JP6431854B2 - アクリル系粘着剤組成物及び粘着テープ - Google Patents

アクリル系粘着剤組成物及び粘着テープ Download PDF

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Description

本発明は、粘着剤組成物に関し、より詳細には、アクリル系粘着剤組成物及び該粘着剤組成物を基材に塗布してなる粘着テープに関する。
(メタ)アクリレート系モノマーを含有してなるアクリル系粘着剤は、耐候性、透明性、耐熱性、耐溶剤性等に優れ、また、構成するモノマーの組成を変更することにより粘着力を容易に制御できるという利点を有することから、近年、盛んに研究が行われている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
特開2005−307063号公報 特開2009−102467号公報 特開2006−206624号公報
ここで、一般に、粘着テープとして求められる代表的な実用特性としては、粘着力(剥離強度)、タック(粘着性)及び保持力(凝集力)の3つの基本特性が挙げられるが、粘着テープの用途によっては、前記基本特性に加えて、固定性という特性が求められる場合がある。このような固定性の一例としては、例えば、所定の被貼付面(例えば、壁面)に貼付物(例えば、ポスター等の紙類)を貼付する場合に発生するような、貼付物の弛みや反りによる応力や重力による鉛直方向のせん断力に耐え得る(貼付物が被貼付面から剥離しない)特性(以下、「せん断固定性」と記載する。)、あるいは、貼付物(例えば、厚紙等の紙類)を筒状等の所定の形状にして固定した場合に発生するような、元の形状に戻ろうとする反発力に耐え得る(貼付物同士が剥離しない)特性(以下、「反発固定性」と記載する。)などが挙げられる。すなわち、ここでいう固定性とは、粘着剤自体の特性ではなく、上述したような応力、重力、反発力等の所定の外力に耐え得る(所定の外力がかかった場合でも、貼付物が貼付している状態を維持できる)特性を意味する。
上記特許文献1〜3に記載されているアクリル系粘着剤組成物では、上述したような粘着テープとして求められる基本特性は実用レベルで有しているものの、上述した特性の一つである固定性(特に、せん断固定性及び反発固定性)において十分な性能を発揮するに至っていない状況であり、これまで提案されているアクリル系粘着剤組成物では、固定性に優れた粘着テープを得ることができない、という問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、固定性に優れた粘着テープを得ることが可能なアクリル系粘着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ベースポリマーとしてアクリル系のABA型トリブロック共重合体を用い、このトリブロック共重合体の少なくとも一部に、セグメントBの構成モノマーとしてアクリル酸−2−エチルヘキシルを有するものを使用し、且つ、このベースポリマーに所定の粘着付与樹脂を含有させたポリマーブレンドを含有した粘着剤組成物を用いることにより、固定性に優れた粘着テープが得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、メタクリル酸エステルを主体とするセグメントAとアクリル酸エステルを主体とするセグメントBとからなるABA型のトリブロック共重合体(a)と、
メタクリル酸エステルを主体とするセグメントAとアクリル酸エステルを主体とするセグメントBとからなるABA型のトリブロック共重合体(b)と、前記トリブロック共重合体(a)及び前記トリブロック共重合体(b)と相溶性を有する軟化点が110℃以上の粘着付与樹脂(c)と、を含有し、前記トリブロック共重合体(b)のセグメントBの構成モノマーとして、アクリル酸−2−エチルヘキシルを有し、前記トリブロック共重合体(a)と前記トリブロック共重合体(b)の合計量に対する前記トリブロック共重合体(b)の配合比が、0.1質量%以上50質量%以下である、粘着剤組成物である。
前記粘着剤組成物において、前記トリブロック重合体(a)の重量平均分子量が、60,000以上400,000以下であることが好ましい。
前記粘着剤組成物において、前記粘着付与樹脂(c)の配合量が、前記トリブロック共重合体(a)と前記トリブロック共重合体(b)の合計を100質量部としたときに、15質量部以上40質量部以下であることが好ましい。
前記粘着剤組成物において、前記トリブロック共重合体(b)のセグメントBの構成モノマーが、アクリル酸−n−ブチル及びアクリル酸−2−エチルヘキシルであることが好ましい。
この場合に、前記トリブロック共重合体(b)のセグメントBにおけるアクリル酸−n−ブチル(BA)とアクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)との配合比が、質量比で、BA:2EHA=75:25〜5:95であることが好ましい。
前記粘着剤組成物が、前記トリブロック共重合体(a)及び前記トリブロック共重合体(b)と相溶性を有する軟化剤(d)を更に含有していてもよい。
この場合に、前記軟化剤(d)が、前記トリブロック共重合体(a)のセグメントA及びセグメントBと同様のセグメントを有するAB型のジブロック共重合体、アクリルオリゴマー及び液状ゴムからなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
また、前記粘着付与樹脂(c)が、ロジン系樹脂であることが好ましい。
また、本発明は、基材の少なくとも一方の面に、前述した粘着剤組成物を塗布してなる、粘着テープである。
本発明によれば、ベースポリマーとして所定の構造を有するアクリル系トリブロック共重合体を用い、且つ、このベースポリマーに所定の粘着付与樹脂を含有させたポリマーブレンドを含有した粘着剤組成物を用いることにより、固定性に優れた粘着テープを得ることが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
なお、本発明に係る粘着剤組成物については、以下の順序で説明する。
1 粘着剤組成物の組成
1−1 トリブロック共重合体(a)
1−2 トリブロック共重合体(b)
1−3 粘着付与樹脂(c)
1−4 任意成分
2 粘着剤組成物の形態
3 粘着剤組成物の用途
≪粘着剤組成物の組成≫
本発明に係る粘着剤組成物は、2種類のABA型のトリブロック共重合体(a)及び(b)をベースポリマーとして含有し、更に、粘着付与樹脂(c)を少なくとも含有する組成物であり、粘着力、タック、保持力といった特性に加えて、上述した固定性に優れるものである。以下、本発明に係る粘着剤組成物中の各成分について順に説明する。
<トリブロック共重合体(a)>
トリブロック共重合体(a)は、メタクリル酸エステルを主体とするセグメントAと、アクリル酸エステルを主体とするセグメントBとからなるABA型のトリブロック共重合体である。ここで、本発明でいう「セグメント」とは、トリブロック共重合体において各ブロックを構成する構造単位のことを意味し、例えば、モノマーaからなる構造単位(ポリマー又はオリゴマー)Aと、モノマーbからなる構造単位(ポリマー又はオリゴマー)Bと、モノマーaからなる構造単位(ポリマー又はオリゴマー)Aとが順に結合したABA型のトリブロック共重合体の場合には、構造単位A,BがそれぞれセグメントA,Bとなる(後述するトリブロック共重合体(b)においても同様である)。
(セグメントA)
トリブロック共重合体(a)のセグメントAとしては、メタクリル酸エステルを構成のモノマーの主体とするものであれば特に限定はされないが、このようなメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸1−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸3−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸4−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸2−フェノキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸トリフルオロメチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸2−メトキシペンチル、メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)ペンチル、メタクリル酸パーフルオロペンチル、メタクリル酸2−トリメトキシシリルペンチル等が挙げられる。
上記モノマーのうち、粘着補助剤の粘着特性(特に、高温での保持力)を向上させるために、セグメントAの構成モノマーの主体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル等の、メタクリル酸と炭素数3以下のアルコールとのエステル等のモノマーを使用することが好ましい。
ここで、本発明でいう「主体とする」といえるためには、モノマーの構成比(質量比)で50%以上含有していることが好ましく、80%以上含有していることがより好ましく、90%以上含有していることが更に好ましい。
また、トリブロック共重合体(a)のセグメントAの構成モノマーとして、上述したメタクリル酸エステル以外に使用可能なモノマーとしては、例えば、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド類や、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミド類や、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基を有するビニル系モノマーや、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル系モノマーや、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系モノマーや、エチレン、プロピレン等のオレフィンや、ε−カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトン等が挙げられる。
(セグメントB)
次に、トリブロック共重合体(a)のセグメントBとしては、アクリル酸エステルを構成のモノマーの主体とするものであれば特に限定はされないが、このようなアクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸4−メチル−2−ペンチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
また、トリブロック共重合体(a)のセグメントBの構成モノマーとして、上述したアクリル酸エステル以外に使用可能なモノマーとしては、例えば、メタクリル酸アルキルエステル(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、その他の前述したセグメントAの構成モノマーであるメタクリル酸エステル類)や、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド類や、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミド類や、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基を有するビニル系モノマーや、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル系モノマーや、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系モノマーや、エチレン、プロピレン等のオレフィンや、ε−カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトン等が挙げられる。
(重量平均分子量)
本発明に係る粘着剤組成物は優れた固定性を有するものであるが、この固定性は、トリブロック共重合体(a)の重量平均分子量に影響される。具体的には、トリブロック共重合体(a)の重量平均分子量は、60,000以上400,000以下であることが好ましい。トリブロック共重合体(a)の重量平均分子量が60,000未満であると粘着剤組成物の接着力、凝集力、タック等の一般特性が低下するだけでなく、固定性も低下するため好ましくない。前記の特性を更に向上させるためには、トリブロック共重合体(a)の重量平均分子量は、110,000以上であることがより好ましく、130,000以上であることが更に好ましく、150,000以上であることが特に好ましい。一方、溶融成形に適した流動性を持たせる必要があることから、トリブロック共重合体(a)の重量平均分子量を400,000以下とすることが好ましい。前記の効果を更に高めるためには、トリブロック共重合体(a)の重量平均分子量は、300,000以下であることがより好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量としては、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算分子量から求めた値を用いる。
(ハードセグメント含有量)
トリブロック共重合体(a)におけるハードセグメントの含有量は、トリブロック共重合体(a)の全質量を基準として、5〜30質量%が好適であり、5〜25質量%がより好適であり、10〜20質量%が特に好適である。
(入手方法)
本発明に係るトリブロック共重合体(a)としては、原料モノマーを重合することにより合成しても良いし、市販されているものを用いても良い。重合方法としては特に制限されるものではないが、例えば、アニオン重合法、原子移動ラジカル重合法(ATRP)等を用いることができる。各重合法の詳細な説明はここでは省略するが、アニオン重合法としては、例えば、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩等の鉱酸塩の存在下でアニオン重合する方法、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法、有機希土類金属錯体を重合開始剤としてアニオン重合する方法等の公知の方法を用いることができ、ATRPとしては、例えば、有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として、遷移金属化合物、含窒素化合物の存在下で重合する方法等の公知の方法を用いることができる。市販品としては、例えば、(株)クラレ製の「クラリティ(登録商標)シリーズ」等が挙げられる。
<トリブロック共重合体(b)>
トリブロック共重合体(b)は、トリブロック共重合体(a)と同様に、メタクリル酸エステルを主体とするセグメントAと、アクリル酸エステルを主体とするセグメントBとからなるABA型のトリブロック共重合体である。ただし、トリブロック共重合体(b)は、セグメントBの構成モノマーとして、アクリル酸−2−エチルヘキシルを有する点で、トリブロック共重合体(a)と異なる構造を有する。
本発明に係る粘着剤組成物は、上述したトリブロック共重合体(a)に加えて、ABA型のトリブロックのうちのセグメントBの構成モノマーとして、アクリル酸−n−ブチルより、さらにTgが低いアクリル酸−2−エチルヘキシルを有する共重合体(b)を配合することで、粘着力、タック、保持力といった粘着剤として一般に要求される特性に加えて、固定性を著しく向上させることができる。特に、トリブロック共重合体(b)を配合することによる効果として、貼付物(例えば、厚紙等の紙類)を筒状等の所定の形状にして固定した場合に発生するような、元の形状に戻ろうとする反発力に耐え得る(貼付物同士が剥離しない)特性(反発固定性)を著しく向上させることができる。以下、トリブロック共重合体(b)について詳述する。
(セグメントA)
トリブロック共重合体(b)のセグメントAは、上述したトリブロック共重合体(a)のセグメントAと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、本発明に係る粘着剤組成物においては、トリブロック共重合体(a)のセグメントAとトリブロック共重合体(b)のセグメントAとは、同一のものであってもよく、異なるものであってもよいが、トリブロック共重合体(a)とトリブロック共重合体(b)との相溶性を考慮すると、両者のセグメントAは同一であることが好適である。
(セグメントB)
トリブロック共重合体(b)のセグメントBは、上述したように、構成モノマーとして、アクリル酸−2−エチルヘキシルを有することを必須とし、「別の構成モノマー」を有していてもよい。この場合の「別の構成モノマー」としては、トリブロック共重合体(a)のセグメントBの構成モノマーとして使用可能なものを用いることができる。これらのうち、トリブロック共重合体(a)との相溶性の点から、「別の構成モノマー」としてアクリル酸−n−ブチルを用いることが好ましい。すなわち、トリブロック共重合体(b)のセグメントBの構成モノマーが、アクリル酸−n−ブチル及びアクリル酸−2−エチルヘキシルであることが好ましい。
尚、セグメントBの構成モノマーとしてアクリル酸−n−ブチルを用いてもよい。トリブロック共重合体(b)のセグメントBにおけるアクリル酸−n−ブチル(BA)とアクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)との配合比は、質量比で、BA:2EHA=95:5〜0:100であることが好適である。配合比をこの範囲とすることで、粘着剤組成物の固定性の向上効果が高まる。固定性の向上効果をより高めるためには2EHAの配合比が高い方が好ましく、具体的にはBA:2EHA=75:25〜5:95とすることがより好適であり60:40〜5:95とすることが更に好適である。
なお、本発明に係る粘着剤組成物においては、トリブロック共重合体(b)のセグメントBにおける「別の構成モノマー」と、トリブロック共重合体(a)のセグメントBの構成モノマーとは、同一でもよく、異なっていてもよいが、トリブロック共重合体(a)とトリブロック共重合体(b)との相溶性を考慮すると、両者の構成モノマーは同一であることが好適である。
(重量平均分子量)
本発明に係る粘着剤組成物におけるトリブロック共重合体(b)の重量平均分子量は、実用上、安定的製造の観点から好ましい範囲は3万以上20万以下であり、より好適には15万以下である。重量平均分子量が3万未満であると粘着力が低すぎて実用上問題があり、20万を超えると粘度が高すぎるので製造上問題がある。
なお、本発明における重量平均分子量としては、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算分子量から求めた値を用いる。
(ハードセグメント含有量)
トリブロック共重合体(b)におけるハードセグメントの含有量は、トリブロック共重合体(b)の全質量を基準として、10〜40質量%が好適であり、15〜30質量%がより好適であり、20〜25質量%が特に好適である。
(入手方法)
本発明に係るトリブロック共重合体(b)としては、原料モノマーを重合することにより合成しても良いし、市販されているものを用いても良い。重合方法としては特に制限されるものではないが、重合法の具体例としては、トリブロック共重合体(a)と同様である。市販品としては、例えば、(株)クラレ製の「クラリティ(登録商標)シリーズ」等が挙げられる。
(トリブロック共重合体(a)とトリブロック共重合体(b)との配合比)
本発明に係る粘着剤組成物においては、固定性を効果的に発現させるために、トリブロック共重合体(a)とトリブロック共重合体(b)との配合比(トリブロック共重合体(a)とトリブロック共重合体(b)の合計量に対するトリブロック共重合体(b)の配合比)を、0.1質量%以上とすることが必要である。これにより、粘着剤組成物の固定性の向上効果が顕著に高まる。一方、トリブロック共重合体(b)の配合比が高過ぎると、ベースポリマーとしての性能が低下することから、粘着力、タック、保持力等の一般的特性が低下してしまうだけでなく、粘着剤組成物の固定性も低下してしまう。従って、トリブロック共重合体(a)の配合比が高くなるようにすることが好ましい。具体的には、トリブロック共重合体(b)の配合比を50質量%以下とすることが必要である。トリブロック共重合体(b)の配合量の下限値は、固定性の向上効果をより高めるために、1質量%以上とすることが好適であり、3質量%以上とすることがより好適であり、5質量%以上とすることが更に好適であり、10質量%以上とすることが特に好適である。一方、トリブロック共重合体(b)の配合量の上限値は、固定性の向上効果をより高め、一般的特性の低下を抑制するために、40質量%以下とすることが好適であり、30質量%以下とすることがより好適であり、20質量%以下とすることが特に好適である。
<粘着付与樹脂(c)>
本発明に係る粘着剤組成物は、上述したベースポリマーに加えて、更に、粘着付与樹脂(c)を必須成分として含有する。上述したトリブロック共重合体(a)及びトリブロック共重合体(b)のみでも、一般的な粘着剤組成物としての機能を有することはできるが、粘着力が低く、実用的でない。従って、本発明に係る粘着剤組成物は、粘着付与樹脂(c)を含有することで、粘着力を実用上十分なレベルまで高め、粘着力、タック、保持力といった粘着剤としての一般的な特性を満たすようにしている。
(トリブロック共重合体との相溶性)
ここで、粘着付与樹脂(c)は、トリブロック共重合体(a)及びトリブロック共重合体(b)とポリマーブレンドを形成できるように、トリブロック共重合体(a)及びトリブロック共重合体(b)と相溶性を有する樹脂である。このような相溶性を有する樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えば、ロジン系、テルペン系等を使用することができる。ロジン系樹脂としては、例えば、ロジンエステル、水添ロジンエステル、不均化ロジンエステル、重合ロジンエステル、ガムロジン、トール油ロジン、マレイン化ロジン、マレイン酸変性ロジン等が挙げられ、テルペン系樹脂としては、例えば、テルペンフェノール樹脂、水添テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、芳香族変性水添テルペン樹脂水素化テルペン樹脂、α−ピネン、β−ピネン、リモネン等を主体とするものが挙げられる。これらのうち、固定性を向上させるという観点からは、本発明に係る粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂を使用することが好適である。
(軟化点)
また、本発明に係る粘着付与樹脂(c)としては、軟化点が100℃以上のものを少なくとも1種類使用する。このような軟化点の高い粘着付与樹脂(c)を配合することで、粘着力、タック、保持力といった粘着剤として一般に要求される特性に加えて、固定性を著しく向上させることができる。特に、軟化点の高い(100℃以上の)粘着付与樹脂(c)を配合することにより、所定の被貼付面(例えば、壁面)に貼付物(例えば、ポスター等の紙類)を貼付する場合に発生するような、貼付物の弛みや反りによる応力や重力による鉛直方向のせん断力に耐え得る(貼付物が被貼付面から剥離しない)特性(せん断固定性)を著しく向上させることができる。この特性を更に向上させるという観点からは、粘着付与樹脂(c)の軟化点が110℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。
一方、粘着付与樹脂(c)の軟化点が高過ぎると、樹脂が硬くなり過ぎて、粘着剤として好適な粘性を得ることができない。そのため、粘着付与樹脂(c)の軟化点は、200℃以下であることが好ましく、170℃以下であることがより好ましく、165℃以下であることが更に好ましく、160℃以下であることが最も好ましい。尚、前記の好適な軟化点を有する粘着付与樹脂は、主成分(全粘着付与樹脂の合計質量を基準として50質量%以上である)ことが好ましい。
(配合量)
粘着付与樹脂(c)の配合量は、トリブロック共重合体(a)と前記トリブロック共重合体(b)の合計を100質量部としたときに、15質量部以上40質量部以下とすることが好ましい。粘着付与樹脂(c)の配合量が15質量部未満であると、その添加効果(粘着力や固定性の向上効果)が不十分となる恐れがある。粘着剤組成物の粘着力や固定性をより顕著に向上させるという観点からは、粘着付与樹脂(c)の配合量を25質量部以上とすることがより好ましい。一方、粘着付与樹脂(c)の配合量が40質量部を超えると、タックが低下する恐れがある。
<任意成分:軟化剤(d)>
本発明に係る粘着剤組成物は、上述したベースポリマーに加えて、更に、軟化剤(d)を任意成分として含有していてもよい。上述したトリブロック共重合体(a)及びトリブロック共重合体(b)のみでも、本発明に係る粘着剤組成物としての機能を有することはできるが、粘着力が低く、実用上不十分な場合がある。従って、本発明に係る粘着剤組成物は、軟化剤(d)を含有することで、粘着力を実用上十分なレベルまで高め、粘着力、タック、保持力といった粘着剤としての一般的な特性を満たすようにしている。
(トリブロック共重合体との相溶性)
ここで、軟化剤(d)は、トリブロック共重合体(a)及びトリブロック共重合体(b)とポリマーブレンドを形成できるように、トリブロック共重合体(a)及びトリブロック共重合体(b)と相溶性を有する樹脂である。このような相溶性を有する化合物としては、特に制限されるものではないが、例えば、トリブロック共重合体(a)のセグメントA及びセグメントBと同様のセグメントを有するAB型のジブロック共重合体、アクリルポリマー、アクリルオリゴマー、液状ゴム(例えば、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン)、プロセスオイル、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、脂肪族エステル類、ポリエーテル類等が挙げられる。これらの化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの化合物のうち、トリブロック共重合体(a)及びトリブロック共重合体(b)と相溶性が良いことから、ジブロック共重合体を単独で用いるか、ジブロック共重合体とアクリルオリゴマーを組み合わせて用いることが特に好適である。
上記ジブロック共重合体としては、上述したトリブロック共重合体(a)のセグメントA及びセグメントBと同様のセグメントを有していれば特に限定はされない。ただし、軟化剤(d)とトリブロック共重合体(a)及びトリブロック共重合体(b)との相溶性を考慮すると、ジブロック共重合体のセグメントA及びBが、それぞれ、トリブロック共重合体(a)のセグメントA及びBと同一の構成モノマーからなることが好適である。この場合に、トリブロック共重合体(b)のセグメントAの構成モノマーが、ジブロック共重合体及びトリブロック共重合体のセグメントAと同一であり、トリブロック共重合体(b)のセグメントBの上記「別の構成モノマー」が、ジブロック共重合体及びトリブロック共重合体のセグメントBと同一であることが最も相溶性が高くなるため、好ましい。また、上記アクリルオリゴマー、液状ゴムについては、トリブロック共重合体(a)及びトリブロック共重合体(b)との相溶性が高くなるため好ましい。
(配合量)
粘着剤組成物のタックを向上させるという観点から、軟化剤(d)を配合してもよい。軟化剤(d)の配合量は、トリブロック共重合体(a)と前記トリブロック共重合体(b)の合計を100質量部としたときに、250質量部以下とすることが好ましい。軟化剤(d)の配合量が250質量部を超えると、粘着剤組成物の保持力の低下が起こる可能性がある。よって、固定性向上のためには、200質量部以下であることがより好ましく、150質量部以下であることが更に好ましい。尚、下限値は特に限定されず、例えば、50質量部である。
<任意成分:その他>
また、本発明に係る粘着剤組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、着色剤、染色剤等のその他の添加剤を一種又は二種以上添加してもよい。
≪粘着剤組成物の形態≫
以上、本発明に係る粘着剤組成物の組成について詳細に説明したが、この粘着剤組成物は、上述したトリブロック共重合体(a)、トリブロック共重合体(b)、粘着付与樹脂(c)、軟化剤(d)及び任意成分(粘着剤原料)を所定の溶媒に溶解させた溶液型の粘着剤組成物とすることもできるし、上記粘着剤原料を溶融させて混練したホットメルト型の粘着剤組成物とすることもできる。なお、溶液型の場合に用いる溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチル等の有機溶媒を用いることができる。
≪粘着剤組成物の用途≫
以上説明したような本発明に係る粘着剤組成物は、粘着テープ(片面又は両面)等の用途に用いることができる。以下に、本発明に係る粘着剤組成物の用途の一例として、基材の両面に上述した粘着剤組成物を塗布してなる両面粘着テープについて説明する。なお、片面粘着テープの場合も、粘着剤が基材の片面に塗布されていること以外は同様である。
本発明に係る粘着剤組成物を適用した両面粘着テープは、基材の両面に上述した粘着剤組成物が塗布されており、さらに、粘着剤組成物の表面には、必要に応じて剥離紙が付着される。
基材としては、粘着剤組成物を塗布可能なフィルム状やシート状等の形状であれば特に制限はされないが、例えば、クラフト紙、和紙、クレープ紙等の紙や、レーヨン、綿、アセテート、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)等からなる不織布や、セロハン、塩化ビニル、PE、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、四フッ化エチレン、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)等の樹脂フィルムや、ポリウレタン、PE、ブチルゴム等の樹脂発泡体や、アルミニウム、銅等の金属箔や、天然ゴム、SBR、ブチルゴム等のゴムシート等を用いることができる。
また、粘着剤組成物を基材に塗布する手法としても特に限定はされないが、粘着剤原料を有機溶剤に溶解させて塗布する手法(溶展法)、複数の熱ロールで薄出しして塗布する手法(キャレンダー法)、粘着剤原料を熱溶融させて塗布する手法(ホットメルト法)等の公知の手法を用いることができる。
次に、本発明を実施例及び比較例により、更に具体的に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
<原材料の説明>
以下の原材料を用いて、実施例1〜27、比較例1〜7の両面粘着テープを作製した。
[トリブロック共重合体(a)]
トリブロック共重合体(a−1): メタクリル酸メチル(MMA)・アクリル酸n−ブチル(n−BA)共重合体(トリブロック体、ハードセグメント(セグメントA)がMMA、ソフトセグメント(セグメントB)がn−BA、ハードセグメント含有量16質量%)、分子量140,000
トリブロック共重合体(a−2): メタクリル酸メチル(MMA)・アクリル酸n−ブチル(n−BA)共重合体(トリブロック体、ハードセグメント(セグメントA)がMMA、ソフトセグメント(セグメントB)がn−BA、ハードセグメント含有量22質量%)、分子量115,000
トリブロック共重合体(a−3): メタクリル酸メチル(MMA)・アクリル酸n−ブチル(n−BA)共重合体(トリブロック体、ハードセグメント(セグメントA)がMMA、ソフトセグメント(セグメントB)がn−BA、ハードセグメント含有量23質量%)、分子量75,000
トリブロック共重合体(a−4): メタクリル酸メチル(MMA)・アクリル酸n−ブチル(n−BA)共重合体(トリブロック体、ハードセグメント(セグメントA)がMMA、ソフトセグメント(セグメントB)がn−BA、ハードセグメント含有量12質量%)、分子量180,000
[トリブロック共重合体(b)]
トリブロック共重合体(b−1): メタクリル酸メチル・アクリル酸n−ブチル・アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)共重合体(トリブロック体、ハードセグメントがMMA、ソフトセグメントがn−BAと2EHAで、n−BA:2EHA=50:50(質量比)、ハードセグメント含有量23質量%) 分子量100,000
トリブロック共重合体(b−2): メタクリル酸メチル・アクリル酸n−ブチル・アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)共重合体(トリブロック体、ハードセグメントがMMA、ソフトセグメントがn−BAと2EHAで、n−BA:2EHA=20:80(質量比)、ハードセグメント含有量23質量%) 分子量100,000
トリブロック共重合体(b−3): メタクリル酸メチル・アクリル酸n−ブチル・アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)共重合体(トリブロック体、ハードセグメントがMMA、ソフトセグメントがn−BAと2EHAで、n−BA:2EHA=80:20(質量比)、ハードセグメント含有量23質量%) 分子量100,000
トリブロック共重合体(b−4): メタクリル酸メチル・アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)共重合体(トリブロック体、ハードセグメントがMMA、ソフトセグメントが2EHA、ハードセグメント含有量23質量%) 分子量80,000
[粘着付与樹脂(c)]
ペンセルA: ロジンエステル(軟化点100℃)
ペンセルD−125: 重合ロジンエステル(軟化点125℃)
ペンセルD−135: 重合ロジンエステル(軟化点135℃)
ペンセルD−160: 重合ロジンエステル(軟化点160℃)
YSポリスターG150: テルペンフェノール共重合体(軟化点150℃)
[軟化剤(d)]
クラリティLA1114: メタクリル酸メチル・アクリル酸n−ブチル共重合体(ジブロック体、ハードセグメントがMMA、ソフトセグメントがn−BA)
アルフォン(登録商標)UP−1000:無官能基タイプのアクリルポリマー
<製造方法>
上記原材料を下記表1に示す配合量(単位は質量部)で溶展法にて両面粘着テープを作製した。具体的には、トルエンに上記原材料を下記表1に示す配合量で添加し、撹拌して原材料を溶解させ、溶液型粘着剤組成物を作製した(固形分濃度50質量%)。次いで、得られた粘着剤組成物を剥離紙にアプリケーターにて糊引きした。100℃のオーブンで3分間乾燥後、粘着剤組成物に不織布(I)を貼り合せた。続いて、上記と同様にして剥離紙に粘着剤組成物を糊引きし、乾燥後、(I)の不織布側に貼り合せ、両面粘着テープを作製した。粘着剤組成物の塗布量は両面とも25g/mとした。最後に、粘着剤と不織布の投錨を良くするため、120℃の熱ラミネートを実施し、実施例1〜27及び比較例1〜7の両面粘着テープを作製した。
<評価方法>
上記のようにして作製した実施例1〜27及び比較例1〜7の両面粘着テープに関し、以下の方法で各特性の評価を行った。
(1)基本特性(SUS粘着力、プローブタック、ボールタック、ガラス保持力)
基本特性については、JIS Z 0237 に準じて測定した。ただし、SUS粘着力の評価においては、試験板及び圧着方法としてJIS Z 0237で規定された方法とは異なる方法を用いた。具体的には、SUS粘着力の評価においては、試験板として、JIS G 4305に規定するSUS304鋼板を表面研磨仕上げしたものを用いた。また、圧着の際には、2000gのローラを300mm/分の速度で1往復させ、圧着後20〜40分放置した後に、粘着力を測定した(その他はJIS Z 0237と同様である)。
(2)せん断固定性試験
A2サイズ、坪量87g/m、厚さ125μmのアスクル製カラーコート紙(ポスター)の四隅に15mm角の両面粘着テープを貼付した。その後、サンゲツ製塩化ビニル壁紙SP7204を貼り付けた壁に、カラーコート紙を強く指で押し付け貼付し、40℃、約10%RHの環境下に12時間以上放置した。このとき、貼付後、壁からポスターが落下するまでの落下時間を計測し、以下の基準で評価した。
A:落下時間が4日以上
B:落下時間が24時間以上4日未満
C:落下時間が5時間以上24時間未満
D:落下時間が5時間未満
(3)反発固定性試験
A4サイズ、坪量500g/mの今村紙工製板目表紙(厚紙)の短辺の端に合わせて15mm幅の両面粘着テープを貼付し、直径78mmの紙管に沿って厚紙を丸めてもう一端の短辺と貼り合せ、円筒を作成した。このとき、貼付後、円筒が開く(厚紙の貼り合わせた部分が剥離する)までの剥離時間を計測し、以下の基準で評価した。
A:剥離時間が6日以上
B:剥離時間が24時間以上6日未満
C:剥離時間が5時間以上24時間未満
D:剥離時間が5時間未満
<評価結果>
PMMA/Pn−BA/PMMAトリブロック共重合体に加えて、PMMA/Pn−BA−2EHA/PMMAを添加することで、粘着力、タック及び保持力を維持したまま、厚紙を筒状にして固定する紙工作といったような剥がれる反発の力に耐え得る反発固定性が著しく向上することがわかった。なお、基本特性については、実施例1では、SUS粘着力が7.6[N/15mm]、プローブタックが9.3[N/5mmφ]、ボールタックがNo.12、ガラス保持力が0.2[mm/15・20・1kg・1h]であった。また、その他の実施例及び比較例では、実施例1とほぼ同等の結果が得られた。
また、軟化点の高い粘着付与樹脂を添加することにより、反発固定性に加えて、ポスター貼りといったような紙の弛みや反りによる応力、重力による垂直方向のせん断力に耐え得るせん断固定性が向上することがわかった。
Figure 0006431854
Figure 0006431854
Figure 0006431854
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述した形態に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で当業者が想到し得る他の形態または各種の変更例についても本発明の技術的範囲に属するものと理解される。

Claims (8)

  1. メタクリル酸エステルを主体とするセグメントAとアクリル酸エステルを主体とするセグメントBとからなるABA型のトリブロック共重合体(a)と、
    メタクリル酸エステルを主体とするセグメントAとアクリル酸エステルを主体とするセグメントBとからなるABA型のトリブロック共重合体(b)と、
    前記トリブロック共重合体(a)及び前記トリブロック共重合体(b)と相溶性を有する軟化点が110℃以上の粘着付与樹脂(c)と、
    を含有し、
    前記トリブロック共重合体(b)のセグメントBの構成モノマーとして、アクリル酸−2−エチルヘキシルを有し、
    前記トリブロック共重合体(a)のセグメントBの構成モノマーとして、アクリル酸−2−エチルヘキシルを有せず、
    前記トリブロック共重合体(a)と前記トリブロック共重合体(b)の合計量に対する前記トリブロック共重合体(b)の配合比が、0.1質量%以上50質量%以下であり、
    前記粘着付与樹脂(c)の配合量が、前記トリブロック共重合体(a)と前記トリブロック共重合体(b)の合計を100質量部としたときに、15質量部以上である、粘着剤組成物。
  2. 前記トリブロック重合体(a)の重量平均分子量が、60,000以上400,000以下である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記粘着付与樹脂(c)の配合量が、前記トリブロック共重合体(a)と前記トリブロック共重合体(b)の合計を100質量部としたときに、15質量部以上40質量部以下である、請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記トリブロック共重合体(b)のセグメントBの構成モノマーが、アクリル酸−n−ブチル及びアクリル酸−2−エチルヘキシルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  5. 前記トリブロック共重合体(b)のセグメントBにおけるアクリル酸−n−ブチル(BA)とアクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)との配合比が、質量比で、BA:2EHA=75:25〜5:95である、請求項4に記載の粘着剤組成物。
  6. 前記トリブロック共重合体(a)及び前記トリブロック共重合体(b)と相溶性を有する軟化剤(d)を更に含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  7. 前記軟化剤(d)が、前記トリブロック共重合体(a)のセグメントA及びセグメントBと同様のセグメントを有するAB型のジブロック共重合体、アクリルオリゴマー及び液状ゴムからなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物である、請求項6に記載の粘着剤組成物。
  8. 基材の少なくとも一方の面に、請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着剤組成物を塗布してなる、粘着テープ。
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