JP6440456B2 - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、画像形成方法および画像形成装置に関するものである。
画像形成方法およびこれを利用した画像形成装置は、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ、印刷機として広く一般的に利用されている。そのような画像形成装置では、光導電層が設けられた感光体の表面を一様に帯電させ、画像情報に応じたレーザやLEDによって露光させることにより、感光体の表面上に静電潜像を形成する。そして、形成された静電潜像によって感光体の表面にトナーを付着させることでトナー像を形成し、これを紙などの転写材へ転写させる。そして、感光体の表面に残ったトナー(転写残トナー)は、ゴム製のクリーニングブレードや、マグネットローラー、ブラシローラーを備えたクリーニング手段により除去する。そして、レーザーやLED、蛍光灯によって露光することにより感光体を除電する。これらの工程を繰り返すことによって、画像形成が繰り返し行なわれる。
このような画像形成装置に好適に用いることが可能な感光体として、ケイ素原子を主成分とする非単結晶材料で形成される光導電層と表面層を有する感光体(以下、a−Si感光体と略記する。)が挙げられる。a−Si感光体は、そのビッカース硬度が1000kgf/mm以上と非常に硬く、耐久性、耐熱性、環境安定性に優れている。そのため、特に高信頼性が要求される高速機において好ましい。
しかしながら、耐久性に優れるa−Si感光体を用いた画像形成装置であっても、クリーニング手段を始めとする感光体周りの種々の部材との摺擦によって感光体の表面が若干は摩耗する。そして、そのような摩耗に伴って感光特性や帯電特性が変化してしまう場合があった。このような場合の対策としては、感光体の使用状況を算出する使用状況算出手段を使い、所望の表面電位の範囲内となるように帯電前露光工程における光源の光量を制御する技術が開示されている(特許文献1)。
特開2008−158024号公報
しかしながら特許文献1では、所望の表面電位の範囲内となるように制御する項目が帯電前露光工程における光源の光量だけであり、感光体の感度の変化量が大きく、光量調整が可能な範囲を超えてしまうと、正しく表面電位を設定できなくなる場合がある。電位設定が所定の値からずれてしまうと、最適な画像形成が困難となり、ドットの太りや細り、あるいは、カブリや濃度変動などの画像不良となる場合があるため、改善の余地を有していた。
特に、a−Si感光体を用いた画像形成装置の場合は、画像形成装置本体寿命のさらなる長寿命化への要望が強く、1000万枚を超えるオーダで本体設計することが要求されるようになってきた。そのような要求を達成するために、感光体としては表面層の膜厚を厚くすることが行われてきたが、これにより、使用初期の表面層膜厚と使用終期の表面層膜厚との差が大きくなってしまっていた。表面層膜厚の大きな変化は、光導電層へ到達する光量が大きく変化するということを意味している。このような状況下では、感光体の感度の変化量が大きくなってしまい、帯電前露光光の光量調整範囲を超えてしまう場合があることがわかり、改善の余地があった。
すなわち、本発明は、画像形成プロセスの繰り返しとともに感光体の感度が大きく変動し、帯電前露光工程での光量調整範囲を超えてしまった場合においても、正しく電位設定することが可能な画像形成方法および画像形成装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決する本発明の画像形成方法は、少なくとも光導電層と表面層を有する電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、トナー担持体の上に担持させたトナーを転移させて前記静電潜像を現像し、前記電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を前記電子写真感光体の表面から転写材に転写する転写工程と、前記電子写真感光体の表面に残った転写残トナーを前記電子写真感光体から除去するためのクリーニング工程と、前記電子写真感光体を除電する帯電前露光工程とを有し、前記表面層の膜厚が初期の膜厚に対して50%以上減少するまで繰り返し画像形成を行う画像形成方法において、
前記帯電前露光工程における帯電前露光条件の調整を行う、帯電前露光調整工程をさらに有し、
前記帯電前露光調整工程が、帯電前露光光の露光強度の調整工程および露光波長の調整工程を含み、
前記露光波長の調整工程は、前記表面層の膜厚の減少による表面帯電電位の低下に応じて前記露光波長が短くなるように調整する工程を含む、ことを特徴とする。
また、上述の課題を解決する本発明の画像形成装置は、少なくとも光導電層と表面層を有する電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、トナー担持体の上に担持させたトナーを転移させて前記静電潜像を現像して前記電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を前記電子写真感光体の表面から転写材に転写する転写手段と、前記電子写真感光体の表面に残った転写残トナーを前記電子写真感光体から除去するためのクリーニング手段と、前記電子写真感光体を除電する帯電前露光手段とを有し、前記表面層の膜厚が初期の膜厚に対して50%以上減少するまで繰り返し画像形成を行う画像形成装置であって、
前記帯電前露光手段の帯電前露光条件の調整を行う帯電前露光調整手段をさらに有し、
前記帯電前露光調整手段が、帯電前露光光の露光強度の調整手段および露光波長の調整手段を含み、
前記露光波長の調整手段は、前記表面層の膜厚の減少による表面帯電電位の低下に応じて前記露光波長が短くなるように調整する手段を含む、ことを特徴とする。
本発明の画像形成方法および画像形成装置は、電子写真プロセスの繰り返しとともに感光体の感度が大きく変動し、帯電前露光工程での光量調整範囲を超えてしまった場合においても、所望の表面電位の範囲内に正しく設定することが可能となる。このため、本発明の画像形成方法および画像形成装置では、適正な画像形成条件で適正な画像が得られる状態をさらに長期間持続できるという効果を有する。また、本発明の画像形成方法を用いることで、より長期間、感光体を使用できることになるため、より長寿命な画像形成装置を提供できるという効果を有する。
本発明の画像形成方法および画像形成装置に好適に用いることができるa−Si感光体の層構成の一例を表す模式的断面図である。 本発明に好適に用いられる画像形成装置の一例を示す模式的断面図である。 単一波長光を発光できる光源を帯電前露光手段に用いる場合の帯電前露光調整手段の模式的断面図である。 帯電前露光調整工程の動作フローチャートの一例である。 本発明に好適に用いられる感光体を製造するための装置の一例を示す模式的断面図である。 帯電前露光調整工程の動作フローチャートの一例である。 帯電前露光調整工程の動作フローチャートの一例である。 印刷枚数と画像濃度の関係を示した模式図である。
本発明は、電子写真感光体の初期の表面層膜厚が厚く、使用初期と使用終期とで表面層膜厚の差が大きく、電子写真感光体の感度が大きく変動する場合においても、適正な画像形成条件で適正な画像が得られる状態を長期間持続することを目的とする。初期の表面層膜厚とは、電子写真感光体(以下、感光体とも記載する)が製造され、その後に使用が開始された当初の表面層の膜厚を意味する。
図8は、印刷枚数と画像濃度の関係を示した模式図である。
ライン801は、帯電前露光光の露光強度および露光波長の調整を行う、本発明の帯電前露光調整工程を備えた場合の印刷枚数に対する画像濃度の関係を示したものである。ライン802は、帯電前露光光の露光強度の調整のみを行う、従来の帯電前露光調整工程を備えた場合の印刷枚数に対する画像濃度の関係を示したものである。なお、ライン801およびライン802は、同様の条件で作製された感光体を用いた場合を示している。
そして、ライン801においては、806に示すタイミングで帯電前露光光の露光強度の調整を行い、807に示すタイミングで帯電前露光光の露光強度の調整および露光波長の調整を行っている。
ライン802においては、805に示すタイミングで帯電前露光光の露光強度の調整を行っている。
そして、803は、許容される画像濃度の上限を示し、804は、許容される画像濃度の下限を示す。また、ライン802においては、帯電前露光光の調整が露光強度の調整のみであるため、帯電前露光工程における光量調整が、調整可能な範囲を超えてしまい、808に示すタイミングで、許容される画像濃度の下限804を下回っている。
耐久性に優れるa−Si感光体を用いた画像形成装置であっても、クリーナを始めとする感光体周りの種々の部材との摺擦によって、画像形成プロセスの繰り返しとともに感光体の表面層が若干は摩耗する。表面層が摩耗し、その膜厚が徐々に薄くなっていくと、帯電前露光光量のうち、表面層で吸収されていた分が減少するため、光導電層へ到達する帯電前露光光量が大きくなる。光導電層へ到達する帯電前露光光量が大きくなると、感光体内に発生する余剰なフォトキャリアが増加することになる。
この余剰なフォトキャリアは、帯電工程において感光体の表面電位が上昇することで吐き出され、暗減衰を増大させる原因となる。このため、帯電条件が一定であった場合には、ある特定の位置(例えば現像工程が行われる位置)における表面電位は、暗減衰が増加した分だけ低下してしまう。そして、このような現像工程が行われる位置での電位低下が起こると、画像濃度の変動(図8の場合は濃度が低下)が生じてしまうことになる。このため、図8におけるライン801およびライン802では、帯電前露光光の調整を行うまでの間、印刷枚数が増加するにつれて画像濃度が減少しているのである。
これまでは、光導電層へ到達する帯電前露光光量が大きくなるような変化が起こった場合は、帯電前露光光の露光強度を弱めるような調整を行うことで、正しく電位設定できるようにし、画像濃度が許容範囲内に収まるように調整してきた。
帯電前露光光の露光強度を弱めるような調整を行うことで、正しく電位設定でき、画像濃度が許容範囲内に収まるようになる理由については、以下のように考えている。
帯電前露光光の露光強度を弱めると、光導電層へ到達する帯電前露光光量が小さくなる。すると、感光体内に発生する余剰なフォトキャリアが減少することになるため、暗減衰による表面電位の低下分が減少することになる。その結果、ある特定の位置(例えば現像工程が行われる位置)における表面電位が、暗減衰が減少した分だけ上昇するため、正しい電位設定ができるようになる、すなわち、画像濃度が許容範囲内に収まるように調整できるようになったと考えている。
ところが、画像形成装置のさらなる長寿命化を達成するために、表面層の膜厚が初期の膜厚に対して50%以上減少するまで繰り返し画像形成を行う場合には、ライン802のように、帯電前露光工程における光量調整が調整可能な範囲を超える場合があった。これは、使用初期と使用終期とで表面層膜厚の差が大きくなるため、帯電前露光光量のうち表面層で吸収されていた分の変動が大きくなるためと思われる。
そこで本発明者らは、上述のような問題を解決すべく、帯電前露光工程における帯電前露光条件の調整について鋭意研究を重ねた。その結果、帯電前露光光の露光強度を調整するだけでなく、露光波長も併せて調整することで、所望の表面電位の範囲内に正しく設定することができ、画像濃度を許容範囲内に収めることが可能になることを見出した。
光導電層へ到達する帯電前露光光量が大きくなるような変化が起こった場合、帯電前露光光の露光強度と併せて露光波長も調整を行うことで、使用初期と使用終期とで表面層膜厚の差が大きい場合でも正しく電位設定できるようになった理由を以下に示す。
帯電前露光光の露光強度を弱めることで、表面電位を上昇させることができることは前述した。同じように、帯電前露光光の露光波長についても、露光波長を短くすることで、表面電位を上昇させることができることが分かった。これは、通常、帯電前露光光は感光体の表面層側から照射されるため、露光波長を短くすることで、光導電層の表面層側のごく浅い領域で、すべての帯電前露光光が吸収されてしまうためと思われる。
光導電層の表面層側のごく浅い領域ですべての帯電前露光光が吸収されることで、余剰に発生したフォトキャリアの再結合確率が高まり、結果として、余剰なフォトキャリアを減少させることができていると思われる。そして、暗減衰による表面電位の低下分が減少し、その結果、表面電位が上昇すると思われる。また、再結合されなかったフォトキャリアについても、光導電層の表面層側のごく浅い領域で発生しているため、帯電電荷が存在する表面層に近く、吐き出されたときの移動距離が短くなる。
このため、帯電工程後の暗減衰による表面電位の低下分が減少し、その結果、表面電位が上昇すると思われる。図8では、ライン801において、807に示すタイミングで帯電前露光光の露光強度および露光波長の調整を行っている。露光強度に加えて露光波長の調整も併せて行うことで、表面電位の上昇分が増加し、807以後も正しい電位設定ができるようになる、すなわち、画像濃度が許容範囲内に収まるように調整できるようになったと考えている。
以下に、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1に、本発明の画像形成方法および画像形成装置に好適に用いることができるa−Si感光体(以降、感光体と表すことがある。)の層構成の一例を表す模式的断面図を表す。
図1(a)に示す感光体100は、基体101と、基体101の上に順次設けられる光導電層102と表面層103とから構成される。
また、図1(b)に示すように、基体101の上に、基体側からの電荷の注入を阻止するために、下部電荷注入阻止層104を設け、下部電荷注入阻止層104の上に光導電層102と、表面層103とを順次設けた層構成であってもよい。必要に応じて、光導電層102と表面層103との間に、表面側からの電荷の注入を阻止するために、上部電荷注入阻止層105を設けた層構成であってもよい。
また必要に応じて、光導電層102は、基体101側から第一の層領域と第二の層領域とからなる2層構成にしてもよい。また、光導電層102と表面層103との界面や光導電層102と上部電荷注入阻止層105との界面、上部電荷注入阻止層105と表面層103との界面に関しては、組成を連続的に変化させる組成変化層を設けてもよい。
また表面層103が、水素化アモルファスシリコンカーバイトで構成され、表面層103におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が0.50以上0.65以下であり、
表面層103におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が6.60×1022原子/cm以上であり、
表面層103における赤外線吸収スペクトルにおける波数2960cm-1の吸収係数α1に対する波数2890cm-1の吸収係数α2の比α2/α1が0.50以下であり、
表面層103の電子スピン共鳴法によって測定される欠陥密度が9.0×1018(spins/cm)以上2.2×1019(spins/cm)以下であることが、光透過性や耐摩耗性、高湿流れ抑制の観点からより好ましい。
また、このような特徴を有する表面層103とすることで、表面層103を厚く積層しても繰り返し画像形成を行える程度の感度を有する感光体とすることができる。そして、表面層103を厚く積層できることにより、1000万枚を超える寿命を有する感光体とすることができる。表面層103の膜厚は、所望の感度や感光体寿命により適宜設定することができる。
上記感光体は、一般的に知られている真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法などの成膜方法により、基体の上に図1(a)および図1(b)に示すような層構成で作製すればよい。それらの中でも、RF帯やVHF帯の高周波電力を印加してグロー放電により原料ガスを分解し、基体の上に堆積膜を形成するプラズマCVD法を用いると、好適に作製することができる。
次に、本発明の画像形成装置に好適な感光体の製造に使用することができる装置、および、これを用いた感光体の製造方法について、以下に説明する。
図5は、電源周波数としてRF帯を用いた高周波プラズマCVD法(RF−PCVDとも略記する)による感光体を製造するための装置の一例を示す模式的断面図である。
この装置は、大別すると、堆積装置5100、原料ガスの供給系5200、反応容器5111内を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置5100中の反応容器5111内には円筒状基体5112を載置する載置台5110、基体加熱用ヒータ5113、原料ガス導入管5114が設置されている。さらに高周波マッチングボックス5115を介して高周波電源5120が反応容器5111を兼ねるカソード電極に接続されている。
原料ガス供給装置5200は、原料ガスのボンベ5221〜5226とバルブ5231〜5236、5241〜5246、5251〜5256、および、マスフローコントローラ5211〜5216を備える。そして、各原料ガスのボンベはバルブ5260を介して反応容器5111内のガス導入管5114に接続されている。
この装置を用いた堆堆膜の形成は、例えば以下のような手順によって行われる。
まず、反応容器5111内に円筒状基体5112を設置し、例えば真空ポンプなどの排気装置(図示せず)により反応容器5111内を排気する。続いて、基体加熱用ヒータ5113により円筒状基体5112の温度を200℃〜350℃の所定の温度に制御する。
次に、堆積膜形成用の原料ガスを、ガス供給装置5200により流量制御し、反応容器5111内に導入する。そして、排気速度を調整することにより所定の圧力に設定する。
以上のようにして堆積の準備が完了した後、以下に示す手順で各層の形成を行う。
内圧が安定したところで、高周波電源5120を所望の電力に設定して、高周波マッチングボックス5115を通じてカソード電極に供給し高周波グロー放電を生起させる。放電に用いる周波数は1〜30MHzのRF帯が好適に使用できる。
この放電エネルギーによって反応容器5111内に導入された各原料ガスが分解され、円筒状基体5112の上に所定のケイ素原子を主成分とする堆積膜が形成される。所望の膜厚の形成が行われた後、高周波電力の供給を止め、ガス供給装置の各バルブを閉じて反応容器5111への各原料ガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の感光層が形成される。また、膜形成の均一化を図るために、層形成を行っている間は、円筒状基体5112を駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効である。さらに、上述のガスの種類およびバルブ操作は各々の層の作製条件にしたがって変更が加えられることは言うまでもない。
次に、本発明に好適に用いられる画像形成装置について、以下に説明する。
図2に、本発明に好適に用いられる画像形成装置の一例を示す模式的断面図を示す。
この画像形成装置は、表面に静電潜像が形成され、この静電潜像の上に、トナー担持体の上に担持されたトナーが転移されてトナー像が形成されるドラム型の感光体201を有している。感光体201の周りには、感光体201の表面を所定の極性・電位に一様に帯電させる帯電手段202と、帯電された感光体201の表面に画像露光光203を照射して静電潜像を形成する、不図示の潜像形成手段とが配置されている。
また、形成された静電潜像の上に、トナー担持体の上に担持されたトナーを転移させて現像する現像手段として、ブラックトナーBを付着させる第1現像手段204aが配置されている。また、イエロートナーYを付着させる現像手段とマゼンタトナーMを付着させる現像手段とシアントナーCを付着させる現像手段とを内蔵した回転型の第2現像手段204bが配置されている。
また、感光体201の表面でトナー像を形成しているトナーの電荷を均一にし、安定した転写を行うようにするための転写前帯電手段205が設けられている。
さらに、転写手段の一部である中間転写ベルト206にトナー像を転写した後、感光体201の表面に残った転写残トナーを除去するためのクリーニング手段207および感光体201の除電を行う帯電前露光手段208が設けられている。
帯電前露光手段208には、一例として、単一波長光を発光できるLEDや半導体レーザ、連続波長光を発光できる蛍光灯やハロゲンランプ、タングステンランプを光源として用いることができる。
本発明の帯電前露光手段208は、帯電前露光光の露光強度および露光波長といった帯電前露光条件の調整を行う、不図示の帯電前露光調整手段をさらに有している。帯電前露光調整手段のうち、露光強度の調整手段としては、前述の光源に接続される電圧制御が可能な電源が一例として挙げられ、光源に与える電圧を調整することで露光強度を調整することができる。
また、露光波長の調整手段としては、単一波長光を発光できる光源を用いる場合は、それぞれの発光波長が異なる複数の光源を用意することで、露光波長の変更を行うことができる。
図3に、単一波長光を発光できる光源を帯電前露光手段に用いる場合の帯電前露光調整手段の一例の模式的断面図を示す。
帯電前露光調整手段301には、それぞれの発光波長が異なる複数のLED303a、303b、303cが備えられた、光源担持体305を有する。光源担持体305は、図中の矢印方向に回転可能に備えられている。それぞれのLEDの発光波長は、例えば、LED303aが660nm、303bが630nm、303cが590nmであり、特に制限されるものではなく、所望の表面電位の範囲内に収めるために適宜決定されるものである。
そして、感光体302と対向する位置に設けられた開口304の位置のLED(図3ではLED303a)のみが発光する構成となっている。露光波長を調整する際には光源担持体305が回転し、開口304の位置に何れかのLEDを停止させることで、露光波長の調整を行うことができる。光源担持体305を回転させ、開口304の位置に、例えば、LED303bを配置することによって露光波長を630nmにすることができる。
また、連続波長光を発光できる光源を用いる場合は、それぞれ最大透過波長が異なる複数の光学フィルタを用意することで、露光波長の変更を行うことができる。
また、転写手段は以下の構成となっている。中間転写ベルト206は、感光体201に当接ニップ部を介して駆動するように配置されており、内側には感光体201の上に形成されたトナー像を中間転写ベルト206に転写するための一次転写ローラ209が配備されている。
一次転写ローラ209には、感光体201の上のトナー像を中間転写ベルト206に転写するための一次転写バイアスを印加するバイアス電源(不図示)が接続されている。中間転写ベルト206の周りには、中間転写ベルト206に転写されたトナー像を記録材212にさらに転写するための二次転写ローラ210が、中間転写ベルト206の下面部に接触するように設けられている。
二次転写ローラ210には、中間転写ベルト206の上のトナー像を記録材212に転写するための二次転写バイアスを印加するバイアス電源が接続されている。また、中間転写ベルト206の上のトナー像を記録材212に転写した後、中間転写ベルト206の表面上に残留した残トナーを除去するための中間転写ベルトクリーナ211が設けられている。
また、この画像形成装置は、画像が形成される複数の記録材212を保持する給紙カセット213と、記録材212を給紙カセット213から中間転写ベルト206と二次転写ローラ210との当接ニップ部を介して搬送する搬送機構とが設けられている。記録材212の搬送経路上には、記録材212の上に転写されたトナー像を記録材212の上に定着させる定着器214が配置されている。また、上述のような構成においては、中間転写ベルト206が転写材となるが、中間転写ベルト206を介さずに、直接、記録材212に転写する構成でも構わず、この場合は、記録材212が転写材となる。
帯電手段202、および、転写前帯電手段205には、コロナ帯電器や感光体201に接触配置された磁性粒子を有する接触帯電器を用いることができる。
また、潜像形成手段としては、カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系や、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力するレーザスキャナによる走査露光系が用いられる。このような露光系により、画像パターンに従って、複数行、複数列の画素マトリックスの各画素ごとに、レーザまたはLEDを光源とする光ビームを照射して静電潜像を感光体の表面に形成することができる。
また、本発明に好適に用いられる画像形成装置には、感光体201の表面電位を測定する電位測定手段215と、電位測定手段215で測定された感光体201の初期の表面電位の値を記憶する初期電位記憶手段(不図示)とを設けることが好ましい。これらの手段を設けることで、適正な画像形成条件で適正な画像が得られる状態を、高精度に、そして長期間持続することができる。電位測定手段215には、感光体の表面電位を測定できれば特に制限はなく、一般的な表面電位計を用いることができる。初期の表面電位とは、感光体が製造され、その後に使用が開始された当初の表面電位を意味する。
また、画像形成装置には、感光体201の使用量を検出する感光体使用量検出手段216を設けることが好ましい。これにより、適正な画像形成条件で適正な画像が得られる状態を、高精度に、そして長期間持続することができる。ここでの使用量とは、感光体が製造され、その後に使用された量の積算値を意味する。
感光体使用量検出手段216には、パルス検出器を用いて感光体201の回転数を検出し、その回転数から感光体の使用量を検出する手段や、分光光度計を用いて表面層の膜厚を測定し、表面層の膜厚から感光体の使用量を検出する手段を用いることができる。また、感光体201の表面層膜厚を測定し、感光体の使用量を検出する場合は、さらに、感光体201の初期の表面層膜厚を測定し、得られた表面層膜厚の値を記憶する初期膜厚記憶手段を設けることができる。
次に、この画像形成装置を用いた、本発明の画像形成方法について説明する。
まず、図2に矢印で示すように、感光体201が、反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動され、中間転写ベルト206が、時計方向に、感光体201と同じ周速度で回転駆動される。
感光体201は、回転過程で、帯電手段202により所定の極性・電位に一様に帯電処理される帯電工程を経る。次いで、感光体201は、画像露光203により感光体201の表面上に、目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像が形成する潜像形成工程を経る。次いで、第2現像手段204bが回転し、マゼンタトナーMを付着させる現像器が所定の位置にセットされ、その静電潜像が第1色であるマゼンタトナーMにより現像される、現像工程を経る。
次いで、感光体201は、転写工程を経る。転写工程では、感光体201の上に形成担持された第1色のマゼンタトナー像が、感光体201と中間転写ベルト206とのニップ部を通過する過程で、一次転写バイアスがバイアス電源(不図示)から一次転写ローラ209に印加される。この一次転写バイアスによって形成される電界により、中間転写ベルト206外周面に、第1色のマゼンタトナー像が順次中間転写される。
次いで、中間転写ベルト206に第1色のマゼンタトナー像を転写し終えた感光体201は、クリーニング手段207により感光体201の表面に残った転写残トナーを除去するためのクリーニング工程を経る。
次いで、感光体201の除電を行う帯電前露光工程を経る。
その後、感光体201の表面上に、第1色のトナー像の形成と同様に、第2色のトナー像(例えばシアントナー像)が形成され、この第2色のトナー像が、第1色のトナー像が転写された中間転写ベルト206の表面上に重畳転写される。以下同様に、第3色のトナー像(例えばイエロートナー像)、第4色のトナー像(例えばブラックトナー像)が中間転写ベルト206の上に順次重畳転写され、目的のカラー画像に対応したカラートナー像が形成される。
次に、給紙カセット213から中間転写ベルト206と二次転写ローラ210とのニップ部に所定のタイミングで記録材212が給送される。次いで、二次転写ローラ210が中間転写ベルト206に当接されるとともに、二次転写バイアスがバイアス電源から二次転写ローラ210に印加される。この二次転写バイアスによる電界により、中間転写ベルト206の上に重畳転写された合成カラートナー像が、第2の画像担持体である記録材212に転写される。
記録材212へのトナー像の転写終了後、中間転写ベルト206の上の残トナーは中間転写ベルトクリーナ211によりクリーニングされる。トナー像が転写された記録材212は定着器214に導かれ、ここで記録材212の上にトナー像が加熱定着される。
本発明の画像形成方法においては、上述の画像形成が、感光体の表面層の膜厚が、初期の膜厚に対して50%以上減少するまで繰り返し行われる。前述の値に対する上限については、感光体の使用目的や初期の表面層膜厚により、適宜、決定することができるが、耐傷性や環境安定性の観点から、90%以下までが好ましい。
次に、本発明の帯電前露光調整工程について、図を用いて以下に説明する。
図7に、帯電前露光調整工程の動作フローチャートの一例を示す。
図7では、画像形成装置の稼働時間の積算値などの所定のタイミングで(ステップS701)、帯電前露光調整工程を行う(ステップS702)。
本発明の帯電前露光調整工程では、帯電前露光光の露光強度の調整を行い(ステップS703)、次いで帯電前露光光の露光波長の調整を行い(ステップS704)、その後、画像形成を継続する(ステップS705)。
図7では、帯電前露光光の露光強度の調整を先に行っているが、露光波長の調整を先に行っても構わない。帯電前露光光の露光強度の調整は、帯電前露光の光源に与える電圧を調整することで行う。
帯電前露光光の露光波長の調整は、単一波長光を発光できる光源を帯電前露光手段に用いている場合は、発光波長が異なる別の光源に切り替えることで行う。また、連続波長光を発光できる光源を用いている場合は、最大透過波長が異なる光学フィルタを切り替えることで行う。
帯電前露光光の露光強度および露光波長の調整は、例えば、露光強度および露光波長のそれぞれを変更したときに、感光体の表面電位がどのように変化するかの関係をあらかじめ取得しておき、その関係に従って所望の表面電位の範囲内に収まるようにする。
このような調整を行うことで、帯電前露光工程において、露光光量が調整範囲を超えてしまった場合においても、所望の表面電位の範囲内に正しく設定することが可能となる。その結果、感光体の表面層の膜厚が、初期の膜厚に対して50%以上減少するまで画像形成を繰り返すような場合であっても、適正な画像形成条件で適正な画像が得られる状態をさらに長期間持続できるようになる。また、本発明の画像形成方法を用いることで、より長期間、感光体を使用できることになるため、より長寿命な画像形成装置を提供できるようになるのである。
次に、本発明の別の一例である帯電前露光調整工程について、図を用いて以下に説明する。
図4に、帯電前露光調整工程の動作フローチャートの一例を示す。
まず、感光体201の初期の表面電位を、電位測定手段215を用いて測定し、得られた初期の表面電位の値を、初期電位記憶手段に記憶する初期電位記憶工程を行う(ステップS401)。そして、通常の画像形成を行う(ステップS402)。
そして、電位測定手段215を用いて、感光体201の表面電位を測定する電位測定工程を行う(ステップS403)。表面電位測定工程は、画像形成を行っている間、常に行っていても構わないし、所望のタイミングでのみ行ってもよい。
次いで、電位測定工程で得られた表面電位の値が、所望の表面電位の範囲内となっているかの比較を行い(ステップS404)、所望の表面電位の範囲内となっていると判断された場合は、画像形成を継続して行う(ステップS413)。
そして、所望の表面電位の範囲内となっていないと判断された場合は、帯電前露光調整工程として、帯電前露光光の露光強度の調整を行う(ステップS406)。
次いで、電位測定手段215を用いて感光体201の表面電位の測定を行う(ステップS407)。
次いで、所望の表面電位の範囲内となっているかの比較を行い(ステップS408)、所望の表面電位の範囲内となっていると判断された場合は、画像形成を継続して行う(ステップS413)。
そして、所望の表面電位の範囲内となっていないと判断された場合で、露光強度の調整範囲内である場合は、再度、帯電前露光光の露光強度の調整を繰り返す(ステップS406)。そして、露光強度の調整範囲を超えてしまった場合は、帯電前露光光の露光波長の調整を行う(ステップS410)。そして再度、電位測定手段215を用いて感光体201の表面電位の測定を行う(ステップS411)。
次いで、所望の表面電位の範囲内となっているかの比較を行い(ステップS412)、所望の表面電位の範囲内となっていると判断された場合は、画像形成を継続して行う(ステップS413)。そして、所望の表面電位の範囲内となっていないと判断された場合は、再度、帯電前露光光の露光強度の調整から繰り返す(ステップS406)。
なお、ここで述べた所望の表面電位の範囲とは、初期電位記憶工程で得られた感光体201の初期の表面電位を中心に、画像形成装置の使用目的や使用環境から適宜決定される許容範囲を反映した、表面電位の範囲を示す。
このようにすることで、感光体および画像形成装置の使用開始時の適正な画像形成条件をより高精度に長期間持続できるようになる。
また、帯電前露光調整工程は、繰り返し行われる画像形成の間に、定期的に行ってもよいし、表面電位測定工程において、所望の表面電位の範囲を逸脱した場合に行ってもよい。
また、電位測定工程において測定される表面電位と、前述した初期電位記憶工程で記憶された初期の表面電位とを比較し、初期の表面電位から2%以上乖離した表面電位が測定された場合に、帯電前露光調整工程を行うようにしてもよい。この場合には、図6に示す、帯電前露光調整工程の動作フローチャートの一例に従って、帯電前露光調整工程を行えばよい。
図6に基づいて、初期の表面電位を用いて行う帯電前露光調整工程について説明する。
まず、感光体201の初期の表面電位を、電位測定手段215を用いて測定し、得られた初期の表面電位の値を、初期電位記憶手段に記憶する初期電位記憶工程を行う(ステップS601)。そして、通常の画像形成を行う(ステップS602)。
そして、電位測定手段215を用いて、感光体201の表面電位を測定する表面電位測定工程を行う(ステップS603)。表面電位測定工程は、画像形成を行っている間、常に行っていても構わないし、所望のタイミングでのみ行ってもよい。
次いで、ステップS603の表面電位測定工程で測定された表面電位と、初期の表面電位とを比較する(ステップS604)。
ステップS603の表面電位測定工程で得られた表面電位の値が、初期の表面電位の値から2%以上乖離していない場合(ステップS605でYES)、画像形成を継続して行う(ステップS616)。
ステップS603の表面電位測定工程で測定された表面電位の値が、初期の表面電位の値から2%以上乖離している場合(ステップS605でNO)、帯電前露光調整工程をスタートする(ステップS606)。そして、帯電前露光光の露光強度の調整を行う(ステップS607)。
次いで、電位測定手段215を用いて感光体201の表面電位の測定を行う(ステップS608)。
次いで、ステップS608の表面電位測定工程で測定された表面電位と、初期の表面電位とを比較する(ステップS609)。
ステップS608の表面電位測定工程で測定された表面電位の値が、初期の表面電位の値から2%以上乖離していない場合(ステップS610でYES)、画像形成を継続して行う(ステップS616)。
ステップS608の表面電位測定工程で測定された表面電位の値が、初期の表面電位の値から2%以上乖離している場合(ステップS610でNO)、露光強度の調整範囲内か調べる(ステップS611)。
露光強度の調整範囲内である場合(ステップS611でYES)、再度、帯電前露光光の露光強度の調整を繰り返す(ステップS607)。
露光強度の調整範囲内ではない場合(ステップS611でNO)、帯電前露光光の露光波長の調整を行う(ステップS612)。そして再度、電位測定手段215を用いて感光体201の表面電位の測定を行う(ステップS613)。
次いで、ステップS613の表面電位測定工程で測定された表面電位と、初期の表面電位とを比較する(ステップS614)。
ステップS613の表面電位測定工程で測定された表面電位の値が、初期の表面電位の値から2%以上乖離していない場合(ステップS615でYES)、画像形成を継続して行う(ステップS616)。
ステップS613の表面電位測定工程で測定された表面電位の値が、初期の表面電位の値から2%以上乖離している場合(ステップS615でNO)、ステップS607の帯電前露光光の露光強度の調整から再度繰り返す。
このようにすることで、感光体および画像形成装置の使用開始時の適正な画像形成条件をより高精度に長期間持続できるようになる。
また、感光体201の使用量を検出する感光体使用量検出工程をさらに有し、感光体使用量検出工程で得られた感光体201の使用量に応じて、帯電前露光調整工程を行うようにしてもよい。感光体使用量検出工程では、パルス検出器を用いて感光体201の回転数を検出し、その回転数から感光体の使用量を検出してもよい。また、分光光度計を用いて表面層の膜厚を測定し、表面層の膜厚から感光体の使用量を検出してもよい。感光体201の表面層膜厚を測定し、表面層の膜厚から感光体の使用量を検出する場合は、さらに、感光体201の初期の表面層膜厚を測定し、得られた表面層膜厚の値を記憶する初期膜厚記憶工程を有していてもよい。
そして、表面層の膜厚が初期の表面層膜厚に対して2%の膜厚が減少する毎に、帯電前露光調整工程を行うようにしてもよい。例えば、初期の表面層膜厚が1μmであった場合は、初期の表面層膜厚に対して2%の膜厚である0.02μm、表面層が減少する毎に帯電前露光調整工程を行えばよい。このようにすることで、感光体および画像形成装置の使用開始時の適正な画像形成条件をより高精度に長期間持続できるようになる。
なお、本発明の帯電前露光調整工程は、帯電工程や潜像形成工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、帯電前露光工程といった作像プロセスを行っている間に行ってもよいし、作像プロセスと作像プロセスの間の調整工程として行ってもよい。
以下、実施例、および、比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらによって何ら限定されるものではない。
<実施例1>
図5に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)上に、表1に示した条件で、図1(b)に示した層構成の感光体を1本製作した。
Figure 0006440456
得られた感光体を、カラー複合機であるキヤノン(株)製の画像形成装置iRC−6800をベースとし、図2に示す各手段が設置できるように、また、帯電極性を負帯電に改造した画像形成装置に設置した。
なお、本実施例では、図2における電位測定手段215と初期電位記憶手段(不図示)、感光体使用量検出手段216は取り外した。また、帯電前露光手段208には、光源としてLEDを用いた。そして、帯電前露光調整手段のうち、露光強度の調整手段として、光源に与える電圧を調整することできる構成とし、露光波長の調整手段として、それぞれの発光波長が異なる3つのLEDが設置された、図3に示す帯電前露光調整手段を設置した。3つのLEDのそれぞれの波長は、660nmと630nm、590nmとした。
そして、帯電工程、潜像形成工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、帯電前露光工程、帯電前露光調整工程を有する画像形成を、表面層の膜厚が初期の表面層膜厚に対して80%減少するまで繰り返し行った。
なお、帯電前露光調整工程は、図7に示すフローチャートに従い、図7中の所定のタイミングを、画像形成工程開始から30分経過する毎として行った。そして、露光強度の調整は、光源に与える電圧を調整することで行い、露光波長の調整は、図3に示す光源担持体305を回転させることで行った。
そして、以下に示す項目について評価を行った。その結果を表5に示す。
(濃度変動)
画像形成を繰り返し行うと、表面層の膜厚が減少することで感光体の感度が変化し、感光体の表面電位が変動することは前述のとおりである。また、感光体の電位変動が、画像濃度の変動を引き起こすことも前述のとおりである。本発明の画像形成方法および画像形成装置は、前述の電位変動を抑制することで、前述の画像濃度の変動を抑制する効果を発揮するため、実施例および比較例の評価として濃度変動を評価した。
各実施例および各比較例で示した条件の画像形成装置に、各実施例および各比較例で示した条件で作製した感光体を設置し、画素密度が50%のブラック単色のハーフトーン画像をA3サイズの初期画像として出力した。次いで、白地に全面2ポイントの文字よりなるA4サイズのテストチャートを原稿台に置いて、表面層の膜厚が各実施例および各比較例で示した条件の膜厚になるまで繰り返しコピーを行った。この際、表面層の膜厚が、初期膜厚に対して5%減少する毎に、画素密度が50%のブラック単色のハーフトーン画像をA3サイズのチェック画像として出力した。また、繰り返しコピーが終了した後にも画素密度が50%のブラック単色のハーフトーン画像をA3サイズのチェック画像として出力した。
そして、得られたA3サイズの初期画像およびチェック画像を反射濃度計(X−Rite Inc製 504分光濃度計)により画像濃度を測定した。画像濃度の測定は、画像の長手方向に9カ所(画像の長手方向の中心を0mmとし、0mm、±50mm、±100mm、±150mm、±200mmの計9カ所)と、画像の短手方向に9カ所(画像の短手方向の中心を0mmとし、0mm、±30mm、±60mm、±90mm、±120mmの計9カ所)の合計81カ所行った。そして得られた81カ所の画像濃度の平均値を算出し、初期画像および各チェック画像の濃度値とした。
そして、初期画像および各チェック画像の濃度値の平均値と最大の濃度値、最小の濃度値を算出した。そして、初期画像および各チェック画像の濃度値の平均値に対する最大の濃度値および最小の濃度値の差分をそれぞれ算出し、より大きい差分を初期画像および各チェック画像の濃度値の平均値で割り、濃度変動値として算出した。
得られた濃度変動値は、後述する実施例2−3の値をリファレンス(100%)とし、以下に示す判断基準によってランク判定を行った。
この評価項目では、濃度変動値の値が小さいほど良好な結果であると判断している。
AAA:リファレンスに比べて1%以上40%未満
AA:リファレンスに比べて40%以上80%未満
A:リファレンスに比べて80%以上120%未満
B:リファレンスに比べて120%以上
(印刷枚数)
各実施例および各比較例で示した条件の画像形成装置に、各実施例および比較例で示した条件で作製した感光体を設置した。次いで、画素密度が30%のブラック単色のA4サイズのハーフトーン画像を、表面層の膜厚が各実施例および各比較例で示した条件の膜厚になるまで、もしくは、許容される画像濃度を逸脱するまで繰り返しコピーを行った。前述の何れかの条件になるまでに得られたコピー画像の枚数を、印刷枚数とした。
得られた印刷枚数は、後述する実施例2−3の値をリファレンス(100%)とし、以下に示す判断基準によってランク判定を行った。
この評価項目では、印刷枚数の値が大きいほど良好な結果であると判断している。
AAA:リファレンスに比べて250%より大きい
AA:リファレンスに比べて150%より大きく250%以下
A:リファレンスに比べて50%より大きく150%以下
B:リファレンスに比べて50%以下
(総合評価)
濃度変動、印刷枚数の評価で得られた結果を、AAAランクが3点、AAランクが2点、Aランクが1点、Bランクが0点として合計した得点をもとに、以下のように総合的にランク付けを行った。
AA…Bランクがなく、4点以上のもの
A…Bランクがなく、2点以上3点以下のもの
B…Bランクがあるもの、もしくは、0点以上1点以下のもの
総合評価においては、Aランク以上で本発明の効果が得られていると判断している。
<実施例2−1〜2−3、比較例1−1〜1−2>
実施例1と同様の条件で、感光体を5本製作した。
このようにして作製した感光体を、実施例1と同様の条件の画像形成装置に設置し、表面層の膜厚が表2に示す膜厚になるまで繰り返し画像形成を行った以外は実施例1と同様の条件で画像形成を行った。そして、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表5に示す。
表面層膜厚は、2mmのスポット径で感光体の表面に垂直に光を照射し、分光計(大塚電子製:MCPD−2000)を用いて、反射光の分光測定を行うことにより求めた。測定は、感光体の軸方向の中心1カ所と、感光体の周方向に8カ所(感光体の周方向のある点を0°とし、45°刻みで計8カ所)の合計8カ所行った。そして、得られた反射波形をもとに膜厚を算出し、8カ所で得られた膜厚の平均値を表面層膜厚とした。このとき、波長範囲は500nmから750nm、表面層の屈折率は、分光エリプソメトリーの測定より求めた値を用いた。
分光エリプソメトリーによる表面層の屈折率の測定は以下のように行った。
各実施例および各比較例で作製した感光体と同一条件で、基体の上に下部電荷注入阻止層のみを形成したもの、下部電荷注入阻止層と光導電層のみを形成したもの、下部電荷注入阻止層と光導電層と上部電荷注入阻止層のみを形成したものを作製した。これらを長手方向の中央部を15mm角で切り出し、リファレンス試料を作製した。
次に表面層の屈折率測定用として、各実施例および各比較例と同一の条件で、基体の上に下部電荷注入阻止層と光導電層、上部電荷注入阻止層を形成し、その上に表面層を形成したものを作製した。そして、リファレンス試料と同様に切り出し、表面層測定用試料を作製した。
上記、リファレンス試料と表面層測定用試料を分光エリプソメトリー(J.A.Woollam社製:高速分光エリプソメトリー M−2000)により測定し、表面層の屈折率を求めた。具体的な測定条件は、入射角:60°、65°、70°、測定波長:195nmから700nm、解析ソフト:WVASE32、ビーム径:1mm×2mmである。
Figure 0006440456
<実施例3>
表面層を表3に示す条件で作製した以外は実施例1と同様の条件で、感光体を1本作製した。
このようにして作製した感光体を、実施例1と同様の条件の画像形成装置に設置し、実施例2−3と同様の条件で画像形成を行い、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表5に示す。
Figure 0006440456
また、実施例3で作製した表面層について、赤外線吸収スペクトルから得られる波数2960cm-1の吸収係数α1に対する波数2890cm-1の吸収係数α2の比α2/α1、電子スピン共鳴法によって測定される欠陥密度について分析を行った。また、以下の項目についても分析を行った。その結果を併せて表4に示す。
(ケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C)))
感光体の長手方向の中央部で、周方向においては任意の位置で、10mm×10mmの大きさで切り出した。そして、RBS(ラザフォード後方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)により、RBSの測定面積における表面層中のケイ素原子および炭素原子の原子数を測定した。
そして、得られたRBSの測定面積における表面層中のケイ素原子および炭素原子の原子数を用いて、C/(Si+C))を算出した。
RBSの具体的な測定条件は、入射イオン:4He、入射エネルギー:2.3MeV、入射角:75°、試料電流:35nA、入射ビーム経:1mmである。また、RBSの検出器は、散乱角:160°、アパーチャ径:8mmで測定を行った。
(ケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和)
感光体の長手方向の中央部で、周方向においては任意の位置で、10mm×10mmの大きさで切り出した。そして、RBS(ラザフォード後方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)により、RBSの測定面積における表面層中のケイ素原子および炭素原子の原子数を測定した。次に、RBSの測定面積から求めたケイ素原子および炭素原子に対し、前述の手法で求めた表面層膜厚を用いて、Si原子密度、C原子密度を求め、ケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和を算出した。RBSの具体的な測定条件は、前述の条件と同様の条件で測定を行った。
Figure 0006440456
<実施例4>
表面層膜厚を1.0μmにした以外は実施例3と同様の条件で感光体を1本作製した。
このようにして作製した感光体を、電位測定手段と初期電位記憶手段を取り付けた以外は実施例1と同様の条件の画像形成装置に設置した。そして、電位測定工程と初期電位記憶工程を加え、帯電前露光調整工程を、図4に示すフローチャートに従って行った以外は、実施例2−3と同様の条件で画像形成を行った。
なお、本実施例の帯電前露光調整工程は、図4中の「所望の表面電位の範囲内か?」を、「初期の表面電位を100%とした場合、95%以上105%未満か?」として行った。
そして、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表5に示す。
<実施例5>
表面層膜厚を1.6μmにした以外は実施例3と同様の条件で感光体を1本作製した。
このようにして作製した感光体を、実施例4と同様の条件の画像形成装置に設置した。そして、帯電前露光調整工程を、図6に示すフローチャートに従って行った以外は、実施例4と同様の条件で画像形成を行った。
そして、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表5に示す。
<実施例6>
表面層膜厚を2.2μmにした以外は実施例3と同様の条件で感光体を1本作製した。
このようにして作製した感光体を、感光体使用量検出手段としてパルス検出器を取り付けた以外は実施例4と同様の条件の画像形成装置に設置した。そして、感光体使用量検出工程を加え、帯電前露光調整工程を、図7に示すフローチャートに従って行った以外は、実施例4と同様の条件で画像形成を行った。
なお、本実施例の帯電前露光調整工程は、図7中の所定のタイミングを、感光体が50万回転する毎として行い、感光体の回転数は、パルス検出器を用いて検出した。
そして、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表5に示す。
<実施例7>
表面層膜厚を2.5μmにした以外は実施例3と同様の条件で感光体を1本作製した。
このようにして作製した感光体を、感光体使用量検出手段として分光光度計を取り付け、帯電前露光手段の光源としてハロゲンランプを用い、露光波長調整手段として複数の光学フィルタを用いた以外は実施例1と同様の条件の画像形成装置に設置した。そして、感光体使用量検出工程と初期膜厚記憶工程を加え、帯電前露光調整工程を、図7中の所定のタイミングを表面層膜厚が初期の表面層膜厚に対して2%の膜厚が減少する毎として行った以外は、実施例2−3と同様の条件で画像形成を行った。また、露光強度の調整は、光源に与える電圧を調整することで行い、露光波長の調整は、複数の光学フィルタを切り替えることで行った。
そして、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表5に示す。
<比較例2>
実施例1と同様の条件で、感光体を1本製作した。
このようにして作製した感光体を、630nmと590nmのLEDを取り外した以外は実施例1と同様の条件の画像形成装置に設置した。そして、帯電前露光調整工程を、帯電前露光光の露光強度の調整のみで行う以外は、実施例1と同様の条件で画像形成を行った。そして、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表5に示す。
<比較例3>
実施例1と同様の条件で、感光体を1本製作した。
このようにして作製した感光体を、露光強度の調整手段を取り外した以外は実施例1と同様の条件の画像形成装置に設置した。そして、帯電前露光調整工程を、帯電前露光光の露光波長調整のみで行う以外は、実施例1と同様の条件で画像形成を行った。そして、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表5に示す。
Figure 0006440456
表5から、帯電前露光工程において、帯電前露光光の露光強度および露光波長の調整を行う本発明の構成とすることで、適正な画像形成条件で適正な画像が得られる状態を長期間持続できることが明らかとなった。また、本発明の画像形成方法を用いることで、より長期間、感光体を使用できることになるため、より長寿命な画像形成装置を提供できることが明らかとなった。
また実施例3〜7では、表面層が水素化アモルファスシリコンカーバイトで構成され、表面層におけるC/(Si+C)が0.50以上0.65以下であり、表面層におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が6.60×1022原子/cm以上であり、表面層におけるα2/α1が0.50以下であり、表面層の欠陥密度が9.0×1018(spins/cm)以上2.2×1019(spins/cm)以下の範囲内としている。このような表面層とすることで、表面層を厚く積層しても画像形成を繰り返し行える程度の感度を有する感光体とすることができ、さらに長期間、感光体を使用できることになるため、より長寿命な画像形成装置を提供できることが明らかとなった。
また実施例4から、電位測定工程および初期電位記憶工程を加え、帯電前露光調整工程を初期の表面電位に近づけるように行うことで、より適正な画像形成条件で適正な画像が得られる状態を長期間持続できることが明らかとなった。
また実施例5から、帯電前露光調整工程を初期の表面電位から2%以上乖離した場合に行うことで、より適正な画像形成条件で適正な画像が得られる状態を長期間持続できることが明らかとなった。
また実施例6から、感光体使用量検出工程を加え、帯電前露光調整工程を感光体の使用量に応じて行うことで、より適正な画像形成条件で適正な画像が得られる状態を長期間持続できることが明らかとなった。
また実施例7から、感光体使用量検出工程および初期膜厚記憶工程を加え、帯電前露光調整工程を初期の表面層膜厚に対して2%の膜厚が減少する毎に行うことで、より適正な画像形成条件で適正な画像が得られる状態を長期間持続できることが明らかとなった。また、帯電前露光手段を連続波長光を発光できる光源に変え、露光波長調整手段として複数の光学フィルタを用いた場合でも、本発明の効果を発揮できることが明らかとなった。
100、201、302 感光体
101 基体
102 光導電層
103 表面層
104 下部電荷注入阻止層
105 上部電荷注入阻止層
202 帯電手段
203 画像露光
204a 第1現像手段
204b 第2現像手段
205 転写前帯電手段
206 中間転写ベルト
207 クリーニング手段
208 帯電前露光手段
209 一次転写ローラ
210 二次転写ローラ
211 中間転写ベルトクリーナ
212 記録材
213 給紙カセット
214 定着器
215 電位測定手段
216 感光体使用量検出手段
301 帯電前露光調整手段
303a、303b、303c LED
304 開口
305 光源担持体

Claims (11)

  1. 少なくとも光導電層と表面層を有する電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、トナー担持体の上に担持させたトナーを転移させて前記静電潜像を現像し、前記電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を前記電子写真感光体の表面から転写材に転写する転写工程と、前記電子写真感光体の表面に残った転写残トナーを前記電子写真感光体から除去するためのクリーニング工程と、前記電子写真感光体を除電する帯電前露光工程とを有し、前記表面層の膜厚が初期の膜厚に対して50%以上減少するまで繰り返し画像形成を行う画像形成方法において、
    前記帯電前露光工程における帯電前露光条件の調整を行う、帯電前露光調整工程をさらに有し、
    前記帯電前露光調整工程が、帯電前露光光の露光強度の調整工程および露光波長の調整工程を含み、
    前記露光波長の調整工程は、前記表面層の膜厚の減少による表面帯電電位の低下に応じて前記露光波長が短くなるように調整する工程を含む、ことを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記表面層が水素化アモルファスシリコンカーバイトで構成され、前記表面層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が0.50以上0.65以下であり、
    前記表面層におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が6.60×1022原子/cm以上であり、
    前記表面層における赤外線吸収スペクトルにおける波数2960cm-1の吸収係数α1に対する波数2890cm-1の吸収係数α2の比α2/α1が0.50以下であり、
    前記表面層の電子スピン共鳴法によって測定される欠陥密度が9.0×1018(spins/cm)以上2.2×1019(spins/cm)以下である請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記電子写真感光体の初期の表面電位を測定し、得られた表面電位の値を記憶する初期電位記憶工程をさらに有し、
    前記帯電前露光調整工程が、前記初期電位記憶工程で記憶された初期の表面電位に近づけるように、帯電前露光条件の調整を行う請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記電子写真感光体の表面電位を測定する電位測定工程をさらに有し、
    前記電位測定工程において、前記初期電位記憶工程で記憶された初期の表面電位から2%以上乖離した表面電位が測定された場合に、前記帯電前露光調整工程を行う請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 前記電子写真感光体の使用量を検出する感光体使用量検出工程をさらに有し、
    前記感光体使用量検出工程で得られた電子写真感光体の使用量に応じて、前記帯電前露光調整工程を行う請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成方法。
  6. 前記電子写真感光体の初期の表面層膜厚を測定し、得られた表面層膜厚の値を記憶する初期膜厚記憶工程をさらに有し、
    前記感光体使用量検出工程が前記表面層の膜厚を検出する工程であり、
    前記感光体使用量検出工程において、前記初期膜厚記憶工程で記憶された初期の表面層膜厚に対して2%の膜厚が減少する毎に、前記帯電前露光調整工程を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
  7. 少なくとも光導電層と表面層を有する電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、トナー担持体の上に担持させたトナーを転移させて前記静電潜像を現像して前記電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を前記電子写真感光体の表面から転写材に転写する転写手段と、前記電子写真感光体の表面に残った転写残トナーを前記電子写真感光体から除去するためのクリーニング手段と、前記電子写真感光体を除電する帯電前露光手段とを有し、前記表面層の膜厚が初期の膜厚に対して50%以上減少するまで繰り返し画像形成を行う画像形成装置であって、
    前記帯電前露光手段の帯電前露光条件の調整を行う帯電前露光調整手段をさらに有し、
    前記帯電前露光調整手段が、帯電前露光光の露光強度の調整手段および露光波長の調整手段を含み、
    前記露光波長の調整手段は、前記表面層の膜厚の減少による表面帯電電位の低下に応じて前記露光波長が短くなるように調整する手段を含む、ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 表面層が水素化アモルファスシリコンカーバイトで構成され、前記表面層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が0.50以上0.65以下であり、
    前記表面層におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が6.60×1022原子/cm以上であり、
    前記表面層における赤外線吸収スペクトルにおける波数2960cm-1の吸収係数α1に対する波数2890cm-1の吸収係数α2の比α2/α1が0.50以下であり、
    前記表面層の電子スピン共鳴法によって測定される欠陥密度が9.0×1018(spins/cm)以上2.2×1019(spins/cm)以下である請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記電子写真感光体の初期の表面電位を測定して得られた表面電位の値を記憶する初期電位記憶手段をさらに有し、
    前記帯電前露光調整手段が、前記初期電位記憶手段に記憶された初期の表面電位に近づけるように、帯電前露光条件の調整を行う請求項7または8に記載の画像形成装置。
  10. 前記電子写真感光体の使用量を検出する感光体使用量検出手段をさらに有し、
    前記感光体使用量検出手段によって得られた電子写真感光体の使用量に応じて、前記帯電前露光調整手段が帯電前露光条件の調整を行う請求項7〜9の何れか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記電子写真感光体の初期の表面層膜厚を測定して得られた表面層膜厚の値を記憶する初期膜厚記憶手段をさらに有し、
    前記感光体使用量検出手段が前記電子写真感光体の表面層膜厚を検出する手段であり、
    前記初期膜厚記憶手段によって記憶されている初期の表面層膜厚と、前記感光体使用量検出手段によって検出された表面層膜厚とに応じて、前記帯電前露光調整手段が帯電前露光条件の調整を行う請求項10に記載の画像形成装置。

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