JP2003079765A - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JP2003079765A
JP2003079765A JP2001277841A JP2001277841A JP2003079765A JP 2003079765 A JP2003079765 A JP 2003079765A JP 2001277841 A JP2001277841 A JP 2001277841A JP 2001277841 A JP2001277841 A JP 2001277841A JP 2003079765 A JP2003079765 A JP 2003079765A
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golf ball
vulcanized rubber
mass
core
rubber powder
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JP2001277841A
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English (en)
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Keiji Ohama
啓司 大濱
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性および反発性を損なうことなく、打球
感を向上させたゴルフボールを提供する。 【解決手段】 コアとカバーとを含む2層構造以上のゴ
ルフボールにおいて、該コアが基材ゴム100質量部に
対して不飽和カルボン酸マグネシウム塩によって架橋さ
れた加硫ゴム粉末を1〜15質量部含んでおり、該コア
に98N負荷から1274N負荷をかけたときの圧縮変
形量が2.0〜7.0mmであることを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴルフボールに関
し、特に耐久性および反発性を損なうことなく、打球感
をソフトにしたゴルフボールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から市販されているゴルフボールに
は、ツーピースゴルフボールやスリーピースゴルフボー
ル等のソリッドゴルフボールと糸巻きゴルフボールとが
ある。従来のソリッドゴルフボールは糸巻きゴルフボー
ルよりも飛距離に優れていたが、打球感がソフトでない
という問題を有していた。しかし、現在ではソリッドゴ
ルフボールは従来の糸巻きゴルフボールと同等のソフト
な打球感を維持したまま、飛距離を増大させることが可
能となったことから市場において大きなシェアを占める
ようになった。
【0003】また、スリーピースゴルフボールのような
マルチピースゴルフボールにおいてはツーピースゴルフ
ボールと比較して多種の硬度分布を得ることができ、飛
行性を損なうことなく打球感に優れたゴルフボールが提
供されている。このようなソリッドゴルフボールの耐久
性および飛行性を損なうことなく打球感をソフトにする
技術については以下のような技術が開示されている。
【0004】たとえば、特開平6−7481号公報およ
び特開平11−128400号公報においては、不飽和
カルボン酸金属塩で加硫された加硫ゴム粉末をコアに含
有し耐久性を向上させたゴルフボールが開示されてい
る。
【0005】しかし、これらの先行技術においては加硫
ゴム粉末の作製に使用する不飽和カルボン酸金属塩の材
質は主に不飽和カルボン酸亜鉛塩であるため、ゴルフボ
ールの耐久性と飛行性に大きく影響する反発性とゴルフ
ボールの打球感のソフトさとを兼ね備えた最適な材料選
択とはなっていなかった。
【0006】また、特開平7−185039号公報にお
いては、コアの基材ゴム100質量部に対して加硫ゴム
粉末35〜200質量部を混合したゴルフボールが開示
されている。
【0007】しかし、加硫ゴム粉末がコアを占める割合
がコアの基材ゴム100質量部に対して加硫ゴム粉末3
5〜200質量部であるため、コア中に含まれる加硫ゴ
ム粉末の量が多くなりすぎ、ゴルフボールの打球感のソ
フトさはあるが反発性および耐久性が低下することがあ
った。また、特開平7−185039号公報においても
加硫ゴム粉末の作製に使用する不飽和カルボン酸金属塩
の材質は主に不飽和カルボン酸亜鉛塩である。
【0008】さらに、特開平7−185041号公報に
おいては、コアの基材ゴム100質量部に対して加硫ゴ
ム粉末の架橋剤となる不飽和カルボン酸金属塩60〜1
20質量部および加硫ゴム粉末35〜200質量部を混
合したゴルフボールが開示されている。
【0009】しかし、加硫ゴム粉末中の不飽和カルボン
酸金属塩の量が多いため、ゴルフボールの打球感が硬く
なり、ゴルフボールの打球感が低下することがあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来のソリッドゴルフボールの有する問題を解決し、耐
久性および反発性を損なうことなく、打球感を向上させ
たマルチピースソリッドゴルフボールを提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、コアとカバーとを含む2層構造以上のゴ
ルフボールにおいて、該コアが基材ゴム100質量部に
対して不飽和カルボン酸マグネシウム塩によって架橋さ
れた加硫ゴム粉末(以下、「Mg加流ゴム粉末」とい
う。)を1〜15質量部含んでおり、該コアに98N負
荷から1274N負荷をかけたときの圧縮変形量が2.
0〜7.0mmであることを特徴としている。また、上
記コアの作製には不飽和カルボン酸亜鉛塩を架橋剤とし
て使用し得る。
【0012】また、本発明においてはMg加硫ゴム粉末
はゴム成分100質量部に対して不飽和カルボン酸マグ
ネシウム塩を10〜50質量部含んでいることが好まし
く、粉砕前の不飽和カルボン酸マグネシウム塩で加硫さ
れた加硫ゴム(以下、「Mg加硫ゴム」という。)の曲
げ剛性が1〜50MPaであることが好ましい。また、
上記Mg加硫ゴム粉末の比重は1.1以上となることが
好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明についてさらに詳細に
説明すると、本発明のゴルフボールはMg加硫ゴム粉末
を混合したコア上にカバーを被覆することによって作製
し得る。
【0014】<加硫ゴム粉末>本発明に係るMg加硫ゴ
ム粉末は、ポリブタジエン等のゴム成分に架橋剤である
不飽和カルボン酸マグネシウム塩を加えて架橋すること
によって得られる。
【0015】不飽和カルボン酸マグネシウム塩を架橋剤
として使用した場合には、従来から使用されている不飽
和カルボン酸亜鉛塩を架橋剤として使用した場合よりも
加硫ゴムは軟らかくなる。すなわち、従来と同質量の不
飽和カルボン酸マグネシウム塩を架橋剤として使用した
場合には、従来よりも加硫ゴム粉末の材質を軟らかくす
ることができる。したがって、従来の不飽和カルボン酸
亜鉛塩で架橋された加硫ゴム粉末(以下、「Zn加硫ゴ
ム粉末」という。)と同質量のMg加硫ゴム粉末をコア
に混合した場合でも、従来と同等レベルのゴルフボール
の耐久性を保持しながら、従来よりもゴルフボールの打
球感を向上させ得る。また、不飽和カルボン酸マグネシ
ウム塩の配合量を増加させてMg加硫ゴム粉末の硬度を
従来と同等にし、従来と同質量のMg加硫ゴム粉末をコ
アに混合した場合には、ゴルフボールの打球感は従来と
同等のレベルとなるが、ゴルフボールの耐久性が向上し
得る。
【0016】架橋剤としての不飽和カルボン酸マグネシ
ウム塩はゴム成分100質量部に対して10〜50質量
部配合され得る。好ましくは10〜45質量部であり、
より好ましくは15〜45質量部である。配合される不
飽和カルボン酸マグネシウム塩の質量部が10質量部よ
りも小さいと加硫ゴム粉末が軟らかくなりすぎてゴルフ
ボールの耐久性および反発性が低下し、50質量部より
も大きいと加硫ゴム粉末が硬くなりすぎてゴルフボール
の打球感が悪化するためである。
【0017】また、架橋剤としては不飽和カルボン酸マ
グネシウム塩のみを使用することもでき、不飽和カルボ
ン酸マグネシウム塩と不飽和カルボン酸マグネシウム塩
以外の不飽和カルボン酸金属塩とを併用することもでき
る。たとえば、加硫ゴム粉末の作製のための架橋剤とし
て不飽和カルボン酸マグネシウム塩と不飽和カルボン酸
亜鉛塩とを併用することができる。この場合、不飽和カ
ルボン酸マグネシウム塩と不飽和カルボン酸亜鉛塩の配
合比率である不飽和カルボン酸マグネシウム塩量/不飽
和カルボン酸亜鉛塩量は質量で0.5以上がよい。好ま
しくは0.7以上であり、より好ましくは0.9以上で
ある。不飽和カルボン酸マグネシウム塩の配合量が少な
くなりすぎると本発明の効果が得られなくなるためであ
る。
【0018】また、不飽和カルボン酸と酸化マグネシウ
ムとをゴム組成物中に別々に配合して、ゴム組成物中で
不飽和カルボン酸マグネシウム塩とすることもできる。
ここで不飽和カルボン酸はアクリル酸またはメタクリル
酸が好適に使用される。
【0019】上記のゴム成分の材質は特に限定されない
が、ポリブタジエンが好ましい。また、イソプレンゴ
ム、天然ゴムまたはスチレンブタジエンゴム等その他の
ゴムをブレンドすることもできる。
【0020】また、加硫開始剤としてジクミルパーオキ
サイド等の有機過酸化物を加硫ゴム粉末のゴム成分10
0質量部に対し0.1〜3質量部、好ましくは0.5〜
3質量部、より好ましくは0.5〜2.5質量部配合し
得る。
【0021】また、比重調整のため金属酸化物等の無機
充填剤や高比重金属等が配合され得る。
【0022】上述した材料をブレンドして加硫すること
によりMg加硫ゴム粉末を含む加硫ゴムが作製される。
加硫は通常用いられる方法によって行なわれ、たとえば
温度条件が130〜180℃の下で、10〜60分間加
硫が行なわれ得る。
【0023】上述のようにして得られた粉砕前のMg加
硫ゴムの曲げ剛性は1〜50MPaであり得る。好まし
くは5〜45MPaである。この曲げ剛性が1MPaよ
り小さいと曲げ剛性が小さすぎてゴルフボールの反発性
および耐久性が悪化し、50MPaより大きいと曲げ剛
性が大きすぎて打球感が悪化するためである。この曲げ
剛性はMg加硫ゴムをシート状に成形してに測定され得
る。
【0024】また、粉砕前のMg加硫ゴムの硬度はショ
アD硬度で15〜50、好ましくは15〜45、より好
ましくは20〜45である。この硬度が15より小さい
と粉砕後のMg加硫ゴム粉末が軟らかくなりすぎてゴル
フボールの反発性が低下し、50より大きいと粉砕後の
Mg加硫ゴム粉末が硬くなりすぎてゴルフボールの打球
感が悪化するためである。このMg加硫ゴムを粉砕し
て、Mg加硫ゴム粉末が得られる。
【0025】また、Mg加硫ゴム粉末の比重は1.1以
上であり得る。好ましくは1.2〜1.5である。Mg
加硫ゴム粉末の比重をコア比重よりも大きくすることに
よりゴルフボールの質量調整等のためにコアへ混合され
る充填材の量を減らすことができることから、コアのゴ
ム分率が高くなりゴルフボールの反発性が向上し得るた
めである。ただし、Mg加硫ゴム粉末の比重が大きくな
りすぎると加硫ゴム粉末へ混合される充填材の量が多く
なってしまうため、Mg加硫ゴム粉末中のゴム分率が低
くなりゴルフボールの耐久性が悪化し得る。
【0026】また、Mg加硫ゴム粉末を含む加硫ゴム粉
末の粒子径は特に限定されるものではないが、0.5μ
m〜1.5mmであることが好ましい。0.5μmより
小さいと加硫ゴム粉末としての機能を発揮し得ず、1.
5mmより大きいと加硫ゴム粉末の粒子が大きすぎてコ
ア自体がもろくなり耐久性が悪化するためである。
【0027】<コア>上述のMg加硫ゴム粉末と基材ゴ
ム等とをブレンドさせて加硫成形することによりコアが
得られる。
【0028】本発明のMg加硫ゴム粉末はコアの基材ゴ
ム100質量部に対して1〜15質量部がコアに混合さ
れ得る。混合されるMg加硫ゴム粉末の質量部が少ない
とMg加硫ゴム粉末を加えたことによる耐久性、反発性
の向上およびソフトな打球感等の効果を得ることができ
ない。よって、より好ましくは2質量部以上、特に5質
量部以上がよい。また、混合されるMg加硫ゴム粉末の
質量部が多いとコアが軟らかくなりすぎてゴルフボール
の反発性および耐久性が低下する。よって、より好まし
くは10質量部以下である。これらMg加硫ゴム粉末の
質量部の上限および下限は、求められるゴルフボールの
性能ごとにいずれの組み合わせでも規定されるものであ
る。
【0029】また、Mg加硫ゴム粉末に加えて他の不飽
和カルボン酸金属塩で架橋された加硫ゴム粉末もコアに
混合され得る。たとえば、コアの基材ゴム100質量部
に対して、Zn加硫ゴム粉末を0〜50質量部、好まし
くは0〜40質量部、より好ましくは0〜30質量部を
コアに混合することができる。この場合にはこれら加硫
ゴム粉末全体の混合量をコアの基材ゴム100質量部に
対して35質量部より少なくすることが好ましい。加硫
ゴム粉末全体の混合量が35質量部よりも多くなるとコ
アに混合される加硫ゴム粉末の量が多くなりすぎてコア
がもろくなるため、ゴルフボールの反発性および耐久性
が悪化するためである。
【0030】また、コアの作製に用いられる架橋剤の材
質は特に限定されないが、不飽和カルボン酸またはその
金属塩が好ましい。たとえば、メタクリル酸亜鉛または
アクリル酸亜鉛等の不飽和カルボン酸亜鉛塩が好適であ
る。
【0031】また、コアの作製に用いられる架橋剤は上
記不飽和カルボン酸亜鉛塩のみを使用することもでき、
不飽和カルボン酸亜鉛塩と不飽和カルボン酸亜鉛塩以外
の不飽和カルボン酸金属塩との併用もし得る。不飽和カ
ルボン酸亜鉛塩と不飽和カルボン酸亜鉛塩以外の不飽和
カルボン酸金属塩との併用をする場合、その配合比率で
ある不飽和カルボン酸亜鉛塩量/不飽和カルボン酸金属
塩量は質量で0.5以上がよい。好ましくは0.7以上
であり、より好ましくは0.9以上である。不飽和カル
ボン酸亜鉛塩の配合量が少なくなりすぎると反発性が低
下するためである。また、不飽和カルボン酸と酸化亜鉛
を別々に配合して、ゴム組成物中で不飽和カルボン酸亜
鉛塩とすることもできる。
【0032】また、架橋剤の配合量はコアの基材ゴム1
00質量部に対し15〜40質量部である。好ましくは
20〜40質量部であり、より好ましくは20〜35質
量部である。配合量が15質量部より少ないとコアの架
橋が少なくなりすぎてコアが軟らかくなりゴルフボール
の反発性および耐久性が低下し、40質量部より多いと
基材ゴムと架橋しすぎてコアが硬くなりゴルフボールの
打球感が悪化するためである。ここで、不飽和カルボン
酸はアクリル酸またはメタクリル酸が好適に使用され
る。
【0033】コアの基材ゴムの材質は特に限定されない
が、ポリブタジエンが好ましい。また、イソプレンゴ
ム、天然ゴムまたはスチレンブタジエンゴム等その他の
ゴムをブレンドすることもできる。
【0034】また、コア作製時には加硫開始剤としてジ
クミルパーオキサイド等の有機過酸化物をコアの基材ゴ
ム100質量部に対して0.1〜3質量部、好ましくは
0.5〜3質量部、より好ましくは0.5〜2.5質量
部配合し得る。
【0035】また、上記コアにはゴルフボールの質量調
整のため金属酸化物等の無機充填剤や高比重金属等を配
合し得る。
【0036】なお、コアの直径は15〜42mm、さら
に好ましくは20〜41mm、特に25〜40mmがよ
く、最も好ましくは35〜39mmがよい。直径が小さ
くなりすぎると反発性が低下し、直径が大きくなりすぎ
るとカバーの厚さが薄くなってカバーの耐久性が低下し
たりするためである。
【0037】また、コアを作製するための加硫は通常用
いられる方法によって行なわれ、たとえば温度条件が1
30〜180℃の下で10〜60分間加硫が行なわれ
る。
【0038】このコアに初期荷重98Nを負荷した状態
から終荷重1274Nを負荷したときのコアの圧縮変形
量は2.0〜7.0mmである。好ましくは2.2〜
6.5mmであり、より好ましくは2.5〜6.0mm
である。コアの変形量が2.0mmより小さいとコアが
硬くなりすぎてゴルフボールの打球感が悪化し、7.0
mmより大きいとコアが軟らかくなりすぎてゴルフボー
ルの反発性および耐久性が悪化し得るためである。
【0039】<カバー>上述のようにして得られたコア
にはカバーが被覆される。
【0040】このカバーは1層または2層以上であっ
て、その材質は特に限定されず従来同様の各種のものが
用いられ、たとえば、熱可塑性樹脂、特にアイオノマー
樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィンま
たはポリスチレン系の熱可塑性樹脂を1種または2種以
上混合した樹脂組成物を基材樹脂とし得る。また、これ
らの樹脂には無機充填剤、顔料等が適度に配合され得
る。
【0041】また、カバーの被覆は通常用いられる方法
によって被覆され得る。その後、本発明のゴルフボール
は美観を高め、商品価値を上げるために、ペイント仕上
げ、マーキングスタンプ等を施されて市場に投入され得
る。
【0042】
【実施例】本発明を実施例を挙げてさらに具体的に説明
するが、これら実施例に限定されるものではない。
【0043】(1) 加硫ゴム粉末の作製 表1に示した配合の加硫ゴム粉末用ゴム組成物を混練
し、160℃×30分間の条件で加硫することにより加
硫ゴムを得た。この加硫ゴムを粉砕機によって粉砕する
ことにより加硫ゴム粉末を得た。表1中の各成分の配合
量は質量部によるものである。粉砕前の加硫ゴム粉末の
ショアD硬度、曲げ剛性、比重および加硫ゴム粉末の粒
子径を同表中に示す。ショアD硬度は、粉砕前の加硫ゴ
ムを用いてスラブを作製し、ASTMD−2240−6
8に規定されるスプリング式硬度計ショアD型を用いて
測定した。また、曲げ剛性は粉砕前の加硫ゴムを用いて
作製した厚さ2mmの熱プレス成型シートを23℃で2
週間保管後、JIS−K7106に準じて測定した。な
お、粒子径についてはふるいを用いて選別し、直径0.
9mmとした。
【0044】その結果、Mg加硫ゴム粉末はZn加硫ゴ
ム粉末より粉砕前の加硫ゴムのショアD硬度、曲げ剛性
とも数値が低く、その材質が軟らかくなるという結果が
得られた。
【0045】
【表1】
【0046】(注1)JSR(株)製のハイシス−ポリ
ブタジエンゴム (2) コアの作製 表1の加硫ゴム粉末を用いて、表2、表3および表4に
示した配合のコア用ゴム組成物を混練し、金型内で15
5℃×30分間の条件で加熱プレスすることにより球状
のコアを得た。表2、表3および表4中の各成分の配合
量は質量部によるものである。また、硫酸バリウムはゴ
ルフボールの質量が45.4gとなるように適量配合し
た。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】(3) カバー用組成物の調製 表5に示すカバー用配合材料を二軸混練押出し機により
ミキシングし、ペレット状のカバー用組成物を得た。表
5中の各成分の配合量は質量部によるものである。得ら
れたカバー用組成物のショアD硬度を同表中に示す。シ
ョアD硬度はASTMD−2240−68に準じて測定
され、カバー用組成物から作製された厚さ約2mmの熱
プレス成型シートを23℃で2週間保管後、スプリング
式硬度計ショアD型を用いて、そのシートを3枚以上重
ねて測定した。
【0051】
【表5】
【0052】(注2)三井デュポン(株)製のナトリウ
ムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノ
マー樹脂 (注3)三井デュポン(株)製の亜鉛イオン中和エチレ
ン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂 (注4)三井デュポン(株)製の亜鉛イオン中和エチレ
ン−メタクリル酸−アクリル酸エステル三元共重合体ア
イオノマー樹脂 (4) 実施例および比較例のゴルフボールの作製 得られたカバー用組成物をインジェクション成型機によ
りコアが設置されている金型に注入しカバーを1層また
は2層に形成した後、表面をペイントすることによって
質量45.4gの実施例および比較例のゴルフボールが
得られた。
【0053】(5) 試験方法 得られたゴルフボールの反発係数、耐久性、打撃時の衝
撃フィーリングおよび打撃時の反発フィーリングを次の
方法で評価し、その結果を以下の表6(実施例1〜2、
比較例1〜2)、表7(実施例3〜5、比較例3〜
4)、表8(実施例6〜8)および表9(実施例9〜1
1)に示す。
【0054】(i)反発係数 ゴルフボールに200gのアルミニウム製円筒物を40
m/秒の速度で衝突させ、衝突後の円筒物およびゴルフ
ボールの速度を測定し、それぞれの衝突前後の速度およ
び重量から算出した。測定は各ゴルフボールについて1
2個ずつ行ない、その平均を算出して実施例および比較
例のゴルフボールの値とした。尚、この値は比較例1の
ゴルフボールの反発係数の値を1としたときの値で示さ
れており、この数値が大きいほど反発性に優れているこ
とを示す。
【0055】(ii)耐久性 ツルーテンパー社製のスイングロボットにメタルヘッド
製ウッド1番クラブ(ドライバー)を取り付けて、ヘッ
ドスピードを45m/秒に設定して各ゴルフボールを打
撃し、衝突板に衝突させて評価した。評価基準はゴルフ
ボールが壊れるまでの打撃回数を測定し、比較例1を1
00として指数化した。指数が大きいほどゴルフボール
の耐久性が優れていることを示す。
【0056】(iii)打撃時の衝撃フィーリングおよ
び打撃時の反発フィーリング 10人のゴルファーによるウッド1番クラブ(ドライバ
ー)で実打テストを行ない打撃時の衝撃フィーリングお
よび打撃時の反発フィーリングが良好であると答えたゴ
ルファーの人数により評価した。ここで、打撃時の衝撃
フィーリングとはゴルファーがゴルフボールを打撃した
ときに感じる衝撃感のことで、ゴルファーが受けた衝撃
感がソフトであれば良好であり、衝撃感がハードであれ
ば良好ではないとした。また、打撃時の反発フィーリン
グとはゴルファーがゴルフボールを打撃したときに感じ
るゴルフボールの弾力感のことで、ゴルファーが弾力感
を十分に感じたときは良好であり、十分に感じなかった
ときは良好でないとした。
【0057】判定基準 ◎…8人以上が良好であると答えた。
【0058】 ○…6人以上が良好であると答えた。 △…4人以上が良好であると答えた。
【0059】 ×…3人以上が良好であると答えた。
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】
【表8】
【0063】
【表9】
【0064】(6) 試験結果 (i)1層のカバーでコアが被覆されたゴルフボール
(実施例1〜2および6〜8、比較例1〜2)の場合 実施例1のゴルフボールはMg加硫ゴム粉末が混合され
ているので、加硫ゴム粉末が混合されていない比較例1
のゴルフボールよりも反発性、耐久性および打撃時の反
発フィーリングの点で優れている結果となった。また、
実施例1のゴルフボールは、Zn加硫ゴム粉末が混合さ
れている実施例2のゴルフボールよりも打撃時の衝撃フ
ィーリングが優れている結果となった。
【0065】また、実施例2のゴルフボールはMg加硫
ゴム粉末およびZn加硫ゴム粉末が混合されているの
で、加硫ゴム粉末が混合されていない比較例1のゴルフ
ボールよりも反発性、耐久性および打撃時の反発フィー
リングが優れている結果となった。また、実施例2のゴ
ルフボールには比較例2のゴルフボールと同量の加硫ゴ
ム粉末が混合されているが、実施例2のゴルフボールに
混合された加硫ゴム粉末はMg加流ゴム粉末10質量
部、Zn加硫ゴム粉末5質量部であるのに対し、比較例
2のゴルフボールに混合された加硫ゴム粉末はZn加硫
ゴム粉末15質量部であるため、実施例2のゴルフボー
ルは、比較例2のゴルフボールと比べ反発性および耐久
性は変わらないが、打撃時の衝撃フィーリングが顕著に
優れている結果となった。
【0066】実施例6、7、8は、実施例1と同様Mg
加硫ゴム粉末が混合されているが、該Mg加硫ゴム粉末
の配合量が異なっている。Mg加硫ゴム粉末の配合量が
1.0質量部である実施例6は、同配合量が2.0質量
部である実施例8より若干耐久性が悪くなっている。
【0067】(ii)2層のカバーでコアが被覆された
ゴルフボール(実施例3〜5および9〜11、比較例3
〜4)の場合 実施例3のゴルフボールには比較例3のゴルフボールと
同量の加硫ゴム粉末が混合されているが、実施例3のゴ
ルフボールに混合された加硫ゴム粉末はMg加流ゴム粉
末であるのに対し、比較例3のゴルフボールに混合され
た加硫ゴム粉末はZn加硫ゴム粉末であるため、実施例
3のゴルフボールは、比較例3のゴルフボールと比べ反
発性、耐久性および打撃時の反発フィーリングが優れて
いる結果となった。
【0068】また、実施例4および5のゴルフボールに
混合されている加硫ゴム粉末の量は10質量部である
が、比較例4のゴルフボールに混合されている加硫ゴム
粉末の量は25質量部であるため、実施例4および5の
ゴルフボールは比較例4のゴルフボールと比べて耐久性
が顕著に優れている結果となった。
【0069】実施例9、10、11は、実施例3と同様
Mg加硫ゴム粉末が混合されているが、該Mg加硫ゴム
粉末の配合量が異なっている。Mg加硫ゴム粉末の配合
量が1.0質量部である実施例9は、同配合量が2.0
質量部である実施例11より若干耐久性が悪くなってい
る。
【0070】
【発明の効果】上述のように本発明では、耐久性および
反発性を損なうことなく、打球感を向上させたゴルフボ
ールを提供し得る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアとカバーとを含む2層構造以上のゴ
    ルフボールにおいて、該コアが基材ゴム100質量部に
    対して不飽和カルボン酸マグネシウム塩によって架橋さ
    れた加硫ゴム粉末を1〜15質量部含んでおり、該コア
    に98N負荷から1274N負荷をかけたときの圧縮変
    形量が2.0〜7.0mmであることを特徴とするゴル
    フボール。
  2. 【請求項2】 前記コアを作製する際に不飽和カルボン
    酸亜鉛塩を架橋剤として使用することを特徴とする請求
    項1に記載のゴルフボール。
  3. 【請求項3】 前記加硫ゴム粉末はゴム成分100質量
    部に対して、不飽和カルボン酸マグネシウム塩を10〜
    50質量部含んでおり、粉砕前の加硫ゴムの曲げ剛性が
    1〜50MPaであることを特徴とする請求項1または
    2に記載のゴルフボール。
  4. 【請求項4】 前記加硫ゴム粉末の比重が1.1以上で
    あることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載
    のゴルフボール。
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