JP7345750B2 - エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物及びエポキシ樹脂改質剤 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物及びエポキシ樹脂改質剤 Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物及びエポキシ樹脂改質剤に関する。
エポキシ樹脂は耐熱性及び機械的強度に優れる樹脂材料として種々の産業分野で利用されている。エポキシ樹脂の用途に応じ、その特性を改良するための手段が種々検討されている。例えば、特許文献1には硬化物の耐熱性を損なうことなく硬化前の粘度が低減されたエポキシ樹脂組成物として、N-フェニルマレイミドを含むエポキシ樹脂組成物が記載されている。
特開平1-188518号公報
エポキシ樹脂の特性を改良する手段を数多く見出すことは、エポキシ樹脂の用途の多様化に鑑みて有益である。
上記事情に鑑み、本発明は、新規なエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物及びエポキシ樹脂改質剤を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1>エポキシ樹脂と、ラクチドとを含むエポキシ樹脂組成物。
<2>硬化促進剤をさらに含有する、<1>に記載のエポキシ樹脂組成物。
<3><1>又は<2>に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物である、エポキシ樹脂硬化物。
<4>ラクチドを含む、エポキシ樹脂改質剤。
本開示によれば、新規なエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物及びエポキシ樹脂改質剤が提供される。
モデル反応試験で得られた生成物、GPE及びラクチドのIR測定結果である。 モデル反応試験で得られた生成物のH-NMR測定結果である。 モデル反応試験で得られたGPEのH-NMR測定結果である。 モデル反応試験で得られたラクチドのH-NMR測定結果である。 モデル反応試験で得られた生成物のSEC測定結果である。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
<エポキシ樹脂組成物>
本開示のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、ラクチドとを含む。
上記構成を有するエポキシ樹脂組成物は、これを硬化させて得られる硬化物中にエポキシ樹脂とラクチドとが反応して得られる構造を形成する。このようなエポキシ樹脂組成物は、これまで報告されていない新規なものである。
本開示のエポキシ樹脂組成物によれば、エポキシ樹脂のみを硬化させて得られる硬化物にはみられない性質をその硬化物に付与することができる。例えば、本開示のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物は、エポキシ樹脂のみを硬化させて得られる硬化物に比べて高温下での質量減少が小さくなる(すなわち、耐熱性が向上する)場合がある。その理由は必ずしも明らかではないが、硬化物中に形成されるエポキシ樹脂とラクチドとが反応して得られる構造が何らかの作用を及ぼしていることが考えられる。
本開示のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂とラクチドとが反応して得られる構造に加え、ラクチド同士が反応して得られる構造を硬化物中に含んでいてもよい。ラクチドは、開環反応によりポリ乳酸を形成することが知られている。エポキシ樹脂組成物の硬化物中にラクチド同士の反応によりポリ乳酸構造を導入することで、耐衝撃性、柔軟性等の向上が期待できる。
エポキシ樹脂組成物に含まれるラクチドは、乳酸の環状二量体であり、下記構造を有する化合物である。ラクチドはL体であっても、D体であっても、L体とD体の組み合わせであってもよい。
本開示において「エポキシ樹脂とラクチドとが反応して得られる構造」が形成される過程の一例を下記のモデル反応に示す。ただし、本開示は下記反応に制限されるものではない。
上記モデル反応に示すように、エポキシ樹脂(上記反応ではグリシジルフェニルエーテル、GPE)は開環したラクチドと反応して、直鎖又は環状の共重合体を形成すると考えられる。共重合体の分子量は特に制限されず、所望の硬化物特性等に応じて設定できる。
エポキシ樹脂とラクチドとを反応させる条件は、特に制限されない。本発明者らの検討の結果、エポキシ樹脂とラクチドとの反応は、塩基(上記反応ではジアザビシクロウンデセン、DBU)の存在下、比較的高温(例えば180℃以上)の条件で行うことでより促進される傾向にあることがわかった。
エポキシ樹脂組成物に含まれるラクチドの量は特に制限されず、所望の硬化物特性等に応じて選択できる。
例えば、エポキシ樹脂1モルに対するラクチドの量は0.01モル~1モルであってもよく、0.05モル~0.5モルであってもよく、0.1モル~0.2モルであってもよい。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の種類は、特に制限されない。
エポキシ樹脂として具体的には、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール化合物及びα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等の脂肪族アルデヒド化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものであるノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等);上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂;上記フェノール化合物及びナフトール化合物と、アルデヒド化合物とを酸性触媒下で共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものである共重合型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のジグリシジルエーテルであるジフェニルメタン型エポキシ樹脂;アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン系フェノール化合物のジグリシジルエーテルであるスチルベン型エポキシ樹脂;ビスフェノールS等のジグリシジルエーテルである硫黄原子含有エポキシ樹脂;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の多価カルボン酸化合物のグリシジルエステルであるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;アニリン、アミノフェノール、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したものであるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンとフェノール化合物の共縮合樹脂をエポキシ化したものであるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;分子内のオレフィン結合をエポキシ化したものであるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシ)シクロヘキシル-5,5-スピロ(3,4-エポキシ)シクロヘキサン-m-ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるパラキシリレン変性エポキシ樹脂;メタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるメタキシリレン変性エポキシ樹脂;テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるテルペン変性エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるジシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルである多環芳香環変性エポキシ樹脂;ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるナフタレン型エポキシ樹脂;ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるアラルキル型エポキシ樹脂;などが挙げられる。さらにはアクリル樹脂のエポキシ化物等もエポキシ樹脂として挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量(分子量/エポキシ基数)は、特に制限されない。成形性、耐リフロー性及び電気的信頼等の各種特性バランスの観点からは、60g/eq~1000g/eqであることが好ましく、80g/eq~500g/eqであることがより好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K 7236:2009に準じた方法で測定される値とする。
エポキシ樹脂が固体である場合、その軟化点又は融点は特に制限されない。成形性と耐リフロー性の観点からは40℃~180℃であることが好ましく、エポキシ樹脂組成物の調製の際の取扱い性の観点からは50℃~130℃であることがより好ましい。
エポキシ樹脂の融点又は軟化点は、示差走査熱量測定(DSC)又はJIS K 7234:1986に準じた方法(環球法)で測定される値とする。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有率は、強度、流動性、耐熱性、成形性等の観点から0.5質量%~50質量%であることが好ましく、2質量%~30質量%であることがより好ましい。
(硬化剤)
エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて硬化剤を含んでもよい。
硬化剤の種類は特に制限されず、所望の硬化物特性等に応じて選択できる。エポキシ樹脂と併用する硬化剤としては、フェノール硬化剤、アミン硬化剤、酸無水物硬化剤、ポリメルカプタン硬化剤、ポリアミノアミド硬化剤、イソシアネート硬化剤、ブロックイソシアネート硬化剤等が挙げられる。耐熱性の観点からはフェノール硬化剤が好ましく、被着体への接着性の観点からはアミン硬化剤が好ましい。
フェノール硬化剤として具体的には、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の多価フェノール化合物;フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール化合物及びα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル等とから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂、メタキシリレン変性フェノール樹脂;メラミン変性フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジシクロペンタジエンとから共重合により合成されるジシクロペンタジエン型フェノール樹脂及びジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂;ビフェニル型フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂;これら2種以上を共重合して得たフェノール樹脂などが挙げられる。これらのフェノール硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミン硬化剤としては具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、n-プロピルアミン、2-ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4’-ジアミノ-ジシクロヘキシルメタン等の脂肪族アミン化合物、ジエチルトルエンジアミン、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ジメチルチオトルエンジアミン、2-メチルアニリン等の芳香族アミン化合物、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-イソプロピルイミダゾール等のイミダゾール化合物、イミダゾリン、2-メチルイミダゾリン、2-エチルイミダゾリン等のイミダゾリン化合物などが挙げられる。これらの中でも保存安定性の観点からは、芳香族アミン化合物が好ましく、ジエチルトルエンジアミン、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン及びジメチルチオトルエンジアミンがより好ましい。
その他の硬化剤の官能基当量(フェノール硬化剤の場合は水酸基当量、アミン硬化剤の場合は活性水素当量)は、特に制限されない。成形性、耐リフロー性、電気的信頼性等の各種特性バランスの観点からは、10g/eq~1000g/eqであることが好ましく、30g/eq~500g/eqであることがより好ましい。
その他の硬化剤の官能基当量(フェノール硬化剤の場合は水酸基当量、アミン硬化剤の場合は活性水素当量)は、JIS K 0070:1992に準じた方法により測定される値とする。
硬化剤が固体である場合、その軟化点又は融点は、特に制限されない。成形性と耐リフロー性の観点からは、40℃~180℃であることが好ましく、エポキシ樹脂組成物の製造時における取扱い性の観点からは、50℃~130℃であることがより好ましい。
硬化剤の融点又は軟化点は、エポキシ樹脂の融点又は軟化点と同様にして測定される値とする。
硬化剤を使用する場合のエポキシ樹脂と硬化剤との当量比、すなわちエポキシ樹脂中の官能基数に対する硬化剤中の官能基数の比(硬化剤中の官能基数/エポキシ樹脂中の官能基数)は、特に制限されない。それぞれの未反応分を少なく抑える観点からは、0.5~2.0の範囲に設定されることが好ましく、0.6~1.3の範囲に設定されることがより好ましい。成形性と耐リフロー性の観点からは、0.8~1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
(硬化促進剤)
エポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤の種類は特に制限されず、エポキシ樹脂又は硬化剤の種類、エポキシ樹脂組成物の所望の特性等に応じて選択できる。
硬化促進剤としては、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)等のジアザビシクロアルケン、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール等の環状アミジン化合物;前記環状アミジン化合物の誘導体;前記環状アミジン化合物又はその誘導体のフェノールノボラック塩;これらの化合物に無水マレイン酸、1,4-ベンゾキノン、2,5-トルキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルベンゾキノン、2,6-ジメチルベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、フェニル-1,4-ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどの、π結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;DBUのテトラフェニルボレート塩、DBNのテトラフェニルボレート塩、2-エチル-4-メチルイミダゾールのテトラフェニルボレート塩、N-メチルモルホリンのテトラフェニルボレート塩等の環状アミジニウム化合物;ピリジン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン化合物;前記三級アミン化合物の誘導体;酢酸テトラ-n-ブチルアンモニウム、リン酸テトラ-n-ブチルアンモニウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、安息香酸テトラ-n-ヘキシルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム等のアンモニウム塩化合物;トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p-トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の三級ホスフィン;前記三級ホスフィンと有機ボロン類との錯体等のホスフィン化合物;前記三級ホスフィン又は前記ホスフィン化合物と無水マレイン酸、1,4-ベンゾキノン、2,5-トルキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルベンゾキノン、2,6-ジメチルベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、フェニル-1,4-ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどの、π結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;前記三級ホスフィン又は前記ホスフィン化合物と4-ブロモフェノール、3-ブロモフェノール、2-ブロモフェノール、4-クロロフェノール、3-クロロフェノール、2-クロロフェノール、4-ヨウ化フェノール、3-ヨウ化フェノール、2-ヨウ化フェノール、4-ブロモ-2-メチルフェノール、4-ブロモ-3-メチルフェノール、4-ブロモ-2,6-ジメチルフェノール、4-ブロモ-3,5-ジメチルフェノール、4-ブロモ-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、4-クロロ-1-ナフトール、1-ブロモ-2-ナフトール、6-ブロモ-2-ナフトール、4-ブロモ-4’-ヒドロキシビフェニル等のハロゲン化フェノール化合物を反応させた後に、脱ハロゲン化水素の工程を経て得られる、分子内分極を有する化合物;テトラフェニルホスホニウム等のテトラ置換ホスホニウム、テトラ-p-トリルボレート等のホウ素原子に結合したフェニル基がないテトラ置換ホスホニウム及びテトラ置換ボレート;テトラフェニルホスホニウムとフェノール化合物との塩、テトラアルキルホスホニウムと芳香族カルボン酸無水物の部分加水分解物との塩などが挙げられる。
エポキシ樹脂組成物が硬化促進剤を含む場合、その量は、樹脂成分100質量部(エポキシ樹脂、ラクチド及び必要に応じて含まれる硬化剤の合計量)に対して0.1質量部~30質量部であることが好ましく、1質量部~15質量部であることがより好ましい。硬化促進剤の量が樹脂成分100質量部に対して0.1質量部以上であると、短時間で良好に硬化する傾向にある。硬化促進剤の量が樹脂成分100質量部に対して30質量部以下であると、硬化速度が速すぎず良好な成形品が得られる傾向にある。
(無機充填材)
本開示のエポキシ樹脂組成物は、無機充填材を含有してもよい。無機充填材の種類は、特に制限されない。具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、タルク、クレー、マイカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の無機材料が挙げられる。難燃効果を有する無機充填材を用いてもよい。難燃効果を有する無機充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムと亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水酸化物、硼酸亜鉛などが挙げられる。
無機充填材の中でも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカ等のシリカが好ましく、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。無機充填材は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機充填材の形態としては粉未、粉末を球形化したビーズ、繊維等が挙げられる。
無機充填材が粒子状である場合、その平均粒径は、特に制限されない。例えば、平均粒径が0.1μm~100μmであることが好ましく、0.3μm~50μmであることがより好ましい。平均粒径が0.1μm以上であると、エポキシ樹脂組成物の粘度の上昇がより抑制される傾向がある。平均粒径が100μm以下であると、充填性がより向上する傾向にある。無機充填材の平均粒径は、レーザー散乱回折法粒度分布測定装置により、体積平均粒径(D50)として求める。
エポキシ樹脂組成物に含まれる無機充填材の含有率は特に制限されない。流動性及び強度の観点からは、エポキシ樹脂組成物全体の30体積%~90体積%であることが好ましく、35体積%~80体積%であることがより好ましく、40体積%~70体積%であることがさらに好ましい。無機充填材の含有率がエポキシ樹脂組成物全体の30体積%以上であると、硬化物の熱膨張係数、熱伝導率、弾性率等の特性がより向上する傾向にある。無機充填材の含有率がエポキシ樹脂組成物全体の90体積%以下であると、エポキシ樹脂組成物の粘度の上昇が抑制され、流動性がより向上して成形性がより良好になる傾向にある。
[各種添加剤]
エポキシ樹脂組成物は、上述の成分に加えて、以下に例示するカップリング剤、イオン交換体、離型剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤を含んでもよい。エポキシ樹脂組成物は、以下に例示する添加剤以外にも必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を含んでもよい。
(カップリング剤)
エポキシ樹脂組成物は、カップリング剤を含んでもよい。樹脂成分と無機充填材との接着性を高める観点からは、エポキシ樹脂組成物はカップリング剤を含むことが好ましい。カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウム/ジルコニウム系化合物などの公知のカップリング剤が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物がカップリング剤を含む場合、カップリング剤の量は、無機充填材100質量部に対して0.05質量部~10質量部であることが好ましく、0.1質量部~5質量部であることがより好ましい。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して0.05質量部以上であると、フレームとの接着性がより向上する傾向にある。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して10質量部以下であると、パッケージの成形性がより向上する傾向にある。
(イオン交換体)
エポキシ樹脂組成物は、イオン交換体を含んでもよい。エポキシ樹脂組成物は、封止される素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、イオン交換体を含むことが好ましい。イオン交換体は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハイドロタルサイト化合物、並びにマグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及びビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の含水酸化物等が挙げられる。イオン交換体は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、下記一般式(A)で表されるハイドロタルサイトが好ましい。
Mg(1-X)Al(OH)(COX/2・mHO ……(A)
(0<X≦0.5、mは正の数)
エポキシ樹脂組成物がイオン交換体を含む場合、その含有量は、ハロゲンイオン等のイオンを捕捉するのに充分な量であれば特に制限はない。例えば、樹脂成分(エポキシ樹脂、ラクチド及び必要に応じて含まれる硬化剤の合計量)100質量部に対して0.1質量部~30質量部であることが好ましく、1質量部~10質量部であることがより好ましい。
(離型剤)
エポキシ樹脂組成物は、成形時における金型との良好な離型性を得る観点から、離型剤を含んでもよい。離型剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物が離型剤を含む場合、その量は樹脂成分(エポキシ樹脂、ラクチド及び必要に応じて含まれる硬化剤の合計量)100質量部に対して0.01質量部~10質量部が好ましく、0.1質量部~5質量部がより好ましい。離型剤の量が樹脂成分100質量部に対して0.01質量部以上であると、離型性が充分に得られる傾向にある。10質量部以下であると、より良好な接着性が得られる傾向にある。
(難燃剤)
エポキシ樹脂組成物は、難燃剤を含んでもよい。難燃剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む有機又は無機の化合物、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物が難燃剤を含む場合、その量は、所望の難燃効果を得るのに充分な量であれば特に制限されない。例えば、樹脂成分(エポキシ樹脂、ラクチド及び必要に応じて含まれる硬化剤の合計量)100質量部に対して1質量部~30質量部であることが好ましく、2質量部~20質量部であることがより好ましい。
(着色剤)
エポキシ樹脂組成物は、着色剤を含んでもよい。着色剤としてはカーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公知の着色剤を挙げることができる。着色剤の含有量は目的等に応じて適宜選択できる。着色剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物は、常温常圧下(例えば、25℃、大気圧下)において固体であっても、液体であってもよい。エポキシ樹脂組成物が固体である場合の形状は特に制限されず、粉状、粒状、タブレット状等が挙げられる。エポキシ樹脂組成物がタブレット状である場合の寸法及び質量は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び質量となるようにすることが取り扱い性の観点から好ましい。
エポキシ樹脂組成物の調製方法は、特に制限されない。エポキシ樹脂組成物の原料が常温常圧下において固体である場合は、所定の配合量の成分をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し、冷却し、粉砕する方法が挙げられる。エポキシ樹脂組成物の原料が常温常圧下において液体である場合は、擂潰機、ミキシングロール、プラネタリミキサ等の混合機を用いて混合及び混練し、必要に応じて脱泡する方法が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物の用途は、特に制限されない。例えば、電子部品装置の封止材(固体封止材及びアンダーフィル材)、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic、FRP)、絶縁材料等としての使用が挙げられる。
<エポキシ樹脂硬化物>
本開示のエポキシ樹脂硬化物は、エポキシ樹脂と、ラクチドとを含むエポキシ樹脂組成物の硬化物である。
上記構成を有するエポキシ樹脂硬化物は、エポキシ樹脂とラクチドとが反応して得られる構造を含んでいる。このようなエポキシ樹脂硬化物は、これまで報告されていない新規なものである。
本開示のエポキシ樹脂硬化物は、エポキシ樹脂のみを硬化させて得られる硬化物にはみられない性質(優れた耐熱性等)を備えることができる。
本開示のエポキシ樹脂硬化物は、エポキシ樹脂とラクチドとが反応して得られる構造に加え、ラクチド同士が反応して得られる構造(ポリ乳酸構造)を含んでいてもよい。これにより、耐衝撃性、柔軟性等の向上が期待できる。
本開示のエポキシ樹脂硬化物を形成するために用いるエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、ラクチドとを含むものであれば特に制限されない。例えば、上述したエポキシ樹脂組成物を用いてもよい。
<エポキシ樹脂改質剤>
本開示のエポキシ樹脂改質剤は、ラクチドを含む。
本開示のエポキシ樹脂改質剤は、エポキシ樹脂と混合してエポキシ樹脂組成物の状態で使用する。エポキシ樹脂改質剤は、エポキシ樹脂のみを硬化させて得られる硬化物には見られない特性(優れた耐熱性等)を硬化物に付与することができる。
エポキシ樹脂改質剤はラクチドのみからなっても、ラクチドとラクチド以外の成分とからなってもよい。エポキシ樹脂改質剤に含まれるラクチドは、L体であっても、D体であっても、L体とD体の組み合わせであってもよい。
エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂改質剤の量は特に制限されず、所望の硬化物特性に応じて選択できる。例えば、エポキシ樹脂1モルに対するエポキシ樹脂改質剤(ラクチド換算)の量は0.01モル~1モルであってもよく、0.05モル~0.5モルであってもよく、0.1モル~0.2モルであってもよい。
エポキシ樹脂改質剤と併用されるエポキシ樹脂及び必要に応じてエポキシ樹脂組成物に含まれる成分の詳細は、上述したエポキシ樹脂及び必要に応じてエポキシ樹脂組成物に含まれる成分の詳細と同様である。
以下、上記実施形態を実施例により具体的に説明するが、上記実施形態の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<エポキシ樹脂とラクチドのモデル反応試験>
試験管にグリシジルフェニルエーテル(GPE)及びラクチド(D体とL体の混合物)を加え(モル比1:1)、窒素置換下で均一に溶解するまで加熱した。その後ジアザビシクロウンデセン(DBU)を0.2mL加え、200℃で12時間反応を行った。反応終了後、クロロホルムで生成物を溶解し、分液漏斗に溶液を移し替え、そこに1N(mol/L)の塩酸水溶液を加え、よく振り反応溶液を中和した。次に水を加えよく振り洗浄した。その後、無水硫酸マグネシウムを加え脱水ろ過し、エバポレーターでクロロホルムを完全に飛ばし濃縮した。その後、ジエチルエーテルに滴下し、黒色の粘性物を得た。この粘性物をデシケーターに入れ、減圧乾燥した。
得られた生成物についてIR測定を行ったところ、図1に示す結果から、エポキシ骨格に起因する吸収(900cm-1付近)が消失し、OH基(3300cm-1付近)に起因する吸収が確認できたため、反応が進行したことが分かった。また、H-NMR測定を行ったところ、図2~4に示す結果から、エポキシ基を持つGPEのピーク(3.00ppm付近)が反応後の生成物と比べて消失し、OH基に起因するピークが確認できたため反応が進行したことが分かった。さらに、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)測定を行ったところ、図5に示す結果から、高分子側にピークが確認されたため重合が進んだことが分かった。
<合成例1>
試験管にビスフェノールA型エポキシ樹脂(下記構造)及びラクチド(D体とL体の混合物)をモル比1:1で加え、窒素置換下で均一に溶解するまで加熱した。その後DBUを0.2mL加え、200℃で24時間反応を行ったところ、硬化物が得られた。ビスフェノールA型エポキシ樹脂1モルに対するラクチドの量を0.2モル、0.1モルに変更しても同様に硬化物が得られた。
<合成例2>
試験管にトリフェニルメタン型エポキシ樹脂(下記構造)及びラクチド(D体とL体の混合物)をモル比1:1で加え、窒素置換下で均一に溶解するまで加熱した。その後DBUを0.2mL加え、200℃で24時間反応を行ったところ、硬化物が得られた。トリフェニルメタン型エポキシ樹脂1モルに対するラクチドの量を0.2モルに変更しても同様に硬化物が得られた。
<合成例3>
試験管にグリシジルアミン型エポキシ樹脂(下記構造)及びラクチド(D体とL体の混合物)をモル比1:1で加え、窒素置換下で均一に溶解するまで加熱した。その後DBUを0.2mL加え、200℃で24時間反応を行ったところ、硬化物が得られた。グリシジルアミン型エポキシ樹脂1モルに対するラクチドの量を0.2モル、0.1モルに変更しても同様に硬化物が得られた。
<合成例4>
試験管にビスフェノールF型エポキシ樹脂(下記構造)及びラクチド(D体とL体の混合物)をモル比1:1で加え、窒素置換下で均一に溶解するまで加熱した。その後DBUを0.2mL加え、200℃で24時間反応を行ったところ、硬化物が得られた。ビスフェノールF型エポキシ樹脂1モルに対するラクチドの量を0.2モル、0.1モルに変更しても同様に硬化物が得られた。
<合成例5>
試験管にビフェニル型エポキシ樹脂(下記構造)及びラクチド(D体とL体の混合物)をモル比1:1で加え、窒素置換下で均一に溶解するまで加熱した。その後DBUを0.2mL加え、200℃で24時間反応を行ったところ、硬化物が得られた。ビフェニル型エポキシ樹脂1モルに対するラクチドの量を0.2モル、0.1モルに変更しても同様に硬化物が得られた。
<合成例6>
試験管にビフェニル型エポキシ樹脂(下記構造)及びラクチド(D体とL体の混合物)をモル比1:1で加え、窒素置換下で均一に溶解するまで加熱した。その後DBUを0.2mL加え、200℃で24時間反応を行ったところ、硬化物が得られた。ビフェニル型エポキシ樹脂1モルに対するラクチドの量を0.2モル、0.1モルに変更しても同様に硬化物が得られた。
<耐熱性の評価>
合成例1、2、3で得られた硬化物に対し、耐熱性の指標として熱重量測定(TGA)を実施した。測定は窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分にて450℃まで加熱して行った。リファレンスとして、各合成例で使用したエポキシ樹脂にラクチドを加えずに(0モル)得た硬化物についても測定を行った。結果を表1に示す。
表1において「T1」は質量減少が開始したときの温度であり、「T2」は質量減少率が5%に達したときの温度であり、「T3」は質量減少率が10%に達したときの温度である。
表1に示すように、ラクチドを含むエポキシ樹脂組成物の硬化物は、ラクチドを含まないエポキシ樹脂組成物の硬化物に比べて加熱による質量減少が抑制される傾向が見られた。

Claims (2)

  1. エポキシ樹脂と、ラクチドと、硬化促進剤とのみからなり
    前記エポキシ樹脂1モルに対する前記ラクチドの量は0.05モル~0.2モルである、エポキシ樹脂組成物(ただし、カチオン光開始剤を含むものを除く)。
  2. 請求項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物である、エポキシ樹脂硬化物。
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