JP2019012140A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 干渉縞及び画像メモリーの発生を抑制することができる電子写真感光体を提供する。【解決手段】 前導電性基体と光導電層との間にアモルファス材料で構成された光吸収層を設け、前記光吸収層は体積抵抗率ρが1.0×105[Ω・cm]≦ρ≦1.0×108[Ω・cm]であり、膜厚d1が1.0[μm]≦d1≦3.5[μm]であり、波長700nmの光に対する吸収係数α1が1.0×104[cm−1]以上であり、前記電子写真感光体が使用される電子写真装置の画像露光装置から発せられ、前記光導電層に入射する入射光量をaとし、前記入射光量aのうち前記導電性基体で反射し、さらに前記電子写真感光体上面で反射し、前記光導電層内部に再度入射した入射光量をcとした時、c/a≦2.5×10−2[%]を満たすことを特徴とする電子写真感光体。【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真感光体、特に、アモルファス材料で構成された光吸収層を有するアモルファスシリコン電子写真感光体に関する。また、上記電子写真感光体の製造方法及び上記電子写真感光体を用いた電子写真装置に関する。
画像露光レーザーをライン走査する方式の電子写真装置は、近年、画像露光レーザーとして半導体レーザーが使用されるようになってきた。この半導体レーザーは、一般的に長波長領域の発振波長を有しているため、長波長領域の半導体レーザーにも対応可能な電子写真感光体が必要とされている。
電子写真装置に用いられる電子写真感光体としては、高耐久性、高安定性、高速光応答性の観点からアモルファスシリコン感光体(以下「a−Si感光体」とも表記する)が使用されている。例えば水素原子及び/又はハロゲン原子を含有し、ケイ素原子を母体とするアモルファス材料で構成された堆積膜で構成された電子写真感光体が実用に付されている。
上記のa−Si感光体を用いた電子写真装置において、長波長領域の画像露光レーザーを用いる場合、表面からの入射光と、入射光が基板から反射し、さらに光導電層上面で反射して光導電層内部に再度入射した光とが重畳し、干渉する。すなわち、この干渉現象により光が強められたり、あるいは弱められたりする。a−Si感光体のような露光される面積の大きい膜の膜厚を均一に制御することが難しい場合には、上記のような干渉現象により、光導電層における光吸収量が変化することで、出力画像内に濃淡の干渉縞が生じる場合があった。
上記のような問題を解決する技術として、例えば、基板と感光層の間にゲルマニウムを含有した非晶質炭素よりなる反射防止層を有するa−Si感光体が開示されている(特許文献1参照)。
特開平2−181156号公報
従来、上記のような方策によりa−Si感光体の性能強化が図られてきた。しかし、近年、電子写真装置の高速化、高画質化及びカラー化に伴い、a−Si感光体に求められる性能は従来以上に高度になっている。
例えば、特許文献1に記載されているa−Si感光体を、画像露光レーザーとして半導体レーザーを用いた近年の高画質カラー装置に搭載して画像出力を行うと、得られた画像に干渉縞は発生しにくくなる。しかし、非晶質炭素が一般的に高抵抗であるために画像メモリーが発生してしまう場合があった。
画像メモリーとは前回の電子写真プロセス工程で形成した画像の残像が、次回の電子写真プロセス工程で現れてしまう現象である。このような画像メモリーの発生は写真のような中間調画像をコピーした場合、あるいはカラー画像をコピーした場合に、電子写真画像の画質を大きく損なうものである。
以上のように、上述したような従来技術だけでは近年必要とされるa−Si感光体を提供することが難しくなってきている。
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであり、電子写真装置に求められるa−Si感光体としての諸特性を確保しつつ、干渉縞及び画像メモリーの発生を抑制することができるa−Si感光体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
導電性基体と、前記導電性基体上のケイ素原子を含むアモルファス材料で構成された下部阻止層と、前記下部阻止層上のケイ素原子を含むアモルファス材料で構成された光導電層と、前記導電性基体と前記光導電層との間にアモルファス材料で構成された光吸収層とを有する電子写真感光体において、
前記光吸収層の体積抵抗率ρが、1.0×10[Ω・cm]]≦ρ≦1.0×10[Ω・cm]]であり、
前記光吸収層の膜厚d1が、1.0[μm]≦d1≦3.5[μm]であり、
前記光吸収層の波長700nmの光に対する吸収係数α1が、1.0×10[cm−1]以上であり、
前記電子写真感光体が使用される電子写真装置の画像露光装置から発せられ、前記光導電層に入射する入射光量をaとし、前記aのうち前記導電性基体で反射し、さらに前記電子写真感光体上面で反射し、前記光導電層内部に再度入射した入射光量をcとした時、
c/a≦2.5×10−2[%]]を満たすことを特徴とする
電子写真感光体に関する。
又、電子写真感光体を用いた電子写真装置に関する。
又、上記目的を達成するため、本発明は、
前記電子写真感光体の製造方法において、光吸収層を形成する工程は、放電開始電圧の絶対値以上の絶対値を持つ電圧と放電維持電圧の絶対値未満の絶対値を持つ電圧が周波数3kHz以上300kHz以下で繰り返される矩形波の交播電圧を電極と前記導電性基体との間に印加し、前記放電開始電圧の絶対値以上の絶対値を持つ電圧となる期間は前記導電性基体が前記電極に対して低電位とすることで、前記原料ガスを分解し、前記光吸収層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
本発明によれば、電子写真装置に求められる電子写真感光体としての諸特性を確保しつつ、干渉縞及び画像メモリーの発生を抑制することができる電子写真感光体を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す断面図。 本発明の電子写真感光体を製造するための製造装置(プラズマCVD装置)の例を示す模式図である。 本発明の電子写真感光体を製造するための製造装置で使用される電圧波形の一例を示す模式図である。 干渉縞が発生する原因を説明するための模式図である。 本発明の電子写真装置の一例を示す模式図である。 ゴースト評価で用いたテストチャートの一例を示す模式図である。
以下、本発明について図を参照しつつ説明する。
図1は本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す模式図である。図1(a)は導電性基体上(導電性基体(101))に、光吸収層(102)を設け、光吸収層(102)上に下部阻止層(103)を設け、更に、下部阻止層上(下部阻止層(103))に光導電層(104)を設けることで積層した構成となっている。また、図1(b)は導電性基体101の上に下部阻止層103、光吸収層102及び光導電層104をこの順に積層した構成となっている。
本発明において、光導電層104の上に表面層105を設けることが好ましい。表面層105を設けることにより、製造される電子写真感光体の連続繰り返し使用に対する耐性、耐湿性、使用環境耐性が向上する。また、マイナス帯電用電子写真感光体の場合は上部阻止層106を設けることが好ましい。さらに、光導電層104から表面層105までの屈折率が連続的に変化する変化層の中に上部阻止層106を設けることにより、光導電層104と上部阻止層106の界面及び上部阻止層106と表面層105の界面からの反射を低減することが可能となる。
導電性基体101の材質は、使用目的に応じたものであればよい。導電性基体101の材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタンやこれらの合金を用いることができる。中でも加工性や製造コストを考慮するとアルミニウムが優れている。この場合、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金のいずれかを用いることが好ましい。
本発明において、光吸収層102の体積抵抗率をρとすると体積抵抗率ρは1.0×10Ω・cm≦ρ≦1.0×10Ω・cmを満たす。体積抵抗率ρを1.0×10Ω・cm以上とすることにより、膜剥がれに起因した画像欠陥を低減させることができる。その理由は以下のように考えている。
体積抵抗率ρは膜中の欠陥と相関があることが知られており、体積抵抗率ρを1.0×10Ω・cm以上とすることにより、膜中の欠陥が多くなりすぎないように制御することができる。膜中の欠陥を制御することで、光吸収層102を構成する原子のネットワークが維持され、膜剥がれを起こしにくくなる。その結果、膜剥がれに起因した画像欠陥を低減させることができる。
また、体積抵抗率ρを1.0×10Ω・cm以下とすることにより、画像メモリーの発生を抑制することができる。
画像メモリーの発生メカニズムは、以下のように考えている。
電子写真感光体に帯電された帯電電荷が、除電露光手段により消去される時、光導電層104で発生した電荷の一部がトラップされる。画像露光部に比べて非画像露光部でトラップされる電荷量のほうが多いため、次の帯電時にまで残留する電荷量が画像露光部と非画像露光部で異なる。それにより、画像メモリーが発生すると推察される。
光吸収層の体積抵抗率ρを1.0×10Ω・cm以下とすることにより、電荷の一部がトラップされる量を抑制することができる。その結果、画像メモリーの発生を抑制することができる。
本発明において、光吸収層102の膜厚をd1とすると膜厚d1は1.0μm≦d1≦3.5μmを満たす。膜厚d1を1.0μm以上とすることにより、膜厚ムラの影響が出にくくなるため、生産安定性を高いレベルで維持できる。膜厚d1を3.5μm以下とすることにより、膜剥がれに起因した画像欠陥を低減させることができる。
図4は干渉縞が発生する原因を説明するための模式図である。
図4(a)は導電性基体401の上に下部阻止層403及び光導電層404をこの順に積層した構成となっている。画像露光装置から発せられた画像露光レーザー光Aのうち、光導電層404に入射する入射光の入射光量をaとする。また、入射光のうち導電性基体401上面での反射光をbとする。さらに、反射光bのうち、光導電層404上面で反射し、光導電層404内部に再度入射した入射光の入射光量をcとする。干渉縞の原因は光導電層404への入射光と再入射光が重畳し、干渉現象を起こすことによる。よって、干渉縞の発生を抑制するには入射率c/aをできるだけ小さくすればよい。本発明者らが鋭意検討したところ、c/aを2.5×10−2[%]以下に抑えることで干渉縞の発生を抑制できることがわかった。
よって、本発明において、電子写真感光体はc/a≦2.5×10−2[%]を満たすように、電子写真感光体各層の吸収係数及び膜厚を調整されている。
c/a≦2.5×10−2[%]を満たすようにするためには、下部阻止層403や光導電層404の吸収係数及び/または膜厚を大きくしてもよい。しかしながら、下部阻止層403や光導電層404の吸収係数及び/または膜厚を大きくすることでc/a≦2.5×10−2[%]を満たすようにすると、干渉縞は抑制できる。しかし、そのほかの電子写真感光体に求められる諸特性、例えば帯電能を悪化させてしまう場合があった。
よって、下部阻止層403や光導電層404の吸収係数及び膜厚は干渉縞以外の電子写真感光体に求められる諸特性を満たすように調整することが好ましい。干渉縞に関しては下部阻止層403や光導電層404の特性に関わらず、光吸収層402の吸収係数及び/または膜厚を調整することでc/a≦2.5×10−2[%]を満たすようにする。
以下に入射率c/aを電子写真感光体から測定する方法を述べる。
入射率c/aは電子写真感光体表面に照射した光の反射光を分光して得られる分光スペクトル(以下、「反射率の分光スペクトル」とも記載する)で判断可能である。
表面層を積層していない光導電層404表面の反射率の分光スペクトルは、例えば図4(b)のような反射波形となる。この反射波形は、横軸が測定機器の照射光の波長、縦軸が反射率値(照射光に対する反射光の強度比率)を表す。この反射波形において、波長680nm以上の範囲では、波長680nmより短波長の範囲(波長550nm〜660nm)から得られる近似曲線の外挿から外れ反射率値が増加する。ここでいう近似曲線とは、所定波長よりも短波長側の反射波形を2次曲線近似したものである。曲線近似を行う範囲は、下限を550nmからとして波長の変化に対する反射率値の変化の傾きが所定値以上となる波長から20nm短い波長を上限としている。
上述した反射率値の増加は、図4(a)の光導電層404表面からの反射光Bに加えて導電性基体401からの反射光bに起因した光B’が合わさるためである。波長680nm以上の範囲では、波長が長くなるにつれて導電性基体401からの反射光bに起因した光B’が増える。そのため、光導電層404内部に再入射する光の入射率c/aも増えることになり、干渉縞の発生が見られる。
光導電層404内部に再入射する光の入射率c/aは、図4(b)の反射波形から算出される導電性基体401からの反射率値s ( 図4(a)では、B’/A )と一致する。
反射率値sは、所定波長に対する反射波形の反射率値R1と所定波長より短波長の範囲から得られる近似曲線の外挿から得られるベース成分 t(図4(a)では、B/A)の反射率値R0との差分(s=R1−R0)により算出することができる。
干渉縞以外の電子写真感光体に求められる諸特性を満たすようにするためには下部阻止層403や光導電層404の吸収係数及び膜厚は以下の範囲にあることが好ましい。
本発明において、下部阻止層403の波長700nmの光に対する吸収係数をα2とすると吸収係数α2はα2≦2.5×10cm−1を満たすことが好ましい。吸収係数α2を2.5×10cm−1以下とすることにより、光によって下部阻止層403で発生した電荷のうち、帯電電荷とは逆極性の電荷が溜まることを抑制することができる。その結果、製造される電子写真感光体の帯電特性が向上する。
本発明において、下部阻止層403の膜厚をd2とすると、膜厚d2は2.0μm≦d2≦5.0μmを満たすことが好ましい。膜厚d2を2.0μm以上とすることにより、導電性基体401からの電荷の注入を十分阻止できる。その結果、製造される電子写真感光体の帯電特性が向上する。膜厚d2を5.0μm以下とすることにより、光導電層404で発生した電荷の一部がトラップされるのを抑制することができる。その結果、画像メモリーの発生を抑制することができる。
本発明において、光導電層404の波長700nmの光に対する吸収係数をα3とすると、吸収係数α3は50cm−1≦α3≦3.0×10cm−1を満たすことが好ましい。吸収係数α3を50cm−1以上とすることにより、画像露光光を光導電層404で吸収する量が増えるので光感度が向上する。吸収係数α3を3.0×10cm−1以下とすることにより、光導電層404を構成するアモルファス材料の光学バンドギャップを広く保つことができる。その結果、製造される電子写真感光体の帯電特性が向上する。
本発明において、光導電層404の膜厚をd3とすると、膜厚d3は30μm≦d3≦45μmを満たすことが好ましい。膜厚d3を30μm以上とすることにより、電子写真感光体の帯電特性が向上する。膜厚d3を45μm以下とすることにより、静電容量が増大して静電潜像電界を強くできる。その結果、製造される電子写真感光体の解像度が向上する。
次に光吸収層102の吸収係数について説明する。
本発明において、光吸収層102の吸収係数をα1とすると吸収係数α1はα1≧1.0×10を満たす。吸収係数α1を1.0×10cm−1以上とすることにより、干渉縞の発生を抑制することができる。その理由は以下の通りである。
前述した下部阻止層403と光導電層404の吸収係数及び膜厚の範囲内で下部阻止層403と光導電層404の吸収が最も小さくなる条件はα2=0.0cm−1、d2=2.0μm、α3=50cm−1、d3=30μmとなる。この時、c/a≦2.5×10−2[%]を満たすために、光吸収層102の吸収係数α1と膜厚d1に求められる値は以下のようになる。
a=1とした場合、cはランベルトの法則により下記式(1)となる。
ただし、R1は電子写真感光体の上面での反射率値[%]とする。少なくとも珪素原子を含むアモルファス材料で構成された堆積膜での反射率値R1は最大で40[%]程度であり、その時、光吸収層102の吸収係数α1と膜厚d1に求められる値が最も厳しくなるため、R1=40[%]とする。尚、光導電層404の上に、例えば、アモルファスシリコンカーバイド系やアモルファスカーボン系で構成された表面層を設ける場合もある。しかし、いずれの場合も、少なくとも珪素原子を含むアモルファス材料で構成された堆積膜より屈折率が小さくなるため、反射率値R1は40[%]より小さくなる。よって、反射率値R1は最大で40[%]程度と考えて問題ない。
c/a=EXP(−2×α1×d1×1.0×10−4)×EXP(−2×α2×d2×1.0×10−4)×EXP(−2×α3×d3×1.0×10−4)×R1・・・(1)
上記式(1)2.5×10−2%以下とするためには、
α1d1≧3.5×10[cm−1・μm]を満たさなければならない。
上述したように膜厚d1は1.0μm≦d1≦3.5μmを満たす。α1≧1.0×10[cm−1]とすることにより、下部阻止層403と光導電層404の特性に関わらず、光吸収層102の吸収係数α1及び膜厚d1を調整することでc/a≦2.5×10−2[%]を満たすことができる。よって、吸収係数α1はα1≧1.0×10[cm−1]とする必要がある。
本発明において、光吸収層102を構成するアモルファス材料は、波長700nmの光に対する吸収係数α1と体積抵抗率ρが前述した範囲を満たしていれば特に制限はない。
しかしながら、本発明者らが鋭意検討したところ、光吸収層102を構成するアモルファス材料をアモルファスカーボンとすることで、吸収係数α1と体積抵抗率ρが前述した範囲を満たす光吸収層102を安定して作成することができた。よって、光吸収層102がアモルファスカーボンからなることが好ましい。
特に、アモルファスカーボンにおいて堆積膜形成時の印加電圧を上げていくことで、体積抵抗率ρが従来以上に小さいものを安定して作成することができた。
本発明において、光吸収層102を設ける位置は、導電性基体101と光導電層104との間であれば特に制限はないが、図1(a)のように、導電性基体101と下部阻止層103との間にあることが好ましい。図1(a)のような層構成にすることにより、光吸収層102において光や熱で発生した電荷による帯電特性の低下を抑制することができる。
本発明において、下部阻止層103及び光導電層104は珪素原子を含むアモルファス材料で構成されていれば特に制限はないが、下部阻止層103には、伝導性を制御する原子を含有させることが好ましい。一方、光導電層104には、水素原子及び/又はハロゲン原子を含有することが好ましい。また、光導電層104にも必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させてもよい。光導電層104は単一の層から形成されても良いし、電荷発生層と電荷輸送層を分離した複数構成としてもよい。
伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができる。すなわち、p型伝導特性を与える周期表第13族に属する原子(以後「第13族原子」ともいう)またはn型伝導特性を与える周期表第15族に属する原子(以後「第15族原子」ともいう)を用いることができる。
第13族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等を挙げることができる。特に硼素(B)が好適である。
第15族原子としては、具体的には、P(リン)、As(砒素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)を挙げることができる。特にP(リン)、As(砒素)が好適である。
(電子写真感光体の製造方法)
本発明の電子写真感光体の製造方法は、前述した規定を満足する層を形成できるものであればいずれの方法であってもよい。具体的には、プラズマCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。これらの中でも、原料供給の容易さなどの点で、プラズマCVD法が好ましい。
本発明者らが鋭意検討したところ、光吸収層を形成する方法としては、プラズマCVD法のなかでも、特に、電子写真感光体としての高い性能を維持できることから、以下のような低周波数の矩形波の交播電圧を用いたプラズマCVD法が好ましい。
以下、本発明の電子写真感光体の製造方法について、図2及び図3を参照しつつ説明する。
図2は本発明の電子写真感光体の製造方法において使用することができる製造装置の一例である。
円筒状反応容器201は接地されるとともに導電性基体202A、202B表面に対向する接地電極となっている。またベースプレート220と上蓋219は円筒状反応容器201と電気的に接続されている。このベースプレート220と上蓋219もまた接地され接地電極となっている。この円筒状反応容器201及びベースプレート220と上蓋219に対して導電性基体202A、202Bに電圧を印加可能となっている。
導電性基体202A、202Bへの電圧の印加は、電源225から以下のように構成される電力伝送路を経てなされる。
基体ホルダ204が導電性基体202A、202Bを保持し互いに電気的に接続されている。また基体ホルダ204は基体ホルダ保持部材205の上に保持されて互いに電気的に接続されている。
回転軸206は基体ホルダ保持部材205と電気的に接続される。回転軸206、基体ホルダ保持部材205、基体ホルダ204は、導電性基体202A、202Bへの電力伝送路となっている。
これら導電性基体202A、202Bへの電力伝送路となっている回転軸206、基体ホルダ保持部材205、基体ホルダ204はすべて導電性材料からなり、加工の容易性やコストの観点から、アルミニウム、ステンレス鋼が好ましい。
回転モータ210、モータ回転軸209、モータ歯車部208、回転軸歯車部207、回転軸206、基体ホルダ保持部材205は、基体ホルダ204に対する回転支持機構を形成している。すなわち導電性基体202A、202Bを保持する基体ホルダ204は基体ホルダ保持部材205によって回転可能に支持されている。回転モータ210はモータ回転軸209を回転させてモータ歯車部208と回転軸歯車部207、回転軸206、基体ホルダ保持部材205を経て基体ホルダ204に回転駆動力を伝達する。
円筒状反応容器201と導電性基体202A、202B、円筒状部材203及び基体ホルダ204は中心軸が一致するように配置されている。
導電性基体202A、202Bは基体加熱ヒータ212によって所定の期間加熱される。基体加熱ヒータ212の外面は接地されている。基体加熱ヒータ212は絶縁性を有するヒータカバー211によって覆われている。基体加熱ヒータ212の内側には回転軸206と回転軸絶縁部材221とが設置されている。回転軸206は回転軸絶縁部材221によって基体加熱ヒータ212と絶縁されている。
円筒状反応容器201内への原料ガスの導入はガスブロック213を介して行われる。ガスブロック213は、中央の管状空洞部214と原料ガス放出孔215から構成され、原料ガス放出孔215が反応容器201内壁面に配置されるように取り付けられる。
ガスブロック213は、円筒状反応容器201に取り付けられた状態で円筒状基体202A、202Bの対向電極の一部となる。
ガスブロック213の材質を導電性材料にすることにより、ガスブロック213を含めた円筒状反応容器201内壁面の全体が同電位となり、より均一なプラズマを生成できる。また加工の容易性やコストの観点から、アルミニウム、ステンレス鋼が好ましい。
ガスブロック213のガス放出面216は平面でも良いが、円筒状反応容器201内壁面と同じ面をなすため、より均一なプラズマを生成するために円筒状反応容器201内壁面と同じ曲率をもつ曲面であることが好ましい。
また導電性基体202A、202Bとガスブロック213との間に印加される電位差が大きい場合は、さらにガス放出孔215近傍でプラズマが集中しやすくなる状態になる場合がある。この状態の発生を抑えるために、ガス放出孔215を形成する部材に絶縁性部材(不図示)を用いることが好ましい。絶縁性部材(不図示)の材料としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コージェライト、炭化ケイ素、チッ化ホウ素、チッ化アルミニウムなどが挙げられる。これらの中でも、絶縁抵抗の観点から、アルミナ、チッ化ホウ素、チッ化アルミニウムが好ましく、コスト及び加工性の観点からアルミナがより好ましい。
ガスブロック213は円筒状反応容器201から取り外しが可能となっていることが好ましい。それによってブロック単体での加工が可能となり、絶縁性部材(不図示)をガス放出孔215に埋め込む加工を容易に実施できるためである。
円筒状反応容器201は、ベースプレート220、上蓋219により減圧可能な空間を形成している。また原料ガスの流量を調整するためのマスフローコントローラ(不図示)を内包する原料ガス混合装置218と原料ガス流入バルブ217を備えている。円筒状反応容器201の排気系は、円筒状反応容器201の排気口に連通された排気配管224と排気メインバルブ222と真空排気系223とから構成されている。
真空排気系223は例えばロータリーポンプやメカニカルブースターポンプである。この排気系を円筒状反応容器201に設けられた真空計(不図示)を使ってフィードバック制御させることにより円筒状反応容器201内を所定圧力に維持する。
具体的には、真空計の出力を所定値になるように排気メインバルブ222の開口を調整する。あるいは真空ポンプ223がメカニカルブースターポンプから構成される場合は、排気メインバルブ222の開口を一定とし、メカニカルブースターポンプの回転数を調整することにより排気速度を調整してもよい。
以下、図2の装置を用いた電子写真感光体の製造方法の一例について説明する。
例えば旋盤を用いて表面に鏡面加工を施した導電性基体202A、202Bは基体ホルダ204に装着される。円筒状反応容器201内の基体加熱ヒータ212を包含するように設置される。次にガス供給装置内の排気を兼ねて原料ガス流入バルブ217を開き、排気メインバルブ222を開いて円筒状反応容器201及びガスブロック213内の排気を開始し、不図示の真空計によって円筒状反応容器201内が0.67Pa以下になることを確認する。
次に、原料ガス導入バルブ217から加熱用の不活性ガス、一例としてアルゴンをガスブロック213より円筒状反応容器201内に導入する。そして、円筒状反応容器201に設けられた真空計(不図示)を使ってフィードバック制御させることにより円筒状反応容器201内を所定圧力に維持する。
その後、不図示の温度コントローラーを作動させて導電性基体202A、202Bを基体加熱ヒータ212により加熱し、導電性基体202A、202Bの温度を20℃〜500℃の所定の温度に制御する。導電性基体202A、202Bが所定の温度に加熱されたところで、不活性ガスを徐々に止める。同時並行的に、成膜用の所定の原料ガス、例えばモノシラン、メタンなどの材料ガスを、またジボラン、ホスフィンなどのドーピングガスを原料ガス混合装置218によって混合した後に円筒状反応容器201内に徐々に導入する。次に、原料ガス混合装置218内の不図示のマスフローコントローラーによって、各原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、円筒状反応容器201内が所定の圧力に維持されるよう不図示の真空計を見ながら排気メインバルブ222の開口あるいは真空ポンプ223の排気速度を調整する。
以上の手順によって成膜準備を完了した後、導電性基体202A、202Bの上に例えば光吸収層を堆積させる。具体的には電源225を動作させることにより回転軸206及び基体ホルダ204を通じて電圧を印加して導電性基体202A、202Bと円筒状反応容器201との間の空間にグロー放電を生起させる。この放電のエネルギーによって円筒状反応容器201内に導入した各原料ガスが分解され、導電性基体202A、202Bの上に所定の膜が形成される。
図3は、電源225より印加される電圧波形の一例を示した図である。
円筒状反応容器201の電位をアース電位で一定とし、円筒状反応容器201の電位に対する導電性基体202A、202Bの電位の変化を示す。図3中Iの範囲が放電開始電圧の絶対値以上の絶対値を持つ電圧となる期間であり、図3中IIの範囲が放電維持電圧の絶対値未満の絶対値を持つ電圧となる期間である。図3中Tは、電圧の1周期を表しており、周波数によって決まる。本発明では、3kHz以上300kHz以下の周波数を用いる。
周波数を3kHz以上とすることで、一周期における図中Iの期間が短くなり微小なスパークを抑制することができる。その結果画像欠陥を低減させることができる。周波数を300kHz以下とすることで、プラズマ放電の局在を抑制することができる。その結果製造される電子写真感光体の帯電特性等のムラを抑制することができる。
又、図3中tは、放電開始電圧の絶対値以上の絶対値を持つ電圧となる時間を表しており、(t/T)×100をDuty比(%)と定義する。Duty比は、微小なスパーク抑制や生産性向上の観点から10%〜90%の範囲に設定することが好ましい。
前記放電開始電圧の絶対値以上の絶対値を持つ電圧となる期間は、前記導電性基体が前記電極に対して低電位とすることで、前記原料ガスを分解し、前記光吸収層を形成する。
なお、膜形成を行っている間は導電性基体202A、202Bをモータ210によって所定の速度で回転させても良い。
所定の膜厚の形成が行われた後、電圧の供給を止め、円筒状反応容器201への各原料ガスの流入を止めて反応容器内を一旦、高真空に排気する。以上のような操作を繰り返しおこなうことによって電子写真感光体を製造することができる。
堆積膜が形成された後には、成膜用原料ガス、電圧の供給及び導電性基体202A、202Bの加熱を停止し円筒状反応容器201内を排気する。その後、円筒状反応容器201及びガスブロック213内部や不図示のガス導入系の中をパージガス、例えは、Ar、He、Nのごとき不活性ガスを用いてパージ処理する。
(電子写真装置)
図5は本発明における電子写真感光体を用いた電子写真装置の一例を示す模式図である。電子写真装置は、表面に静電潜像が形成され、この静電潜像上にトナーが付着されてトナー像が形成される電子写真感光体501を有している。電子写真感光体501の周りには、電子写真感光体501の表面を所定の極性・電位に一様に帯電させる1次帯電器502と、帯電された電子写真感光体501の表面に画像露光を行って静電潜像を形成する、画像露光手段503とが配置されている。また、形成された静電潜像上にトナーを付着させて現像する現像器として、以下の場合が挙げられる。例えば、ブラックトナーBを付着させる第1現像器504と、イエロートナーYを付着させる現像器とマゼンタトナーMを付着させる現像器とシアントナーCを付着させる現像器とを内蔵した回転型の第2の現像器505とが配置される場合である。また、電子写真感光体501上でトナー像を形成しているトナーの電荷を均一にし、安定した転写を行うようにするための転写前帯電器506を有していてもよい。さらに、中間転写ベルト507にトナー像を転写した後、電子写真感光体501上をクリーニングする感光体クリーナー514および電子写真感光体501の除電を行う前露光手段515が設けられている。
中間転写ベルト507は、電子写真感光体501に当接ニップ部を介して駆動するように配置されており、内側には電子写真感光体501に形成されたトナー像を中間転写ベルト507に転写するための一次転写ローラ508が配備されている。一次転写ローラ508には、電子写真感光体501上のトナー像を中間転写ベルト507に転写するための一次転写バイアスを印加するバイアス電源(不図示)が接続されている。中間転写ベルト507の周りには、中間転写ベルト507に転写されたトナー像を記録材511にさらに転写するための二次転写ローラ510が、中間転写ベルト507の下面部に接触するように設けられている。二次転写ローラ510には、中間転写ベルト507上のトナー像を記録材511に転写するための二次転写バイアスを印加するバイアス電源(不図示)が接続されている。また、中間転写ベルト507上のトナー像を記録材511に転写した後、中間転写ベルト507の表面上に残留した転写残トナーをクリーニングするための中間転写ベルトクリーナ512が設けられている。
また、この電子写真装置は、画像が形成される複数の記録材511を保持する給紙カセット509と、記録材511を給紙カセット509から中間転写ベルト507と二次転写ローラ510との当接ニップ部を介して搬送する搬送機構とが設けられている。記録材511の搬送経路上には、記録材511上に転写されたトナー像を記録材511上に定着させる定着器513が配置されている。
画像露光手段503としては、カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系や、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力するレーザスキャナによる走査露光系が用いられる。例えば、画像露光レーザーとして半導体レーザーが用いられる。
(画像形成方法)
次に電子写真感光体を用いた電子写真装置における画像形成方法について説明する。
電子写真感光体501を矢印X方向に回転させ、電子写真感光体501の表面を1次帯電器502により均一に帯電させる。その後、画像露光手段503により電子写真感光体501の表面に光を照射して、電子写真感光体501の表面に静電潜像を形成する。電子写真感光体501の表面電位は表面電位測定手段516により測定する。静電潜像形成後、現像器504,505からトナーを供給して現像を行う。この結果、電子写真感光体501の表面にトナー像が形成される。
トナー像形成後、安定した転写を行うために、転写前帯電器506によりトナー像を形成しているトナーに更に電荷を供給してもよい。そして、このトナー像は電子写真感光体501と中間転写ベルト507とのニップ部を通過する過程で、一次転写バイアスが不図示のバイアス電源から一次転写ローラ508に印加されることにより、中間転写ベルト507外周面に順次中間転写される。次に、給紙カセット509から中間転写ベルト507と二次転写ローラ510との当接ニップ部に所定のタイミングで記録材511が給送される。そして、二次転写ローラ510が中間転写ベルト507に当接されると共に、二次転写バイアスが不図示のバイアス電源から二次転写ローラ510に印加されることにより、中間転写ベルト507上に転写されたトナー像が、記録材511に転写される。記録材511へのトナー像の転写終了後、中間転写ベルト507上の転写残トナーは中間転写ベルトクリーナ512によりクリーニングされる。トナー像が転写された記録材511は定着器513に導かれ、ここで記録材511上にトナー像が加熱定着される。
一方、電子写真感光体501の表面に残留するトナーは感光体クリーナー514により除去される。その後、電子写真感光体501の表面に前露光手段515によって露光することにより電子写真感光体501の帯電電荷を除電する。この一連のプロセスを繰り返すことで連続して画像形成が行われる。
以下に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1及び比較例1〕
実施例1では図2に示す堆積膜形成装置を用いた。導電性基体(直径84mm、長さ381mm、厚さ3mmの鏡面加工を施したアルミニウム製の導電性基体)202A、202Bの表面に堆積膜を形成した。表1〜2のいずれか及び表7に示す条件で図3に示す電圧波形を用いて図1(b)に示す層構成の電子写真感光体を製造した。
尚、表1〜2は下部阻止層、光導電層及び表面層の条件を示し、上部阻止層を含む変化層の条件は表6に示す。表7は実施例1−1から実施例1−7まで7種類の光吸収層の条件を示す。表8は実施例1の各例における光吸収層の体積抵抗率ρ、膜厚d1、吸収係数α1の値を示す。また、電子写真感光体上面での反射率値R1、c/aの値も示す。表9は表1〜2の条件で作成した、下部阻止層と光導電層の膜厚d2、d3及び吸収係数α2、α3を示す。体積抵抗率ρ、膜厚d、吸収係数α、光導電層上面での反射率値R1及びc/aは後述する方法で求めた。
比較例1では下部阻止層、光導電層及び表面層の条件を表1〜5のいずれかにし、光吸収層の条件を表10に示す7種類の条件とした以外は実施例1と同様の方法により電子写真感光体を製造した。尚、比較例1−1、1−2は光吸収層なしとした。表11は比較例1の各例における光吸収層の体積抵抗率ρ、膜厚d1、吸収係数α1の値を示す。また、表8同様、電子写真感光体上面での反射率値R1、c/aの値も示す。表9は表1〜5の条件で作成した、下部阻止層と光導電層の膜厚d2、d3及び吸収係数α2、α3を示す。
Figure 2019012140
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(吸収係数α及び膜厚d算出方法)
吸収係数α、膜厚dの算出方法は、以下のようにした。
各成膜条件(層の形成条件)にてガラス基板上に堆積膜を作製した。各サンプルについて紫外可視分光光度計(日本電計(株)製:V−570型)により波長と透過率との関係を求めた。このとき、リファレンスとして、サンプル作製時に使用したガラス基体をリファレンス基体として用いた。まず、得られた波長と透過率との関係から波長700nmでの透過率T[%]を求めた。次に、各成膜条件にて作製したサンプルを紫外可視分光光度計から取り出し、カッターナイフを用いてサンプルのガラス基体から堆積膜の一部を取り除いた。その後、表面段差計(ケーエルエー・テンコール(株)製:ALPHA STEP 500)により、ガラス基体から堆積膜を取り除いた部分と取り除いていない部分との段差から、各成膜条件にて作製したサンプルの堆積膜の膜厚d[μm]を測定した。そして、得られたTおよびdを用いて、下記式(2)により、吸収係数α[cm−1]を算出した。
α=−1/(d×1.0×10−4×Ln(T/100)) ・・・(2)
分光光度計による波長と透過率との関係は、スペクトルマネージャ(日本電計(株)製:Rev.1.00)のスペクトル解析を用いて測定した。このときの測定条件を以下に示す。測定モード:%T、レスポンス:Medium、バンド幅:0.5nm、走査速度:1000nm/min、波長範囲:300nm〜1500nm、データ取り込み間隔:2nm。また、膜厚の測定条件は、スタイラス径:5μmを使用し、測定長さおよび測定速度は、カッターナイフによる堆積膜を取り除いた範囲により適宜設定した。
(体積抵抗率の測定方法)
まず、各成膜条件にて光吸収層をガラス基体上に形成した。次に、このガラス基体上のサンプルに櫛形電極用マスクを密着させ、真空蒸着法によりCrを100nm堆積させて櫛形電極を作製した。そして暗所において、この櫛形電極に数十V〜百Vの電圧を加え、流れる電流をpAメータ(HP社製4140Bを用いた。)を用いて測定した。これらの値と上記で求めた膜厚d1から体積抵抗率ρを算出した。
(反射率値R1測定方法)
各成膜条件にて、下部阻止層及び/または光導電層の膜厚を調整し、導電性基体からの反射の影響が無くなるようにした。マルチ測光システム(大塚電子製:MCPD−2000)を用いて測定をおこなった。作成した各電子写真感光体の波長700nmの光に対する反射率値を電子写真感光体の任意の周方向で、電子写真感光体の長手方向の中央位置、その位置から周方向に90°、180°、270°回転させた位置の合計4点を測定した。得られた波長700nmの光に対する反射率値の平均値をそれぞれ求め、この平均値を各成膜条件で作製した電子写真感光体の反射率値R1とした。
(c/a測定方法)
マルチ測光システム(大塚電子製:MCPD−2000)を用いて、本実施例及び比較例で製造した電子写真感光体からの反射光の分光測定を行った。
そして、前述した方法により、波長700nmの光に対する導電性基体からの反射率値を求めた。導電性基体からの反射率値は、図4(b)のように、導電性基体からの反射成分sと見積もることができ、反射成分sは、波長700nmの反射率値R1から近似曲線の外挿から得られるベース成分tとの差分により算出した。
ただし、反射成分sとベース成分tとの差分が1.0×10−2以下の場合は測定限界であるため、表中には極小と示す。
得られた電子写真感光体について下記項目を評価する。
(干渉縞の評価方法)
本実施例及び比較例で製造した電子写真感光体の干渉縞を以下のように評価した。
製造した電子写真感光体を、画像露光波長700nm、マイナス帯電、反転現像方式に改造したキヤノン株式会社製の複写機(商品名:iRC6800)の改造機に設置した。この複写機の黒色用現像器を外し、表面電位計(Trek社製の表面電位計(商品名:Model344))及びプローブ(商品名:Model555−P))を設置して、電子写真感光体の軸方向中央位置における表面の電位の測定を行った。ベタ白画像(画像露光レーザー非露光)を出力し、電子写真感光体の軸方向中央位置における表面の暗部電位を測定し、一次帯電器の一次電流とグリッド電圧を調整して、電子写真感光体の表面の暗部電位が−500Vになるように調整した。次に、ベタ黒画像(画像露光レーザー露光)出力動作を行いながら電子写真感光体の表面の明部電位を測定し、画像露光レーザーの光量を調整して、電子写真感光体の表面の明部電位が−100Vになるように調整した。
次に、電位センサーを取り外し、黒色現像器を設置し、上記の帯電設定および露光設定に固定し、A3サイズの画像比率50%のハーフトーン画像を3枚出力した。画像出力は、温度23℃/湿度60%RHの常温常湿環境下で行った。出力用紙はキヤノンマーケティングジャパン株式会社のA3用紙(商品名:CS−814(81.4g/m2))を使用した。以下の評価方法の画像出力条件、出力用紙も同様である。
出力画像から目視により干渉縞発生の有無の評価を行った。
尚、電子写真感光体の膜厚ムラが均一の場合は、干渉縞は生じないが、本実施例及び本比較例の電子写真感光体は、膜厚ムラは干渉縞を生じさせる程度の膜厚ムラを有しており、c/aの値により、干渉縞発生の有無が決まる。
以下の基準でランク付けを行った。
A・・・画像全域に渡り干渉縞発生はない
B・・・画像の一部に干渉縞発生がある
C・・・画像全域に渡り干渉縞発生がある
(画像メモリーの評価方法)
本実施例及び比較例で製造した電子写真感光体の画像メモリーを以下のように評価した。製造した電子写真感光体を画像露光波長700nm、マイナス帯電、反転現像方式に改造したキヤノン株式会社製の複写機(商品名:iRC6800)の改造機に設置した。この複写機の黒色用現像器を外し、干渉縞の評価方法と同様の帯電設定及び露光設定を行った。
次に、電位センサーを取り外し、黒色現像器を設置し、上記の帯電設定および露光設定に固定し、図6に示すようなテストチャートを用いて画像メモリー評価画像を出力した。図6に示したテストチャートは、画像左端部側にA3チャートの短辺の中央位置、左端から40mm位置を中心に40mm口の範囲に反射濃度1.2の黒色四角を有している。そして左端より80mmの位置から右端より5mmの位置まで反射濃度0.6のハーフトーン(HT)を有している。X−Rite Inc製の504分光濃度計を用いて出力された画像メモリー評価画像の反射濃度を測定した。測定位置は、出力画像の黒色四角の中心から長辺方向に264mm位置(電子写真感光体一周分の位置)を基準位置とし、基準位置と基準位置に対してA3の画像短辺方向±30mm、長辺方向±30mmの合計5点とした。基準位置の濃度をDGSTとし、基準位置に対してA3の画像短辺方向±30mm、長辺方向±30mmで測定した反射濃度の平均値をDAVEとして、比率(DGST/DAVE)を求め画像メモリーの評価を行った。比率(DGST/DAVE)が100%に近い程ゴーストが良好となる。
以下の基準でランク付けを行った。
A・・・95%以上105%未満
B・・・105%以上115%未満
C・・・115%以上
(画像欠陥の評価方法)
本実施例及び比較例で製造した電子写真感光体の画像欠陥を以下のように評価した。製造した電子写真感光体を画像露光波長700nm、マイナス帯電、反転現像方式に改造したキヤノン株式会社製の複写機(商品名:iRC6800)の改造機に設置した。また、この複写機の黒色用現像器を外し、干渉縞の評価方法と同様の帯電設定を行った。
画像欠陥の数を厳しく評価するために、画像欠陥が出やすくなる条件で画像を出力した。具体的には、シアン色の現像条件のDCバイアス条件を調整して、かぶり(現像操作によって本来非画像部となるべき部分にトナーが付着する現象)が生じている画像を出力した。画像出力の際の現像は、シアントナーを用いた現像器のみでの現像とした。以下の手順により、かぶり濃度の測定を行い、かぶり濃度が0.4〜0.8%の範囲になる現像条件で出力したものを評価用画像とした。評価用画像の反射率を測定し、さらに未使用の紙の反射率を測定した。評価用画像の反射率の値を未使用の紙の反射率の値から引いてかぶり濃度とした。反射率は、東京電色製の白色光度計(商品名:TC−6DS)にアンバーのフィルターを装着して測定した。連続して10枚のベタ白画像(画像露光レーザー非露光)を出力して、最後の2枚を用いて評価を行った。出力画像の電子写真感光体の1周分(=紙の搬送方向の先端から約264mm)×画像領域幅292mmの域内を評価した。この域内にある直径0.05mmの円以上の大きさ(0.05mmの円を重ねた時に円からはみ出る部分があるもの)のポチ(シアン色のポチ)の個数を数えた。それぞれの電子写真感光体について、2枚の出力画像についてポチの個数を数え2枚の平均値を計算し、小数点以下は切り上げて整数の値で示した。個数が少ない程画像欠陥が良好となる。
以下の基準でランク付けを行った。
A・・・ポチ10個以下
B・・・ポチ10個以上〜20個未満
C・・・ポチ20個以上
(画像解像度の評価方法)
本実施例及び比較例で製造した電子写真感光体について画像解像度を以下のように評価した。製造した電子写真感光体を画像露光波長700nmに改造したキヤノン株式会社製の複写機(商品名:iR−Advance7065)の改造機に設置した。この複写機の黒色用現像器を外し、干渉縞の評価方法と同様の帯電設定及び露光設定を行った。
次に、電位センサーを取り外し、黒色現像器を設置し、45度212lpi(1インチあたり212線)の線密度で面積階調ドットスクリーンの面積階調画像(すなわち画像露光を行うドット部分の面積階調)を出力した。面積階調画像は、17段階に均等配分した階調データを用いた。このとき、最も濃い階調を16、最も薄い階調を0として各階調に番号を割り当て、階調段階とした。
得られた画像を各階調ごとにX−Rite Inc製の504分光濃度計により画像濃度を測定した。なお、反射濃度測定では各々の階調ごとに3枚の画像を出力し、それらの濃度の平均値を評価値とした。
こうして得られた評価値と階調段階との相関係数を算出し、各階調の反射濃度が完全に直線的に変化する階調表現が得られた場合である相関係数=1.00からの差分を求めた。そして、比較例1−2で製造した電子写真感光体の相関係数から算出される差分に対する各成膜条件にて作製された感光体の相関係数から算出される差分の比を画像解像力の指標として評価した。この評価において、数値が小さいほど画像解像力が優れていることを示している。
以下の基準でランク付けを行った。
A…比較例1−2で作製した感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分に対する各成膜条件にて作製された感光体から算出される相関係数=1.00からの差分の比が0.50以下。
B…比較例1−2で作製した感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分に対する各成膜条件にて作製された感光体から算出される相関係数=1.00からの差分の比が0.50より大きく、0.75以下。
C…比較例1−2で作製した感光体の相関係数から算出される相関係数=1.00からの差分に対する各成膜条件にて作製された感光体から算出される相関係数=1.00からの差分の比が0.75より大きい。
(帯電能の評価方法)
本実施例及び比較例で製造した電子写真感光体について帯電能を以下のように評価した。製造した電子写真感光体を画像露光波長700nm、マイナス帯電、反転現像方式に改造したキヤノン株式会社製の複写機(商品名:iRC6800)の改造機に設置した。この複写機の黒色現像器を外し、表面電位計(Trek社製の表面電位計(商品名:Model344))及びプローブ(商品名:Model555−P))を設置して、電子写真感光体の軸方向中央位置に設置した。主帯電器の電流の絶対値を−1000μAの条件にして電子写真感光体を帯電し、黒色現像位置における電子写真感光体の暗部表面電位を測定し、周方向の平均値を求め絶対値を帯電能とした。表面電位が大きい程帯電能が良好となる。
以下の基準でランク付けを行った。
AA・・比較例1−2と比べて100V以上大きい
A・・・比較例1−2と比べて60V以上100V未満の範囲で大きい
B・・・比較例1−2と比べて20V以上60V未満の範囲で大きい
C・・・比較例1−2と比べて20V未満の範囲で大きい、もしくは比較例1−2より小さい
(帯電能均一性の評価方法)
軸方向における電子写真感光体の中央部位置を0cm位置とし、±15cm、±13cm、±9cm、±5cmの計9点を測定位置とし、各測定位置において前述の方法で帯電能を測定した。
9点で測定された帯電能を平均帯電能とし、9点で測定された帯電能の最大値と最小値の差分の平均帯電能に対する比率について小数点以下2桁を取捨五入した値を帯電能均一性とした。値が小さい程帯電能均一性が良好となる
以下の基準でランク付けを行った。
A・・・1.0%未満
B・・・1.0%以上2.0%未満
C・・・2.0%以上
(光感度の評価方法)
本実施例及び比較例で製造した電子写真感光体の光感度を以下のように評価した。製造した電子写真感光体を画像露光波長700nm、マイナス帯電、反転現像方式に改造したキヤノン株式会社製の複写機(商品名:iRC6800)の改造機に設置した。また、この複写機の黒色用現像器を外し、干渉縞の評価方法と同様の帯電設定を行った。
次に、ベタ黒画像(画像露光レーザー露光)出力動作を行いながら電子写真感光体の表面の明部電位を測定し、画像露光レーザーの光量を調整して、電子写真感光体の表面の明部電位が−100Vになるように調整した。
評価結果は比較例1−7の電子写真感光体を設置した場合の照射エネルギーを1.00とした相対比較で示した。
A‥比較例1−7で作製した電子写真感光体での照射エネルギーを1.00とした時の相対値が0.90未満。
B‥比較例1−7で作製した電子写真感光体での照射エネルギーを1.00とした時の相対値が0.90以上0.95未満。
C‥比較例1−7で作製した電子写真感光体での照射エネルギーを1.00とした時の相対値が0.95以上。
実施例1及び比較例1において、以上説明した干渉縞、画像メモリー、画像欠陥、画像解像度、帯電能、帯電能均一性及び光感度の評価結果を表12に示す。すべての項目でA以上を得られているものを本発明の効果が得られていると判断した。
Figure 2019012140
表12の結果からわかるように、本発明の電子写真感光体は、電子写真装置に求められる電子写真感光体としての諸特性を確保しつつ、干渉縞及び画像メモリーの発生を抑制することができる。
比較例1−2のように下部阻止層や光導電層の吸収係数及び/または膜厚を大きくすることで干渉縞は抑制できるが、そのほかの電子写真感光体に求められる諸特性を悪化させてしまう。その理由は、下部阻止層の吸収係数α2が2.5×10cm−1より大きく、膜厚d2が5.0μmより大きく、光導電層の吸収係数α3が3.0×10cm−1より大きく、膜厚d3が45μmより大きいためである。
よって、下部阻止層や光導電層の吸収係数及び膜厚は干渉縞以外の電子写真感光体に求められる諸特性を満たすように調整することが好ましい。干渉縞に関しては下部阻止層や光導電層の特性に関わらず、光吸収層の吸収係数及び膜厚を調整することでc/a≦2.5×10−2[%]を満たすようにする。
光吸収層の吸収係数α1が1.0×10[cm−1]未満の場合、下部阻止層や光導電層の条件によっては、比較例1−3のように干渉縞が発生してしまう。よって、α1≧1.0×10とする。
比較例1−3のように光吸収層の体積抵抗率ρが1.0×10Ω・cmを超える場合は、画像メモリーが発生してしまう。また比較例1−4のように光吸収層の体積抵抗率ρが1.0×10Ω・cm未満の場合は、画像欠陥が悪化してしまう。よって、1.0×10[Ω・cm]≦ρ≦1.0×10[Ω・cm]とする。
比較例1−5のように光吸収層の膜厚d1が3.5μmを超える場合は、画像欠陥が悪化してしまう。また、比較例1−6のように光吸収層の膜厚d1が1.0μm未満の場合は、生産安定性の低下により、c/a≦2.5×10−2[%]であるにも関わらず、画像の一部に干渉縞が発生してしまう。よって、1.0[μm]≦d1≦3.5[μm]とする。
〔実施例2〕
実施例2では図1(a)に示す層構成の電子写真感光体を製造したこと以外は実施例1−1と同様の方法により電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について実施例1と同様の項目を評価した。評価結果を表13に示す。
Figure 2019012140
表13の結果からわかるように、図1(a)のような層構成にすることにより、帯電能の低下を抑制した電子写真感光体を製造することができる。
〔実施例3及び比較例2〕
実施例3では、光吸収層成膜時の周波数を3kHz(実施例3−1)及び300kHz(実施例3−2)とした以外は実施例2と同様の方法により電子写真感光体を製造した。
比較例2では、光吸収層成膜時の周波数を1kHz(比較例2−1)及び400kHz(比較例2−2)とした以外は実施例3と同様の方法により電子写真感光体を製造した。得られた電子写真感光体について実施例1と同様の項目を評価した。評価結果を表14に示す。
Figure 2019012140
表14の結果からわかるように、放電開始電圧の絶対値以上の絶対値を持つ電圧と放電維持電圧の絶対値未満の絶対値を持つ電圧からなる矩形波の交播電圧を印可する。周波数3kHz以上300kHz以下で繰り返される矩形波の交播電圧を電極と導電性基体との間に印加することで、画像欠陥が高レベルで抑制され、帯電能均一性に優れた電子写真感光体を製造することができる。
101 導電性基体
102 光吸収層
103 下部阻止層
104 光導電層
105 表面層
106 上部阻止層

Claims (6)

  1. 導電性基体と、前記導電性基体上のケイ素原子を含むアモルファス材料で構成された下部阻止層と、前記下部阻止層上のケイ素原子を含むアモルファス材料で構成された光導電層と、前記導電性基体と前記光導電層との間にアモルファス材料で構成された光吸収層とを有する電子写真感光体において、
    前記光吸収層の体積抵抗率ρが、1.0×10[Ω・cm]]≦ρ≦1.0×10[Ω・cm]]であり、
    前記光吸収層の膜厚d1が、1.0[μm]≦d1≦3.5[μm]であり、
    前記光吸収層の波長700nmの光に対する吸収係数α1が、1.0×10[cm−1]以上であり、
    前記電子写真感光体が使用される電子写真装置の画像露光装置から発せられ、前記光導電層に入射する入射光量をaとし、前記aのうち前記導電性基体で反射し、さらに前記電子写真感光体の上面で反射し、前記光導電層内部に再度入射した入射光量をcとした時、
    c/a≦2.5×10−2[%]]を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記光吸収層が、アモルファスカーボンから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記電子写真感光体が、前記導電性基体と前記下部阻止層との間に前記光吸収層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電子写真感光体が、前記光導電層の上に表面層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法であって、
    反応容器の内部に前記導電性基体を設置し、前記反応容器の内部に原料ガスを導入し、前記光吸収層を形成する工程において、
    前記光吸収層を形成する工程は、放電開始電圧の絶対値以上の絶対値を持つ電圧と放電維持電圧の絶対値未満の絶対値を持つ電圧が周波数3kHz以上300kHz以下で繰り返される矩形波の交播電圧を電極と前記導電性基体との間に印加し、
    前記放電開始電圧の絶対値以上の絶対値を持つ電圧となる期間は、前記導電性基体が前記電極に対して低電位とすることで、前記原料ガスを分解し、前記光吸収層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体を有する電子写真装置。
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