恒温槽を備えた精密万能試験機(島津製作所製、AGX−100KN)を用いて行った。なお、支持板は、材質がダイス鋼(SKD11、焼き入れ品)、寸法が直径100mm、厚さ45.5mmである。加圧板は、材質がダイス鋼(SKD11、焼き入れ品)、寸法が直径100mm、厚さ30mmである。また、測定温度は、恒温槽内の温度を−70℃に設定した。
試験は、まず加圧板で5〜10Nの力を加えたときの加圧板の位置を初期位置とし、そのときのゴルフボールの高さを測定した。次に、加圧板を速度30mm/分で圧縮率7%(ゴルフボールの高さが初期の93%となる位置)または圧縮率19%(ゴルフボールの高さが初期の81%となる位置)まで加圧し、同じ速度で加圧板を初期位置に戻した。この一連の操作から、図12に示すような力−たわみ曲線を作図した。
反発相当エネルギー率は、下記式により算出した。
反発相当エネルギー率(%)=(反発相当エネルギー/全印加エネルギー)×100
反発相当エネルギー=面積(dcbed)
全印加エネルギー=面積(oabeo)
ここで、面積(dcbed)は、力−たわみ曲線のdcbedで囲まれた面積であり、面積(oabeo)は、力−たわみ曲線のoabeoで囲まれた面積である。
ゴルフボールに198.4gの金属製円筒物を40m/sまたは50m/sの速度で衝突させ、衝突前後の前記円筒物およびゴルフボールの速度を測定し、それぞれの速度および質量から各ゴルフボールの反発係数を算出した。測定は各ゴルフボールについて12個ずつ行って、その平均値をそのゴルフボールの反発係数とした。反発係数は、表5〜7において、ゴルフボールNo.7との差で示した。
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットM/Cに、メタルヘッド製W#1ドライバー(ダンロップスポーツ社製、XXIO S ロフト11°)を取り付け、ヘッドスピード40m/sでゴルフボールを打撃し、打撃直後のゴルフボールのスピン速度を測定した。測定は、各ゴルフボールについて12回ずつ行って、その平均値をそのゴルフボールの測定値とした。なお、打撃直後のゴルフボールのスピン速度は、打撃されたゴルフボールを連続写真撮影することによって測定した。ドライバー飛距離およびスピン量は、表5〜7において、ゴルフボールNo.7との差で示した。
ZDA−1
ジャケット付ニーダーに溶媒1140gと、酸化亜鉛5モルを加えて撹拌し、懸濁液を作製した。ニーダー内部の温度を5〜40℃に保ちながら、この懸濁液にアクリル酸10モルを約3時間かけて徐々に添加し、反応させて、ニーダー内部の温度を40℃にした。添加終了後、さらに40℃で4時間反応を続けた。その後、減圧下20Torrに達するように50℃まで徐々に昇温させながら、反応生成水および溶媒の留去乾燥を5時間かけて行い、アクリル酸亜鉛5モルを得た。これを気流分級して、モード径22.9μm、6μm〜300μmの粒子の体積比率が約70%のアクリル酸亜鉛(ZDA−1)を得た。
気流分級には、以下の装置を用いた。
供給機;テーブルフィーダーZGJ−200
分級機;クラッシールN−5(株式会社セイシン企業製)
捕集機;バグフィルターTD−270(株式会社セイシン企業製)
前記で得られた分級前のアクリル酸亜鉛を、気流分級して、モード径20.0μm、6μm〜300μmの体積比率が約93%のアクリル酸亜鉛(ZDA−2)を得た。
気流分級には、以下の装置を用いた。
供給機;テーブルフィーダーZGJ−200
分級機;クラッシールN−5(株式会社セイシン企業製)
捕集機;バグフィルターTD−270(株式会社セイシン企業製)
ZDA−1で得られた分級前のアクリル酸亜鉛を気流分級して、モード径が18.7μm、6μm〜300μmの粒子の体積比率が約85%のアクリル酸亜鉛(ZDA−3)を得た。
気流分級には、以下の装置を用いた。
供給機;テーブルフィーダーZGJ−200
分級機;クラッシールN−01(株式会社セイシン企業製)
捕集機;バグフィルターTD−270(株式会社セイシン企業製)
表2に示す配合のゴム組成物を混練ロールにより混練し、170℃、20分間熱処理することにより、ゴムシート(厚さ2mm)を得た。得られたゴムシートを、凍結粉砕機を用いて粉砕して体積平均粒子径が400μm〜700μmの架橋ゴム粉末を得た。なお、得られたゴムシートは均一な硬度を有していた。
アクリル酸亜鉛:日本触媒社製、ZN−DA90S(10質量%ステアリン酸亜鉛混合品)
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺R」
ジクミルパーオキサイド:日油社製、「パークミル(登録商標)D(ジクミルパーオキサイド)」
2−チオナフトール:東京化成工業社製、2−チオナフトール
ゴム粉末:ゴム組成物から形成されたゴルフボールのコアを粉砕したもの
(1)コアの作製
表3に示す配合のゴム組成物を混練ロールにより混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で170℃、20分間加熱プレスすることにより直径39.8mmの球状コアを得た。なお、コアNo.a〜cは、成形後の球状コア内部にZDA−1〜ZDA−3に由来するアクリル酸亜鉛の粒子が残存していた。
サンセラーSR:三新化学工業社製、アクリル酸亜鉛(10質量%ステアリン酸コーティング品)
ZN−DA90S:日本触媒社製、アクリル酸亜鉛(10質量%ステアリン酸亜鉛混合品)
2−チオナフトール:東京化成工業社製
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺R」
オクタン酸亜鉛:三津和化学薬品社製
ステアリン酸亜鉛:和光純薬社製
ジクミルパーオキサイド:日油社製、「パークミル(登録商標)D(ジクミルパーオキサイド)」
硫酸バリウム:堺化学社製、「硫酸バリウムBD」、最終的に得られるゴルフボールの質量が40.0gとなるように調整した。
次に、表4に示した配合のカバー用材料を、二軸混練型押出機により押し出して、ペレット状のカバー用組成物を調製した。押出は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35で行った。配合物は、押出機のダイの位置で150〜230℃に加熱された。得られたカバー用組成物を上述のようにして得られた球状コア上に射出成形して内層カバーを形成した。次に、カバー用組成物を内層カバー上に射出成形して最外層カバーを形成した。
オレイン酸:東京化成工業社製
オレイルベタイン:ルーブリゾール社製「Chembetaine OL」から水分と塩分を除去したもの
水酸化マグネシウム:和光純薬工業社製
エスベンNO12:ホージュン社製、4級アンモニウム化処理モンモリロナイト(4級アンモニウムカチオン:ジメチルジステアリルアンモニウムとオレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムとの混合(質量比1:1)、有機物量:38.8質量%)
エスベンNX:ホージュン社製、4級アンモニウム化処理モンモリロナイト(4級アンモニウムカチオン:ジメチルジステアリルアンモニウム、有機物量:41.8質量%)
エスベンNO12S:ホージュン社製、4級アンモニウム化処理モンモリロナイト(4級アンモニウムカチオン:オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、有機物量:31.5質量%)
エスベンE:ホージュン社製、4級アンモニウム化処理モンモリロナイト(4級アンモニウムカチオン:トリメチルステアリルアンモニウム、有機物量:25.6質量%)
TPP処理クニピア:クニミネ工業社製、有機化モンモリロナイト(有機カチオン:テトラフェニルホスホニウム)
ベンゲルA:ホージュン社製、モンモリロナイト
VGCF−H:昭和電工社製、カーボンナノチューブ(短手方向の平均径:0.15μm、長手方向の平均長さ:7μm、平均アスペクト比:46.7)
Rap dGO:ニシナマテリアル社製、酸化グラフェン(平均短径:2μm、平均長径:20μm、平均アスペクト比:10、平均厚さ:5nm、官能基種類:カルボキシ基、ヒドロキシ基、官能基量:1.2mmol/g)
ハイミラン(登録商標)1601:三井・デュポン・ポリケミカル社製、ナトリウムイオン中和アイオノマー樹脂
ハイミラン1557:三井・デュポン・ポリケミカル社製、亜鉛中和アイオノマー樹脂
エラストラン(登録商標)NY82A10:BASFジャパン社製、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
Claims (10)
- 球状コアと、前記球状コアと被覆するカバーとを有し、
ゴルフボールの径方向に荷重を加える圧縮試験(測定温度;−70℃、圧縮速度;30mm/分)において、
変形量を7%とした時の反発相当エネルギー率(R40)が65.50%〜99.0%であり、
変形量を19%とした時の反発相当エネルギー率(R50)が20.0%〜70.0%であることを特徴とするゴルフボール。 - 前記反発相当エネルギー率(R40)と前記反発相当エネルギー率(R50)との差(R40−R50)が、1.0%以上である請求項1に記載のゴルフボール。
- 前記ゴルフボールは、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときの圧縮変形量(圧縮方向に縮む量)が、2.0mm〜4.0mmである請求項1または2に記載のゴルフボール。
- 前記球状コアの表面硬度(Hs)と中心硬度(Ho)との硬度差(Hs−Ho)が、ショアC硬度で、15〜40である請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフボール。
- 前記球状コアは、コア半径を12.5%間隔で等分した9点で測定した硬度と、コア中心からの距離とをプロットしたときに、最小二乗法によって求めた線形近似曲線の決定係数R2が0.90以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフボール。
- 前記球状コアは、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向に縮む量)が、2.0mm〜6.0mmである請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴルフボール。
- 前記球状コアが、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤および(c)架橋開始剤を含むゴム組成物から形成されたものであり、
形成後の球状コアが、内部に、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸および/またはその金属塩の粒子、または、架橋ゴム粉末を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴルフボール。 - 前記カバーが、曲げ剛性が49.0MPa〜588MPaであるカバー用樹脂組成物から形成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴルフボール。
- 前記カバーが、スラブ硬度が、ショアD硬度で35〜65であり、スラブ硬度と曲げ剛性との比(スラブ硬度(ショアD)/曲げ剛性(kgf/cm2))が0.01〜0.05であるカバー用樹脂組成物から形成されている請求項1〜8のいずれか一項に記載のゴルフボール。
- 前記カバーが、アイオノマー樹脂と、有機化層状珪酸塩、カーボンナノチューブ、および、表面に極性官能基を有する炭素質フィラーよりなる群から選択される少なくとも1種のフィラーとを含有する樹脂組成物から形成されている請求項1〜9のいずれか一項に記載のゴルフボール。
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