JP6432220B2 - 光ファイバ用ガラス母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバ用ガラス母材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6432220B2
JP6432220B2 JP2014176968A JP2014176968A JP6432220B2 JP 6432220 B2 JP6432220 B2 JP 6432220B2 JP 2014176968 A JP2014176968 A JP 2014176968A JP 2014176968 A JP2014176968 A JP 2014176968A JP 6432220 B2 JP6432220 B2 JP 6432220B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
glass
deposition
amount
dopant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014176968A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016050152A (ja
Inventor
木村 達也
達也 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2014176968A priority Critical patent/JP6432220B2/ja
Publication of JP2016050152A publication Critical patent/JP2016050152A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6432220B2 publication Critical patent/JP6432220B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01413Reactant delivery systems

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Description

本発明は、光ファイバ用ガラス母材の製造方法に関する。
光ファイバ用ガラス母材の製造方法として、バーナの火炎中にガラス微粒子を生成させ、生成したガラス微粒子を石英等からなる出発基材に堆積させながら、出発基材を徐々に引き上げて円柱状のガラス微粒子堆積体を形成していくVAD(Vapor Phase Axial Deposition)法が知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開2014−24693号公報 特開2008−169078号公報 特開2006−292843号公報 特開2002−97035号公報
VAD法によりガラス微粒子堆積体を形成する際、堆積用バーナへ四塩化珪素などの原料、屈折率を調整するための四塩化ゲルマニウムなどのドーパント、酸素、水素ガスを送り込み、加水分解反応によってガラス微粒子を堆積して、ターゲットに堆積させる。上記四塩化ゲルマニウムなどのドーパントは高価であり、その使用量の低減が望ましい。しかしながら、単純にドーパントの量を減らすだけでは、ガラス微粒子堆積体の引き上げ速度が意図するように上がらなかったり、変動したりして、有効部が短くなったり、ガラス微粒子堆積体の長手方向の外径変動等を招いて、その特性が長手方向で安定しない虞がある。
そこで、本発明の目的は、VAD法によってガラス母材を製造する際に、特性の変動等が生じることなく、屈折率を変化させるためのドーパントの使用量を低減できる光ファイバ用ガラス母材の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様に係る光ファイバ用ガラス母材の製造方法は、バーナの火炎による火炎分解反応により生成したガラス微粒子を出発基材の軸方向に堆積させ、少なくとも一部に屈折率調整用ドーパントを含んだガラス微粒子堆積体を形成して光ファイバ用ガラス母材を製造する光ファイバ用ガラス母材の製造方法であって、
堆積開始時と堆積終了時の、前記ガラス微粒子堆積体の非有効部を堆積する際のドーパントの添加量を、少なくとも前記非有効部を堆積する堆積時間の半分以上の間、前記ガラス微粒子堆積体の有効部を堆積する際の添加量よりも少なくする。
本発明によれば、VAD法によってガラス母材を製造する際に、特性の変動等が生じることなく、屈折率を変化させるためのドーパントの使用量を低減できる。
本発明の実施形態に係る光ファイバ用ガラス母材の製造方法で使用する製造装置の概略図である。 実施例1の引き上げ速度を示す図である。 実施例1の各ガス流量を示す図である。 実施例2の引き上げ速度を示す図である。 実施例2の各ガス流量を示す図である。 実施例3の引き上げ速度を示す図である。 実施例3の各ガス流量を示す図である。 比較例1の引き上げ速度を示す図である。 比較例1の各ガス流量を示す図である。 比較例2の引き上げ速度を示す図である。 比較例2の各ガス流量を示す図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の実施形態に係る光ファイバ用ガラス母材の製造方法は、
(1) バーナの火炎による火炎分解反応により生成したガラス微粒子を出発基材の軸方向に堆積させ、少なくとも一部に屈折率調整用ドーパントを含んだガラス微粒子堆積体を形成して光ファイバ用ガラス母材を製造する光ファイバ用ガラス母材の製造方法であって、
堆積開始時と堆積終了時の、前記ガラス微粒子堆積体の非有効部を堆積する際のドーパントの添加量を、少なくとも前記非有効部を堆積する堆積時間の半分以上の間、前記ガラス微粒子堆積体の有効部を堆積する際の添加量よりも少なくする。
ドーパントの添加量を、少なくとも非有効部となる堆積時間の半分以上の間、ガラス微粒子堆積体の有効部の添加量よりも少なくすることにより、従来よりもドーパントの使用量を低減できる。
(2) 前記ドーパントの添加量を少なくしている間、前記バーナから供給されるガスのうち、少なくとも1系統以上のガスの流量を変化させ、前記ガラス微粒子堆積体を引き上げる、引き上げ速度を調整する。
単純にドーパントの添加量を変化させただけでは、引き上げ速度が意図するように上がらなかったり、変動したりしてしまう場合があるが、バーナから供給されるガスの流量を調整することにより、引き上げ速度を意図したように変化させることができるので、非有効部を短くし、形成されるガラス微粒子堆積体の長手方向の外径変動等を防いで、ガラス母材の特性が長手方向で安定するようにできる。
(3) 前記ドーパントの添加量を少なくしている間の少なくとも一部の時間において、前記ガスの一つである水素ガスの流量を前記有効部に相当する位置での流量の絶対値の70%以上98%以下の値に変化させる。
ドーパントの添加量を下げると引き上げ速度は下がるが、水素ガスの流量を有効部に相当する位置での流量よりも下げることにより堆積面の温度が下がり、嵩密度も下がるのでガラス微粒子堆積体の引き上げ速度を上げることができる。しかし、有効部に相当する位置での流量の絶対値の70%より低くしてしまうと、温度が下がりすぎてしまい、嵩密度が低くなり過ぎてしまうため、ガラス微粒子堆積体が割れる虞がある。一方、有効部に相当する位置での流量の絶対値の98%を超えてしまうと、意図する程度まではガラス微粒子堆積体の引き上げ速度が上がらなくなる。よって、水素ガスの流量を有効部に相当する位置での流量の絶対値の70%以上98%以下に変化させることにより、効率よくガラス微粒子堆積体の引き上げ速度を上げて、非有効部の長さを短くすることができる。
(4) 前記ドーパントの添加量を少なくしている間の少なくとも一部の時間において、前記ガスの一つである酸素ガスの流量を前記有効部に相当する位置での流量の絶対値の102%以上130%以下の値に変化させる。
上記したように、ドーパントの添加量を下げると引き上げ速度は下がるが、酸素ガスの流量を有効部に相当する位置での流量よりも上げることにより、堆積面の温度が下がり、嵩密度も下がるのでガラス微粒子堆積体の引き上げ速度を上げることができる。しかし、有効部に相当する位置での流量の絶対値の102%より低いと、意図する程度まではガラス微粒子堆積体の引き上げ速度が上がらない。一方、有効部に相当する位置での流量の絶対値の130%を超えると、温度が下がりすぎてしまい、嵩密度が低くなり過ぎてしまうため、ガラス微粒子堆積体が割れる虞がある。よって、酸素ガスの流量を有効部に相当する位置での流量の絶対値の102%以上130%以下の値に変化させることにより、効率よくガラス微粒子堆積体の引き上げ速度を上げて、非有効部の長さを短くすることができる。
(5) 前記ドーパントの添加量を少なくしている間の前記ガスの流量は、
前記堆積開始時には前記有効部の堆積前に最大または最小となるピークが来るように流量を変化させ、
前記堆積終了時には前記有効部における流量から変化させて堆積終了まで当該変化させた流量を保持する。
堆積開始時には有効部の堆積前に最大または最小となるピークが来るように流量を変化させ、堆積終了時には有効部における流量から変化させて堆積終了まで当該変化させた流量を保持することにより、非有効部の長さを短くし、また、形成されるガラス微粒子堆積体の長手方向の外径変動等を防いで、ガラス微粒子堆積体の特性が長手方向で安定するようにできる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る光ファイバ用ガラス母材の製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施形態に係る光ファイバ用ガラス母材の製造方法について図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る光ファイバ用ガラス母材の製造方法で使用する製造装置の概略図である。
まず、光ファイバ用ガラス母材を製造する製造装置について説明する。
図1に示すように、製造装置1は、反応容器2を備えており、VAD法によって反応容器2内でガラス微粒子堆積体Gを製造する装置である。反応容器2の上部には、吊り下げ装置3が設けられている。吊り下げ装置3は反応容器2の外側に設けられた駆動装置(図示略)により上下に昇降される。吊り下げ装置3には、例えば、石英ガラスなどから形成された出発基材4が把持されており、この出発基材4は、吊り下げ装置3によって軸回りに回転されながら軸方向に沿って移動可能とされている。
反応容器2には、その下部に2つのバーナ5,6が設けられている。これらのバーナ5,6は、ガラス原料ガスと火炎ガスを噴出し、火炎分解反応によりガラス微粒子を生成して、そのガラス微粒子を出発基材4に向けて吹き付けるものである。バーナ5,6はそれぞれ出発基材4に対して下方に設置され、斜め上方へ向けて傾けられている。バーナ5は、クラッド用のバーナであり、バーナ6は、コア用のバーナである。
それぞれのバーナ5,6には、ガス供給部7から、例えば、四塩化珪素(SiCl)等のガラス原料ガス、水素(H)等の燃焼ガス、酸素(O)等の助燃ガスおよびアルゴン(Ar)等の不活性ガスが複数の系統で供給される。コア用のバーナ6には、さらに、四塩化ゲルマニウム(GeCl)などの屈折率調整用のドーパントを供給する。四塩化ゲルマニウム(GeCl)には、屈折率を上げる効果があり、クラッドに対してコアの屈折率を高くすることができる。
クラッド用のバーナ5およびコア用のバーナ6は、複数の系統で供給される各種のガスをそれぞれ噴出し、加水分解反応によってガラス微粒子を堆積する。
また、バーナ5,6は、同心円状に複数のポート(噴出し口)を有する、8重管石英ガラスバーナなどの多重管バーナであり、複数の系統毎に異なる層のポートからガスを噴出する。
そして、これらのバーナ5,6から噴出されるガラス原料ガスと火炎ガス(燃焼ガスと助燃ガス)により、火炎加水分解されて堆積されるガラス微粒子が出発基材4に堆積される。この出発基材4にガラス微粒子を堆積させながら軸回りに回転される出発基材4を徐々に引き上げることで、出発基材4に円柱状のガラス微粒子堆積体Gが形成される。
この形成されたガラス微粒子堆積体Gにおける中間部分は、光ファイバ化される部分である有効部Gaである。また、ガラス微粒子堆積体Gにおけるガラス微粒子堆積の開始端(図1のガラス微粒子堆積体Gの上部のテーパ部分)、およびガラス微粒子堆積の終了端(図1のガラス微粒子堆積体Gの下部のテーパ部分)は、光ファイバ化されない部分である非有効部Gbである。
ガラス微粒子堆積体Gは、その後、脱水および焼結して透明ガラス化された光ファイバ用ガラス母材とされ、光ファイバ用ガラス母材を線引きすることで光ファイバが製造される。
反応容器2の下部には、レーザ装置10が設けられている。このレーザ装置10は、レーザ光Lを出射する投光器8と、レーザ光Lを受光する受光器9とを備えている。投光器8と受光器9とは、反応容器2の下部における外側で、反応容器2を挟んで互いに対向した位置に設けられている。投光器8から出射されたレーザ光Lは、反応容器2内を通過して受光器9に到達し、この受光器9で受光される。そして、この受光器9からの受光信号に基づいて、ガラス微粒子堆積体Gにおけるガラス微粒子の堆積状態(堆積面の位置)が監視される。
次に、上記の製造装置1によって出発基材4にガラス微粒子を堆積させて、多孔質のガラス微粒子堆積体Gを製造する方法について説明する。
まず、出発基材4を吊り下げ装置3に吊り下げ、出発基材4を所定位置に配置させる。
次に、出発基材4を軸回りに回転させながら、バーナ5,6からガラス原料ガスと火炎ガスを噴出し、加水分解反応によって生成されるガラス微粒子を出発基材4に吹き付け、ガラス微粒子を堆積させる。
この状態で、吊り下げ装置3によって出発基材4を徐々に引き上げ、少なくとも一部に屈折率調整用ドーパントを含んだ円柱状のガラス微粒子堆積体Gを形成する。
このとき、投光器8および受光器9からなるレーザ装置10によってガラス微粒子の堆積状態を監視して、堆積面の先端位置をモニタしつつ、吊り下げ装置3による引き上げ速度を制御することで、所定径のガラス微粒子堆積体Gを製造する。
そして、本実施形態では、ガラス微粒子堆積体Gを製造する際、ガラス微粒子の堆積開始時と堆積終了時の、ガラス微粒子堆積体の非有効部Gbを堆積する際のドーパントの添加量を、少なくとも非有効部Gbを堆積する堆積時間の半分以上の間、ガラス微粒子堆積体の有効部Gaを堆積する際の添加量よりも少なくする。
ガラス微粒子堆積体Gの非有効部Gbは光ファイバとして使用されないため、屈折率を変化させなくてもよいので、非有効部Gbではドーパントを添加しなくても問題ない。通常は、ガラス微粒子堆積体Gの有効部Gaを堆積する前に余裕をもってドーパントの添加を開始するが、本実施形態では、非有効部Gbに相当する両端のテーパ部分の位置では、有効部Gaを堆積する直前までドーパントの添加量を下げ、有効部Gaで添加量を通常の値に上げる。
ガラス微粒子の堆積中にドーパントの添加量を下げると、ガラス微粒子堆積体Gの引き上げ速度が意図するように上がらなかったり、変動したりして、有効部Gaの軸方向の長さが短くなったり、外径変動等を招いてしまうことがある。このため、ドーパントの添加量を少なくしている際は、バーナから供給されるガスのうち、少なくとも1系統以上のガスの流量を変化させ、ガラス微粒子堆積体Gの引き上げ速度を調整する。
これにより、引き上げ速度を意図したように変化させることができるので、非有効部Gbを短くし、形成されるガラス微粒子堆積体Gの長手方向の外径変動等を防いで、ガラス母材の特性が長手方向で安定するようにできる。
ガスの流量の制御の例として、水素ガスの流量を制御した場合、流量を下げると堆積面の温度が下がり、嵩密度が下がるので、引き上げ速度が上がるという効果がある。しかし、水素ガスの流量を有効部Gaに相当する位置での流量の絶対値の70%より低くしてしまうと、堆積面の温度が下がりすぎてしまい、嵩密度が低くなり過ぎてしまうため、ガラス微粒子堆積体Gが割れる虞がある。一方、有効部Gaに相当する位置での流量の絶対値の98%を超えてしまうと、意図する程度まではガラス微粒子堆積体Gの引き上げ速度が上がらなくなる。
よって、ドーパントの添加量を少なくしている間の少なくとも一部の時間において、水素ガスの流量を有効部Gaに相当する位置での流量の絶対値の70%以上98%以下に変化させることにより、効率よくガラス微粒子堆積体Gの引き上げ速度を上げて、非有効部Gbの長さを短くすることができる。
また、ガスの流量の制御の例として、酸素ガスの流量を制御した場合は、水素ガスの場合とは逆に、流量を上げると堆積面の温度が下がり、嵩密度も下がるのでガラス微粒子堆積体Gの引き上げ速度を上げることができる。しかし、有効部Gaに相当する位置での流量の絶対値の102%より低いと、意図する程度まではガラス微粒子堆積体Gの引き上げ速度が上がらない。一方、有効部Gaに相当する位置での流量の絶対値の130%を超えると、温度が下がりすぎてしまい、嵩密度が低くなり過ぎてしまうため、ガラス微粒子堆積体Gが割れる虞がある。
よって、酸素ガスの流量を有効部Gaに相当する位置での流量の絶対値の102%以上130%以下の値に変化させることにより、効率よくガラス微粒子堆積体Gの引き上げ速度を上げて、非有効部Gbの長さを短くすることができる。
また、ドーパントの添加量を少なくしている間の酸素ガス、水素ガス等のガスの流量は、堆積開始時には有効部Gaの堆積前に最大または最小となるピークが来るように流量を変化させ、堆積終了時には有効部Gaにおける流量から変化させて堆積終了まで当該変化させた流量を保持するようにしてもよい。
これにより、非有効部Gbの長さを短くし、また、形成されるガラス微粒子堆積体Gの長手方向の外径変動等を防いで、ガラス微粒子堆積体Gの特性が長手方向で安定するようにできる。
以上の本実施形態に係る光ファイバ用ガラス母材の製造方法によれば、ドーパントの添加量を、少なくとも非有効部Gbとなる堆積時間の半分以上の間、ガラス微粒子堆積体Gの有効部Gaを堆積する際の添加量よりも少なくすることにより、従来よりもドーパントの使用量を低減できる。
また、バーナから供給されるガスの流量を調整することにより、引き上げ速度を意図したように変化させることができるので、非有効部Gbを短くし、形成されるガラス微粒子堆積体Gの長手方向の外径変動等を防いで、ガラス母材の特性が長手方向で安定するようにできる。
なお、上記実施形態では、屈折率を調整するためのドーパントとしてGeCl(四塩化ゲルマニウム)を用いているが、GeCl以外のドーパント(例えば、チタン、燐、フッ素など)でも同じような効果がある。
また、上記実施形態では、コア用のバーナ6とクラッド用のバーナ5の両方を使用してガラス微粒子の堆積を行っているが、クラッド用のバーナ5にドーパントを使わない場合は、コア用のバーナ6だけでガラス微粒子の堆積をしてもよい。
また、上記実施形態では、火炎形成ガスの流量を調整することにより、引き上げ速度を意図したように変化させているが、不活性ガス(アルゴン等)の流量を調整しても引き上げ速度の制御は可能である。
[実施例]
次に、本発明の実施例および比較例について説明する。
なお、以下の各実施例および各比較例では、ドーパントとしてGeClを使用した。以下の実施例1〜3においては、本実施形態に係る光ファイバ用ガラス母材の製造方法によって、比較例においては、本実施形態に係る光ファイバ用ガラス母材の製造方法とは異なる方法によって、光ファイバ用ガラス母材を製造した。
各実施例および各比較例では、堆積開始120分後まで、ガラス微粒子堆積体Gの開始端の非有効部Gbの堆積を行った。そして、堆積開始120分後から500分後まで、有効部Gaの堆積を行い、堆積開始500分後から堆積終了時までガラス微粒子堆積体Gの終了端の非有効部Gbの堆積を行った。
(実施例1)
実施例1は、非有効部Gb堆積時のドーパントの添加量を低減した例である。
実施例1では、コア用のバーナ6のガス流量をガラス微粒子の堆積開始時からの時間に応じて、次の表1の通りに設定した。
Figure 0006432220
コア用のバーナ6は、前述したように、同心円状に複数のポート(噴出し口)を有する多重管バーナであり、8層のガス供給層からガスを噴出するものである。
コア用のバーナ6の1層目のガス供給層から噴出するGeClの流量(ドーパントの添加量)を、堆積開始60分後から徐々に増加させ、80分後から110分後の間では有効部Ga堆積時の80%になるように設定した。コア用のバーナ6の各層のガス流量は、堆積開始から徐々に変化させ、120分後以降の有効部Ga堆積中は終了端の非有効部Gb堆積直前の500分後まで一定流量とした。終了端の非有効部Gb堆積時では、GeClの流量を有効部Ga堆積時の80%になるように設定した。
実施例1における、ガラス微粒子の堆積開始直後からの引き上げ速度の変化を図2に、GeClと水素ガス(H)の流量変化を図3に示す。
実施例1では、GeClの流量(ドーパントの添加量)をガラス微粒子堆積体Gの両端の非有効部Gb堆積時に80%にしても、引き上げ速度(及び傾斜)に大きな変化は生じず、良好な形状のガラス微粒子堆積体Gを形成することができた。
(実施例2)
実施例2は、非有効部Gb堆積時のドーパントの添加量を低減しつつ、水素ガス(H)により引き上げ速度を保持した例である。
コア用のバーナ6のガス流量をガラス微粒子の堆積開始時からの時間に応じて次の表2の通りに設定した。
Figure 0006432220
1層目のGeClは、非有効部Gb堆積中はごく少量(0.01リットル/分)流し、有効部Gaを堆積する直前である100分後から流量を徐々に増加させ、120分後で有効部Ga堆積時と同量になるように設定した。また、2層目の水素ガス(H)は逆に、GeClの流量が少量でも引き上げ速度を保持できるように100分後までは流量を下げ続け、それ以降は、120分後で有効部Ga堆積時と同量になるように徐々に増加するように設定した。
各層のガス流量は、120分後以降はガラス微粒子堆積体Gの終了端の非有効部Gb堆積の直前まで一定流量とする。そして、終了端の非有効部Gb堆積時では、GeClの流量を0.01リットル/分まで下げ、水素ガス(H)は流量を下げて引き上げ速度を保持するように設定した。
実施例2における、ガラス微粒子の堆積開始直後からの引き上げ速度の変化を図4に、GeClと水素ガス(H)の流量変化を図5に示す。
実施例2では、GeClの流量(ドーパントの添加量)をガラス微粒子堆積体Gの両端の非有効部Gb堆積時に有効部Ga堆積時より少量にしても引き上げ速度(及び傾斜)に大きな変化は生じず、良好な形状のガラス微粒子堆積体Gを形成することができた。
(実施例3)
非有効部Gb堆積時のドーパントの添加量を低減しつつ、酸素ガス(O)により引き上げ速度を保持した例である。
コア用のバーナ6のガス流量をガラス微粒子の堆積開始時からの時間に応じて表3の通りに設定した。
Figure 0006432220
1層目のGeClは、非有効部Gb堆積中はごく少量(0.01リットル/分)流し、有効部Gaを堆積する直前である100分から流量を徐々に増加させ、120分後で有効部Ga堆積時と同量になるように設定した。また、4層目の酸素ガス(O)は、GeClの流量が少量でも引き上げ速度を保持できるように100分後までは流量を上げ続け、それ以降は、120分後で有効部Ga堆積時と同量になるように徐々に減少するように設定した。
各層のガス流量は、120分後以降は終了端の非有効部Gb堆積の直前まで一定流量とする。そして、終了端の非有効部Gb堆積時には、GeClの流量を0.01リットル/分まで下げ、水素ガス(H)は流量を上げて引き上げ速度を保持するように設定した。
実施例3における、ガラス微粒子の堆積開始直後からの引き上げ速度の変化を図6に、GeClと酸素ガス(O)の流量変化を図7に示す。
実施例3では、GeClの流量(ドーパントの添加量)をガラス微粒子堆積体Gの両端の非有効部Gb堆積時に有効部Ga堆積時より少量にしても、引き上げ速度(及び傾斜)に大きな変化は生じず、良好な形状のガラス微粒子堆積体Gを形成することができた。
(比較例1)
比較例1は、非有効部Gb堆積時のドーパントの添加量を低減せずに、コア用のバーナ6のガス流量を従来通りの流量としてガラス微粒子の堆積を行った例である。
実施例1と同様の形態でガラス微粒子堆積体Gを形成した。その際に、コア用のバーナ6の各層のガス流量設定値を表4の通りとした。
Figure 0006432220
比較例1における、ガラス微粒子の堆積開始直後からの引き上げ速度の変化を図8に、GeClと水素ガス(H)の流量変化を図9の(a)に、酸素ガス(O)の流量変化を図9の(b)に示す。
比較例1では、ドーパントの使用量は低減できないが、引き上げ速度(及び傾斜)に大きな変化は生じず、良好な形状のガラス微粒子堆積体Gを形成することができた。
(比較例2)
非有効部Gb堆積時のドーパントの添加量を50%以上低減し、バーナから供給されるガスの流量を調整せずに、ガラス微粒子を堆積した例である。
実施例1と同様の形態でガラス微粒子堆積体Gを形成した。その際に、コア用のバーナ6の各層のガス流量設定値を表5の通りとした。
Figure 0006432220
1層目のGeClは、非有効部Gb堆積時から有効部Gaを堆積する直前である100分後から流量を徐々に増加させ、120分後で有効部Ga堆積時と同量になるように設定し、終了端の非有効部Gbを堆積する500分以降で、0.01リットル/分まで下げた。
比較例2における、ガラス微粒子の堆積開始直後からの引き上げ速度の変化を図10に、GeClと水素ガス(H)の流量変化を図11に示す。
比較例2では、GeClの添加開始を遅らせたため、引き上げ速度が定常となる時間がその分遅くなってしまった。このため、ガラス微粒子堆積体Gの外径が、有効部Gaの外径が150mmであるのに対し、非有効部Gbの一部の外径が180mmに肥大化してしまい、安定してガラス微粒子堆積体Gを形成することができなかった。
1 製造装置
2 反応容器
3 吊り下げ装置
4 出発基材
5 バーナ(クラッド用のバーナ)
6 バーナ(コア用のバーナ)
7 ガス供給部
8 投光器
9 受光器
10 レーザ装置
G ガラス微粒子堆積体
Ga 有効部
Gb 非有効部

Claims (4)

  1. バーナの火炎による火炎分解反応により生成したガラス微粒子を出発基材の軸方向に堆積させ、少なくとも一部に屈折率調整用ドーパントを含んだガラス微粒子堆積体を形成して光ファイバ用ガラス母材を製造する光ファイバ用ガラス母材の製造方法であって、
    堆積開始時と堆積終了時の、前記ガラス微粒子堆積体の非有効部を堆積する際のドーパントの添加量を、少なくとも前記非有効部を堆積する堆積時間の半分以上の間、前記ガラス微粒子堆積体の有効部を堆積する際の添加量よりも少なくし、
    前記ドーパントの添加量を少なくしている間、前記バーナから供給されるガスのうち、少なくとも1系統以上のガスの流量を変化させ、前記ガラス微粒子堆積体を引き上げる、引き上げ速度を調整する、光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  2. 前記ドーパントの添加量を少なくしている間の少なくとも一部の時間において、前記ガスの一つである水素ガスの流量を前記有効部に相当する位置での流量の絶対値の70%以上98%以下の値に変化させる、請求項1に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  3. 前記ドーパントの添加量を少なくしている間の少なくとも一部の時間において、前記ガスの一つである酸素ガスの流量を前記有効部に相当する位置での流量の絶対値の102%以上130%以下の値に変化させる、請求項1または請求項2に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  4. 前記ドーパントの添加量を少なくしている間の前記ガスの流量は、
    前記堆積開始時には前記有効部の堆積前に最大または最小となるピークが来るように流量を変化させ、
    前記堆積終了時には前記有効部における流量から変化させて堆積終了まで当該変化させた流量を保持する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
JP2014176968A 2014-09-01 2014-09-01 光ファイバ用ガラス母材の製造方法 Active JP6432220B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014176968A JP6432220B2 (ja) 2014-09-01 2014-09-01 光ファイバ用ガラス母材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014176968A JP6432220B2 (ja) 2014-09-01 2014-09-01 光ファイバ用ガラス母材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016050152A JP2016050152A (ja) 2016-04-11
JP6432220B2 true JP6432220B2 (ja) 2018-12-05

Family

ID=55657926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014176968A Active JP6432220B2 (ja) 2014-09-01 2014-09-01 光ファイバ用ガラス母材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6432220B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017226569A (ja) * 2016-06-21 2017-12-28 信越化学工業株式会社 光ファイバ母材の製造方法、及びガラス微粒子堆積体の製造方法
JP7115095B2 (ja) * 2018-07-20 2022-08-09 住友電気工業株式会社 光ファイバ用母材の製造方法
CN112939447A (zh) * 2021-03-22 2021-06-11 杭州金星通光纤科技有限公司 一种降低光纤预制棒生产成本的制造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6096538A (ja) * 1983-10-31 1985-05-30 Nippon Sheet Glass Co Ltd 光フアイバ母材の製造方法
JPH03261631A (ja) * 1990-03-12 1991-11-21 Fujikura Ltd 光ファイバプリフォームの製造方法
JP2999095B2 (ja) * 1993-07-05 2000-01-17 株式会社フジクラ スートプリフォームの製法
JP2012006791A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイバ母材の製造方法
JP2012041227A (ja) * 2010-08-18 2012-03-01 Sumitomo Electric Ind Ltd 多孔質ガラス母材の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016050152A (ja) 2016-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6432220B2 (ja) 光ファイバ用ガラス母材の製造方法
JP5697165B2 (ja) 光ファイバ用多孔質ガラス堆積体の製造方法
JP6441152B2 (ja) 多孔質ガラス母材の製造方法
JP2012006791A (ja) 光ファイバ母材の製造方法
JP7286587B2 (ja) 光ファイバ母材
JP2008069023A (ja) 光ファイバ母材の製造方法
JP2014024693A (ja) ガラス母材の製造方法
JP5087929B2 (ja) ガラス微粒子堆積体の製造方法
JP6006186B2 (ja) 光ファイバ用多孔質ガラス堆積体の製造方法
JP6545925B2 (ja) 光ファイバ用ガラス母材の製造方法
KR102569042B1 (ko) 유리 미립자 퇴적체의 제조 방법, 유리 모재의 제조 방법 및 유리 미립자 퇴적체
JP3816268B2 (ja) 多孔質ガラス母材の製造方法
JP2005075682A (ja) 多孔質ガラス母材の製造方法
JP5190966B2 (ja) 高周波誘導熱プラズマトーチを用いた光ファイバプリフォームの製造方法
JP6431349B2 (ja) 光ファイバ母材の製造方法
JP4499025B2 (ja) 石英ガラス多孔質母材の製造方法
JP6784016B2 (ja) 光ファイバ用母材の製造方法
JP2018177611A (ja) 光ファイバ用多孔質母材の製造方法、光ファイバ用多孔質母材及び光ファイバの製造方法
JP2009167029A (ja) 光ファイバの製造方法
JP4506681B2 (ja) ガラス母材の製造方法
JP5000333B2 (ja) 光ファイバ用石英ガラス多孔質体の製造方法
JP2017226569A (ja) 光ファイバ母材の製造方法、及びガラス微粒子堆積体の製造方法
JP2004002117A (ja) 光ファイバ用母材の製造方法
JP2001253727A (ja) 光ファイバ用多孔質母材の製造方法
JP2018024544A (ja) 光ファイバ母材の製造方法及び製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180417

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181009

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181022

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6432220

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250