JP6431750B2 - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の構造及びその製造方法について、図1から図5を参照しつつ説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、第1実施形態に係る半導体装置10の構造を模式的に示した斜視図である。図1に示すように、半導体装置10は、主な構成部材として、基板1と、絶縁層2と、プラグ3と、ダミーパターン4と、抵抗体5と、電圧印加端子6、7とを備えている。より詳しくは、半導体装置10は、基板1と、基板1の上方に形成された抵抗体5と、抵抗体5の上方に形成された上部ダミーパターン43と、基板1と抵抗体5との間に形成された中間ダミーパターン42と、中間ダミーパターン42と基板1との間に形成された下部ダミーパターン41と、を備えている。そして、上部、中間、下部の各ダミーパターン43、42、41の各熱伝導率は、抵抗体5を囲む絶縁層2の熱伝導率より高い。また、上部、中間、下部の各ダミーパターン43、42、41は、絶縁層2の熱伝導率より高い熱伝導率を有するプラグ3を介して基板1に接続されている。以下、この半導体装置10を構成する各部材の詳細について説明する。
基板1は、半導体基板であって、例えば、シリコン(Si)基板である。より詳しくは、基板1は、例えば、P型不純物もしくはN型不純物が5×1014個/cm3〜約1×1016個/cm3の濃度で導入された単結晶のSi基板であり、Si基板表面の面方位は(111)である。なお、不純物濃度が低いほど、基板1の熱伝導率が高くなり好ましい。
基板1の上方には、Y軸方向に沿って延びる抵抗体5が形成されている。ここで、「Y軸方向」とは、抵抗体5に電圧を印加した際に電流が流れる方向を指す。また、後述する「X軸方向」とは、Y軸方向と直交する方向であって、基板1の表面に水平な方向を指す。また、「Z軸方向」とは、Y軸方向と直交する方向であって、基板1の表面に垂直な方向を指す。
抵抗体5は、金属で形成された抵抗素子であって、例えば、窒化タンタル(TaN)で形成された抵抗素子である。
抵抗体5の上面5aの両端部には、抵抗体5に電圧を印加するための端子である電圧印加端子6、7が対向して形成されている。この電圧印加端子6、7は、抵抗体5の上面5aからZ軸方向に向かって延びており、その形状は互いに直方体である。また、電圧印加端子6、7のサイズは略同じである。
電圧印加端子6、7は、金属で形成された端子であって、例えば、タングステン(W)やアルミニウム(Al)で形成された端子である。
ダミーパターン4は、後述する上部、中間、下部の各ダミーパターン43、42、41で構成されている。以下、各ダミーパターンについて詳しく説明する。
抵抗体5の上方には、X軸方向に延びる上部ダミーパターン43が形成されている。この上部ダミーパターン43は、その形状が直方体である。また、基板1とは反対側に位置する上面43aと、基板1側に位置する下面43bとは、基板1の表面に対して略平行に配置されている。このため、上部ダミーパターン43の形状は、Z軸方向から見た場合に四角形である。また、上部ダミーパターン43は、Z軸方向から見た場合に電圧印加端子6、7の間に配置されており、且つ抵抗体5の中央部分と重なっている。換言すると、平面視で、抵抗体5の中央部分は上部ダミーパターン43で覆われている。
なお、上部ダミーパターン43と抵抗体5とは絶縁されており、上部ダミーパターン43と抵抗体5との間には、後述する絶縁層2が形成されている。また、上部ダミーパターン43の厚みは、抵抗体5の厚みより厚い。
基板1と、抵抗体5の下面5bとの間には、X軸方向に延びる中間ダミーパターン42が形成されている。この中間ダミーパターン42は、その形状が直方体である。また、基板1とは反対側に位置する上面42aと、基板1側に位置する下面42bとは、基板1の表面に対してそれぞれ平行に配置されている。このため、中間ダミーパターン42の形状は、Z軸方向から見た場合に四角形である。また、中間ダミーパターン42は、Z軸方向から見た場合に抵抗体5の中央部分と重なっている。また、中間ダミーパターン42の平面形状は、上部ダミーパターン43の平面形状と略同じであり、中間ダミーパターン42は、Z軸方向から見た場合に上部ダミーパターン43と重なっている。
なお、中間ダミーパターン42と抵抗体5とは絶縁されており、中間ダミーパターン42と抵抗体5との間には、絶縁層2が形成されている。つまり、中間ダミーパターン42と上部ダミーパターン43とで挟まれた抵抗体5は、絶縁層2で覆われている。また、中間ダミーパターン42の厚みは、抵抗体5の厚みより厚く、上部ダミーパターン43の厚みより薄い。
基板1と、中間ダミーパターン42の下面42bとの間には、X軸方向に延びる下部ダミーパターン41が形成されている。この下部ダミーパターン41は、その形状が直方体であり、中間ダミーパターン42の形状と略同じである。また、下部ダミーパターン41の基板1とは反対側に位置する上面41aと、下部ダミーパターン41の基板1側に位置する下面41bとは、基板1の表面に対してそれぞれ平行に配置されている。このため、下部ダミーパターン41の形状は、Z軸方向から見た場合に四角形である。また、下部ダミーパターン41の平面形状は、上部、中間の各ダミーパターン43、42の平面形状と略同じであり、下部ダミーパターン41は、Z軸方向から見た場合に上部、中間の各ダミーパターン43、42と重なっている。
なお、下部ダミーパターン41と中間ダミーパターン42とは絶縁されており、下部ダミーパターン41と中間ダミーパターン42との間には、絶縁層2が形成されている。さらに、下部ダミーパターン41と基板1との間にも絶縁層2が形成されている。また、下部ダミーパターン41の厚みは、抵抗体5の厚みより厚く、上部ダミーパターン43の厚みより薄い。
プラグ3は、後述する上部、中間、下部の各プラグ33、32、31で構成されている。以下、詳しく説明する。
上部ダミーパターン43と中間ダミーパターン42との間には、上部ダミーパターン43の下面43bと中間ダミーパターン42の上面42aの各端部をそれぞれ接続する一対の上部プラグ33が対向するように形成されている。また、中間ダミーパターン42と下部ダミーパターン41との間には、中間ダミーパターン42の下面42bと下部ダミーパターン41の上面41aの各端部をそれぞれ接続する一対の中間プラグ32が対向するように形成されている。さらに、下部ダミーパターン41と基板1との間には、下部ダミーパターン41の下面41bの端部と基板1の表面とをそれぞれ接続する一対の下部プラグ31が対向するように形成されている。つまり、上部、中間、下部の各ダミーパターン43、42、41は、プラグ3を介して基板1に接続されており、互いに熱接触している。
上部プラグ33間には、抵抗体5が位置している。換言すると、抵抗体5は、上部ダミーパターン43と中間ダミーパターン42との間に位置しており、且つ上部プラグ33間に位置している。さらに、抵抗体5は、上部ダミーパターン43、中間ダミーパターン42、上部プラグ33のいずれとも絶縁されている。
なお、上部プラグ33のZ軸方向の長さは、中間プラグ32と下部プラグ31のZ軸方向の長さと比較して長い。なお、中間プラグ32と下部プラグ31の形状は、略同じである。
上部、中間、下部の各ダミーパターン43、42、41、抵抗体5及びプラグ3の周囲には、それらを覆う絶縁層2が形成されている。換言すると、上部、中間、下部の各ダミーパターン43、42、41、抵抗体5及びプラグ3のそれぞれは、絶縁層2によって覆われている。
なお、絶縁層2は、後述するように、下部、中間、第1上部、第2上部の各絶縁層21、22、23、24を含んでいる。
上述のように、本実施形態に係る抵抗体5は、Z軸方向から見た場合に、上部ダミーパターン43及び中間ダミーパターン42と重なる部分を有している。この重なる部分が抵抗体5の上面5a及び下面5bに占める割合(つまり、抵抗体5の被覆率C)は、下記式(2)によって定義される。そして、この被覆率Cは、本実施形態に係る半導体装置10において60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
C=(SD1+SD2)/(SR1+SR2)×100 ・・・(2)
但し、
C:抵抗体5の被覆率(%)
SD1:Z軸方向から見た場合に、上部ダミーパターン43と抵抗体5の上面5aとが重なる部分の面積
SD2:Z軸方向から見た場合に、中間ダミーパターン42と、抵抗体5の下面5bとが重なる部分の面積
SR1:抵抗体5の上面5aの面積
SR2:抵抗体5の下面5bの面積
以下、本実施形態に係る半導体装置10の製造方法について、図2から図5を参照しつつ説明する。図2から図5は、本実施形態に係る半導体装置10の製造方法を工程順に示した製造工程断面図である。なお、各図の左側には、図1に示したA−A線における断面図を模式的に示しており、右側には、図1に示したB−B線における断面図を模式的に示している。
なお、図2(a)及び図2(b)に示した下部絶縁層21の表面は、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により平坦化されている。
その後、図2(c)及び図2(d)に示すように、露出させた基板1の表面に接続し、各貫通孔を埋める一対の下部プラグ31を形成する。この下部プラグ31は、例えば、WまたはAlの蒸着により形成することができる。
次に、図2(g)及び図2(h)に示すように、SiO2からなる中間絶縁層22を下部ダミーパターン41を覆うように形成する。この中間絶縁層22は、下部絶縁層21と同様に、例えばTEOSを用いたCVD法により形成することができる。なお、本実施形態では、中間絶縁層22の膜厚を下部絶縁層21の膜厚より厚く形成しているが、この中間絶縁層22の膜厚は適宜調節可能である。
次に、中間絶縁層22に、下部ダミーパターン41の両端部であって下部プラグ31の上方に位置する表面を露出させる一対の貫通孔(図示せず)を形成する。この貫通孔は、例えば、中間絶縁層22にドライエッチングを施して形成する。このドライエッチングは、中間絶縁層22がSiO2で形成されている場合、例えば、CF系ガスを用いて実施する。
次に、図3(c)及び図3(d)に示すように、積層方向から見た場合に下部ダミーパターン41と重なるように、各中間プラグ32と接続する中間ダミーパターン42を中間絶縁層22上に形成する。この中間ダミーパターン42は、下部ダミーパターン41と同様に、例えば、WまたはAlの蒸着により形成した金属膜をパターニングして形成することができる。
次に、図4(a)及び図4(b)に示すように、積層方向から見た場合に中間プラグ32間であって中間ダミーパターン42と重なるように、TaNからなる抵抗体5を第1上部絶縁層23上に形成する。この抵抗体5は、例えば、反応性スパッタリング法により形成したTaN膜をパターニングして形成することができる。
次に、第1、第2の各上部絶縁層23、24に、中間ダミーパターン42の両端部であって中間プラグ32の上方に位置する表面を露出させる一対の貫通孔(図示せず)を一貫して形成する。この貫通孔は、例えば、第1、第2の各上部絶縁層23、24にドライエッチングを施して形成する。このドライエッチングは、第1、第2の各上部絶縁層23、24がSiO2で形成されている場合、例えば、CF系ガスを用いて実施することができる。
次に、第2上部絶縁層24に、抵抗体5の両端部における表面の一部を露出させる一対の貫通孔を形成する。この貫通孔は、例えば、第2上部絶縁層24にドライエッチングを施して形成する。このドライエッチングは、第2上部絶縁層24がSiO2で形成されている場合、例えば、CF系ガスを用いて実施することができる。
以上の工程を経て、本実施形態に係る半導体装置10を製造する。
本実施形態に係る半導体装置10が奏する作用効果を検証するために、発明者らは、(1)抵抗値変動の印加電圧依存性、(2)端子間電圧依存性2次係数αの抵抗体被覆率依存性及び(3)端子間電圧依存性2次係数αの抵抗体幅依存性に関する実験を行った。以下、これらの実験結果について説明する。
発明者らは、本実施形態に係る半導体装置10に備わる抵抗体5に各電圧を印加し、その抵抗値変動を測定した。こうして得た各電圧に対する抵抗値変動から、抵抗値変動の印加電圧依存性に関する知見を得た。以下、この抵抗値変動の印加電圧依存性の実験結果について説明する。
図6に示した抵抗値変動の挙動から、抵抗値変動は、電圧印加端子6に印加した電圧(以下、単に「印加電圧」ともいう。)Vに対して、2次の依存性を有することがわかる。これは、抵抗体5の抵抗値は、印加電圧Vに対して「α×V2」で変動することを意味する。ここで、「α」は、端子間電圧依存性2次係数と呼ばれる係数であり、本実験に用いた半導体装置10の端子間電圧依存性2次係数αは、−47ppm/V2であった。
なお、図6では測定した各データを「◇」で示しており、図6に示した実線は、測定した各データをフィッティングして得た曲線である。そして、上述の端子間電圧依存性2次係数αは、このフィッティングカーブ(実線)から算出したものである。
発明者らは、抵抗体5の被覆率Cが異なる半導体装置を数種類作成し、各半導体装置における端子間電圧依存性2次係数αを測定した。こうして得た各被覆率Cに対する端子間電圧依存性2次係数αから、端子間電圧依存性2次係数αの抵抗体被覆率依存性に関する知見を得た。以下、この抵抗値変動の印加電圧依存性の実験結果について説明する。
抵抗体5の被覆率Cは高いほど好ましい。抵抗体5の被覆率Cは、例えば、60%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、95%以上であることが特に好ましい。
以下、本実験に用いた比較例に係る半導体装置20の構造と、その上部、中間の各ダミーパターン43、42の形状とについて、図8及び図9を参照しつつ説明する。
まず、比較例に係る半導体装置20の基本構造について説明する。
図8は、本実験で用いた半導体装置の構造を模式的に示した斜視図であって、図8(a)は比較例に係る半導体装置20の基本構造を示し、図8(b)は本実施形態に係る半導体装置10の構造を示している。この半導体装置20の基本構造は、本実施形態に係る半導体装置10の構造と比較して、上部プラグ33、中間プラグ32、下部ダミーパターン41、下部プラグ31を備えていない点で異なるが、それ以外の部分については同じである。このため、比較例に係る半導体装置20は、上部ダミーパターン43及び中間ダミーパターン42のいずれも基板1に接続されていない。
図9は、本実験に用いた比較例に係る半導体装置20に備わる上部、中間の各ダミーパターン43、42の形状を模式的に示した平面図である。
図9(a)は、所謂ラインアンドスペース(以下、単に「L&S」とも表記する。)で形成した中間ダミーパターン42の構造を模式的に示した図である。また、図9(b)は、L&Sで形成した上部ダミーパターン43の構造を模式的に示した図である。また、図9(c)は、平板状に形成した中間ダミーパターン42の構造を模式的に示した図である。また、図9(d)は、平板状に形成した上部ダミーパターン43の構造を模式的に示した図である。
発明者らは、抵抗体5の幅Wが異なる半導体装置を数種類作成し、各半導体装置の端子間電圧依存性2次係数αを測定した。こうして得た各抵抗体幅Wに対する端子間電圧依存性2次係数αから、端子間電圧依存性2次係数αの抵抗体幅依存性に関する知見を得た。以下、この端子間電圧依存性2次係数αの抵抗体幅依存性の実験結果について説明する。
この実験結果は、抵抗体5の幅Wを変化させた場合であっても、上部、中間、下部の各ダミーパターン43、42、41と、基板1とをプラグ3を介して接続することで、端子間電圧依存性2次係数αが大きくなる(絶対値では小さくなる)ことを意味している。
(1)本実施形態に係る半導体装置10は、基板1と、抵抗体5と、上部ダミーパターン43及び中間ダミーパターン42と、上部ダミーパターン43及び中間ダミーパターン42と基板1とを接続するプラグ3と、を備えている。また、抵抗体5は、Z軸方向から見た場合に上部ダミーパターン43及び中間ダミーパターン42と重なる部分を有しており、上部ダミーパターン43、中間ダミーパターン42及びプラグ3の各熱伝導率は、抵抗体5を囲む絶縁層2の熱伝導率より高くなっている。
このため、抵抗体5に電圧を印加して発生した熱を、上部ダミーパターン43、中間ダミーパターン42及びプラグ3を通じで基板1に確実に逃がすことができる。このため、抵抗体5自身及びその周辺の温度変化によって生じる抵抗体5の抵抗値変動を確実に抑制することができる。
このため、抵抗体5に電圧を印加して発生した熱を、上部ダミーパターン43、中間ダミーパターン42及びプラグ3を通じで基板1により確実に逃がすことができる。このため、抵抗体5自身及びその周辺の温度変化によって生じる抵抗体5の抵抗値変動をより確実に抑制することができる。
このため、抵抗体5を実装・使用時の熱に対しても安定な抵抗体とすることができる。
(5)また、本実施形態では、上部ダミーパターン43及び中間ダミーパターン42と、プラグ3とを金属で形成している。
このため、ダミーパターン及びプラグの形成が容易となり、半導体装置の製造コストが高騰するのを抑制することができる。
このため、ダミーパターン及びプラグの形成がさらに容易となり、半導体装置の製造コストが高騰するのをさらに抑制することができる。
以下、第2から第4の各実施形態に係る半導体装置の構造を、図11を参照しつつ説明する。図11は、第2から第4の各実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示した斜視図である。より詳しくは、図11(a)は、第2実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示した斜視図である。また、図11(b)は、第3実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示した斜視図である。また、図11(c)は、第4実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示した斜視図である。以下、各実施形態の詳細について説明する。
なお、第1実施形態に係る半導体装置10と同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[第2実施形態]
図11(a)に示すように、第2実施形態に係る半導体装置11は、基板1と、基板1の上方に形成された抵抗体5と、抵抗体5の上方に形成された上部ダミーパターン43と、基板1と抵抗体5との間に形成された下部ダミーパターン41とを備えている。そして、上部、下部の各ダミーパターン43、41の各熱伝導率は、抵抗体5を囲む絶縁層(図示せず)の熱伝導率より高い。また、上部、下部の各ダミーパターン43、41は、上記絶縁層の熱伝導率より高い熱伝導率を有する上部、下部の各プラグ33、31を介して基板1に接続されている。また、抵抗体5は、一対の電圧印加端子6、7を備えている。
以下、第2実施形態に係る半導体装置11の製造方法について、第1実施形態に係る半導体装置10の製造方法を説明する際に用いた図を参照しつつ、簡単に説明する。
まず、基板1上に下部絶縁層21を形成する。その後、下部絶縁層21に基板1に接続する下部プラグ31を形成する。
次に、下部絶縁層21上に、下部プラグ31に接続する下部ダミーパターン41を形成する。その後、下部絶縁層21上に、下部ダミーパターン41を覆う第1上部絶縁層23を形成する。
次に、第1、第2の各上部絶縁層23、24に、下部ダミーパターン41に接続し、抵抗体5に接続しない上部プラグ33を下部プラグ31の上方に形成する。その後、第2上部絶縁層24上に、上部プラグ33に接続し、積層方向から見た場合に抵抗体5と少なくとも一部が重なるように上部ダミーパターン43を形成するとともに、抵抗体5に接続する電圧印加端子6、7を形成する。
こうして、第2実施形態に係る半導体装置11を製造する。
第2実施形態に係る半導体装置11であっても、第1実施形態に係る半導体装置10と同様の作用効果を奏する。また、第2実施形態に係る半導体装置11であれば、中間ダミーパターン42及び中間プラグ32を設ける必要がないので、製造工程数を少なくすることができる。よって、タクトタイムを短縮することができる。また、半導体装置の低背化を実現することができる。
(構造)
図11(b)に示すように、第3実施形態に係る半導体装置12は、基板1と、基板1の上方に形成された抵抗体5と、抵抗体5の上方に形成された上部ダミーパターン43とを備えている。そして、上部ダミーパターン43の熱伝導率は、抵抗体5を囲む絶縁層(図示せず)の熱伝導率より高い。また、上部ダミーパターン43は、上記絶縁層の熱伝導率より高い熱伝導率を有する上部プラグ33を介して基板1に接続されている。また、抵抗体5は、一対の電圧印加端子6、7を備えている。
なお、本実施形態に係る半導体装置12において、「上部ダミーパターン43」は「第1のダミーパターン」に相当するものである。
以下、第3実施形態に係る半導体装置12の製造方法について、第1実施形態に係る半導体装置10の製造方法を説明する際に用いた図を参照しつつ、簡単に説明する。
まず、基板1上に、第1上部絶縁層23を形成する。その後、第1上部絶縁層23上に、抵抗体5を形成する。
次に、第1上部絶縁層23上に、抵抗体5を覆う第2上部絶縁層24を形成する。その後、第1、第2の各上部絶縁層23、24に、基板1に接続し、抵抗体5に接続しない上部プラグ33を形成する。
次に第2上部絶縁層24上に、上部プラグ33に接続し、積層方向から見た場合に抵抗体5と少なくとも一部が重なるように上部ダミーパターン43を形成するとともに、抵抗体5に接続する電圧印加端子6、7を形成する。
こうして、第3実施形態に係る半導体装置12を製造する。
第3実施形態に係る半導体装置12であっても、第1実施形態に係る半導体装置10と同様の作用効果を奏する。また、第3実施形態に係る半導体装置12であれば、中間、下部の各ダミーパターン42、41と、中間、下部の各プラグ32、31とを設ける必要がないので、製造工程数を少なくすることができる。よって、タクトタイムを短縮することができる。また、半導体装置の低背化を実現することができる。
(構造)
図11(c)に示すように、第4実施形態に係る半導体装置13は、基板1と、基板1の上方に形成された抵抗体5と、基板1と抵抗体5との間に形成された下部ダミーパターン41とを備えている。そして、下部ダミーパターン41の熱伝導率は、抵抗体5を囲む絶縁層(図示せず)の熱伝導率より高い。また、下部ダミーパターン41は、上記絶縁層の熱伝導率より高い熱伝導率を有する下部プラグ31を介して基板1に接続されている。また、抵抗体5は、一対の電圧印加端子6、7を備えている。
なお、本実施形態に係る半導体装置13において、「下部ダミーパターン41」は「第1のダミーパターン」に相当するものである。
以下、第4実施形態に係る半導体装置13の製造方法について、第1実施形態に係る半導体装置10の製造方法を説明する際に用いた図を参照しつつ、簡単に説明する。
まず、基板1上に下部絶縁層21を形成する。その後、下部絶縁層21に基板1に接続する下部プラグ31を形成する。
次に、下部絶縁層21上に、下部プラグ31に接続する下部ダミーパターン41を形成する。その後、下部絶縁層21上に、下部ダミーパターン41を覆う第1上部絶縁層23を形成する。
次に、第2上部絶縁層24に、抵抗体5に接続する電圧印加端子6、7を形成する。
こうして、第4実施形態に係る半導体装置13を製造する。
第4実施形態に係る半導体装置13であっても、第1実施形態に係る半導体装置10と同様の作用効果を奏する。また、第4実施形態に係る半導体装置13であれば、上部、中間の各ダミーパターン43、42と、上部、中間の各プラグ33、32とを設ける必要がないので、製造工程数を少なくすることができる。よって、タクトタイムを短縮することができる。また、半導体装置の低背化を実現することができる。
(1)上述の各実施形態では、上部、中間、下部の各ダミーパターン43、42、41や、上部、中間、下部の各プラグ33、32、31、或いは電圧印加端子6、7について、それらの具体的な形状について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上述した形状は、適宜変更しても構わない。上部、中間、下部の各プラグ33、32、31や電圧印加端子6、7は、例えば、円柱であってもよい。この場合であっても、上述の作用効果を奏することができる。
(6)また、上述の各実施形態では、各プラグ31、32、33を同一軸上に形成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。下層、中間の各プラグ31、32は、例えば、積層方向から見て抵抗体5と重ならないように形成されていてもよい。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例または実施形態も網羅すると解すべきである。
2 絶縁層
21 下部絶縁層
22 中間絶縁層
23 第1上部絶縁層
24 第2上部絶縁層
3 プラグ
31 下部プラグ
31a 下部プラグの上面
31b 下部プラグの下面
32 中間プラグ
32a 中間プラグの上面
32b 中間プラグの下面
33 上部プラグ
33a 上部プラグの上面
33b 上部プラグの下面
4 ダミーパターン
41 下部ダミーパターン
41a 下部ダミーパターンの上面
41b 下部ダミーパターンの下面
42 中間ダミーパターン
42a 中間ダミーパターンの上面
42b 中間ダミーパターンの下面
43 上部ダミーパターン
43a 上部ダミーパターンの上面
43b 上部ダミーパターンの下面
5 抵抗体
5a 抵抗体の上面
5b 抵抗体の下面
6 電圧印加端子
7 電圧印加端子
10 半導体装置
11 半導体装置
12 半導体装置
13 半導体装置
20 半導体装置
21 半導体装置
W 抵抗体の幅
α 端子間電圧依存性2次係数
C 被覆率
SD1 上部ダミーパターンと抵抗体の上面との重なり面積
SD2 中間ダミーパターンと抵抗体の上面との重なり面積
SR1 抵抗体の上面の面積
SR1 抵抗体の下面の面積
Claims (9)
- 基板と、
前記基板の上方に形成され、絶縁層で囲まれた抵抗素子と、
前記基板と前記抵抗素子との間に形成され、素子として使用しない第1のダミーパターン及び前記抵抗素子の上方に形成され、素子として使用しない第2のダミーパターンと、
前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの少なくとも一方と、前記基板とを接続する接続部と、を備え、
前記抵抗素子は、前記抵抗素子側から前記基板側に向かって見た場合に前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの少なくとも一方と重なる部分を有しており、
前記第1のダミーパターン、前記第2のダミーパターン及び前記接続部の熱伝導率はそれぞれ、前記絶縁層の熱伝導率より高い半導体装置。 - 前記抵抗素子は、前記抵抗素子側から前記基板側に向かって見た場合に前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンのそれぞれと重なる部分を有しており、
下記式(1)で定義される前記抵抗素子の被覆率Cは、49%以上である請求項1に記載の半導体装置。
C=(SD1+SD2)/(SR1+SR2)×100 ・・・(1)
但し、
C:前記抵抗素子の被覆率(%)
SD1:前記抵抗素子側から前記基板側に向かって見た場合に、前記第1のダミーパターンと、前記抵抗素子における前記第1のダミーパターン側の面とが重なる部分の面積
SD2:前記抵抗素子側から前記基板側に向かって見た場合に、前記第2のダミーパターンと、前記抵抗素子における前記第2のダミーパターン側の面とが重なる部分の面積
SR1:前記抵抗素子における前記第1のダミーパターン側の面積
SR2:前記抵抗素子における前記第2のダミーパターン側の面積 - 前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを備え、
前記抵抗素子の被覆率Cは、80%以上である請求項2に記載の半導体装置。 - 前記抵抗素子は、窒化タンタルで形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの少なくとも一方と、前記接続部とは、金属で形成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの少なくとも一方と、前記接続部とは、タングステン又はアルミニウムで形成されており、
前記絶縁層は、二酸化ケイ素で形成されており、
前記基板は、ケイ素で形成されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 基板上に、第1の絶縁層を形成する工程と、
前記第1の絶縁層に、前記基板に接続する第1の接続部を形成する工程と、
前記第1の絶縁層上に、前記第1の接続部に接続し、素子として使用しない第1のダミーパターンを形成する工程と、
前記第1の絶縁層上に、前記第1のダミーパターンを覆う第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の絶縁層上に、積層方向から見て前記第1のダミーパターンと少なくとも一部が重なるように抵抗素子を形成する工程と、
前記第2の絶縁層上に、前記抵抗素子を覆う第3の絶縁層を形成する工程と、を有し、
前記第1のダミーパターン及び前記第1の接続部の熱伝導率を、前記抵抗素子を囲む前記第2の絶縁層及び前記第3の絶縁層の熱伝導率より高くする半導体装置の製造方法。 - 基板上に、第1の絶縁層を形成する工程と、
前記第1の絶縁層上に、抵抗素子を形成する工程と、
前記第1の絶縁層上に、前記抵抗素子を覆う第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層に、前記基板に接続し、前記抵抗素子に接続しない第1の接続部を形成する工程と、
前記第2の絶縁層上に、前記第1の接続部に接続し、積層方向から見て前記抵抗素子と少なくとも一部が重なるように第1のダミーパターンを形成する工程と、を有し、
前記第1のダミーパターン及び前記第1の接続部の熱伝導率を、前記抵抗素子を囲む前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層の熱伝導率より高くする半導体装置の製造方法。 - 前記第2の絶縁層及び前記第3の絶縁層に、前記第1のダミーパターンに接続し、前記抵抗素子に接続しない第2の接続部を形成する工程と、
前記第3の絶縁層上に、前記第2の接続部に接続し、積層方向から見て前記抵抗素子と少なくとも一部が重なるように第2のダミーパターンを形成する工程と、をさらに有する請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
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