JP6437203B2 - 希土類ボンド磁石用コンパウンド、希土類ボンド磁石及び希土類ボンド磁石の製造方法 - Google Patents

希土類ボンド磁石用コンパウンド、希土類ボンド磁石及び希土類ボンド磁石の製造方法 Download PDF

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本発明は、希土類ボンド磁石用粉末と樹脂組成物とを含む希土類ボンド磁石用コンパウンド、その希土類ボンド磁石用コンパウンドを使用して作製した希土類ボンド磁石及びその希土類ボンド磁石用コンパウンドを使用して希土類ボンド磁石を製造する希土類ボンド磁石の製造方法に関する。
希土類磁石は高い磁気特性を有しており、今日様々な分野で使用されている。希土類磁石は、使用する原料粉末や製造方法により希土類焼結磁石と希土類ボンド磁石に大きく分類される。希土類焼結磁石は焼結工程にて寸法変化が大きく後加工を要する等形状に制約があるのに対し、希土類ボンド磁石は熱硬化時の寸法変化が少なく、高寸法精度を維持でき、加工レスで異形状を呈するため、形状の自由度が大きい。また、磁石粉末同士の間に絶縁体である樹脂が存在しているため、電気抵抗が高いという利点を有している。
希土類ボンド磁石は樹脂バインダを含むため、成形体密度が合金真密度(例えばネオジム鉄ボロン系ボンド磁石用粉末の合金真密度は7.6g/cm3)に比べて低く、一般的に比較的バインダの量が少ない圧縮ボンド磁石であっても焼結磁石に比べて磁気特性が低くなる。一方、希土類ボンド磁石は、形状自由度や寸法精度、さらには他部材との一体成形が可能である等の特徴を生かし、幅広い環境下で使用される場面が増えている。
しかしながら、希土類ボンド磁石には機械強度に関する耐熱性の点で問題が存在している。すなわち、希土類ボンド磁石はバインダとして樹脂を使用しているため、加熱時に樹脂が軟化することによって機械強度が低下するため、希土類ボンド磁石が高温に曝される環境で使用された場合、ボンド磁石が破壊に到ることがある。このため、高温環境下に置かれた場合でも機械強度の低下を抑えられる希土類ボンド磁石が求められる。
特許文献1に、希土類ボンド磁石用のバインダ樹脂として、エポキシ樹脂とポリベンゾイミダゾールを一定比率で含むものを用いることによって、ボンド磁石の高温における機械強度を向上させることが示されている。また、特許文献2には、希土類系ボンド磁石のバインダ樹脂として、ジヒドロベンズオキサジン化合物、及び、ジヒドロベンズオキサジン化合物とエポキシ樹脂又はフェノール樹脂の混合体を用いることによって、ボンド磁石の高温における機械強度を向上させられることが示されている。また、特許文献3には、ポリアミドイミドを用いることによる高温における機械強度向上について示されている。
特許文献1の方法では、ポリベンゾイミダゾールを添加していない場合に比べて加熱時の機械強度低下がやや少なくなっているものの、未だ、耐熱性を必要とする用途には使用しにくい。また、成形性が悪いために希土類ボンド磁石の成形体密度が低くなり、その結果として磁石特性に悪影響を与える。さらに、加熱処理を2段階に分ける必要があり生産性に劣る。
特許文献2の方法では、25℃時の機械強度に対する180℃時の機械強度が25%低下している。また、特許文献3でも同じく25℃時の機械強度に対する180℃時の機械強度の低下が示されているが、低下率は26%と大きい。
また、発明者らは高温における機械強度の低下がない希土類ボンド磁石用のバインダ樹脂について種々検討したが、検討した樹脂は室温での保存安定性に劣っており、高温における機械強度と室温での保存安定性の両方を満足する樹脂は見出し得なかった。
特開平8−273916号公報 特開2001−214054号公報 特開2004−31786号公報
そこで、本発明は、室温での保存安定性に優れた樹脂を用いて、従来の希土類ボンド磁石の長所を失うことなく高温における機械強度の低下が抑えられる希土類ボンド磁石を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、希土類ボンド磁石を作製するときに使用する希土類ボンド磁石用コンパウンドの樹脂組成物に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤及び硬化促進剤を配合してなる樹脂組成物は室温における保存安定性に優れており、これを用いることにより、従来の希土類ボンド磁石の長所を失うことなく高温における機械強度の低下が抑えられる希土類ボンド磁石を得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドは、エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂硬化剤(B)及び硬化促進剤(C)を配合してなる樹脂組成物と希土類ボンド磁石用粉末(D)とを含み、前記硬化促進剤(C)が下記一般式(I−1)で示される。
(式中、R1〜R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜18の炭化水素基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR1〜R3が互いに結合して環状構造を形成してもよく、R4〜R7は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基及び炭素数1〜18の有機基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR4〜R7が互いに結合して環状構造を形成してもよい)
また、本発明の希土類ボンド磁石の製造方法は、エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂硬化剤(B)及び硬化促進剤(C)を配合して樹脂組成物を合成する第1の工程、希土類ボンド磁石用粉末(D)を樹脂組成物と混合して希土類ボンド磁石用コンパウンドを作製する第2の工程、希土類ボンド磁石用コンパウンドを圧縮成形して、希土類ボンド磁石用コンパウンドの圧縮成形体を作製する第3の工程、及び圧縮成形体を熱処理する第4の工程を含み、硬化促進剤(C)が下記一般式(I−1)で示される。
(式中、R1〜R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜18の炭化水素基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR1〜R3が互いに結合して環状構造を形成してもよく、R4〜R7は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基及び炭素数1〜18の有機基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR4〜R7が互いに結合して環状構造を形成してもよい)
さらに、本発明の希土類ボンド磁石は、本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドを用いてなる。
また、本発明の希土類ボンド磁石は、本発明の希土類ボンド磁石の製造方法により製造される。
本発明によれば、室温での保存安定性に優れた樹脂を用いて、従来の希土類ボンド磁石の長所を失うことなく高温における機械強度の低下が抑えられる希土類ボンド磁石を提供することができる。
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドは、エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂硬化剤(B)及び硬化促進剤(C)を配合してなる樹脂組成物と希土類ボンド磁石用粉末(D)とを含み、硬化促進剤(C)が下記一般式(I−1)で示される。
(式中、R1〜R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜18の炭化水素基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR1〜R3が互いに結合して環状構造を形成してもよく、R4〜R7は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基及び炭素数1〜18の有機基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR4〜R7が互いに結合して環状構造を形成してもよい)
以下、本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドを詳細に説明する。
[樹脂組成物]
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドに使用される樹脂組成物は、希土類ボンド磁石の結合材としての機能を有する。樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂硬化剤(B)及び硬化促進剤(C)を配合することによって作製される。
[エポキシ樹脂(A)]
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドの樹脂組成物に使用されるエポキシ樹脂(A)は、例えば、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂である。そのようなエポキシ樹脂には、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂、アラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物、ビスフェノール型エポキシ樹脂、アルコール類のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジル型又はメチルグリシジル型のエポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂及びオレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ビフェニル型エポキシ樹脂は、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されないが、例えば、アルキル置換又は非置換のビフェノールのエポキシ樹脂である。
スチルベン型エポキシ樹脂は、スチルベン骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定さないが、例えば、スチルベン系フェノール類等のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂である。
ジフェニルメタン型エポキシ樹脂は、ジフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。
ノボラック型エポキシ樹脂は、ノボラック樹脂をエポキシ化した樹脂であり、フェノール類及び/又はナフトール類とアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られる。フェノール類には、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA及びビスフェノールF等が挙げられる。ナフトール類には、例えば、α−ナフトール、β−ナフトール及びジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。アルデヒド基を有する化合物には、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド及びサリチルアルデヒド等が挙げられる。ノボラック型エポキシ樹脂には、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂は、ジシクロペンタジエン骨格を有する化合物を原料としてエポキシ化したエポキシ樹脂であれば特に限定されない。
サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂は、サリチルアルデヒド骨格を持つ化合物を原料とするエポキシ樹脂であれば特に制限はない。
ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂は、ナフトール骨格を有する化合物及びフェノール骨格を有する化合物を原料とするエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。
アラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物には、例えば、フェノールアラルキル樹脂及びナフトールアラルキル樹脂等のエポキシ化物などが挙げられる。これらを単独で用いても2種を組み合わせて用いてもよい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルコール類のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、例えば、ブタンジオール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂である。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂は、例えば、フタル酸、イソフタル酸及びテトラヒドロフタル酸等のカルボン酸類のグリシジルエステル型エポキシ樹脂である。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
グリシジル型又はメチルグリシジル型のエポキシ樹脂は、例えば、アニリン及びイソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したグリシジル型又はメチルグリシジル型のエポキシ樹脂である。
脂環型エポキシ樹脂には、例えば、分子内のオレフィン結合をエポキシ化して得られるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート及び2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エポキシ樹脂の中でも、耐水性、耐溶剤性及び耐オイル性の観点から、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂及びアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物及びがより好ましい。硫黄原子含有型エポキシ樹脂は、硫黄原子を含有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。より好ましいアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物には、例えば、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂及びビフェニル型フェノールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物等が挙げられる。このアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物は、フェノール及びクレゾール等のフェノール類及び/又はナフトール及びジメチルナフトール等のナフトール類と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル及びこれらの誘導体等とから合成されるフェノール樹脂を原料とするエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エポキシ樹脂の中でも、高温機械強度の観点からは、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂及びナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂がより好ましい。より好ましいノボラック型エポキシ樹脂には、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック及びナフトールノボラック等のノボラック型フェノール樹脂をグリリシジルエーテル化等の手法を用いてエポキシ化したエポキシ樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂(A)は、上述のより好ましいエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を含んでもよい。しかし、上述のより好ましいエポキシ樹脂の性能を十分に発揮させるために、エポキシ樹脂(A)中の上述のより好ましいエポキシ樹脂の含有量は、エポキシ(A)全体の質量に対して、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは、50質量%以上である。
ビフェニル型エポキシ樹脂は、さらに好ましくは、下記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂である。下記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂の中で市販されているものには、例えば、YX−4000H(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:R8のうち酸素原子が置換している位置を4及び4´位とした時の3,3´,5,5´位がメチル基でそれ以外が水素原子である)及びYL−6121H(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:全てのR8が水素原子である4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、全てのR8が水素原子の場合及びR8のうち酸素原子が置換している位置を4及び4´位とした時の3,3´,5,5´位がメチル基でそれ以外が水素原子である)等が挙げられる。
(式(II)中、R8は水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数4〜18のアリール基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、nは平均値であり、0〜20の整数、小数又は帯小数を示す)
スチルベン型エポキシ樹脂は、さらに好ましくは、下記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂である。下記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂の中で市販されているものは、例えば、ESLV−210(住友化学工業(株)、商品名:R9のうち酸素原子が置換している位置を4及び4´位とした時の3,3´,5,5´位がメチル基でそれ以外が水素原子でありR10の全てが水素原子の場合と3,3´,5,5´位のうちの3つがメチル基、1つがtert−ブチル基でそれ以外が水素原子でありR10の全てが水素原子の場合の混合品である)等である。
(式(III)中、R9及びR10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、nは平均値であり、0〜20の整数、小数又は帯小数を示す)
「炭素数1〜18の1価の有機基」は、炭素数1〜18を有し、かつ置換されても又は非置換であってもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素オキシ基、芳香族炭化水素オキシ基、カルボニル基、オキシカルボニル基及びカルボニルオキシ基からなる群から選択される少なくとも1種類を含むことを意味する。
上記脂肪族炭化水素オキシ基には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、アリルオキシ基及びビニルオキシ基等の上述の脂肪族炭化水素基に酸素原子が結合した構造のオキシ基並びにそれらをアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換したものなどが挙げられる。上記芳香族炭化水素オキシ基には、例えば、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、ブトキシフェノキシ基及びフェノキシフェノキシ基等の上述の芳香族炭化水素基に酸素原子が結合した構造のオキシ基など、並びにそれらをアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換したものなどが挙げられる。
上記カルボニル基には、例えば、ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、ブチリル基、シクロヘキシルカルボニル基及びアリルカルボニル等の脂肪族炭化水素カルボニル基、フェニルカルボニル基及びメチルフェニルカルボニル基等の芳香族炭化水素カルボニル基など、並びにそれらをアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換したものなどが挙げられる。
上記オキシカルボニル基には、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基及びシクロヘキシルオキシカルボニル基等の脂肪族炭化水素オキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基及びメチルフェノキシカルボニル基等の芳香族炭化水素オキシカルボニル基など、並びにそれらをアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基及びハロゲン原子等が置換したものなどが挙げられる。
上記カルボニルオキシ基としては、例えば、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、アリルカルボニルオキシ基及びシクロヘキシルカルボニルオキシ基等の脂肪族炭化水素カルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基及びメチルフェニルカルボニルオキシ基等の芳香族炭化水素カルボニルオキシ基など、並びにそれらをアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換したものなどが挙げられる。
一般式(II)及び以下の一般式(III)〜(XI)中のR8〜R21及びR37〜R41について、「それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい」とは、例えば、式(II)中の8〜88個のR8の全てが同一でも異なっていてもよいことを意味している。他のR9〜R21及びR37〜R41についても、式中に含まれるそれぞれの個数について全てが同一でも異なっていてもよいことを意味している。また、R8〜R21及びR37〜R41はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。例えば、R9とR10の全てについて同一でも異なっていてもよい。また、本明細書において、他の「それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい」の部分についても、上記と同じことを意味している。
ジフェニルメタン型エポキシ樹脂は、さらに好ましくは、下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂である。下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂の中で市販されているものは、例えば、YSLV−80XY(新日鐵化学(株)製、商品名:R11の全てが水素原子でありR12のうち酸素原子が置換している位置を4及び4´位とした時の3,3´,5,5´位がメチル基でそれ以外が水素原子である)
等である。
(式(IV)中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、nは平均値であり、0〜20の整数、小数又は帯小数を示す)
硫黄原子含有型エポキシ樹脂は、さらに好ましくは、下記一般式(V)で示されるエポキシ樹脂である。下記一般式(V)で示されるエポキシ樹脂の中で市販されているものは、例えば、YSLV−120TE(新日鐵化学(株)製、商品名:R13のうち酸素原子が置換している位置を4及び4´位とした時の3,3´位がtert−ブチル基で6,6´位がメチル基でそれ以外が水素原子である)等である。
(式(V)中、R13は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、nは平均値であり、0〜20の整数、小数又は帯小数を示す)
フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ナフトールノボラック等のノボラック型フェノール樹脂をグリリシジルエーテル化等の手法を用いてエポキシ化したエポキシ樹脂は、さらに好ましくは、下記一般式(VI)で示されるエポキシ樹脂がより好ましい。下記一般式(VI)で示されるエポキシ樹脂の中で市販されているものには、例えば、ESCN−190、ESCN−195(住友化学(株)製、商品名:どちらも、R14の全てが水素原子でありR15がメチル基でi=1である)等である。
(式(VI)中、R14及びR15は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、nは平均値であり、0〜20の整数、小数又は帯小数を示し、iはそれぞれ全て同一でも異なっていてもよい)
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂は、さらに好ましくは、下記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂である。下記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂の中で市販されているものは、例えば、HP−7200(DIC(株)製、商品名:i=0である)等である。
(式(VII)中、R16は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、nは平均値であり、0〜20の整数、小数又は帯小数を示し、iはそれぞれ全て同一でも異なっていてもよい)
サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂は、さらに好ましくは、サリチルアルデヒド骨格を持つ化合物とフェノール性水酸基を有する化合物とのノボラック型フェノール樹脂等のサリチルアルデヒド型フェノール樹脂をグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂などのサリチルアルデヒド型エポキシ樹脂であり、例えば、下記一般式(VIII)で示されるエポキシ樹脂である。下記一般式(VIII)で示されるエポキシ樹脂の中で市販されているものには、例えば、EPPN−502H(日本化薬株式会社製商品名)、i=0、k=0である1032H60(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)及びEPPN−502H(日本化薬(株)、商品名)等が挙げられる。
(式(VIII)中、R17及びR18は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、kは0〜4の整数、nは平均値であり、0〜20の整数、小数又は帯小数を示し、i及びkはそれぞれ全て同一でも異なっていてもよい)
ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂は、さらに好ましくは、ナフトール骨格を有する化合物及びフェノール骨格を有する化合物を用いたノボラック型フェノール樹脂をグリシジルエーテル化したものであり、例えば、下記一般式(IX)で示されるエポキシ樹脂である。下記一般式(IX)で示されるエポキシ樹脂の中で市販されているものは、例えば、NC−7300(日本化薬(株)製、商品名:R21がメチル基でi=1であり、j=0、k=0である)等である。
(式(IX)中、R19〜R21は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、jは0〜2の整数、kは0〜4の整数を示し、pは平均値で0〜1の整数又は小数を示し、l、mはそれぞれ平均値で0〜21の整数、小数又は帯小数であり(l+m)は1〜21の整数又は帯小数を示し、j及びkはそれぞれ全て同一でも異なっていてもよい)。
上記一般式(IX)で示されるエポキシ樹脂としては、l個の構成単位及びm個の構成単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体が挙げられ、これらのいずれか1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル型フェノールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物、好ましくは、フェノール及びクレゾール等のフェノール類及び/又はナフトール及びジメチルナフトール等のナフトール類とジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル及びこれらの誘導体等とから合成されるフェノール樹脂をグリシジルエーテル化したものであり、例えば、下記一般式(X)及び(XI)で示されるエポキシ樹脂である。下記一般式(X)で示されるエポキシ樹脂の中で市販されているものは、例えば、NC−3000(日本化薬(株)製、商品名:i=0、R38が水素原子である)及びCER−3000(日本化薬(株)製、商品名:i=0、R38が水素原子であるエポキシ樹脂と一般式(II)の全てのR8が水素原子であるエポキシ樹脂とを質量比80:20で混合したもの)等である。また、下記一般式(XI)で示されるエポキシ樹脂の中で市販されているものは、例えば、ESN−175(新日鐵化学(株)、商品名:i=0、j=0、k=0である)等である。
(式(X)及び(XI)において、R37〜R41は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、jは0〜2の整数、kは0〜4の整数、nは平均値であり、0〜20の整数、小数又は帯小数を示し、i、j及びkはそれぞれ全て同一でも異なっていてもよい)
上記一般式(II)〜(XI)中のnは、平均値で、好ましくは0〜20の整数、小数又は帯小数である。nが0〜20であると、成分(A)の溶融粘度が高くなるために希土類ボンド磁石用コンパウンドの溶融成形時の粘度も高くなり、成形性の悪化を起こることを抑制できる。1分子中の平均nは0〜10の範囲に設定されることがより好ましい。
上記一般式(II)〜(XI)で示されるエポキシ樹脂の中で、より好ましいエポキシ樹脂は、高温機械強度の観点からは、上記一般式(VI)〜(VIII)で示されるエポキシ樹脂である。
[フェノール樹脂硬化剤(B)]
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドの樹脂組成物に使用されるフェノール樹脂硬化剤(B)は、フェノール樹脂としては特に制限はないが、例えば、硬化剤として一般に使用される1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂が挙げられる。フェノール樹脂硬化剤(B)には、例えば、1分子中に2個のフェノール性水酸基を有する化合物、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型フェノールとアラルキル型フェノールとの共重合型フェノール樹脂、パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、多環芳香環変性フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、並びにこれらの2種以上を共重合して得たフェノール樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、1分子中に2個のフェノール性水酸基を有する化合物には、例えば、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF及び置換又は非置換のビフェノール等が挙げられる
上述のフェノール樹脂の中で、耐水性、耐溶剤性及び耐オイル性の観点から、フェノール樹脂硬化剤(B)は、好ましくは、アラルキル型フェノール樹脂及びベンズアルデヒド型フェノールとアラルキル型フェノールとの共重合型フェノール樹脂である。また、上述のフェノール樹脂の中で、高温機械強度の観点からは、フェノール樹脂硬化剤(B)は、好ましくは、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂である。これらアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型フェノールとアラルキル型フェノールとの共重合型フェノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂を、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、フェノール樹脂硬化剤(B)の全部が上述の好ましいフェノール樹脂である必要はなく、フェノール樹脂硬化剤(B)の一部が上述の好ましいフェノール樹脂であってもよい。この場合、フェノール樹脂硬化剤(B)中の上述の好ましいフェノール樹脂の含有量は、フェノール樹脂硬化剤(B)においてフェノール樹脂の性能を発揮するためには、フェノール樹脂硬化剤(B)の質量に対して、好ましくは、30質量%以上であり、より好ましくは、50質量%以上である。
アラルキル型フェノール樹脂は、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルやこれらの誘導体から合成されるフェノール樹脂であれば特に限定されない。アラルキル型フェノール樹脂は、好ましくは、下記一般式(XII)〜(XIV)で示されるフェノール樹脂である。
(式(XII)〜(XIV)において、R22〜R28は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、kは0〜4の整数、jは0〜2の整数、nは平均値であり、0〜20の整数、小数又は帯小数を示し、i、j、k及びnはそれぞれ全て同一でも異なっていてもよい)
上記一般式(XII)で示されるフェノール樹脂の中で市販されているものは、例えば、MEH−7851(明和化成(株)、商品名:i=0、R23が全て水素原子である)等である。
上記一般式(XIII)で示されるフェノール樹脂の中で市販されているものには、例えば、XLC(三井化学(株)製、商品名:i=0、k=0)、XL−225(三井化学(株)製、商品名)及びMEH−7800(明和化成(株)製、商品名)等が挙げられる。
上記一般式(XIV)で示されるフェノール樹脂の中で市販されているものは、例えば、SN−170(新日鐵化学(株)製、商品名:j=0、R27のk=0、R28のk=0である)等である。
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂は、ジシクロペンタジエン骨格を有する化合物を原料として用いたフェノール樹脂であれば特に限定されない。ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂は、好ましくは、下記一般式(XV)で示されるフェノール樹脂である。下記一般式(XV)で示されるフェノール樹脂の中で市販されているものは、例えば、DPP(新日本石油化学(株)製、商品名:i=0である)等である。
(式(XV)中、R29は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、nは平均値であり、0〜20の整数、小数又は帯小数を示し、iはそれぞれ全て同一でも異なっていてもよい)
サリチルアルデヒド型フェノール樹脂は、サリチルアルデヒド骨格を有する化合物を原料として用いたフェノール樹脂であれば特に限定されない。サリチルアルデヒド型フェノール樹脂は、好ましくは、下記一般式(XVI)で示されるフェノール樹脂である。下記一般式(XVI)で示されるフェノール樹脂の中で市販されているものは、例えば、MEH−7500(明和化成(株)製、商品名:i=0、k=0である)等である。
(式(XVI)中、R30及びR31は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、kは0〜4の整数、nは平均値であり、0〜20の整数、小数又は帯小数を示し、i及びkはそれぞれ全て同一でも異なっていてもよい)
ベンズアルデヒド型とアラルキル型との共重合型フェノール樹脂は、ベンズアルデヒド骨格を有する化合物を原料として用いたフェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂であれば特に限定されない。ベンズアルデヒド型とアラルキル型との共重合型フェノール樹脂は、好ましくは、下記一般式(XVII)で示されるフェノール樹脂である。下記一般式(XVII)で示されるフェノール樹脂の中で市販されているものは、例えば、HE−510(エア・ウォーター・ケミカル(株)製、商品名:i=0、k=0、q=0である)等である。
(式(XVII)中、R32〜R34は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、kは0〜4の整数、qは0〜5の整数、l、mはそれぞれ平均値で0〜21の整数、小数又は帯小数であり(l+m)は1〜21の正数を示し、iはそれぞれ全て同一でも異なっていてもよい)
ノボラック型フェノール樹脂には、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール及びアミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール及びジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド及びサリチルアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるものなどが挙げられる。ノボラック型フェノール樹脂は、上記フェノール類及び/又は上記ナフトール類と上記アルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるフェノール樹脂であれば特に限定されない。ノボラック型フェノール樹脂は、好ましくは、下記一般式(XVIII)で示されるフェノール樹脂である。下記一般式(XVIII)で示されるフェノール樹脂の中で市販されているものには、例えば、タマノル758、759(荒川化学工業(株)製、商品名:i=0、R35が全て水素原子である)及びHP−850N(日立化成(株)製、商品名)等が挙げられる。
(式(XVII)中、R35及びR36は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよく、iは0〜3の整数、kは0〜4の整数、nは平均値であり、0〜20の整数、小数又は帯小数を示し、iはそれぞれ全て同一でも異なっていてもよい)
上記一般式(XII)〜(XVIII)におけるnは、好ましくは0〜20の範囲である。nが0〜20の範囲であると、フェノール硬化剤(B)の溶融粘度が高くなりすぎないようにし、樹脂組成物の成形性を良好にすることができる。平均nは0〜10の範囲であることがより好ましい。
本発明による希土類ボンド磁石用コンパウンドにおいて、エポキシ樹脂(A)とフェノール樹脂硬化剤(B)との配合比率は、全エポキシ樹脂のエポキシ当量に対する全フェノール樹脂の水酸基当量の比率(フェノール樹脂中の水酸基数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)で、0.5〜2.0であることが好ましく、0.7〜1.5であることがより好ましく、0.8〜1.3であることがさらに好ましい。上記比率が0.5〜2.0であると、エポキシ樹脂は十分に硬化し、硬化物の耐熱性が良好になる。
[硬化促進剤(C)]
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドの樹脂組成物に使用される硬化促進剤(C)は、下記一般式(I−1)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含む。
式(I−1)中、R1〜R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜18の炭化水素基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR1〜R3が互いに結合して環状構造を形成してもよく、R4〜R7は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基及び炭素数1〜18の有機基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR4〜R7が互いに結合して環状構造を形成してもよい。
上記一般式(I−1)のR1〜R3として記載した「炭素数1〜18の炭化水素基」は、炭素数1〜18を有し、置換されても又は非置換であってもよい脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含むことを意味する。
より具体的には、上記置換又は非置換の脂肪族炭化水素基には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、アリル基及びビニル基等の脂肪族炭化水素基、並びにそれらをアルキル基、アルコキシ基、アリール基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換したものなどが挙げられる。
また、上記置換又は非置換の脂肪族炭化水素基には、置換又は非置換の脂環式炭化水素基も含まれる。置換又は非置換の脂環式炭化水素基には、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基及びシクロヘキセニル基等、並びにそれらをアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換したものなどが挙げられる。
上記置換又は非置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基及びトリル基等のアリール基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基、ブチルフェニル基及びtert−ブチルフェニル基等のアルキル基置換アリール基、並びにメトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基及びtert−ブトキシフェニル基等のアルコキシ基置換アリール基などが挙げられ、それらをさらにアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換したものであってもよい。
一般式(I−1)のR1〜R3として記載した用語「2以上のR1〜R3が互いに結合して環状構造を形成してもよい」とは、2又は3つのR1が結合し、全体としてそれぞれ2又は3価の炭化水素基となる場合を意味する。例えば、リン原子と結合して環状構造を形成し得るエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン及びヘキシレン等のアルキレン基、エチレニル、プロピレニル及びブチレニル基等のアルケニル基、メチレンフェニレン基等のアラルキレン基、並びにフェニレン、ナフチレン及びアントラセニレン等のアリーレン基などが挙げられ、それらはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、水酸基及びハロゲン原子等で置換されていてもよい。
なお、上記一般式(I−1)のR1〜R3としては、特に限定されるものではないが、置換されていてもよいアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる1価の置換基であることが好ましい。中でも、原料の入手しやすさの観点から、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基等の、非置換或いはアルキル基及び/又はアルコキシ基置換のアリール基、並びに、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基及びシクロヘキシル基等の鎖状又は環状のアルキル基から選ばれる置換基がより好ましい。フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基等の、非置換或いはアルキル基及び/又はアルコキシ基置換のアリール基であることがさらに好ましい。
上記一般式(I−1)のR4〜R7として記載した「炭素数1〜18の有機基」は、炭素数1〜18を有し、かつ置換されても又は非置換であってもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素オキシ基、芳香族炭化水素オキシ基、カルボニル基、オキシカルボニル基及びカルボニルオキシ基からなる群から選択される少なくとも1種類を含むことを意味する。
より具体的には、上記置換又は非置換の脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基としては、R1〜R3として先に説明した通りである。
上述の脂肪族炭化水素オキシ基、上記カルボニル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基は、例えば、上記式(III)で説明したものと同じである。
上記一般式(I−1)のR4〜R7として記載した用語「2以上のR2が互いに結合して環状構造を形成してもよい」とは、2〜4つのR4〜R7が結合し、全体としてそれぞれ2〜4価の有機基となる場合を意味する。例えば、環状構造を形成し得るエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン及びヘキシレン等のアルキレン基、エチレニル、プロピレニル及びブチレニル基等のアルケニル基、メチレンフェニレン基等のアラルキレン基、フェニレン、ナフチレン及びアントラセニレン等のアリーレン基、並びにこれらアルキレン基、アルケニル基、アラルキレン基及びアリーレン基等のオキシ基又はジオキシ基などが挙げられ、それらはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、水酸基及びハロゲン原子等で置換されていてもよい。
上記一般式(I−1)のR4〜R7は、特に限定されるものではないが、水素原子、並びに、置換されていてもよい、アルキル基、アリール基、アルコキシ基及びアリールオキシ基等が好ましい。中でも原料の入手しやすさの観点からは、水素原子、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基及びp−メトキシフェニル基等の、非置換或いはアルキル基及び/又はアルコキシ基置換のアリール基、並びに、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基及びシクロヘキシル基等の鎖状又は環状のアルキル基から選ばれる置換基がよりに好ましい。
本発明による硬化促進剤(C)の中でも、速硬化性及び保存安定性の観点からは、下記一般式(I−2)又は(I−3)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含むことが好ましい。中でも、低粘度性の観点から(I−3)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含むことがより好ましい。
式(I−2)中、R1〜R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜18の炭化水素基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR1〜R3が互いに結合して環状構造を形成してもよく、R4〜R7は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数1〜18の有機基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR4〜R7が互いに結合して環状構造を形成してもよい。
式(I−3)中、R1〜R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR1〜R3が互いに結合して環状構造を形成してもよく、R4〜R6は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数1〜18の有機基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR4〜R7が互いに結合して環状構造を形成してもよい。
上記一般式(I−2)のR1〜R3として記載した「炭素数1〜18の炭化水素基」は、炭素数1〜18を有し、置換されても又は非置換であってもよい脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含むことを意味する。また、上記一般式(I−3)のR1〜R3として記載した「炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基」は、炭素数1〜18を有し、置換されても又は非置換であってもよい脂肪族炭化水素基を意味する。
上記一般式(I−2)のR4〜R7として記載した「炭素数1〜18の有機基」は、炭素数1〜18を有し、かつ置換されても又は非置換であってもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、及び脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素オキシ基、カルボニル基、オキシカルボニル基、及びカルボニルオキシ基が結合したものを含むことを意味する。また、上記一般式(I−3)のR4〜R6として記載した「炭素数1〜18の有機基」は、炭素数1〜18を有し、かつ置換されても又は非置換であってもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素オキシ基、芳香族炭化水素オキシ基、カルボニル基、オキシカルボニル基、及びカルボニルオキシ基からなる群から選択される少なくとも1種類を含むことを意味する。
上述の、置換又は非置換の脂肪族炭化水素基、置換又は非置換の芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素オキシ基、芳香族炭化水素オキシ基、カルボニル基、オキシカルボニル基、オキシカルボニル基、及びカルボニルオキシ基は、上記一般式(I−1)で説明したものと同様である。
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドの樹脂組成物に使用される硬化促進剤(C)は1種以上の上述の硬化促進剤を含むが、それらに加えて上記以外の周知の硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤(C)が上記以外の硬化促進剤を含む場合、硬化促進剤(C)の質量に対して、上述の硬化促進剤の含有量は、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。上述の硬化促進剤の含有量が30質量%以上であると、本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドの樹脂組成物を十分に硬化させることができる。
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドの樹脂組成物における硬化促進剤(C)の配合量は、硬化促進効果が達成できれば特に制限はない。しかし、樹脂組成物の吸湿時の硬化性及び流動性における改善の観点からは、100質量部のエポキシ樹脂(A)に対し、硬化促進剤(C)の配合量は、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは1〜15質量部である。硬化促進剤(C)の配合量が0.1〜30質量部であると、樹脂組成物は、適度な硬化速度で硬化する。上記の配合量の硬化促進剤(C)は、例えば、エポキシ樹脂(A)及びフェノール樹脂硬化剤(B)を混合するときに一緒に配合される。
上述のように、本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドにおける樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂硬化剤(B)及び硬化促進剤(C)を配合して得られるものである。硬化促進剤(C)は、エポキシ樹脂(A)及びフェノール樹脂硬化剤(B)と配合した際の構造、エポキシ樹脂(A)及び/又はフェノール樹脂硬化剤(B)と反応した構造のいずれか、又は混合物として存在しており、その構造は、核磁気共鳴装置(NMR)等の方法で分析することが可能である。
[希土類ボンド磁石用粉末(D)]
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドに使用される希土類ボンド磁石用粉末(D)は、希土類磁石の粉末であれば特に限定されない。希土類ボンド磁石用粉末(D)には、例えば、サマリウム−コバルト系希土類ボンド磁石用粉末、ネオジム鉄ボロン系希土類ボンド磁石用粉末及びサマリウム鉄窒化化合物系希土類ボンド磁石用粉末等が挙げられる。希土類ボンド磁石用粉末(D)は、例えば、急冷凝固法により製造される。急冷凝固法では、磁石合金の溶湯を回転する水冷ロールの表面に放出することにより、磁石合金の溶湯を急冷して凝固させることにより急冷合金を作製する。そして、急冷合金を粉砕することにより希土類ボンド磁石用粉末(D)を作製する。また、HDDR(Hydrogenation Disproportionation Desorption Recombination)法により作製した希土類ボンド磁石用粉末(D)を使用してもよい。
好適な希土類ボンド磁石用粉末(D)の粉末の個々の粒子の形状は扁平形状(例えば粉末粒子の形状アスペクト比=短径/長径が0.3以下)であることが好ましい。このような粉末としては、例えば、国際公開第2006/064794号パンフレット及び国際公開第2006/101117号パンフレットに記載のTi含有ナノコンポジット磁石用粉末及び米国特許第4802931号明細書等に記載の希土類系急冷合金粉末が挙げられる。扁平形状を有する希土類ボンド磁石用粉末を希土類ボンド磁石用コンパウンドに用いると、圧縮成形のとき、希土類ボンド磁石用粉末が比較的整然と積層する。これにより、希土類ボンド磁石用粉末間に空隙及び樹脂溜りができにくくなり、希土類ボンド磁石用粉末を高密充填しやすくなる。したがって、希土類ボンド磁石用粉末(D)は扁平形状を有することが好ましい。
希土類系ボンド磁石用粉末(D)の粒度は、好ましくは全体の80%以上が20〜300μmであり、より好ましくは40〜250μmである。本明細書において、希土類系ボンド磁石用粉末(D)の粒度は、ロータップ型ふるい振盪機((株)飯田製作所製)により測定した値である。
[希土類ボンド磁石用コンパウンドの製造方法]
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドは、例えば、以下のように製造する。まず、エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂硬化剤(B)及び硬化促進剤(C)を配合して樹脂組成物を合成する(第1の工程)。また、希土類ボンド磁石用粉末を用意する。次に、樹脂組成物を有機溶剤で希釈した後、希土類ボンド磁石用粉末と有機溶剤で希釈した樹脂組成物とを混合する。そして、混合中に有機溶剤を揮発させることにより、希土類ボンド磁石用粉末と、希土類ボンド磁石用粉末を被覆する樹脂組成物とを含む希土類ボンド磁石用コンパウンドを作製することができる(第2の工程)。
[樹脂組成物のその他の配合成分]
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドの樹脂組成物に、エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂硬化剤(B)及び硬化促進剤(C)以外に他の成分を配合してもよい。例えば、本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドの樹脂組成物に、カップリング剤、エラストマー変性剤、フィラー、難燃剤及び有機溶剤を配合してもよい。
(カップリング剤)
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドの樹脂組成物と希土類ボンド磁石用粉末との密着性を高めるために、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン及びビニルシラン等のシラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類並びにアルミニウム/ジルコニウム系化合物などの公知のカップリング剤を樹脂組成物に配合してもよい。
(エラストマー変性剤)
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドの樹脂組成物と希土類ボンド磁石用粉末との密着性を高めるために、樹脂組成物の強靱化のため及び樹脂成分の内部応力を低減させるために、必要に応じて、液状ゴム変性剤、ゴム粒子径変性剤、コアシェル粒子径変性剤、シリコーン系変性剤及びウレタンプレポリマー変性剤等のエラストマー変性剤を樹脂組成物に配合してもよい。
(フィラー)
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドの樹脂組成物の吸水性、寸法安定性、耐薬品性、機械強度向上及び熱膨張係数向上等のために、シリカ、炭酸カルシウム、カオリンクレー、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク及びマイカ等のフィラーを樹脂組成物に配合してもよい。
(難燃剤)
本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドの樹脂組成物の環境安全性、リサイクル性、成形加工性及び低コストのために、臭素系難燃剤、鱗茎難燃剤、水和金属化合物系難燃剤、シリコーン系難燃剤、窒素含有化合物、ヒンダードアミン化合物、有機金属化合物及び芳香族エンプラ等の難燃剤を樹脂組成物に配合してもよい。また、必要に応じて難燃助剤を樹脂組成物にさらに配合してもよい。
(有機溶剤)
後述のコンパウンドの製造工程において樹脂組成物の粘度を低下させて混練時の作業性及び流動性を向上させるために、有機溶剤を樹脂組成物に配合してもよい。樹脂組成物の希釈に使用する有機溶剤は、作業性の面から常温で気体となる揮発性の有機溶剤が好ましい。好適に使用され得る有機溶剤には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン及びキシレン等が挙げられる。安全性や取り扱い性の観点から、メチルエチルケトンが最も好ましい。
[希土類ボンド磁石用粉末と樹脂組成物との質量比]
希土類ボンド磁石用粉末及び樹脂組成物の合計質量に対する樹脂組成物の割合は、好ましくは0.2〜20質量%であり、より好ましくは0.4〜5質量%である。希土類ボンド磁石用粉末と樹脂組成物との質量比が0.2〜20質量%であると、希土類ボンド磁石の実用的な強度と磁気特性を両立させることができる。
希土類ボンド磁石用コンパウンドの後述の圧縮成形における金型の損傷を低減するため、希土類ボンド磁石用コンパウンドにステアリン酸カルシウム等の潤滑剤を添加してもよい。
好ましい実施形態において、希土類ボンド磁石用コンパウンド中の樹脂組成物は希土類ボンド磁石用粉末の粒子を90%以上の被覆率で被覆する。被覆率が90%未満であると、樹脂組成物によって被覆されていない希土類ボンド磁石用粉末の粒子同士が接することで導通してしまい、高い電気抵抗値が得られない確率が高くなる。被覆率の上限は100%である。
[希土類ボンド磁石の製造方法]
本発明の希土類ボンド磁石の製造方法は、上記希土類ボンド磁石用コンパウンドを作製する工程(第1の工程及び第2の工程)、希土類ボンド磁石用コンパウンドを圧縮成形して、希土類ボンド磁石用コンパウンドの圧縮成形体を作製する工程(第3の工程)、及び圧縮成形体を熱処理する工程を含む(第4の工程)。
希土類ボンド磁石用コンパウンドを圧縮成形する工程(第3の工程)では、好ましくは500〜2500MPaの圧力で、より好ましくは1400〜2000MPaの圧力で、本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドを圧縮成形して、希土類ボンド磁石用コンパウンドの圧縮成形体を作製する。希土類ボンド磁石用コンパウンドを圧縮するときの圧力が500〜2500MPaであると、希土類ボンド磁石を緻密にでき、実用的な磁気特性を得ることができるとともに、金型の負担を低減できる。圧縮成形体の密度は、希土類ボンド磁石用粉末の粒子の真密度に対して、好ましくは75%以上86%以下、より好ましくは80%以上86%以下である。希土類ボンド磁石用コンパウンドの圧縮成形体の密度が75%以上86%以下であると、磁気特性が良好で、機械強度が高い希土類ボンド磁石を製造することができる。
圧縮成形体を熱処理する工程(第4の工程)では、好ましくは150〜400℃の温度で、より好ましくは175〜350℃の温度で圧縮成形体を熱処理する。圧縮成形体を熱処理する温度が150〜400℃の温度であると、樹脂組成物が十分に硬化した希土類ボンド磁石を製造することができる。また、熱処理の時間は、好ましくは1分〜4時間であり、より好ましくは5分〜3時間である。
[希土類ボンド磁石]
本発明の希土類ボンド磁石は、本発明の希土類ボンド磁石用コンパウンドを使用して本発明の希土類ボンド磁石の製造方法により製造される。
[希土類ボンド磁石中の硬化樹脂組成物のガラス転移温度]
希土類ボンド磁石における、樹脂組成物が硬化して形成した硬化樹脂組成物のガラス転移温度は、好ましくは150℃以上であり、より好ましくは175℃以上であり、さらに好ましくは200℃以上である。希土類ボンド磁石における、樹脂組成物が硬化して形成した硬化樹脂組成物のガラス転移温度が150℃以上であると、耐熱性が優れた希土類ボンド磁石を得ることができる。なお、ガラス転移温度は、例えば、動的粘弾性測定において、tanδがピークになる温度である。
[希土類ボンド磁石の弾性率の比率]
50℃における希土類ボンド磁石の弾性率に対する、150℃における希土類ボンド磁石の弾性率の比率は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。上記弾性率の比率が70%以上であると、耐熱性が優れた希土類ボンド磁石を得ることができる。なお、弾性率を測定する方法には、三点曲げ試験を50℃及び150℃の温度で測定する方法及び動的粘弾性測定による50℃及び150℃の弾性率を測定する方法等が挙げられる。
[希土類ボンド磁石の相対密度]
希土類ボンド磁石の相対密度は、希土類ボンド磁石用粉末の粒子の真密度に対して、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%であり、さらに好ましくは90%以上である。希土類ボンド磁石の相対密度が、希土類ボンド磁石用粉末の粒子の真密度に対して、70%以上であると、優れた磁気特性を有す希土類ボンド磁石を得ることができる。また、希土類ボンド磁石の密度は、希土類ボンド磁石用粉末の粒子の真密度に対して、好ましくは95%以下である。
希土類ボンド磁石の150℃の温度における圧壊強度は、好ましくは100MPa以上であり、より好ましくは150MPaであり、さらに好ましくは160MPa以上である。希土類ボンド磁石の150℃の温度における圧壊強度が100MPa以上であると、高温において機械強度の高い希土類ボンド磁石を得ることができる。
以下、本発明について実施例によってより具体的に説明するが、本発明の範囲は以下に示す実施例によって制限されるものではない。
実施例1〜4及び比較例1〜3の希土類ボンド磁石用コンパウンドについて以下の評価を行った。
(1)ガラス転移温度(耐熱性の指標)
100質量部の希土類ボンド磁石用コンパウンドに対して0.3質量部のステアリン酸カルシウムを希土類ボンド磁石用コンパウンドに添加し、次いで、油圧プレス機を用い、2000MPaの成形圧力で希土類ボンド磁石用コンパウンドを成形し、圧縮成形体を作製した。得られた圧縮成形体の形状は、円弧角が135°、外径弧長さが17mm、内径弧長さ14mm及び高さが23mmである弓形、及び外径が50mm、内径が44mm、高さが20mmであるの円筒形状であった。
得られた圧縮成形体を窒素ガス(N2)雰囲気下、200℃の温度で10分間の熱処理を実施して、希土類ボンド磁石用コンパウンド中の樹脂組成物を硬化させ、希土類ボンド磁石を作製した。次に、得られた希土類ボンド磁石から12mm×3mm×1.3mmの短冊形状の試験片を切り出した。そして、動的粘弾性測定装置DMA−RSA3(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、支点間の距離を10mmとして、3点曲げの方法で35〜250℃の動的粘弾性を測定した。本測定によりtanδが最大となる温度をガラス転移温度(℃)とした。
(2)50℃の弾性率に対する150℃弾性率の比率(耐熱性の指標)
上記「(1)ガラス転移温度の測定」の評価で測定した35〜250℃の動的粘弾性の結果から50℃の弾性率及び150℃の弾性率を抜き出し、150℃の弾性率を50℃の弾性率で割り算することにより、50℃における希土類ボンド磁石の弾性率に対する、150℃における希土類ボンド磁石の弾性率の比率(%)を求めた。
(3)圧壊強度
100質量部の希土類ボンド磁石用コンパウンドに対して0.3質量部のステアリン酸カルシウムを希土類ボンド磁石用コンパウンドに添加し、次いで、油圧プレス機を用い、2000MPaの成形圧力で希土類ボンド磁石用コンパウンドを成形し、圧縮成形体を作製した。得られた圧縮成形体の形状は、外径が11.3mm、高さが8mmである円柱形状であった。
得られた圧縮成形体を窒素ガス(N2)雰囲気下、200℃の温度で10分間の熱処理を実施して、希土類ボンド磁石用コンパウンド中の樹脂組成物を硬化させ、希土類ボンド磁石の試験片を作製した。次に、万能圧縮試験機((株)島津製作所製、AG-10TBR)を使用して、25℃、80℃及び150℃の測定の試験片を高さ方向から圧縮圧力をそれぞれ印加し、圧縮圧力により試験片が破壊されたときの圧縮圧力を圧壊強度(MPa)とした。
(4)25℃で50日放置後の圧壊強度(保存安定性の指標)
希土類ボンド磁石用コンパウンドを25℃で50日放置した後のコンパウンドを用いて、上述の「(3)圧壊強度」と同様な方法で、試験片を作製し、25℃での圧壊強度(MPa)を測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜3の希土類ボンド磁石用コンパウンドを以下のように作製した。
エポキシ樹脂として、エポキシ当量168、軟化点64℃のサリチルアルデヒド型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂1:日本化薬(株)製、商品名EPPN-502H)、エポキシ当量195、軟化点62℃のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂2:DIC(株)製、商品名N-500P1)、エポキシ当量470、軟化点68℃のビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂3:DIC(株)製、商品名エピクロン1050)を用意した。
硬化剤として、水酸基当量103、軟化点84℃のサリチルアルデヒド型フェノール樹脂(硬化剤1:明和化成(株)製、商品名MEH-7500)、水酸基当量106、軟化点85℃のフェノールノボラック樹脂(硬化剤2:日立化成(株)製、商品名HP-850N)、アミン当量21、融点210℃のジシアンジアミド(硬化剤3:東京化成(株)製試薬)を用意した。
硬化促進剤として、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンの付加反応物(硬化促進剤1:化学名、4−ヒドロキシ−2−トリフェニルホスホニオフェノラート)、トリ−n−ブチルホスフィンと1,4−ベンゾキノンの付加反応物(硬化促進剤2:化学名、4−ヒドロキシ−2−トリブチルホスホニオフェノラート)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(硬化促進剤3:四国化成工業(株)製、商品名2E4MZ)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(硬化促進剤4:サンアプロ(株)製、商品名DBU)を用意した。
希土類ボンド磁石用粉末として、Nd−Fe−B系希土類磁石用粉末(モリコープマグネクエンチ社製、商品名MQP−B、平均粒径:100μm)を用意した。
メチルエチルケトンを用意した。
希土類ボンド磁石用粉末を除く、上述の成分をそれぞれ表1に示す重量部で溶剤に溶解させた後、希土類ボンド磁石用粉末と混合撹拌した。減圧下で溶剤を留去して、実施例1〜4及比較例1〜3の希土類ボンド磁石用コンパウンドを作製した。
[結果]
実施例1〜4及比較例1〜3の希土類ボンド磁石用コンパウンドの評価結果を以下の表2に示す。
表2から分かるように、実施例1〜4は、いずれにおいても耐熱性の指標である50℃弾性率に対する150℃弾性率の比率が高く、ガラス転移温度も高い結果となり、高温(150℃)での圧壊強度も良好であった。また、実施例1〜4における25℃で50日放置した後のコンパウンドを用いて作製した試験片の圧壊強度は高かった。これより、実施例1〜4のコンパウンドを用いることにより、コンパウンドが長時間放置されることにより生ずる試験片の機械強度の低下が抑えられていることがわかった。これに対して、比較例1は、耐熱性の指標である50℃弾性率に対する150℃弾性率の比率が低く、ガラス転移温度も低い結果となり、高温(150℃)での圧壊強度も劣っていた。また、比較例2及び3では、保存安定性の指標である25℃50日間放置した後のコンパウンドを用いて作製した試験片の圧壊強度(25℃)が低かった。このため、比較例2及び3のコンパウンドでは、生産性について問題が生じる可能性がある。
本発明による希土類ボンド磁石用コンパウンドを用いて作製した希土類ボンド磁石は高温での圧壊強度及び保存安定性に優れ、耐熱性も良好であり、長時間、高温に曝されることによる機械強度の低下が小さい。このような希土類ボンド磁石用コンパウンドを用いることによって、良好な生産性で、耐熱性に優れる希土類ボンド磁石を提供することが可能となり、その工業的価値は高い。

Claims (15)

  1. エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂硬化剤(B)及び硬化促進剤(C)を配合してなる樹脂組成物と希土類ボンド磁石用粉末(D)とを含み、
    前記硬化促進剤(C)が下記一般式(I−1)で示される、希土類ボンド磁石用コンパウンド。

    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜18の炭化水素基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR〜Rが互いに結合して環状構造を形成してもよく、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基及び炭素数1〜18の有機基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR〜Rが互いに結合して環状構造を形成してもよい)
  2. 前記希土類ボンド磁石用粉末(D)及び前記樹脂組成物の合計質量に対する前記樹脂組成物の割合が0.2〜20質量%である、請求項1に記載の希土類ボンド磁石用コンパウンド。
  3. 前記エポキシ樹脂(A)は、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂及びナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂からなる群から選択される1種又は2種以上の樹脂である、請求項1又は2に記載の希土類ボンド磁石用コンパウンド。
  4. 前記フェノール樹脂硬化剤(B)は、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型樹脂及びノボラック型フェノール樹脂からなる群から選択される1種又は2種以上の樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の希土類ボンド磁石用コンパウンド。
  5. 前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量に対する前記フェノール樹脂硬化剤(B)の水酸基当量の比率は0.5〜2.0である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の希土類ボンド磁石用コンパウンド。
  6. 前記硬化促進剤(C)の配合量が、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して0.1〜30質量部である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の希土類ボンド磁石用コンパウンド。
  7. エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂硬化剤(B)及び硬化促進剤(C)を配合して樹脂組成物を合成する第1の工程、
    希土類ボンド磁石用粉末(D)を前記樹脂組成物と混合して希土類ボンド磁石用コンパウンドを作製する第2の工程、
    前記希土類ボンド磁石用コンパウンドを圧縮成形して、前記希土類ボンド磁石用コンパウンドの圧縮成形体を作製する第3の工程、及び
    前記圧縮成形体を熱処理する第4の工程を含み、
    前記硬化促進剤(C)が下記一般式(I−1)で示される、希土類ボンド磁石の製造方法。

    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜18の炭化水素基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR〜Rが互いに結合して環状構造を形成してもよく、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基及び炭素数1〜18の有機基を示し、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR〜Rが互いに結合して環状構造を形成してもよい)
  8. 前記第3の工程において、500〜2500MPaの圧力で前記希土類ボンド磁石用コンパウンドを圧縮成形する、請求項7に記載の希土類ボンド磁石の製造方法。
  9. 前記第4の工程において、150〜400℃の温度で前記圧縮成形体を熱処理する、請求項7又は8に記載の希土類ボンド磁石の製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の希土類ボンド磁石用コンパウンドを用いてなる希土類ボンド磁石。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の希土類ボンド磁石用コンパウンドの圧縮成形体を硬化してなる希土類ボンド磁石。
  12. 希土類ボンド磁石における前記樹脂組成物が硬化して形成した硬化樹脂組成物のガラス転移温度150℃以上である、請求項10又は11に記載の希土類ボンド磁石。
  13. 50℃における前記希土類ボンド磁石の弾性率に対する、150℃における前記希土類ボンド磁石の弾性率の比率は70%以上である、請求項10〜12のいずれか1項に記載の希土類ボンド磁石。
  14. 150℃の温度における圧壊強度が100MPa以上である、請求項10〜13のいずれか1項に記載の希土類ボンド磁石。
  15. 前記希土類ボンド磁石の密度は、希土類ボンド磁石用粉末の粒子の真密度に対して、70%以上である、請求項10〜14のいずれか1項に記載の希土類ボンド磁石。
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