JP2007084797A - 硬化性樹脂、硬化性樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 - Google Patents
硬化性樹脂、硬化性樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007084797A JP2007084797A JP2006220466A JP2006220466A JP2007084797A JP 2007084797 A JP2007084797 A JP 2007084797A JP 2006220466 A JP2006220466 A JP 2006220466A JP 2006220466 A JP2006220466 A JP 2006220466A JP 2007084797 A JP2007084797 A JP 2007084797A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- substituted
- epoxy resin
- groups
- unsubstituted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Epoxy Resins (AREA)
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
【解決手段】下式で示されるシラン化合物及びその部分縮合物の少なくとも一方と、フェノール化合物とを反応させて得られる硬化性樹脂。
R1(SiR2 mR3 (3−m))n (I−1)
(ここで、mは0又は1、nは2以上の整数、R1は炭素数1〜18の置換又は非置換のn価の炭化水素基から選ばれ、R1と結合するn個の基は全て同一でも異なってもよく、R2は水素原子及び炭素数1〜18の置換又は非置換の炭化水素基より選ばれ、R3はハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜18の置換又は非置換の一価のオキシ基、炭素数0〜18の置換又は非置換のアミノ基及び炭素数1〜18の置換又は非置換のカルボニルオキシ基より選ばれ、全て同一でも異なってもよく、R3同士、R2とR1又はR3とが環を形成してもよい。)
【選択図】なし
Description
(1)(a)下記一般式(I−1)で示されるシラン化合物及びその部分縮合物の少なくとも一方と、(b)フェノール化合物とを反応させて得られる硬化性樹脂。
(化1)
R1(SiR2 mR3 (3−m))n (I−1)
(式(I−1)中、mは0又は1、nは2以上の整数であり、R1は炭素数1〜18の置換又は非置換のn価の炭化水素基から選ばれ、R1と結合する2つ以上のSiR2 mR3 (3−m)基は全てが同一でも異なっていてもよく、R2は水素原子及び炭素数1〜18の置換又は非置換の炭化水素基からなる群より選ばれ、R1又はR3と結合して環状構造を形成してもよく、R3は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜18の置換又は非置換の一価のオキシ基、炭素数0〜18の置換又は非置換のアミノ基、及び炭素数1から18の置換又は非置換のカルボニルオキシ基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR3が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。)
(3)前記(b)のフェノール化合物において、フェノール化合物の全重量を基準としてその50重量%以上が前記(a)シラン化合物と環化可能なフェノール化合物である前記(1)に記載の硬化性樹脂。
(5)下記一般式(I−2)で示される構造部位を有する前記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性樹脂。
(化3)
R1(SiR2 mR3 (3−m))n (I−1)
(式(I−1)中、mは0又は1、nは2以上の整数であり、R1は炭素数1〜18の置換又は非置換のn価の炭化水素基から選ばれ、R1と結合する2つ以上のSiR2 mR3 (3−m)基は全てが同一でも異なっていてもよく、R2は水素原子及び炭素数1〜18の置換又は非置換の炭化水素基からなる群より選ばれ、R1又はR3と結合して環状構造を形成してもよく、R3は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜18の置換又は非置換の一価のオキシ基、炭素数0〜18の置換又は非置換のアミノ基、及び炭素数1から18の置換又は非置換のカルボニルオキシ基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR3が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。)
(11)さらに(C)硬化促進剤を含有する前記(10)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(12)さらに(D)無機充填剤を含有する前記(10)又は(11)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(13)前記(A)エポキシ樹脂が、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂、及びアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂を含有する前記(10)〜(12)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
本発明による新規硬化性樹脂は、(a)下記一般式(I−1)で示される特定のシラン化合物及びその部分縮合物のいずれか又は両方と、(b)フェノール化合物とを反応させて得られる硬化性樹脂であることを特徴とする。
(化5)
R1(SiR2 mR3 (3−m))n (I−1)
(化6)
2 ≡Si−R3+ H2O → ≡Si−O−Si≡ + 2R3H (A)
(式(A)中、R3は一般式(I−1)と共通。)
レゾルシン、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の1分子内に2つのフェノール性水酸基を有する化合物(すなわち、2価フェノール化合物);
フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;
フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;
パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂;
メラミン変性フェノール樹脂;
テルペン変性フェノール樹脂;
フェノール類及び/又はナフトール類とジシクロペンタジエンから共重合により合成される、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;
シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;
多環芳香環変性フェノール樹脂;
ビフェニル型フェノール樹脂;
トリフェニルメタン型フェノール樹脂;および
上記樹脂の2種以上を共重合して得たフェノール樹脂
などの分子内に2以上のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物が挙げられる。上記フェノール化合物の1種を単独で使用しても、それら化合物の2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記一般式(I−1a)で示されるフェノール化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、カテコール、2,3−ジヒドロキシナフタレンが挙げられる。
上記一般式(I−1b)で示されるフェノール化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、2,2´−ビフェノール、1,1´−ビ−2−ナフトールが挙げられる。
上記一般式(I−1c)で示されるフェノール化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、2,2´−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2´−ジヒドロキシ−5,5´−ジメチルジフェニルメタン、2,2´−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2´−ジヒドロキシジフェニルスルフォンが挙げられる。
上記一般式(I−1d)で示されるフェノール化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、1,8−ジヒドロキシナフタレンが挙げられる。
2以上のR6、R7、R8、又はR10が結合して環状構造を形成する場合、それらが結合するベンゼン環と併せて、ナフタレン環となることが好ましい。
(化12)
R1(SiR2 mR3 (3−m))n (I−1)
(式(I−1)中、mは0又は1、nは2以上の整数であり、R1は炭素数1〜18の置換又は非置換のn価の炭化水素基から選ばれ、R1と結合する2つ以上のSiR2 mR3 (3−m)基とは全てが同一でも異なっていてもよく、R2は水素原子及び炭素数1〜18の置換式又は非置換式炭化水素基からなる群より選ばれ、R1又はR3と結合して環状構造を形成してもよく、R3は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜18の置換又は非置換の一価のオキシ基、炭素数0〜18の置換又は非置換のアミノ基、及び炭素数1から18の置換又は非置換のカルボニルオキシ基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR3が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。)
(a)R3がハロゲン原子であるシラン化合物と、(b)フェノール化合物とを反応させた場合は、必要に応じて加熱及び/又は減圧留去、洗浄、ろ過等によって、副生成物のハロゲン化水素を除去する;
(a)R3が水酸基であるシラン化合物と、(b)フェノール化合物とを反応させた場合は、必要に応じて加熱及び/又は減圧留去、洗浄、ろ過等によって、副生成物の水を除去する;
(a)R3がオキシ基であるシラン化合物と、(b)フェノール化合物とを反応させた場合は、必要に応じて加熱及び/又は減圧留去、洗浄、ろ過等によって、副生成物のアルコール又はアリールオールを除去する;
(a)R3がアミノ基であるシラン化合物と、(b)フェノール化合物とを反応させた場合は、必要に応じて加熱及び/又は減圧留去、洗浄、ろ過等によって、副生成物のアンモニア又はアミンを除去する;
(a)R3がカルボニルオキシ基であるシラン化合物と、(b)フェノール化合物とを反応させた場合は、必要に応じて加熱及び/又は減圧留去、洗浄、ろ過等によって、副生成物のカルボン酸を除去する。
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケンなどの環状アミジン化合物、
その誘導体、
それらのフェノールノボラック塩などの環状アミジニウム塩及び
これらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどのπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、
ピリジン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類及びこれらの誘導体、
2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類、
テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、
2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩、
トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の有機ホスフィン類などのホスフィン化合物、
又はこれらホスフィン化合物と有機ボロン類との錯体や、これらホスフィン化合物と無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどのπ結合をもつ化合物を付加してなる、分子内分極を有する化合物、
これらホスフィン化合物と4−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、2−ブロモフェノール、4−クロロフェノール、3−クロロフェノール、2−クロロフェノール、4−ヨウ化フェノール、3−ヨウ化フェノール、2−ヨウ化フェノール、4−ブロモ−2−メチルフェノール、4−ブロモ−3−メチルフェノール、4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール、4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノール、4−ブロモ−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−クロロ−1−ナフトール、1−ブロモ−2−ナフトール、6−ブロモ−2−ナフトール、4−ブロモ−4´−ヒドロキシビフェニル等のハロゲン化フェノール化合物を反応させた後に、脱ハロゲン化水素の工程を経て得られる分子内分極を有する化合物(例えば特開2004−156035号公報及び特開2004−156036号公報記載。)等のホスホニウム化合物などが挙げられる。
ホスフィン化合物、ホスホニウム化合物、環状アミジン化合物、及び環状アミジニウム塩からなる群より選ばれるのがより好ましく、中でも、一般式(I−3)で示されるホスホニウム化合物又はその分子間塩を触媒として用いることがさらに好ましい。
副生成物となるR3Hの除去容易性の観点からは、R3が炭素数1〜3のアルコキシ基であることがさらに好ましい。
3級ホスフィンとして、トリス−(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス−(o−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、ビス−(p−メトキシフェニル)フェニルホスフィン、ビス−(o−メトキシフェニル)ホスフィン、ジ−p−トリルフェニルホスフィン、ジ−o−トリルフェニルホスフィン、ジ−m−トリルフェニルホスフィン、ジフェニル−(p−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル−(o−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル−p−トリルホスフィン、ジフェニル−o−トリルホスフィン、ジフェニル−m−トリルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィン、
トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、オクチルジフェニルホスフィン等のアルキルジアリールホスフィン、
ジブチルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、ジオクチルフェニルホスフィン等のジアルキルアリールホスフィンなどが挙げられる。
また、これら3級ホスフィンと4−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、2−ブロモフェノール、4−クロロフェノール、3−クロロフェノール、2−クロロフェノール、4−ヨウ化フェノール、3−ヨウ化フェノール、2−ヨウ化フェノール、4−ブロモ−2−メチルフェノール、4−ブロモ−3−メチルフェノール、4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール、4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノール、4−ブロモ−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−クロロ−1−ナフトール、1−ブロモ−2−ナフトール、6−ブロモ−2−ナフトール、4−ブロモ−4´−ヒドロキシビフェニル等のハロゲン化フェノール化合物を反応させた後に、脱ハロゲン化水素の工程を経て得られる分子内分極を有する化合物(例えば特開2004−156035号公報及び特開2004−156036号公報記載)などが挙げられる。
本発明において使用可能な(A)エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であればよく、特に限定されるものではない。例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したノボラック型エポキシ樹脂;
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換又は非置換のビフェノール、スチルベン系フェノール類等のジグリシジルエーテル(ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂)、
ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテル;
フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸類のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;
アニリン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したもの等のグリシジル型又はメチルグリシジル型のエポキシ樹脂;
分子内のオレフィン結合をエポキシ化して得られるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;
パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;
テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;
ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;
シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;
多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;
ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテル;
ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;
ハイドロキノン型エポキシ樹脂;
トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;
オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;
ジフェニルメタン型エポキシ樹脂;
フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物;
硫黄原子含有エポキシ樹脂
等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明によるエポキシ樹脂組成物では、(B)硬化剤として、先に示した本発明による新規硬化性樹脂を使用することを特徴とする。本発明による硬化性樹脂をエポキシ樹脂硬化剤として使用した場合、エポキシ樹脂と、例えば硬化性樹脂の−ArO−Si結合部位(ただし、Arは炭素数2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から誘導される基を両側に有する2価の有機基を示す。)とが反応することによって、硬化が進行することになる。硬化性樹脂が−ArO−Si結合部位を有する場合、本発明によるエポキシ樹脂組成物において、(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤となる本発明による硬化性樹脂との配合比率は、(A)エポキシ樹脂における全エポキシ基の数と(B)本発明による硬化性樹脂における−ArO−Si結合の数及び本発明による硬化性樹脂における未反応フェノール性水酸基の数の合計との比率、すなわち、[(本発明による硬化性樹脂における−ArO−Si結合の数)+(本発明による硬化性樹脂における未反応フェノール性水酸基数)]/[エポキシ樹脂中の全エポキシ基数]で、0.5〜2.0の範囲に設定されることが好ましい。上記配合比率は、0.7〜1.5の範囲に設定することがより好ましく、0.8〜1.3の範囲に設定することがさらに好ましい。上記配合比率が0.5未満となると、エポキシ樹脂の硬化が不充分となり、硬化物の耐熱性、耐湿性及び電気特性が劣る傾向がある。一方、上記配合比率が2.0を超えると、硬化剤成分が過剰となり、硬化効率が低下するだけでなく、硬化樹脂中に多量のフェノール性水酸基が残るため、パッケージの電気特性及び耐湿性が低下する傾向がある。
フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;
フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;
パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂;
メラミン変性フェノール樹脂;
テルペン変性フェノール樹脂;
フェノール類及び/又はナフトール類とジシクロペンタジエンから共重合により合成される、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;
シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;
多環芳香環変性フェノール樹脂;
ビフェニル型フェノール樹脂;
トリフェニルメタン型フェノール樹脂;
これら樹脂の2種以上を共重合して得たフェノール樹脂
などが挙げられ、これらを単独で併用しても2種以上を組み合わせて併用してもよい。
下記一般式(XVI)で示されるフェノール樹脂の中でもi=0、k=0であるMEH−7500(明和化成株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
下記一般式(XVII)で示されるフェノール樹脂の中でもi=0、k=0、q=0であるHE−510(エア・ウォーター・ケミカル株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
下記一般式(XVIII)で示されるフェノール樹脂の中でもi=0、R35が全て水素原子であるタマノル758、759(荒川化学工業株式会社製商品名)、HP−850N(日立化成工業株式会社商品名)等が市販品として入手可能である。
本発明によるエポキシ樹脂組成物では、必要に応じて硬化剤促進剤を配合してもよい。
使用可能な硬化促進剤としては、例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケンなどのシクロアミジン化合物、
その誘導体、
それらのフェノールノボラック塩及び
これらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどのπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、
トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類及びこれらの誘導体、
2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類、
テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、
2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩、
トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の有機ホスフィン類、
又はこれら有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体や、これら有機ホスフィン類と無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどのπ結合をもつ化合物を付加してなる、分子内分極を有する化合物、
これら有機ホスフィン類と4−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、2−ブロモフェノール、4−クロロフェノール、3−クロロフェノール、2−クロロフェノール、4−ヨウ化フェノール、3−ヨウ化フェノール、2−ヨウ化フェノール、4−ブロモ−2−メチルフェノール、4−ブロモ−3−メチルフェノール、4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール、4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノール、4−ブロモ−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−クロロ−1−ナフトール、1−ブロモ−2−ナフトール、6−ブロモ−2−ナフトール、4−ブロモ−4´−ヒドロキシビフェニル等のハロゲン化フェノール化合物を反応させた後に、脱ハロゲン化水素の工程を経て得られる分子内分極を有する化合物(例えば特開2004−156035号公報及び特開2004−156036号公報記載)、などが挙げられる。これら硬化促進剤を併用する場合、中でも、流動性の観点からは有機ホスフィン類とπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、有機ホスフィン類とハロゲン化フェノール化合物を反応させた後に、脱ハロゲン化水素して得られる分子内分極を有する化合物、硬化性の観点からは有機ホスフィン類とハロゲン化フェノール化合物を反応させた後に、脱ハロゲン化水素の工程を経て得られる分子内分極を有する化合物が好ましい。
特に、下記一般式(I−3)で示されるホスホニウム化合物又はその分子間塩を使用することが好ましい。なお、式(I−3)中、R4、R5、Y−は先に説明した通りである。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、(D)無機充填剤を必要に応じてさらに配合することができる。特に、エポキシ樹脂組成物を封止用成形材料として用いる場合には、(D)無機充填剤を配合することが好ましい。本発明において用いられる(D)無機充填剤としては、一般に封止用成形材料に用いられるものであってよく、特に限定されるものではない。例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカ等の微粉未、又はこれらを球形化したビーズなどが挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムと亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水酸化物、硼酸亜鉛などが挙げられる。中でも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。これら無機充填剤の1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明によるエポキシ樹脂組成物では、必要に応じて上述の成分(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機充填剤に加えて、以下に例示するカップリング剤、イオン交換体、離型剤、応力緩和剤、難燃剤、着色剤といった各種添加剤を追加してもよい。しかし、本発明によるエポキシ樹脂組成物には、以下の添加剤に限定することなく、必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を追加してもよい。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高めるために、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、陰イオン交換体を必要に応じて配合することができる。特にエポキシ樹脂組成物を封止用成形材料として用いる場合には、封止される素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、陰イオン交換体を配合することが好ましい。本発明において用いられる陰イオン交換体としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、例えば、ハイドロタルサイト類や、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマスから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、下記一般式(XIX)で示されるハイドロタルサイトが好ましい。
Mg1−XAlX(OH)2(CO3)X/2・mH2O …… (XIX)
(式(XIX)中で0<X≦0.5、mは正の数)
これらの陰イオン交換体の配合量は、ハロゲンイオンなどの陰イオンを捕捉できる十分量であれば特に制限はないが、(A)エポキシ樹脂に対して0.1〜30重量%の範囲が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、成形時に金型との良好な離型性を持たせるため離型剤を配合してもよい。本発明において用いられる離型剤としては特に制限はなく従来公知のものを用いることができる。例えば、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックス等が挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、酸化型又は非酸化型のポリオレフィン系ワックスが好ましく、その配合量としては(A)エポキシ樹脂に対して0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。ポリオレフィン系ワックスの配合量が0.01重量%未満では離型性が不十分な傾向があり、10重量%を超えると接着性が阻害される可能性がある。ポリオレフィン系ワックスとしては、例えば市販品ではヘキスト社製のH4、PE、PEDシリーズ等の数平均分子量が500〜10000程度の低分子量ポリエチレンなどが挙げられる。また、ポリオレフィン系ワックスに他の離型剤を併用する場合、その配合量は(A)エポキシ樹脂に対して0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜3重量%がより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、シリコーンオイル、シリコーンゴム粉末等の応力緩和剤などを必要に応じて配合することができる。応力緩和剤を配合することにより、パッケージの反り変形量、パッケージクラックを低減させることができる。使用できる応力緩和剤としては、一般に使用されている公知の可とう剤(応力緩和剤)であれば特に限定されるものではない。一般に使用されている可とう剤としては、例えば、シリコーン系、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エラストマー、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴム粒子、メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体(MBS)、メタクリル酸メチル−シリコーン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体等のコア−シェル構造を有するゴム粒子等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。中でも、シリコーン系可とう剤が好ましく、シリコーン系可とう剤としては、エポキシ基を有するもの、アミノ基を有するもの、これらをポリエーテル変性したものが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、難燃性を付与するために必要に応じて難燃剤を配合することができる。本発明において用いられる難燃剤としては特に制限はなく、例えば、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む公知の有機若しくは無機の化合物、金属水酸化物などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。難燃剤の配合量は、難燃効果が達成されれば特に制限はないが、(A)エポキシ樹脂に対して1〜30重量%が好ましく、2〜15重量%がより好ましい。
また、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公知の着色剤を配合しても良い。
〔新規硬化性樹脂の合成例〕
(合成例1)
500mlのセパラブルフラスコに、2,2´−ビフェノール(東京化成工業株式会社製試薬)200g(1.07mol)及びトルエン180mlを投入し、約100℃に加熱して溶解させ溶液とした。そのまま約100℃に維持しながら、溶液にトリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加反応物1gを加え、続いてビス(トリエトキシシリル)エタン(アヅマックス株式会社販売試薬)95g(0.268mol)を約30分かけて滴下した。副生成物となるエタノールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除去し、反応系中のトルエン量が少なくなってきたら、更にトルエンを加え共沸混合物として反応系外に除去しながら、約14時間反応を続けた。反応終了後、アスピレータを用いて約80℃でトルエンを減圧除去し、フッ素樹脂コートした金属製の容器に出し、室温まで冷却することで166gの固体の生成物を得た。
500mlのセパラブルフラスコに、2,2´−ビフェノール(東京化成工業株式会社製試薬)150g(0.804mol)及びトルエン180mlを投入し、約100℃に加熱して溶解させ溶液とした。そのまま約100℃に維持しながら、溶液にトリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加反応物1gを加え、続いてビス(トリエトキシシリル)エタン(アヅマックス株式会社販売試薬)95g(0.268mol)を約30分かけて滴下した。副生成物となるエタノールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除去し、反応系中のトルエン量が少なくなってきたら、更にトルエンを加え共沸混合物として反応系外に除去しながら、約26時間反応を続けた。反応終了後、アスピレータを用いて約80℃でトルエンを減圧除去し、フッ素樹脂コートした金属製の容器に出し、室温まで冷却することで163gの固体の生成物を得た。
500mlのセパラブルフラスコに、2,2´−ビフェノール(東京化成工業株式会社製試薬)195g(1.05mol)及びトルエン174mlを投入し、約100℃に加熱して溶解させ溶液とした。そのまま約100℃に維持しながら、溶液にビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン(アヅマックス株式会社販売試薬)98g(0.262mol)を約1時間かけて滴下した。副生成物となるエタノールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除去し、反応系中のトルエン量が少なくなってきたら、更にトルエンを加え共沸混合物として反応系外に除去しながら、約33時間反応を続けた。反応終了後、アスピレータを用いて約80℃でトルエンを減圧除去し、フッ素樹脂コートした金属製の容器に出し、室温まで冷却することで218gの固体の生成物を得た。
1000mlのセパラブルフラスコに、メタノール580mlを投入し、10℃に氷冷し、ナトリウムメトキシド(和光純薬工業株式会社製試薬)90g(1.66mol)を投入し、溶解させ溶液とした。その溶液を10℃に維持しながら、溶液に1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン(アヅマックス株式会社販売試薬)101g(0.414mol)をメタノール200mlに溶解させた溶液を約90分かけて滴下し、段階的に昇温し、約20時間還流させた。反応溶液を一晩にわたり室温で放置し、副生成物をろ過によって除き、ろ液を減圧濃縮することで、93gの液体の生成物として、1,2−ビス(メチルジメトキシシリル)エタンを得た。
続いて、500mlのセパラブルフラスコに、2,2'−ビフェノール(東京化成工業株式会社製試薬)146g(0.78mol)及びトルエン160mlを投入し、100℃に加熱して溶解させ溶液とした。その溶液を100℃に維持しながら、溶液に前述の反応で合成した1,2−ビス(メチルジメトキシシリル)エタン93g(0.39mol)を約50分かけて滴下した。さらに溶液に、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物を0.73g(0.0020mol)加え、110〜120℃で約8時間続けた。その際、副生成物となるメタノールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除去した。反応終了後、反応溶液からアスピレータを用いて約80℃でトルエンを減圧除去し、次いでその残りをフッ素樹脂コートした金属製容器に出し、室温まで冷却することによって、生成物181gを固体として得た。
(1)1H−NMR
約10mgの硬化性樹脂を約1mlの重アセトンに溶かして溶液とし、溶液をφ5mmの試料管に入れ、ブルカーバイオスピン社製AV−300Mを用いて測定した。シフト値は溶媒に微量含まれるCHD2C(=O)CD3(2.04ppm)を基準とした。
(2)IR
Bio−Rad社製FTS 3000MXを用い、KBr法に従って測定した。
(実施例1〜3、比較例1〜2)
エポキシ樹脂としては、エポキシ当量168のサリチルアルデヒド型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名E1032H60)を用意した。
無機充填剤としては、平均粒径17.5μm、比表面積3.8m2/gの球状溶融シリカを用意した。その他の各種添加剤として、カップリング剤であるエポキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、着色剤であるカーボンブラック(三菱化学株式会社製商品名MA−100)、離型剤であるカルナバワックス(株式会社セラリカNODA製)を用意した。
(1)高温時弾性率
エポキシ樹脂組成物を上記条件で長さ80mm×幅10mm×厚さ3mmの大きさに成形し、後硬化した。次いで、ダイヤモンドカッターで長さ55mmに切断し、粘弾性測定装置ARES(レオメトリックサイエンティフィックエフイー株式会社製)を用い、ダイナミックモードで昇温速度5℃、周波数6.28rad/sの条件での動的粘弾性測定における240℃での貯蔵弾性率(×108Pa)を求めた。
(2)ボイドレス性
エポキシ樹脂組成物を上記条件でアルミ箔の上に長さ80mm×幅10mm×厚さ3mmの大きさに成形し、後硬化を行った後、アルミ接着面の膨れを確認した。膨れのないものは「○」、膨れのあるものは「×」とした。
Claims (14)
- (a)下記一般式(I−1)で示されるシラン化合物及びその部分縮合物の少なくとも一方と、(b)フェノール化合物とを反応させて得られることを特徴とする硬化性樹脂。
(化1)
R1(SiR2 mR3 (3−m))n (I−1)
(式(I−1)中、mは0又は1、nは2以上の整数であり、R1は炭素数1〜18の置換又は非置換のn価の炭化水素基から選ばれ、R1と結合する2つ以上のSiR2 mR3 (3−m)基は全てが同一でも異なっていてもよく、R2は水素原子及び炭素数1〜18の置換又は非置換の炭化水素基からなる群より選ばれ、R1又はR3と結合して環状構造を形成してもよく、R3は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜18の置換又は非置換の一価のオキシ基、炭素数0〜18の置換又は非置換のアミノ基、及び炭素数1から18の置換又は非置換のカルボニルオキシ基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR3が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。) - 前記(b)のフェノール化合物において、フェノール化合物の全重量を基準としてその70重量%以上が2価フェノール化合物である請求項1に記載の硬化性樹脂。
- 前記(b)のフェノール化合物において、フェノール化合物の全重量を基準としてその50重量%以上が前記(a)シラン化合物と環化可能なフェノール化合物である請求項1に記載の硬化性樹脂。
- (a)のシラン化合物において、R3の少なくとも一つが水酸基又は1価のオキシ基である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂を製造する方法であって、(a)下記一般式(I−1)で示されるシラン化合物及びその部分縮合物の少なくとも一方と(b)フェノール化合物とを反応させる工程を有することを特徴とする硬化性樹脂の製造方法。
(化3)
R1(SiR2 mR3 (3−m))n (I−1)
(式(I−1)中、mは0又は1、nは2以上の整数であり、R1は炭素数1〜18の置換又は非置換のn価の炭化水素基から選ばれ、R1と結合する2つ以上のSiR2 mR3 (3−m)基は全てが同一でも異なっていてもよく、R2は水素原子及び炭素数1〜18の置換又は非置換の炭化水素基からなる群より選ばれ、R1又はR3と結合して環状構造を形成してもよく、R3は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜18の置換又は非置換の一価のオキシ基、炭素数0〜18の置換又は非置換のアミノ基、及び炭素数1から18の置換又は非置換のカルボニルオキシ基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよく、2以上のR3が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。) - 前記(a)と(b)との反応を、ホスフィン化合物、ホスホニウム化合物、環状アミジン化合物、及び環状アミジニウム塩からなる群より選ばれる触媒の存在下で実施する請求項6に記載の硬化性樹脂の製造方法。
- 前記(a)と(b)との反応を、下記一般式(I−3)で示されるホスホニウム化合物およびその分子間塩から選ばれる少なくとも1種類である触媒の存在下で実施する請求項6に記載の硬化性樹脂の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- (A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物であって、前記硬化剤が請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- さらに(C)硬化促進剤を含有する請求項10に記載のエポキシ樹脂組成物。
- さらに(D)無機充填剤を含有する請求項10又は11に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記(A)エポキシ樹脂が、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂、及びアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂を含有する請求項10〜12のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項10〜13のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物によって封止された素子を備えることを特徴とする電子部品装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006220466A JP4952131B2 (ja) | 2005-08-23 | 2006-08-11 | エポキシ樹脂の硬化剤、エポキシ樹脂の硬化剤の製造方法、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005241044 | 2005-08-23 | ||
JP2005241044 | 2005-08-23 | ||
JP2006220466A JP4952131B2 (ja) | 2005-08-23 | 2006-08-11 | エポキシ樹脂の硬化剤、エポキシ樹脂の硬化剤の製造方法、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007084797A true JP2007084797A (ja) | 2007-04-05 |
JP4952131B2 JP4952131B2 (ja) | 2012-06-13 |
Family
ID=37972101
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006220466A Expired - Fee Related JP4952131B2 (ja) | 2005-08-23 | 2006-08-11 | エポキシ樹脂の硬化剤、エポキシ樹脂の硬化剤の製造方法、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4952131B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007077291A (ja) * | 2005-09-14 | 2007-03-29 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | エポキシ樹脂組成物、および半導体装置 |
JP2007084814A (ja) * | 2005-08-25 | 2007-04-05 | Hitachi Chem Co Ltd | エポキシ樹脂組成物、半導体素子収納用中空パッケージ及び電子部品装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005145911A (ja) * | 2003-11-18 | 2005-06-09 | Air Water Chemical Inc | アリーロキシシラン化合物、その製法及びその用途 |
WO2006087906A1 (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-24 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | 新規硬化性樹脂とその製造方法、及びエポキシ樹脂組成物、電子部品装置 |
JP2007084814A (ja) * | 2005-08-25 | 2007-04-05 | Hitachi Chem Co Ltd | エポキシ樹脂組成物、半導体素子収納用中空パッケージ及び電子部品装置 |
-
2006
- 2006-08-11 JP JP2006220466A patent/JP4952131B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005145911A (ja) * | 2003-11-18 | 2005-06-09 | Air Water Chemical Inc | アリーロキシシラン化合物、その製法及びその用途 |
WO2006087906A1 (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-24 | Hitachi Chemical Co., Ltd. | 新規硬化性樹脂とその製造方法、及びエポキシ樹脂組成物、電子部品装置 |
JP2007084814A (ja) * | 2005-08-25 | 2007-04-05 | Hitachi Chem Co Ltd | エポキシ樹脂組成物、半導体素子収納用中空パッケージ及び電子部品装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007084814A (ja) * | 2005-08-25 | 2007-04-05 | Hitachi Chem Co Ltd | エポキシ樹脂組成物、半導体素子収納用中空パッケージ及び電子部品装置 |
JP2007077291A (ja) * | 2005-09-14 | 2007-03-29 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | エポキシ樹脂組成物、および半導体装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4952131B2 (ja) | 2012-06-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5937794B2 (ja) | 新規硬化性樹脂とその製造方法、及びエポキシ樹脂組成物、電子部品装置 | |
JP5157444B2 (ja) | 硬化促進性化合物−シリカ複合体、硬化促進性化合物−シリカ複合体の製造方法、硬化促進剤、硬化性樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP5333843B2 (ja) | エポキシ樹脂用硬化剤の製造方法、それを用いたエポキシ樹脂組成物、及び電子部品装置 | |
JP5750777B2 (ja) | カリックスアレーン誘導体、カリックスアレーン誘導体の製造方法、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP2008260853A (ja) | 新規硬化性樹脂とその製造方法、及びエポキシ樹脂組成物、電子部品装置 | |
JP5040510B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP5924757B2 (ja) | カリックスアレーン系化合物、カリックスアレーン系化合物の製造方法、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP4892984B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP6176339B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP2010024265A (ja) | エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた電子部品装置 | |
JP5040509B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP4952131B2 (ja) | エポキシ樹脂の硬化剤、エポキシ樹脂の硬化剤の製造方法、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP5028913B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物、半導体素子収納用中空パッケージ及び電子部品装置 | |
JP5285208B2 (ja) | 新規化合物とその製造方法、及び新規化合物を含む硬化性樹脂、エポキシ樹脂組成物、電子部品装置 | |
JP5008199B2 (ja) | エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP5333842B2 (ja) | エポキシ樹脂用硬化剤の製造方法、それを用いたエポキシ樹脂組成物、及び電子部品装置 | |
JP2006249222A (ja) | エポキシ樹脂硬化剤とその製造方法、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP2006233189A (ja) | 硬化促進剤、硬化性樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP6291729B2 (ja) | エポキシ樹脂用硬化促進剤、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP5077630B2 (ja) | エポキシ樹脂用硬化剤とその製造方法、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP2010031089A (ja) | カリックスアレーン誘導体、カリックスアレーン誘導体の製造方法、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP5326184B2 (ja) | 新規化合物及びその製造方法 | |
JP2012052123A (ja) | エポキシ樹脂組成物、電子部品装置 | |
JP2009102511A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP2016138272A (ja) | カリックスアレーン系化合物、カリックスアレーン系化合物の製造方法、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090729 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100720 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111101 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111102 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111228 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120214 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120227 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4952131 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |