明 細 書
硬化促進剤、硬化性樹脂組成物及び電子部品装置
技術分野
[0001] 本発明は、硬化促進剤、硬化促進剤を含有する成形材料、積層板用及び接着剤 用材料として好適な硬化性榭脂組成物、ならびにそのような硬化性榭脂組成物を用 いて封止された素子を備える電子部品装置に関する。
背景技術
[0002] 従来から、成形材料、積層板用及び接着剤用材料等の分野では、エポキシ榭脂等 の硬化性榭脂が広く使用されている。これらの硬化性榭脂には、生産性向上の観点 から速硬化性が要求されるため、硬化性榭脂組成物には硬化反応を促進する化合 物、すなわち硬化促進剤が一般に用いられている。例えば、トランジスタ、 IC等の電 子部品の素子に関する封止技術の分野では、硬化性榭脂の中でも、特にエポキシ 榭脂をベースとした組成物が広く用いられている。その理由としては、エポキシ榭脂 が成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸 特性においてバランスがとれているためである。特に、オルソクレゾールノボラック型 エポキシ榭脂とフエノールノボラック硬化剤との組み合わせは、上記諸特性にぉ 、て 優れたバランスを有するため、 IC封止用成形材料のベース榭脂として主流になって いる。そして、そのようなエポキシ榭脂組成物においても、一般に、 3級ァミン、イミダ ゾール等のアミン化合物、及びホスフィン類、ホスホ-ゥム等のリン化合物といった硬 化促進剤が使用されている。
[0003] 一方、近年、電子部品の素子の封止技術では、電子部品のプリント配線板への高 密度実装化が進んでおり、それに伴って従来のピン挿入型パッケージよりも表面実 装型パッケージが主流となりつつある。しかし、ピン挿入型パッケージと比較して表面 実装型パッケージでは、はんだ付け時のパッケージクラックに対する耐性、いわゆる 耐リフロークラック性が低下する傾向にある。すなわち、 IC、 LSI等の表面実装型 IC では、実装密度を高くするために素子のノ ッケージに対する占有体積がしだいに大 きくなり、パッケージの肉厚は非常に薄くなつている。さらに、表面実装型パッケージ
は、そのはんだ付け工程において、ピン挿入型パッケージよりも、より過酷な条件下 にさらされることになる。
[0004] より具体的には、ピン挿入型パッケージでは、ピンを配線板に挿入した後に配線板 裏面からはんだ付けを行うため、ノ¾ /ケージが高温に直接さらされることがない。これ に対し、表面実装型 ICでは、配線板表面に仮止めを行った後に、はんだノ スゃリフ ロー装置等で処理を行うため、パッケージは高温のはんだ付け温度に直接さらされる ことになる。その結果、 K ¾ /ケージが吸湿した場合、はんだ付け時に吸湿水分が急 激に膨張してパッケージクラックに至ることがあり、ノ ッケージ成形における大きな問 題になっている。
[0005] このような状況下、表面実装型パッケージにおける耐リフロークラック性を改良する ために、無機充填剤の含有量を高めたエポキシ榭脂組成物が報告されている。しか し、無機充填剤の含有量の増加に伴って、榭脂組成物の流動性が低下し、成形時 に充填不良、ボイド発生等の成形上の障害、又は ICチップのボンディングワイヤの断 線による導通不良の発生といった、ノ ッケージの性能低下を招くことが多い。そのた め無機充填剤の含有量の増加には限界があり、その結果として耐リフロークラック性 の著しい改善を達成することは困難であった。特に、そのようなエポキシ榭脂組成物 に速硬化性の観点からトリフエ-ルホスフィン等のリン系硬化促進剤や 1, 8 ジァザ ビシクロ [5. 4. 0]ゥンデセン 7等のアミン系硬化促進剤を添加した場合には、榭 脂組成物の流動性が著しく低下する傾向がある。そのため、ノ ッケージの耐リフロー クラック性の改善にカ卩えて、榭脂組成物の流動性の改善が望まれて 、るのが現状で ある。
[0006] 無機充填剤を高比率で含有するエポキシ榭脂組成物の流動性を改善するために 、例えば、特開平 9— 157497号公報では、トリフエ-ルホスフィンと 1, 4 ベンゾキノ ンとの付加反応物を硬化促進剤として用いる方法が提案されている。別法として、特 開 2004— 156035号公報及び特開 2004— 156036号公報では、ホスホ-オフエノ ラートを硬化促進剤として用いる方法が提案されて ヽる。
発明の開示
[0007] しかし、近年、表面実装型パッケージの分野では、環境問題等の見地から、封止用
エポキシ榭脂組成物におけるハロゲン含有難燃剤の含有量を規制する動きがある。 そのため、それら難燃剤を使用せずにパッケージの高難燃ィ匕を実現するために、ま たパッケージの熱伝導性をさらに向上させるために、無機充填剤の含有量は益々高 くなる傾向にある。このような状況下では、封止用エポキシ榭脂組成物における流動 性低下の改善に向けて提案された上記リン系硬化促進剤を使用した場合であっても 、十分な流動性を得ることは困難となる傾向がある。そのため、流動性をはじめとして 各種特性において良好となる硬化促進剤のさらなる開発が望まれている。
[0008] したがって、本発明は、優れた流動性、耐リフロークラック性、高温放置特性を発現 させるとともに、吸湿時であっても優れた硬化性を示すことが可能な硬化促進剤、そ のような硬化促進剤を含む硬化性榭脂組成物、及びそのような硬化性榭脂組成物に よって封止された素子を備える電子部品装置を提供することを課題とする。
[0009] 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のリンィ匕 合物を硬化促進剤として使用することによって、吸湿時の硬化性、流動性及び耐リフ ロークラック性に優れる硬化性樹脂組成物が得られ、所期の目的を達成することが可 能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0010] 本発明の形態は以下に関する。
[0011] 本発明の一形態は、一般式 (I)で示される化合物を含むことを特徴とする硬化促進 剤に関する。一般式 (I)における YH力 水酸基又はフエノール性水酸基を有する 1価 の有機基であることが好まし 、。
[化 1]
(式中、 R1は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の 炭化水素基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上の R1が 互 ヽに結合して環状構造を形成してもよく、
R2は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、及び炭素数 1〜18の置換又は非置
換の有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上の R2が 互 ヽに結合して環状構造を形成してもよく、
R3は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、及び炭素数 1〜18の置換又は非置 換の有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上の R3が 互 ヽに結合して環状構造を形成してもよく、
YHは、 1以上の放出可能なプロトン (H+)を有する炭素数 0〜18の有機基であり、 1以上の R2と互いに結合して環状構造を形成してもよぐ
mは 1〜4の整数、 pは 0以上の数を示す)
本発明の別の形態は、下記一般式 (la)で示される分子内ホスホニゥム塩と、下記一 般式で示されるシラノール化合物 Ob)との反応生成物を含むことを特徴とする硬化促 進剤に関する。一般式 (la)における Y—が、水酸基又はフエノール性水酸基を有する 1 価の有機基力もプロトンが脱離した基であることが好ましい。
[化 2]
(式中、 R
1は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の 炭化水素基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上の R
1が 互 ヽに結合して環状構造を形成してもよく、
R2は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、及び炭素数 1〜18の置換又は非置 換の有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上の R2が 互 ヽに結合して環状構造を形成してもよく、
ΥΊま、 1以上の放出可能なプロトン (H+)を有する炭素数 0〜18の有機基から 1つ のプロトンが脱離した有機基であり、 1以上の R2と互いに結合して環状構造を形成し てもよい)
[0014] (式中、 R3は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、及び炭素数 1〜18の置換又 は非置換の有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上 の R3が互いに結合して環状構造を形成してもよぐ
mは、 1〜4の整数を示す)
本発明の別の形態は、(A)本発明による 1以上の硬化促進剤と、(B)硬化性榭脂と を含有することを特徴とする硬化性榭脂組成物に関する。 (B)硬化性榭脂がェポキ シ榭脂を含有することが好ましぐ(B)硬化性榭脂に含まれるエポキシ榭脂が、ビフヱ -ル型エポキシ榭脂、スチルベン型エポキシ榭脂、ジフエニルメタン型エポキシ榭脂 、硫黄原子含有型エポキシ榭脂、ノボラック型エポキシ榭脂、ジシクロペンタジェン型 エポキシ榭脂、サリチルアルデヒド型エポキシ榭脂、ナフトール類とフエノール類との 共重合型エポキシ榭脂、ァラルキル型フエノール榭脂のエポキシィ匕物、カゝらなる群よ り選ばれる 1以上のエポキシ榭脂を含有することが好ましい。また、本発明の硬化性 榭脂組成物は、さらに (C)硬化剤及び Z又は (D)無機充填剤を含有してもよい。ま た、(C)硬化剤が、ァラルキル型フエノール榭脂、ジシクロペンタジェン型フエノール 榭脂、サリチルアルデヒド型フエノール榭脂、ベンズアルデヒド型フエノール榭脂とァ ラルキル型フエノール榭脂との共重合型榭脂、ノボラック型フエノール榭脂、からなる 群より選ばれる 1以上の榭脂を含有することが好ましい。
本発明の別の形態は、本発明による硬化性榭脂組成物を用いて封止された素子を 備えることを特徴とする電子部品装置に関する。
[0015] 本発明の一形態である硬化促進剤は、優れた流動性、硬化性、耐リフロークラック 性、高温放置特性を発現させることが可能であるため、そのような硬化促進剤を用い て構成される硬化性榭脂組成物は、吸湿時の硬化性に優れるとともに、流動性等の 各種特性に優れる。また、そのような硬化性榭脂組成物を用いて IC、 LSI等の電子 部品の素子を封止することによって、後述の実施例から明ら力となるように耐リフロー クラック性及び高温放置特性が良好で、信頼性に優れる電子部品装置を提供するこ とが可能となり、その工業的価値は高い。本願では、 2005年 1月 26日出願の日本国
特許出願 2005— 018598号明細書の全体の開示を参照することによって、本明細 書の一部として組み入れる。
図面の簡単な説明
[図 1]図 1は、本発明による硬化促進剤として調製された化合物 1の1 H—NMRスぺク トルである。
[図 2]図 2は、本発明による硬化促進剤として調製されたィ匕合物 1の31 P—NMRスぺ タトルである。
[図 3]図 3は、本発明による硬化促進剤として調製されたィ匕合物 1の IR ^ベクトルであ る。
[図 4]図 4は、本発明による硬化促進剤として調製された化合物 2の1 H— NMRスぺク トルである。
[図 5]図 5は、本発明による硬化促進剤として調製されたィ匕合物 2の31 P— NMRスぺ タトルである。
[図 6]図 6は、本発明による硬化促進剤として調製されたィ匕合物 2の IR ^ベクトルであ る。
[図 7]図 7は、本発明による硬化促進剤として調製された化合物 3の1 H— NMRスぺク トルである。
[図 8]図 8は、本発明による硬化促進剤として調製されたィ匕合物 3の31 P— NMRスぺ タトルである。
[図 9]図 9は、本発明による硬化促進剤として調製されたィ匕合物 3の IR ^ベクトルであ る。
[図 10]図 10は、本発明による硬化促進剤として調製された化合物 4の1 H— NMRス ベクトルである。
[図 11]図 11は、本発明による硬化促進剤として調製されたィ匕合物 4の31 P - NMRス ベクトルである。
[図 12]図 12は、本発明による硬化促進剤として調製されたィ匕合物 4の IR ^ベクトルで ある。
[図 13]図 13は、本発明による硬化促進剤として調製された化合物 5の1 H—NMRス
ベクトルである。
[図 14]図 14は、本発明による硬化促進剤として調製された化合物 5の31 P—NMRス ベクトルである。
[図 15]図 15は、本発明による硬化促進剤として調製されたィ匕合物 5の IR ^ベクトルで ある。
[図 16]図 16は、本発明による硬化促進剤として調製された化合物 6の1 H—NMRス ベクトルである。
[図 17]図 17は、本発明による硬化促進剤として調製されたィ匕合物 6の31 P - NMRス ベクトルである。
[図 18]図 18は、本発明による硬化促進剤として調製されたィ匕合物 6の IR ^ベクトルで ある。
[図 19]図 19は、本発明による硬化促進剤として調製された化合物 7の1 H—NMRス ベクトルである。
[図 20]図 20は、本発明による硬化促進剤として調製された化合物 7の31 P—NMRス ベクトルである。
[図 21]図 21は、本発明による硬化促進剤として調製されたィ匕合物 7の IR ^ベクトルで ある。
発明を実施するための最良の形態
[0017] 以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[0018] 〔硬化促進剤〕
本発明の一形態である硬化促進剤は、硬化性榭脂の硬化を促進するのに有効に 使用することが可能であり、下記一般式 (I)で示される化合物を含むことを特徴とする
[化 4]
[0019] (式中、 R
1は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の 炭化水素基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上の R
1が 互 ヽに結合して環状構造を形成してもよく、
R2は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、及び炭素数 1〜18の置換又は非置 換の有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上の R2が 互 ヽに結合して環状構造を形成してもよく、
R3は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、及び炭素数 1〜18の置換又は非置 換の有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上の R3が 互 ヽに結合して環状構造を形成してもよく、
YHは、 1以上の放出可能なプロトン (H+)を有する炭素数 0〜18の有機基であり、 1以上の R2と互いに結合して環状構造を形成してもよぐ
mは 1〜4の整数、 pは 0以上の数を示す)
上記一般式 (I)で示される化合物は、目的の化合物が得られれば、いかなる出発原 料及び製造方法によって調製されてもよい。例えば、上記化合物は、下記一般式 (la) で示される分子内ホスホニゥム塩と、下記一般式で示されるシラノールイ匕合物 Ob)との 反応生成物として調製することが可能である。すなわち、本発明の別の形態は、下記 一般式 (la)と (lb)との反応生成物を含む硬化促進剤に関する。
[0020] (式中、 R1は、それぞれ独立して、水素原子及び炭素数 1〜18の置換又は非置換の 炭化水素基からなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上の R1が 互 ヽに結合して環状構造を形成してもよく、
R2は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、及び炭素数 1〜18の置換又は非置 換の有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上の R2が 互 ヽに結合して環状構造を形成してもよく、
ΥΊま、 1以上の放出可能なプロトン (Η+)を有する炭素数 0〜18の有機基から 1つ のプロトンが脱離した有機基であり、 1以上の R2と互いに結合して環状構造を形成し てもよい)
[化 6]
( R3-)— Si-(-OH)
4-m 、 'm (lb)
[0021] (式中、 R3は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、及び炭素数 1〜18の置換又 は非置換の有機基力もなる群より選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよぐ 2以上 の R3が互いに結合して環状構造を形成してもよぐ
mは、 1〜4の整数を示す)
なお、上記一般式 (I)及び (la)の R1として記載した用語「炭素数 1〜18の置換又は 非置換の炭化水素基」は、炭素数 1〜18を有し、置換されていても、又は非置換であ つてもよい脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含むことを意味する。
[0022] より具体的には、上記置換又は非置換の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチ ル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 n-ブチル基、 sec-ブチル基、 tert-ブ チル基、ペンチル基、へキシル基、ォクチル基、デシル基、ドデシル基、ァリル基、ビ ニル基等の脂肪族炭化水素基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール 基、水酸基、アミノ基、及びハロゲン等で置換したものが挙げられる。
[0023] また、上記置換又は非置換の脂肪族炭化水素基には、置換又は非置換の脂環式 炭化水素基も含まれる。置換又は非置換の脂環式炭化水素基としては、例えば、シ クロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基、シクロペンテ-ル基、及びシ クロへキセニル基等、並びにそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリー ルォキシ基、水酸基、アミノ基、及びハロゲン等で置換したものが挙げられる。
[0024] 上記置換又は非置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、フエニル基、トリル基 等のァリール基、ジメチルフエ-ル基、ェチルフエ-ル基、ブチルフエ-ル基、 tert— ブチルフエ-ル基等のアルキル基置換ァリール基、メトキシフエ-ル基、エトキシフエ -ル基、ブトキシフエ-ル基、 tert—ブトキシフエ-ル基等のアルコキシ基置換ァリー ル基等が挙げられ、それらはさらにアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリール
ォキシ基、アミノ基、ハロゲン等で置換したものであってもよい。
[0025] 一般式 (I)及び (la)の R1として記載した用語「2以上の R1が互いに結合して環状構 造を形成してもよい」とは、 2又は 3つの R1が結合し、全体としてそれぞれ 2又は 3価の 炭化水素基となる場合を意味する。例えば、 P原子と結合して環状構造を形成し得る エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン等のアルキレン基、ェチレ- ル、プロピレ -ル、ブチレ-ル基等のアルケ-ル基、メチレンフエ-レン基等のァラル キレン基、フエ-レン、ナフチレン、アントラセ-レン等のァリーレン基が挙げられ、そ れらはアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、アミノ基、水酸基、 ハロゲン等で置換されて 、てもよ 、。
[0026] なお、上記一般式 (I)及び (la)の R1としては、特に限定されるものではな 、が、アル キル基及びァリール基力 なる群より選ばれる 1価の置換基であることが好ましい。中 でも、原料の入手しやすさの観点から、フエ-ル基、 p-トリル基、 m-トリル基、 0-トリル 基、 P-メトキシフエ-ル基、 m-メトキシフエ-ル基、 0-メトキシフエ-ル基、 p-ヒドロキシ フエ-ル基、 m-ヒドロキシフエ-ル基、 o-ヒドロキシフエ-ル基、 2,5-ジヒドロキシフエ -ル基、 4- (4-ヒドロキシフエ-ル)フエ-ル基、 1-ナフチル基、 2-ナフチル基、 1- (2 -ヒドロキシナフチル)基、 1- (4-ヒドロキシナフチル)基等の非置換あるいはアルキル 基又は Z及びアルコキシ基又は Z及び水酸基置換のァリール基; メチル基、ェチ ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、 sec-ブチル基、 tert-ブチル基、ォクチ ル基、シクロへキシル基等の鎖状又は環状のアルキル基力 選ばれる置換基がより 好ましい。フエ-ル基、 p-トリル基、 m-トリル基、 o-トリル基、 p-メトキシフエ-ル基、 m -メトキシフエ-ル基、 0-メトキシフエ-ル基、 p-ヒドロキシフエ-ル基、 m-ヒドロキシフ ェ-ル基、 o-ヒドロキシフエ-ル基、 2,5-ジヒドロキシフエ-ル基、 4- (4-ヒドロキシフ ェ -ル)フエ-ル基、 1-ナフチル基、 2-ナフチル基、 1- (2-ヒドロキシナフチル)基、 1 - (4-ヒドロキシナフチル)基、等の非置換あるいはアルキル基又は Z及びアルコキシ 基又は Z及び水酸基置換のァリール基であることがさらに好ましい。
[0027] 上記一般式 (I)及び (la)の R2、一般式 (I)及び (lb)の R3として記載した用語「炭素数 1 〜18の置換又は非置換の有機基」は、炭素数 1〜18を有し、かつ置換されても又は 非置換であってもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、及び脂肪族炭化水
素又は芳香族炭化水素ォキシ基、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素カルボ二 ル基、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素ォキシカルボニル基、及び脂肪族炭化 水素又は芳香族炭化水素カルボニルォキシ基が結合したものを含むことを意味する
[0028] より具体的には、上記置換又は非置換の脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素 基としては、先に説明した通りである。
[0029] 上記脂肪族炭化水素ォキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ シ基、イソプロポキシ基、 n-ブトキシ基、 sec-ブトキシ基、 tert-ブトキシ基、シクロプロ ピルォキシ基、シクロへキシルォキシ基、シクロペンチルォキシ基、ァリルォキシ基、 ビニルォキシ基等の上述の脂肪族炭化水素基に酸素原子が結合した構造を有する 基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、アミノ基 、ハロゲン等で置換したものが挙げられる。上記芳香族炭化水素ォキシ基としては、 フエノキシ基、メチルフエノキシ基、ェチルフエノキシ基、メトキシフエノキシ基、ブトキ シフヱノキシ基、フヱノキシフヱノキシ基等の上述の芳香族炭化水素基に酸素原子が 結合した構造を有する基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリ ールォキシ基、アミノ基、ハロゲン等で置換したものが挙げられる。
[0030] 上記カルボ-ル基としては、ホルミル基、ァセチル基、ェチルカルボ-ル基、ブチリ ル基、シクロへキシルカルボニル基、ァリルカルボニル等の脂肪族炭化水素カルボ ニル基、フ -ルカルポ-ル基、メチルフヱ-ルカルポ-ル基等の芳香族炭化水素 カルボニル基等、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキ シ基、アミノ基、ハロゲン等で置換したものが挙げられる。
[0031] 上記ォキシカルボ-ル基としては、メトキシカルボ-ル基、エトキシカルボ-ル基、 ブトキシカルボ-ル基、ァリルォキシカルボ-ル基、シクロへキシルォキシカルボニル 基等の脂肪族炭化水素ォキシカルボ-ル基、フエノキシカルボ-ル基、メチルフエノ キシカルボニル基等の芳香族炭化水素ォキシカルボニル基、及びそれらをアルキル 基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、アミノ基、ハロゲン等が置換したも のが挙げられる。
[0032] 上記カルボニルォキシ基としては、メチルカルボニルォキシ基、ェチルカルボニル
ォキシ基、ブチルカルボ-ルォキシ基、ァリルカルボ-ルォキシ基、シクロへキシル カルボ-ルォキシ基等の脂肪族炭化水素カルボ-ルォキシ基、フエ二ルカルボ-ル ォキシ基、メチルフエニルカルボ-ルォキシ基等の芳香族炭化水素カルボ二ルォキ シ基、及びそれらをアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、ァミノ 基、ハロゲン等で置換したものが挙げられる。
[0033] 上記一般式 (I)及び (la)の R2として記載した用語「2以上の R2が互いに結合して環 状構造を形成してもよい」とは、 2〜4つの R2が結合し、全体としてそれぞれ 2〜4価の 有機基となる場合を意味する。例えば、環状構造を形成し得るエチレン、プロピレン、 ブチレン、ペンチレン、へキシレン等のアルキレン基; ェチレ-ル、プロピレ -ル、ブ チレ-ル基等のアルケ-ル基; メチレンフエ-レン基等のァラルキレン基; フエ-レ ン、ナフチレン、アントラセ-レン等のァリーレン基; これらアルキレン基、ァルケ-ル 基、ァラルキレン基、ァリーレン基のォキシ基又はジォキシ基が挙げられ、それらはァ ルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキシ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン 等で置換されていてもよい。
[0034] また、一般式 (I)及び (lb)の R3として記載した用語「2以上の R3が互いに結合して環 状構造を形成してもよい」とは、 2又は 3つの R3が結合し、全体としてそれぞれ 2又は 3 価の有機基となる場合を意味する。例えば、 Si原子と結合して環状構造を形成し得 るエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン等のァノレキレン基; ェチ レニル、プロピレニル、ブチレ-ル基等のアルケ-ル基; メチレンフエ-レン基等の ァラルキレン基; フエ-レン、ナフチレン、アントラセ-レン等のァリーレン基; これら アルキレン基、ァルケ-ル基、ァラルキレン基、ァリーレン基のォキシ基又はジォキシ 基が挙げられ、それらはさらにアルキル基、アルコキシ基、ァリール基、ァリールォキ シ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン等で置換されていてもよい。
[0035] 上記一般式 (I)及び (la)の R2としては、特に限定されるものではないが、水素原子、 水酸基、アルキル基、ァリール基、アルコキシ基、ァリールォキシ基が好ましい。中で も原料の入手しやすさの観点力 は、水素原子; 水酸基; メトキシ基、エトキシ基、 プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、 sec-ブトキシ基、 tert-ブトキシ基等のァ ルコキシ基; フエノキシ基、 P-トリルォキシ基、 m-トリルォキシ基、 0-トリルォキシ基
等のァリールォキシ基; フエ-ル基、 p-トリル基、 m-トリル基、 o-トリル基、 p-メトキシ フエ-ル基等の非置換あるいはアルキル基又は Z及びアルコキシ基又は Z及び水 酸基置換のァリール基; メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル 基、 sec-ブチル基、 tert-ブチル基、ォクチル基、シクロへキシル基等の鎖状又は環 状のアルキル基力 選ばれる置換基がより好ましい。水素原子; 水酸基; フエニル 基、 P-トリル基、 m-トリル基、 0-トリル基、 P-メトキシフエ-ル基等の非置換あるいはァ ルキル基又は Z及びアルコキシ基又は Z及び水酸基置換のァリール基; メチル基 、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、 sec-ブチル基、 tert-ブチル基、 ォクチル基、シクロへキシル基等の鎖状又は環状のアルキル基力 選ばれる置換基 力 Sさらに好ましい。 2以上の R2が互いに結合して環状構造を形成する場合は、特に 限定されないが、 R2が結合しているベンゼン環と併せて、 1— (— 2—ヒドロキシナフ チル)基、 1 (一 4ーヒドロキシナフチル)基等の多環芳香族基を形成する有機基が 好ましい。
[0036] 上記一般式 (I)及び (lb)の R3としては、特に限定されるものではないが、水素原子、 アルキル基、ァリール基、アルコキシ基、ァリールォキシ基が好ましい。中でも原料の 入手しやすさの観点からは、水素原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプ 口ポキシ基、ブトキシ基、 sec-ブトキシ基、 tert-ブトキシ基等のアルコキシ基; フエノ キシ基、 P-トリルォキシ基、 m-トリルォキシ基、 0-トリルォキシ基等のァリールォキシ 基; フエ-ル基、 p-トリル基、 m-トリル基、 o-トリル基、 p-メトキシフエ-ル基等の非 置換ある 、はアルキル基又は Z及びアルコキシ基又は Z及び水酸基置換のァリー ル基; メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、 sec-ブチル基、 tert-ブチル基、ォクチル基、シクロへキシル基等の鎖状又は環状のアルキル基から 選ばれる置換基がより好ましい。水素原子; フエ-ル基、 P-トリル基、 m-トリル基、 0- トリル基、 P-メトキシフエ-ル基等の非置換あるいはアルキル基又は Z及びアルコキ シ基又は Z及び水酸基置換のァリール基; メチル基、ェチル基、プロピル基、イソ プロピル基、ブチル基、 sec-ブチル基、 tert-ブチル基、ォクチル基、シクロへキシル 基等の鎖状又は環状のアルキル基力 選ばれる置換基がさらに好ましい。
[0037] 上記一般式 (I)及び (lb)において、 mは 1〜4の整数を示す力 原料の入手しやすさ
の観点からは、 1又は 2が好ましい。一般式 (I)において pは 0以上の数を示す力 pは 出発原料及び製造方法によって任意に決まる数であり、本発明による作用効果の観 点からは特に限定されるものではない。
[0038] 上記一般式 (I)における YHは、 1以上の放出可能なプロトン (H+)を有する炭素数 0 〜18の有機基であり、 1以上の R2と互いに結合して環状構造を形成してもよい。 YH は、例えば、水酸基、メルカプト基、ハイド口セレノ基等の 16族原子に水素原子が結 合した基; 力ノレボキシノレ基、カノレボキシメチノレ基、カノレボキシェチノレ基、力ノレボキシ フエニル基カルボキシナフチル基等のカルボキシル基を有する炭素数 1〜 18の基; ヒドロキシフエ-ル基、ヒドロキシフエ-ルメチル基、ヒドロキシナフチル基、ヒドロキシ フリル基、ヒドロキシチェニル基、ヒドロキシピリジル基等のフエノール性水酸基を有す る炭素数 1〜18の 1価の有機基が挙げられる。
[0039] また、式 (I)中の YHが 1以上の R2と結合して環状構造を形成する場合、例えば YH は、それが結合しているベンゼン環と併せて、 2— (— 6—ヒドロキシナフチル)基等の ヒドロキシ置換多環芳香族基を形成する 2価の有機基が挙げられる。
[0040] 先に例示した YHの中でも、特に限定されるものではないが、酸素原子と水素原子 とが結合した水酸基、又はヒドロキシフエ-ル基、ヒドロキシフエ-ルメチル基、ヒドロキ シナフチル基、ヒドロキシフリル基、ヒドロキシチェ-ル基、ヒドロキシピリジル基等のフ ェノール性水酸基を有する 1価の有機基であることが好ま 、。
[0041] 式 (I)で示される化合物の好ま 、一形態としては、特に限定されるものではな 、が 、原料の入手しやすさの観点力 R1の少なくとも 1つが置換又は非置換の芳香族炭 化水素基であり、より好ましくは R1の全てが置換又は非置換の芳香族炭化水素基で あり、さらに好ましくは R1の全てがフエニル基であり、 R2の少なくとも 1つ、より好ましく は全てが水素原子であり、 R3の少なくとも 1つが置換又は非置換の芳香族炭化水素 基であり、 YHが水酸基又はフエノール性水酸基を有する 1価の有機基である場合が 挙げられる。
[0042] 上記一般式 (la)における ΥΊま、 1以上の放出可能なプロトン (H+)を有する炭素数 0〜 18の有機基から 1つのプロトンが脱離した有機基であり、 1以上の R2と互 、に結 合して環状構造を形成してもよい。例えば、 ΥΊま水酸基、メルカプト基、ノ、イドロセレ
ノ基等の 16族原子に水素原子が結合した 1価の有機基力 プロトンが脱離した基; カルボキシル基、カルボキシメチル基、カルボキシェチル基、カルボキシフエ-ル基 カルボキシナフチル基等のカルボキシル基を有する炭素数 1〜 18の 1価の有機基か らカルボン酸のプロトンが脱離した基; ヒドロキシフエ-ル基、ヒドロキシフエ-ルメチ ル基、ヒドロキシナフチル基、ヒドロキシフリル基、ヒドロキシチェ-ル基、ヒドロキシピリ ジル基等のフエノール性水酸基を有する炭素数 1〜18の 1価の有機基力もフエノー ル性プロトンが脱離した基が挙げられる。
[0043] また、式 (la)中の Y—が 1以上の R2と結合して環状構造を形成する場合、例えば、 Y —は、それが結合しているベンゼン環と併せて、 2— (— 6—ヒドロキシナフチル)基等 のヒドロキシ多環芳香族基の水酸基からプロトンが脱離した基を形成する 2価の有機 基が挙げられる。
[0044] 先に例示した Y—の中でも、特に限定されるものではないが、水酸基力 プロトンが 脱離してなる酸素ァ-オン、又はヒドロキシフエ-ル基、ヒドロキシフエ-ルメチル基、 ヒドロキシナフチル基、ヒドロキシフリル基、ヒドロキシチェ-ル基、ヒドロキシピリジル 基等のフエノール性水酸基力 プロトンが脱離してなる酸素ァ-オンを有する基であ ることが好ましい。
[0045] 本発明による硬化促進剤を構成する上記一般式 (I)で示される化合物の製造方法 は、 目的の化合物が製造できる方法であれば特に限定されるものではない。例えば 、上記一般式 (la)で示される分子内ホスホニゥム塩と、上記一般式 (lb)で示されるシラ ノールイ匕合物とを溶媒中で反応させることによって調製することが可能である。使用 可能な溶媒は、反応が進行するものであれば特に限定されな 、。
[0046] 〔硬化性榭脂組成物〕
本発明の別の形態である硬化性榭脂組成物は、(A)硬化促進剤と、(B)硬化性榭 脂とを含有するものであって、(A)硬化促進剤が、先に説明した本発明による硬化促 進剤を 1以上含むことを特徴する。本発明による硬化性榭脂組成物は、上記成分 (A )及び (B)に、さらに (C)硬化剤及び (D)無機充填剤を含有するものであってもよい。 また、必要に応じて、カップリング剤、イオン交換体、離型剤、応力緩和剤、難燃剤、 着色剤といった各種添加剤を追加したものであってもよい。以下、本発明による硬化
性榭脂組成物を構成する主な成分にっ ヽて説明する。
[0047] (A)硬化促進剤
本発明による硬化性榭脂組成物では、硬化促進剤として、 1種以上の本発明による 硬化促進剤を使用することを必須とするが、それらに加えて周知の硬化促進剤を 1種 以上併用してもよい。組成物における (A)硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が 達成できれば特に制限はない。しかし、榭脂組成物の吸湿時の硬化性及び流動性 における改善の観点からは、(B)硬化性榭脂の合計 100重量部に対し、(A)硬化促 進剤を合計で好ましくは 0. 1〜: LO重量部、より好ましくは 1〜7. 0重量部配合するこ とが望ましい。配合量が 0. 1重量部未満では短時間で硬化させることが困難であり、 10重量部を超えると硬化速度が速すぎて良好な成形品が得られない場合がある。
[0048] 本発明による硬化促進剤と併用可能な周知の硬化促進剤としては、例えば、 1, 5 ジァザビシクロ [4. 3. 0]ノネンー 5、 1, 8 ジァザビシクロ [5. 4. 0]ゥンデセン 7等のジァザビシクロアルケン等のシクロアミジンィ匕合物、及びその誘導体; それら のフエノールノボラック塩及びそれらの化合物に無水マレイン酸、 1, 4一べンゾキノン 、 2, 5 トルキノン、 1, 4 ナフトキノン、 2, 3 ジメチルベンゾキノン、 2, 6 ジメチ ルベンゾキノン、 2, 3 ジメトキシ一 5—メチル 1, 4 ベンゾキノン、 2, 3 ジメトキ シ一 1, 4 ベンゾキノン、フエ-ルー 1, 4 ベンゾキノン等のキノン化合物、ジァゾフ ェニルメタン等の π結合をもつ化合物とを付加してなる分子内分極を有する化合物; トリエチレンジァミン、ベンジルジメチルァミン、トリエタノールァミン、ジメチルァミノ エタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フエノール等の三級アミン類及びこれらの誘 導体; 2—メチルイミダゾール、 2 フエ-ルイミダゾール、 2—フエ-ルー 4—メチル イミダゾール、 2—へプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類; テトラフエ-ルホス ホ-ゥム.テトラフエ-ルポレート等のテトラ置換ホスホ-ゥム.テトラ置換ボレート; 2 ェチル 4 メチルイミダゾール ·テトラフエ-ルポレート、 Ν メチルモルホリン ·テ トラフエ-ルポレート等のテトラフエ-ルボロン塩; トリフエ-ルホスフィン、ジフエ-ル (ρ トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフエ-ル)ホスフィン、トリス(アルコキシフエ- ル)ホスフィン、トリス(アルキル'アルコキシフエ-ル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフ ェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフエ-ル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフエ
-ル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフエ-ル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフエ- ル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフエ-ル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジ アルキルァリールホスフィン、アルキルジァリールホスフィン等の有機ホスフィン類; それら有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体; それら有機ホスフィン類と無水マ レイン酸、 1, 4—ベンゾキノン、 2, 5—トルキノン、 1, 4—ナフトキノン、 2, 3—ジメチ ルベンゾキノン、 2, 6—ジメチルベンゾキノン、 2, 3—ジメトキシー 5—メチルー 1, 4 —ベンゾキノン、 2, 3—ジメトキシ一 1, 4—ベンゾキノン、フエ二ノレ一 1, 4—ベンゾキ ノン等のキノンィ匕合物、ジァゾフエニルメタン等の π結合をもつ化合物とを付加してな る分子内分極を有する化合物; これら有機ホスフィン類と 4-ブロモフエノール、 3-ブ ロモフエノーノレ、 2—ブロモフエノーノレ、 4—クロ口フエノーノレ、 3—クロ口フエノーノレ、 2—ク ロロフエノール、 4-ヨウ化フエノール、 3-ヨウ化フエノール、 2-ヨウ化フエノール、 4-ブ ロモ- 2-メチルフエノール、 4-ブロモ -3-メチルフエノール、 4-ブロモ -2, 6-ジメチル フエノール、 4-ブロモ -3, 5-ジメチルフエノール、 4-ブロモ -2, 6-ジ- tert-ブチルフエ ノーノレ、 4—クロ口— 1—ナフトーノレ、 1—ブロモ—2—ナフトーノレ、 6—ブロモ—2—ナフトーノレ、 4-ブロモ -4 ヒドロキシビフエ-ル等のハロゲン化フエノール化合物とを反応させた 後に、脱ハロゲン化水素の工程を経て得られる分子内分極を有する化合物 (特開 20 04— 156036号公報に記載)が挙げられる。これら硬化促進剤を併用する場合、中 でも、流動性の観点からは有機ホスフィン類と π結合をもつ化合物とを付加してなる 分子内分極を有する化合物; 有機ホスフィン類とハロゲンィ匕フエノールイ匕合物とを 反応させた後に、脱ハロゲン化水素して得られる分子内分極を有する化合物、硬化 性の観点からは有機ホスフィン類とハロゲンィ匕フエノールイ匕合物を反応させた後に、 脱ハロゲンィ匕水素して得られる分子内分極を有する化合物が好ましい。
[0049] 上述の周知の硬化促進剤を併用して (Α)硬化促進剤を構成する場合、 (Α)硬化 促進剤全量に対する本発明による 1種以上の硬化促進剤の含有量は、合計で好まし くは 30重量%以上、より好ましくは 50重量%以上とすることが望ましい。本発明によ る硬化促進剤の含有量が 30重量%未満となると、吸湿時の硬化性及び Ζ又は流動 性が低下し、本発明によって達成可能な効果が低下する傾向がある。
[0050] (Β)硬化性榭脂
本発明にお 、て使用可能な (B)硬化性榭脂としては、本発明による (A)硬化促進 剤によって硬化が促進される榭脂であれば、特に制限はない。例えば、エポキシ榭 脂、フエノール榭脂、ケィ素系榭脂、アミノ榭脂、不飽和ポリエステル榭脂、ジァリルフ タレート榭脂、アルキド榭脂が挙げられ、これら榭脂のうち 1種を単独で用いても、 2種 以上を組み合わせて用いても力まわな 、。中でも、本発明による (A)硬化促進剤に よる硬化促進効果が十分に発揮されるという観点からは、(B)硬化性榭脂としてェポ キシ榭脂を含有することが好まし 、。
(B)硬化性榭脂の成分としてエポキシ榭脂を使用する場合、 1分子中に 2個以上の エポキシ基を有するエポキシ榭脂を用いることができる。そのようなエポキシ榭脂とし ては、特に限定されるものではないが、例えば、フエノールノボラック型エポキシ榭脂 、オルソクレゾールノボラック型エポキシ榭脂をはじめとするフエノール、クレゾール、 キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフエノール A、ビスフエノール F等のフエノ ール類及び Z又は α ナフトール、 β ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフ トール類とホルムアルデヒド、ァセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒ ド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は 共縮合させて得られるノボラック榭脂をエポキシィ匕したノボラック型エポキシ榭脂; ビスフエノール Α、ビスフエノール F、ビスフエノール S、アルキル置換又は非置換のビ フエノール、スチルベン系フエノール類等のジグリシジルエーテル(ビスフエノール型 エポキシ榭脂、ビフエ-ル型エポキシ榭脂、スチルベン型エポキシ榭脂)、 ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類 のグリシジノレエーテノレ;
フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸類のグリシジルエステル 型エポキシ榭脂;
ァ-リン、イソシァヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換し たもの等のグリシジノレ型又はメチルダリシジノレ型のエポキシ榭月旨;
分子内のォレフィン結合をエポキシ化して得られるビュルシクロへキセンジエポキシド 、 3, 4 エポキシシクロへキシルメチルー 3, 4—エポキシシクロへキサンカルボキシ レート、 2— (3, 4 エポキシ)シクロへキシル 5, 5—スピロ(3, 4 エポキシ)シクロ
へキサン m—ジォキサン等の脂環型エポキシ榭脂;
パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フエノール榭脂のグリシジルエーテル; テルペン変性フエノール榭脂のグリシジルエーテル;
ジシクロペンタジェン変性フエノール榭脂のグリシジルエーテル;
シクロペンタジェン変性フエノール榭脂のグリシジルエーテル;
多環芳香環変性フエノール榭脂のグリシジルエーテル;
ナフタレン環含有フエノール榭脂のグリシジルエーテル;
ハロゲン化フエノールノボラック型エポキシ榭脂;
ハイドロキノン型エポキシ榭脂;
トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂; ォレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ榭脂; ジフエ-ルメタン型エポキシ榭脂;
フエノールァラルキル榭脂、ナフトールァラルキル榭脂等のァラルキル型フエノール 榭脂のエポキシ化物;
硫黄原子含有エポキシ榭脂
が挙げられ、これらを単独で用いても 2種以上を組み合わせて用いてもょ 、。
[0052] 上記エポキシ榭脂の中でも、耐リフロークラック性及び流動性の点でビフエニル型 エポキシ榭脂、スチルベン型エポキシ榭脂、ジフエ-ルメタン型エポキシ榭脂、硫黄 原子含有型エポキシ榭脂、ノボラック型エポキシ榭脂、ジシクロペンタジェン型ェポキ シ榭脂、サリチルアルデヒド型エポキシ榭脂、ナフトール類とフエノール類との共重合 型エポキシ榭脂、フエノールァラルキル榭脂、ナフトールァラルキル榭脂等のァラル キル型フエノール榭脂のエポキシィ匕物が好ましぐそれらの!/、ずれか 1種を単独で用 いても 2種以上を組み合わせて用いてもよい。但し、それらの性能を発揮するために は、エポキシ榭脂全量に対して、それらを合計で 30重量%以上使用することが好ま しぐ 50重量%以上使用することがより好ましい。以下、好ましいエポキシ榭脂の具 体例を示す。
[0053] ビフエ-ル型エポキシ榭脂としては、ビフエ-ル骨格を有するエポキシ榭脂であれ ば特に限定されるものではな 、が、下記一般式 (II)で示されるエポキシ榭脂が好まし
、。下記一般式 (II)で示されるエポキシ榭脂の中でも R8のうち酸素原子が置換して いる位置を 4及び 4'位とした時の 3, 3', 5, 5 立カ チル基でそれ以外が水素原子 である YX-4000H (ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)、全ての R8が水素原 子である 4, 4'—ビス(2, 3—エポキシプロポキシ)ビフエ-ル、全ての R8が水素原子 の場合及び R8のうち酸素原子が置換している位置を 4及び 4 立とした時の 3, 3', 5 , 5 立カ チル基でそれ以外が水素原子である場合の混合品である YL-6121H (ジ ャパンエポキシレジン株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
[0054] (式(II)中、 R8は水素原子又は炭素数 1〜12のアルキル基又は炭素数 4〜18のァリ 一ル基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよぐ nは平均値であり、 0〜 10の正数を示す)
[0055] スチルベン型エポキシ榭脂としては、スチルベン骨格を有するエポキシ榭脂であれ ば特に限定されるものではな 、が、下記一般式 (III)で示されるエポキシ榭脂が好ま しい。
[0056] 下記一般式 (III)で示されるエポキシ榭脂の中でも、 R9のうち酸素原子が置換してい る位置を 4及び 4 立とした時の 3, 3', 5, 5 立力メチル基でそれ以外が水素原子で あり R1Gの全てが水素原子の場合と、 3, 3', 5, 5 立のうちの 3つがメチル基、 1つが t ert—ブチル基でそれ以外が水素原子であり R1Gの全てが水素原子の場合との混合 品である ESLV-210(住友ィ匕学株式会社製商品名)等が市販品として入手可能であ る。
[化 8]
(HI)
[0057] (式 (III)中、 R
9及び R
1Gは水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それ ぞれ全てが同一でも異なっていてもよぐ nは平均値であり、 0〜 10の正数を示す)
[0058] ジフエ-ルメタン型エポキシ榭脂としては、ジフエ-ルメタン骨格を有するエポキシ 榭脂であれば特に限定されるものではな 、が、下記一般式 (IV)で示されるエポキシ 榭脂が好ましい。下記一般式 (IV)で示されるエポキシ榭脂の中でも、 R11の全てが水 素原子であり R12のうち酸素原子が置換している位置を 4及び 4'位とした時の 3, 3', 5, 5 立力メチル基でそれ以外が水素原子である YSLV— 80XY (新日鐡ィ匕学株式 会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
[0059] (式 (IV)中、 R11及び R"は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それ ぞれ全てが同一でも異なっていてもよぐ nは平均値であり、 0〜 10の正数を示す)
[0060] 硫黄原子含有型エポキシ榭脂としては、硫黄原子を含有するエポキシ榭脂であれ ば特に限定されるものではな 、が、例えば下記一般式 (V)で示されるエポキシ榭脂 が挙げられる。下記一般式 (V)で示されるエポキシ榭脂の中でも、 R13のうち酸素原 子が置換している位置を 4及び 4 立とした時の 3, 3 立が tert—ブチル基で 6, 6 立 力 Sメチル基でそれ以外が水素原子である YSLV— 120TE (新日鐡化学株式会社製 商品名)等が市販品として入手可能である。
[0061] (式 (V)中、 R"は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それぞれ全て が同一でも異なっていてもよぐ nは平均値であり、 0〜 10の正数を示す)
[0062] ノボラック型エポキシ榭脂としては、ノボラック型フエノール榭脂をエポキシ化したェ
ポキシ榭脂であれば、特に限定されるものではないが、フエノールノボラック、クレゾ 一ルノボラック、ナフトールノボラック等のノボラック型フエノール榭脂をグリシジルェ ーテルイ匕等の手法を用いてエポキシィ匕したエポキシ榭脂が好ましぐ例えば下記一 般式 (VI)で示されるエポキシ榭脂がより好ま ヽ。下記一般式 (VI)で示されるェポキ シ榭脂の中でも、 R14の全てが水素原子であり R15がメチル基で i= 1である ESCN— 190、 ESCN— 195(住友ィ匕学株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である
[化 11]
[0063] (式 (VI)中、 R14及び R15は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それ ぞれ全てが同一でも異なっていてもよぐ iは 0〜3の整数、 nは平均値であり、 0〜10 の正数を示す)
[0064] ジシクロペンタジェン型エポキシ榭脂としては、ジシクロペンタジェン骨格を有する 化合物を原料としてエポキシィ匕したエポキシ榭脂であれば特に限定されるものでは ないが、下記一般式 (VII)で示されるエポキシ榭脂が好ましい。下記一般式 (VII)で 示されるエポキシ榭脂の中でも、 i = 0である HP— 7200(大日本インキ化学株式会社 製商品名)等が市販品として入手可能である。
[化 12]
(式 (VII)中、 Rlbは水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それぞれ全 てが同一でも異なっていてもよぐ iは 0〜3の整数、 nは平均値であり、 0〜10の正数 を示す)
[0066] サリチルアルデヒド型エポキシ榭脂としては、サリチルアルデヒド骨格を持つ化合物 を原料とするエポキシ榭脂であれば特に制限はな ヽが、サリチルアルデヒド骨格を持 つ化合物とフエノール性水酸基を有する化合物とのノボラック型フエノール榭脂等の サリチルアルデヒド型フエノール榭脂をグリシジルエーテルィ匕したエポキシ榭脂等の サリチルアルデヒド型エポキシ榭脂が好ましぐ下記一般式 (VIII)で示されるエポキシ 榭脂がより好ましい。下記一般式 (VIII)で示されるエポキシ榭脂の中でも、 i=0、 k = 0である 1032H60(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)、 EPPN- 502H ( 日本化薬株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
[化 13]
[0067] (式 (VIII)中、 R1'及び R18は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、そ れぞれ全てが同一でも異なっていてもよぐ iは 0〜3の整数、 kは 0〜4の整数、 nは平 均値であり、 0〜 10の正数を示す)
[0068] ナフトール類とフエノール類との共重合型エポキシ榭脂としては、ナフトール骨格を 有する化合物及びフエノール骨格を有する化合物を原料とするエポキシ榭脂であれ ば、特に限定されるものではないが、ナフトール骨格を有する化合物及びフエノール 骨格を有する化合物を用いたノボラック型フエノール榭脂をグリシジルエーテルィ匕し たものが好ましぐ下記一般式 (IX)で示されるエポキシ榭脂がより好ましい。下記一 般式(IX)で示されるエポキシ榭脂の中でも、 R21がメチル基で i= lであり、 j = 0、 k= 0である NC— 7300(日本ィ匕薬株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である
[0069] (式 (IX)中、 Riy〜R は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それぞ れ全てが同一でも異なっていてもよぐ iは 0〜3の整数、 jは 0〜2の整数、 kは 0〜4の 整数を示し、 pは平均値で 0〜1の正数を示し、 1、 mはそれぞれ平均値で 0〜: L 1の正 数であり(1+m)は 1〜: L 1の正数を示す)
上記一般式 (IX)で示されるエポキシ榭脂としては、 1個の構成単位及び m個の構成 単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む 共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体が挙げられ、これらのいずれか 1種を 単独で用いても、 2種以上を組み合わせて用いてもょ ヽ。
[0070] フエノールァラルキル榭脂、ナフトールァラルキル榭脂等のァラルキル型フエノール 榭脂のエポキシ化物としては、フエノール、タレゾール等のフエノール類及び Z又は ナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス(メト キシメチル)ビフヱニルゃこれらの誘導体カゝら合成されるフ ノール榭脂を原料とする エポキシ榭脂であれば、特に限定されるものではない。例えば、フエノール、クレゾ一 ル等のフエノール類及び z又はナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール類と ジメトキシパラキシレンやビス (メトキシメチル)ビフエ-ルゃこれらの誘導体カゝら合成さ れるフエノール榭脂をグリシジルエーテルィ匕したものが好ましぐ下記一般式 (X)及び
(XI)で示されるエポキシ榭脂がより好ま 、。下記一般式 (X)で示されるエポキシ榭 脂の中でも、 i=0、 R4が水素原子である NC— 3000S (日本ィ匕薬株式会社製商品 名)、 i=0、 R4が水素原子であるエポキシ榭脂と一般式 (II)の全ての R8が水素原子 であるエポキシ榭脂を重量比 80: 20で混合した CER- 3000(日本化薬株式会社製 商品名)等が市販品として入手可能である。また、下記一般式 (XI)で示されるェポキ シ榭脂の中でも、 i=0、 j = 0、 k=0である ESN— 175(新日鐡ィ匕学株式会社商品名) 等が市販品として入手可能である。
[0071] (式 (X)及び (XI)において、 R 〜R41は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基 を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよぐ iは 0〜3の整数、 jは 0〜2の整 数、 kは 0〜4の整数を示す)
[0072] 上記一般式 (II)〜 (XI)中の R8〜R21及び R37〜R41について、「それぞれ全てが同 一でも異なっていてもよい」とは、例えば、式(II)中の 8〜88個の R8の全てが同一で も異なっていてもよいことを意味している。他の R9〜R21及び R37〜R41についても、式 中に含まれるそれぞれの個数にっ ヽて全てが同一でも異なって!/ヽてもよ ヽことを意
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味している。また、 R°〜R21及び R 〜 1はそれぞれが同一でも異なっていてもよい
。例えば、 Raと R1Gの全てについて同一でも異なっていてもよい。
[0073] 上記一般式 (II)〜(XI)中の nは、 0〜10の範囲である必要があり、 10を超えた場合 は (B)成分の溶融粘度が高くなるため、硬化性榭脂組成物の溶融成形時の粘度も 高くなり、未充填不良やボンディングワイヤ (素子とリードを接続する金線)の変形を Iき起こしやすくなる。 1分子中の平均 nは 0〜4の範囲に設定されることが好ま U、。
[0074] 以上、本発明による硬化性榭脂組成物に使用可能な好ましいエポキシ榭脂の具体 例を上記一般式 (II)〜 (XI)に沿って説明したが、より具体的な好ましいエポキシ榭脂 として、耐リフロークラック性の観点からは、 4, 4'—ビス(2, 3—エポキシプロポキシ) - 3, 3', 5, 5'—テトラメチルビフエ-ルが挙げられ、成形性及び耐熱性の観点から は、 4, 4'—ビス(2, 3—エポキシプロポキシ)一ビフエ-ルが挙げられる。
[0075] (C)硬化剤
本発明による硬化性榭脂組成物には、必要に応じて (C)硬化剤を用いることができ
る。(B)硬化性榭脂としてエポキシ榭脂を用いる場合、使用可能な硬化剤は、ェポキ シ榭脂を硬化させることができる化合物であれば、特に限定されるものではない。例 えば、フエノール榭脂等のフエノール化合物、ジァミン、ポリアミン等のアミンィ匕合物、 無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の無水有機酸、ジカルボン酸、 ポリカルボン酸等のカルボン酸ィ匕合物等が挙げられ、これら化合物の 1種を単独で 用いても、 2種以上を組み合わせて用いてもカゝまわない。中でも、(A)硬化促進剤の 効果が十分に発揮されるという観点力もは、フエノール榭脂が好ましい。
(C)硬化剤として使用可能なフ ノール榭脂としては特に制限はな 、。例えば、硬 ィ匕剤として一般に使用される 1分子中に 2個以上のフエノール性水酸基を有するフエ ノール榭脂であってよぐレゾルシン、カテコール、ビスフエノール A、ビスフエノール F 、置換又は非置換のビフエノール等の 1分子中に 2個のフエノール性水酸基を有する ィ匕合物;フエノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフエノー ル八、ビスフエノール F、フエ-ルフエノール、ァミノフエノール等のフエノール類及び Z又は α ナフトール、 β ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類と ホルムアルデヒド、ァセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチ ルアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボ ラック型フエノール榭脂;
フエノール類及び Ζ又はナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス (メトキシメチル) ビフエ-ルカも合成されるフエノールァラルキル榭脂、ナフトールァラルキル榭脂等の ァラルキル型フエノール榭脂;
ノ ラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フエノール榭脂;
メラミン変性フエノール榭脂;
テルペン変性フエノール榭脂;
フエノール類及び Ζ又はナフトール類とジシクロペンタジェンから共重合により合成さ れる、ジシクロペンタジェン型フエノール榭脂、ジシクロペンタジェン型ナフトール榭 脂;シクロペンタジェン変性フエノール榭脂;
多環芳香環変性フエノール榭脂;
ビフエ二ル型フヱノール榭脂;
トリフエ-ルメタン型フエノール榭脂;
これら 2種以上を共重合して得たフエノール榭脂
が挙げられ、これらを単独で用いても 2種以上を組み合わせて用いてもょ 、。
[0077] 上述のフエノール榭脂の中でも、耐リフロークラック性の観点からはァラルキル型フ エノール榭脂、ジシクロペンタジェン型フエノール榭脂、サリチルアルデヒド型フエノー ル榭脂、ベンズアルデヒド型とァラルキル型の共重合型フエノール榭脂、ノボラック型 フエノール榭脂が好ましい。これらァラルキル型フエノール榭脂、ジシクロペンタジェ ン型フヱノール榭脂、サリチルアルデヒド型フエノール榭脂、ベンズアルデヒド型とァラ ルキル型の共重合型フエノール榭脂、ノボラック型フエノール榭脂は、そのいずれか 1種を単独で用いても 2種以上を組み合わせて用いてもよい。但し、それらの性能を 発揮するためには、フエノール榭脂全量に対して、それらを合計で 30重量%以上使 用することが好ましぐ 50重量%以上使用することがより好ましい。
[0078] ァラルキル型フエノール榭脂としては、フエノール類及び/又はナフトール類とジメ トキシパラキシレンやビス (メトキシメチル)ビフエ-ルゃこれらの誘導体から合成され るフ ノール榭脂であれば特に限定されるものではな 、が、下記一般式 (XII)〜 (XIV )で示されるフエノール榭脂が好ま 、。
[化 16]
[0079] (式 (XII)〜(XIV)において、 R22〜R28は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機 基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよぐ iは 0〜3の整数、 kは 0〜4の
整数、 jは 0〜2の整数、 nは平均値であり、 0〜 10の正数を示す)
上記一般式 (ΧΠ)で示されるフエノール榭脂の中でも、 i=0、 R23が全て水素原子で ある MEH— 7851 (明和化成株式会社商品名)等が市販品として入手可能である。
[0080] 上記一般式(XIII)で示されるフエノール榭脂の中でも、 i=0、 k=0である XL— 225
、 XLC (三井ィ匕学株式会社製商品名)、 MEH— 7800 (明和化成株式会社商品名) 等が市販品として入手可能である。
[0081] 上記一般式(XIV)で示されるフエノール榭脂の中でも、 j = 0、 R27の k=0、 R28の k
= 0である SN— 170 (新日鐡ィ匕学株式会社商品名)等が市販品として入手可能であ る。
[0082] ジシクロペンタジェン型フエノール榭脂としては、ジシクロペンタジェン骨格を有す る化合物を原料として用いたフエノール榭脂であれば特に限定されるものではな 、が 、下記一般式 (XV)で示されるフ ノール榭脂が好ましい。下記一般式 (XV)で示され るフエノール榭脂の中でも i=0である DPP (新日本石油化学株式会社製商品名)等 が市販品として入手可能である。
[化 17]
[0083] (式 (XV)中、 R は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それぞれ全 てが同一でも異なっていてもよぐ iは 0〜3の整数、 nは平均値であり、 0〜10の正数 を示す)
[0084] サリチルアルデヒド型フエノール榭脂としては、サリチルアルデヒド骨格を有するィ匕 合物を原料として用いたフ ノール榭脂であれば特に限定されるものではな 、が、下 記一般式 (XVI)で示されるフエノール榭脂が好ま U、。
[0085] 下記一般式(XVI)で示されるフエノール榭脂の中でも i=0、 k=0である MEH— 75
00(明和化成株式会社製商品名)等が市販品として入手可能である。
[0086] (式 (XVI)中、 RdU及び Rdlは水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、そ れぞれ全てが同一でも異なっていてもよぐ iは 0〜3の整数、 kは 0〜4の整数、 nは平 均値であり、 0〜 10の正数を示す)
[0087] ベンズアルデヒド型とァラルキル型との共重合型フエノール榭脂としては、ベンズァ ルデヒド骨格を有する化合物を原料として用いたフエノール榭脂とァラルキル型フエ ノール榭脂との共重合型フエノール榭脂であれば特に限定されるものではないが、 下記一般式 (XVII)で示されるフエノール榭脂が好ま 、。
[0088] 下記一般式(XVII)で示されるフ ノール榭脂の中でも i = 0、 k=0、 q = 0である HE
510(エア ·ウォーター ·ケミカル株式会社製商品名)等が市販品として入手可能で ある。
[化 19]
[0089] (式 (XVII)中、 R 〜Rd4は水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、それ ぞれ全てが同一でも異なっていてもよぐ iは 0〜3の整数、 kは 0〜4の整数、 qは 0〜 5の整数、 1、 mはそれぞれ平均値で 0〜: L 1の正数であり(1+m)は 1〜: L 1の正数を示 す)
[0090] ノボラック型フエノール榭脂としては、フエノール類及び Z又はナフトール類とアル デヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるフエノール榭脂であれば 特に限定されるものではな 、が、下記一般式 (XVIII)で示されるフ ノール榭脂が好 ましい。
[0091] 下記一般式 (xvm)で示されるフエノール榭脂の中でも i=0、 R35が全て水素原子 であるタマノル 758、 759(荒川化学工業株式会社製商品名)、 HP— 850N (日立化 成工業株式会社商品名)等が市販品として入手可能である。
[化 20]
[0092] (式 (XVIII)中、 及び Rdbは水素原子又は炭素数 1〜18の 1価の有機基を示し、そ れぞれ全てが同一でも異なっていてもよぐ iは 0〜3の整数、 kは 0〜4の整数、 nは平 均値であり、 0〜 10の正数を示す)
[0093] 上記一般式 (XII)〜(XVIII)における R22〜R36について記載した「それぞれ全てが 同一でも異なっていてもよい」は、例えば、式 (XIV)中の i個の R22の全てが同一でも 相互に異なっていてもよいことを意味している。他の R23〜R36についても、式中に含 まれるそれぞれの個数にっ 、て全てが同一でも相互に異なって 、てもよ 、ことを意 味している。また、 R22〜R36は、それぞれが同一でも異なっていてもよい。例えば、 R2 2及び R23の全てにっ 、て同一でも異なって!/、てもよく、 R3G及び R31の全てにつ!/ヽて 同一でも異なって 、てもよ 、。
[0094] 上記一般式(XII)〜(XVIII)における nは、 0〜 10の範囲である必要があり、 10を超 えた場合は (B)硬化性榭脂成分の溶融粘度が高くなるため、硬化性榭脂組成物の 溶融成形時の粘度も高くなり、未充填不良やボンディングワイヤ(素子とリードを接続 する金線)の変形を引き起こしやすくなる。 1分子中の平均 nは 0〜4の範囲に設定さ れることが好ましい。
[0095] 本発明による硬化性榭脂組成物にお ヽて (B)硬化性榭脂としてエポキシ榭脂を使 用し、そのエポキシ榭脂の(C)硬化剤としてフエノール榭脂を使用する場合、上記成 分 (B)と (C)との配合比率は、全エポキシ榭脂のエポキシ当量に対する全フエノール 榭脂の水酸基当量の比率 (フエノール榭脂中の水酸基数 Zエポキシ榭脂中のェポ キシ基数)で 0. 5〜2. 0の範囲に設定することが好ましぐ上記比率は 0. 7〜1. 5で
あることがより好ましぐ 0. 8〜1. 3であることがさらに好ましい。上記比率が 0. 5未満 ではエポキシ榭脂の硬化が不充分となり、硬化物の耐熱性、耐湿性及び電気特性が 劣る傾向がある。一方、上記比率が 2. 0を超えるとフエノール榭脂成分が過剰となり 、硬化効率が低下するだけでなぐ硬化榭脂中に多量のフエノール性水酸基が残る ため、パッケージの電気特性及び耐湿性が低下する傾向がある。
[0096] (D)無機充填剤
本発明の硬化性榭脂組成物には、 (D)無機充填剤を必要に応じてさらに配合する ことができる。特に、硬化性榭脂組成物を封止用成形材料として用いる場合には、 ( D)無機充填剤を配合することが好ま ヽ。本発明にお ヽて用いられる (D)無機充填 剤としては、一般に封止用成形材料に用いられるものであってよぐ特に限定される ものではない。
[0097] 例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケィ酸ジルコ- ゥム、ケィ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコユア、 ジノレコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタ-ァ、タノレク、クレー、 マイ力等の微粉未、又はこれらを球形ィ匕したビーズが挙げられる。さらに、難燃効果 のある無機充填剤としては、例えば、水酸ィ匕アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグ ネシゥムと亜鉛の複合水酸ィ匕物等の複合金属水酸ィ匕物、硼酸亜鉛が挙げられる。
[0098] 中でも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアル ミナが好ま 、。これらの無機充填剤は 1種を単独で用いても 2種以上を組み合わせ て用いてもよい。
[0099] (D)無機充填剤の配合量は、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、硬 化性榭脂組成物に対して 55〜90体積%の範囲であることが好ま 、。これら無機充 填剤は硬化物の熱膨張係数、熱伝導率、弾性率等の改良を目的に配合するもので あり、配合量が 55体積%未満ではこれらの特性の改良が不十分となる傾向があり、 9 0体積%を超えると硬化性榭脂組成物の粘度が上昇して流動性が低下し成形が困 難になる傾向がある。
[0100] また、(D)無機充填剤の平均粒径は 1〜50 μ mが好ましぐ 10〜30 μ mがより好ま しい。: L m未満では硬化性榭脂組成物の粘度が上昇しやすぐ 50 mを超えると
榭脂成分と無機充墳剤とが分離しやすくなり、硬化物が不均一になったり硬化物特 性がばらついたり、狭い隙間への充填性が低下したりする傾向がある。
[0101] 流動性の観点力 は、(D)無機充填剤の粒子形状は角形よりも球形が好ましぐ ( D)無機充填剤の粒度分布は広範囲に分布したものが好ましい。例えば、無機充填 剤を 75体積%以上配合する場合、その 70重量%以上を球状粒子とし、 0. 1〜80 mという広範囲に分布したものが好ましい。このような無機充填剤は最密充填構造を とりやすいため配合量を増加させても材料の粘度上昇が少なぐ流動性に優れた硬 化性榭脂組成物を得ることができる。
[0102] (各種添加剤)
本発明による硬化性榭脂組成物では、必要に応じて上述の成分 (A)硬化促進剤、 (B)硬化性榭脂、(C)硬化剤、(D)無機充填剤に加えて、以下に例示するカップリン グ剤、イオン交換体、離型剤、応力緩和剤、難燃剤、着色剤といった各種添加剤を 追加してもよい。しかし、本発明による硬化性榭脂組成物には、以下の添加剤に限 定することなぐ必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を追加してもよい。
[0103] (カップリング剤)
本発明の封止用硬化性榭脂組成物には、榭脂成分と無機充填剤との接着性を高 めるために、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキル シラン、ウレイドシラン、ビュルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、ァ ルミ-ゥムキレート類、アルミニウム Zジルコニウム系化合物等の公知のカップリング 剤を添加することができる。
[0104] カップリング剤の配合量は、(D)無機充填剤に対して 0. 05〜5重量%であることが 好ましく、 0. 1〜2. 5重量0 /0がより好ましい。 0. 05重量0 /0未満ではフレームとの接着 性が低下する傾向があり、 5重量%を超えるとパッケージの成形性が低下する傾向が ある。
[0105] 上記カップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビュルトリエトキシシラ ン、ビュルトリス(j8—メトキシエトキシ)シラン、 γ—メタクリロキシプロピルトリメトキシシ ラン、 j8 — (3, 4—エポキシシクロへキシル)ェチルトリメトキシシラン、 γ—グリシドキ
トリァセトキシシラン、 γ—メルカプトプロピルトリメトキシシラン、 γ—ァミノプロピルトリ エトキシシラン、 γ -ァニリノプロピルトリメトキシシラン、 γ -ァニリノプロピルメチルジメ トキシシラン、 γ — [ビス(j8—ヒドロキシェチル)]ァミノプロピルトリエトキシシラン、 N - β - (アミノエチル) - y—ァミノプロピルトリメトキシシラン、 γ—(β—アミノエチル ミン、 Ν— (ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジァミン、メチルトリメトキシシ ラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、 N— j8— (N—ビュルベン ジルアミノエチル) - γ—ァミノプロピルトリメトキシシラン、 γ—クロ口プロピルトリメトキ シシラン、へキサメチルジシラン、ビュルトリメトキシシラン、 γ —メルカプトプロピルメ チルジメトキシシラン等のシラン系カップリング剤; イソプロピルトリイソステアロイルチ タネート、イソプロピルトリス(ジォクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロビルト リ(Ν—アミノエチル一アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホス ファイト)チタネート、テトラ(2, 2—ジァリルォキシメチル— 1—プチル)ビス (ジトリデシ ル)ホスファイトチタネート、ビス(ジォクチルパイロホスフェート)ォキシアセテートチタ ネート、ビス(ジォクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオク タノィルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピル トリドデシルベンゼンスルホ-ルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチ タネート、イソプロピルトリ(ジォクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリタミル フエニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジォクチルホスフアイト)チタネート等のチ タネート系カップリング剤が挙げられ、これらを単独で用いても 2種以上を組み合わせ て用いてもよい。これらのなかでも、二級アミノ基を有するカップリング剤が流動性及 びワイヤ流れの観点力 好まし 、。
(イオン交換体)
本発明の硬化性榭脂組成物には、陰イオン交換体を必要に応じて配合することが できる。特に硬化性榭脂組成物を封止用成形材料として用いる場合には、封止され る素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、 陰イオン交換体を配合することが好まし ヽ。本発明にお ヽて用いられる陰イオン交換 体としては特に制限はなぐ従来公知のものを用いることができる力 例えば、ハイド
口タルサイト類や、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマスから選 ばれる元素の含水酸ィヒ物等が挙げられ、これらを単独で又は 2種以上を組み合わせ て用いることができる。中でも、下記一般式 (XIX)で示されるノ、イド口タルサイトが好ま しい。
[0107] (化 21)
Mg Al (OH) (CO ) ·πιΗ Ο ……(XIX)
l -X X 2 3 Χ/2 2
(0<Χ≤0. 5、 mは正の数)
これらの陰イオン交換体の配合量は、ハロゲンイオン等の陰イオンを捕捉できる十 分な量であれば特に制限はないが、(B)硬化性榭脂に対して 0. 1〜30重量%の範 囲が好ましぐ 1〜5重量%がより好ましい。
[0108] (離型剤)
本発明の硬化性榭脂組成物には、成形時に金型との良好な離型性を持たせるた め離型剤を配合してもよい。本発明において用いられる離型剤としては特に制限は なく従来公知のものを用いることができる。例えば、カルナバワックス、モンタン酸、ス テアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル 系ワックス、酸ィ匕ポリエチレン、非酸ィ匕ポリエチレン等のポリオレフイン系ワックス等が 挙げられ、これらの 1種を単独で用いても 2種以上を組み合わせて用いてもよい。中 でも、酸ィ匕型又は非酸ィ匕型のポリオレフイン系ワックスが好ましぐその配合量として は(B)硬化性榭脂に対して 0.01〜: L0重量%が好ましぐ 0. 1〜5重量%がより好ま しい。ポリオレフイン系ワックスの配合量が 0.01重量%未満では離型性が不十分な 傾向があり、 10重量%を超えると接着性が阻害される可能性がある。ポリオレフイン 系ワックスとしては、例えば市販品ではへキストネ土製の H4、 PE、 PEDシリーズ等の数 平均分子量が 500〜10000程度の低分子量ポリエチレンが挙げられる。また、ポリ ォレフィン系ワックスに他の離型剤を併用する場合、その配合量は(B)硬化性榭脂に 対して 0.1〜10重量%が好ましぐ 0.5〜3重量%がより好ましい。
[0109] (応力緩和剤)
本発明の硬化性榭脂組成物には、シリコーンオイル、シリコーンゴム粉末等の応力 緩和剤等を必要に応じて配合することができる。応力緩和剤を配合することにより、
ノ ッケージの反り変形量、ノ ッケージクラックを低減させることができる。使用できる応 力緩和剤としては、一般に使用されている公知の可とう剤 (応力緩和剤)であれば特 に限定されるものではない。一般に使用されている可とう剤としては、例えば、シリコ ーン系、スチレン系、ォレフィン系、ウレタン系、ポリエステノレ系、ポリエーテノレ系、ポリ アミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エラストマ一、 NR (天然ゴム)、 NBR (アタリ 口-トリル一ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴ ム粒子、メタクリル酸メチルースチレン ブタジエン共重合体(MBS)、メタクリル酸メ チルーシリコーン共重合体、メタクリル酸メチルーアクリル酸ブチル共重合体等のコア シェル構造を有するゴム粒子等が挙げられ、これらを単独で用いても 2種以上組み 合わせて用いてもよい。なかでも、シリコーン系可とう剤が好ましぐシリコーン系可とう 剤としては、エポキシ基を有するもの、アミノ基を有するもの、これらをポリエーテル変 性したものが挙げられる。
[0110] (難燃剤)
本発明の硬化性榭脂組成物には、難燃性を付与するために必要に応じて難燃剤 を配合することができる。本発明において用いられる難燃剤としては特に制限はなく 、例えば、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む公知の有機 若しくは無機の化合物、金属水酸ィ匕物が挙げられ、これらの 1種を単独で用いても 2 種以上を組み合わせて用いてもよい。難燃剤の配合量は、難燃効果が達成されれ ば特に制限はな 、が、エポキシ榭脂等の(B)硬化性榭脂に対して 1〜30重量%が 好ましぐ 2〜15重量%がより好ましい。
[0111] (着色剤)
また、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公 知の着色剤を配合しても良 、。
[0112] 先に説明した本発明の硬化性榭脂組成物は、各種成分を均一に分散混合できる のであれば、いかなる手法を用いても調製できる。一般的な手法としては、所定の配 合量の成分をミキサー等によって十分に混合し、ミキシングロール、押出機等によつ て溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。より具体的には、例え ば、上述した成分の所定量を均一に撹拌、混合し、予め 70〜140°Cに加熱してある
ニーダー、ロール、エタストルーダー等で混練、冷却し、粉砕する等の方法で得ること ができる。榭脂組成物は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び重量でタブレ ット化すると取り扱 、が容易である。
[0113] 〔電子部品装置〕
本発明の別の形態である電子部品装置は、上述の硬化性榭脂組成物によって封 止した素子を備えることを特徴とする。電子部品装置としては、例えば、リードフレー ム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウェハ等の支持部材に、半 導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体 、コイル等の受動素子等の素子を搭載したものが挙げられ、それら素子部を本発明 の硬化性榭脂組成物で封止したものが挙げられる。より具体的には、例えば、リード フレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部 をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の硬化性榭脂組成物を用いてト ランスファー成形等によって封止した、 DIP (Dual Inline Package)、 PLCC (Plastic L eaded Chip Carrier)、 QFP (Quad Flat Package)、 SOP (Small Outline Package)、 S OJ (Small Outline J- lead package)、 TSOP (Thin Small Outline Package)、 TQFP (T hin Quad Flat Package)等の一般的な榭脂封止型 IC、テープキャリアにバンプで接 続した半導体チップを、本発明の硬化性榭脂組成物で封止した TCP (Tape Carrier Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップ ボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリス タ等の能動素子及び Z又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の 硬化性榭脂組成物で封止した COB (Chip On Board)モジュール、ハイブリッド 、マ ルチチップモジュール、裏面に配線板接続用の端子を形成した有機基板の表面に 素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配 線を接続した後、本発明の硬化性榭脂組成物で素子を封止した BGA (Ball Grid Arr ay)、 CSP (Chip Size Package)が挙げられる。また、プリント回路板においても本発明 の硬化性榭脂組成物を有効に使用することができる。
[0114] 本発明の硬化性榭脂組成物を用いて、電子部品装置を封止する方法としては、低 圧トランスファー成形法が最も一般的ではあるが、インジェクション成形法、圧縮成形
法等を用いてもよい。
実施例
[0115] 以下、本発明について実施例によってより具体的に説明する力 本発明の範囲は 以下に示す実施例によって限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない範 囲にぉ 、て種々変更可能であることは言うまでもな!/、。
[0116] 〔硬化促進剤の調製〕
硬化性榭脂組成物の調製に先立ち、本発明による各実施例において硬化促進剤 として使用する化合物を以下に示す合成例 1〜9に従って調製した。なお、各合成例 において、出発原料となる、 4-トリフエ-ルホスホ-オフエノラート、 2-トリフエ-ルホス ホ-オフエノラート、 3-トリフエ-ルホスホ-オフエノラート、 2, 6-ジメチル- 4-トリフエ -ルホスホ-オフエノラート、 3-トリ- p-トリルホスホ-オフエノラート、及びシクロへキシ ルジフエ-ルホスホ-オフエノラートは、それぞれ特開 2004— 156036号公報〖こ記 載の方法に従って合成したものを使用した。
[0117] また、各合成例で調製した化合物の分析は、以下の方法に従って実施した。
(D 'H-NMR
化合物を約 0. 5mlの重アセトンに溶かし、 φ 5mmの試料管に入れ、ブルカーバイ ォスピン社製 AV— 300Mで測定した。シフト値は、溶媒に微量含まれる CHD C (=
2
0) CD (2. 04ppm)を基準とした。
3
(2) 31P-NMR
化合物を約 0. 5mlの重メタノール又は重アセトンに溶かし、 φ 5mmの試料管に入 れ、ブルカーバイオスピン社製 AV— 300Mで測定した。シフト値は、リン酸水溶液 (0 ppm)を基準とした。
(3) IR
Bio— Rad社製 FTS 3000MXを用い、 KBr法に従い測定した。
[0118] (合成例 1)
4-トリフエ-ルホスホ-オフエノラート 10.9g (30.8mmol)をアセトン 100mlに分散( 一部溶解)させ、その溶液に攪拌しながらジフエニルシランジオール lO.Og (46.2m mol)を添カ卩した。溶液中の淡黄色の 4-トリフエ-ルホスホ-オフエノラートの粉末は、
徐々に白色へと変化した。このような変化は、ジフエ-ルシランジオールがアセトンに 可溶であること力も考えて、アセトンに一部溶解した 4-トリフエ-ルホスホ-ォフエノラ 一トがジフエ-ルシランジオールと反応して、徐々に消費され、 4-トリフエ-ルホスホ 二オフエノラートとジフエニルシランジオールとの塩として析出したことに起因すると推 測される。反応混合物を室温にて 12時間攪拌した後、ろ過及び乾燥することによつ て、 16.3gの白色固体として生成物を得た。
得られた生成物について、 iH— NMR測定、 31P— NMR測定 (重メタノール中で測 定)、及び IR測定を行った結果、それぞれ図 1〜3に示すスペクトルが得られた。各ス ベクトルを同定したところ、生成物は下式 (XX)で示される構造を有すると考えられる( 以下、「ィ匕合物 1」と称す)。収率は 93%であった。
[化 22]
[0119] (合成例 2)
4-トリフエ-ルホスホ-オフエノラート 30.0g (84.6mmol)をアセトン 60ml及び蒸留 水 30mlに分散(一部溶解)させ、その溶液に攪拌しながらジフエニルシランジオール 18.3g (84. 6mmol)を添カ卩した。ジフエ-ルシランジオールを添カ卩するにつれ、 4-ト リフエ-ルホスホ-オフエノラートがいったん溶け、すぐに白色粉末が析出した。反応 混合物を室温にて 30分攪拌し、エバポレーターでアセトンを約 30ml留去した後、ろ 過及び乾燥することによって、 43.5gの白色固体として生成物を得た。
得られた生成物について、 iH— NMR測定、 31P— NMR測定 (重メタノール中で測 定)、及び IR測定を行った結果、合成例 1と同様のスペクトルが得られた。そのため、 生成物は合成例 1と同様に先に示した式 (XX)で示される構造を有すると考えられる( 以下、「ィ匕合物 1」と称す)。収率は 90%であった。
[0120] (合成例 3)
4-トリフエ-ルホスホ-オフエノラート 10.9g (30.8mmol)をアセトン 100mlに分散( 一部溶解)させ、その溶液に攪拌しながらトリフエ-ルシラノール 25.5g (46.2mmol) を添カ卩した。溶液中の淡黄色の 4_トリフエ-ルホスホ-オフエノラートの粉末が徐々に 白色へと変化した。このような変化は、トリフエ-ルシラノールはアセトンに可溶である こと力も考えて、アセトンに一部溶解した 4-トリフエ-ルホスホ-オフエノラートがトリフ ェ-ルシラノールと反応し、徐々に消費され、 4-トリフエ-ルホスホ-オフヱノラートとト リフエ-ルシラノールとの塩として析出したことに起因すると推測される。反応混合物 を室温にて 12時間攪拌した後、ろ過及び乾燥することによって、 25.3gの白色固体と して生成物を得た。
得られた生成物について、 iH— NMR測定、 31P— NMR測定 (重メタノール中で測 定)、及び IR測定を行った結果、それぞれ図 4〜6に示すスペクトルが得られた。各ス ベクトルを同定したところ、生成物は下式 (XXI)で示される構造を有すると考えられる (以下、「化合物 2」と称す)。収率は 91%であった。
[化 23]
4-トリフエ-ルホスホ-オフエノラート 20.0g (56.4mmol)をアセトン 40ml及び蒸留 水 20mlに溶解させ、その溶液に攪拌しながらトリフエ-ルシラノール 31.2g (112.5m mol)を添加した。トリフエ-ルシラノールをカ卩えると、すぐに白色粉末が析出した。反 応混合物を室温にて 30分攪拌し、エバポレーターでアセトンを約 30ml留去した後、 ろ過及び乾燥することによって、 45.7gの白色固体として生成物を得た。
得られた生成物について、 — NMR測定、 31P— NMR測定(重メタノール中で測 定)、及び IR測定を行った結果、合成例 3と同様のスペクトルが得られた。そのため、 生成物は合成例 3と同様に先に示した式 (XXI)で示される構造を有すると考えられる
(以下、「化合物 2」と称す)。収率は 89%であった。
[0122] (合成例 5)
2-トリフエ-ルホスホ-オフエノラート 6. 4g (18. lmmol)をアセトン 30ml及び蒸留 水 7. 5mlに溶解させ、その溶液に攪拌しながらトリフエ-ルシラノール 15. 0g (54.3 mmol)を添加した。トリフエ二ルシラノールをカ卩えると、徐々に白色粉末が析出した。 反応混合物を室温にて 2時間攪拌した後、ろ過及び乾燥することによって、 13. 8g の白色固体として生成物を得た。
得られた生成物について、 iH— NMR測定、 31P— NMR測定 (重アセトン中で測定 )、及び IR測定を行った結果、それぞれ図 7〜9に示すスペクトルが得られた。各スぺ タトルを同定したところ、生成物は下式 (XXII)で示される構造を有すると考えられる( 以下、「ィ匕合物 3」と称す)。収率は 84%であった。
[化 24]
[0123] (合成例 6)
3-トリフエ-ルホスホ-オフエノラート 6. 4g (18. lmmol)をアセトン 60mlに分散( 一部溶解)させ、その溶液に攪拌しながらトリフエ-ルシラノール 15. 0g (54.3mmol )を添カ卩した。トリフエ-ルシラノールをカ卩えると、 3-トリフエ-ルホスホ-オフエノラート の溶解性が上がった (不溶解粉末の量が減少した)後に、すぐに白色粉末が析出し た。反応混合物を室温にて 2時間攪拌した後、ろ過及び乾燥することによって、 13. 6gの白色固体として生成物を得た。
得られた生成物について、 iH— NMR測定、 31P— NMR測定 (重メタノール中で測 定)、及び IR測定を行った結果、それぞれ図 10〜12に示すスペクトルが得られた。 各スペクトルを同定したところ、生成物は下式 (XXIII)で示される構造を有すると考え られる(以下、「化合物 4」と称す)。収率は 83%であった。
[化 25]
2, 6-ジメチル- 4-トリフエ-ルホスホ-オフエノラート 6. 9g (18. lmmol)をアセトン 30ml及び蒸留水 7. 5mlに溶解させ、その溶液に攪拌しながらトリフエ-ルシラノー ル 15. 0g (54.3mmol)を添カ卩した。トリフエ-ルシラノールをカ卩えると、徐々に白色 粉末が析出した。反応混合物を室温にて 2時間攪拌した後、ろ過及び乾燥すること によって、 9. 8gの白色固体として生成物を得た。
得られた生成物について、 iH— NMR測定、 31P— NMR測定 (重メタノール中で測 定)、及び IR測定を行った結果、それぞれ図 13〜 15に示すスペクトルが得られた。 各スペクトルを同定したところ、生成物は下式 (XXIV)で示される構造を有すると考え られる(以下、「化合物 5」と称す)。収率は 82%であった。
[化 26]
(合成例 8)
3-トリ- p-トリルホスホ-オフエノラート 7. 2g (18. lmmol)をアセトン 50mlに分散( 一部溶解)させ、その溶液に攪拌しながらトリフエ-ルシラノール 15. 0g (54.3mmol )を添カ卩した。トリフエ-ルシラノールをカ卩えると、 3-トリ- p-トリルホスホ-オフエノラート の溶解性が上がった (不溶解粉末の量が減少した)後に、すぐに白色粉末が析出し
た。反応混合物を室温にて 2時間攪拌した後、ろ過及び乾燥することによって、 15. 8gの白色固体として生成物を得た。
[0126] 得られた生成物について、 — NMR測定、 31P— NMR測定 (重アセトン中で測定 )、及び IR測定を行った結果、それぞれ図 16〜18に示すスペクトルが得られた。各 スペクトルを同定したところ、生成物は下式 (XXV)で示される構造を有すると考えら れる(以下、「化合物 6」と称す)。収率は 92%であった。
[化 27]
[0127] (合成例 9)
シクロへキシルジフエ-ルホスホ-オフエノラート 6. 6g (18. lmmol)をアセトン 30 mlに分散(一部溶解)させ、その溶液に攪拌しながらトリフエ-ルシラノール 15. Og ( 54.3mmol)を添カ卩した。トリフエ-ルシラノールをカ卩えるとー且溶解した。その後、へ キサン 60mlをカ卩えることによって、徐々に白色粉末が析出した。へキサン投入し、約 6時間攪拌した後、ろ過及び乾燥することによって、 9. lgの白色固体として生成物を 得た。
得られた生成物について、 iH— NMR測定、 31P— NMR測定 (重アセトン中で測定 )、及び IR測定を行った結果、それぞれ図 19〜21に示すスペクトルが得られた。各 スペクトルを同定したところ、生成物は下式 (XXVI)で示される構造を有すると考えら れる(以下、「化合物 7」と称す)。収率は 55%であった。
[化 28]
[0128] 〔硬化性榭脂組成物の調製及びその特性評価〕
(実施例 1〜 14及び比較例 1〜: L 0)
各実施例では以下のものを使用した。
[0129] (エポキシ榭脂)
エポキシ榭脂 1:エポキシ当量 196、融点 106°Cのビフエ-ル型エポキシ榭脂(ジャ パンエポキシレジン株式会社製商品名 γχ— 4000H)
エポキシ榭脂 2:エポキシ当量 192、融点 79°Cのジフエ-ルメタン骨格型エポキシ 榭脂 (新日鐡化学株式会社製商品名 YSLV— 80XY)
難燃効果のあるエポキシ榭脂 (臭素化エポキシ榭脂):エポキシ当量 393、軟化点 8 0°C、臭素含有量 48重量%の臭素化ビスフエノール A型エポキシ榭脂
(硬化剤)
硬化剤 1:水酸基当量 176、軟ィ匕点 70°Cのフエノールァラルキル榭脂(三井化学株 式会社製商品名ミレックス XL— 225)
硬化剤 2 :水酸基当量 199、軟ィ匕点 89°Cのビフヱニル骨格型フエノール榭脂(明和 化成株式会社製商品名 MEH— 7851)
(硬化促進剤)
硬化促進剤 1:合成例 1又は 2で調製した化合物 1
硬化促進剤 2:合成例 3又は 4で調製した化合物 2
硬化促進剤 3:合成例 5で調製した化合物 3
硬化促進剤 4:合成例 6で調製した化合物 4
硬化促進剤 5:合成例 7で調製した化合物 5
硬化促進剤 6:合成例 8で調製した化合物 6
硬化促進剤 7:合成例 9で調製した化合物 7
硬化促進剤 A:トリフエ-ルホスフィン (比較の硬化促進剤) 硬化促進剤 B:トリフエ-ルホスフィンと 1, 4一べンゾキノンとの付加反応物 硬化促進剤 C: 4-トリフエ-ルホスホ-オフエノラート
硬化促進剤 D: 2-トリフエ-ルホスホ-オフヱノラート
添加剤 1:ジフエニルシランジオール
添加剤 2:トリフエ-ルシラノール
なお、硬化促進剤 A〜D、及び本発明による硬化促進剤の前駆体に相当する添加 剤 1及び 2は、いずれも比較のために使用した。
無機充填剤:平均粒径 17. 5 m、比表面積 3. 8m2Zgの球状溶融シリカ カップリング剤:エポキシシラン( γ—グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 着色剤:カーボンブラック (三菱ィ匕学株式会社製商品名 ΜΑ— 100)
離型剤:カルナバワックス (株式会社セラリカ NODA製)
難燃剤:三酸ィ匕アンチモン
上述の成分をそれぞれ表 1及び表 2に示す重量部で配合し、混練温度 80°C、混練 時間 15分の条件でロール混練を行うことによって、それぞれ実施例 1〜14、及び比 較例 1〜 10の硬化性榭脂組成物を得た。
[表 1]
表 1 配合組成表
[表 2]
表 2 配合組成表
次に、実施例 1〜 14及び比較例 1〜 10によって得られたそれぞれの硬化性榭脂組 成物を、以下に示す各種試験によって評価した。評価結果を表 3及び表 4に示す。な お、硬化性榭脂組成物の成形は、トランスファー成形機を用い、金型温度 180°C、成 形圧力 6. 9MPa、硬化時間 90秒の条件下で行った。また、後硬化は 175°Cで 6時
間行った。
[0132] (1)スパイラルフロー (流動性の指標)
EMMI— 1 66に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて、上記条件で硬化 性榭脂組成物を成形して流動距離 (cm)を測定した。
[0133] (2)熱時硬度
硬化性榭脂組成物を上記条件で直径 50mm X厚さ 3mmの円板に成形し、成形後 直ちにショァ D型硬度計を用いて測定した。
[0134] (3)吸湿時熱時硬度
硬化性榭脂組成物を 25°CZ50%RHの条件で 72時間放置後、上記(2)の条件で ショァ D型硬度計を用いて測定した。
[0135] (4)耐リフロークラック性 1
42ァロイフレームに、銀ペーストを用いて、寸法 8 X 10 X 0. 4mmのテスト用シリコ ンチップを搭載した。さらに硬化性榭脂組成物を用いて上記条件で成形、後硬化す ることによって、外形寸法 14 X 20 X 2. Ommの QFP80ピンのパッケージを作製した 。作製したパッケージを 30°C、 85%RHの条件で 168時間吸湿させた後、ベーパー フェーズリフロー装置により、 215°C、 90秒の条件でリフロー処理を行って、クラックの 発生の有無を確認し、試験パッケージ数(5個)に対するクラック発生パッケージ数に ついて評価した。
[0136] (5)耐リフロークラック性 2
85°C、 60%RHの条件で 168時間吸湿させた以外は、上記 (4)と同じ条件で評価 した。
[0137] (6)耐リフロークラック性 3
85°C、 85%RHの条件で 168時間吸湿させた以外は、上記 (4)と同じ条件で評価 した。
[0138] (7)高温放置特性
テスト素子として、外形サイズが 5 X 9mmで 5 μ mの酸ィ匕膜を有するシリコン基板上 にライン Zスペースが 10 mのアルミ配線が形成されたものを使用した。このテスト 素子を、部分的に銀メツキが施された 16ピン型 DIP (Dual Inline Package) 42ァロイリ
ードフレームに銀ペーストを用いて搭載した。次いでサーモニックワイヤによって、 20 0°Cで素子のボンディングパッドとインナーリードとを Au線によって接続した。さらに 硬化性榭脂糸且成物を用いて上記条件下で成形、後硬化することによってパッケージ を作製した。上述のようにして作製したパッケージを、 200°Cの条件下で 500時間、 1 000時間にわたり保管した後、取り出して導通試験を行い、不良パッケージ数を調べ 、試験パッケージ数(10個)に対する不良発生パッケージの数によって評価した。
[表 3]
[表 4]
表 4 評価結果
[0139] 表 3及び 4カゝら分力ゝるように、本発明による硬化促進剤を含有する実施例 1〜14は 、いずれにおいても流動性、熱時硬度、吸湿時熱時硬度、耐リフロークラック性及び 高温放置特性に優れる結果となった。
[0140] これに対して、本発明による硬化促進剤とは異なる種類の硬化促進剤を含む比較 例 1〜10では、硬化促進剤を除き同じ榭脂組成を有する実施例と比較して、流動性 に劣っている。特に、実施例で使用した硬化促進剤の前駆体を別々に加えた比較例 4、 5、 9及び 10については本発明に基づく実施例と比較して、流動性に劣っている。