JP2006235521A - 電子写真方法、及び、電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、複数枚出力した場合の画像間における濃度安定性に優れ、且つ、その状態が長期間にわたって維持されるような、高耐久、高安定な電子写真方法を提供することにある。
【解決手段】 シリコン原子を母材とする非単結晶膜からなる光導電層を有する感光体に、少なくとも帯電工程、及び、画像露光工程を行い画像を形成する電子写真方法において、前記画像露光工程に用いる光の、ピーク波長が350nm以上、450nm以下であり、前記感光体面上での照射スポット径(ピーク光量に対して1/e2となる光量の直径)が、5μm以上、30μm以下であり、前記光導電層の膜厚が5μm以上、20μm以下であり、前記感光体の、暗部電位と明部電位の差が100V以上、300V以下であることを特徴とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、シリコン原子を母材とする非単結晶材料からなる光導電層を有する感光体(以下、a-Si感光体と略記する)を用いた電子写真方法、及び、電子写真装置に関し、特に波長が350nm以上450nm以下の青色波長帯の光を画像露光に用いた電子写真方法、及び、電子写真装置に関する。
電子写真方法及びこれを利用した電子写真装置としては、例えば複写機やファクシミリ装置、近年需要の伸びの著しいコンピュータ等の出力手段であるプリンタ等として広く一般に利用されており、その画質の良さ及び高速なプリントアウトなどの特徴で注目を浴びている。
特に、近年急速にデジタル化、カラー化へのシフトが進み、形成される画像は文字だけでなく、写真や絵等の高品位な画像品質が要求されるものを出力する機会が急増しており、電子写真装置の高画質化への要求は以前に増して高まっている。ここでいう高画質とは、高解像であること、高精細であること、濃度ムラがないこと、画像欠陥(白抜けや黒点など)がないことを指している。
加えて、高速化、高耐久化への要求も急速に増しており、電子写真感光体においては電気的特性や光導電特性の向上、均一性や画像欠陥低減の向上とともに、耐久性や耐環境性(温度・湿度変化追従性)も含めて大幅に性能を延ばすことが求められている。
画像の解像度を高めるためには、トナーの小粒径化を図ると共に、像形成用のレーザ光のスポット径を小さくすることが有効である。特に、高画質写真などのピクトリアル画像のプリントをターゲットとした超高画質機においては、解像度として1200dpi以上が要求され、スポット径としては、30μm以下にまで小さくする技術が要求される。
レーザ光のスポット径を小さくする手段としては、レーザ光を光導電層に照射する光学系の精度を向上させたり、結像レンズの開口率を大きくしたりすること等が挙げられる。しかし、このスポット径はレーザ光の波長と結像レンズの開口率で決まる回折限界までしか小さくすることはできず、また、レンズの大型化や機械精度の向上等の理由により装置の大型化やコスト上昇は避け難い。
そのため、近年、レーザ光の波長を短くしてスポット径を小さくし、静電潜像の解像度を高めるという技術が注目されている。これは、レーザ光のスポット径の下限がレーザ光の波長に比例することや、波長を短くすることで焦点深度が深くなり、光学系のレンズの精度や装置に取り付ける位置精度等に対するラティテュードを広くできることなどによる。従来の電子写真装置においては、画像露光の光源として600〜800nmの発振波長を有するレーザ光が一般的に用いられており、この波長をさらに短くすることで画像の解像度を高めることができる。近年、発振波長の短い半導体レーザの開発が急速に進んでおり、日亜化学工業では1995年に410nmに発振波長を有する青色半導体レーザの開発の成功を機に、400nm近辺に発振波長を有する半導体レーザの実用化が促進されている。このような、450nm以下、好ましくは、430nm以下、より好ましくは、415nm以下の青色波長帯の光を画像露光系に用いることによって、スポット径を小径化し、解像度を1200dpi以上とすることが、比較的容易に達成できるようになる。
そのような450nm以下の青色波長帯に主波長を有する光源を画像露光に用いた電子写真装置としては、例えば、感光層が水素化a-Siを含有する層であり、露光手段が380nm〜450nmに主たる発振波長を有する紫外青紫色レーザ光発振器を具備することを特徴とする画像形成装置(例えば特許文献1)や、a-Si系感光体を用い、画像形成光線を露光する時点に於ける感光体にかかる電界が15MV/m(=150kV/cm)以上であり、画像形成光線の波長が500nm以下であることを特徴とする電子写真装置(例えば特許文献2)などが提案されている。
しかしながら、本発明者らが、特許文献2などにあるようなa-Si感光体と画像露光に波長が青色波長帯の光を光源として用いた電子写真装置で、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様が得られるか検討を行ったところ、下記に示すような改善の余地があることがわかった。
すなわち、上述の構成では、初期特性に関しては、高解像で、階調性に優れ、濃度ムラやゴーストも無く、非常に高品質な画像が得られ、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機で要求される仕様を十分満足するものであった。また、数万〜数十万枚の耐久では、画像品質の変化も無く、初期画像と比較しても、遜色ない品質の画像を得ることができた。しかし、更に耐久が進んだ場合において、連続して複数枚出力した画像において、各々の画像における解像度、階調性、均一性などの画像品質は十分に満足できる場合であっても、例えば1枚目から1000枚目までの画像を比較すると、特にハイライト部において、画像濃度が僅かに変動している場合があることがわかった。そして、そのような画像濃度の変動は、従来のオフィスカラー機などにおいては十分許容される程度の軽微な変動であっても、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機などから要求されるより高い仕様に対しては問題となる場合があることがわかった。このように、複数枚出力した画像間における画像濃度の変動を低減し、画像濃度の安定性を向上させるという観点においては、改善の余地を有していた。
特開2000-258938号公報 特開2002-311693号公報
本発明の課題は、複数枚出力した画像間における画像濃度の変動が極めて少なく、画像濃度の安定性に優れ、且つ、その状態が長期間にわたって維持されるような、高安定、高耐久な電子写真方法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決し、高画質、高耐久、高安定の電子写真方法を見い出すべく鋭意検討を行った。
その結果、上述のような画像濃度の変動は、a-Si感光体の光導電層膜厚と電位コントラスト(暗部電位と明部電位との電位差)を特定の条件にすることにより、低減できる効果があることがわかった。具体的には、光導電層の膜厚を20μm以下に薄膜化し、電位コントラストを300V以下とすることにより、画像濃度の変動を低減し、画像濃度の安定性を向上させる効果があることがわかった。特許文献2においては、画像露光時において感光体にかかる電界を15MV/m(=150kV/cm)以上とすることで、青色波長帯の光に対する感度をアップさせる技術が開示されている。感光体にかかる電界は、実際には、暗部電位と感光体膜厚の関係で決まるものであるが、特許文献2における記載では、膜厚30μmの感光体を450V以上に高く設定することで、感度アップの効果を得るという主旨である。これに対し、本発明では、画像濃度の安定性の向上という新たな効果を得るために、感光体の光導電層膜厚を薄膜化し、且つ、電位コントラストを低く設定するという、特許文献2に記載のような電界をアップさせるだけではない新たな解決手段を見出したものである。
この理由としては、すべてが解明されたわけではないが、次のように推察している。耐久後に複数枚出力した画像間で画像濃度が変動する要因としては、光生成キャリアの移動に伴う何らかのダメージが耐久中に蓄積された結果が影響しているのではないかと考えられる。すなわち、a-Si感光体における光導電層は、画像露光で照射された光を吸収しキャリアを生成するキャリア生成領域と、帯電工程で付与された表面電荷が形成する電界によって表面電荷と同極性の光生成キャリアが基板側に移動するキャリア移動領域とに分けることができる。キャリア生成領域の厚さは、照射する光の吸収深さによって決まり、具体的には、波長600〜800nmの赤色から赤外光の波長帯の場合には、数μm〜十数μmであるのに対し、波長が450nm以下の青色波長帯の場合には、数十nmから数百nm以下である。従って、光導電層の膜厚が同じ場合、露光波長が短波化するとキャリア生成領域が薄膜化し、キャリア移動領域は厚くなり、キャリアの移動距離は長くなる。このように、キャリアの移動距離が長くなると、キャリアの移動に伴う何らかのダメージが蓄積され易い構造となっていると推測され、その状態で数千万枚以上に耐久が進んだ場合などには、膜特性の変化として表れはじめて、濃度安定性の低下を引き起こす要因となっているのではないかと考えられる。
実際に、光導電層の膜厚を薄膜化してキャリア移動領域の膜厚を薄膜化して光生成キャリアの移動距離を短くすることによって、ある程度、濃度安定性を向上させる効果が得られた。しかし、この対策だけではまだ不十分であった。そこで、電位コントラストを低く設定し、光生成キャリアそのものが少なくなるように設定したところ、更に向上させることができ、画像濃度の変動をほぼ防止することが出来た。この理由は、露光量を少なくしたことで、光生成キャリアの総数が少なくなり、キャリアの移動に伴う何らかのダメージを軽減できたためと考える。そして、それらの相乗効果によって、ダメージの蓄積を軽減でき、膜特性の変化を防止できたのではないかと考えている。
しかしながら、光導電層の膜厚が5μmより薄くなると、帯電能や感度等の実用上の電子写真特性が十分備えられない場合があった。また、電位コントラストを100Vより小さくすると、現像工程において濃度不足やカブリが発生し、実用上問題となる場合があった。
また、本発明者らの更なる検討により、感光体の回転周期に関しても、濃度安定性に影響を及ぼすことがわかり、回転周期は、1.2秒以上とすると、濃度安定性を向上させる効果がより顕著に得られることがわかった。この理由としては、まだ明確にはわかっていないが、回転周期が短い場合においては、光生成キャリアの移動によって与えられたダメージが十分緩和される前に次の露光工程が行われるため、ダメージが蓄積され易いのではないかと推察している。このため、回転周期を長くしていくことによって、ダメージの緩和時間が長くなり、そのことがダメージ蓄積の軽減に関係しているのではないかと考えている。回転周期を長くするための具体的な手法としては、感光体の回転速度を遅くする方法が挙げられる。しかしながら、感光体の回転速度を遅くすることは、感光体の周速度(プロセススピード)を低下させ、プリントスピードも低下させることになり、即ち、装置のスペックをダウンすることにつながるので下限がある。このため、回転速度をある程度維持したまま、回転周期を長くするための方法として、感光体の直径を大きくする方法が挙げられる。しかしながら、感光体の直径を大きくしていくと、装置の大型化や製造コストアップにつながるため、あまり大きくし過ぎることは好ましくない。これらの観点から、回転周期は3秒以下とすることが好ましい。
また、本発明者らの更なる検討により、露光光源に関しては、半導体レーザよりもLEDアレイを使用した方が、濃度安定性を向上させる効果がより顕著に得られることがわかった。この理由としては、まだ明確にはわかっていないが、レーザ光は、光の位相が揃ったコヒーレントな光であるため、同じエネルギー量の光を照射した場合、非コヒーレントな光を放出するLEDアレイに比べてダメージが形成され易いのではないかと推察している。このため、画像露光光源に、LEDアレイを用いると、光照射によるダメージが小さくなり、ダメージが蓄積され難いのではないかと考えている。
以上説明したように、本発明者らは上記知見に基づき、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、シリコン原子を母材とする非単結晶膜からなる光導電層を有する感光体に、少なくとも帯電工程、及び、画像露光工程を行い画像を形成する電子写真方法において、前記画像露光工程に用いる光の、ピーク波長が450nm以下であり、前記感光体面上での照射スポット径(ピーク光量に対して1/e2となる光量の直径、ただし、eは自然対数の底である。)が30μm以下であり、前記光導電層の膜厚が5μm以上、20μm以下であり、前記感光体の、暗部電位と明部電位の差が100V以上、300V以下であることを特徴とする。
本発明の電子写真方法は、複数枚出力した画像間における画像濃度の変動が極めて少なく、画像濃度の安定性に優れ、且つ、その状態が長期間にわたって維持されるといった効果を有する。このため、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機においても、出力画像間における画質の安定性に優れ、非常に高画質な画像を長期間にわたって安定的に供給できるといった効果を有する。
(電子写真装置)
円筒状に張設された誘電体の記録材担持シートからなる転写ドラム105を有する電子写真装置について、図1の概略構成図を参照して説明する。
この電子写真装置は、表面に静電潜像が形成され、この静電潜像上にトナーが付着されてトナー像が形成される、回転ドラム型の感光体101を有している。感光体101の周りには、感光体101の表面を所定の極性・電位に一様に帯電させる1次帯電器102と、帯電された感光体101の表面に画像露光103を行って静電潜像を形成する、不図示の画像露光装置とが配置されている。ここで、1次帯電器102により一様に帯電させた、感光体の所定の極性・電位を「暗部電位」、画像露光103を行って静電潜像を行った際の感光体の電位を「明部電位」と呼ぶ。本発明においては、この両者の差(電位コントラスト)が100V以上、300V以下とすることにより良好な画像濃度特性を得ている。より好ましくは、150V以上、250V以下、代表的には200Vである。また、露光方式としては、非画像部(背景部)を露光するバックグラウンド露光方式(以下、BAE方式という。)と画像部を露光するイメージエリア露光方式(以下、IAE方式という。)のいずれかを選択できる。前者は従来型のアナログ方式と共通の機構や現像剤を使用できる利点があるが、後者は潜像形成のラティテュードが広いため高画質化の点ではより有利であり、本発明の目的を達成するためにはより好ましい。
また、形成された静電潜像上にトナーを付着させて現像する現像器として、ブラックトナーBを付着させる現像器とイエロートナーYを付着させる現像器とマゼンタトナーMを付着させる現像器とシアントナーCを付着させる現像器とを内蔵した回転型の現像器104が配置されている。さらに、転写ドラム105にトナー像を転写した後、感光体101上をクリーニングする感光体クリーナ106および感光体101の除電を行う除電露光107が設けられている。
転写ドラム105は、感光体101に当接して回転可能なように配置されており、内側には、感光体101上に形成されたトナー像を転写ドラム105に静電吸着された記録材113に転写するための転写帯電器108が配備されている。転写帯電器108には感光体101上のトナー像を転写するための転写バイアスを印加するバイアス電源(不図示)が接続されている。また、記録材113を転写ドラム105に静電吸着させるための吸着帯電器111a、吸着ローラ111bが、転写ドラム105の内側および外側にそれぞれ配置される。また、所望のトナー像を転写ドラム105に静電吸着された記録材113に転写が終了した後、記録材113を転写ドラム105から分離するための分離帯電器112a、分離爪112bが配置されている。
また、この電子写真装置は、画像が形成される複数の記録材113を保持する給紙カセット114と、記録材113を給紙カセット114から転写ドラム105を介して搬送する搬送機構とが設けられている。記録材113の搬送経路上には、記録材113上に転写されたトナー像を記録材113上に定着させる定着器115が配置されている。
一次帯電器102としてはコロナ放電器などが用いられる。
画像露光装置としては、カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系や、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力するレーザスキャナによる走査露光系などが用いられる。このような露光系により、画像パターンに従って、複数行、複数列の画素マトリックスの各画素ごとに、レーザまたはLED等を光源とする光ビームを照射して静電潜像を感光体の表面に形成することができる。なお、LEDアレイを使用した方が、濃度安定性を向上させる効果がより顕著であり好ましい。ここで、前述のように光ビームのピーク波長を450nm以下とすることにより、感光体面上での照射スポット径(ピーク光量に対して1/e2となる光量の直径、ただし、eは自然対数の底である。)を30μm以下とすることが容易となり、これにより解像度を1200dpi以上とすることが容易に可能となり所望の画像品質を得ることができる。好ましくはピーク波長を例えば405nm以下とすることで、例えばスポット径を15μm以下とし、2400dpiなどより高精細な画像の形成にも対応可能となる。
次に、この電子写真装置の動作について説明する。
まず、図1に矢印で示すように、感光体101が、時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動され、転写ドラム105が、反時計方向に、感光体101と同じ周速度で回転駆動される。前述の通り、回転周期は、1.2秒以上とすると、濃度安定性を向上させる効果がより顕著に得られるので好ましい。
感光体101は、回転過程で、一次帯電器102により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで、画像露光103を受け、これにより感光体101の表面上には、目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像が形成される。次いで、現像器が回転し、マゼンタトナーMを付着させる現像器が所定の位置にセットされ、その静電潜像が第1色であるマゼンタトナーMにより現像される。
一方、所定のタイミングで給紙カセット114から記録材113が給送され、吸着帯電器111a、吸着ローラ111bによって転写ドラム105の外周に記録材113が静電吸着される。
そして、感光体101上に形成担持された第1色のマゼンタトナー像は、感光体101と転写ドラム105の外周に静電吸着された記録材113との当接ニップ部を通過する過程で、転写帯電器108に印加された電界により記録材113に順次転写される。
記録材113に第1色のマゼンタトナー像を転写し終えた感光体101の表面は、感光体クリーナ106によりクリーニングされる。次に、感光体101の清掃された表面上に、第1色のトナー像の形成と同様に、第2色のトナー像(例えばシアントナー像)が形成され、この第2色のトナー像が、第1色のトナー像が転写された記録材113の表面上に重畳転写される。以下同様に、第3色のトナー像(例えばイエロートナー像)、第4色のトナー像(例えばブラックトナー像)が記録材113上に順次重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー像が形成される。
次に、合成カラートナー像が転写された記録材113は、分離帯電器112aおよび分離爪112bによって、転写ドラム105から分離され、定着器115へと搬送されて、ここで記録材113上にトナー像が加熱定着される。
本電子写真装置の動作において、感光体101から転写ドラム105上に静電吸着された記録材113への第1〜第4色のトナー像の順次転写実行時には、吸着ローラ111bおよび分離爪112bは転写ドラム105から離間させるようにしてもよい。
中抵抗の弾性ローラである中間転写体205を有する電子写真装置について、図2の概略構成図を参照して説明する。
この電子写真装置は、表面に静電潜像が形成され、この静電潜像上にトナーが付着されてトナー像が形成される回転ドラム型の感光体201を有している。感光体201の周りには、感光体201の表面を所定の極性・電位に一様に帯電させる一次帯電器202と、帯電された感光体201の表面に画像露光203を行って静電潜像を形成する、不図示の画像露光装置とが配置されている。一次帯電器による暗部電位と露光による明部電位の差が100V以上、300V以下の場合に良好な画像濃度特性が得られること、また、BAE方式とIAE方式のいずれかを選択可能であり、それぞれ異なるメリットがあることなどは前述した通りである。また、形成された静電潜像上にトナーを付着させて現像する現像器として、マゼンタトナーMを付着させる第1現像器204aと、シアントナーCを付着させる第2現像器204bと、イエロートナーYを付着させる第3現像器204cと、ブラックトナーBを付着させる第4現像器204dとが配置されている。さらに、中間転写体205にトナー像を転写した後、感光体201上をクリーニングする感光体クリーナ206および感光体201の除電を行う除電露光207が設けられている。
中間転写体205は、感光体201に当接して回転可能なように配置されており、パイプ状の芯金205aと、芯金205aの外周面に形成された弾性層205bとを有している。芯金205aには、感光体201上に形成されたトナー像を中間転写体に転写するための一次転写バイアスを印加するバイアス電源が接続されている。中間転写体205の周りには、中間転写体205に転写されたトナー像を記録材213にさらに二次転写するための二次転写ローラ209が、中間転写体205の回転軸に平行に軸支されて中間転写体205の下面部に接触するように設けられている。二次転写ローラ209には、中間転写体205上のトナー像を記録材213に転写するための二次転写バイアスを印加するバイアス電源が接続されている。また、中間転写体205上のトナー像を記録材213に転写した後、中間転写体205の表面上に残留した転写残トナーをクリーニングするための中間転写体クリーナ210が設けられている。
また、この電子写真装置は、画像が形成される複数の記録材213を保持する給紙カセット214と、記録材213を給紙カセット214から中間転写体205と二次転写ローラ209との当接ニップ部を介して搬送する搬送機構とが設けられている。記録材213の搬送経路上には、記録材213上に転写されたトナー像を記録材213上に定着させる定着器215が配置されている。
一次帯電器202としてはコロナ放電器などが用いられる。
画像露光装置としては、カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系や、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力するレーザスキャナによる走査露光系などが用いられる。このような露光系により、画像パターンに従って、複数行、複数列の画素マトリックスの各画素ごとに、レーザまたはLED等を光源とする光ビームを照射して静電潜像を感光体の表面に形成することができる。なお、LEDアレイを使用した方が、濃度安定性を向上させる効果がより顕著であり好ましい。ここで、前述のように光ビームのピーク波長を450nm以下とし、これにより感光体面上での照射スポット径を30μm以下とすることの重要性は前述の通りである。
バイアス電源からは、トナーとは逆極性の、例えば-2kV〜-5kVの範囲の電圧が印加される。
次に、この電子写真装置の動作について説明する。
まず、図2に矢印で示すように、感光体201が、時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動され、中間転写体205が、反時計方向に、感光体201と同じ周速度で回転駆動される。前述の通り、回転周期は、1.2秒以上とすると、濃度安定性を向上させる効果がより顕著に得られるので好ましい。
感光体201は、回転過程で、一次帯電器202により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで、画像露光203を受け、これにより感光体201の表面上には、目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像が第1現像器204aにより第1色であるマゼンタトナーMにより現像される。この時、第2現像器204b、第3現像器204c、第4現像器204dは、作動オフになっていて感光体201には作用せず、第1色のマゼンタトナー像に影響を与えることはない。
このようにして、感光体201上に形成担持された第1色のマゼンタトナー像は、感光体201と中間転写体205とのニップ部を通過する過程で、バイアス電源から印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体205外周面に順次中間転写される。
中間転写体205に第1色のマゼンタトナー像を転写し終えた感光体201の表面は、感光体クリーナ206によりクリーニングされる。次に、感光体201の清掃された表面上に、第1色のトナー像の形成と同様に、第2色のトナー像(例えばシアントナー像)が形成され、この第2色のトナー像が、第1色のトナー像が転写された中間転写体205の表面上に重畳転写される。以下同様に、第3色のトナー像(例えばイエロートナー像)、第4色のトナー像(例えばブラックトナー像)が中間転写体205上に順次重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー像が形成される。
次に、給紙カセット214から中間転写体205と二次転写ローラ209との当接ニップ部に所定のタイミングで記録材213が給送され、二次転写ローラ209が中間転写体205に当接されると共に、二次転写バイアスがバイアス電源から二次転写ローラ209に印加されることにより、中間転写体205上に重畳転写された合成カラートナー像が、第2の画像担持体である記録材213に転写される。記録材213へのトナー像の転写終了後、中間転写体205上の転写残トナーは中間転写体クリーナ210によりクリーニングされる。トナー像が転写された記録材213は定着器215に導かれ、ここで記録材213上にトナー像が加熱定着される。
本電子写真装置の動作において、感光体201から中間転写体205への第1〜第4色のトナー像の順次転写実行時には、二次転写ローラ209および中間転写体クリーナ210は中間転写体205から離間させるようにしてもよい。
このような中間転写体を用いた電子写真によるカラー電子写真装置は、以下に示す特徴を有している。
第一に、重ね合わせ時に各色のトナー像の形成位置がずれる色ズレが少ない。また、図2に示すように、記録材213をなんら加工、制御(例えばグリッパーに把持する、吸着する、曲率を持たせるなど)する必要なしに、中間転写体205からトナー像を転写させることができ、記録材213として多種多様なものを用いることができる。例えば、薄い紙(40g/m2紙)から厚い紙(200g/m2紙)までの種々の厚みのものを選択して記録材213として使用可能である。また、幅の広狭または長さの長短によらず種々の大きさのものを記録材213として使用可能である。さらには、封筒、ハガキ、ラベル紙などを記録材213として使用可能である。
また、中間転写体205に剛性が優れたものを用いることができ、こうすることにより、繰り返し使用によるへこみ、ひずみ、変形などを抑えて、寸法精度の狂いの発生を抑制でき、さらに、中間転写体205の交換頻度を少なくすることができる。
このように、中間転写体205を用いた電子写真装置には種々の利点がある。
フィルム状の誘電体ベルトからなる中間転写ベルト305を有する電子写真装置について、図3の概略構成図を参照して説明する。
この電子写真装置は、表面に静電潜像が形成され、この静電潜像上にトナーが付着されてトナー像が形成される第1の画像担持体である、繰り返し使用される電子写真感光体からなる、回転ドラム型の感光体301を有している。感光体301の周りには、感光体301の表面を所定の極性・電位に一様に帯電させる1次帯電器302と、帯電された感光体301の表面に画像露光303を行って静電潜像を形成する、不図示の画像露光装置とが配置されている。1次帯電器による暗部電位と露光による明部電位の差が100V以上、300V以下の場合に良好な画像濃度特性が得られること、また、BAE方式とIAE方式のいずれかを選択可能であり、それぞれ異なるメリットがあることなどは前述した通りである。また、形成された静電潜像上にトナーを付着させて現像する現像器として、ブラックトナーBを付着させる第1現像器304aと、イエロートナーYを付着させる現像器とマゼンタトナーMを付着させる現像器とシアントナーCを付着させる現像器とを内蔵した回転型の第2の現像器304bとが配置されている。さらに、中間転写ベルト305にトナー像を転写した後、感光体301上をクリーニングする感光体クリーナ306および感光体301の除電を行う除電露光307が設けられている。
中間転写ベルト305は、感光体301に当接ニップ部を介して駆動するように配置されており、内側には感光体301上に形成されたトナー像を中間転写ベルト305に転写するための一次転写ローラ308が配備されている。一次転写ローラ308には、感光体301上のトナー像を中間転写ベルト305に転写するための一次転写バイアスを印加するバイアス電源(不図示)が接続されている。中間転写ベルト305の周りには、中間転写ベルト305に転写されたトナー像を記録材313にさらに転写するための二次転写ローラ309が、中間転写ベルト305の下面部に接触するように設けられている。二次転写ローラ309には、中間転写ベルト305上のトナー像を記録材313に転写するための二次転写バイアスを印加するバイアス電源が接続されている。また、中間転写ベルト305上のトナー像を記録材313に転写した後、中間転写ベルト305の表面上に残留した転写残トナーをクリーニングするための中間転写ベルトクリーナ310が設けられている。
また、この電子写真装置は、画像が形成される複数の記録材313を保持する給紙カセット314と、記録材313を給紙カセット314から中間転写ベルト305と二次転写ローラ309との当接ニップ部を介して搬送する搬送機構とが設けられている。記録材313の搬送経路上には、記録材313上に転写されたトナー像を記録材313上に定着させる定着器315が配置されている。
一次帯電器302としてはコロナ放電器などが用いられる。
画像露光装置としては、カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系や、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力するレーザスキャナによる走査露光系などが用いられる。このような露光系により、画像パターンに従って、複数行、複数列の画素マトリックスの各画素ごとに、レーザまたはLED等を光源とする光ビームを照射して静電潜像を感光体の表面に形成することができる。なお、LEDアレイを使用した方が、濃度安定性を向上させる効果がより顕著であり好ましい。ここで、前述のように光ビームのピーク波長を450nm以下とし、これにより感光体面上での照射スポット径を30μm以下とすることの重要性は前述の通りである。
次に、この電子写真装置の動作について説明する。
まず、図3に矢印で示すように、感光体301が、時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動され、中間転写ベルト305が、反時計方向に、感光体301と同じ周速度で回転駆動される。前述の通り、回転周期は、1.2秒以上とすると、濃度安定性を向上させる効果がより顕著に得られるので好ましい。
感光体301は、回転過程で、一次帯電器302により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで、画像露光303を受け、これにより感光体301の表面上には、目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像が形成される。次いで、第2現像器が回転し、マゼンタトナーMを付着させる現像器が所定の位置にセットされ、その静電潜像が第1色であるマゼンタトナーMにより現像される。この時、第1現像器304aは、作動オフになっていて感光体301には作用せず、第1色のマゼンタトナー像に影響を与えることはない。
このようにして、感光体301上に形成担持された第1色のマゼンタトナー像は、感光体301と中間転写ベルト305とのニップ部を通過する過程で、一次転写バイアスがバイアス電源(不図示)から一次転写ローラ308に印加されることによって形成される電界により、中間転写ベルト305外周面に順次中間転写される。
中間転写ベルト305に第1色のマゼンタトナー像を転写し終えた感光体301の表面は、感光体クリーナ306によりクリーニングされる。次に、感光体301の清掃された表面上に、第1色のトナー像の形成と同様に、第2色のトナー像(例えばシアントナー像)が形成され、この第2色のトナー像が、第1色のトナー像が転写された中間転写ベルト305の表面上に重畳転写される。以下同様に、第3色のトナー像(例えばイエロートナー像)、第4色のトナー像(例えばブラックトナー像)が中間転写ベルト305上に順次重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー像が形成される。
次に、給紙カセット314から中間転写ベルト305と二次転写ローラ309との当接ニップ部に所定のタイミングで記録材313が給送され、二次転写ローラ309が中間転写ベルト305に当接されると共に、二次転写バイアスがバイアス電源から二次転写ローラ309に印加されることにより、中間転写ベルト305上に重畳転写された合成カラートナー像が、第2の画像担持体である記録材313に転写される。記録材313へのトナー像の転写終了後、中間転写ベルト305上の転写残トナーは中間転写ベルトクリーナ310によりクリーニングされる。トナー像が転写された記録材313は定着器315に導かれ、ここで記録材313上にトナー像が加熱定着される。
本電子写真装置の動作において、感光体301から中間転写ベルト305への第1〜第4色のトナー像の順次転写実行時には、二次転写ローラ309および中間転写ベルトクリーナ310は中間転写ベルト305から離間させるようにしてもよい。
このような中間転写ベルトを用いた電子写真によるカラー電子写真装置は、以下に示す特徴を有している。
第一に、重ね合わせ時に各色のトナー像の形成位置がずれる色ズレが少ない。また、図3に示すように、記録材313をなんら加工、制御(例えばグリッパーに把持する、吸着する、曲率を持たせるなど)する必要なしに、中間転写ベルト305からトナー像を転写させることができ、記録材313として多種多様なものを用いることができる。例えば、薄い紙(40g/m2紙)から厚い紙(200g/m2紙)までの種々の厚みのものを選択して記録材313として使用可能である。また、幅の広狭または長さの長短によらず種々の大きさのものを記録材313として使用可能である。さらには、封筒、ハガキ、ラベル紙などを記録材313として使用可能である。
また、中間転写ベルト305は、柔軟性に優れており、感光体301や記録材313とのニップを自由に設定することができるため、設計の自由度が高く、転写効率などを最適化しやすいといった特徴がある。
このように、中間転写ベルト305を用いた電子写真装置には種々の利点がある。
画像形成部をタンデム式に配列した電子写真装置について、図4の概略構成図を参照して説明する。
図4に示すカラー電子写真装置には、装置本体内にたとえばイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの可視画像を形成することができる第1、第2、第3、第4の画像形成部I、II、III、IVをタンデムに配列している。各画像形成部I〜IVは、それぞれ感光体401a〜dを有し、その周りには、感光体401a〜dの表面を所定の極性・電位に一様に帯電させる1次帯電器402a〜d、帯電された感光体の表面に画像露光403a〜dを行って静電潜像を形成する、不図示の画像露光装置、形成された静電潜像上にトナーを付着させて現像する現像器404a〜d、中間転写ベルト405にトナー像を転写した後、感光体をクリーニングする感光体クリーナ406a〜d、及び、感光体の除電を行う除電露光407a〜dなどが、それぞれ配置されている。上記画像露光装置としては、カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系や、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力するレーザスキャナによる走査露光系などが用いられる。1次帯電器による暗部電位と露光による明部電位の差が100V以上、300V以下の場合に良好な画像濃度特性が得られること、また、BAE方式とIAE方式のいずれかを選択可能であり、それぞれ異なるメリットがあることなど、及び、前述のように光ビームのピーク波長を450nm以下とし、これにより感光体面上での照射スポット径を30μm以下とすることの重要性は前述の通りである。
中間転写ベルト405は、感光体に当接ニップ部を介して駆動するように配置されており、内側には感光体上に形成されたトナー像を中間転写ベルト405に転写するための一次転写ローラ408a〜dが配備されている。一次転写ローラ408a〜dには、感光体上のトナー像を中間転写ベルト405に転写するための一次転写バイアスを印加するバイアス電源(不図示)が接続されている。中間転写ベルト405の周りには、中間転写ベルト405に転写されたトナー像を記録材413にさらに転写するための二次転写ローラ409が、中間転写ベルト405の下面部に接触するように設けられている。二次転写ローラ409には、中間転写ベルト405上のトナー像を記録材413に転写するための二次転写バイアスを印加するバイアス電源が接続されている。
また、この電子写真装置は、画像が形成される複数の記録材413を保持する給紙カセット414と、記録材413を給紙カセット414から中間転写ベルト405と二次転写ローラ409との当接ニップ部を介して搬送する搬送機構とが設けられている。記録材413の搬送経路上には、記録材413上に転写されたトナー像を記録材413上に定着させる定着器415が配置されている。
次に、この電子写真装置の動作について説明する。
まず、図4に矢印で示すように、感光体401a〜dが、時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動され、中間転写ベルト405が、反時計方向に、感光体401a〜dと同じ周速度で回転駆動される。前述の通り、回転周期は、1.2秒以上とすると、濃度安定性を向上させる効果がより顕著に得られるので好ましい。
カラー画像形成を行うには、まず、第一画像形成部Iにおいて、感光体401aは、回転過程で、一次帯電器402aにより所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで、画像露光403aを受け、これにより感光体401aの表面上には、目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像は、現像器404aにより第1色であるマゼンタトナー像として現像される。このようにして、感光体401a上に形成担持された第1色のマゼンタトナー像は、感光体401と中間転写ベルト405とのニップ部を通過する過程で、一次転写バイアスがバイアス電源(不図示)から一次転写ローラ408aに印加されることによって形成される電界により、中間転写ベルト405の外周面に順次中間転写される。第2の画像形成部IIにおいても同様な工程が行われ、2色目のたとえばシアントナー像が中間転写ベルト405の外周面に中間転写され、同様な工程を第3、第4の画像形成部III、IVにおいても行うことにより、中間転写ベルト305上に、第3色のトナー像(例えばイエロートナー像)、第4色のトナー像(例えばブラックトナー像)が順次重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー像が形成される。
次に、給紙カセット414から中間転写ベルト405と二次転写ローラ409との当接ニップ部に所定のタイミングで記録材413が給送され、二次転写ローラ409が中間転写ベルト405に当接されると共に、二次転写バイアスがバイアス電源から二次転写ローラ409に印加されることにより、中間転写ベルト405上に重畳転写された合成カラートナー像が、第2の画像担持体である記録材413に転写される。記録材413へのトナー像の転写終了後、中間転写ベルト405上の転写残トナーは中間転写ベルトクリーナ(不図示)によりクリーニングされる。トナー像が転写された記録材413は定着器415に導かれ、ここで記録材413上にトナー像が加熱定着される。
このようなタンデム方式の電子写真によるカラー電子写真装置は、1パスで4色の画像を重ねたカラー画像が得られるため高速でカラー記録を行うのに適している。
(a-Si感光体)
次に、図面に基づいて本発明の電子写真方法に好適に用いることができる電子写真感光体(感光体と表すことがある。)の層構成について、図5の模式的構成図を参照して説明する。
図5(a)に示す感光体500は、基体501と、該基体の上に順次設けられる光導電層502と表面層503とから構成される。また、図5(b)に示すように、基体501上に、基体側からの電荷の注入を阻止するために、下部電荷注入阻止層504を設け、下部電荷注入阻止層504上に光導電層502と、表面層503とを順次設けた層構成であってもよい。必要に応じて、光導電層502は、基体501側から第一の層領域と第二の層領域とからなる2層構成にしてもよい。また、図5(c)に示すように、基体501と、該基体501上に、下部電荷注入阻止層504と、光導電層502と、上部電荷注入阻止層505と、表面層503とを順次設けた層構成とし、上部からの電荷注入を低減し、帯電性を向上させる目的で上部電荷注入阻止層505を設け負帯電用電子写真感光体に特に好適な層構成としてもよい。
以下、前述した各層について詳細に説明する。
[基体]
本発明の電子写真方法において使用される基体としては、その上に光導電層を設けることができるものであれば、特に制限されるものではなく、材質も導電性であればよく、例えば、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等を挙げることができる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性材料であっても、光導電層を形成する側の表面を、導電処理したものであれば使用することができる。かかる導電処理としては、真空蒸着法、スパッタ法、無電解メッキ法、プラズマスプレー法などの方法により上記導電性物質を表面に堆積させる処理を挙げることができる。
基体の形状としては、円筒状または無端ベルト状などを適宜選択することができ、表面は平滑表面または凹凸表面とすることができる。基体の厚さは、搭載される電子写真装置の関連において要求される強度、所望通りの感光体を形成し得るように、適宜決定することができるが、感光体としての可撓性が要求される場合には、基体としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、基体の厚さは、製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から例えば10μm以上とされる。
[光導電層]
本発明の電子写真方法における光導電層は、シリコン原子を母材とした非単結晶シリコン膜からなるものであれば、特に制限されるものではなく、多結晶や、微結晶などを含んでいてもよいが、非晶質の状態、即ちアモルファスの状態を主体として構成され、シリコン原子を母材とするものが好ましい。また、光導電層中には必要に応じて水素原子、ハロゲン原子が含有されることが好ましい。光導電層中の水素原子、ハロゲン原子は、シリコン原子の未結合手と結合し、層品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性を向上させることができる。水素原子の含有量は、シリコン原子と水素原子の数の和に対して10〜40原子%であることが好ましい。また、その分布形状に関しても、露光系の波長に合わせて含有量を変化させるなど、適宜調整することができる。特に、水素原子やハロゲン原子の含有量をある程度多くすると、光学的バンドギャップが大きくなり、感度のピークが短波長側にシフトすることが知られている。このような光学的バンドギャップの拡大は、短波長の露光を用いる際には好ましく、その場合にはシリコンと水素原子の数の和に対して15原子%以上とすることが好ましい。
加えて、光導電層には伝導性を制御する原子を含有させてもよい。伝導性を制御する原子は、光導電層の層厚方向に対して単位長さ当たりの原子の数が不均一な分布状態で含有されることが好ましい。光導電層中に不均一に伝導性を制御する原子が含有されることにより光導電層のキャリアの走行性を調整し、或は補償して走行性を高次でバランスさせることにより、帯電能の向上、光メモリー低減、感度の向上のために有効である。伝導性を制御する原子の含有量は、0.05〜5原子ppmとするのが好ましい。また、光の到達する範囲においては、伝導性を制御する原子を実質的に含有しないようにしてもよい。この伝導性制御原子は、厚さ方向において連続的に、又は段階的にその含有量が変化する領域を含んで含有されていてもよく、含有量が変化しない一定の領域を含んで含有されていてもよい。かかる伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導性を与える周期表第13族に属する原子(第13族原子とも略記する)、又はn型伝導特性を与える周期津表第15族に属する原子(第15族原子とも略記する)を用いることができる。第13族原子としては、具体的には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特にB、Al、Gaが好適であり、第15族原子として、具体的には、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、As、Sbが好適である。
光導電層の層厚は、所望の電子写真特性が得られること、作製が容易であること、及び、経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定されるものであるが、本発明の電子写真方法に用いる感光体においては、前述のように、5μm以上、20μm以下であることを特徴とし、かかる範囲の層厚とすることで所望の画像濃度特性を得ている。
このような膜特性を有する光導電層を形成するには、例えば、基体上にグロー放電法などによって光導電層を形成することができる。かかるグロー放電法としては、後述する高周波プラズマCVD装置を用いた方法を挙げることができ、内部を減圧できる反応容器内の載置台に基体を載置し、この反応容器内にシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスと、必要に応じてハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスとを、所望のガス状態で導入して、反応容器内にグロー放電を生起させ、基体上にシリコン、水素原子、ハロゲン原子などを含むアモルファス膜を形成する方法などを挙げることができる
Si供給用ガスとなり得る物質としては、SiH4、Si26、Si38、Si410等のガス状態の、またはガス化し得る水素化ケイ素(シラン類)が挙げられ、これらのうち層形成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si26を好ましいものとして挙げることができる。なお、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても用いることができ、膜の物性の制御性、ガスの供給の利便性などを考慮し、これらのガスに更にH2、He及び水素原子を含むケイ素化合物から選ばれる1種以上のガスを所望量混合して層形成することもできる。また、そのようなH2等の水素原子を含むガスは、水素原子供給用の原料ガスとしての役割も果たしている。ハロゲン原子供給用の原料ガスとしては、具体的には、フッ素ガス(F2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等のハロゲン間化合物、SiF4、Si26等のフッ化ケイ素を好ましいものとして挙げることができる。
また、光導電層の伝導性を制御する原子を導入するための原料物質として、第13族原子導入用の原料物質として、具体的には、ホウ素原子導入用としては、B26、B410、B59、B511、B610、B612、B614等の水素化ホウ素、BF3、BCl3、BBr3等のハロゲン化ホウ素等が挙げられ、その他に、AlCl3、GaCl3、Ga(CH3)3、InCl3、TlCl3等も第13族原子導入用の原料物質として挙げることができる。第15族原子導入用の原料物質として、具体的には、リン原子導入用としては、PH3、P24等の水素化リン、PF3、PF5、PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン化リン、及びPH4I等が挙げられ、この他に、AsH3、AsF3、AsCl3、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、BiBr3等も第15族原子導入用の原料物質として挙げることができる。
また、これらのハロゲン原子導入用原料ガスや伝導性を制御する原子導入用の原料物質は、膜の物性の制御性、ガスの供給の利便性などを考慮し、適宜選択して1種または2種以上を混合して用いることができ、必要に応じてH2および/またはHeにより希釈して使用してもよい。
これらの原料ガスを用いて所望の膜特性を有する光導電層を形成するには、Si供給用、ハロゲン添加用等のガスと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに基体温度を適宜設定することができる。希釈ガスとして使用するH2および/またはHeの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用ガスに対し、例えば3〜30倍、好ましくは4〜15倍、より好ましくは5〜10倍である。反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、例えば1×10-2〜1×103Pa、好ましくは5×10-2〜5×102Pa、より好ましくは1×10-1〜2×102Paである。放電電力もまた同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量[ml/min(normal)]に対する放電電力[W]の比を、例えば0.5〜8、好ましくは2〜6の範囲に設定することができる。さらに、基体の温度は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、例えば200〜350℃、好ましくは210〜330℃、より好ましくは220〜300℃である。これらの光導電層を形成するための基体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的かつ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが好ましい。
[表面層]
本発明における表面層は、主に350〜450nm波長光透過性、高解像度、連続繰り返し使用耐性、耐湿性、使用環境耐性、良好な電気特性などに関して良好な特性を得るために設けられており、プラス帯電用電子写真感光体の場合には帯電保持層としての役割も有している。マイナス帯電用電子写真感光体の場合にも、それ自体が帯電保持層としての役割を持ってもよいが、後述する上部電荷注入阻止層に帯電保持の機能を持たせ、表面層の組成設計の自由度を得ることとしてもよい。
表面層の材質としてはシリコンを含有する非単結晶材料ならば何れでもよいが、炭素、窒素、酸素より選ばれた元素を少なくとも1つ含むシリコン原子との化合物が好ましい。例えば、シリコン原子と炭素原子を母材とし、水素原子(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有する非単結晶材料(以下、a-SiC:H,Xと表すことがある)や、シリコン原子と窒素原子を母材とし、水素原子(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有する非単結晶材料(以下、a-SiN:H,Xと表すことがある)や、シリコン原子と酸素原子を母材とし、水素原子(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有する非単結晶材料(以下、a-SiO:H,Xと表すことがある)や、シリコン原子と、炭素、酸素、酸素の少なくとも一つの原子を母材とし、水素原子(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有する非単結晶材料(以下、a-SiCON:H,Xと表すことがある)等の材質が好適に用いられる。その中でも特に、a-SiC:H,Xやa-SiN:H,Xが好ましい。
表面層中に含有された水素原子または/およびハロゲン原子はシリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させる。水素含有量は、構成原子の総量に対して、例えば30〜70原子%、好ましくは35〜65原子%、より好ましくは40〜60原子%とされる。また、ハロゲン原子の含有量として、例えば0.01〜15原子%、好ましくは0.1〜10原子%、より好ましくは0.6〜4原子%とされる。
しかしながら表面層内の水素含有量を30原子%以上に制御することで表面層内の欠陥が大幅に減少し、その結果、従来に比べて電気的特性面および高速連続使用性において飛躍的な向上を図ることができる。一方、前記表面層中の水素含有量が70原子%を越えると表面層の硬度が低下するために、繰り返し使用に耐えられなくなる。従って、表面層中の水素含有量を前記の範囲内に制御することが格段に優れた所望の電子写真特性を得る上で非常に重要な因子の1つである。表面層中の水素含有量は、原料ガスの流量(比)、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御し得る。
表面層の層厚に関しては、表面層の材料によってそれぞれ好適な範囲が設定される。波長が350〜450nmの光透過性に優れる材料、例えばa-SiN:H,Xに関しては、例えば0.05〜3μm、好ましくは0.1〜2μm、より好ましくは0.15〜1μmである。層厚が0.05μm以上であれば保護層としての十分な強度が得られ、3μm以下であれば残留電位の増加がなく優れた電子写真特を得ることができる。一方、350〜450nm波長光に対して若干の吸収が見込まれる材料、例えば、a-SiC:H,Xに関しては、層厚が0.05μm以上であれば保護層としての十分な強度が得られるが、使用する電子写真プロセスに必要とされる感度によって上限が設定され、例えば0.05〜0.3μmが好適な範囲となる。
このような膜特性を有する表面層を形成するには、例えばグロー放電法などによって表面層を形成することができる。かかるグロー放電法としては、後述する高周波プラズマCVD装置を用いた方法を挙げることができ、内部を減圧できる反応容器内の載置台に光導電層を形成した基体を載置し、この反応容器内にシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、その他必要に応じて、窒素原子(N)を供給し得るN供給用の原料ガスや、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原料ガスや、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガス、ハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスとなどを、所望のガス状態で導入して、反応容器内にグロー放電を生起させ、光導電層上にシリコン原子、炭素原子、窒素原子、水素原子、ハロゲン原子などを含む非単結晶膜を形成する方法などを挙げることができる。
表面層を形成するには、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに基体の温度を適宜設定することができる。基体温度(Ts)は、層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、例えば150℃以上350℃以下、好ましくは180℃以上330℃以下、より好ましくは200℃以上300℃以下である。反応容器内の圧力も同様に層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、例えば1×10-2Pa以上1×103Pa以下、好ましくは5×10-2Pa以上5×102Pa以下、より好ましくは1×10-1Pa以上1×102Pa以下である。表面層を形成するための基体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが好ましい。
[下部電荷注入阻止層]
本発明においては、図5(b)および図5(c)の504に示すように、基体の上に基体側からの電荷の注入を阻止する働きのある下部電荷注入阻止層を設けるのが効果的である。下部電荷注入阻止層は感光体が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、基体側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有するものである。
下部電荷注入阻止層の材質としては、シリコン原子を母材とする非単結晶材料からなり、導電性を制御する不純物を光導電層に比べて比較的多く含有させることができる。電子写真感光体がプラス帯電用の場合、下部電荷注入阻止層に含有される不純物元素としては、周期表第13族元素を用いることができる。また、マイナス帯電用の場合は、下部電荷注入阻止層に含有される不純物元素としては、周期表第15族元素を挙げることができる。下部電荷注入阻止層中に含有される不純物元素の含有量率は、下部電荷注入阻止層中の構成原子の総量に対して、例えば10原子ppm以上10000原子ppm以下、好ましくは50原子ppm以上7000原子ppm以下、より好ましくは100原子ppm以上5000原子ppm以下である。
更に、下部電荷注入阻止層には、窒素、炭素、及び酸素を含有することによって、下部電荷注入阻止層と基体との間の密着性を向上させることができる。
また、下部電荷注入阻止層には層内に存在する未結合手と結合し膜質の向上を図ることができる水素原子を含有させるのが好ましい。下部電荷注入阻止層中に含有される水素原子の含有量は、下部電荷注入阻止層中の構成原子の総量に対して、例えば1原子%以上50原子%以下、好ましくは5原子%以上40原子%以下、より好ましくは10原子%以上30原子%以下である。
このような下部電荷注入阻止層の層厚は、所望の電子写真特性が得られること、及び、経済的効果等の点から、例えば0.1μm以上5μm以下、好ましくは0.3μm以上4μm以下、より好ましくは0.5μm以上3μm以下である。層厚を0.1μm以上5μm以下とすることにより、基体からの電荷の注入阻止能が充分となり、充分な帯電能が得られると共に電子写真特性の向上が期待でき、残留電位の上昇などを抑制することができる。
下部電荷注入阻止層を形成するには、グロー放電法などによることができ、かかるグロー放電法による下部電荷注入阻止層の形成においては、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに基体の温度を適宜設定することができる。基体温度(Ts)は、層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、例えば150℃以上350℃以下、好ましくは180℃以上330℃以下、より好ましくは200℃以上300℃以下である。反応容器内の圧力も同様に層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、例えば1×10-2Pa以上1×103Pa以下、好ましくは5×10-2Pa以上5×102Pa以下、より好ましくは1×10-1Pa以上1×102Pa以下である。下部電荷注入阻止層を形成するための基体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが好ましい。
[上部電荷注入阻止層]
本発明において、例えば図5(c)の505に示すように、光導電層と表面層の間に上部電荷注入阻止層を設けることが、マイナス帯電電子写真感光体の場合、その目的を効果的に達成するためには好ましい。本発明における上部電荷注入阻止層は、感光体がマイナス帯電処理をその自由表面に受けた際、表面層側からの電荷の注入を低減し、表面層における帯電能を向上させる機能を有する。
上部電荷注入阻止層の材質としては、母材としては表面層と同じ原子から構成され、不純物として周期表第13族元素を、光導電層に比べて比較的多く含有した材料が好ましい。
上部電荷注入阻止層を構成するシリコン原子と窒素原子を母体とするアモルファス材料には不純物として、周期表第13族元素を、光導電層に比べて比較的多く含有したものが好ましい。前記周期表第13族元素としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等を挙げることができ、このうち特にホウ素が取り扱い易さの点から好適である。上部電荷注入阻止層に含有される周期表第13族元素は、上部電荷注入阻止層に万偏なく均一に分布されていてもよく、あるいは層厚方向に不均一に分布する状態で含有されていてもよい。しかしながら、いずれの場合にも基体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含有されることが面内方向における特性の均一化を図る点からも必要である。上部電荷注入阻止層に含有される周期表第13族元素の含有量は、電子写真感光体に求められる特性にもより一概にはいえないが、構成原子の総量に対して、例えば30原子ppm以上5000原子ppm以下、好ましくは100原子ppm以上3000原子ppm以下の範囲である。
また、上部電荷注入阻止層には、水素原子および/またはハロゲン原子が含有されることが好ましい。水素原子および/またはハロゲン原子は、シリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させるためである。水素原子の含有率は、構成原子の総量に対して例えば30原子%以上70原子%以下、好ましくは35原子%以上65原子%以下、より好ましくは40原子%以上60原子%以下とすることができる。また、ハロゲン原子の含有率として、例えば0.01原子%以上15原子%以下、好ましくは0.1原子%以上10原子%以下、より好ましくは0.5原子%以上5原子%以下とすることができる。
上部電荷注入阻止層の層厚に関しては、母材の材料によってそれぞれ好適な範囲が設定される。波長が350〜450nmの光透過性に優れる材料、例えばa-SiN系の材料を母材として用いる場合は、例えば、5nm〜1μm、好ましくは10nm〜0.8μm、より好ましくは15nm〜0.5μmが好適な範囲となる。層厚が5nm以上であると、表面側からの電荷の注入阻止能が充分となって、充分な帯電能を得ることができる。また、層厚が1μm以下であれば良好な感度特性を得ることができる。一方、350〜450nm波長光に対して若干の吸収が見込まれる材料、例えば、a-SiC系の材料を母材として用いる場合は、下限に関しては、5nm以上であると、表面側からの電荷の注入阻止能が充分となって、充分な帯電能が得られ、例えば、5nm以上、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上とすることができる。上限に関しては、使用する電子写真プロセスに必要とされる感度によって設定され、例えば、0.1μm以下、好ましくは0.08μm以下、より好ましくは0.05以下とすることができる。
上部電荷注入阻止層は光導電層側から表面層に向かって組成を連続的に変化させることも好ましく、密着性の向上や干渉防止等に効果がある。
上部電荷注入阻止層を形成するには、グロー放電法などによることができ、かかるグロー放電法による上部電荷注入阻止層の形成においては、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに基体の温度を適宜設定することができる。基体温度(Ts)は、層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、例えば150℃以上350℃以下、好ましくは180℃以上330℃以下、より好ましくは200℃以上300℃以下である。反応容器内の圧力も同様に層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、例えば1×10-2Pa以上1×103Pa以下、好ましくは5×10-2Pa以上5×102Pa以下、より好ましくは1×10-1Pa以上1×102Pa以下である。上部電荷注入阻止層を形成するための基体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが好ましい。
(a-Si感光体の製造装置)
次に、本発明の電子写真装置に好適な電子写真感光体の製造に使用することができる装置、および、これを用いた電子写真感光体の製造方法について、以下に説明する。
図6に、電源周波数としてRF帯を用いた高周波プラズマCVD法(RF-PCVDとも略記する)による電子写真感光体の製造装置の一例を、模式的に示した構成図である。
この装置は、大別すると、堆積装置6100、原料ガスの供給系6200、反応容器6111内を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置6100中の反応容器6111内には円筒状基体6112を載置する載置台6110、基体加熱用ヒーター6113、原料ガス導入管6114が設置され、更に高周波マッチングボックス6115を介して高周波電源6120が反応容器を兼ねるカソード電極6111に接続されている。
原料ガス供給装置6200は、原料ガスのボンベ6221〜6226とバルブ6231〜6236、6241〜6246、6251〜6256、及び、マスフローコントローラー6211〜6216から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ6260を介して反応容器6111内のガス導入管6114に接続されている。
この装置を用いた堆堆膜の形成は、例えば以下のような手順によって行われる。
まず、反応容器6111内に円筒状基体6112を設置し、例えば真空ポンプなどの排気装置(図示せず)により反応容器6110内を排気する。続いて、基体加熱用ヒーター6113により円筒状基体6112の温度を200℃乃至350℃の所定の温度に制御する。
次に、堆積膜形成用の原料ガスを、ガス供給装置6200により流量制御し、反応容器6111内に導入する。そして、排気速度を調整することにより所定の圧力に設定する。
以上のようにして堆積の準備が完了した後、以下に示す手順で各層の形成を行う。
内圧が安定したところで、高周波電源6120を所望の電力に設定して、高周波マッチングボックス6115を通じてカソード電極6111に供給し高周波グロー放電を生起させる。放電に用いる周波数は1〜30MHzのRF帯が好適に使用できる。
この放電エネルギーによって反応容器6111内に導入された各原料ガスが分解され、円筒状基体6112上に所定のシリコン原子を主成分とする堆積膜が形成される。所望の膜厚の形成が行われた後、高周波電力の供給を止め、ガス供給装置の各バルブを閉じて反応容器6110への各原料ガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の感光層が形成される。また、膜形成の均一化を図るために、層形成を行っている間は、円筒状基体6112を駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効である。さらに、上述のガス種およびバルブ操作は各々の層の作製条件にしたがって変更が加えられることは言うまでもない。
以下、実施例、及び、比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらによって何ら限定されるものではない。
[実施例1、及び、比較例1〜3]
図6に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)上に、下部電荷注入阻止層、光導電層、及び、表面層からなる堆積膜を順次積層し、図5(b)に示した層構成で、光導電層の膜厚のみが異なる4本の感光体(実施例1、及び、比較例1〜3)を製作した。光導電層の膜厚以外の成膜条件は、表1に示した条件とし、光導電層の膜厚は、比較例1、2が30μm、実施例1、比較例3が20μmとなるように光導電層の成膜時間を調整した。
Figure 2006235521
※本文中に記載の膜厚になるように成膜時間を調整した。
一方、電子写真装置としては、図3に示した構成の電子写真装置を2台(電子写真装置A、及び、B)準備した。
電子写真装置Aは、キヤノン製電子写真装置iRC-6800を実験用に改造した装置であり、具体的には、露光系の光源を発振波長405nmの半導体レーザに改造し、解像度を1200dpiに改造し、ドラム面における照射スポット径を30μmに改造した装置である。この電子写真装置Aは、画像特性の評価用装置として使用した。電子写真装置Aの、画像露光方式は、非画像部(背景部)を露光するバックグラウンド露光方式(以下、BAE方式という。) であり、感光体の帯電極性がプラス帯電であり、トナーにはネガトナーを使用した。このようなBAE方式では、現像機構、クリーニング機構、現像剤等をアナログ方式の電子写真装置と共通化できるというメリットを有している。また、感光体の周速度(プロセススピード)を、273mm/s、感光体の回転周期は、0.97sである。また、レーザ光の波長を実測した結果、406nmであった。
また、電子写真装置Bは、キヤノン製電子写真装置iRC-6800を実験用に改造した装置であり、具体的には、露光光学系を後述する図10(b)に示した構成になるように改造し、光源に発振波長442nmの高出力He-Cdレーザを用い、解像度を1200dpiに改造し、ドラム面における照射スポット径を30μmに改造し、第1現像器、第2現像器、中間転写ベルト、及び、感光体クリーナを取り外した装置である。この電子写真装置Bは、空回転試験用の装置として使用した。
一般的に電子写真装置に用いられる露光光学系の構成は、図10(a)に模式的に示したように、半導体レーザ基板1001から出射されたレーザ光が、光源光学系1002によって回転多面鏡1003に導かれ、回転多面鏡1003によって偏向された後、走査光学系1004によって感光体の表面に導かれ、画像露光として感光体に照射する構成になっている。これに対して、電子写真装置Bは、図10(b)に模式的に示したように、レーザ光源を高出力のHe-Cdレーザ1005とし、出射されたレーザ光は、チョッパ1006によってOn/Off制御された後、光源光学系1002に導かれる構成とした。
製作した感光体を、上述の電子写真装置Aに搭載し、電子写真プロセスにおける電位設定条件として、
条件1:第2現像位置における、暗部電位(画像露光オフのときの電位)を450V、
明部電位(画像露光オンのときの電位)を100Vとし、
電位コントラストを350Vとした条件
条件2:第2現像位置における、暗部電位(画像露光オフのときの電位)を300V、
明部電位(画像露光オンのときの電位)を100Vとし、
電位コントラストを200Vとした条件
の2種類とし、比較例1、3については条件1、比較例2、実施例1については条件2として、初期状態における画像特性評価を行った。画像特性評価の方法は、
(1)各色の画素密度が10%の4色ハーフトーン画像
(2)各色の画素密度が30%の4色ハーフトーン画像
(3)各色の画素密度が50%の4色ハーフトーン画像
(4)単色で画素密度が0〜100%まで段階的に変化する階調パターン
(5)2ポイントサイズ、及び、3ポイントサイズで、アルファベット(A〜Z)や
複雑な漢字(電、驚など)を配列したテストチャート
をA3用紙に1000枚づつ出力し、以下の項目について評価した。
1、濃度均一性
画像(1)〜画像(3)を用い、A3用紙全面における濃度の均一性を評価した。各色ごとに濃度ムラがある場合、それらを重ね合わせると色味の違いとして、濃度ムラが強調されるので、単色ハーフトーンよりも4色ハーフトーンでの評価の方が、より厳しい評価となる。
2、孤立ドット再現性
画像(1)〜画像(4)を光学顕微鏡にて拡大して観察し、画素密度が低いハイライト部分において孤立しているドットの大きさやそのバラツキを評価した。
3、濃度階調性
画像(4)を用い、画素密度に対する画像濃度のリニアリティについて評価した。
4、解像度
画像(5)を光学顕微鏡にて拡大観察し、文字の解像度を評価した。
5、濃度安定性
画像(1)〜画像(4)を用い、1枚目から1000枚目までの画像濃度の変動を評価した。
その後、感光体を一旦取り外して、電子写真装置Bに搭載し直し、感光体の周速度(プロセススピード)を273mm/s、感光体の回転周期を0.97sで感光体を回転させ、電子写真装置Aと同じ帯電条件で感光体を帯電させ、露光条件は電子写真装置Aの条件からレーザ光のエネルギー量が10倍になるようにHe-Cdレーザの出力を調整し、チョッパによりOn/Offのデューティ比(On時間と周期の比、On時間/(On時間+Off時間)×100)を85%、周波数10kHzでOn/Offさせて、レーザ光を照射する空回転試験を行った。このような、画像露光のエネルギー量を増やした条件で、帯電、露光等の潜像形成プロセスを繰り返す空回転試験を行うことで、露光により感光体に与える影響に関しては、より厳しい条件での空回転試験となる。
本発明者らのさまざまな検討の結果、a-Si系の感光体に対しては、そのように露光エネルギー量を増やした条件で潜像形成プロセスを繰り返した場合と、露光エネルギー量を増やさない条件で潜像形成プロセスの繰り返し数を増やした場合とで、ほぼ同等の影響を受けることがわかった。そこで、本実施例においては、露光エネルギー量を増やした条件で空回転試験を行うことで、より少ない回転数で、露光エネルギー量を増やさない条件、即ち、通常の露光エネルギー条件でより多くの空回転を行った場合の評価結果を得る、加速的な評価を行った。このような加速試験を行うことによって、通紙耐久等を行うことなく、耐久後の感光体特性についての評価結果を得ることができる。そして、50万回転、および、100万回転の空回転試験後に、感光体を電子写真装置Aに搭載し直し、初期と同じ画像評価を行った。
その結果、まず、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、4本とも、初期、50万回転の空回転後、100万回転の空回転後においても、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。これに対し、濃度安定性については、空回転とともに異なる結果となった。表2に、濃度安定性を、
A:ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たし、非常に良い。
B:並べて比較しても、ほとんど濃度変動は確認できない程度で、十分良い。
C:並べて比較すると僅かに濃度変動が確認できるが、良い。
D:視察でも濃度変動が確認できるが、従来のオフィスカラー機などでは十分に許容できる。
E:実用上問題となる場合がある。
からなる判定基準で判定したまとめを示す。
Figure 2006235521
表2から明らかなように、比較例1については濃度安定性が低下し、耐久とともに評価ランクが下がる結果が得られた。これに対し、比較例2のように電位コントラストを低く設定したり、比較例3のように光導電層膜厚を薄膜化したりすることで、比較例1に比べて濃度安定性の低下が改善することが分かった。更に、電位コントラストを低く設定し且つ光導電層膜厚を薄膜化した実施例1では、濃度安定性の評価ランクを下げることなく、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満足する非常によい状態を長期間にわたって維持できることがわかった。
[実施例2〜4、及び、比較例4〜6]
実施例1と同様に、図6に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)上に、下部電荷注入阻止層、光導電層、及び、表面層からなる堆積膜を順次積層し、図5(b)に示した層構成で、光導電層の膜厚のみが異なる6本の感光体(実施例2〜4、及び、比較例4〜6)を製作した。実施例1と同様に、光導電層の膜厚以外の成膜条件は、表1に示した条件とし、光導電層の膜厚は、比較例4〜6が30μm、実施例2〜4が20μmとなるように光導電層の成膜時間を調整した。
製作した感光体を、実施例1で使用した電子写真装置Aと同様の構成の電子写真装置に搭載し、第2現像器位置における電位設定条件を、表3に示す条件となる帯電条件及び画像露光条件を求めた。その後、感光体を一旦取り外して、実施例1で使用した電子写真装置Bにと同様の構成の電子写真装置に搭載し直し、帯電条件は先に求めた帯電条件とし、露光条件に関しては先に求めた条件からレーザ光のエネルギー量が10倍となる条件として、それ以外は、実施例1と同様の方法で、空回転試験を行った。そして、100万回転の空回転後において、感光体を初期状態の画像特性評価を行った電子写真装置に搭載し直し、実施例1と同様の画像特性評価を行った。
まず、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、6本とも、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性については、比較例1をリファレンス、即ち、100%とした相対評価を行い、次に示す判定基準で判定した。
SS:50%以下、(50%以上改善された)
S:51〜60%、(40%以上改善された)
AA:61〜70%、(30%以上改善された)
A:71〜80%、(20%以上改善された)
B:81〜95%、(20%未満の改善された)
C:96〜105%、(略リファレンスと同等)
D:106%以上で、実用上問題となる場合がある。
この判定基準において、Aランク以上でピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす非常に良い画像を得ることができ、AA、S、SSランクは、更に良いレベルであることを示している。その結果を表3に示し、また、グラフ化して表したものを図7に示す。また、表3中には、実施例1、及び、比較例1〜3における評価結果も合わせて示している。図7には、それらのデータも含めてプロットしている。
Figure 2006235521
表3、及び、図7から明らかなように、同じ光導電層膜厚で比較すると、電位コントラストの低下ともに、濃度安定性が改善する傾向があることがわかる。光導電層膜厚が20μmの感光体においては、電位コントラストを300V以下にすれば20%以上濃度安定性を向上できることがわかり、この範囲とすることで、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満足することがわかった。
その一方で、光導電層膜厚が30μmの感光体で、低電位コントラスト化をした場合は6〜7%程度しか濃度安定性が改善できておらず、また、電位コントラストは従来のままで薄膜化だけ行った感光体比較例6に関しても6%の向上しかなされておらず、光導電層の薄膜化や低電位コントラスト化の単独の効果では、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満足するには不十分であった。これらの事実より、実施例2〜5が、20%以上改善でき、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満足できるようになったのは、薄膜化と低電位コントラスト化を組み合わせたことにより、何らかの相乗効果が働いた結果であると考えられる。
[実施例5〜8、及び、比較例7〜11]
実施例1と同様に、図6に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)上に、下部電荷注入阻止層、光導電層、及び、表面層からなる堆積膜を順次積層し、図5(b)に示した層構成で、光導電層の膜厚のみが異なる9本の感光体(実施例5〜8、及び、比較例7〜11)を製作した。実施例1と同様に、光導電層の膜厚以外の成膜条件は、表1に示した条件とし、光導電層の膜厚は、表4に示す膜厚となるように光導電層の成膜時間を調整した。
製作した感光体を、実施例1で使用した電子写真装置Aと同様の構成の電子写真装置に搭載し、第2現像器位置における電位設定条件を、表4に示す条件となる帯電条件及び画像露光条件を求めた。表4中に示したように、比較例10に関しては、暗部電位を450Vとすることが困難であったため、暗部電位を400Vとし、その分電位コントラストを他のドラムと同一条件とするため、明部電位を50Vとした。また、比較例11に関しては、電位コントラストを350V確保する条件において十分な暗部電位が確保できず、他の感光体と比較できる条件での実験ができなかった。また、実施例5〜8に関しては、帯電手段に過剰な負荷をかけることなく無理のない条件でコントラスト電位を確保するため、明部電位を50Vとし、暗部電位は表4に記載の値とした。その後、感光体を一旦取り外して、実施例1で使用した電子写真装置Bにと同様の構成の電子写真装置に搭載し直し、帯電条件は先に求めた帯電条件とし、露光条件に関しては先に求めた条件からレーザ光のエネルギー量が10倍となる条件として、それ以外は、実施例1と同様の方法で、空回転試験を行った。そして、100万回転の空回転後において、感光体を初期状態の画像特性評価を行った電子写真装置に搭載し直し、実施例1と同様の画像特性評価を行った。
まず、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、9本とも、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性については、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果を表4に示し、また、グラフ化して表したものを図8に示す。また、表4中には、実施例1、2、及び、比較例1〜4における評価結果も合わせて示している。図8には、それらのデータも含めてプロットしている。
Figure 2006235521
※比較例11は、電位コントラストを350V確保する条件で十分な暗部電位が確保できず、他の感光体と比較できる条件での実験ができなかった。
表4、図8から明らかなように、同じ電位コントラストで比較すると、光導電層膜厚の薄膜化ともに、濃度安定性が改善する傾向があることがわかる。電位コントラストを300Vとした場合において、光導電層膜厚を20μm以下にすれば20%以上濃度安定性を向上できることがわかり、この範囲とすることで、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満足することがわかった。
その一方で、電位コントラストが350Vの場合において、光導電層膜厚を薄膜化した場合は6〜7%程度しか濃度安定性が改善できておらず、また、光導電層膜厚は従来のままで低コントラスト化だけ行った場合に関しても6〜7%の低減しかなされておらず、光導電層の薄膜化や低電位コントラスト化の単独の効果では、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満足するには不十分であった。これらの事実より、実施例1、2、5〜8が、20%以上改善でき、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満足できるようになったのは、薄膜化と低電位コントラスト化を組み合わせたことにより、何らかの相乗効果が働いた結果であると考えられる。
[実施例9]
実施例6と同様の条件において、感光体を製作した。
本実施例においては、実施例1で使用した電子写真装置Aに対し、解像度とスポット径のみを2400dpi、15μmとなるように、更に改造した電子写真装置9Aと、実施例1で使用した電子写真装置Bに対し、解像度とスポット径のみを2400dpi、15μmとなるように、更に改造した電子写真装置9Bを準備した。
そして、製作した感光体を上述の電子写真装置9Aに搭載し、第2現像器位置における暗部電位を300V、明部電位を100Vとし、電位コントラストを200Vとなる帯電条件及び画像露光条件を求めた。その後、感光体を一旦取り外して、電子写真装置9Bに搭載し直し、帯電条件は先に求めた帯電条件とし、露光条件に関しては先に求めた条件からレーザ光のエネルギー量が10倍となる条件として、それ以外は、実施例1と同様の方法で、空回転試験を行った。そして、100万回転の空回転後において、電子写真装置9Aに搭載し直し、実施例1と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表5に示したとおりである。
[実施例10]
実施例6と同様の条件において、感光体を製作した。
本実施例においては、実施例1で使用した電子写真装置Aに対し、解像度とスポット径のみを3600dpi、10μmとなるように、更に改造した電子写真装置10Aと、実施例1で使用した電子写真装置Bに対し、解像度とスポット径のみを3600dpi、10μmとなるように、更に改造した電子写真装置10Bを準備した。
そして、製作した感光体を上述の電子写真装置10Aに搭載し、第2現像器位置における暗部電位を300V、明部電位を100Vとし、電位コントラストを200Vとなる帯電条件及び画像露光条件を求めた。その後、感光体を一旦取り外して、電子写真装置10Bに搭載し直し、帯電条件は先に求めた帯電条件とし、露光条件に関しては先に求めた条件からレーザ光のエネルギー量が10倍となる条件として、それ以外は、実施例1と同様の方法で、空回転試験を行った。そして、100万回転の空回転後において、電子写真装置10Aに搭載し直し、実施例1と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表5に示したとおりである。
Figure 2006235521
表5から明らかなように、実施例9、10に示した構成では、リファレンスに比べて20%以上濃度安定性を改善でき、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満足する品質が得られた。
また、解像度を高くしたことにより、画像においてもより高解像な画像が得られた。しかしながら、これ以上解像度をアップさせても、スポット径がトナーの粒径より小さくなってしまい、更に高解像な画像を得るには至らなかった。
[実施例11、12]
図6に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)上に、下部電荷注入阻止層、光導電層、及び、表面層からなる堆積膜を順次積層し、図5(b)に示した層構成となり、表面層の膜厚のみが異なる2本の感光体(実施例11、12)を製作した。表面層の膜厚以外の成膜条件は、表6に示した条件とし、表面層の膜厚は、実施例11が0.05μm、実施例12が0.3μmとなるように表面層の成膜時間を調整した。
Figure 2006235521
※本文中に記載の膜厚になるように成膜時間を調整した。
本実施例においては、製作した感光体を実施例1で使用した電子写真装置Aと同様の構成の電子写真装置に搭載し、第2現像器位置における暗部電位を300V、明部電位を100Vとし、電位コントラストを200Vとなる帯電条件及び画像露光条件を求めた。その後、感光体を一旦取り外して、実施例1で使用した電子写真装置Bにと同様の構成の電子写真装置に搭載し直し、帯電条件は先に求めた帯電条件とし、露光条件に関しては先に求めた条件からレーザ光のエネルギー量が10倍となる条件として、それ以外は、実施例1と同様の方法で、空回転試験を行った。そして、100万回転の空回転後において、電子写真装置10Aに搭載し直し、実施例1と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は表7に示したとおりであり、リファレンスに比べて20%以上濃度安定性を改善でき、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満足する品質が得られた。
また、表面層膜厚を0.3μmよりも厚くした場合においては、表面層による吸収が大きくなり、電子写真プロセスに必要な感度を十分に得るには、レーザパワーを過度に上げる必要があった。表面層膜厚が0.05μmよりも薄くした場合においては、保護層としての強度が不足する傾向があった。
Figure 2006235521
[実施例13]
実施例6と同様の条件において、プラス帯電の感光体を製作した。
本実施例においては、実施例1で使用した電子写真装置Aに対し、画像露光方式のみを画像部を露光するイメージエリア露光方式(以下、IAE方式という。)となるように、更に改造した電子写真装置13Aと、実施例1で使用した電子写真装置Bに対し、画像露光方式のみをIAE方式となるように、更に改造した電子写真装置13Bを準備した。このようなIAE方式では、画像部に直接露光をする方式であるため、潜像形成のラティテュードが広く、高画質化という観点では有利な方式である。
そして、製作した感光体を上述の電子写真装置13Aに搭載し、第2現像器位置における暗部電位を300V、明部電位を100Vとし、電位コントラストを200Vとなる帯電条件及び画像露光条件を求めた。その後、感光体を一旦取り外して、電子写真装置13Bに搭載し直し、帯電条件は先に求めた帯電条件とし、露光条件に関しては先に求めた条件からレーザ光のエネルギー量が10倍となる条件とし、IAE方式の潜像形成プロセスと同等の条件とするためにレーザ光のOn/Offデューティ比を15%となるようにチョッパの回転条件を調整して、それ以外は、実施例1と同様の方法で、空回転試験を行った。そして、100万回転の空回転後において、電子写真装置13Aに搭載し直し、実施例1と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表10に示したとおりである。
[実施例14]
図6に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)上に、下部電荷注入阻止層、光導電層、及び、表面層からなる堆積膜を順次積層し、図5(b)に示した層構成となるように、表8に示した条件でプラス帯電の感光体を製作した。本実施例においては、表面層の材質としてa-SiN:H系の材料を用いた。
Figure 2006235521
そして、電子写真装置としては、実施例13と同様の構成の電子写真装置を準備し、製作した感光体について、実施例13と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表10に示したとおりである。
[実施例15]
図6に示したプラズマCVD装置を用い、直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)上に、下部電荷注入阻止層、光導電層、上部電荷注入阻止層、及び、表面層からなる堆積膜を順次積層し、図5(c)に示した層構成となるように、表9に示した条件で、マイナス帯電の感光体を製作した。
Figure 2006235521
本実施例においては、実施例13で使用した電子写真装置13Aに対し、帯電器の帯電極性をマイナスとなるように更に改造し、トナーにネガトナーを使用した電子写真装置15Aと、実施例13で使用した電子写真装置13Bに対し、帯電器の帯電極性をマイナスとなるように更に改造し、トナーにネガトナーを使用した電子写真装置15Bを準備した。
そして、製作した感光体に対して、電子写真装置15A、15Bを用いて、それ以外は実施例13と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表10に示したとおりである。
[実施例16]
実施例6と同様の条件において、プラス帯電の感光体を製作した。
本実施例においては、実施例13で使用した電子写真装置13Aに対し、露光系の光源を発振波長415nmの半導体レーザとなるように更に改造した電子写真装置16Aと、実施例13で使用した電子写真装置13Bに対し、露光系の光源を発振波長415nmの半導体レーザとなるように更に改造した電子写真装置16Bを準備した。
それらのレーザ素子としては、電子写真装置13Aおよび13Bに搭載のレーザ素子と基本的には同一種類のものであるが、レーザ素子個体差のバラツキの中から選別して、発振波長の実測値で415nmとなるレーザ素子を使用した。
そして、製作した感光体に対して、電子写真装置16A、16Bを用いて、それ以外は実施例13と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表10に示したとおりである。
[実施例17]
実施例6と同様の条件において、プラス帯電の感光体を製作した。
本実施例においては、実施例13で使用した電子写真装置13Aに対し、露光系の光源を発振波長401nmの半導体レーザとなるように更に改造した電子写真装置17Aと、実施例13で使用した電子写真装置13Bに対し、露光系の光源を発振波長401nmの半導体レーザとなるように更に改造した電子写真装置17Bを準備した。
それらのレーザ素子としては、実施例16と同様に、電子写真装置13Aおよび13Bに搭載のレーザ素子と基本的には同一種類のものであるが、レーザ素子個体差のバラツキの中から選別して、発振波長の実測値で401nmとなるレーザ素子を使用した。
そして、製作した感光体に対して、電子写真装置17A、17Bを用いて、それ以外は実施例13と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表10に示したとおりである。
Figure 2006235521
表10から明らかなように、実施例13〜17に示した構成では、リファレンスに比べて30%以上濃度安定性を改善でき、実施例1〜12に示した構成と比べても、本実施例の構成は、更に顕著に濃度安定性の向上効果が得られ、ワンランク高い評価結果が得られることがわかった。
[実施例18〜20]
実施例6と同様の条件において、3本のプラス帯電の感光体(実施例18〜20)を製作した。
本実施例においては、実施例13で使用した電子写真装置13Aに対し、感光体の周速度を可変にできるように更に改造した電子写真装置18Aと、実施例13で使用した電子写真装置13Bに対し、感光体の周速度を可変にできるように更に改造した電子写真装置18Bを準備した。
そして、製作した感光体に対して、電子写真装置17A、17Bを用いて、感光体の周速度を表11に示した条件とし、それ以外は実施例13と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表11に示したとおりである。
[実施例21]
図6に示したプラズマCVD装置を用い、直径180mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)を用い、基体の直径以外は実施例6と同様の条件でプラス帯電の感光体を製作した。
本実施例においては、製作した感光体が搭載できる大きさで、図3に示した構成の電子写真装置を2台(電子写真装置21A、21B)準備した。
電子写真装置21Aは、感光体の直径と周速度以外は、実施例13で使用した電子写真装置13Aと同じ構成となるように作製した電子写真装置であり、具体的には、露光系の光源に発振波長が実測値で406nmの半導体レーザ素子を使用し、解像度を1200dpiとし、ドラム面における照射スポット径を30μmとし、帯電極性はプラスとし、画像露光方式はIAE方式とし、トナーにはネガトナーを使用し、感光体の周速度に関しては、表11に示した条件とした。
また、電子写真装置21Bは、感光体の直径と周速度以外は、実施例13で使用した電子写真装置13Bと同じ構成となるように作製した電子写真装置であり、具体的には、露光光学系を図10(b)に示した構成とし、光源に発振波長442nmの高出力He-Cdレーザを用い、レーザ光のOn/Offデューティ比を15%とし、解像度を1200dpiとし、ドラム面における照射スポット径を30μmとし、帯電極性はプラスとし、感光体の周速度に関しては、表11に示した条件とした。
そして、製作した感光体に対して、電子写真装置21A、21Bを用いて、感光体の周速度を表11に示した条件とし、それ以外は実施例13と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表11に示したとおりである。
[実施例22]
図6に示したプラズマCVD装置を用い、直径210mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(基体)を用い、基体の直径以外は実施例6と同様の条件でプラス帯電の感光体を製作した。
本実施例においては、実施例21と同様に、製作した感光体が搭載できる大きさで、図3に示した構成の電子写真装置を2台(電子写真装置22A、22B)準備した。
電子写真装置22Aは、感光体の直径と周速度以外は、実施例13で使用した電子写真装置13Aと同じ構成となるように作製した電子写真装置であり、具体的には、露光系の光源に発振波長が実測値で406nmの半導体レーザ素子を使用し、解像度を1200dpiとし、ドラム面における照射スポット径を30μmとし、帯電極性はプラスとし、画像露光方式はIAE方式とし、トナーにはネガトナーを使用し、感光体の周速度に関しては、表11に示した条件とした。
また、電子写真装置22Bは、感光体の直径と周速度以外は、実施例13で使用した電子写真装置13Aと同じ構成となるように作製した電子写真装置であり、具体的には、露光光学系を図10(b)に示した構成とし、光源に発振波長442nmの高出力He-Cdレーザを用い、レーザ光のOn/Offデューティ比を15%とし、解像度を1200dpiとし、ドラム面における照射スポット径を30μmとし、帯電極性はプラスとし、感光体の周速度に関しては、表11に示した条件とした。
そして、製作した感光体に対して、電子写真装置22A、22Bを用いて、感光体の周速度を表11に示した条件とし、それ以外は実施例13と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表11に示したとおりである。
また、実施例13、及び、実施例18〜22の結果を元に、感光体の回転周期と濃度安定性の相関についてプロットしたグラフを、図9に示す。
Figure 2006235521
表11、及び、図9から明らかなように、感光体の回転周期が長くなるとともに、濃度安定性が更に改善する傾向があることがわかる。感光体の回転周期が1.2秒より長い実施例19〜22の構成では、リファレンスに比べて40%以上濃度安定性が改善されており、実施例1〜18に示した構成と比べても、より顕著に濃度安定性の向上効果が得られており、更にワンランク高い評価結果が得られることがわかった。
この理由としては、まだ明確にはわかっていないが、回転周期が短い場合においては、光生成キャリアの移動によって与えられたダメージが十分緩和される前に次の露光工程が行われるため、ダメージが蓄積され易いのではないかと推察している。このため、回転周期を長くしていくことによって、ダメージの緩和時間が長くなり、そのことが濃度安定性の改善に関係しているのではないかと考えている。
[実施例23]
実施例6と同様の条件において、プラス帯電の感光体を製作した。
本実施例においては、実施例13で使用した電子写真装置13Aに対し、画像露光の光源をピーク波長405nmの自己走査型発光素子(SLED:Self-scanning Light Emitting Diode)を用いるように更に改造した電子写真装置23Aと、実施例13で使用した電子写真装置13Bに対し、画像露光の光源をピーク波長405nmの自己走査型発光素子(SLED:Self-scanning Light Emitting Diode)を用いるように更に改造した電子写真装置23Bを準備した。
そして、製作した感光体に対して、電子写真装置23A、23Bを用いて、それ以外は実施例13と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表12に示したとおり、本実施例の構成では、リファレンスに比べて40%以上濃度安定性を改善でき、実施例1〜18に示した構成と比べても、より顕著に濃度安定性の向上効果が得られており、更にワンランク高い評価結果が得られることがわかった。
この理由としては、まだ明確にはわかっていないが、レーザ光は、光の位相が揃ったコヒーレントな光であるため、同じ露光量の光を照射した場合、非コヒーレントな光を放出するLEDアレイに比べてダメージが形成され易いのではないかと推察している。このため、画像露光光源に、LEDアレイを用いることで、光照射によるダメージが小さくでき、そのことが濃度安定性の向上に関係しているのではないかと考えている。
Figure 2006235521
[実施例24]
実施例6と同様の条件において、プラス帯電の感光体を製作した。
一方、電子写真装置としては、図1に示した構成の電子写真装置を2台(電子写真装置24A、24B)準備した。
電子写真装置24Aは、露光光学系を図10(a)に示した構成とし、光源にピーク波長405nmの自己走査型発光素子(SLED:Self-scanning Light Emitting Diode)を使用し、解像度を1200dpi、ドラム面におけるスポット径を30μmとし、帯電極性をプラスとし、画像露光方式をIAE方式とし、トナーにはポジトナーを使用した。また、感光体の周速度(プロセススピード)を、220mm/sとし、感光体の回転周期は、1.2sとした装置である。この電子写真装置24Aは、画像特性の評価用装置として使用した。
また、電子写真装置24Bは、電子写真装置24Aに対して、露光光学系を図10(b)に示した構成とし、光源に発振波長442nmの高出力He-Cdレーザを用い、レーザ光のOn/Offデューティ比を15%とし、現像器、転写ドラム、感光体クリーナを取り外した装置である。この電子写真装置24Bは、空回転試験用の装置として使用した。
そして、製作した感光体を上述の電子写真装置24Aに搭載し、現像器位置における暗部電位を300V、明部電位を100Vとし、電位コントラストを200Vとなる帯電条件及び画像露光条件を求めた。その後、感光体を一旦取り外して、電子写真装置24Bに搭載し直し、帯電条件は先に求めた帯電条件とし、露光条件に関しては先に求めた条件からレーザ光のエネルギー量が10倍となる条件として、それ以外は、実施例13と同様の方法で、空回転試験を行った。そして、100万回転の空回転後において、電子写真装置24Aに搭載し直し、実施例13と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表13に示したとおりである。
[実施例25]
実施例6と同様の条件において、プラス帯電の感光体を製作した。
一方、電子写真装置としては、図2に示した構成の電子写真装置を2台(電子写真装置25A、25B)準備した。
電子写真装置25Aは、露光光学系を図10(a)に示した構成とし、光源にピーク波長430nmの自己走査型発光素子(SLED:Self-scanning Light Emitting Diode)を使用し、解像度を1200dpi、ドラム面におけるスポット径を30μmとし、帯電極性をプラスとし、画像露光方式をIAE方式とし、トナーにはポジトナーを使用した。また、感光体の周速度(プロセススピード)を、220mm/sとし、感光体の回転周期は、1.2sとした装置である。この電子写真装置25Aは、画像特性の評価用装置として使用した。
また、電子写真装置25Bは、電子写真装置25Aに対して、露光光学系を図10(b)に示した構成とし、光源に発振波長442nmの高出力He-Cdレーザを用い、レーザ光のOn/Offデューティ比を15%とし、現像器、転写ドラム、感光体クリーナを取り外した装置である。この電子写真装置25Bは、空回転試験用の装置として使用した。
そして、製作した感光体を上述の電子写真装置25Aに搭載し、第4現像器位置における暗部電位を300V、明部電位を100Vとし、電位コントラストを200Vとなる帯電条件及び画像露光条件を求めた。その後、感光体を一旦取り外して、電子写真装置25Bに搭載し直し、帯電条件は先に求めた帯電条件とし、露光条件に関しては先に求めた条件からレーザ光のエネルギー量が10倍となる条件として、それ以外は、実施例13と同様の方法で、空回転試験を行った。そして、100万回転の空回転後において、電子写真装置25Aに搭載し直し、実施例13と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表13に示したとおりである。
[実施例26]
実施例6と同様の条件において、プラス帯電の感光体を製作した。
一方、電子写真装置としては、図3に示した構成の電子写真装置を2台(電子写真装置26A、26B)準備した。
電子写真装置26Aは、露光光学系を図10(a)に示した構成とし、光源にピーク波長375nmの自己走査型発光素子(SLED:Self-scanning Light Emitting Diode)を使用し、解像度を1200dpi、ドラム面におけるスポット径を30μmとし、帯電極性をプラスとし、画像露光方式をIAE方式とし、トナーにはポジトナーを使用した。また、感光体の周速度(プロセススピード)を、220mm/sとし、感光体の回転周期は、1.2sとした装置である。この電子写真装置26Aは、画像特性の評価用装置として使用した。
また、電子写真装置26Bは、電子写真装置26Aに対して、露光光学系を図10(b)に示した構成とし、光源に発振波長442nmの高出力He-Cdレーザを用い、レーザ光のOn/Offデューティ比を15%とし、現像器、転写ドラム、感光体クリーナを取り外した装置である。この電子写真装置26Bは、空回転試験用の装置として使用した。
そして、製作した感光体を上述の電子写真装置26Aに搭載し、第2現像器位置における暗部電位を300V、明部電位を100Vとし、電位コントラストを200Vとなる帯電条件及び画像露光条件を求めた。その後、感光体を一旦取り外して、電子写真装置26Bに搭載し直し、帯電条件は先に求めた帯電条件とし、露光条件に関しては先に求めた条件からレーザ光のエネルギー量が10倍となる条件として、それ以外は、実施例13と同様の方法で、空回転試験を行った。そして、100万回転の空回転後において、電子写真装置26Aに搭載し直し、実施例13と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表13に示したとおりである。
[実施例27]
実施例6と同様の条件において、プラス帯電の感光体を製作した。
一方、電子写真装置としては、図4に示した構成の電子写真装置を2台(電子写真装置27A、27B)準備した。
電子写真装置27Aは、露光光学系を図10(a)に示した構成とし、光源にピーク波長365nmの自己走査型発光素子(SLED:Self-scanning Light Emitting Diode)を使用し、解像度を1200dpi、ドラム面におけるスポット径を30μmとし、帯電極性をプラスとし、画像露光方式をIAE方式とし、トナーにはポジトナーを使用した。また、感光体の周速度(プロセススピード)を、220mm/sとし、感光体の回転周期は、1.2sとした装置である。この電子写真装置27Aは、画像特性の評価用装置として使用した。
また、電子写真装置27Bは、電子写真装置27Aに対して、露光光学系を図10(b)に示した構成とし、光源に発振波長442nmの高出力He-Cdレーザを用い、レーザ光のOn/Offデューティ比を15%とし、現像器、転写ドラム、感光体クリーナを取り外した装置である。この電子写真装置27Bは、空回転試験用の装置として使用した。
そして、製作した感光体を上述の電子写真装置27Aに搭載し、現像器位置における暗部電位を300V、明部電位を100Vとし、電位コントラストを200Vとなる帯電条件及び画像露光条件を求めた。その後、感光体を一旦取り外して、電子写真装置27Bに搭載し直し、帯電条件は先に求めた帯電条件とし、露光条件に関しては先に求めた条件からレーザ光のエネルギー量が10倍となる条件として、それ以外は、実施例13と同様の方法で、空回転試験を行った。そして、100万回転の空回転後において、電子写真装置27Aに搭載し直し、実施例13と同様の画像特性評価を行った。
その結果、濃度均一性、孤立ドット再現性、濃度階調性、解像度については、ピクトリアルな画像をターゲットとした超高画質機に要求される仕様を十分に満たす、非常に良い結果であった。濃度安定性に関しては、実施例2で示した基準において、相対評価およびランク評価を行った。その結果は、表13に示したとおりである。
Figure 2006235521
表13から明らかなように、実施例24〜27の構成では、リファレンスに比べて50%以上濃度安定性を改善でき、実施例1〜23に示した構成と比べても、より顕著に濃度安定性の向上効果が得られており、更にワンランク高い評価結果が得られることがわかった。
本発明の電子写真装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の電子写真装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の電子写真装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の電子写真装置の一例を示す概略構成図である。 (a)本発明に好適に用いられる感光体の層構成の一例を示す断面図である。(b)本発明に好適に用いられる感光体の層構成の一例を示す断面図である。(c)本発明に好適に用いられる感光体の層構成の一例を示す断面図である。 本発明に好適に用いられる感光体を製造するための装置の一例を示す概略構成図である。 電位コントラストと濃度安定性の相関を示す図である。 光導電層の膜厚と濃度安定性の相関を示す図である。 感光体の回転周期と濃度安定性の相関を示す図である。 (a)電子写真装置において一般的に用いられる露光光学系の模式的概略図である。(b)実施例1における電子写真装置Bに用いた露光光学系の模式的概略図である。
符号の説明
500 電子写真感光体
501 基体
502 光導電層
503 表面層
504 下部電荷注入阻止層
505 上部電荷注入阻止層

Claims (14)

  1. シリコン原子を母材とする非単結晶膜からなる光導電層を有する感光体に、少なくとも帯電工程、及び、画像露光工程を行い画像を形成する電子写真方法において、前記画像露光工程に用いる光の、ピーク波長が450nm以下であり、前記感光体面上での照射スポット径(ピーク光量に対して1/e2となる光量の直径、ただし、eは自然対数の底である。)が、30μm以下であり、前記光導電層の膜厚が5μm以上、20μm以下であり、前記感光体の、暗部電位と明部電位の差が100V以上、300V以下であることを特徴とする電子写真方法。
  2. 前記画像露光工程における露光方式が、画像部を露光するイメージエリア露光方式であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真方法。
  3. 前記感光体は、シリコン原子と炭素原子を母材とする非単結晶材料からなる表面層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真方法。
  4. 前記表面層の膜厚が、0.05μm以上、0.3μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真方法。
  5. 前記感光体は、シリコン原子と窒素原子を母材とする非単結晶材料からなる表面層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真方法。
  6. 前記感光体の回転周期が、1.2秒以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真方法。
  7. 前記画像露光工程の光源が、LEDアレイであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真方法。
  8. シリコン原子を母材とする非単結晶膜からなる光導電層を有する感光体と、少なくとも帯電手段、画像露光手段を有する電子写真装置において、前記画像露光手段に用いる光の、ピーク波長が350nm以上、450nm以下であり、前記感光体面上での照射スポット径(ピーク光量に対して1/e2となる光量の直径、ただし、eは自然対数の底である。)が、5μm以上、30μm以下であり、前記光導電層の膜厚が5μm以上、20μm以下であり、前記感光体の、暗部電位と明部電位の差が100V以上、300V以下であることを特徴とする電子写真装置。
  9. 前記画像露光工程における露光方式が、画像部を露光するイメージエリア露光方式であることを特徴とする請求項8に記載の電子写真装置。
  10. 前記感光体は、シリコン原子と炭素原子を母材とする非単結晶材料からなる表面層を有することを特徴とする請求項8または9に記載の電子写真装置。
  11. 前記表面層の膜厚が、0.05μm以上、0.3μm以下であることを特徴とする請求項10に記載の電子写真装置。
  12. 前記感光体は、シリコン原子と窒素原子を母材とする非単結晶材料からなる表面層を有することを特徴とする請求項8または9に記載の電子写真装置。
  13. 前記感光体の回転周期が、1.2秒以上であることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の電子写真装置。
  14. 前記画像露光手段における光源が、LEDアレイであることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の電子写真装置。
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