JP2010134049A - 電子写真方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子写真用感光体を繰返し使用することによって、感光体の光感度特性分布の変化した場合であっても、画像濃度分布の不均一を的確に低減する。
【解決手段】感光体の表面を帯電させ、帯電された表面に光ビームを照射して静電潜像を形成する電子写真方法において、初期反射率の影響を除いた初期光感度特性分布を算出し(S1)、初期反射率の影響を除いた初期光感度特性分布を記憶媒体に記憶し(S2)、静電潜像形成時における感光体の表面の反射率を算出し、静電潜像形成時の反射率分布を求め(S3)、記憶されている初期反射率の影響を除いた初期光感度特性分布と、静電潜像形成時の反射率分布とに基づいて、静電潜像形成時における光感度特性分布を算出し(S4)、静電潜像形成時における光感度特性分布に基づいて露光量を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真用感光体を利用した電子写真方法に関するものである。より具体的には、少なくとも互いに屈折率の異なる材質からなる光導電層と表面層とをこの順に続けて具備した電子写真用感光体を利用した電子写真方法に関するものである。
電子写真用感光体を利用した電子写真装置としては、例えば複写機やファクシミリ装置、コンピュータの出力手段であるプリンタとして広く一般に利用されており、例えば、その画質の良さ及び高速なプリントアウトの如き特徴で注目を浴びている。
そのような電子写真装置においては、近年急速にデジタル化、カラー化へのシフトが進み、形成される画像は文字だけでなく、写真や絵の如き高品位な画像品質が要求されるものを出力する機会が急増している。その結果、電子写真装置の高画質化への要求は以前に増して高まっている。ここでいう高画質とは、例えば、高解像であること、画像濃度の不均一性が無いことを指しているが、中でも画像濃度の不均一性は、発生時の判別が万人にとって容易なこともあり、均一な画像濃度への要求は極めて高いものとなっている。
濃度ムラの発生要因の一つとして、電子写真用感光体の帯電特性や光感度特性の不均一性が挙げられる。そしてそのような不均一性は、電子写真用感光体を構成する薄膜の品質や厚みの不均一性に起因する。
近年においては電子写真用感光体の製造方法や製造装置の改良が進み、電子写真用感光体を構成する薄膜の品質や厚みの不均一性は低減され、その結果濃度ムラの低減も進んできているが、未だ改善の余地を有しているのが現状である。例えば、安定性や耐久性に優れ高速複写機に使用されることが多いアモルファスシリコン(以下、「a−Si」とも記す)感光体の場合、その製造には一般的にプラズマCVD(Chemical
Vapor Deposition)法が使われる。しかし、その製法の特色上、電子写真用感光体として必要なサイズに渡り品質及び厚みの点で均一な膜を形成することは容易ではない。
このような電子写真用感光体に起因する画像濃度の不均一性を抑制する手段としては、予め測定した感光体の光感度特性分布を電子写真装置に記憶させ、その情報に基づき画像濃度の不均一性を抑制するように画像露光手段の露光動作を制御する技術が考えられる。
しかしながら、前述した技術では、電子写真用感光体を繰り返し使用した場合においては十分でない場合がある。それは、電子写真用感光体を繰返し使用することにより電子写真用感光体の光感度特性分布も変化する場合があるからである。
このような課題に対して、電子写真用感光体上に画像を形成する際における画像データ量を取得し、そのデータ量の履歴から電子写真用感光体の表面状態を予測し、予測された表面の状態に基づき露光手段の露光動作を制御する技術(特許文献1)が提案されている。
特開2007−187734号公報
しかしながら、特許文献1における技術においては、画像データ量から間接的に表面の状態を予測する。そのため、電子写真装置の使用環境によるトナーの状況や感光体の表面のクリーニング性の変化、或いは、使用によるトナーやクリーニング部材の経時変化の影響により、感光体の表面状態を予測することが容易ではない場合がある。その結果、画像濃度の不均一性を抑制する効果が十分に得られない場合がある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、感光体を繰返し使用することによる光感度特性分布の変化の原因が、感光体の表面層の層厚の変化による、表面における光の反射率分布の変化に起因することを見出した。そして感光体の表面における光の反射光強度を直接測定することにより、感光体の表面の反射率分布を求め、その結果に基づいて画像露光手段の露光動作を制御することで、上記課題を克服できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の電子写真方法は、光導電層と、前記光導電層とは屈折率の異なる材質からなり、かつ前記光導電層の上に形成される表面層とを具備する感光体の表面を帯電させる帯電工程と、帯電された前記感光体の表面に光ビームを照射することにより静電潜像を形成する像露光工程とを有する電子写真方法において、(1)初期状態の感光体の光感度特性分布と前記光ビームの波長における反射率分布を測定し、初期反射率の影響を除いた初期光感度特性分布を算出する初期光感度算出工程と、(2)前記初期反射率の影響を除いた初期光感度特性分布を記憶媒体に記憶する初期光感度記憶工程と、(3)静電潜像形成時における、前記光ビームの波長における前記感光体の表面の反射率(以下、「第1の静電潜像形成時反射率」とも記す)を算出し、静電潜像形成時の反射率分布を求める静電潜像形成時反射率算出工程と、(4)記憶されている初期反射率の影響を除いた初期光感度特性分布と、前記静電潜像形成時の反射率分布とに基づいて、前記感光体の表面の静電潜像形成時における光感度特性分布を算出する静電潜像形成時光感度算出工程と、(5)前記静電潜像形成時における光感度特性分布に基づいて前記光ビームの露光量を制御する露光量制御工程と、を有することを特徴とする。
これらの手段により、電子写真用感光体を繰返し使用することによって、電子写真用感光体の光感度特性分布が変化した場合においても、適切な画像露光動作制御を実施することができ、画像濃度の不均一性を制御することが可能な電子写真方法を提供できる。
次に、上記のような効果が得られる本発明を、図を用いて詳述する。
図1は、本発明に用いることができる電子写真装置の概略構成図の一例である。この電子写真装置は、帯電工程と像露光工程を経て、表面に静電潜像が形成され、この静電潜像上にトナーが付着されてトナー像が形成される回転ドラム型の電子写真用感光体101を有している。電子写真用感光体101は、アモルファスシリコンを主成分としてなる光導電層と、この光導電層とは屈折率の異なる材質からなり、かつ光導電層の上に形成された表面層とを具備している。感光体101の周りには、感光体101の表面を所定の極性・電位に一様に帯電させる一次帯電器102と、帯電された感光体101の表面に画像露光光103を照射することで静電潜像を形成する不図示の画像露光装置とが配置されている。ここで、一次帯電器102により一様に帯電させた感光体101の、例えば現像器104位置での電位を「暗部電位」、画像露光光103の照射により一様に露光された際の感光体101の、例えば現像器104位置での電位を「明部電位」と呼ぶ。本発明においては、この両者の差(電位コントラスト)が100V以上、450V以下とすることにより良好な画像濃度特性を得ている。より好ましくは、150V以上、400V以下、代表的には350Vである。又、露光方式としては、非画像部(背景部)を露光するバックグラウンド露光方式と画像部を露光するイメージエリア露光方式のいずれかを選択できる。前者は従来型のアナログ方式と共通の機構や現像材を使用できる利点があり、後者は静電潜像形成のラティテュードが広いため高画質化の点ではより有利である。
又、画像露光光103を照射する画像露光装置の下流側には、現像器104、転写帯電器107、分離帯電器108が配置される。現像器104は感光体101上に形成された静電潜像上にトナーを付着させて現像するためのものである。転写帯電器107は、感光体101上に形成されたトナー像を、搬送機構105によって搬送される記録材106に転写するためのものである。分離帯電器108は、トナー転写後の記録材106を感光体101から分離するためのものである。
さらに、記録材106にトナー像を転写した後に感光体101上をクリーニングする感光体クリーナー109及び感光体101の除電を行う除電露光装置110が配置されている。
又、本発明に用いることができる電子写真装置においては、感光体101の表面における反射光強度を測定するために、光量センサ111が配置される。尚、図1の断面図においては、光量センサ111は画像露光光103がドラムに入射する位置の近くに設置されている。また、光量センサ111は、画像露光光103が感光体101の表面で反射された反射光を、受光し易い角度に設置されている。これは画像露光光103の感光体101の表面における反射光強度を直接測定するためである。よって、反射光強度を測定するための光として画像露光光103以外の光を使用する場合においては、光量センサ111及び光源(図示せず)は図1の配置には制約されない。
又、本発明における電子写真装置において、感光体101の表面における反射光強度を測定するための光として画像露光を用いる場合の電子写真装置の概略図の一例を図2に示す。図2は感光体101の回転軸に垂直な方向から見た場合の断面図である。画像露光光103の感光体101の表面での反射光を測定可能な位置に光量センサ111が設置されている。光量センサ111は感光体101の表面内の少なくとも一点以上が測定できれば良い。又、一つ以上の光量センサ111a〜eを固定位置に設置しても良く、感光体101の回転軸に平行な方向に移動可能に設置しても良い。例えば、図2に示す光量センサ111aの位置から光量センサ111bの位置へ、次に光量センサ111cの位置へ、次に光量センサ111dの位置へ、次に光量センサ111eの位置へというように移動可能に設置しても良い。また、光量センサ111を移動させる場合、感光体101の表面で反射された反射光の向きに合わせて、光量センサ111の向きを変化させることが好ましい。
又、本発明で使用される光量センサ111においては、感光体101の軸方向に渡って画像形成領域全面の反射光強度を測定し、その結果に基づいて電子写真感光体の反射率分布を算出することが好ましい。しかしながら装置機構上複雑になる場合においては、一乃至は数点の反射光強度を測定し、その結果に基づいて画像領域全面の反射光分布を算出しても良い。
又、本発明において、反射光強度測定用の光源(図示せず)を画像露光光103の光源(図示せず)とは別に設置する場合においては、前述した別光源(図示せず)の波長は、画像露光光103と同波長であっても、異なる波長であっても良い。しかしながら、画像露光光103と異なる波長の光を使用する場合においては、得られた反射率分布から画像露光光103と同波長の光における反射率分布を求める必要があるため、精度の面で画像露光光103と同波長の光の光源を使用することが好ましい。
又、本発明で使用される光量センサ111としては、所望の波長の光量を測定できるものであれば特に制限は無く、例えば、液晶バックライト測定用として汎用化されているカラーセンサ等が挙げられる。
次に本発明における電子写真方法について図3に示したフローチャートを用いて説明する。
『ステップ1』:S1(初期光感度算出工程)
作製した電子写真用感光体101の初期状態における光感度特性分布:S(x,y)及び特定の波長における電子写真用感光体101の表面での反射率分布:R(x,y)を測定し、初期反射率の影響を除いた初期光感度特性分布:S’(x,y)を算出する。下記に示した式1は算出方法の一例である。
S’(x,y)=S(x,y)×(1−R(x,y)/100)・・・式1
ここで、光感度特性分布及び反射率分布の測定手段としては、電子写真装置を特性測定用に改造した装置で良い。或いは電子写真用感光体特性測定用に新規に製造された装置でも良いが、少なくとも図4に示すような構成のものであれば良い。
図4に示した感光体特性測定手段は、感光体101の周囲に、一次帯電器102及び画像露光光103を照射する画像露光装置、除電露光装置110を配置し、さらに図1における現像器104の位置に現像器104に代えて電位センサ401を配置している。
又、図4に示した装置においては、感光体101の表面での反射光強度を測定する手段として、光源と光量センサが一体となった反射光強度測定手段402が配置されている。
又、ここでいう光感度特性とは前述した「明部電位」の電位分布のことである。
又、本発明における電子写真用感光体101の特性分布とは、電子写真用感光体101の軸方向各点における周方向平均値の特性分布(軸方向特性分布)でも良く、或いは、面内全域に渡る特性分布(面内特性分布)でも良い。
面内特性分布を用いて静電潜像形成時における画像露光光103の制御を行うためには、感光体101の光感度特性分布及び反射率分布と併せて、感光体の周方向ホームポジションのデータも測定する必要がある。周方向ホームポジションの特定方法としては、例えば感光体101側面に付けた印をセンサで読み取る方法が挙げられる。
初期状態における光感度特性:S(x,y)の軸方向分布の一例を図5に、反射率:R(x,y)の軸方向分布の一例を図6に、反射率の影響を除いた光感度特性:S’(x,y)の軸方向分布の一例を図7にそれぞれ示す。
『ステップ2』:S2(初期光感度記憶工程)
『ステップ1』で算出した、電子写真用感光体101の初期状態における、反射率の影響を除いた光感度特性分布(「初期光感度特性分布」とも記す。)を、当該電子写真用感光体が設置される電子写真装置の記憶媒体に記録する。
『ステップ3』:S3(静電潜像形成時反射率算出工程)
静電潜像形成時に、前述した方法により電子写真用感光体101の表面の反射率(「静電潜像形成時反射率」とも記す)を測定し、反射率分布:Rn(x,y)を求める。
尚、反射率分布を求める方法としては、静電潜像形成時に電子写真用感光体の表面全域の反射光強度を直接測定することが挙げられる。
又、感光体の表面の特定位置における反射光強度を測定し、当該位置の感光体の初期状態からの反射率変化を算出する。その結果から、予め測定しておいた感光体の初期状態における反射率分布を基に、静電潜像形成時における感光体101の反射率分布を求めてもよい。この方法は、感光体の表面の特定位置における反射率変化に基づいて、感光体の表面の他の位置における反射率変化を算出することが可能な場合(例えば、感光体の表面の位置にかかわらず、感光体の表面の反射率がほぼ一様に変化する場合)に、有効な方法である。
『ステップ4』:S4(静電潜像形成時光感度算出工程)
『ステップ1』で算出した反射率の影響を除いた光感度特性分布:S’(x,y)及びステップ3で算出した静電潜像形成時の反射率分布:Rn(x,y)より、静電潜像形成時における光感度特性分布:Sn(x,y)を算出する。下記に示した式2は算出方法の一例である。
Sn(x,y)=S’(x,y)×(1−Rn(x,y)/100)・・・式2
『ステップ5』:S5(露光量制御工程)
『ステップ4』で算出された光感度特性分布:Sn(x,y)に基づいて、画像濃度の不均一性を抑制するように静電潜像形成時における画像露光光103の露光量制御を行う。例えば、感光体の表面全域に渡る光感度特性分布に基づいて、画像濃度の不均一性を抑制するように静電潜像形成時における画像露光光103の露光量制御を行う場合の一例を以下に示す。
『ステップ4』で算出された光感度特性分布:Sn(x,y)が図8に示す電位分布とする。
次に、一次帯電器102により感光体101の表面を帯電した後、明部電位が所望の範囲に収まっている部分、例えば本例においては図8の領域A(図8中の実線部:明部電位(相対値)が0.95−1.00)を基準電位として、明部電位が所望の範囲に収まっていない部分の電位が概ね基準電位に揃うように画像露光光103を制御する。その結果、図9に示すような光感度特性の電位分布を得ることができる。
次に、本発明の電子写真方法に好適なa−Si電子写真用感光体の製造に使用することができる装置及び、これを用いたa−Si電子写真用感光体の製造方法について以下に説明する。
図10は、a−Si電子写真用感光体を作製するために供される、13.56MHzの高周波電源を用いたRFプラズマCVD法を行なう堆積膜形成装置の一例を模式的に示している。
この堆積膜形成装置は、反応容器1000と、反応容器1000内を減圧するための排気装置1001から構成されている。反応容器1000内には、アースに接続された補助基体1002に円筒状基体1003を加熱するための基体加熱ヒーター1004と、ガス導入管1005が設置されている。又、反応容器1000の側壁部は導電性材料からなる放電電極1006で構成され、放電電極1006と反応容器1000の他の部分は絶縁碍子1007によって絶縁されている。放電電極1006にはマッチングボックス1008を介して13.56MHzの高周波電源1009が接続されている。
不図示の原料ガス供給手段を構成する各ボンベは、原料ガス導入バルブ1010を介して反応容器1000内のガス導入管1005に接続されている。
反応容器1000は排気管1011を有し、真空計1012、メインバルブ1013を介して排気装置1001で真空排気される構成である。
以下、図10の装置を用いた、a−Si電子写真用感光体の作製方法の一例について説明する。
例えば、旋盤(図示せず)を用いて表面に鏡面加工を施した円筒状基体1003を、反応容器1000内の基体加熱ヒーター1004を取り囲むように補助基体1002に取り付け、キャップ1014を設置する。
次に、メインバルブ1013を開いて反応容器1000及びガス導入管1005内を排気する。真空計1012の読みが0.67Pa以下になった時点で原料ガス導入バルブ1010を開き、加熱用の不活性ガス、一例としてアルゴンをガス導入管1005より反応容器1000内に導入する。そして、反応容器1000内が所望の圧力になるように加熱用の不活性ガスの流量と、メインバルブ1010の開口量あるいは排気装置1001の排気速度を調整する。その後、不図示の温度コントローラーを作動させて基体加熱ヒーター1004により円筒状基体1003を加熱し、円筒状基体1003の温度を50℃〜500℃の所望の温度に制御する。円筒状基体1003が所望の温度に加熱されたところで、不活性ガスを徐々に止めると同時に、成膜用の所定の原料ガスを反応容器1000内に徐々に導入する。原料ガスは、例えば、SiH、Si、CH、Cの如き材料ガスや、B、PHの如きドーピングガスであり、不図示のマスフローコントローラーによって、原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際に、反応容器1000内を数十Paから数百Paの圧力に維持するように、真空計1012を見ながらメインバルブ1013の開口量あるいは排気装置1001の排気速度を調整する。
以上の手順によって成膜準備を完了した後、円筒状基体1003上に堆積膜の形成を行なう。内圧が安定したのを確認した後に、高周波電源1009を所望の電力に設定して高周波電力を放電電極1006に供給し高周波グロー放電を生起させる。このときマッチングボックス1008を調整して、反射波が最小となるようにし、高周波の入射電力から反射電力を差し引いた実効値を所望の値にする。この放電エネルギーによって、反応容器1000内に導入した原料ガスが分解され、円筒状基体1003上に所定の堆積膜が形成される。尚、膜形成を行なっている間は円筒状基体1003をその中心軸線周りに駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させてもよい。所望の膜厚の堆積膜が形成された後に、高周波電力の供給を止め、反応容器1000内への原料ガスの流入を止めて反応容器1000内を一旦高真空に引き上げてから堆積膜形成工程を終える。以上の操作によってa−Si電子写真用感光体を作製する。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
本例においては、図10に示した堆積膜形成装置を使用し、前述した方法により、直径80mm、長さ358mm、肉厚3mmのアルミニウム製円筒状基体上に、電荷注入阻止層及び光導電層、表面層からなる電子写真用感光体を作製した。尚、各層における堆積膜形成条件を表1に示す。
Figure 2010134049
次に、作製した電子写真用感光体を図4に示すような感光体特性測定手段を用い、上記『ステップ1』の方法で、感光体の軸方向15点及び周方向13点における明部電位及び反射率を測定し、それらの結果から反射率の影響を除いた光感度特性分布を算出した。
尚、感光体の軸方向15点及び周方向13点とは、電子写真用感光体一周分の領域を195等分割(軸方向15×周方向13)した各ブロックの中心点である。
次に、電子写真用感光体を電子写真装置(本実施例用に改造したキヤノン製iR6010)に設置し、上記『ステップ1』の方法で算出した反射率の影響を除いた光感度特性分布を、電子写真装置の記憶媒体に記憶した。
次に、印字率1%のテストパターンを用いて3万回複写を実施した後、『ステップ3』の方法で、電子写真用感光体の表面の特定位置における反射光強度を測定し、その結果から、3万回複写後における電子写真感光体の反射率分布を算出した。
尚、本例においては、反射率を測定する際の露光光源として画像露光時(以下、「静電潜像形成時」とも記す。)に用いる電子写真装置内の半導体レーザー(中心波長660nm)を使用した。
次に、『ステップ4及び5』の方法で、3万回複写後における電子写真用感光体の光感度特性分布を算出し、画像濃度の不均一性を抑制するように静電潜像形成時における画像露光光103の露光量制御を行った。
(比較例)
実施例1と同様の方法で作製した電子写真用感光体を、実施例1と同様に電子写真装置に設置後、3万回複写を実施した。尚、本例においては、画像濃度の不均一性を抑制するような画像露光光103の露光量制御は実施していない。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で作製した電子写真用感光体を、実施例1と同様に電子写真装置に設置後、3万回複写を実施した。その後、『ステップ3』の方法で、電子写真用感光体の軸方向の15点及び周方向の13点における反射光強度を測定し、反射率を算出し、反射率分布を求めた。そして、その結果に基づき、『ステップ4及び5』の方法で、3万回複写後における電子写真用感光体の光感度特性分布を算出し、算出された光感度特性分布に基づいて、画像濃度の不均一性を抑制するように静電潜像形成時における画像露光光103の露光量制御を行った。
尚、本例においては、反射率を測定する際の露光光源として画像露光時に用いる電子写真装置内の光ビーム(第1の光源)と同波長の反射率測定用光源(中心波長660nm、第2の光源)を別途使用した。
(実施例3)
実施例1と同様の方法で作製した電子写真用感光体を、実施例1と同様に電子写真装置に設置後、3万回複写を実施した。
その後、『ステップ3』の方法で、電子写真用感光体軸方向15点及び周方向13点における反射率を測定した。そして、その結果に基づき、3万回複写後における電子写真用感光体の光感度特性を算出し、画像濃度の不均一性を抑制するように静電潜像形成時における画像露光光103の露光量制御を行った。
尚、本例においては、反射率を測定する際の露光光源として画像露光時に用いる電子写真装置内の光ビームとは異なる波長(中心波長650nm)の反射率測定用光源を別途使用し、以下の方法で画像露光光103の制御を行った。
作製した電子写真用感光体を図4に示すような感光体特性測定手段を用い、上記『ステップ1』の方法で、電子写真用感光体の軸方向15点及び周方向13点における明部電位及び画像露光と同波長の光における反射率Ra(第1の初期反射率)を測定した。それらの結果から反射率Raの影響を除いた光感度特性分布を算出した。次に、電子写真装置に設置される反射率測定用光源と同波長(650nm)の光における反射率Rb(第2の初期反射率)を測定した。
又、本例で作製した電子写真用感光体と同条件で作製した電子写真用感光体を別に用意した。そして、磨耗により表面層の膜厚が変化した際の、表面層の膜厚と波長660nmの光における反射率Raの関係(第1の関係)、表面層の膜厚と波長650nmの光における反射率Rbの関係(第2の関係)を測定した。測定方法としては、表面を研磨することで表面層の膜厚を変化させ、その時々の各波長における光の反射率を測定した。
次に、上記『ステップ2』の方法で、電子写真用感光体を電子写真装置(本実施例用に改造したキヤノン製iR6010)に設置した。
その後、算出した反射率Raの影響を除いた光感度特性分布(第1の初期反射率の影響を除いた初期光感度特性分布)及び、前述した反射率Ra(第1の初期反射率)とRb(第2の初期反射率)を電子写真装置の記憶媒体に記憶した。
さらには、前述した方法で測定した表面層の膜厚と波長660nmにおける光の反射率Raの関係(第1の関係)及び、表面層の膜厚と波長650nmにおける光の反射率Rbの関係(第2の関係)も同様の記憶媒体に記憶した。
次に、印字率1%のテストパターンを用いて3万回複写を実施した。その後、『ステップ3』の方法で、反射率測定用光源を別途使用して電子写真用感光体の表面の特定位置における反射光強度を測定し、反射率(Rbn:第2の静電潜像形成時反射率)分布を算出した。そして、反射率(Rbn)分布、予め記憶しておいた反射率Ra(第1の初期反射率)、Rb(第2の初期反射率)、第1の関係及び第2の関係から、3万回複写後における画像露光と同波長の光における反射率(Ran:第1の静電潜像形成時反射率)分布を算出した。図11に、上記したRan、Rbn、Ra、Rb及び第1、第2の関係を示す。
次に、『ステップ4』の方法で、3万回複写後における電子写真用感光体の静電潜像形成時における光感度特性分布を算出し、画像濃度の不均一性を抑制するように静電潜像形成時における画像露光光103の露光量制御を行った(ステップ5)。
[実施例1〜3、比較例の評価]
実施例1〜3及び比較例において、ハーフトーン(30H)を出力した。尚、30H濃度とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hをベタ白とし、FFHをベタ黒とする時のハーフトーン濃度である。得られたそれぞれの画像における電子写真用感光体一周分の領域を390等分割(軸方向30×周方向13)した。各ブロックの画像濃度を、反射濃度計(X−Rite社製:504分光濃度計)を用いて測定し、得られた濃度の最大値(Max)、最小値(Min)及び平均値(Ave)を算出し、(Max−Min)/Aveを求め画像濃度均一性の指標とした。よって値が小さいほど画像濃度均一性が高い。
比較例を基準として以下のランクに区分した。
A:比較例に対し50%未満
B:比較例に対して50%以上60%未満
C:比較例に対して60%以上80%未満
D:比較例に対して80%以上95%未満
E:比較例に対して95%以上105%未満で同レベル
その結果を表2に示す。
Figure 2010134049

表2の結果からわかるように、本発明の電子写真方法を使用することにより、画像濃度均一性が向上することがわかる。又、反射率を測定する際の露光光源としては画像露光と同波長の光源を用いることで、本発明の効果がより顕著になることがわかる。
本発明で使用した電子写真装置の一例を示す概略図である。 本発明で使用した電子写真装置における光量センサの位置の一例を示す概略図である。 本発明で使用した電子写真方法のフローチャートの一例である。 本発明で使用した感光体特性測定手段の一例を示す概略図である。 本発明で使用した光感度特性分布の一例を示す概略図である。 本発明で使用した反射率分布の一例を示す概略図である。 本発明で使用した反射率の影響を除いた光感度特性分布の一例を示す概略図である。 本発明で使用した光感度特性分布の一例を示す概略図である。 本発明で使用した反射率の影響を除いた光感度特性分布の一例を示す概略図である。 本発明で使用したa−Si電子写真用感光体の製造装置の一例を示す概略図である。 本発明で使用した表面層の膜厚と反射率の関係の一例を示す概略図である。
符号の説明
101 電子写真用感光体
102 一次帯電器
103 画像露光光
104 現像器
105 搬送機構
106 記録材
107 転写帯電器
108 分離帯電器
109 感光体クリーナー
110 除電露光装置
111、402 光量センサ(反射光強度測定手段)
401 電位センサ
1000 反応容器
1001 排気装置
1002 補助基体
1003 円筒状基体
1004 基体加熱ヒーター
1005 ガス導入管
1006 放電電極
1007 絶縁碍子
1008 マッチングボックス
1009 高周波電源
1010 原料ガス導入バルブ
1011 排気管
1012 真空計
1013 メインバルブ

Claims (5)

  1. 光導電層と、前記光導電層とは屈折率の異なる材質からなり、かつ前記光導電層の上に形成される表面層とを具備する感光体の表面を帯電させる帯電工程と、帯電された前記感光体の表面に光ビームを照射することにより静電潜像を形成する像露光工程とを有する電子写真方法において、
    初期状態の感光体の光感度特性分布と前記光ビームの波長における反射率分布を測定し、初期反射率の影響を除いた初期光感度特性分布を算出する初期光感度算出工程と、
    前記初期反射率の影響を除いた初期光感度特性分布を記憶媒体に記憶する初期光感度記憶工程と、
    静電潜像形成時における、前記光ビームの波長における前記感光体の表面の反射率(以下、「第1の静電潜像形成時反射率」とも記す)を算出し、静電潜像形成時の反射率分布を求める静電潜像形成時反射率算出工程と、
    記憶されている初期反射率の影響を除いた初期光感度特性分布と、前記静電潜像形成時の反射率分布とに基づいて、前記感光体の表面の静電潜像形成時における光感度特性分布を算出する静電潜像形成時光感度算出工程と、
    前記静電潜像形成時における光感度特性分布に基づいて前記光ビームの露光量を制御する露光量制御工程と、を有することを特徴とする電子写真方法。
  2. 前記静電潜像形成時反射率算出工程において、電子写真装置内で前記光ビームを前記感光体に照射し、その反射光強度を測定し、測定された反射光強度に基づいて前記第1の静電潜像形成時反射率を算出することを特徴とする請求項1に記載の電子写真方法。
  3. 静電潜像形成に用いられる第1の光源と中心波長が同じ光を照射することが可能な第2の光源が電子写真装置内に設置され、
    前記静電潜像形成時反射率算出工程において、前記第2の光源により前記感光体に光を照射し、その反射光強度を測定し、測定された反射光強度に基づいて算出される第2の静電潜像形成時反射率を前記第1の静電潜像形成時反射率とみなすことを特徴とする請求項1に記載の電子写真方法。
  4. 静電潜像形成に用いられる第1の光源と中心波長が異なる光を照射することが可能な第2の光源が電子写真装置内に設置され、
    前記初期光感度算出工程において、
    前記第1の光源から照射することが可能な光の前記表面層における初期反射率(以下、「第1の初期反射率」とも記す)を測定し、かつ前記第1の初期反射率の影響を除いた初期光感度特性分布を算出し、
    前記第2の光源から照射することが可能な光の前記表面層における初期反射率(以下、「第2の初期反射率」とも記す)を測定し、
    前記表面層の膜厚が変化する際における、前記第1の光源から照射することが可能な光の前記表面層における反射率と前記表面層の膜厚との関係(以下、「第1の関係」とも記す)と、前記第2の光源から照射することが可能な光の前記表面層における反射率と前記表面層の膜厚との関係(以下、「第2の関係」とも記す)とを測定し、
    前記初期光感度記憶工程において、前記第1の初期反射率の影響を除いた初期光感度特性分布と、前記第1の初期反射率と、前記第2の初期反射率と、前記第1の関係と、前記第2の関係とを記憶し、
    前記静電潜像形成時反射率算出工程において、前記第2の光源により前記感光体に光を照射し、その反射光強度を測定し、測定された反射光強度に基づいて反射率(以下、「第2の静電潜像形成時反射率」とも記す)を算出し、
    前記第2の静電潜像形成時反射率ならびに、記憶されている前記第1の初期反射率、前記第2の初期反射率、前記第1の関係、及び前記第2の関係に基づいて、第1の静電潜像形成時反射率を算出し、
    前記静電潜像形成時光感度算出工程において、前記第1の初期反射率の影響を除いた光感度特性分布と前記第1の静電潜像形成時の反射率とに基づいて、前記感光体の表面の静電潜像形成時における光感度特性分布を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真方法。
  5. 前記光導電層がアモルファスシリコンを主成分としてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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