明 細 書
新規硬化性樹脂とその製造方法、及びエポキシ樹脂組成物、電子部品 装置
技術分野
[0001] 本発明は、新規硬化性榭脂とその製造方法に関する。より詳細には、エポキシ榭脂 硬化剤として有用な新規硬化性榭脂とその製造方法、その硬化性榭脂を硬化剤とし て含む成形材料、及び積層板、接着剤、塗料、インキといった幅広い用途の材料とし て好適なエポキシ榭脂組成物、及びそのエポキシ榭脂組成物によって封止された素 子を備える電子部品装置に関する。
背景技術
[0002] 従来から、成形材料、積層板用及び接着剤用材料、各種電子電気部品、塗料及 びインキ材料等の分野では、エポキシ榭脂等の硬化性榭脂が広く使用されている。 特に、トランジスタ、 IC等の電子部品素子の封止技術に関する分野では、封止材料 としてエポキシ榭脂組成物が広く使用されている。その理由としては、エポキシ榭脂 は、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸 特性にぉ ヽてバランスがとれて ヽるためである。
[0003] 一方、近年、電子部品の分野では高速化及び高密度化が進んでおり、それに伴つ て、電子部品の発熱が顕著となってきている。また、高温下で作動する電子部品も増 カロしている。そのため、電子部品に使用されるプラスチック、特にエポキシ榭脂硬化 物には高 、耐熱性が要求されて 、る。
[0004] 耐熱性をはじめとするエポキシ榭脂硬化物の各種特性を向上させるために、特開 2 001— 59013号公報及び特開 2002— 249539号公報では、ビスフエノール型ェポ キシ榭脂等の水酸基含有エポキシ榭脂の少なくとも一部をアルコキシシラン又はそ の部分縮合物で変性して得られるアルコキシ基含有シラン変性エポキシ榭脂を硬化 剤として使用する方法を開示している。また、特開 2000— 281756号公報及び特開 2001— 294639号公報では、フエノール榭脂の一部をアルコキシシラン又はその部 分縮合物で変性して得られるアルコキシ基含有シラン変性フエノール榭脂を硬化剤
として使用する方法を開示して ヽる。
発明の開示
[0005] 上記方法によれば、エポキシ榭脂硬化物の耐熱性を向上させることが可能となる。
しかしながら、上記方法で使用する硬化剤の 、ずれもがアルコキシシリル基を有する ため、エポキシ榭脂とそれら硬化剤との硬化反応時にはメタノール、エタノール等の アルコールが生じることになる。アルコール等の揮発性成分は、硬化物にボイドの発 生原因となり、また硬化物の硬化収縮率 (成形収縮率)を大きくするため望ましくない 。また、上記方法に従って、溶剤を含めた揮発性成分を殆ど含有しないように榭脂を 調製した場合には、榭脂の分子量が大きくなり、場合によってはゲルィ匕するため、扱 い難い。さらに、それらを使用して得られる硬化物の耐熱性を満足できる程度に向上 させる効果は十分でな力つた。
[0006] 本発明は、このような状況に鑑みなされたものであり、耐熱性等の各種望ましい特 性を発現させるとともに、揮発性成分の含有量が極めて少なぐ分子量を適切に制御 することが可能な新規硬化性榭脂を提供することを課題とする。さらに本発明では、 それら硬化性榭脂を硬化剤として含むエポキシ榭脂組成物を封止材料として使用し て、耐熱性等の信頼性に優れた素子を備えた電子部品装置を提供することを課題と する。
[0007] 本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のシラ ン化合物と、フ ノールィヒ合物とを反応させることによって得られる硬化性榭脂が有 用であり、それら硬化性榭脂の使用によって所期の目的が達成可能となることを見出 し、本発明を完成するに至った。
[0008] 本発明の形態は以下に関する。
[0009] 本発明の一形態は、(a)下記一般式 (1-1)で示されるシランィ匕合物及びその部分縮 合物からなる群より選ばれる少なくとも 1種の化合物と、(b)フ ノールイ匕合物とを反 応させて得られる硬化性榭脂であって、上記硬化性榭脂中に残存する揮発性成分 の含有量が上記硬化性榭脂の全重量を基準として 10重量%以下であることを特徴と する硬化性榭脂に関する。
[化 1]
R1nSiR2(4-n) (I— 1)
[0010] (式中、 nは、 0〜2の数であり、
R1は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の炭化 水素基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なってもよぐ
R2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、炭素数 1〜18の置換又は非置 換のォキシ基、炭素数 1〜18の置換又は非置換のアミノ基、及び炭素数 2〜18の力 ルポ二ルォキシ基カもなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ
R1及び R2の 2以上が結合して環状構造を形成してもよい)
上記形態では、 (a)一般式 (1-1)で示されるシランィ匕合物及びその部分縮合物から なる群より選ばれる少なくとも 1種の化合物と、 (b)フエノール化合物とを反応させて得 られる硬化性榭脂であって、反応開始時の上記 (a)のシランィ匕合物における R2基数 を基準として、未反応の R2基数が 10%以下であることが好ましい。また、(b)のフエノ 一ルイ匕合物において、フエノールイ匕合物の全重量を基準としてその 70重量%以上 力 S 2価フエノール化合物であることが好ましい。また、(b)のフエノール化合物におい て、フエノールイ匕合物の全重量を基準としてその 50重量%以上が上記(a)の少なくと も 1種の化合物と環化可能なフエノールイ匕合物であることが好ましい。さらに、(a)の 少なくとも 1種の化合物において、 R2が水酸基又は 1価のォキシ基であることが好ま しい。
[0011] 本発明の別の形態は、ァリールォキシシリル (ArO— Si)結合を有する硬化性榭脂 であって、下記一般式 (I-2a)、(I-3a)、(I-2b)、および (I-3b)力もなる群力も選択され る少なくとも 1種の構造部位を含むことを特徴とする硬化性榭脂に関する。
[化 2]
(卜 2a)
[0012] (式中、 Arは、炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から誘導される基 を両側に有する 2価の有機基を示す)
[化 3]
[0013] (式中、 Arは、炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から誘導される基 を両側に有する 2価の有機基を示し、 nは 0以上の数を示す)
[0014] (式中、 Ar2は、炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から誘導される少 なくとも 2つの結合部分を有する(m+ 2)価の有機基を示し、 mは 1以上の整数を示 す)
[化 5]
[0015] (式中、 Ar2は、炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から誘導される少 なくとも 2つの結合部分を有する(m+ 2)価の有機基を示し、 nは 0以上の数を示し、 mは 1以上の整数を示す)
上記形態では、硬化性樹脂におけるァリールォキシシリル結合の全数を基準として 、上記一般式 (I-2a)、(I-3a)、(I-2b)、および (I-3b)力 なる群力 選択される少なく とも 1種の構造部位を形成するァリールォキシシリル結合が 30%以上であることが好 ましい。また、硬化性榭脂に存在する揮発性成分が、硬化性榭脂の全重量を基準と
して 10重量%以下であることが好ましい。
[0016] 本発明のさらに別の形態は、下記一般式 (I-4a)で示される構造を有する化合物及 び下記一般式 (I-4b)で示される構造部位を有する化合物の少なくとも一方を含むこ とを特徴とする硬化性榭脂に関する。
[化 6]
Ar\ /°ク\、 A
(ト")
[0017] (式中、 Arは、炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から誘導される基 を両側に有する 2価の有機基を示す)
[0018] (式中、 Ar2は、炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から誘導される少 なくとも 2つの結合部分を有する(m+ 2)価の有機基を示し、 mはそれぞれ独立して 、 1以上の整数を示す)
本発明のさらに別の形態は、本発明の形態として上述した硬化性榭脂の製造方法 に関するものであり、 (a)下記一般式 (1-1)で示されるシランィ匕合物及びその部分縮合 物からなる群より選択される少なくとも 1種の化合物と、(b)フ ノールイ匕合物とを反応 させる工程を有することを特徴とする。
[化 8]
R1nStR2 {4-n) (I - 1)
[0019] (式中、 nは、 0〜2の数であり、
R1は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の炭化 水素基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なってもよぐ
R2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、炭素数 1〜18の置換又は非置
換のォキシ基、炭素数 1〜18の置換又は非置換のアミノ基、及び炭素数 2〜18の力 ルポ二ルォキシ基カもなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ
R1及び R2の 2以上が結合して環状構造を形成してもよい)
上記形態では、上記 (a)と上記 (b)との反応を、ホスフィンィ匕合物、ホスホ-ゥム塩 化合物、環状アミジン化合物、及び環状アミジ-ゥム塩力 なる群より選ばれる触媒 の存在下で実施することが好ましい。また、上記触媒が、下記一般式 (1-5)で示され るホスフィンィ匕合物又はその分子間塩であることが好ましい。
[化 9]
[0020] (式中、 R4は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の 炭化水素基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上の R4 が互!ヽに結合して環状構造を形成してもよぐ
R5は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、及び炭素数 1〜18の置換又は非置 換の有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上の R5が 互 ヽに結合して環状構造を形成してもよく、
ΥΊま 1以上の放出可能なプロトン (H+)を有する炭素数 0〜18の有機基から 1つの プロトンが脱離した基であり 1以上の R5と互いに結合して環状構造を形成してもよい) 本発明のさらに別の形態は、本発明の一形態である上述の硬化性榭脂を含有する ことを特徴とする硬化性榭脂組成物に関する。
[0021] 本発明のさらに別の形態は、(A)エポキシ榭脂と、(B)硬化剤とを含有するェポキ シ榭脂組成物であって、上記 (B)硬化剤が本発明の一形態である硬化性榭脂を含 有することを特徴とするエポキシ榭脂組成物に関する。この形態では、組成物がさら に (C)硬化促進剤を含有することが好ましい。また、組成物がさらに (D)無機充填剤 を含有することが好ましい。また、上記 (A)エポキシ榭脂が、ビフヱ-ル型エポキシ榭 脂、スチルベン型エポキシ榭脂、ジフエ-ルメタン型エポキシ榭脂、硫黄原子含有型
エポキシ榭脂、ノボラック型エポキシ榭脂、ジシクロペンタジェン型エポキシ榭脂、サ リチルアルデヒド型エポキシ榭脂、ナフトール類とフエノール類との共重合型エポキシ 榭脂、及びァラルキル型フエノール榭脂のエポキシィ匕物、ナフタレン型エポキシ榭脂 力もなる群より選択される少なくとも 1種のエポキシ榭脂を含有することが好ましい。
[0022] 本発明のさらに別の形態は、本発明の一形態であるエポキシ榭脂組成物によって 封止された素子を備えることを特徴とする電子部品装置に関する。
[0023] 本発明のさらに別の形態は、本発明の一形態である硬化性榭脂組成物によって封 止された素子を備えることを特徴とする電子部品装置に関する。
[0024] 本発明の一形態である新規硬化性榭脂は様々な用途に使用することが可能である
。例えば、新規硬化性榭脂は、エポキシ榭脂硬化剤として有用であり、それらを用い てエポキシ榭脂組成物を構成することによって、優れた耐熱性を示すとともに、ボイド 及びクラックの発生が少ない硬化物を提供することが可能である。特に、本発明の一 形態としてエポキシ榭脂組成物を調製し、その組成物を用いて IC、 LSI等の電子部 品を封止することによって、信頼性の高い電子部品装置を提供することが可能となる ため、その工業的価値は高い。本願では、 2005年 2月 18日出願の日本国特許出願 2005— 42108号、同 2005— 42117号、並びに同 2005— 42131号明細書、及び 2005年 11月 4日出願の同 2005 - 321439号明細書の全体の開示を参照すること によって、本明細書の一部として組み入れる。
図面の簡単な説明
[0025] [図 1]図 1は、本発明による硬化性榭脂の合成例で使用した 2, 2'—ビフヱノールの IR スペクトルである。
[図 2]図 2は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 1)の IRスペクトルである。
[図 3]図 3は、本発明による硬化性榭脂の合成例で使用した 2, 2'—メチレンビス (4— メチルフエノール)の IR ^ベクトルである。
[図 4]図 4は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 2)の IRスペクトルである。
[図 5]図 5は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 3)の IRスペクトルである。
[図 6]図 6は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 4)の IRスペクトルである。
[図 7]図 7は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 5)の IRスペクトルである。
[図 8]図 8は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 6)の IRスペクトルである。
[図 9]図 9は、本発明による硬化性榭脂(合成例 7)の1 H— NMR ^ベクトルである。
[図 10]図 10は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 7)の IRスペクトルである。
[図 11]図 11は、本発明による硬化性榭脂(合成例 8)の1 H— NMR ^ベクトルである。
[図 12]図 12は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 8)の IRスペクトルである。
[図 13]図 13は、本発明による硬化性榭脂(合成例 9)の1 H— NMR ^ベクトルである。
[図 14]図 14は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 9)の IRスペクトルである。
[図 15]図 15は、本発明による硬化性榭脂(合成例 10)の1 H— NMR ^ベクトルである
[図 16]図 16は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 10)の IRスペクトルである。
[図 17]図 17は、本発明による硬化性榭脂(合成例 11)の1 H— NMR ^ベクトルである
[図 18]図 18は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 11)の IRスペクトルである。
[図 19]図 19は、水酸基当量 116、軟ィ匕点 88°Cのパラクレゾールノボラック(明和化成 株式会社製試作品 pCrノボラック)の GPCチャートである。
[図 20]図 20は、本発明による硬化性榭脂(合成例 12)の1 H— NMR ^ベクトルである
[図 21]図 21は、水酸基当量 116、軟ィ匕点 88°Cのパラクレゾールノボラック(明和化成 株式会社製試作品 pCrノボラック)の IR ^ベクトルである。
[図 22]図 22は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 12)の IRスペクトルである。
[図 23]図 23は、本発明による硬化性榭脂(合成例 13)の1 H— NMR ^ベクトルである
[図 24]図 24は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 13)の IRスペクトルである。
[図 25]図 25は、本発明による硬化性榭脂(合成例 14)の1 H— NMR ^ベクトルである
[図 26]図 26は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 14)の IRスペクトルである。
[図 27]図 27は、本発明による硬化性榭脂(合成例 15)の1 H— NMR ^ベクトルである
[図 28]図 28は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 15)の IRスペクトルである。
[図 29]図 29は、本発明による硬化性榭脂(合成例 16)の1 H— NMR ^ベクトルである
[図 30]図 30は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 16)の IRスペクトルである。
[図 31]図 31は、本発明による硬化性榭脂(合成例 17)の1 H— NMR ^ベクトルである
[図 32]図 32は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 17)の IRスペクトルである。
[図 33]図 33は、本発明による硬化性榭脂(合成例 20)の1 H— NMR ^ベクトルである
[図 34]図 34は、ノボラック型フエノール榭脂の IR ^ベクトルである。
[図 35]図 35は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 20)の IRスペクトルである。
[図 36]図 36は、本発明による硬化性榭脂(合成例 21)の1 H— NMR ^ベクトルである
[図 37]図 37は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 21)の IRスペクトルである。
[図 38]図 38は、本発明による硬化性榭脂(合成例 22)の1 H— NMR ^ベクトルである
[図 39]図 39は、本発明による硬化性榭脂 (合成例 22)の IRスペクトルである。
発明を実施するための最良の形態
[0026] 以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[0027] 本発明の一形態である新規硬化性榭脂は、下記一般式 (1-1)で示されるシラン化合 物及びその部分縮合物力 なる群より選ばれる少なくとも 1種の化合物と、(b)フ ノ 一ルイ匕合物とを反応させて得られる硬化性榭脂であって、硬化性榭脂中に残存する 揮発性成分の含有量が硬化性榭脂の全重量を基準として 10重量%以下であること を特徴とする。
[化 10] n nSin (4-π) (1— 1)
[0028] (式中、 nは、 0〜2の数であり、
R1は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の炭化 水素基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なってもよぐ
R2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、炭素数 1〜18の置換又は非置 換のォキシ基、炭素数 1〜18の置換又は非置換のアミノ基、及び炭素数 2〜18の力 ルポ二ルォキシ基カもなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ
R1及び R2の 2以上が結合して環状構造を形成してもよい)
上記一般式 (1-1)における「n」は、 0〜2の数であれば特に制限されるものではない 。しかし、耐熱性の観点からは n=0又は 1であることが好ましぐ生成する硬化性榭 脂の低応力性の観点からは n= 2であることが好まし 、。
[0029] 上記「揮発性成分」とは、 (a)シラン化合物と (b)フエノール化合物との反応で副生 成物として生成する水、アルコール、アンモニア、ァミン、カルボン酸、ハロゲン化水 素等、及び反応時に任意で使用される溶剤、及び榭脂粘度の調節等の目的で任意 に含有する溶剤を意味し、上記反応で主生成物となる硬化性榭脂に存在する未反 応の R2基も潜在的な揮発性成分として見なされる。すなわち、未反応の R2基を有す る硬化性榭脂は、それらを例えばエポキシ榭脂硬化剤として使用した場合、硬化反 応時に水、アルコール、アンモニア、ァミン、カルボン酸、又はハロゲン化水素といつ た揮発性成分を生成することになる。
[0030] 本発明による硬化性榭脂を封止材等の成形材料に用いる場合、上記副生成物及 び溶剤は、通常、上記反応時にその大部分が硬化性榭脂から分離除去され、最終 的に得られる硬化性榭脂は本質的にそれら成分を含まないことが好ましい。したがつ て、本明細書に記載する「硬化性榭脂中に残存する揮発性成分の含有量」とは、副 生成物及び溶剤を分離除去した後の硬化性榭脂の全重量を基準としている。さらに 「硬化性榭脂中に残存する揮発性成分」とは、反応時に分離除去されずに残った副 生成物と溶剤、及び未反応のまま残った R2基から生じ得る成分を意図しており、本発 明ではそれら揮発性成分の全重量が硬化性榭脂の全重量を基準として 10重量%以 下であることを特徴とする。本発明による硬化性榭脂では、揮発性成分の含有量が 5 重量%未満であることが好ましぐ 2重量%未満であることがより好ましぐ 0. 5重量% 未満であることがさらに好ましい。なお、未反応の R2基が存在する場合、その重量は
、それらが反応して、例えば、水、アルコール、アンモニア、ァミン、カルボン酸といつ た揮発性成分になった場合を想定して算出される。
[0031] また、本発明による硬化性榭脂を積層板用、接着剤用、塗料用等の成形材料以外 の用途に用いる場合は、副生成物及び必要に応じて使用される溶剤を含んでいても 構わない。これらの用途では、条件を設定することでボイドが生じないように副生成物 及び溶剤を除去することが容易であるが、未反応 R2基の反応と硬化性榭脂の硬化が ほぼ同じ条件で起こることから、未反応 R2基力 生じる R2Hに起因するボイドの発生 を避けることは困難である。このような観点から、本発明による硬化性榭脂は、(a)上 記一般式 0-1)で示されるシラン化合物及び Z又はその部分縮合物と、 (b)フエノー ル化合物とを反応させて得られる硬化性榭脂にぉ 、て、反応開始時の上記 (a)のシ ランィ匕合物における R2基数を基準として、未反応の R2基数が 10%以下であることが 好ましぐ 5%以下であることがより好ましぐ 3%以下であることがさらに好ましい。
[0032] (シラン化合物)
上記一般式 (1-1)で示されるシランィ匕合物において、 R1として記載した「炭素数 1〜 18の置換又は非置換の炭化水素基」は、炭素数 1〜18を有し、置換されても又は非 置換であってもよい脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含むことを意味す る。
[0033] より具体的には、上記置換又は非置換の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチ ル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 n ブチル基、 sec ブチル基、 tert ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ォクチル基、デシル基、ドデシル基、ァリル 基、ビニル基等の脂肪族炭化水素基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリ ール基、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、グリシジルォキシ基、エポキシシクロへキシ ル基、エポキシ基等のエポキシ基を含有する基、メタタリルォキシ基、メルカプト基、ィ ミノ基、ウレイド基、及びイソシァネート基で置換したものが挙げられる。
[0034] また、上記置換又は非置換の脂肪族炭化水素基には、置換又は非置換の脂環式 炭化水素基も含まれる。置換又は非置換の脂環式炭化水素基としては、例えば、シ クロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基、シクロペンテ-ル基、及びシ クロへキセニル基等、並びにそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリー
ルォキシ基、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、グリシジルォキシ基、エポキシシクロへ キシル基、エポキシ基等のエポキシ基を含有する基、メタタリルォキシ基、メルカプト 基、イミノ基、ウレイド基、イソシァネート基で置換したものが挙げられる。
[0035] 上記置換又は非置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、フ ニル基、トリル基 等のァリール基、ジメチルフエ-ル基、ェチルフエ-ル基、ブチルフエ-ル基、 tert— ブチルフエ-ル基等のアルキル基置換ァリール基; メトキシフエ-ル基、エトキシフ ェ-ル基、ブトキシフエ-ル基、 tert ブトキシフエ-ル基等のアルコキシ基置換ァリ ール基等が挙げられ、それらをさらにアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリー ルォキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、グリシジルォキシ基、エポキシシクロへキシル 基、エポキシ基等のエポキシ基を含有する基、メタタリルォキシ基、メルカプト基、イミ ノ基、ウレイド基、イソシァネート基で置換したものであってもよい。
[0036] なお、上記一般式(1-1)の R1としては、特に限定されるものではないが、アルキル基 及びァリール基力 なる群より選ばれる 1価の基であることが好ましい。中でも、原料 の入手しやすさの観点から、フエ-ル基、 p トリル基、 m—トリル基、 o トリル基、 p ーメトキシフエ-ル基、 m—メトキシフエ-ル基、 o—メトキシフエ-ル基等の非置換あ るいはアルキル基及び/又はアルコキシ基及び/又は水酸基置換のァリール基; メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、 sec ブチル基、 tert ブチル基、ォクチル基、シクロへキシル基、エポキシシクロへキシルェチル基、グリ シドキシプロピル基、クロ口プロピル基、メタクリルォキシプロピル基、メルカプトプロピ ル基、ァミノプロピル基、 N—フエ-ルァミノプロピル基、 N ァミノプロピルアミノプロ ピル基、ウレイドプロピル基、イソシァネートプロピル基等の置換又は非置換の鎖状 又は環状のアルキル基力も選ばれる基がより好ましい。
[0037] 一般式 (1-1)の R2として記載した「ハロゲン原子」には、フッ素原子、塩素原子、臭 素原子、ヨウ素原子が含まれる。
[0038] また、一般式 (1-1)の R2として記載した「炭素数 1〜18の置換又は非置換のォキシ 基」には、例えば「炭素数 1〜18の置換又は非置換の脂肪族炭化水素ォキシ基」、 及び「炭素数 1〜18の置換又は非置換の芳香族炭化水素ォキシ基」が含まれる。よ り具体的な例示は以下の通りである。
[0039] 上記「炭素数 1〜18の置換又は非置換の脂肪族炭化水素ォキシ基」としては、例 えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、 n—ブトキシ基、 sec ブトキシ基、 tert ブトキシ基、シクロプロピルォキシ基、シクロへキシルォキシ基、 シクロペンチルォキシ基、ァリルォキシ基、ビニルォキシ基等の、 R1として先に説明し た脂肪族炭化水素基に酸素原子が結合した構造を有する基、及びそれらをアルキ ル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等で置 換したものが挙げられる。
[0040] 上記「炭素数 1〜18の置換又は非置換の芳香族炭化水素ォキシ基」としては、例 えば、フエノキシ基、メチルフエノキシ基、ェチルフエノキシ基、メトキシフエノキシ基、 ブトキシフエノキシ基、フエノキシフエノキシ基等の、 R1として先に説明した芳香族炭 化水素基に酸素原子が結合した構造を有する基、及びそれらをアルキル基、アルコ キシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、アミノ基、ハロゲン原子で置換したものが挙 げられる。
[0041] 上記一般式 (ト 1)の R2として記載した「炭素数 0〜18の置換又は非置換のアミノ基 」には、例えば、非置換のアミノ基、炭素数 1〜18の置換又は非置換の脂肪族炭化 水素アミノ基、芳香族炭化水素アミノ基、ジ脂肪族炭化水素アミノ基、ジ芳香族炭化 水素アミノ基、脂肪族炭化水素芳香族炭化水素アミノ基、及びシリルアミノ基が含ま れる。より具体的な例示は以下の通りである。
[0042] 「炭素数 1〜18の置換又は非置換の脂肪族炭化水素アミノ基」としては、例えば、メ チルァミノ基、ェチルァミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、 n ブチルアミ ノ基、 sec ブチルァミノ基、 tert ブチルァミノ基、ペンチルァミノ基、へキシルァミノ 基、ォクチルァミノ基、デシルァミノ基、ドデシルァミノ基、シクロペンチルァミノ基、シ クロへキシルァミノ基、シクロへプチルァミノ基、ァリルアミノ基、ビュルアミノ基、シクロ ペンテニルァミノ基、シクロへキセニルァミノ基等の、 R1として先に説明した脂肪族炭 化水素基によって置換されたァミノ基、及びこれらの脂肪族炭化水素基部分をアル キル基、アルコキシ基、ァラルキル基、ァリール基、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子 でさらに置換したものが挙げられる。
[0043] 「炭素数 1〜18の置換又は非置換の芳香族炭化水素アミノ基」としては、例えば、
フエ-ルァミノ基、ナフチルァミノ基、トリルアミノ基、ジメチルフエ-ルァミノ基、ェチル フエ-ルァミノ基、ブチルフエ-ルァミノ基、 tert ブチルフエ-ルァミノ基、メトキシフ ェ-ルァミノ基、エトキシフエ-ルァミノ基、ブトキシフエ-ルァミノ基、 tert ブトキシフ ェニルァミノ基等の、 R1として先に説明した脂肪族炭化水素基によって置換されたァ ミノ基、及びこれらの芳香族炭化水素基部分をアルキル基、アルコキシ基、ァリール 基、ァリールォキシ基、アミノ基、ハロゲン原子でさらに置換したものが挙げられる。
[0044] 「炭素数 1〜18の置換又は非置換のジ脂肪族炭化水素アミノ基」としては、ジメチ ルァミノ基、ジェチルァミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ- n-ブ チルァミノ基、ジ sec ブチルァミノ基、ジ tert ブチルァミノ基、ジシクロペンチ ルァミノ基、ジシクロへキシルァミノ基、ジシクロへプチルァミノ基、ェチルメチルァミノ 基、メチルイソプロピルアミノ基、メチルー n—ブチルァミノ基、メチルー sec ブチル アミノ基、メチルー tert—ブチルァミノ基、メチルシクロへキシルァミノ基、ジァリルアミ ノ基、ジビュルアミノ基、ジシクロペンテ-ルァミノ基、ジシクロへキセ -ルァミノ基、ァ リルメチルァミノ基等の、 R1として先に説明した 2つの脂肪族炭化水素基によって置 換されたアミノ基、及びこれらの脂肪族炭化水素基部分をアルキル基、アルコキシ基 、ァラルキル基、ァリール基、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子でさらに置換したものが 挙げられる。
[0045] 「炭素数 1〜18の置換又は非置換のジ芳香族炭化水素アミノ基」としては、例えば 、ジフエ-ルァミノ基、ジナフチルァミノ基、ジトリルアミノ基、ビス(ジメチルフエ-ル) アミノ基、ビス(ェチルフエ-ル)アミノ基、ビス(ブチルフエ-ル)アミノ基、ビス(tert— ブチルフエ-ル)アミノ基、ビス (メトキシフエ-ル)アミノ基、ビス(エトキシフエ-ル)アミ ノ基、ビス(ブトキシフエ-ル)アミノ基、ビス(tert—ブトキシフエ-ル)アミノ基等の、 R 1として先に説明した 2つの芳香族炭化水素基によって置換されたァミノ基、及びこれ らの芳香族炭化水素基部分をアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキ シ基、アミノ基、ハロゲン原子でさらに置換したものが挙げられる。
[0046] 「炭素数 1〜18の置換又は非置換の脂肪族炭化水素芳香族炭化水素アミノ基」と しては、例えば、メチルフエ-ルァミノ基、メチルナフチルァミノ基、ブチルフエ-ルァ ミノ基等の、 R1として先に説明した脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基によつ
て置換されたァミノ基が挙げられる。
[0047] 「炭素数 0〜18の置換又は非置換のシリルアミノ基」としては、例えば、非置換のシ リルアミノ基、トリメチルシリルアミノ基、トリェチルシリルアミノ基、トリフエ-ルシリルアミ ノ基、メチル(トリメチルシリル)アミノ基、メチル(トリフエ-ルシリル)アミノ基、フエ-ル( トリメチルシリル)アミノ基、フエ-ル(トリフエ-ルシリル)アミノ基等の、シリル基及び Z 又はアミノ基が R1として先に説明した脂肪族炭化水素基及び Z又は芳香族炭化水 素基によって置換されたシリルアミノ基、及びこれらの脂肪族炭化水素基及び Z又は 芳香族炭化水素基部分をアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基 、アミノ基、ハロゲン原子でさらに置換したものが挙げられる。
[0048] また、一般式 (1-1)の R2として記載した「炭素数 2〜18の置換又は非置換のカルボ ニルォキシ基」には、例えば「炭素数 2〜18の置換又は非置換の脂肪族炭化水素力 ルポニルォキシ基」、及び「炭素数 2〜18の置換又は非置換の芳香族炭化水素カル ボニルォキシ基」等が含まれる。より具体的な例示は以下の通りである。
[0049] 上記「炭素数 2〜18の置換又は非置換の脂肪族炭化水素カルボ-ルォキシ基」と しては、例えば、メチルカルボ-ルォキシ基、ェチルカルボ-ルォキシ基、プロピル力 ルボニルォキシ基、イソプロピルカルボ-ルォキシ基、 n—ブチルカルボ-ルォキシ 基、 sec—ブチルカルボ-ルォキシ基、 tert—ブチルカルボ-ルォキシ基、シクロプ 口ピルカルボ-ルォキシ基、シクロへキシルカルボ-ルォキシ基、シクロペンチルカ ルボニルォキシ基、ァリルカルボ-ルォキシ基、ビュルカルボ-ルォキシ基等の、 R1 として先に説明した脂肪族炭化水素基によって置換されたカルボ-ルォキシ基、及 びそれらの脂肪族炭化水素基部分をアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリー ルォキシ基、アミノ基、ハロゲン原子で置換したものが挙げられる。
[0050] 上記「炭素数 2〜18の置換又は非置換の芳香族炭化水素カルボ-ルォキシ基」と しては、例えば、フエ-ルカルポ-ルォキシ基、メチルフエ-ルカルポ-ルォキシ基、 ェチルフエ-ルカルポ-ルォキシ基、メトキシフエ-ルカルポ-ルォキシ基、ブトキシ フエ-ルカルポ-ルォキシ基、フエノキシフエ-ルカルポ-ルォキシ基等の、 R1として 先に説明した芳香族炭化水素基によって置換されたカルボニルォキシ基、及びそれ らの芳香族炭化水素基部分をアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキ
シ基、アミノ基、ハロゲン原子で置換したものが挙げられる。
[0051] 上記一般式 (1-1)の R2は、特に限定されるものではないが、入手が容易であることか ら、塩素原子、水酸基、炭素数 1〜8を有する置換又は非置換の 1価のォキシ基が好 ましい。中でも、反応性の観点力 は、塩素原子、水酸基又はォキシ基がより好ましく 、本発明による硬化性榭脂をエポキシ榭脂硬化剤として使用して得られる硬化物の 長期信頼性に及ぼす影響を考慮すると、 R2の少なくとも 1つが水酸基又は炭素数 1 〜8のォキシ基であることがさらに好ましい。
[0052] また、一般式 (卜 1)に記載した「 及び R2の 2以上が結合して環状構造を形成して もよい」とは、 R1及び R2が互いに結合し、全体としてそれぞれ 2価以上の有機基とな る場合を意味する。例えば、 2つの R1が Si原子と結合して環状構造を形成する場合、 エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン等のアルキレン基、ェチレ- ル、プロピレ -ル、ブチレ-ル基等のアルケ-ル基、メチレンフエ-レン基等のァラル キレン基、フエ-レン、ナフチレン、アントラセ-レン等のァリーレン基が挙げられる。
[0053] 1つの R1と 1つの R2とが Si原子と結合して環状構造を形成する場合、上記アルキレン 基、ァルケ-ル基、ァラルキレン基、ァリーレン基のォキシ基が挙げられる。 2つの R2 力 i原子と結合して環状構造を形成する場合、上記アルキレン基、ァルケ-ル基、ァ ラルキレン基のジォキシ基が挙げられる。それらの有機基は、アルキル基、アルコキ シ基、ァリール基、ァリールォキシ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、グリシジルォ キシ基、エポキシシクロへキシノレ基、エポキシ基等のエポキシ基を含有する基、メタク リルォキシ基、メルカプト基、イミノ基、ウレイド基、イソシァネート基等で置換されてい てもよい。
[0054] 上記一般式 (1-1)の具体的な化合物を以下に例示するが、それらに限られるもので はない。 n=0のシラン化合物としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テ トラブトキシシラン、テトラキス (エトキシエトキシ)シラン、テトラキス (メトキシェトキシ)シ ラン、テトラプロボキシシラン、テトラァリロキシシラン、テトラクロロシラン、テトラブロモ シラン、テトラァセトキシシラン、テトラキス (ジメチルァミノ)シラン等が挙げられる。
[0055] n= 1のシラン化合物としては、フエ-ルトリエトキシシラン、フエ-ルトリメトキシシラン 、フエニルトリクロロシラン、フエニルトリフルォロシラン、フエ二ルァセトキシシラン、フ
ェニルビス(ジメチルァミノ)クロロシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシ ラン、メチルトリクロロシラン、メチルァセトキシシラン、ェチルトリエトキシシラン、ェチ ルトリメトキシシラン、ェチルトリクロロシラン、ェチルァセトキシシラン、ビニルトリェトキ シシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルァセトキシシラン、 n —プロピルトリエトキシシラン、 n—プロピルトリメトキシシラン、 γ—メタクリルォキシプ 口ピルトリエトキシシラン、 Ί—メタクリルォキシプロピルトリメトキシシラン、 Ί—メルカ プトプロピルトリエトキシシラン、 γ—メルカプトプロピルトリメトキシシラン、 γ—イソシ ァネートプロピルトリエトキシシラン、 γ—イソシァネートプロピルトリメトキシシラン、 γ —ァミノプロピルトリメトキシシラン、 Ί—ウレイドプロピルトリメトキシシラン、 Ί—クロ口 プロピルトリメトキシシラン、 γ —ァニリノプロピルトリメトキシシラン、 j8 — (3, 4—ェポ ラン、 Ύ—グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、 n= 2のシラン化合物としては、ジフエ-ルジメトキシシラン、ジフエ-ルジェト キシシラン、ジメシチルジメトキシシラン等の置換又は非置換のジァリールジアルコキ シシラン、ジメチノレジメトキシシラン、ジメチノレジェトキシシラン、ジメチノレジプロポキシ シラン、ジェチノレジェトキシシラン、デシノレメチノレジェトキシシラン、ジシクロペンチノレ ジメトキシシラン、ジビニルジェトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、 γ—メタク リルォキシプロピルメチルジメトキシシラン、 γ—グリシドキシプロピルメチルジメトキシ シラン、 γ—グリシドキシプロピルメチルジェトキシシラン等の置換又は非置換のジァ ルキルジアルコキシシラン、フエ二ルメチルジェトキシシラン、フエ二ルメチルジメトキ シシラン、ビュルフエ-ルジェトキシシラン等のァリールアルキルジアルコキシシラン、 ジフエ-ルシランジオール等の置換又は非置換のジァリールシランジオール、ジフエ -ルジクロロシラン、ジトリルジクロロシラン、ジメシチルジクロロシラン等の置換又は非 置換のジァリールジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ドデシルメチルジクロロシラ ン、ジビュルジクロロシラン、ジイソプロピルジクロロシラン等の置換又は非置換のジ アルキルジクロロシラン、フエニルェチルジクロロシラン、フエニルメチルジクロロシラン 等の置換又は非置換のァリールアルキルジクロロシラン、ジメチルジァセトキシシラン 等のジアルキルジァセトキシシラン、ビス(ジメチルァミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチ
ルァミノ)ジェチルシラン等の置換又は非置換のジアルキルジアミノシラン、ビス(ジメ チルァミノ)ジフエ-ルシラン等の置換又は非置換のジァリールジァミノシラン、フエ- ルメチルビス(ジメチルァミノ)シラン、へキサメチルシクロトリシラザン等の環状シラン 化合物、ジメチルメトキシクロロシラン等のジアルキルアルコキシクロロシラン等が挙げ られる。
[0057] 上述の具体例は、 V、ずれも工業製品又は試薬として入手可能である。上記一般式 ( ト 1)で示される化合物は、工業製品又は試薬として購入可能な化合物を用いても、 公知の方法で合成したィ匕合物を用いても構わない。これらシランィ匕合物の中でも、硬 化物の長期安定性、電子部品の長期信頼性等の観点から、 R2がォキシ基であるシラ ン化合物が好ましい。
[0058] (シラン化合物の部分縮合物)
上記一般式 (1-1)で示されるシランィ匕合物の部分縮合物は、上記一般式 (ト 1)で示 される 1種の化合物が自己縮合した化合物、又は 2種以上の化合物が互いに反応し 縮合して生成した化合物が含まれる。特に限定されるものではないが、縮合反応は、 必要であれば水を用い、また必要に応じて、酸、アルカリ等の縮合反応を促進する公 知の物質をカ卩えて行うことができる。通常の縮合反応では、 1分子の水を消費して、 1 つの縮合反応が起こり、 2分子の R2Hが副生成物として生じる(2≡Si—R2 + H 0→
2
≡Si-0-Si≡+ 2R2H) 0
[0059] 縮合の度合いは、反応条件により調節することが可能であり、縮合してできる化合 物の分子数は、特に限定されるものではないが、平均で 1. 5分子以上であることが 好ましぐ 2〜50分子であることがより好ましぐ 2〜20分子であることがさらに好まし い。
[0060] 本発明で使用可能なシランィ匕合物は、上述のようにそれらが部分的に縮合した化合 物を含めばよぐその一部は縮合せずに上記一般式 (1-1)で示される化合物のまま であってよい。
[0061] 本発明において使用される特定のシランィ匕合物の部分縮合物は、予め上記一般 式 (1-1)で示されるシランィ匕合物を縮合させて用いても、フエノール化合物と反応させ るときに同時に縮合させても、市販品として入手可能なものを用いても、これらを組み
合わせても構わな!/ヽ。市販品として入手可能な上記一般式 (1-1)で示される化合物 の部分縮合物の具体例としては、式 (1-1)の R2カ トキシ基であり、 n=0、平均縮合 分子数が 3〜5の Mシリケート 51 (多摩化学工業株式会社製商品名)、 R2がメトキシ 基であり、 n=0、平均縮合分子数が 8〜 12のメチルシリケート 56 (多摩化学工業株 式会社製商品名)、 R2がエトキシ基であり、 n=0、平均縮合分子数が約 5のシリケ一 ト 40 (多摩化学工業株式会社製商品名)、 R2がエトキシ基であり、 n=0、平均縮合分 子数が 6〜8のシリケート 45 (多摩化学工業株式会社製商品名)、 R1がメチル基、 R2 カ トキシ基であり、 n= l、縮合分子数が 2の 1, 3 ジメチルテトラメトキシジシロキサ ン (ァズマックス株式会社販売試薬)、 R1が n—ォクチル基、 R2がエトキシ基であり、 n = 1、縮合分子数が 2の 1, 3 ジ—n—ォクチルテトラエトキシジシロキサン(ァズマツ タス株式会社販売試薬)等が挙げられる。
(フエノール化合物)
本発明において使用可能な (b)フエノールイ匕合物としては、分子内に 1以上のフエ ノール性水酸基を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、フエ ノール、クレゾール、キシレノール、タミルフエノール、フエ-ルフエノール、アミノフエノ ール等のフエノール類、 α—ナフトール、 13 ナフトール、メチルナフタレン、ジメチ ルナフタレン等のナフトール類等の 1分子中に 1個のフエノール性水酸基を有するィ匕 合物(すなわち、 1価フ ノール化合物);
レゾルシン、カテコール、ヒドロキノン、ビスフエノーノレ Α、ビスフエノーノレ F、ジヒドロ キシナフタレン、置換又は非置換のビフヱノール等の 1分子内に 2つのフエノール性 水酸基を有する化合物(すなわち、 2価フ ノール化合物);
フエノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフエノール A、 ビスフエノール F、フエ-ルフエノール、ァミノフエノール等のフエノール類及び/又は a ナフトール、 13 ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムァ ルデヒド、ァセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデ ヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フ エノール榭脂;
フエノール類及び Z又はナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス (メトキシメチ
ル)ビフエニルから合成されるフエノールァラルキル榭脂、ナフトールァラルキル榭脂 等のァラルキル型フエノール榭脂;
ノ ラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フエノール榭脂;
メラミン変性フエノール榭脂;
テルペン変性フ ノール榭脂;
フエノール類及び z又はナフトール類とジシクロペンタジェンから共重合により合成 される、ジシクロペンタジェン型フエノール榭脂、ジシクロペンタジェン型ナフトール榭 脂;
シクロペンタジェン変性フエノール榭脂;
多環芳香環変性フエノール榭脂;
ビフエ二ル型フヱノール榭脂;
トリフエ-ルメタン型フエノール榭脂;および
上記樹脂の 2種以上を共重合して得たフエノール榭脂
等の分子内に 2以上のフエノール性水酸基を有するフエノールイ匕合物が挙げられる。 上記フエノールイ匕合物の 1種を単独で使用しても、それら化合物の 2種以上を組み合 わせて使用してもよい。
[0063] 本発明において使用可能な (a)フエノールイ匕合物は、特に限定されるものではない 力 硬化性榭脂の粘度の観点では、 1分子中に 2個以下のフエノール性水酸基を有 する化合物が好ましい。 1分子中のフエノール性水酸基の数が多いほど、生成する硬 化性榭脂の粘度が高くなり、製造及び Z又は製造後の取り扱いが困難となる傾向が ある。特に、ノボラック型フエノール榭脂又はレゾール型フエノール榭脂を用いた場合 、 1分子中のフエノール性水酸基が多ぐ反応点間の分子量が小さいことからゲルィ匕 が起こりやすい傾向がある。
[0064] 一方、硬化後の硬化性榭脂における耐熱性の観点では、 1分子中に 2個以上のフ ヱノール性水酸基を有する化合物が好ましい。しかし、上述のように分子内のフエノ ール性水酸基の数が増えると、得られる反応生成物の粘度が高くなる傾向がある。そ のため、本発明における(a)フエノールイ匕合物の一形態として、フエノール化合物の 全量を基準として、 2価フ ノールイ匕合物の含有量を、好ましくは 70重量%以上、より
好ましくは 80重量%以上、さらに好ましくは 85重量%以上とすることが望ましい。例 えば、 2価フエノールイ匕合物の含有量が 70重量%以下、分子内に 3個以上のフエノ ール性水酸基を有する化合物の含有量が 30重量%以上となると、反応によって得ら れる反応生成物の粘度が高くなり、取り扱い性に劣る結果となる。
[0065] 本発明における(a)フエノールイ匕合物の別の形態として、分子内に 2個以上のフエ ノール性水酸基を有し、さらにシランィ匕合物と環化可能なフエノールイ匕合物を用いる ことも可能である。この場合、分子内に 3個以上のフエノール性水酸基を有する化合 物の含有量が 30重量%以上となっても、反応によって得られる反応生成物の粘度は 著しく高くならず、取り扱い性が著しく低下することはない。シランィ匕合物と環化可能 な構造を有する分子内に 2以上のフエノール性水酸基を有する化合物を使用する場 合、それら化合物に由来するフ ノール性水酸基力 全フ ノール性水酸基中の 50 重量%以上であることが好ましぐ 70重量%以上であることがより好ましい。
[0066] シランィ匕合物と環化可能なフエノールイ匕合物を用いる場合、より具体的には、流動 性の観点では、分子内に 2個のフエノール性水酸基を有する化合物の含有量を 30 重量%以上とすることが好ましぐ 50重量%以上とすることがより好ましい。耐熱性の 観点では、、分子内に 3個以上のフエノール性水酸基を有する化合物の含有量を 30 重量%以上とすることが好ましぐ 50重量%以上とすることがより好ましい。しかし、分 子内に 3個以上のフエノール性水酸基を有する化合物と分子内に 2個のフエノール 性水酸基を有する化合物との割合は、特に制限されるものではなぐ流動性及び耐 熱性の必要度に応じて適切に調節することが可能である。なお、環化可能なフエノー ル性化合物における、少なくとも 2個のフ ノール性水酸基は、それぞれ以下に示す 一般式 (I-la)〜(I-ld)の 、ずれかに示す位置関係となることが好ま U、。
[0067] シランィ匕合物と環化可能な 2価フエノールイ匕合物は、特に限定されるものではない 力 例えば一般式 (I-la)〜(I-ld)に示されるようなフエノールイ匕合物が挙げられ、そ れらの 1種を単独で用いても、 2種以上を組み合わせて用いてもょ 、。
[化 11]
(式中、 R
6は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の 有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なってもよぐ 2以上の R
6が結合して 環状構造を形成してもよい)
上記一般式 (I-la)で示されるフエノールイ匕合物としては、特に限定されるものでは ないが、例えば、カテコール、 2, 3—ジヒドロキシナフタレンが挙げられる。
[化 12]
(式中、 R7は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の 有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なってもよぐ 2以上の R7が結合して 環状構造を形成してもよい)
上記一般式 (I-lb)で示されるフエノールイ匕合物としては、特に限定されるものでは ないが、例えば、 2, 2'—ビフエノール、 1, 1 '—ビー 2—ナフトールが挙げられる。
(式中、 R°は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の 有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なってもよぐ 2以上の R8が結合して
環状構造を形成してもよぐ R9は、炭素数 0〜18の 2価の有機基を示す)
上記一般式 (I lc)で示されるフエノールイ匕合物としては、特に限定されるもので はないが、例えば、 2, 2'ージヒドロキシジフエ-ノレメタン、 2, 2,ージヒドロキシー 5, 5 ,一ジメチルジフエニルメタン、 2, 2'—ジヒドロキシ 3, 3' , 5, 5'—テトラメチルジフ ェ-ルメタン、 2, 2,一ジヒドロキシジフエ-ルスルフイド、 2, 2,一ジヒドロキシジフエ- ルエーテル、 2, 2,ージヒドロキシジフエニルスルフォン、 1, 1 'ーメチレンジー2—ナ フトールが挙げられる。
[化 14]
[0071] (式中、 R1"は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換 の有機基力 なる群より選ばれ、全てが同一でも異なってもよぐ 2以上の R1C>が結合 して環状構造を形成してもよ 、)
上記一般式 (I-ld)で示されるフエノールイ匕合物としては、特に限定されるものでは ないが、例えば、 1, 8 ジヒドロキシナフタレンが挙げられる。
[0072] 分子内にシラン化合物と環化可能な 3個以上のフ ノール性水酸基を有する化合 物を含有するフエノールイ匕合物としては、例えば一般式 (I-le)〜(I-lg)に示されるよ うなフエノールイ匕合物が挙げられ、それらの 1種を単独で用いても、 2種以上を組み 合わせて用いてもよい。
[化 15]
[0073] (式中、 R6は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の
有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なってもよぐ 2以上の R6が結合して 環状構造を形成してもよぐ nは平均で 0より大きい数を示す)
上記一般式 (I-le)で示されるフエノールイ匕合物としては、特に限定されるものでは ないが、例えば、カテコールノボラックが挙げられる。
[化 16]
[0074] (式中、 R7は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の 有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なってもよぐ 2以上の R7が結合して 環状構造を形成してもよぐ nは平均で、 1より大きい数を示す)
[化 17]
[0075] (式中、 R8は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の 有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なってもよぐ 2以上の R8が結合して 環状構造を形成してもよぐ R9は、炭素数 0〜18の 2価の有機基を示し、 nは平均で 、 1より大きい数を示す)
上記一般式 (I-lg)で示されるフエノールイ匕合物としては、特に限定されるものでは ないが、例えば、パラクレゾールノボラック、ハイオルト型フエノールノボラックが挙げら れる。
[0076] 上記一般式 (I-la)〜(I-lg)の R
6、
及び R
1Gとして記載した用語「炭素数 1〜 18の置換又は非置換の有機基」は、炭素数 1〜18を有し、かつ置換されても又は非 置換であってもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素又は 芳香族炭化水素ォキシ基、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素カルボニル基、脂
肪族炭化水素又は芳香族炭化水素ォキシカルボニル基、及び脂肪族炭化水素又 は芳香族炭化水素カルボニルォキシ基が結合したものを含むことを意味する。
[0077] 上記置換又は非置換の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、ェチル基 、プロピル基、イソプロピル基、 n—ブチル基、 sec—ブチル基、 tert—ブチル基、ぺ ンチル基、へキシル基、ォクチル基、デシル基、ドデシル基、ァリル基、及びビニル基 等の脂肪族炭化水素基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、水酸 基、アミノ基、及びハロゲン等で置換したもの挙げられる。
[0078] 上記置換又は非置換の脂肪族炭化水素基には、置換又は非置換の脂環式炭化 水素基も含まれる。置換又は非置換の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロべ ンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基、シクロペンテ-ル基、及びシクロへ キセ -ル基等、並びにそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキ シ基、水酸基、アミノ基、及びハロゲン等で置換したものが挙げられる。
[0079] 上記置換又は非置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、フ ニル基、トリル基 等のァリール基、ジメチルフエ-ル基、ェチルフエ-ル基、ブチルフエ-ル基、 tert— ブチルフエ-ル基等のアルキル基置換ァリール基; メトキシフエ-ル基、エトキシフエ -ル基、ブトキシフエ-ル基、 tert—ブトキシフエ-ル基等のアルコキシ基置換ァリー ル基が挙げられ、それらをさらにアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォ キシ基、アミノ基、ハロゲン等で置換したものであってもよい。
[0080] 上記脂肪族炭化水素ォキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ シ基、イソプロポキシ基、 n_ブトキシ基、 sec-ブトキシ基、 tert-ブトキシ基、シクロプロ ピルォキシ基、シクロへキシルォキシ基、シクロペンチルォキシ基、ァリルォキシ基、 ビニルォキシ基等の上述の脂肪族炭化水素基に酸素原子が結合した構造を有する 基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、アミノ基 、ハロゲン等で置換したものが挙げられる。上記芳香族炭化水素ォキシ基としては、 フエノキシ基、メチルフエノキシ基、ェチルフエノキシ基、メトキシフエノキシ基、ブトキ シフヱノキシ基、フヱノキシフヱノキシ基等の上述の芳香族炭化水素基に酸素原子が 結合した構造を有する基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリ ールォキシ基、アミノ基、ハロゲン等で置換したものが挙げられる。
[0081] 上記カルボ-ル基としては、ホルミル基、ァセチル基、ェチルカルボ-ル基、ブチリ ル基、シクロへキシルカルボニル基、ァリルカルボニル等の脂肪族炭化水素カルボ ニル基、フ -ルカルポ-ル基、メチルフヱ-ルカルポ-ル基等の芳香族炭化水素 カルボニル基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ 基、アミノ基、ハロゲン等で置換したものが挙げられる。
[0082] 上記ォキシカルボ-ル基としては、メトキシカルボ-ル基、エトキシカルボ-ル基、 ブトキシカルボ-ル基、ァリルォキシカルボ-ル基、シクロへキシルォキシカルボニル 基等の脂肪族炭化水素ォキシカルボ-ル基、フエノキシカルボ-ル基、メチルフエノ キシカルボニル基等の芳香族炭化水素ォキシカルボニル基、及びそれらをアルキル 基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、アミノ基、ハロゲン等で置換したも のが挙げられる。
[0083] 上記カルボニルォキシ基としては、メチルカルボニルォキシ基、ェチルカルボニル ォキシ基、ブチルカルボ-ルォキシ基、ァリルカルボ-ルォキシ基、シクロへキシル カルボ-ルォキシ基等の脂肪族炭化水素カルボ-ルォキシ基、フエ二ルカルボ-ル ォキシ基、メチルフエニルカルボ-ルォキシ基等の芳香族炭化水素カルボ二ルォキ シ基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、ァミノ 基、ハロゲン等で置換したものが挙げられる。
[0084] さらに、
及び R
1C)として記載した「環状構造を形成してもよい」とは、 2以 上の R
6、 R
7、 R
8、又は R
1G結合し、全体としてそれぞれ 2〜4価の有機基となる場合を 意味する。例えば、それらが結合するベンゼン環と併せて、ナフタレン環、アントラセ ン環、フ ナントレン環等の多環芳香族環を形成するような基が挙げられ、それらは アルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、水酸基、アミノ基、ハロゲ ン等で置換されてもよい。
[0085] 上記一般式 (I-la)〜(I-lg)の R6、 R7、 R8、及び R1Gとしては、特に限定されるもので はないが、水素原子、水酸基、及び 1価の有機基であるアルキル基、ァリール基、ァ ルコキシ基、ァリールォキシ基が好ましい。中でも、原料の入手しやすさの観点から は、水素原子、水酸基、フエ-ル基、 p—トリル基、 m—トリル基、 o—トリル基、 p—メト キシフエ-ル基、等の非置換或 、はアルキル基及び Z又はアルコキシ基及び Z又
は水酸基置換の芳香族基、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、プチ ル基、 sec—ブチル基、 tert—ブチル基、ォクチル基、シクロへキシル基等の鎖状又 は環状のアルキル基力 選ばれる置換基がより好ましぐ水素原子、水酸基、フエ二 ル基、メチル基、ェチル基、 tert—ブチル基力 選ばれる置換基がさらに好ましい。 2 以上の R6、 R7、 R8、又は R1C>が結合して環状構造を形成する場合、それらが結合す るベンゼン環と併せて、ナフタレン環となることが好まし 、。
[0086] 上記一般式 (I-lc)及び (I-lg)の R9は、炭素数 0〜18の 2価の有機基を示す。炭素 数 0〜18の有機基としては、特に制限はなぐ例えば、酸素原子、硫黄原子、スルホ キシド基、スルホニル基、炭素数 1〜18の 2価の炭化水素基等が挙げられる。炭素数 1〜18の 2価の炭化水素基としては、特に制限はなぐ例えば、メチレン基、エチレン 基、プロピレン基、シクロへキシレン基、シクロペンチレン基等の脂肪族炭化水素基 及びこれらにアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、アミノ基、ハ ロゲン等が置換したもの、フエ-レン基、ナフチレン基、アントラセ-レン基等の芳香 族炭化水素基及びこれらにアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ 基、アミノ基、ハロゲン等が置換したものが挙げられる。
[0087] 中でも、入手しやすさの観点からは、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基、スルホ ニル基、アルキレン基、シクロへキシレン基、シクロペンチレン基、これらにアルキル 基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基が置換したものが好ましい。酸素原 子、硫黄原子、スルホキシド基、スルホ-ル基、メチレン基、メチルメチレン基、イソプ 口ピルメチレン基、フエ-ルメチレン基、シクロへキシルメチレン基、ジメチルメチレン 基、メチルジイソピルメチレン基、メチルフエ-ルメチレン基、シクロへキシレン基、シク 口ペンチレン基、シクロペンチレン基がより好ましい。
[0088] 本発明の一形態である新規硬化性榭脂は、 (a)上記一般式 (1-1)で示されるシラン 化合物及びその部分縮合物からなる群より選択される少なくとも 1種の化合物と、 (b) フエノールイ匕合物との反応によって生じるァリールォキシシリル (ArO— Si)結合を有 することを特徴とする。この形態では、硬化性榭脂は、下記一般式 (ト 2a)、(ト 3 、 (I -2b)、および (I-3b)力 なる群力 選択される少なくとも 1種の構造部位を有すること が好ましい。このような特定の構造部位を有する硬化性榭脂は、(a)シラン化合物及
び Z又はその部分縮合物と環化可能である、分子内に 2以上のフエノール性水酸基 を有する化合物を (b)フエノールイ匕合物として使用することによって得られる。なお、 下記一般式 (I_2a)および (I-2b)で示される構造部位は、上記一般式 (1-1)で示される シランィ匕合物そのものに起因するものであり、下記一般式 (I-3a)および (I-3b)で示さ れる構造部位は、シラン化合物において部分的に縮合された部位に起因するもので ある。
[化 18]
(卜 2a)
[0089] (式中、 Arは、炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から誘導される基 を両側に有する 2価の有機基を示す)
[化 19]
[0090] (式中、 Arは、炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から誘導される基 を両側に有する 2価の有機基を示し、 nは 0以上の数を示す)
ここで、 Arとして記載した「炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から 誘導される基を両側に有する 2価の有機基」とは、特に限定されるものではなぐ例え ば、フエ二レン基、ナフチレン基、アントラセ-レン基、ビフエ二レン基、ビナフチレン 基、メチレンビスフエ二レン基、メチレンビスナフチレン基、才キシビスフエ二レン基、ス ルホニルビスフエ-レン基、チォビスフエ-レン基等のァリール基を両側に有する 2価 の有機基、及びフラニレン、チォフエ二レン、イミダゾリレン、メチレンビスフラニレン、 メチレンビスチ才フエ二レン、メチレンビスイミダゾリレン等の複素環基を両佃 jに有する 2価の有機基、一方にァリール基を有し他方に複素環基を有する 2価の有機基等の 有機基が含まれる。
[化 20]
[0091] (式中、 Ar2は、炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から誘導される少 なくとも 2つの結合部分を有する(m+ 2)価の有機基を示し、 mは 1以上の整数を示 す)
[化 21]
[0092] (式中、 Ar2は、炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から誘導される少 なくとも 2つの結合部分を有する(m+ 2)価の有機基を示し、 nは 0以上の数を示し、 mは 1以上の整数を示す)
ここで、 Ar2として記載した「炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から 誘導される少なくとも 2つの結合部分を有する (m+ 2)価の有機基」とは、特に限定さ れるものではなぐ例えば、フエ二レン基、ナフチレン基、アントラセ-レン基、ビフエ- レン基、ビナフチレン基、メチレンビスフエ二レン基、メチレンビスナフチレン基、才キ シビスフエ-レン基、スノレホニノレビスフエ-レン基、チ才ビスフエ-レン基等に m個の 置換基による結合部分を有する基等の、ァリール基から誘導される 2つの結合部分と m個の置換基による結合部分とを有する基が含まれる。また、フラニレン、チォフエ- レン、イミダゾリレン、メチレンビスフラニレン、メチレンビスチ才フエ二レン、メチレンビ スイミダゾリレン等に m個の置換基による結合部分を有する基等の、複素環との 2つ の結合部分と m個の置換基による結合部分とを有する基も含まれる。さらにまた、ァリ ール基から誘導される 1つの結合部分と、複素環との 1つの結合部分と、 m個の置換
基による結合部分とを有する基も含まれる。
[0093] 式中の「n」は、 0以上の数を示すが、環状構造の生成し易さの観点からは、 nは好 ましくは 0〜10の範囲、より好ましくは 0〜5の範囲、さらに好ましくは 0〜3の範囲であ ることが望ましい。
[0094] 上述の構造部位を有する硬化性榭脂は、硬化性榭脂自体を比較的小さ!、分子量 とすることが可能であり、その製造及び製造後の取り扱いが容易となる傾向がある。ま た、硬化性榭脂中におけるシランィ匕合物の含有量を高めることが可能となるため、本 硬化性榭脂を用いた硬化性榭脂組成物から得られる硬化物は耐熱性が向上する傾 向がある。このような観点から、本発明による硬化性榭脂は、榭脂中に存在するァリ ールォキシシリル (ArO— Si)結合の全数を基準として、一般式(I-2a)、(I-3a)、 (1-2 b)、及び (I-3b)からなる群力 選択される少なくとも 1種の構造部位を形成するァリー ルォキシシリル結合が 30%以上、好ましくは 50%以上存在することが好まし 、。
[0095] 上述の構造部位を有する硬化性榭脂のケィ素原子の配位数は、 4配位が主である 力 5又は 6配位となることも可能であり、配位数に関しては制限されるものではない。
[0096] n=0である一般式 (1-1)で示されるシランィ匕合物を用いる場合、上記一般式 (I-2a) で示される構造部位を有する硬化性榭脂は、下記一般式 (I-4a)で示される構造を有 する化合物を含有することが好まし ヽ。
[化 22] 尸 \ 八
ΑΓ\ :S、 > (卜 )
、0, 、cT
[0097] (式中、 Arは、炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から誘導される基 を両側に有する 2価の有機基を示す)
n=0である一般式 (1-1)で示されるシランィ匕合物を用いる場合、上記一般式 (I-2b) で示される構造部位を有する硬化性榭脂は、下記一般式 (I-4b)で示される構造部 位を有する化合物を含有することが好ま 、。
[0098] (式中、 Ar2は、炭素数 2〜30を有し、芳香族性を示す環状化合物から誘導される少 なくとも 2つの結合部分を有する(m+ 2)価の有機基を示し、 mはそれぞれ独立して 、 1以上の整数を示す)
n= 0である一般式 (ト 1)で示されるシランィ匕合物を用いる場合、本発明による硬ィ匕 性榭脂は、榭脂の全重量を基準として、その好ましくは 50重量%以上、より好ましく は 70重量%以上、さらに好ましくは 80重量%以上力 上記一般式 (I-4a)及び (I-4b) で示される構造部位を有する硬化性榭脂の少なくとも一方を含むことが好ましい。硬 化性榭脂の 90重量%以上が上記一般式 (I-4a)及び Z又は (I-4b)で示される構造 部位を有する場合、本発明による硬化性榭脂の分子量をさらに低減させることが可 能となる。その結果、製造及び製造後の取り扱いがさらに容易となり、またシランィ匕合 物の含有量をさらに高めることが可能となり、耐熱性のさらなる改善が可能となる。
[0099] (硬化性榭脂の製造方法)
本発明の一形態である新規硬化性榭脂の製造方法は、 (a)下記一般式 (1-1)で示さ れるシランィ匕合物及びその部分縮合物からなる群より選ばれる少なくとも 1種の化合 物と、 (b)フエノールイ匕合物とを反応させる工程を有することを特徴とする。
[化 24]
R „StR (4-π) (1— 1)
[0100] (式中、 nは、 0〜2の数であり、
R1は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の炭化 水素基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なってもよぐ
R2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、炭素数 1〜18の置換又は非置 換のォキシ基、炭素数 1〜18の置換又は非置換のアミノ基、及び炭素数 2〜18の力 ルポ二ルォキシ基カもなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ
R1及び R2の 2以上が結合して環状構造を形成してもよい)
式中、 n、 R\ R2の詳細は先に説明した通りである。
[0101] 本発明による製造方法にぉ 、て、 (a)シラン化合物及び Z又はその部分縮合物と、
(b)フエノールイ匕合物との反応は、 目的とする硬化性榭脂が生成する方法であれば、 その反応手段等の制限は特にない。本発明による製造方法では、必要に応じて、溶 媒を用いてもよい。溶媒は、反応後に、ろ別、蒸留等によって除去する。本発明にお いて使用できる溶媒としては、上記 (a)と (b)との反応に悪影響を及ぼさないものであ れば特に制限されるものではなぐトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、 へキサン、ヘプタン、シクロへキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルェ チルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ジェチルエーテル、ジェチレ ングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、 N, N—ジメ チルホルムアミド、 N, N—ジメチルァセトアミド等のアミド系溶媒、酢酸ェチル、 γ - プチ口ラタトン等のエステル系溶媒等の公知の溶媒を用いることができる。
[0102] また、本発明による製造方法にぉ 、て、 (a)シランィ匕合物及び Z又はその部分縮合 物と、(b)フ ノールイ匕合物との比率は、反応が進行し目的の化合物が得られる範囲 において、特に限定されるものではない。例えば、(a)における R2基と、(b)における フエノール性水酸基との当量比(すなわち、 [ (b)フ ノールイ匕合物の水酸基数] / [ ( a)のシランィ匕合物における R2基数])力 0. 1〜10の間であることが好ましぐ 0. 5〜 5. 0の間であることがより好ましぐ 0. 9〜3. 0の間であることがさらに好ましい。特に 、上記当量比は 1付近であることが最も好ましい。上記当量比が 0. 1未満となる場合 、未反応の R2基が残りやすい傾向がある。一方、上記当量比が 10よりも大きくなると 、反応生成物のエポキシ硬化剤としての有用性が低下し、硬化物の耐熱性は低下す る傾向がある。なお、「当量比」とは、仕込み比のことではなぐ製造後に生成物中に 含有されている(b)のフエノール性水酸基由来の基および (a)の R2基由来の基の比( [ (b)フエノールイ匕合物の未反応フエノール性水酸基数 + (b)フエノール化合物のフ ェノール性水酸基が反応して生成した結合の数] Z[ (a)のシランィ匕合物における R2 基数 + (a)のシランィ匕合物における R2基が反応して生成した結合の数])を意味する 。すなわち、揮発、ろ過、洗浄等によって除去されたものは含まないものとする。また 、当量比が「1付近」とは、秤量誤差、純度のずれ等によって実際には 1. 0から少し
ずれていても良いことを意味する。具体的には、上記当量比は 0. 9〜1. 1が好ましく 、 0. 95〜: L 05力より好まし!/ヽ。
[0103] また、本発明による製造方法にぉ 、て、 (a)シランィ匕合物及び Z又はその部分縮合 物と、(b)フ ノールイ匕合物との反応率は、特に限定されるものではないが、反応開 始時のシランィ匕合物及び Z又はその部分縮合物における全 R2基数を基準として、 未反応の R2基数が 10%以下であることが好ましぐ 5%以下であることがより好ましく 、 1%以下であることがさらに好ましい。反応開始時の全 R2基数を基準として、 10% を超える数の R2基が未反応となると、反応生成物のエポキシ硬化剤としての有用性 は低下し、硬化物のボイドの発生や長期信頼性の低下を招く傾向がある。
[0104] 本発明による製造方法では、 目的とする化合物とともに、上記 (a)と (b)との反応の 副生成物として R が生成することになる。そのため、本発明による製造方法は、必 要に応じて加熱して、反応生成物力も R を除去する工程を設けることが好ま 、。 より具体的な例示としては、以下の通りである:
(a) R2がハロゲン原子であるシランィ匕合物及び Z又はその部分縮合物と、 (b)フエ ノール化合物とを反応させた場合は、必要に応じて加熱及び Z又は減圧留去、洗浄 、ろ過等によって、副生成物のハロゲン化水素を除去する;
(a) R2が水酸基であるシランィ匕合物及び Z又はその部分縮合物と、 (b)フエノール 化合物とを反応させた場合は、必要に応じて加熱及び Z又は減圧留去、洗浄、ろ過 等によって、副生成物の水を除去する;
(a) R2がォキシ基であるシランィ匕合物及び Z又はその部分縮合物と、(b)フエノー ル化合物とを反応させた場合は、必要に応じて加熱及び Z又は減圧留去、洗浄、ろ 過等によって、副生成物のアルコール又はァリールオールを除去する;
(a) R2がァミノ基であるシランィ匕合物及び Z又はその部分縮合物と、 (b)フエノール 化合物とを反応させた場合は、必要に応じて加熱及び Z又は減圧留去、洗浄、ろ過 等によって、副生成物のアンモニア又はアミンを除去する;
(a) R2がカルボ-ルォキシ基であるシラン化合物及び Z又はその部分縮合物と、 ( b)フエノール化合物とを反応させた場合は、必要に応じて加熱及び Z又は減圧留去 、洗浄、ろ過等によって、副生成物のカルボン酸を除去する。
本発明による製造方法では、上記 (a)と (b)との反応を促進するために、必要に応 じて、触媒を使用しても良い。使用可能な触媒としては、例えば、 1, 5 ジァザビシク 口 [4. 3. 0]ノネンー 5、 1, 8 ジァザビシクロ [5. 4. 0]ゥンデセン 7等のジァザビ シクロアルケン等のシクロアミジン化合物、及びその誘導体; それらのフエノールノボ ラック塩及びこれらの化合物に無水マレイン酸、 1, 4一べンゾキノン、 2, 5 トルキノ ン、 1, 4 ナフトキノン、 2, 3 ジメチルベンゾキノン、 2, 6 ジメチルベンゾキノン、 2, 3 ジメトキシ一 5—メチル 1, 4 ベンゾキノン、 2, 3 ジメトキシ一 1, 4 ベン ゾキノン、フエ-ルー 1, 4 ベンゾキノン等のキノン化合物、ジァゾフエ-ルメタン等 の π結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物; ピリジン'トリエ チルァミン、トリエチレンジァミン、ベンジルジメチルァミン、トリエタノールァミン、ジメ チルァミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フエノール等の三級アミン類及びこ れらの誘導体; 2—メチルイミダゾール、 2 フエ-ルイミダゾール、 2—フエ-ルー 4 ーメチルイミダゾール、 2—へプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類; テトラフエ -ルホスホ-ゥム'テトラフエ-ルポレート等のテトラ置換ホスホ-ゥム'テトラ置換ボレ ート; 2 ェチルー 4 メチルイミダゾール'テトラフエ-ルポレート、 Ν—メチルモル ホリン 'テトラフエ-ルポレート等のテトラフエ-ルボロン塩; トリフエ-ルホスフィン、ジ フエ-ル(ρ トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフエ-ル)ホスフィン、トリス(アルコキ シフエ-ル)ホスフィン、トリス(アルキル ·アルコキシフエ-ル)ホスフィン、トリス(ジアル キルフエ-ル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフエ-ル)ホスフィン、トリス(テトラアルキ ルフエ-ル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフエ-ル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシ フエ-ル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフエ-ル)ホスフィン、トリアルキルホスフィ ン、ジアルキルァリールホスフィン、アルキルジァリールホスフィン等の有機ホスフィン 類; それら有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体; それら有機ホスフィン類と無 水マレイン酸、 1, 4一べンゾキノン、 2, 5 トルキノン、 1, 4 ナフトキノン、 2, 3 ジ メチルベンゾキノン、 2, 6 ジメチルベンゾキノン、 2, 3 ジメトキシ一 5—メチル 1 , 4一べンゾキノン、 2, 3 ジメトキシ 1, 4一べンゾキノン、フエニノレー 1, 4一べンゾ キノン等のキノンィ匕合物、ジァゾフエニルメタン等の π結合をもつ化合物とを付加して なる分子内分極を有する化合物; これら有機ホスフィン類と 4 ブロモフエノール、 3
—ブロモフエノーノレ、 2 ブロモフエノーノレ、 4 クロ口フエノーノレ、 3 クロ口フエノー ル、 2 クロ口フエノール、 4 ヨウ化フエノール、 3 ヨウ化フエノール、 2 ヨウ化フエ ノール、 4ーブロモー 2 メチルフエノール、 4ーブロモー 3 メチルフエノール、 4ーブ 口モー 2, 6 ジメチルフエノール、 4 ブロモ—3, 5 ジメチルフエノール、 4 ブロ モー 2, 6 ジ—tert ブチルフエノール、 4 クロロー 1 ナフトール、 1ーブロモー 2 ナフトール、 6 ブロモー 2 ナフトール、 4ーブロモー 4'ーヒドロキシビフエニル等 のハロゲンィ匕フエノールイ匕合物とを反応させた後に、脱ハロゲン化水素の工程を経て 得られる分子内分極を有する化合物(特開 2004— 156036号公報に記載)等が挙 げられる。
[0106] 本発明による製造方法では、使用するシランィ匕合物及び Z又はその部分縮合物と 触媒との組み合わせを特に限定するものではな 、が、反応の簡便さ及び反応生成 物の使用によって達成される硬化物の長期安定性の観点から、下記一般式 (1-5)で 示されるホスホ-ゥム化合物又はその分子間塩を触媒として用い、多価フエノールイ匕 合物と一般式 (1-1)の R2がォキシ基であるシランィ匕合物とを反応させ、 80°C〜300°C に加熱して副生成物のアルコールを除去することによって実施することが好ましい。 副生成物となる R の除去容易性の観点からは、 R2が炭素数 1〜3のアルコキシ基 であることがさらに好ましい。
[化 25]
[0107] (式中、 R4は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の 炭化水素基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なってもよぐ 2以上の R4が互 Vヽに結合して環状構造を形成してもよく、
R5は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、及び炭素数 1〜18の置換又は非置 換の有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なってもよぐ 2以上の R5が互 Vヽに結合して環状構造を形成してもよく、
ΥΊま、 1以上の放出可能なプロトン (Η+)を有する炭素数 0〜18の有機基から 1つ のプロトンが脱離した有機基であり、 1以上の R5と互いに結合して環状構造を形成し てもよい)
なお、上記一般式 (1-5)の R4として記載した「炭素数 1〜18の置換又は非置換の炭 化水素基」は、炭素数 1〜18を有し、置換されても又は非置換であってもよい脂肪族 炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含むことを意味する。
[0108] より具体的には、上記置換又は非置換の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチ ル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 η-ブチル基、 sec-ブチル基、 tert-ブ チル基、ペンチル基、へキシル基、ォクチル基、デシル基、ドデシル基、ァリル基、ビ ニル基等の脂肪族炭化水素基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール 基、水酸基、アミノ基、及びハロゲン原子等で置換したものが挙げられる。
[0109] また、上記置換又は非置換の脂肪族炭化水素基には、置換又は非置換の脂環式 炭化水素基も含まれる。置換又は非置換の脂環式炭化水素基としては、例えば、シ クロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基、シクロペンテ-ル基、及びシ クロへキセニル基等、並びにそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリー ルォキシ基、水酸基、アミノ基、及びハロゲン原子等で置換したものが挙げられる。
[0110] 上記置換又は非置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、フ ニル基、トリル基 等のァリール基、ジメチルフエ-ル基、ェチルフエ-ル基、ブチルフエ-ル基、 tert— ブチルフエ-ル基等のアルキル基置換ァリール基、メトキシフエ-ル基、エトキシフエ -ル基、ブトキシフエ-ル基、 tert—ブトキシフエ-ル基等のアルコキシ基置換ァリー ル基等が挙げられ、それらはさらにアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリール ォキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等で置換したものであってもよい。
[0111] 一般式 (1-5)の R4として記載した用語「2以上の R4が互いに結合して環状構造を形 成してもよい」とは、 2又は 3つの R4が結合し、全体としてそれぞれ 2又は 3価の炭化 水素基となる場合を意味する。例えば、 Si原子と結合して環状構造を形成し得るェチ レン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン等のアルキレン基、ェチレ-ル、 プロピレ -ル、ブチレ-ル基等のアルケ-ル基、メチレンフエ-レン基等のァラルキレ ン基、フエ-レン、ナフチレン、アントラセ-レン等のァリーレン基が挙げられ、それら
はアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、アミノ基、水酸基、ハロ ゲン原子等で置換されて 、てもよ 、。
[0112] なお、上記一般式 (1-5)の R4としては、特に限定されるものではないが、アルキル基 及びァリール基力もなる群より選ばれる 1価の置換基であることが好ましい。中でも、 原料の入手しやすさの観点から、フエ-ル基、 p トリル基、 m—トリル基、 o トリル基 、 ρ—メトキシフエ-ル基、 m—メトキシフエ-ル基、 o—メトキシフエ-ル基、 p ヒドロ キシフエ-ル基、 m—ヒドロキシフエ-ル基、 o ヒドロキシフエ-ル基、 2, 5 ジヒドロ キシフエ-ル基、 4一(4ーヒドロキシフエ-ル)フエ-ル基、 1 ナフチル基、 2 ナフ チル基、 1一(2 ヒドロキシナフチル)基、 1一(4ーヒドロキシナフチル)基等の非置 換或いはアルキル基及び/又はアルコキシ基及び/又は水酸基置換のァリール基 、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、 sec ブチル基、 tert ブチル基、ォクチル基、シクロへキシル基等の鎖状又は環状のアルキル基力ゝら選 ばれる置換基がより好ましい。フエ-ル基、 p トリル基、 m—トリル基、 o トリル基、 p ーメトキシフエ-ル基、 m—メトキシフエ-ル基、 o—メトキシフエ-ル基、 p ヒドロキシ フエ-ル基、 m—ヒドロキシフエ-ル基、 o ヒドロキシフエ-ル基、 2, 5 ジヒドロキシ フエ-ル基、 4一(4ーヒドロキシフエ-ル)フエ-ル基、 1 ナフチル基、 2 ナフチル 基、 1一(2 ヒドロキシナフチル)基、 1一(4ーヒドロキシナフチル)基等の非置換或 いはアルキル基及び Z又はアルコキシ基及び Z又は水酸基置換のァリール基であ ることがさらに好ましい。
[0113] 上記一般式 (1-5)の R5として記載した「炭素数 1〜18の置換又は非置換の有機基」 は、炭素数 1〜18を有し、かつ置換されても又は非置換であってもよい脂肪族炭化 水素基、芳香族炭化水素基、及び脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素ォキシ基、 脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素カルボニル基、脂肪族炭化水素又は芳香族 炭化水素ォキシカルボニル基、及び脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素カルボ二 ルォキシ基を含むことを意味する。
[0114] より具体的には、上記置換又は非置換の脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素 基としては、 R4として先に説明した通りである。
[0115] 上記脂肪族炭化水素ォキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、イソプロポキシ基、 n—ブトキシ基、 sec—ブトキシ基、 tert—ブトキシ基、シクロ プロピルォキシ基、シクロへキシルォキシ基、シクロペンチルォキシ基、ァリルォキシ 基、ビニルォキシ基等の上述の脂肪族炭化水素基に酸素原子が結合した構造を有 する基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、ァ ミノ基、ハロゲン原子等で置換したものが挙げられる。上記芳香族炭化水素ォキシ基 としては、例えば、フエノキシ基、メチルフエノキシ基、ェチルフエノキシ基、メトキシフ エノキシ基、ブトキシフエノキシ基、フエノキシフエノキシ基等の上述の芳香族炭化水 素基に酸素原子が結合した構造を有する基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ 基、ァリール基、ァリールォキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等で置換したものが挙げ られる。
[0116] 上記カルボ-ル基としては、例えば、ホルミル基、ァセチル基、ェチルカルボ-ル 基、ブチリル基、シクロへキシルカルボ-ル基、ァリルカルボニル等の脂肪族炭化水 素カルボ-ル基、フエ-ルカルポ-ル基、メチルフヱ-ルカルポ-ル基等の芳香族 炭化水素カルボニル基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリ ールォキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等で置換したものが挙げられる。
[0117] 上記ォキシカルボ-ル基としては、例えば、メトキシカルボ-ル基、エトキシカルボ ニル基、ブトキシカルボ-ル基、ァリルォキシカルボ-ル基、シクロへキシルォキシ力 ルポニル基等の脂肪族炭化水素ォキシカルボ-ル基、フエノキシカルボニル基、メチ ルフエノキシカルボ-ル基等の芳香族炭化水素ォキシカルボニル基、及びそれらを アルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、アミノ基、ハロゲン原子で 置換したものが挙げられる。
[0118] 上記カルボ-ルォキシ基としては、例えば、メチルカルボ-ルォキシ基、ェチルカ ルボニルォキシ基、ブチルカルボ-ルォキシ基、ァリルカルボ-ルォキシ基、シクロ へキシルカルボニルォキシ基等の脂肪族炭化水素カルボニルォキシ基、フエ二ルカ ルポニルォキシ基、メチルフエ-ルカルポニルォキシ基等の芳香族炭化水素カルボ -ルォキシ基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ 基、アミノ基、ハロゲン原子等で置換したものが挙げられる。
[0119] 上記一般式 (1-5)の R5として記載した用語「2以上の R5が互いに結合して環状構造
を形成してもよい」とは、 2〜4つの R5が結合し、全体としてそれぞれ 2〜4価の有機基 となる場合を意味する。例えば、環状構造を形成し得るエチレン、プロピレン、ブチレ ン、ペンチレン、へキシレン等のアルキレン基、ェチレ-ル、プロピレ -ル、ブチレ- ル基等のアルケ-ル基、メチレンフエ-レン基等のァラルキレン基、並びにフエ-レン 、ナフチレン、アントラセ-レン等のァリーレン基、及びそれらアルキレン基、ァルケ- ル基、ァラルキレン基、及びァリーレン基にォキシ基又はジォキシ基が結合した基が 挙げられ、それらはアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、ァミノ 基、水酸基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
[0120] 上記一般式 (1-5)の R5としては、特に限定されるものではないが、水素原子、水酸基 、アルキル基、ァリール基、アルコキシ基、ァリールォキシ基が好ましい。中でも原料 の入手しやすさの観点からは、水素原子、水酸基、フエ二ル基、 p—トリル基、 m—トリ ル基、 o—トリル基、 p—メトキシフエ-ル基等の非置換或いはアルキル基及び/又は アルコキシ基及び Z又は水酸基置換のァリール基、及びメチル基、ェチル基、プロピ ル基、イソプロピル基、ブチル基、 sec—ブチル基、 tert—ブチル基、ォクチル基、シ クロへキシル基等の鎖状又は環状のアルキル基力 選ばれる置換基がさらに好まし い。 2以上の R5が互いに結合して環状構造を形成する場合は、特に限定されないが 、 R5が結合しているベンゼン環と併せて、 1— (— 2—ヒドロキシナフチル)基、 1—(一 4ーヒドロキシナフチル)基等の多環芳香族基を形成する有機基が好ましい。
[0121] 上記一般式 (1-5)における ΥΊま、 1以上の放出可能なプロトン (H+)を有する炭素数 0〜 18の有機基から 1つのプロトンが脱離した有機基であり、 1以上の R2と互 、に結 合して環状構造を形成してもよい。例えば、 ΥΊま水酸基、メルカプト基、ノ、イドロセレ ノ基等の 16族原子に水素原子が結合した 1価の有機基力 プロトンが脱離した基、 カルボキシル基、カルボキシメチル基、カルボキシェチル基、カルボキシフエ-ル基 カルボキシナフチル基等のカルボキシル基を有する炭素数 1〜 18の 1価の有機基か らカルボン酸のプロトンが脱離した基、ヒドロキシフエ-ル基、ヒドロキシフエ-ルメチ ル基、ヒドロキシナフチル基、ヒドロキシフリル基、ヒドロキシチェ-ル基、ヒドロキシピリ ジル基等のフエノール性水酸基を有する炭素数 1〜18の 1価の有機基力もフエノー ル性プロトンが脱離した基が挙げられる。
[0122] また、上記一般式 (1-5)中の Y—が 1以上の R5と結合して環状構造を形成する場合、 例えば、 ΥΊま、それが結合しているベンゼン環と併せて、 2— (— 6—ヒドロキシナフ チル)基等のヒドロキシ多環芳香族基の水酸基力 プロトンが脱離した基を形成する
2価の有機基が挙げられる。
[0123] 先に例示した Y—の中でも、特に限定されるものではないが、水酸基力 プロトンが 脱離してなる酸素ァ-オン、又はヒドロキシフエ-ル基、ヒドロキシフエ-ルメチル基、 ヒドロキシナフチル基、ヒドロキシフリル基、ヒドロキシチェ-ル基、ヒドロキシピリジル 基等のフエノール性水酸基力 プロトンが脱離してなる酸素ァ-オンを有する 1価の 有機基であることが好まし 、。
[0124] また、上記一般式 (1-5)中の Y—が 1以上の R5と結合して環状構造を形成する場合、 例えば、 ΥΊま、それが結合しているベンゼン環と併せて、 2— (— 6—ヒドロキシナフ チル)基等のヒドロキシ多環芳香族基の水酸基力 プロトンが脱離した基が好ま Uヽ
[0125] また、上記一般式 (1-5)で示されるホスホニゥム化合物の分子間塩としては、限定さ れるものではないが、式(1-5)で示されるホスホ-ゥム化合物とフエノール、ナフトール 、分子内に 2以上のフエノール性水酸基を有するフエノールイ匕合物として先に例示し た化合物等のフエノール性水酸基を有する化合物、トリフエ二ルシラノール、ジフエ二 ルシランジオール、トリメチルシラノール等のシラノール基を有する化合物、シユウ酸、 酢酸、安息香酸等の有機酸、塩酸、臭化水素、硫酸、硝酸等の無機酸等との分子間 塩ィ匕合物が挙げられる。
[0126] (エポキシ榭脂組成物)
本発明の一形態である硬化性榭脂は、その榭脂単独で又は他の樹脂と反応して 硬化することが可能な硬化性榭脂として様々な用途に使用することが可能である。例 えば、封止材等の成形材料、積層板用材料、各種接着剤用材料、各種電子電気部 品用材料、及び塗料材料等の用途に使用することが可能である。本発明による硬化 性榭脂は、エポキシ榭脂、フエノール榭脂、イソシァネート榭脂、ウレタン榭脂、不飽 和ポリエステル榭脂、メラミン榭脂、シリコーン榭脂、ァリル榭脂、アルキド榭脂等の他 の硬化性榭脂と組み合わせて使用することも可能である。また、本発明による硬化性
榭脂は、エポキシ榭脂硬化剤として有用であるため、エポキシ榭脂、及び必要に応じ てエポキシ榭脂の硬化を促進する他の成分と組み合わせて硬化性榭脂組成物とす ることち可會である。
[0127] 本発明の一形態であるエポキシ榭脂組成物は、(A)エポキシ榭脂と、(B)硬化剤と を含有するものであって、(B)硬化剤が、先に説明した本発明の一形態である新規 硬化性榭脂を含むことを特徴とする。本発明によるエポキシ榭脂組成物は、上記成 分 (A)及び (B)に、さらに (C)硬化促進剤及び (D)無機充填剤を含有するものであ つてもよい。また、必要に応じて、カップリング剤、イオン交換体、離型剤、応力緩和 剤、難燃剤、着色剤といった各種添加剤を追加したものであってもよい。以下、本発 明によるエポキシ榭脂組成物を構成する主な成分にっ 、て説明する。
[0128] (A)エポキシ榭脂
本発明にお 、て使用可能な (A)エポキシ榭脂は、 1分子中に 2個以上のエポキシ 基を有するエポキシ榭脂であればよぐ特に限定されるものではない。例えば、フエノ 一ルノボラック型エポキシ榭脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ榭脂をはじめ とするフエノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフエノール
A、ビスフエノール F等のフエノール類及び Z又は α—ナフトール、 j8—ナフトール、 ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ァセトアルデヒド、プロピ オンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合 物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック榭脂をエポキシ化した ノボラック型エポキシ榭脂;
ビスフエノール A、ビスフエノール F、ビスフエノール S、アルキル置換又は非置換のビ フエノール、スチルベン系フエノール類等のジグリシジルエーテル(ビスフエノール型 エポキシ榭脂、ビフエ-ル型エポキシ榭脂、スチルベン型エポキシ榭脂)、 ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類 のグリシジノレエーテノレ;
フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸類のグリシジルエステル 型エポキシ榭脂;
ァ-リン、イソシァヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換し
たもの等のグリシジノレ型又はメチルダリシジノレ型のエポキシ榭月旨;
分子内のォレフィン結合をエポキシ化して得られるビュルシクロへキセンジエポキシド
、 3, 4 エポキシシクロへキシルメチルー 3, 4—エポキシシクロへキサンカルボキシ レート、 2- (3, 4 エポキシ)シクロへキシル 5, 5—スピロ(3, 4 エポキシ)シクロ へキサン m—ジォキサン等の脂環型エポキシ榭脂;
パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フエノール榭脂のグリシジルエーテル; テルペン変性フエノール榭脂のグリシジルエーテル;
ジシクロペンタジェン変性フエノール榭脂のグリシジルエーテル;
シクロペンタジェン変性フエノール榭脂のグリシジルエーテル;
多環芳香環変性フエノール榭脂のグリシジルエーテル;
ナフタレン環含有フエノール榭脂のグリシジルエーテル;
ハロゲン化フエノールノボラック型エポキシ榭脂;
ハイドロキノン型エポキシ榭脂;
トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂; ォレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ榭脂; ジフエ-ルメタン型エポキシ榭脂;
フエノールァラルキル榭脂、ナフトールァラルキル榭脂等のァラルキル型フエノール 榭脂のエポキシ化物;
硫黄原子含有エポキシ榭脂;
ナフタレン型エポキシ榭脂
が挙げられ、これらを単独で用いても 2種以上を組み合わせて用いてもょ 、。
上記エポキシ榭脂の中でも、耐リフロークラック性及び流動性の点でビフエニル型 エポキシ榭脂、スチルベン型エポキシ榭脂、ジフエ-ルメタン型エポキシ榭脂、硫黄 原子含有型エポキシ榭脂、ノボラック型エポキシ榭脂、ジシクロペンタジェン型ェポキ シ榭脂、サリチルアルデヒド型エポキシ榭脂、ナフトール類とフエノール類との共重合 型エポキシ榭脂、フエノールァラルキル榭脂、ナフトールァラルキル榭脂等のァラル キル型フエノール榭脂のエポキシィ匕物、ナフタレン型フエノール榭脂が好ましぐそれ らのいずれか 1種を単独で用いても 2種以上を組み合わせて用いてもよい。但し、そ
れらの性能を発揮するためには、エポキシ榭脂全量に対して、それらを合計で 30重 量%以上使用することが好ましぐ 50重量%以上使用することがより好ましい。以下、 好ま ヽエポキシ榭脂の具体例を示す。
[0130] ビフエ-ル型エポキシ榭脂としては、ビフエ-ル骨格を有するエポキシ榭脂であれ ば特に限定されるものではな 、が、下記一般式 (II)で示されるエポキシ榭脂が好まし V、。下記一般式 (II)で示されるエポキシ榭脂の中でも R8のうち酸素原子が置換して いる位置を 4及び 4'位とした時の 3, 3', 5, 5 立カ チル基でそれ以外が水素原子 である YX-4000H (ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)、全ての R8が水素原 子である 4, 4'—ビス(2, 3 エポキシプロポキシ)ビフエ-ル、全ての R8が水素原子 の場合及び R8のうち酸素原子が置換している位置を 4及び 4 立とした時の 3, 3', 5 , 5 立カ チル基でそれ以外が水素原子である場合の混合品である YL-6121H (ジ ャパンエポキシレジン株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
[0131] (式 (II)中、 R8は水素原子又は炭素数 1〜12のアルキル基又は炭素数 4〜18のァリ 一ル基を示し、それぞれ全てが同一でも異なってもよぐ nは平均値であり、 0〜10の 正数を示す)
スチルベン型エポキシ榭脂としては、スチルベン骨格を有するエポキシ榭脂であれ ば特に限定されるものではな 、が、下記一般式 (III)で示されるエポキシ榭脂が好ま しい。
[0132] 下記一般式 (III)で示されるエポキシ榭脂の中でも、 R9のうち酸素原子が置換してい る位置を 4及び 4 立とした時の 3, 3', 5, 5 立力メチル基でそれ以外が水素原子で あり R1Gの全てが水素原子の場合と 3, 3', 5, 5 立のうちの 3つがメチル基、 1つが ter t ブチル基でそれ以外が水素原子であり R1Gの全てが水素原子の場合の混合品で ある ESLV-210(住友ィ匕学株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
[0133] (式 (III)中、 R9及び R1Gは水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それ ぞれ全てが同一でも異なってもよぐ nは平均値であり、 0〜 10の正数を示す) ジフエ-ルメタン型エポキシ榭脂としては、ジフエ-ルメタン骨格を有するエポキシ 榭脂であれば特に限定されるものではな 、が、下記一般式 (IV)で示されるエポキシ 榭脂が好ましい。下記一般式 (IV)で示されるエポキシ榭脂の中でも、 R11の全てが水 素原子であり R12のうち酸素原子が置換している位置を 4及び 4'位とした時の 3, 3' , 5, 5 立力メチル基でそれ以外が水素原子である YSLV— 80XY (新日鐡ィ匕学株式 会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
[0134] (式 (IV)中、 R11及び R12は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それ ぞれ全てが同一でも異なってもよぐ nは平均値であり、 0〜 10の正数を示す) 硫黄原子含有型エポキシ榭脂としては、硫黄原子を含有するエポキシ榭脂であれ ば特に限定されるものではな 、が、例えば下記一般式 (V)で示されるエポキシ榭脂 が挙げられる。下記一般式 (V)で示されるエポキシ榭脂の中でも、 R13のうち酸素原 子が置換している位置を 4及び 4 立とした時の 3, 3 立が tert—ブチル基で 6, 6 立 力 Sメチル基でそれ以外が水素原子である YSLV— 120TE (新日鐡化学株式会社製 商品名)等が市販品として入手可能である。
[化 29]
[0135] (式 (V)中、 R"は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それぞれ全て が同一でも異なってもよぐ nは平均値であり、 0〜 10の正数を示す)
ノボラック型エポキシ榭脂としては、ノボラック型フエノール榭脂をエポキシ化したェ ポキシ榭脂であれば、特に限定されるものではないが、フエノールノボラック、クレゾ 一ルノボラック、ナフトールノボラック等のノボラック型フエノール榭脂をグリシジルェ ーテルイ匕等の手法を用いてエポキシィ匕したエポキシ榭脂が好ましぐ例えば下記一 般式 (VI)で示されるエポキシ榭脂がより好ま ヽ。下記一般式 (VI)で示されるェポキ シ榭脂の中でも、 R14の全てが水素原子であり R15がメチル基で i= 1である ESCN— 190、 ESCN— 195(住友ィ匕学株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である
[化 30]
[0136] (式 (VI)中、 R14及び R15は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それ ぞれ全てが同一でも異なってもよぐ iは 0〜3の整数、 nは平均値であり、 0〜10の正 数を示す)
ジシクロペンタジェン型エポキシ榭脂としては、ジシクロペンタジェン骨格を有する 化合物を原料としてエポキシィ匕したエポキシ榭脂であれば特に限定されるものでは ないが、下記一般式 (VII)で示されるエポキシ榭脂が好ましい。下記一般式 (VII)で 示されるエポキシ榭脂の中でも、 i=0である HP— 7200(大日本インキ化学株式会社 製商品名)等が市販品として入手可能である。
[化 31]
[0137] (式 (VII)中、 R
lbは水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それぞれ全 てが同一でも異なってもよぐ iは 0〜3の整数、 nは平均値であり、 0〜 10の正数を示 す)
サリチルアルデヒド型エポキシ榭脂としては、サリチルアルデヒド骨格を持つ化合物 を原料とするエポキシ榭脂であれば特に制限はな ヽが、サリチルアルデヒド骨格を持 つ化合物とフエノール性水酸基を有する化合物とのノボラック型フエノール榭脂等の サリチルアルデヒド型フエノール榭脂をグリシジルエーテルィ匕したエポキシ榭脂等の サリチルアルデヒド型エポキシ榭脂が好ましぐ下記一般式 (VIII)で示されるエポキシ 榭脂がより好ましい。下記一般式 (VIII)で示されるエポキシ榭脂の中でも、 i=0、 k= 0である 1032H60(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)、 EPPN- 502H ( 日本化薬株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
[化 32]
[0138] (式 (VIII)中、 R1'及び R18は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、そ れぞれ全てが同一でも異なってもよぐ iは 0〜3の整数、 kは 0〜4の整数、 nは平均 値であり、 0〜 10の正数を示す)
ナフトール類とフエノール類との共重合型エポキシ榭脂としては、ナフトール骨格を 有する化合物及びフエノール骨格を有する化合物を原料とするエポキシ榭脂であれ ば、特に限定されるものではないが、ナフトール骨格を有する化合物及びフエノール 骨格を有する化合物を用いたノボラック型フエノール榭脂をグリシジルエーテルィ匕し たものが好ましぐ下記一般式 (IX)で示されるエポキシ榭脂がより好ましい。下記一 般式(IX)で示されるエポキシ榭脂の中でも、 R21がメチル基で i= lであり、 j = 0、 k= 0である NC— 7300(日本ィ匕薬株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である
[化 33]
[0139] (式 (IX)中、 Riy〜R は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それぞ れ全てが同一でも異なってもよぐ iは 0〜3の整数、 jは 0〜2の整数、 kは 0〜4の整 数を示し、 pは平均値で 0〜1の正数を示し、 1、 mはそれぞれ平均値で 0〜: L 1の正数 であり(1+m)は 1〜: L 1の正数を示す)
上記一般式 (IX)で示されるエポキシ榭脂としては、 1個の構成単位及び m個の構成 単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む 共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体が挙げられ、これらのいずれか 1種を 単独で用いても、 2種以上を組み合わせて用いてもょ ヽ。
[0140] フエノールァラルキル榭脂、ナフトールァラルキル榭脂等のァラルキル型フエノール 榭脂のエポキシ化物としては、フエノール、タレゾール等のフエノール類及び Z又は ナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス(メト キシメチル)ビフヱニルゃこれらの誘導体カゝら合成されるフ ノール榭脂を原料とする エポキシ榭脂であれば、特に限定されるものではない。例えば、フエノール、クレゾ一 ル等のフエノール類及び z又はナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール類と ジメトキシパラキシレンやビス (メトキシメチル)ビフエ-ルゃこれらの誘導体カゝら合成さ れるフエノール榭脂をグリシジルエーテルィ匕したものが好ましぐ下記一般式 (X)及び
(XI)で示されるエポキシ榭脂がより好ま 、。下記一般式 (X)で示されるエポキシ榭 脂の中でも、 i=0、 R4が水素原子である NC— 3000S (日本ィ匕薬株式会社製商品 名)、 i=0、 R4が水素原子であるエポキシ榭脂と一般式 (II)の全ての R8が水素原子 であるエポキシ榭脂を重量比 80: 20で混合した CER- 3000(日本化薬株式会社製 商品名)等が市販品として入手可能である。また、下記一般式 (XI)で示されるェポキ シ榭脂の中でも、 i=0、 j = 0、 k=0である ESN— 175(新日鐡ィ匕学株式会社商品名) 等が市販品として入手可能である。
[化 34]
[0141] (式 (X)及び (XI)において、 R R41は水素原子又は炭素数 1 18の 1価の有機基 を示し、それぞれ全てが同一でも異なってもよぐ iは 0 3の整数、 jは 0 2の整数、 kは 0 4の整数を示す)
上記一般式 (II) (XI)中の R8 R21及び R37 R41について、「それぞれ全てが同 一でも異なっていてもよい」とは、例えば、式(II)中の 8 88個の R8の全てが同一で も異なっていてもよいことを意味している。他の R9 R21及び R37 R41についても、式 中に含まれるそれぞれの個数にっ ヽて全てが同一でも異なって!/ヽてもよ ヽことを意 味している。また、 R R 及び R R はそれぞれが同一でも異なっていてもよい 。例えば、 R9と R1Gの全てについて同一でも異なっていてもよい。
[0142] ナフタレン型エポキシ榭脂としては、ナフタレン環を含有するエポキシィ匕合物であ れば、特に限定されるものではない。例えば、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、ジ メチルナフトール等のナフトール類の誘導体力 合成されるナフトールイ匕合物をダリ シジルエーテルィ匕したものが好ましぐ下記一般式 (ΧΙ-a)で示されるエポキシ榭脂が より好ましい。下記一般式 (ΧΙ-a)で示されるエポキシ榭脂の中でも、 n= lであり、 R41 及び R42の全てが水素原子、 R43の全てがグリシジルォキシ基である EXA— 4700 E XA— 4701(大日本インキ化学株式会社製商品名)、 n=0であり、 R41及び R42の全て が水素原子、 R43がグリシジルォキシ基である HP— 4032 (大日本インキ化学株式会 社製商品名)、 n= lであり、 R41及び R42の全てが水素原子、 R43の一方が水素原子 であり、他方がグリシジルォキシ基である EXA—4750大日本インキ化学株式会社
製商品名)等が市販品として入手可能である。
[化 35]
[0143] (式 (ΧΙ-a)中、 R41及び R4 ま水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、 は水素原子又はグリシジルォキシ基を示し、それぞれ全てが同一でも異なってもよく 、 nは平均値であり、 0〜 10の正数を示す)
上記一般式 (II)〜 (XI)及び (Xト a)中の R8〜R21及び R37〜R43につ 、て、「それぞ れ全てが同一でも異なっていてもよい」とは、例えば、式(II)中の 8〜88個の R8の全 てが同一でも異なって!/、てもよ 、ことを意味して 、る。他の R9〜R21及び R37〜R41に っ 、ても、式中に含まれるそれぞれの個数にっ ヽて全てが同一でも異なって!/ヽても よいことを意味している。また、 R8〜R21及び R37〜R41はそれぞれが同一でも異なつ ていてもよい。例えば、 R9と R1Gの全てについて同一でも異なっていてもよい。
[0144] 上記一般式(Π)〜(ΧΙ)及び(ΧΙ-a)中の「n」は、 0〜10の範囲である必要があり、 1 0を超えた場合は (B)成分の溶融粘度が高くなるため、硬化性榭脂組成物の溶融成 形時の粘度も高くなり、未充填不良やボンディングワイヤ(素子とリードを接続する金 線)の変形を引き起こしやすくなる。 1分子中の平均 nは 0〜4の範囲に設定されること が好ましい。
[0145] (B)硬化剤
本発明によるエポキシ榭脂組成物では、(B)硬化剤として、先に示した本発明によ る新規硬化性榭脂を使用することを特徴とする。本発明によるエポキシ榭脂組成物 において、(A)エポキシ榭脂と、(B)硬化剤となる本発明による硬化性榭脂との配合 比率は、(A)エポキシ榭脂における全エポキシ基の数と (B)本発明による硬化性榭 脂における ArO— Si結合の数及び本発明による硬化性榭脂における未反応フエ ノール性水酸基の数の合計との比率、すなわち、 [ (本発明による硬化性榭脂におけ
る ArO— Si結合の数) + (本発明による硬化性榭脂における未反応フエノール性 水酸基数) ] Z [エポキシ榭脂中の全エポキシ基数]で、 0. 5〜2. 0の範囲に設定さ れることが好ましい。
[0146] 上記配合比率は、 0. 7〜1. 5の範囲に設定することがより好ましぐ 0. 8〜1. 3の範 囲に設定することがさらに好ましい。上記配合比率が 0. 5未満となると、エポキシ榭 脂の硬化が不充分となり、硬化物の耐熱性、耐湿性及び電気特性が低下する傾向 にある。一方、上記配合比率が 2. 0を超えると、硬化剤成分が過剰となり、硬化効率 が低下するだけでなぐ硬化榭脂中に多量のフ ノール性水酸基が残るため、ノ^ケ ージの電気特性及び耐湿性が低下する傾向にある。
[0147] 本発明によるエポキシ榭脂組成物では、 (B)硬化剤として、先に示した本発明によ る硬化性榭脂以外の化合物を含んでもよい。硬化剤として併用可能な化合物として は、エポキシ榭脂を硬化させることができる化合物であれば特に限定されるものでは ない。例えば、フエノール榭脂等のフエノール化合物、ジァミン、ポリアミン等のアミン 化合物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の無水有機酸、ジカ ルボン酸、ポリカルボン酸等のカルボン酸ィヒ合物が挙げられ、これらの榭脂の 1種以 上を組み合わせて使用してもよい。中でも、 1分子内に 2以上のフエノール性水酸基 を有する化合物を併用することが好まし 、。
[0148] なお、本発明のエポキシ榭脂組成物にぉ 、て、本発明による硬化性榭脂にカ卩えて 硬化剤としてフ ノールイヒ合物を併用する場合、 (B)硬化剤となる成分の合計量を基 準として、本発明による硬化性榭脂の配合量を、 30重量%以上とすることが好ましく 、 50重量%以上とすることがより好ましい。(B)硬化剤における本発明による硬化性 榭脂の含有量が 30重量%未満となると低吸水性の特性が低下し、本発明によって 達成可能な効果が低減する傾向がある。
[0149] さらに、本発明のエポキシ榭脂組成物において、硬化剤として 1分子内に 2以上の フエノール性水酸基を有する化合物を併用する場合、(A)エポキシ榭脂、(B)硬化 剤として本発明の硬化性榭脂及び併用するフエノールイ匕合物の配合比率は、 (A)ェ ポキシ榭脂の全エポキシ基数と、 (B)本発明による硬化性榭脂の—ArO - Si結合数 、本発明による硬化性榭脂における未反応フ ノール性水酸基の数及び併用する化
合物のフエノール性水酸基数の合計との比率、すなわち、 [ (本発明による硬化性榭 脂の ArO— Si結合の数) + (本発明による硬化性榭脂における未反応フエノール 性水酸基数) + (併用するフエノールイ匕合物のフエノール性水酸基数) ] Z [エポキシ 榭脂中のエポキシ基数]で、 0. 5〜2. 0の範囲に設定されることが好ましい。上記配 合比率は、 0. 7〜1. 5の範囲に設定することがより好ましぐ 0. 8〜1. 3の範囲に設 定することがさらに好ましい。上記配合比率が 0. 5未満となると、エポキシ榭脂の硬 化が不充分となり、硬化物の耐熱性、耐湿性及び電気特性が低下する傾向にある。 一方、上記配合比率が 2. 0を超えると、硬化剤成分が過剰となり、硬化効率が低下 するだけでなぐ硬化榭脂中に多量のフエノール性水酸基が残るため、パッケージの 電気特性及び耐湿性が低下する傾向にある。
上述の範囲において、硬化剤として本発明による硬化性榭脂と併用することが可能 なフエノール化合物は、特に限定されず、硬化剤として一般に使用される 1分子中に 2個以上のフエノール性水酸基を有するフエノール化合物であってよい。例えば、レ ゾルシン、カテコール、ビスフエノール A、ビスフエノール F、置換又は非置換のビフエ ノール等の 1分子中に 2個のフ ノール性水酸基を有する化合物;
フエノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフエノール A、 ビスフエノール F、フエ-ルフエノール、ァミノフエノール等のフエノール類及び/又は a ナフトール、 13 ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムァ ルデヒド、ァセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデ ヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フ エノール榭脂;
フエノール類及び Z又はナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス (メトキシメチ ル)ビフエニルから合成されるフエノールァラルキル榭脂、ナフトールァラルキル榭脂 等のァラルキル型フエノール榭脂;
ノ ラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フエノール榭脂;
メラミン変性フエノール榭脂;
テルペン変性フ ノール榭脂;
フエノール類及び Z又はナフトール類とジシクロペンタジェンから共重合により合成
される、ジシクロペンタジェン型フエノール榭脂、ジシクロペンタジェン型ナフトール榭 脂;
シクロペンタジェン変性フエノール榭脂;
多環芳香環変性フエノール榭脂;
ビフエ二ル型フヱノール榭脂;
トリフエ-ルメタン型フエノール榭脂;
これら榭脂の 2種以上を共重合して得たフエノール榭脂
が挙げられ、これらを単独で用いても 2種以上を組み合わせて用いてもょ 、。
[0151] 上述のフエノール化合物の中でも、耐リフロークラック性の観点からはァラルキル型 フエノール榭脂、ジシクロペンタジェン型フエノール榭脂、サリチルアルデヒド型フエノ ール榭脂、ベンズアルデヒド型とァラルキル型の共重合型フエノール榭脂、ノボラック 型フエノール榭脂が好ましい。これらァラルキル型フエノール榭脂、ジシクロペンタジ ェン型フエノール榭脂、サリチルアルデヒド型フエノール榭脂、ベンズアルデヒド型と ァラルキル型の共重合型フエノール榭脂、ノボラック型フエノール榭脂は、そのいず れカ 1種を単独で用いても 2種以上を組み合わせて用いてもよい。但し、本発明によ る硬化性榭脂の効果を発揮させるために、上述のフエノール榭脂は、硬化剤の全量 に対して、合計で好ましくは 70重量%以下、より好ましくは 50重量%以下、さらに好 ましくは 30重量%以下で併用することが望ましい。
[0152] ァラルキル型フエノール榭脂としては、フエノール類及び/又はナフトール類とジメ トキシパラキシレンやビス (メトキシメチル)ビフエ-ルゃこれらの誘導体から合成され るフ ノール榭脂であれば特に限定されるものではな 、が、下記一般式 (XII)〜 (XIV )で示されるフエノール榭脂が好ま 、。
[化 36]
(式 (XII)〜(XIV)において、 R^〜R
28は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機 基を示し、それぞれ全てが同一でも異なってもよぐ iは 0〜3の整数、 kは 0〜4の整 数、 jは 0〜2の整数、 nは平均値であり、 0〜 10の正数を示す)
上記一般式 (ΧΠ)で示されるフエノール榭脂の中でも、 i=0、 R23が全て水素原子で ある MEH— 7851 (明和化成株式会社商品名)等が市販品として入手可能である。 上記一般式(XIII)で示されるフエノール榭脂の中でも、 i=0、 k=0である XL— 225 、 XLC (三井ィ匕学株式会社製商品名)、 MEH— 7800 (明和化成株式会社商品名) 等が市販品として入手可能である。
上記一般式 (XIV)で示されるフエノール榭脂の中でも、 j = 0、 R27の k=0、 R28の k = 0である SN— 170 (新日鐡ィ匕学株式会社商品名)等が市販品として入手可能であ る。
ジシクロペンタジェン型フエノール榭脂としては、ジシクロペンタジェン骨格を有す る化合物を原料として用いたフエノール榭脂であれば特に限定されるものではな 、が 、下記一般式 (XV)で示されるフ ノール榭脂が好ましい。下記一般式 (XV)で示され るフエノール榭脂の中でも i=0である DPP (新日本石油化学株式会社製商品名)等 が市販品として入手可能である。
[0155] (式 (XV)中、 R は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それぞれ全 てが同一でも異なってもよぐ iは 0〜3の整数、 nは平均値であり、 0〜 10の正数を示 す)
サリチルアルデヒド型フエノール榭脂としては、サリチルアルデヒド骨格を有するィ匕 合物を原料として用いたフ ノール榭脂であれば特に限定されるものではな 、が、下 記一般式 (XVI)で示されるフエノール榭脂が好ま U、。
[0156] 下記一般式(XVI)で示されるフエノール榭脂の中でも i=0、 k=0である MEH— 75 00(明和化成株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
[化 38]
[0157] (式 (XVI)中、 RdU及び 1は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、そ れぞれ全てが同一でも異なってもよぐ iは 0〜3の整数、 kは 0〜4の整数、 nは平均 値であり、 0〜 10の正数を示す)
ベンズアルデヒド型とァラルキル型との共重合型フ ノール榭脂としては、ベンズァ ルデヒド骨格を有する化合物を原料として用いたフエノール榭脂とァラルキル型フエ ノール榭脂との共重合型フエノール榭脂であれば特に限定されるものではないが、 下記一般式 (XVII)で示されるフエノール榭脂が好ま 、。
[0158] 下記一般式(XVII)で示されるフエノール榭脂の中でも i = 0、 k=0、 q = 0である HE
510(エア ·ウォーター ·ケミカル株式会社製商品名)等が市販品として入手可能で ある。
[0159] (式 (XVII)中、 R32〜R34は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それ ぞれ全てが同一でも異なってもよぐ iは 0〜3の整数、 kは 0〜4の整数、 qは 0〜5の 整数、 1、 mはそれぞれ平均値で 0〜: L 1の正数であり(1+m)は 1〜: L 1の正数を示す) ノボラック型フエノール榭脂としては、フエノール類及び/又はナフトール類とアル デヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるフエノール榭脂であれば 特に限定されるものではな 、が、下記一般式 (XVIII)で示されるフ ノール榭脂が好 ましい。
[0160] 下記一般式 (XVIII)で示されるフエノール榭脂の中でも i=0、 R35が全て水素原子 であるタマノル 758、 759(荒川化学工業株式会社製商品名)、 HP— 850N (日立化 成工業株式会社商品名)等が市販品として入手可能である。
[化 40]
[0161] (式 (XVIII)中、 5及び Rdbは水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、そ れぞれ全てが同一でも異なってもよぐ iは 0〜3の整数、 kは 0〜4の整数、 nは平均 値であり、 0〜 10の正数を示す)
上記一般式 (XII)〜 (XVIII)における R22〜R36について記載した「それぞれ全てが 同一でも異なっていてもよい」は、例えば、式 (XII)中の i個の R22の全てが同一でも相 互に異なっていてもよいことを意味している。他の R23〜R36についても、式中に含ま れるそれぞれの個数にっ 、て全てが同一でも相互に異なって 、てもよ 、ことを意味 している。また、 R22〜R36は、それぞれが同一でも異なっていてもよい。例えば、 R22
および の全てについて同一でも異なってもよぐ RdUおよび 1の全てについて同 一でも異なっていてもよい。
[0162] 上記一般式 (XII)〜(XVIII)における「n」は、 0〜 10の範囲である必要があり、 10を 超えた場合は (B)硬化性榭脂成分の溶融粘度が高くなるため、硬化性榭脂組成物 の溶融成形時の粘度も高くなり、未充填不良やボンディングワイヤ (素子とリードを接 続する金線)の変形を引き起こしやすくなる。 1分子中の平均 nは 0〜4の範囲に設定 されることが好ましい。
[0163] (C)硬化促進剤
本発明による硬化性榭脂組成物では、必要に応じて硬化剤促進剤を配合してもよ い。使用可能な硬化促進剤としては、例えば、 1, 5 ジァザビシクロ [4. 3. 0]ノネン 5、 1, 8 ジァザビシクロ [5. 4. 0]ゥンデセン 7等のジァザビシクロアルケン等 のシクロアミジン化合物、その誘導体; それらのフヱノールノボラック塩及びこれらの 化合物に無水マレイン酸、 1, 4一べンゾキノン、 2, 5 トルキノン、 1, 4 ナフトキノ ン、 2, 3 ジメチルベンゾキノン、 2, 6 ジメチルベンゾキノン、 2, 3 ジメトキシー 5 —メチル一 1, 4 ベンゾキノン、 2, 3 ジメトキシ一 1, 4 ベンゾキノン、フエニル一 1, 4一べンゾキノン等のキノン化合物、ジァゾフエ-ルメタン等の π結合をもつ化合 物を付加してなる分子内分極を有する化合物; トリエチレンジァミン、ベンジルジメ チルァミン、トリエタノールァミン、ジメチルァミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチ ル)フエノール等の三級アミン類及びこれらの誘導体、 2—メチルイミダゾール、 2—フ ェ-ルイミダゾール、 2 フエ-ルー 4ーメチルイミダゾール、 2 へプタデシルイミダ ゾール等のイミダゾール類; テトラフエ-ルホスホ-ゥム.テトラフエ-ルポレート等の テトラ置換ホスホ-ゥム 'テトラ置換ボレート; 2 -ェチル - 4 メチルイミダゾール ·テ トラフエ-ルポレート、 Ν—メチルモルホリン.テトラフエ-ルポレート等のテトラフエ- ルボロン塩; トリフエ-ルホスフィン、ジフエ-ル(ρ -トリル)ホスフィン、トリス(アルキ ルフエ-ル)ホスフィン、トリス(アルコキシフエ-ル)ホスフィン、トリス(アルキル'アルコ キシフエ-ル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフエ-ル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフ ェ -ル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフエ-ル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフエ -ル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフエ-ル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフエ
-ル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルァリールホスフィン、アルキルジ ァリールホスフィン等の有機ホスフィン類; それら有機ホスフィン類と有機ボロン類と の錯体; それら有機ホスフィン類と無水マレイン酸、 1, 4一べンゾキノン、 2, 5 トル キノン、 1, 4 ナフトキノン、 2, 3 ジメチルベンゾキノン、 2, 6 ジメチルベンゾキノ ン、 2, 3 ジメトキシ一 5—メチル 1, 4 ベンゾキノン、 2, 3 ジメトキシ一 1, 4— ベンゾキノン、フエニノレー 1, 4一べンゾキノン等のキノンィ匕合物、ジァゾフエニルメタ ン等の π結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物; これら有 機ホスフィン類と 4 ブロモフエノール、 3 ブロモフエノール、 2 ブロモフエノール、 4 クロ口フエノーノレ、 3 クロ口フエノーノレ、 2 クロ口フエノーノレ、 4 ヨウィ匕フエノー ル、 3 ヨウ化フエノール、 2 ヨウ化フエノール、 4 ブロモ 2—メチルフエノール、 4ーブロモー 3 メチルフエノール、 4ーブロモー 2, 6 ジメチルフエノール、 4ーブロ モー 3, 5 ジメチルフエノール、 4ーブロモー 2, 6 ジ tert ブチルフエノール、 4 クロロー 1 ナフトール、 1ーブロモー 2 ナフトール、 6 ブロモー 2 ナフトール、 4 ブロモ 4' ヒドロキシビフエ-ル等のハロゲン化フエノール化合物を反応させ た後に、脱ハロゲン化水素して得られる分子内分極を有する化合物(特開 2004— 1 56036号公報に記載)が挙げられる。これら硬化促進剤を併用する場合、中でも、流 動性の観点力ゝらは有機ホスフィン類と π結合をもつ化合物とを付加してなる分子内分 極を有する化合物; 有機ホスフィン類とハロゲンィ匕フヱノールイ匕合物を反応させた 後に、脱ハロゲン化水素の工程を経て得られる分子内分極を有する化合物; 硬化 性の観点からは有機ホスフィン類とハロゲンィ匕フエノールイ匕合物を反応させた後に、 脱ハロゲンィ匕水素の工程を経て得られる分子内分極を有する化合物が好ましい。特 に、下記一般式 (1-5)で示されるホスフィンィ匕合物又はその分子間塩を使用すること が好ましい。なお、式中、 R4、 R5、 ΥΊま先に説明した通りである。
[化 41]
[0164] 本発明によるエポキシ榭脂組成物における (C)硬化促進剤の配合量は、硬化促進 効果が達成されれば特に制限はない。しかし、榭脂組成物の吸湿時の硬化性及び 流動性における改善の観点からは、(A)エポキシ榭脂の合計 100重量部に対し、 (C )硬化促進剤を合計で好ましくは 0. 1〜: LO重量部、より好ましくは 1〜7. 0重量部の 割合で配合することが望ましい。配合量が 0. 1重量部未満では榭脂組成物を短時 間で硬化させることが困難であり、 10重量部を超えると硬化速度が速すぎて良好な 成形品が得られな 、場合がある。
[0165] (D)無機充填剤
本発明の硬化性榭脂組成物には、 (D)無機充填剤を必要に応じてさらに配合する ことができる。特に、硬化性榭脂組成物を封止用成形材料として用いる場合には、 ( D)無機充填剤を配合することが好ま ヽ。本発明にお ヽて用いられる (D)無機充填 剤としては、一般に封止用成形材料に用いられるものであってよぐ特に限定される ものではない。
[0166] 例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケィ酸ジルコ- ゥム、ケィ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコユア、 ジノレコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタ-ァ、タノレク、クレー、 マイ力等の微粉未、又はこれらを球形ィ匕したビーズが挙げられる。さらに、難燃効果 のある無機充填剤としては、例えば、水酸ィ匕アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグ ネシゥムと亜鉛の複合水酸ィ匕物等の複合金属水酸ィ匕物、硼酸亜鉛等が挙げられる。 中でも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアル ミナが好ましい。これら無機充填剤の 1種を単独で用いても 2種以上を組み合わせて 用いてもよい。
[0167] (D)無機充填剤の配合量は、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、硬 化性榭脂組成物に対して 55〜90体積%の範囲であることが好ま 、。これら無機充 填剤は硬化物の熱膨張係数、熱伝導率、弾性率等の改良を目的に配合するもので あり、配合量が 55体積%未満ではこれらの特性の改良が不十分となる傾向にあり、 9 0体積%を超えると硬化性榭脂組成物の粘度が上昇して流動性が低下し成形が困 難になる傾向がある。
[0168] また、(D)無機充填剤の平均粒径は 1〜50 μ mが好ましぐ 10-30 μ mがより好ま しい。: L m未満では硬化性榭脂組成物の粘度が上昇しやすぐ 50 mを超えると 榭脂成分と無機充墳剤とが分離しやすくなり、硬化物が不均一になったり硬化物特 性がばらつ 、たり、狭 、隙間への充填性が低下する傾向がある。
[0169] 流動性の観点力 は、(D)無機充填剤の粒子形状は角形よりも球形が好ましぐ ( D)無機充填剤の粒度分布は広範囲に分布したものが好ましい。例えば、無機充填 剤を 75体積%以上配合する場合、その 70重量%以上を球状粒子とし、 0. 1〜80 mという広範囲に分布したものが好ましい。このような無機充填剤は最密充填構造を とりやすいことから配合量を増加させても材料の粘度上昇が少なぐ流動性に優れた 硬化性榭脂組成物を得ることができる。
[0170] (各種添加剤)
本発明による硬化性榭脂組成物では、必要に応じて上述の成分 (A)エポキシ榭脂 、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機充填剤に加えて、以下に例示するカツプリ ング剤、イオン交換体、離型剤、応力緩和剤、難燃剤、着色剤といった各種添加剤を 追加してもよい。しかし、本発明による硬化性榭脂組成物には、以下の添加剤に限 定することなぐ必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を追加してもよい。
[0171] (カップリング剤)
本発明の封止用硬化性榭脂組成物には、榭脂成分と無機充填剤との接着性を高 めるために、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキル シラン、ウレイドシラン、ビュルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、ァ ルミ-ゥムキレート類、アルミニウム Zジルコニウム系化合物等の公知のカップリング 剤を添加することができる。
[0172] カップリング剤の配合量は、(D)無機充填剤に対して 0. 05〜5重量%であることが 好ましく、 0. 1〜2. 5重量0 /0がより好ましい。 0. 05重量0 /0未満ではフレームとの接着 性が低下する傾向があり、 5重量%を超えるとパッケージの成形性が低下する傾向が ある。
[0173] 上記カップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビュルトリエトキシシラ ン、ビュルトリス(j8—メトキシエトキシ)シラン、 γ—メタクリルォキシプロピルトリメトキ
シシラン、 j8 (3, 4—エポキシシクロへキシル)ェチルトリメトキシシラン、 γ—グリシ ニルトリァセトキシシラン、 γ—メルカプトプロピルトリメトキシシラン、 γ—ァミノプロピ ルトリエトキシシラン、 Ί -ァニリノプロピルトリメトキシシラン、 γ -ァニリノプロピルメチ ルジメトキシシラン、 γ [ビス( ヒドロキシェチル)]ァミノプロピルトリエトキシシラ ン、 N— (アミノエチル) - y—ァミノプロピルトリメトキシシラン、 γ—( β—ァミノ ンジァミン、 Ν— (ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジァミン、メチルトリメト キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、 Ν— β— (Ν ビュル ベンジルアミノエチル) γ—ァミノプロピルトリメトキシシラン、 γ—クロ口プロピルトリ メトキシシラン、へキサメチルジシラン、ビュルトリメトキシシラン、 γ—メルカプトプロピ ルメチルジメトキシシラン等のシラン系カップリング剤; イソプロピルトリイソステアロイ ルチタネート、イソプロピルトリス(ジォクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロ ピルトリ(Ν アミノエチル—アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシ ルホスフアイト)チタネート、テトラ(2, 2—ジァリルォキシメチルー 1ーブチル)ビス(ジ トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジォクチルパイロホスフェート)ォキシァセテ ートチタネート、ビス(ジォクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピル トリオクタノィルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプ 口ピルトリドデシルベンゼンスルホ-ルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジァク リルチタネート、イソプロピルトリ(ジォクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ タミルフエ-ルチタネート、テトライソプロピルビス(ジォクチルホスフアイト)チタネート 等のチタネート系カップリング剤が挙げられ、これらを単独で用いても 2種以上を組み 合わせて用いてもよい。これらの中でも、二級アミノ基を有するカップリング剤が流動 性及びワイヤ流れの観点力も好まし 、。
(イオン交換体)
本発明の硬化性榭脂組成物には、陰イオン交換体を必要に応じて配合することが できる。特に硬化性榭脂組成物を封止用成形材料として用いる場合には、封止され る素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、
陰イオン交換体を配合することが好ま ヽ。本発明にお ヽて用いられる陰イオン交換 体としては特に制限はなぐ従来公知のものを用いることができる力 例えば、ハイド 口タルサイト類や、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマスから選 ばれる元素の含水酸ィ匕物が挙げられ、これらを単独で又は 2種以上を組み合わせて 用いることができる。中でも、下記一般式 (XIX)で示されるノ、イド口タルサイトが好まし い。
[0175] (化 42)
Mg Al (OH) (CO ) ·πιΗ Ο ……(XIX)
l -X X 2 3 Χ/2 2
(0<Χ≤0. 5、 mは正の数)
これらの陰イオン交換体の配合量は、ハロゲンイオン等の陰イオンを捕捉できる十 分な量であれば特に制限はないが、(A)エポキシ榭脂に対して 0. 1〜30重量%の 範囲が好ましぐ 1〜5重量%がより好ましい。
[0176] (離型剤)
本発明の硬化性榭脂組成物には、成形時に金型との良好な離型性を持たせるた め離型剤を配合してもよい。本発明において用いられる離型剤としては特に制限は なく従来公知のものを用いることができる。例えば、カルナバワックス、モンタン酸、ス テアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル 系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフイン系ワックスが挙 げられ、これらの 1種を単独で用いても 2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも 、酸ィ匕型又は非酸ィ匕型のポリオレフイン系ワックスが好ましぐその配合量としては (A )エポキシ榭脂に対して 0.01〜10重量%が好ましぐ 0. 1〜5重量%がより好ましい 。ポリオレフイン系ワックスの配合量が 0.01重量%未満では離型性が不十分な傾向 があり、 10重量%を超えると接着性が阻害される可能性がある。ポリオレフイン系ヮッ タスとしては、例えば市販品ではへキストネ土製の H4、 PE、 PEDシリーズ等の数平均 分子量が 500〜10000程度の低分子量ポリエチレンが挙げられる。また、ポリオレフ イン系ワックスに他の離型剤を併用する場合、その配合量は (A)エポキシ榭脂に対し て 0.1〜10重量%が好ましぐ 0.5〜3重量%がより好ましい。
[0177] (応力緩和剤)
本発明の硬化性榭脂組成物には、シリコーンオイル、シリコーンゴム粉末等の応力 緩和剤を必要に応じて配合することができる。応力緩和剤を配合することにより、パッ ケージの反り変形量、ノ ッケージクラックを低減させることができる。使用できる応力 緩和剤としては、一般に使用されている公知の可とう剤 (応力緩和剤)であれば特に 限定されるものではない。一般に使用されている可とう剤としては、例えば、シリコー ン系、スチレン系、ォレフィン系、ウレタン系、ポリエステノレ系、ポリエーテノレ系、ポリア ミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エラストマ一、 NR (天然ゴム)、 NBR (アタリ口 二トリル一ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴム 粒子、メタクリル酸メチルースチレン ブタジエン共重合体(MBS)、メタクリル酸メチ ルーシリコーン共重合体、メタクリル酸メチルーアクリル酸ブチル共重合体等のコア シェル構造を有するゴム粒子が挙げられ、これらを単独で用いても 2種以上組み合 わせて用いてもよい。中でも、シリコーン系可とう剤が好ましぐシリコーン系可とう剤と しては、エポキシ基を有するもの、アミノ基を有するもの、これらをポリエーテル変性し たものが挙げられる。
[0178] (難燃剤)
本発明の硬化性榭脂組成物には、難燃性を付与するために必要に応じて難燃剤 を配合することができる。本発明において用いられる難燃剤としては特に制限はなく 、例えば、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む公知の有機 若しくは無機の化合物、金属水酸ィ匕物が挙げられ、これらの 1種を単独で用いても 2 種以上を組み合わせて用いてもよい。難燃剤の配合量は、難燃効果が達成されれ ば特に制限はないが、(A)エポキシ榭脂に対して 1〜30重量%が好ましぐ 2〜15 重量%がより好ましい。
[0179] (着色剤)
また、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公 知の着色剤を配合しても良 、。
[0180] 先に説明した本発明の硬化性榭脂組成物は、各種成分を均一に分散混合できる のであれば、いかなる手法を用いても調製できる。一般的な手法としては、所定の配 合量の成分をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によ
つて溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。より具体的には、例 えば、上述した成分の所定量を均一に撹拌、混合し、予め 70〜140°Cに加熱してあ るニーター、ロール、エタストルーダー等で混練、冷却し、粉砕する等の方法で得る ことができる。榭脂組成物は、ノ ッケージの成形条件に合うような寸法及び重量でタ ブレット化すると取り扱 、が容易である。
本発明の別の形態である電子部品装置は、上述の硬化性榭脂糸且成物によって封 止した素子を備えることを特徴とする。電子部品装置としては、例えば、リードフレー ム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウェハ等の支持部材に、半 導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体 、コイル等の受動素子等の素子を搭載したものが挙げられ、それら素子部を本発明 の硬化性榭脂組成物で封止したものが挙げられる。より具体的には、例えば、リード フレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部 をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の硬化性榭脂組成物を用いてト ランスファー成形等によって封止した、 DIP (Dual Inline Package)、 PLCC (Plastic L eaded Chip Carrier)、 QFP (Quad Flat Package)、 SOP (Small Outline Package)、 S OJ (Small Outline J- lead package)、 TSOP (Thin Small Outline Package)、 TQFP (T hin Quad Flat Package)等の一般的な榭脂封止型 IC、テープキャリアにバンプで接 続した半導体チップを、本発明の硬化性榭脂組成物で封止した TCP (Tape Carrier Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップ ボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリス タ等の能動素子及び Z又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の 硬化性榭脂組成物で封止した COB (Chip On Board)モジュール、ハイブリッド 、マ ルチチップモジュール、裏面に配線板接続用の端子を形成した有機基板の表面に 素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配 線を接続した後、本発明の硬化性榭脂組成物で素子を封止した BGA (Ball Grid Arr ay)、 CSP (Chip Size Package)が挙げられる。中でも、本発明の硬化性榭脂組成物 は高温における弾性率低下が少ないため、耐熱性、高温動作保証等が要求されて いる用途に好適に使用することができる。具体的には、パワーモジュールパッケージ
、車載用途パッケージ、 SiC等の高温でも動作する半導体のパッケージ等が挙げられ る。また、 CCDイメージセンサー、 MOSイメージセンサー、 CMOSイメージセンサー 、 CPD、 EPROM、 LED、 OEL等の光半導体素子を備える中空パッケージ型の装 置にも有効に使用することができる。さらに、プリント回路板においても本発明の硬化 性榭脂組成物を有効に使用することができる。
[0182] 本発明の硬化性榭脂組成物を用いて、電子部品装置を封止する方法としては、低 圧トランスファー成形法が最も一般的ではあるが、インジェクション成形法、圧縮成形 法等の方法を用いてもよい。 実施例
[0183] 以下、本発明について実施例によってより具体的に説明する力 本発明の範囲は 以下に示す実施例によって限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない範 囲にぉ 、て種々変更可能であることは言うまでもな!/、。
[0184] 〔新規榭脂の合成例〕
(合成例 1)
500mlのセパラブルフラスコに、 2, 2'—ビフエノール (東京化成工業株式会社製試 薬) 200g(l. 07mol)及びトルエン 215mlを投入し、約 100°Cに加熱して固体成分を 溶解させ溶液とした。その溶液を約 100°Cに維持しながら、その溶液にテトラエトキシ シラン (信越ィ匕学工業株式会社製 LS— 2430)112g(0. 54mol)を約 60分かけて滴下 し、約 6時間にわたって反応を進行させた。その際、副生成物となるエタノールを、溶 媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除去した。
[0185] 反応溶液を、一晩にわたり室温で放置し、析出した固形物をろ過及び乾燥することに よって、 188gの固体の生成物を得た。
[0186] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物は溶け難いが、重 アセトンに含まれる微量の水に分解しながら溶けると考えられる。そのような溶液の1 H— NMR測定の結果によれば、エタノール及びエトキシ基は観測されなかった。 IR 測定の結果を図 1及び 2に示す。図 1は原料となる 2, 2'—ビフヱノールの IR^ぺクト ル、図 2は本実施例で得られた生成物の IRスペクトルである。生成物の IR測定の結 果(図 2)によれば、 920〜970cm_1に Si— OArに特徴的なピークが出現しているこ
と、及び原料に由来するフ ノール性水酸基の O Hのピーク(図 1を参照)が消失し ていることが確認された。以上の結果から、生成物は下記一般式 (XX)の単位構造を 有し、下記一般式 (XXI)で示される構造の硬化性榭脂を含有すると推測される。
[化 43]
[0187] (合成例 2)
300mlのセパラブルフラスコに、 2, 2'—メチレンビス (4 メチルフエノール)(東京化 成工業株式会社製試薬) 100g(0. 39mol)及びトルエン 79mlを投入し、 100°Cにカロ 熱して固体成分を溶解させ溶液とした。その溶液を 100°Cに維持しながら、溶液にテ トラエトキシシラン (信越ィ匕学工業株式会社製 LS— 2430)41g(0. 20mol)を約 30分 かけて滴下した。さらに溶液に、トリフエ-ルホスフィンと 1, 4 ベンゾキノンとの付カロ 反応物を 0. 50g(0. 0014mol)カロ免、約 120〜130oCで 24時間にわたって反応を進 行させた。その際、副生成物となるエタノールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸 混合物として反応系外に除去した。反応溶液を一晩にわたって室温で放置し、トル ェンを 100mlカ卩えた後に、固形物をろ過し、トルエンで洗浄し、次いで乾燥すること によって、 49. 4gの固体の生成物を得た。
[0188] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物は溶け難いが、重 アセトンに含まれる微量の水に分解しながら溶けると考えられる。そのような溶液の1 H— NMR測定の結果によれば、エタノール及びエトキシ基は観測されなかった。 IR
測定の結果を図 3及び 4に示す。図 3は原料となる 2, 2'—メチレンビス (4ーメチルフ ェノール)の IRスペクトル、図 4は本実施例で得られた生成物の IRスペクトルである。 生成物の IR測定の結果(図 4)によれば、 920〜970cm_ 1に Si— OArに特徴的なピ ークが出現して 、ること、及び原料に由来するフエノール性水酸基の O— Hのピーク (図 3を参照)が消失していることが確認された。以上の結果から、生成物は下記一般 式 (ΧΧΠ)の単位構造を有し、下記一般式 (ΧΧΙΠ)で示される構造の硬化性榭脂を含 有すると推測される。
[化 45]
[化 46]
500mlのセパラブルフラスコに、 2, 2'—ビフエノール (東京化成工業株式会社製試 薬) 119g(0. 64mol)及びトルエン 319mlを投入し、約 100°Cに加熱して固体成分を 溶解させ溶液とした。その溶液を約 100°Cに維持しながら、溶液にテトラメトキシシラ ンの部分縮合物 (多摩化学工業株式会社製 Mシリケート 51)30gを約 30分かけて滴 下し、約 7時間にわたって反応を進行させた。その際、副生成物となるメタノールを、 溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除いた。反応溶液を、一
晩にわたり室温で放置し、析出した固形物をろ過及び乾燥することによって、 69gの 固体の生成物を得た。
得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物は溶け難いが、重 アセトンに含まれる微量の水に分解しながら溶けると考えられる。そのような溶液の1 H— NMR測定の結果によれば、メタノール及びメトキシ基は観測されなかった。生成 物の IR測定の結果を図 5に示す。図 5によれば、 920〜970cm_1に Si— OArに特 徴的なピークが出現して!/、ること、及び原料に由来するフエノール性水酸基の O— H のピーク(図 1を参照)が減少していることが確認された。以上の結果から、生成物は 下記一般式 (XX)及び Z又は下記一般式 (XXIV)で示される構造単位を有する硬化 性榭脂を含有すると推測される。
[化 47]
[化 48]
(合成例 4)
300mlのセパラブルフラスコに、精製した 2, 2'—ビフエノール 150g(0. 81mol)及 びトルエン 230mlを投入し、約 100°Cに加熱して固体成分を溶解させ溶液とした。そ の溶液を約 100°Cに維持しながら、溶液にテトラメトキシシランの部分縮合物 (多摩化
学工業株式会社製 Mシリケート 51)54gを約 30分かけて滴下した。さらに溶液に、トリ フエ-ルホスフィンと 1, 4—ベンゾキノンとの付カ卩反応物を 0. 75g(0. 0020mol)カロえ 、 110°Cで 6時間にわたって反応を進行させた。その際、副生成物となるメタノールを 、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除去した。反応溶液を 、一晩にわたり室温で放置し、析出した固形物をろ過及び乾燥することによって、 90 gの固体の生成物を得た。
[0192] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物は溶け難いが、重 アセトンに含まれる微量の水に分解しながら溶けると考えられる。そのような溶液の1 H— NMR測定の結果によれば、メタノール及びメトキシ基は観測されなかった。生成 物の IR測定の結果を図 6に示す。図 6によれば、 920〜970cm_1に Si— OArに特 徴的なピークが出現して!/、ること、及び原料に由来するフエノール性水酸基の O— H のピーク(図 1を参照)が消失していることが確認された。以上の結果から、生成物は 先に示した一般式 (XX)及び Z又は一般式 (XXIV)で示される構造単位を有する硬 化性榭脂を含有すると推測される。
[0193] (合成例 5)
300mlのセパラブルフラスコに、精製した 2, 2'—ビフエノール 150g(0. 81mol)及 びトルエン 268mlを投入し、約 100°Cに加熱して固体成分を溶解させ溶液とした。そ の溶液を約 100°Cに維持しながら、溶液にテトラメトキシシランの部分縮合物 (多摩化 学工業株式会社製 Mシリケート 51)63gを約 30分かけて滴下した。さらに溶液に、トリ フエ-ルホスフィンと 1, 4—ベンゾキノンとの付カ卩反応物を 0. 75g(0. 0020mol)カロえ 、 110°Cで 10時間にわたって反応を進行させた。その際、副生成物となるメタノール を、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除去した。反応溶液 を、一晩にわたり室温で放置し、析出した固形物をろ過及び乾燥することによって、 1 10gの固体の生成物を得た。
[0194] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物は溶け難いが、重 アセトンに含まれる微量の水に分解しながら溶けると考えられる。そのような溶液の1 H— NMR測定の結果によれば、メタノール及びメトキシ基は観測されなかった。生成 物の IR測定の結果を図 7に示す。図 7によれば、 920〜970cm_1に Si— OArに特
徴的なピークが出現して!/、ること、及び原料に由来するフエノール性水酸基の O— H のピーク(図 1を参照)が消失していることが確認された。以上の結果から、生成物は 先に示した一般式 (XX)及び Z又は一般式 (XXIV)でで示される構造単位を有する 硬化性榭脂を含有すると推測される。
[0195] (合成例 6)
300mlのセパラブルフラスコに、精製した 2, 2' ビフエノール 150g(0. 81mol)及 びトルエン 322mlを投入し、約 100°Cに加熱して固体成分を溶解させ溶液とした。そ の溶液を約 100°Cに維持しながら、溶液にテトラメトキシシランの部分縮合物 (多摩化 学工業株式会社製 Mシリケート 51)76gを約 30分かけて滴下した。さらに溶液に、トリ フエ-ルホスフィンと 1, 4 ベンゾキノンとの付カ卩反応物を 0. 75g(0. 0020mol)カロえ 、 110°Cで 10時間にわたって反応を進行させた。その際、副生成物となるメタノール を、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除去した。反応溶液 を、一晩にわたり室温で放置し、析出した固形物をろ過及び乾燥することによって、 1 18gの固体の生成物を得た。
[0196] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物は溶け難いが、重 アセトンに含まれる微量の水に分解しながら溶けると考えられる。そのような溶液の1 H— NMR測定の結果によれば、メタノール及びメトキシ基は観測されなかった。生成 物の IR測定の結果を図 8に示す。図 8によれば、 920〜970cm_1に Si— OArに特 徴的なピークが出現して!/、ること、及び原料に由来するフエノール性水酸基の O— H のピーク(図 1を参照)が消失していることが確認された。以上の結果から、生成物は 先に示した一般式 (XX)及び Z又は一般式 (XXIV)で示される構造単位を有する硬 化性榭脂を含有すると推測される。
[0197] (合成例 7)
500mlのセパラブルフラスコに、 2, 2'—メチレンビス (4 メチルフエノール)(東京化 成工業株式会社製試薬) 180g(0. 79mol)及びトルエン 194mlを投入し、約 100°C に加熱して固体成分を溶解させ溶液とした。その溶液を約 100°Cに維持しながら、溶 液にテトラメトキシシランの部分縮合物 (多摩化学工業株式会社製 Mシリケート 51)46 gを約 30分力けて滴下した。さらに溶液に、トリフエ-ルホスフィンと 1, 4 ベンゾキノ
ンとの付カロ反応物を 0. 90g(0. 0024mol)カロ免、 120〜130。Cで 20時間にわたって 反応を進行させた。その際、副生成物となるメタノールを、溶媒として用いたトルエン との共沸混合物として反応系外に除去した。反応終了後、ァスピレータを用いて約 8 0°Cで、反応溶液からトルエンを減圧除去し、次いでその残渣をテフロン (登録商標) でコーティングした金属製容器に移し、室温まで冷却することによって、生成物 168g を固体として得た。
[0198] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 9)によれば、メトキシ基及び副生成物であるメタノール由来のシグナル は観測されな力つた。生成物の IR測定の結果を図 10に示す。図 10によれば、 920 〜970cm_1に Si— OArに特徴的なピークが出現していること、及び原料に由来する フエノール性水酸基の O—Hのピーク(図 3を参照)が減少していることが確認された
[0199] 以上の結果から、生成物は下記一般式 (XXII)及び Z又は (XXV)で示される単位構 造を有する硬化性榭脂を含有すると推測される。
[化 49]
300mlのセパラブルフラスコに、 2, 2'—ビフエノール (東京化成工業株式会社製試 薬) 156g(0. 84mol)及びトルエン 159mlを投入し、約 100°Cに加熱して固体成分を 溶解させ溶液とした。その溶液を約 100°Cに維持しながら、溶液に 1, 3—ジメチルテ トラメトキシジシロキサン (ァヅマックス株式会社販売試薬) 95gを約 90分かけて滴下し 、約 110°Cで 5時間にわたって反応を進行させた。その際、副生成物となるメタノール を、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除去した。反応終了 後、ァスピレータを用いて約 80°Cで、反応溶液からトルエンを減圧除去し、次いでそ の残渣をテフロン (登録商標)でコーティングした金属製容器に移し、室温まで冷却 することによって、生成物 182gを固体として得た。
[0201] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 11)から、原料である 1, 3—ジメチルテトラメトキシジシロキサンのメトキ シ基由来のシグナルが、反応開始時を基準として 0. 9%であることを確認した。生成 物の IR測定の結果を図 12に示す。図 12によれば、 920〜970cm_1に Si— OArに 特徴的なピークが出現して 、ること、及び原料に由来するフエノール性水酸基の O— Hのピーク(図 1を参照)が消失していることが確認された。以上の結果から、生成物 は先に示した一般式 (XX)で示される構造単位を有する硬化性榭脂を含有すると推 測される。
[0202] (合成例 9)
300mlのセパラブルフラスコに、 2, 2'—ビフエノール (東京化成工業株式会社製試 薬) 155g(0. 83mol)及びトルエン 222mlを投入し、 100°Cに加熱して溶解させ溶液 とした。その溶液を 100°Cに維持しながら、溶液にフエニルトリメトキシシラン (東レ 'ダ ゥコ一-ング株式会社製 AY43— 040)110g(0. 55mol)を約 60分かけて滴下し、約 120〜130°Cで 42時間にわたって反応を進行させた。その際、副生成物となるメタノ ールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除去した。反応 終了後、ァスピレータを用いて約 80°Cで、反応溶液からトルエンを減圧除去し、次い でその残渣をテフロン (登録商標)でコーティングした金属製容器に移し、室温まで冷 却することによって、生成物 197gを固体として得た。
[0203] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 13)から、原料であるフエ-ルトリメトキシシランのメトキシ基由来のシグ ナルが、反応開始時を基準として 0. 6%であることを確認した。生成物の IR測定の 結果を図 14に示す。図 14によれば、 920〜970cm_1に Si— OArに特徴的なピーク が出現して!/、ること、及び原料に由来するフエノール性水酸基の O—Hのピーク(図 1 を参照)が減少していることが確認された。以上の結果から、生成物は先に示した一 般式 (XX)の単位構造を有する硬化性榭脂を含有して!/ヽると推測される。
[0204] (合成例 10)
500mlのセパラブルフラスコに、 2, 2'—ビフエノール (東京化成工業株式会社製試 薬) 195g(1.05mol)及びトルエン 161mlを投入し、 100°Cに加熱して溶解させ溶液と した。その溶液を 100°Cに維持しながら、溶液に 3—グリシドキシプロピルトリメトキシ シラン (東レ 'ダウコーユング株式会社製 AY43— 026)95g(0. 40mol)を約 50分力、け て滴下し、約 110〜120°Cで 4時間にわたって反応を進行させた。その際、副生成物 となるメタノールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除去 した。反応終了後、ァスピレータを用いて約 80°Cで、反応溶液からトルエンを減圧除 去し、次 、でその残渣をテフロン (登録商標)でコーティングした金属製容器に移し、 室温まで冷却することによって、生成物 195gを固体として得た。
[0205] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 15)によれば、原料である 3—グリシドキシプロピルトリメトキシシランのメ トキシ基、及び副生成物であるメタノール由来のシグナルは観測されな力つた。生成 物の IR測定の結果を図 16に示す。図 16によれば、 920〜970cm_1に Si— OArに 特徴的なピークが出現して 、ること、及び原料に由来するフエノール性水酸基の O— Hのピーク(図 1を参照)が減少していることが確認された。以上の結果から、生成物 は先に示した一般式 (XX)の単位構造を有する硬化性榭脂を含有して!/ヽると推測さ れる。
[0206] (合成例 11)
500mlのセパラブルフラスコに、 2, 2'—ビフエノール (東京化成工業株式会社製試 薬) 100g(0. 54mol)及びトルエン 215mlを投入し、 100°Cに加熱して溶解させ溶液
とした。その溶液を 100°Cに維持しながら、溶液にジフエ二ルジメトキシシラン (東レ' ダウコ一-ング株式会社製 AZ— 6183)131g(0. 54mol)を約 75分かけて滴下し、約 100〜110°Cで 12時間にわたって反応を進行させた。その際、副生成物となるメタノ ールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除去した。反応 溶液を、一晩にわたり室温で放置し、析出した固形物をろ過、乾燥することによって、 164gの固体の生成物を得た。
[0207] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 17)によれば、原料であるジフエ二ルジメトキシシランのメトキシ基、及び 副生成物であるメタノール由来のシグナルは観測されな力つた。生成物の IR測定の 結果を図 18に示す。図 18によれば、 920〜970cm_1に Si— OArに特徴的なピーク が出現して!/、ること、及び原料に由来するフエノール性水酸基の O—Hのピーク(図 1 を参照)が消失していることが確認された。以上の結果から、生成物は先に示した一 般式 (XX)の単位構造を有し、さらに下記一般式 (XXVI)で示される構造を有する硬 化性榭脂を含有して 、ると推測される。
[化 51]
[0208] (合成例 12)
300mlのセパラブルフラスコに、水酸基当量 116、軟化点 88°Cのパラクレゾールノ ポラック(明和化成株式会社製試作品 pCrノボラック、図 19の GPCチャートで示され る分子量分布でを有する) 107g及びトルエン 140mlを投入し、約 100°Cに加熱して 固形成分を溶解させ溶液とした。その溶液を約 100°Cに維持しながら、その溶液にト リフエ-ルホスフィンと 1, 4—ベンゾキノンとの付カ卩反応物を 1. 50g(0. 0040mol)カロ え、さらにテトラエトキシシラン (信越ィ匕学工業株式会社製 LS— 2430) 46. 6g(0. 22 4mol)を約 20分かけて滴下し、 130°Cで 37時間にわたって反応を進行させた。その
際、副生成物となるエタノールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反 応系外に除去した。反応終了後、ァスピレータを用いて約 80°Cで、反応溶液からト ルェンを減圧除去し、次いで残渣を 80°Cで真空乾燥することによって、固体の生成 物 109gを得た。
[0209] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 20)によれば、原料であるテトラエトキシシランのエトキシ基、及び副生 成物であるエタノール由来のシグナルは観測されな力つた。 IR測定の結果を図 21及 び図 22に示す。図 21は原料となる 2, 2'—ビフエノールの IR ^ベクトル、図 22は本実 施例で得られた生成物の IR ^ベクトルである。生成物の IR測定の結果(図 22)によ れば、 920〜970cm_ 1に Si—OArに特徴的なピークが出現していること、及び原料 に由来するフエノール性水酸基の O—Hのピークが減少していることが確認された。 以上の結果から、生成物は下記一般式 (XXVII)及び Z又は (XXVIII)の単位構造を 有する硬化性榭脂を含有して!/ヽると推測される。
[化 52]
[0210] [化 53]
[0211] (合成例 13)
300mlのセパラブルフラスコに、水酸基当量 116、軟化点 88°Cのパラクレゾールノ ポラック(明和化成株式会社製試作品 pCrノボラック、図 19の GPCチャートで示され る分子量分布を有する) lOOg及びトルエン 140mlを投入し、約 100°Cに加熱して固 形成分を溶解させ溶液とした。その溶液を約 100°Cに維持しながら、その溶液にトリ フエ-ルホスフィンと 1, 4—ベンゾキノンとの付カ卩反応物を 1. 50g(0. 0040mol)カロ え、さらにテトラエトキシシラン (信越ィ匕学工業株式会社製 LS— 2430) 37. 4g(0. 18 Omol)を約 20分かけて滴下し、 130°Cで 16時間にわたって反応を進行させた。その 際、副生成物となるエタノールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反 応系外に除去した。反応終了後、ァスピレータを用いて約 80°Cで、反応溶液からト ルェンを減圧除去し、次いで残渣を 80°Cで真空乾燥することによって、固体の生成 物 99gを得た。
[0212] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 23)によれば、原料であるテトラエトキシシランのエトキシ基、及び副生 成物であるエタノール由来のシグナルは観測されな力つた。図 24は本実施例で得ら れた生成物の IRスペクトルである。図 24によれば、 920〜970cm_1に Si— OArに 特徴的なピークが出現して 、ること、及び原料に由来するフエノール性水酸基の O— Hのピークが減少していることが確認された。以上の結果から、生成物は先に示した 一般式 (χχνπ)及び Z又は (xxvm)の単位構造を有する硬化性榭脂を含有して!/、 ると推測される。
[0213] (合成例 14)
300mlのセパラブルフラスコに、水酸基当量 116、軟化点 88°Cのパラクレゾールノ ポラック(明和化成株式会社製試作品 pCrノボラック、図 19の GPCチャートで示され る分子量分布を有する) 100g及びトルエン 192mlを投入し、約 100°Cに加熱して固 形成分を溶解させ溶液とした。その溶液を約 100°Cに維持しながら、その溶液にトリ フエ-ルホスフィンと 1, 4—ベンゾキノンとの付カ卩反応物を 1. 50g(0. 0040mol)カロ え、さらにテトラエトキシシラン (信越ィ匕学工業株式会社製 LS— 2430) 29. 9g(0. 14 4mol)を約 10分かけて滴下し、 130°Cで 14時間にわたって反応を進行させた。その 際、副生成物となるエタノールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反
応系外に除去した。反応終了後、ァスピレータを用いて約 80°Cで、反応溶液からト ルェンを減圧除去し、次いで残渣を 80°Cで真空乾燥することによって、固体の生成 物 98gを得た。
[0214] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 25)によれば、原料であるテトラエトキシシランのエトキシ基、及び副生 成物であるエタノール由来のシグナルは観測されな力つた。図 26は本実施例で得ら れた生成物の IRスペクトルである。図 26〖こよれば、 920〜970cm_1〖こ Si— OArに 特徴的なピークが出現して 、ること、及び原料に由来するフエノール性水酸基の O— Hのピークが減少していることが確認された。以上の結果から、生成物は先に示した 一般式 (χχνπ)及び Z又は (xxvm)の単位構造を有する硬化性榭脂を含有して!/、 ると推測される。
[0215] (合成例 15)
300mlのセパラブルフラスコに、精製した 2, 2'—ビフエノール 100g (0. 537mol) 及びトルエン 152mlを投入し、約 100°Cに加熱して固形成分を溶解させ溶液とした。 その溶液を約 100°Cに維持しながら、その溶液にトリフエ-ルホスフィンと 1, 4—ベン ゾキノンとの付加反応物を 0. 50g(0. 0013mol)カロえ、さらにメチルトリメトキシシラン の部分縮合物 (多摩化学工業株式会社製製品名 MTMS—A) 55. Ogを約 20分か けて滴下し、 120°Cで 12時間にわたって反応を進めた。その際、副生成物となるメタ ノールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として反応系外に除去した。反 応終了後、ァスピレータを用い約 80°Cで、反応溶液からトルエンを減圧除去し、次い で残渣をテフロン (登録商標)コーティングした金属製容器に移して、室温まで冷却す ることによって、固体の生成物 112gを得た。
[0216] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 27)によれば、原料であるメチルトリメトキシシランの部分縮合物のメトキ シ基、及び副生成物であるメタノール由来のシグナルは観測されなかった。図 28は 本実施例で得られた生成物の IR ^ベクトルである。図 28によれば、 920〜970cm_ 1 に Si— OArに特徴的なピークが出現して 、ること、及び原料に由来するフエノール 性水酸基の O—Hのピークが減少していることが確認された。以上の結果から、生成
物は先に示した一般式 (XX)及び Z又は (XXIV)の単位構造を有する硬化性榭脂を 含有していると推測される。
[0217] (合成例 16)
300mlのセパラブルフラスコに、水酸基当量 116、軟化点 88°Cのパラクレゾールノ ポラック(明和化成株式会社製試作品 pCrノボラック、図 19の GPCチャートで示され る分子量分布を有する) 50g及びトルエン 152mlを投入し、約 100°Cに加熱して固形 成分を溶解させ溶液とした。その溶液を約 100°Cに維持しながら、その溶液にトリフエ -ルホスフィンと 1, 4—ベンゾキノンとの付カ卩反応物を 0. 75g(0. 0020mol)カロえ、さ らにメチルトリメトキシシランの部分縮合物 (多摩化学工業株式会社製製品名 MTMS — A) 27. 5gを約 10分かけて滴下し、 130°Cで 22時間にわたって反応を進めた。そ の際、副生成物となるメタノールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物として 反応系外に除去した。反応終了後、ァスピレータを用い約 80°Cで、反応溶液からト ルェンを減圧除去し、次いで残渣を 80°Cで真空乾燥することによって、固体の生成 物 59gを得た。
[0218] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 29)によれば、原料であるメチルトリメトキシシランの部分縮合物のメトキ シ基、及び副生成物であるメタノール由来のシグナルは観測されなかった。図 30は 本実施例で得られた生成物の IR ^ベクトルである。図 30によれば、 920〜970cm_ 1 に Si— OArに特徴的なピークが出現して 、ること、及び原料に由来するフエノール 性水酸基の O—Hのピークが減少していることが確認された。以上の結果から、生成 物は先に示した一般式 (XXVII)及び Z又は以下に示す一般式 (XXIX)の単位構造 を有する硬化性榭脂を含有して ヽると推測される。
[化 54]
300mlのセパラブルフラスコに、水酸基当量 116、軟化点 88°Cのパラクレゾールノ ポラック(明和化成株式会社製試作品 pCrノボラック、図 19の GPCチャートで示され る分子量分布を有する) lOOg及びトルエン 167mlを投入し、約 100°Cに加熱して固 形成分を溶解させ溶液とした。その溶液を約 100°Cに維持しながら、その溶液にトリ フエ-ルホスフィンと 1, 4—ベンゾキノンとの付カ卩反応物を 1. 50g(0. 0040mol)カロ え、さらにテトラメトキシシランの部分縮合物 (多摩化学工業株式会社製製品名 Mシリ ケート 51) 39. 4gを約 20分力けて滴下し、 110°Cで 17時間にわたって反応を進め た。その際、副生成物となるメタノールを、溶媒として用いたトルエンとの共沸混合物 として反応系外に除去した。反応終了後、ァスピレータを用いて約 80°Cで、反応溶 液からトルエンを減圧除去し、次いで残渣を 80°Cで真空乾燥することによって、固体 の生成物 108gを得た。
[0220] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 31)によれば、原料であるテトラメトキシシランの部分縮合物のメトキシ 基、及び副生成物であるメタノール由来のシグナルは観測されなかった。図 32は本 実施例で得られた生成物の IR ^ベクトルである。図 32によれば、 920〜970cm_ 1に Si— OArに特徴的なピークが出現していること、及び原料に由来するフエノール性 水酸基の O—Hのピークが減少していることが確認された。以上の結果から、生成物 は先に示した一般式 (XXVII)及び Z又は (XXIX)の単位構造を有する硬化性榭脂を 含有していると推測される。
[0221] (合成例 18)
300mlのセパラブルフラスコに、水酸基当量 106、軟化点 82°Cのノボラック型フエ ノール榭脂 (日立化成工業株式会社商品名 HP— 850N) 200gを投入し、約 100°C に加熱して溶融させた。その溶融物を約 100°Cに維持しながら、トリフエ-ルホスフィ ンと 1, 4—ベンゾキノンとの付加反応物を 1. 00g(0. 0026mol)カロえ、さらにテトラエ トキシシラン (信越ィ匕学工業株式会社製 LS— 2430)98. 3g(0. 472mol)を約 20分 かけて滴下し、副生成物となるエタノールをァスピレータで減圧して反応系外に除去 しながら、 100°Cで反応を続けた。約 3時間反応を続けたところでゲルイ匕が起こり、そ
れ以上反応を続けることができなくなった。
[0222] (合成例 19)
合成例 19では、ゲルィ匕を抑えるために、テトラエトキシシランの比率を小さくする方 法によって合成を試みた。より具体的には、以下のようにして合成を行った。 300ml のセパラブルフラスコに、水酸基当量 106、軟化点 82°Cのノボラック型フエノール榭 脂(日立化成工業株式会社商品名 HP— 850N) 200gを投入し、約 100°Cに加熱し て溶融させた。その溶融物を約 100°Cに維持しながら、トリフエ-ルホスフィンと 1, 4 一べンゾキノンとの付加反応物を 1. 00g(0. 0026mol)カロえ、さらにテトラエトキシシ ラン (信越ィ匕学工業株式会社製 LS— 2430)32. 8g(0. 157mol)を約 10分かけて滴 下し、副生成物となるエタノールをァスピレータで減圧して反応系外に除去しながら、 100°Cで反応を続けた。約 10時間反応を続けたところで、ゲルイ匕が起こりそれ以上 反応を続けることができなくなった。
[0223] (合成例 20)
合成例 20では、ゲルィ匕を抑えるために、未反応 R2基比率を大きくする方法によつ て合成を試みた。より具体的には、以下のようにして合成を行った。 300mlのセパラ ブルフラスコに、水酸基当量 106、軟ィ匕点 82°Cのノボラック型フエノール榭脂(日立 化成工業株式会社商品名 HP— 850N) 200gを投入し、約 100°Cに加熱して溶融さ せた。その溶融物を約 100°Cに維持しながら、トリフエ-ルホスフィンと 1, 4—ベンゾ キノンとの付加反応物を 1. 00g(0. 0026mol)加え、さらにテトラエトキシシラン (信越 化学工業株式会社製 LS— 2430)32. 8g(0. 157mol)を約 10分かけて滴下し、副 生成物となるエタノールをァスピレータで減圧して反応系外に除去しながら、 100°C で 30分間にわたって反応を続けた。その後、反応生成物をテフロン (登録商標)コー ティングした金属製容器に移し、室温まで冷却することによって、固体の生成物 189g を得た。
[0224] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 33)によれば、テトラエトキシシランにおける R2基数を基準として未反応 の R2基数が 84%であり、硬化性榭脂中に残存する揮発成分の含有量が硬化性榭 脂の全重量を基準として 11%であることが確認された。 IR測定の結果を図 34及び 3
5に示す。図 34は原料となるノボラック型フエノール榭脂の IR ^ベクトル、図 35は本 実施例で得られた生成物の IR ^ベクトルである。生成物の IR測定の結果(図 35)に よれば、 1110〜1000cm_1に原料となるテトラエトキシシランに由来する Si— OR( 脂肪族)に特徴的なピーク、および 920〜970cm_ 1に Si— OArに特徴的なピークの 両方が確認された。以上の結果から、生成物はァリールォキシシリル基及びエトキシ シリル基を含有すると推測される。
[0225] (合成例 21)
合成例 21では、ゲルィ匕を抑えるため、未反応 R2基比率を大きくする方法によって 合成を試みた。より具体的には、以下のようにして合成を行った。 300mlのセパラブ ルフラスコに、水酸基当量 106、軟ィ匕点 82°Cのノボラック型フエノール榭脂(日立化 成工業株式会社商品名 HP— 850N) 200gを投入し、約 100°Cに加熱して溶融させ た。その溶融物を約 100°Cに維持しながら、トリフエ-ルホスフィンと 1, 4—ベンゾキノ ンとの付加反応物を 1. 00g(0. 0026mol)カロえ、さらにテトラエトキシシラン (信越ィ匕 学工業株式会社製 LS— 2430)32. 8g(0. 157mol)を約 10分かけて滴下し、副生 成物となるエタノールをァスピレータで減圧して反応系外に除去しながら、 100°Cで 5 時間にわたって反応を続けた。その後、反応生成物をテフロン (登録商標)コーティン グした金属製容器に移し、室温まで冷却することによって、固体として生成物 161gを 得た。
[0226] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 36)によれば、テトラエトキシシランにおける R2基数を基準として未反応 の R2基数が 39%であり、硬化性榭脂中に残存する揮発成分の含有量が硬化性榭 脂の全重量を基準として 5. 2%であることが確認された。生成物の IR測定の結果(図 37)によれば、 1110〜1000cm_ 1に原料となるテトラエトキシシランに由来する Si— OR (脂肪族)に特徴的なピーク、および 920〜970cm_ 1に Si— OArに特徴的なピ ークの両方が確認された。以上の結果から、生成物はァリールォキシシリル基及びェ トキシシリル基を含有すると推測される。
[0227] (合成例 22)
合成例 22では、ゲルィ匕を抑えるために、テトラエトキシシランの比率を小さくする方
法によって合成を試みた。より具体的には以下のようにして合成を行った。 500mlの セパラブルフラスコに、水酸基当量 106、軟ィ匕点 82°Cのノボラック型フエノール榭脂( 日立化成工業株式会社商品名 HP— 850N) 400gを投入し、約 100°Cに加熱して溶 融させた。その溶融物を約 100°Cに維持しながら、トリフエ-ルホスフィンと 1, 4—ベ ンゾキノンとの付加反応物を 1. OOg(0. 0026mol)カロえ、さらにテトラエトキシシラン( 信越ィ匕学工業株式会社製 LS— 2430)32. 8g(0. 157mol)を約 10分かけて滴下し 、副生成物となるエタノールをァスピレータで減圧して反応系外に除去しながら、 12 0°Cで 18時間にわたって反応を続けた。その後、反応生成物をテフロン (登録商標) コーティングした金属製容器に移し、室温まで冷却することで、固体として生成物 35 6gを得た。
[0228] 得られた生成物の1 H— NMR測定及び IR測定を行った。生成物の1 H— NMR測 定の結果(図 38)によれば、テトラエトキシシランにおける R2基数を基準として未反応 の R2基数が 8. 1%であり、硬化性榭脂中に残存する揮発成分の含有量が硬化性榭 脂の全重量を基準とし 0. 62%であることが確認された。生成物の IR測定の結果(図 39)によれば、 1110〜1000cm_ 1に原料となるテトラエトキシシランに由来する Si— OR (脂肪族)に特徴的なピーク、および 920〜970cm_ 1に Si— OArに特徴的なピ ークの両方が確認された。以上の結果から、生成物はァリールォキシシリル基及びェ トキシシリル基を含有すると推測される。
[0229] なお、合成例 1、 3、及び 8〜: L 1で用いた 2, 2'—ビフエノールは、東京化成工業株 式会社製の試薬であるが、イオンクロマトグラフによって陽イオン濃度及び陰イオン濃 度を測定した結果、ナトリウムイオンが 600ppm、カリウムイオンが 380ppm、塩ィ匕物 イオン力 10ppm、リン酸イオンが 130ppm、硝酸イオンが lOppmであった。合成例 4〜6及び 15で用いた 2, 2'—ビフエノールは、東京化成工業株式会社製の試薬を 精製して用いた。精製後の陽イオン濃度及び陰イオン濃度は、ナトリウムイオンが 60 ppm、塩化物イオンが 9. Oppmであり、それ以外の精製前に検出されたイオンは検 出されなかった。 2, 2'—ビフエノールの具体的な精製方法について以下に説明す る。
[0230] (2, 2'—ビフエノールの精製)
3000mlのセパラブルフラスコに、 2, 2'—ビフエノール (東京化成工業株式会社製 試薬) 1500g、卜ノレェン 500ml、及び蒸留水 1000mlを投人し、それらを約 90。Cにカロ 熱して固体成分を溶解させ溶液とした。その溶液を、約 90°Cに維持しながら 2. 5時 間にわたって加熱及び攪拌した後に、一晩放置し、析出した固形物をろ過、洗浄 (蒸 留水 1500ml)した。その固形物を、再び 3000mlのセパラブルフラスコに投入し、ト ルェン 500ml及び蒸留水 1000mlをカ卩え、約 90°Cに加熱して溶解させ溶液とした。 その溶液を約 90°Cに維持しながら、 2. 5時間にわたって加熱及び攪拌した後、一晩 放置し、析出した固形物をろ過、洗浄 (蒸留水 1500ml)した。得られた固形物を 70°C で真空乾燥した後に、 2000mlのセパラブルフラスコに投入し、 500mlのトルエンを 加え、加熱して溶解させ溶液とし、微量残っている水を共沸によって除去した。引き 続き、その溶液を一晩放置し、析出した固形物をろ過、乾燥することによって、精製し た 2, 2'—ビフエノールを 1340g得た。
[0231] 精製前の 2, 2'—ビフエノール (東京化成工業株式会社製試薬)を用いた合成例 1、 3、及び 8〜11では、触媒なしでも反応は進行した。一方、精製した 2, 2'—ビフエノ ールを用いた場合には、触媒なしで反応は進行しな力 た。このことから、精製前の 2, 2' -ビフエノール (東京化成工業株式会社製試薬)に含まれる陽イオン及び Z又 は陰イオンが反応触媒として作用したと推測される。
[0232] 合成例 1〜22で得られた反応生成物 (以下「硬化性榭脂」と称す)の各種測定の詳 細は以下の通りである。
[0233] (D'H-NMR
約 10mgの硬化性榭脂を約 lmlの重アセトンに溶カゝして溶液とし、溶液を φ 5mm の試料管に入れ、ブルカーバイオスピン社製 AV— 300Mを用いて測定した。シフト 値は溶媒に微量含まれる CHD C ( = 0) CD (2. 04ppm)を基準とした。
2 3
[0234] (2) IR
Bio— Rad社製 FTS 3000MXを用い、 KBr法に従って測定した。
[0235] (3)イオンクロマトグラフ
乳鉢を用いて粉砕した硬化性榭脂 5g及び蒸留水 50gをポリプロピレン製容器に入れ 、 95°Cで 20時間加熱して調製した抽出水をろ過し、以下の方法を用いて測定した。
この測定値から、先と同様にポリプロピレン製容器に蒸留水 50gを入れ、 95°Cで 20 時間加熱して調製した水の測定値を差し引き、硬化性榭脂に含まれる各種イオンの 値に変換し、イオン濃度とした。
[0236] (3— 1)陽イオン
ガードカラム (Shim-pack IC-GC3)及び分離カラム (Shim-pack IC- C3)を装着した島 津製作所製 HIC— 6Aイオンクロマトグラフを用いて、溶離液: ImMシユウ酸水溶液 Zァセトニトリル =5Zl、流速: l.lml/min、カラム温度: 30°Cの条件で測定した。
[0237] (3— 2)陰イオン
ガードカラム (IonPac AG9-HC)及び分離カラム (IonPac AS9-HC)を装着した DION EX社製 IC20イオンクロマトグラフを用いて、溶離液: 9mM炭酸ナトリウム水溶液、流 速: 1.0ml/min、カラム温度: 30°Cの条件で測定した。
[0238] (4) GPC (ゲル透過クロマトグラフィー)
約 3mgの榭脂を約 3mlの THFに溶解させ、ガードカラム(TOSOH TSK— guar dcolumn H — H)、分離カラム(TOSOH TSK -GEL G200H8)及び分離力
XL
ラム(TOSOH TSK -GEL G100H8)を装着した日立製作所製ポンプ(L— 330 0)を用いて、溶離液: THF、流速: 1. Oml/min,カラム温度: 30°Cの条件で溶離し 、 日立製作所製 RI検出器 (L— 6200)を用いて検出した。なお、「分子量」はポリスチ レン標準試料の検量線に沿って算出したものである。
[0239] 〔エポキシ榭脂組成物の作製及び特性評価〕
(実施例 1〜36、比較例 1〜12)
(A)エポキシ榭脂
エポキシ榭脂 1:エポキシ当量 196、融点 106°Cのビフエ-ル型エポキシ榭脂(ジャ パンエポキシレジン株式会社製商品名「YX— 4000HJ )
エポキシ榭脂 2:エポキシ当量 195、軟化点 77°Cの 0-クレゾ一ルノボラック型ェポキ シ榭脂 (住友化学株式会社製商品名「ESCN— 190— 6」)
エポキシ榭脂 3:エポキシ当量 195、軟化点 62°Cの 0-クレゾ一ルノボラック型ェポキ シ榭脂 (住友化学株式会社製商品名「ESCN— 190— 2」)
エポキシ榭脂 4:エポキシ当量 282、軟化点 59°Cのァラルキル型フエノール榭脂の
エポキシ化物(日本化薬株式会社製商品名「NC— 3000SJ) エポキシ榭脂 5:エポキシ当量 168、軟化点 68°Cのサリチルアルデヒド型エポキシ 榭脂(日本化薬株式会社製商品名「EPPN— 502HJ)
エポキシ榭脂 6:エポキシ当量 168、軟化点 62°Cのサリチルアルデヒド型エポキシ 榭脂 (ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名「1032H60」)、
エポキシ榭脂 7 :エポキシ当量 162、軟化点 93°Cのナフタレン型エポキシ榭脂 (大 日本インキ化学株式会社製商品名「EXA— 4700」)
(B)硬化剤
硬化剤 1:合成例 1で得た硬化性榭脂
硬化剤 2:合成例 3で得た硬化性榭脂
硬化剤 3:合成例 2で得た硬化性榭脂
硬化剤 4:合成例 4で得た硬化性榭脂
硬化剤 5:合成例 5で得た硬化性榭脂
硬化剤 6:合成例 6で得た硬化性榭脂
硬化剤 7:合成例 7で得た硬化性榭脂
硬化剤 8:合成例 8で得た硬化性榭脂
硬化剤 9:合成例 9で得た硬化性榭脂
硬化剤 10:合成例 10で得た硬化性榭脂
硬化剤 11:合成例 11で得た硬化性榭脂
硬化剤 12:合成例 12で得た硬化性榭脂
硬化剤 13:合成例 13で得た硬化性榭脂
硬化剤 14:合成例 14で得た硬化性榭脂
硬化剤 15:合成例 15で得た硬化性榭脂
硬化剤 16:合成例 16で得た硬化性榭脂
硬化剤 17 :合成例 21で得た硬化性榭脂
硬化剤 18 :合成例 22で得た硬化性榭脂
硬化剤 A:水酸基当量 176、軟ィ匕点 70°Cのフエノールァラルキル榭脂(三井化学 株式会社製商品名「ミレックス XL— 225」)
硬化剤 B:水酸基当量 93、融点 108— 110°Cの 2, 2'—ビフエノール (東京化成ェ 業株式会社製試薬)
硬化剤 C:水酸基当量 200、軟ィ匕点 67°Cのフエノールァラルキル榭脂(明和化成 株式会社製商品名「MEH— 7851」)
硬化剤 D:水酸基当量 103、軟ィ匕点 86°Cのサリチルアルデヒド型フエノール榭脂( 明和化成株式会社製商品名「MEH— 7500」)
硬化剤 E :水酸基当量 116、軟ィ匕点 88°Cのパラクレゾールノボラック(明和化成株 式会社製試作品 pCrノボラック、図 19の GPCチャートで示される分子量分布を有す る)。
硬化剤 F:水酸基当量 106、融点 82°Cのノボラック型フ ノール榭脂(日立化成ェ 業株式会社商品名「HP-850N」)
硬化剤 G:合成例 20で得た硬化性榭脂
(C)硬化促進剤
硬化促進剤 1:トリフエ-ルホスフィンと 1, 4 ベンゾキノンとの付加反応物 硬化促進剤 2:トリ n—ブチルホスフィンと 1, 4 ベンゾキノンとの付加反応物
(D)無機充填剤
平均粒径 17. 5 m、比表面積 3. 8m2Zgの球状溶融シリカ
(その他の各種添加剤)
カップリング剤:エポキシシラン( γ—グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 着色剤:カーボンブラック (三菱ィ匕学株式会社製商品名「ΜΑ— 100」 )
離型剤:カルナバワックス (株式会社セラリカ NODA製)
上述の成分をそれぞれ表 1〜4に示す重量部で配合し、混練温度 80°C、混練時間 15分の条件でロール混練を行うことによって、それぞれ実施例 1〜36、比較例 1〜1 2のエポキシ榭脂組成物を得た。
[表 1]
表 1 配合組成表
[表 2] 表 2 配合組成表
[表 3]
表 3 配合組成表
[表 4]
表 4 配合組成表
次に、実施例 1〜36、及び比較例 1〜 12によって得たそれぞれのエポキシ榭脂組 成物を、以下に示す各試験によって評価した。評価結果を表 5〜8に示す。なお、ェ ポキシ榭脂組成物の成形は、トランスファー成形機を用い、金型温度 180°C、成形圧
力 6. 9MPa、硬化時間 90秒の条件で行った。また、後硬化は 175°Cで 6時間行った
[0242] (1)熱時硬度
エポキシ榭脂組成物を上記条件で直径 50mm X厚さ 3mmの円板に成形し、成形 後直ちにショァ D型硬度計を用いて測定した。
[0243] (2)ガラス転移温度
エポキシ榭脂組成物を上記条件で長さ 80mm X幅 10mm X厚さ 3mmの大きさに 成形し、後硬化した。次いで、ダイヤモンドカッターで長さ 55mmに切断し、粘弾性測 定装置 ARES (レオメトリックサイエンティフィックエフィー株式会社製)を用い、ダイナ ミックモードで昇温速度 5°C、周波数 6. 28radZsの条件での tan δの測定からガラ ス転移温度 (°C)を求めた。
[0244] (3- 1)高温時弾性率(240°C)
上記(2)における測定から 240°Cにおける貯蔵弾性率 (108Pa)を求めた。
[0245] (3— 2)高温時弾性率(270°C)
上記(2)における測定から 270°Cにおける貯蔵弾性率 (108Pa)を求めた。
[0246] (4)成形収縮率
エポキシ榭脂組成物を上記条件で、長さ 80mm X幅 10mm X厚さ 3mmの外形を 有する 6本の試験片を成形し、後硬化した。次いで、室温でノギスを用いて長さを小 数点第 3位まで測定し、予め測定をしておいた成形時(180°C)の金型の長さから収 縮率を求めた。
[0247] (5)ボイドレス性
エポキシ榭脂組成物を上記条件でアルミ箔の上に長さ 80mm X幅 10mm X厚さ 3 mmの大きさに成形し、後硬化を行った後、アルミ接着面の膨れ及び硬化物表面の ボイドについて評価した。評価では、膨れ及びボイドの少ないものは「〇」、膨れ及び ボイドが中程度のものは「△」、膨れ及びボイドの多 、ものは「 X」とした。
[表 5]
表 5 評価結果
[表 6] 表 6 評価結果
[表 7] 表 7 評価結果
[表 8]
表 8 評価結果
本発明による硬化性榭脂を硬化剤として含有する実施例 1〜36は、いずれも熱時 硬度、ガラス転移温度、高温弾性率及びボイドレス性に優れる。これに対して、本発
明による硬化性榭脂を硬化剤として含まない比較例 1〜11では、それぞれ、ェポキ シ榭脂及び充填材量が同じ実施例と比較して、熱時硬度、ガラス転移温度及び Z又 は高温弾性率の点で劣っている。比較例 12は、揮発成分が多いため、ボイドレス性 に劣っている。実施例のガラス転移温度は tan δのピークがブロードとなった影響で 対応する比較例と比較し低くなつている場合もあるが、高温、特に 270°Cでの弾性率 については比較例よりも優れており、耐熱性に優れている。また、本発明による硬化 性榭脂は、本質的に揮発成分を含まないか又は揮発成分の含有率が極めて少ない ため、ボイドレス性にも優れている。よって、本発明の硬化性榭脂によれば、優れた 耐熱性を発現させるとともに、硬化物におけるボイド、クラックの発生を改善することが 可能であることは明らかである。