JP4536408B2 - 集積回路装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モノリシック型の温度センサを内蔵した集積回路装置に関する。
近時、集積回路装置において、熱による素子の破壊を防止すること、及びその特性が温度依存性を持つ素子の動作を安定化することを目的として、集積回路装置の動作温度をモニタする必要性が高まってきている。
このため、例えば、半導体集積回路装置内において、LSI(Large Scale Integrated circuit:大規模集積回路)と同一の基板上に温度センサを設け、この温度センサによって検出される温度が所定値を超えたときに、異常過熱と判断してLSIを遮断状態とすることにより、LSIを温度上昇による熱破壊から保護する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、このような温度センサとして、寄生pn接合ダイオードを使用する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、温度センサとして寄生pnダイオードを使用する技術においては、寄生pn接合ダイオードの温度係数が0.2(%/K)程度と低く、十分なSNR(Signal-to-Noise Ratio:信号対雑音比)を得ることができないという問題点がある。
そこで、本発明者等は、電気抵抗率の温度係数の絶対値が大きい抵抗体として、酸化バナジウム膜を形成する技術を開発し、これを開示した(例えば、特許文献3参照)。
特開平1−302849号公報 特開平9−229778号公報 特開平11−330051号公報
しかしながら、上述の従来の技術には、以下に示すような問題点がある。集積回路内に、例えば酸化バナジウム膜等からなる抵抗体を形成し、この抵抗体の抵抗値を測定することによって集積回路装置の温度を測定する場合、集積回路装置の内部又は外部の環境の影響により、抵抗体の周囲の温度が不均一になることがある。例えば、抵抗体の周囲に配置された配線等に電流が流れることにより、局所的に温度が上昇し、抵抗体の周囲の温度が不均一になる。この場合、抵抗体内部の温度も不均一となり、従って、抵抗体内部の抵抗率も不均一となるため、温度を精度よく且つ安定に測定することができなくなる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、温度センサとして温度に応じて電気抵抗値が変化する抵抗体を備えた集積回路装置において、温度を精度よく且つ安定に測定することができる温度センサを備えた集積回路装置を提供することを目的とする。
本発明に係る集積回路装置は、2本の配線間に接続され温度に応じて電気抵抗値が変化する温度モニタ部材と、金属又は合金からなり前記温度モニタ部材の上方及び下方のうち少なくとも一方に配置され前記温度モニタ部材の表面に垂直な方向から見て前記温度モニタ部材の半分以上の領域と重なる均熱部材と、を有し、
前記温度モニタ部材及び前記均熱部材が基板の上方に配置されたものであり、前記均熱部材が前記温度モニタ部材にビアにより電気的に接続されるとともに、前記均熱部材がビアにより前記基板に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明においては、温度モニタ部材の上方及び下方のうち少なくとも一方に均熱部材が設けられているため、集積回路装置の外部からの熱の伝導が不均一であったり、温度モニタ部材の周囲で局所的な発熱が生じたりしても、均熱部材中を熱が伝導することにより、温度モニタ部材の周囲の温度を均一化することができる。これにより、温度モニタ部材内の温度が均一化され、高精度に且つ安定して温度を測定することができる。
また、前記均熱部材が、前記温度モニタ部材の下方に配置されていてもよく、前記温度モニタ部材の上方に配置されていてもよく、前記均熱部材が2つ設けられており、夫々前記温度モニタ部材の上方及び下方に配置されていてもよい。
更に、前記均熱部材が前記温度モニタ部材の直上域又は直下域に位置する第1部分及び前記第1部分に連結され前記直上域及び直下域から外れた第2部分からなることが好ましい。このとき、前記第2部分の少なくとも一部が、前記温度モニタ部材の側方に配置されていることが好ましい。これにより、均熱部材が温度モニタ部材の側方も覆うことになり、均熱効果、即ち、温度モニタ部材の周囲の温度を均一化する効果がより一層大きくなる。また、前記均熱部材が集積回路装置の全面に配置されていてもよい。これにより、均熱部材に蓄積された熱を速やかに集積回路装置外に放熱することができ、温度測定の応答性が向上する。
更にまた、前記均熱部材がアルミニウム、銅及びチタンからなる群から選択された1種の金属若しくはその合金又は2種以上の金属を含む合金により形成されていることが好ましい。これにより、均熱部材の熱伝導性が向上し、均熱効果がより一層増大する。
更にまた、前記温度モニタ部材が酸化バナジウムにより形成されていることが好ましい。これにより、電気抵抗率の温度係数の絶対値が大きい温度モニタ部材を得ることができ、温度を精度よく測定することができる。
更にまた、前記均熱部材が前記温度モニタ部材に電気的に接続されている。これにより、温度モニタ部材に蓄積した熱を、均熱部材を介して速やかに放熱することができ、温度測定の応答性が向上する。
更にまた、前記温度モニタ部材及び前記均熱部材が基板上に設けられたものであり、前記均熱部材が前記基板に電気的に接続されている。これにより、均熱部材に蓄積した熱を速やかに基板に逃がすことができ、温度測定の応答性が向上する。
更にまた、基板と、この基板上に設けられ前記温度モニタ部材及び前記均熱部材が設けられた多層配線層と、前記基板の表面及び前記多層配線層における最上層より下方の配線層に設けられた論理回路部と、を有し、前記温度モニタ部材が前記多層配線層の最上層に配置されていることが好ましい。これにより、温度モニタ部材を形成する材料により、論理回路部が汚染されることを防止できる。
本発明によれば、温度モニタ部材の上方及び下方のうち少なくとも一方に均熱部材が設けられているため、温度モニタ部材の周囲の温度が均一化され、この温度モニタ部材の抵抗値を測定することにより、温度を精度よく且つ安定に測定することができる。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る集積回路装置を示す断面図であり、図2は、図1に示すA−A’線による断面図であり、図3は、図1及び図2に示す集積回路装置の温度センサ部を示す等価回路図である。本実施形態に係る半導体集積回路装置は1個のシリコンチップ上に形成されたものである。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る半導体集積回路装置1においては、例えばP型のシリコン基板2が設けられており、このシリコン基板2上に多層配線層3が設けられている。多層配線層3は、夫々複数の配線層及び絶縁層が交互に積層されたものであり、例えば、第1乃至第3の3層の配線層が絶縁層を介して積層されたものである。そして、この半導体集積回路装置1には、温度センサ部4が設けられている。また、シリコン基板2の表面及び多層配線層3における最上層以外の配線層には、論理回路部10(図4参照)が設けられている。論理回路部10は、演算及び記憶等の処理を行うものである。また、論理回路部10には、温度センサ部4の測定結果をデータ処理する回路が含まれていてもよい。
温度センサ部4においては、シリコン基板2の表面の一部にp拡散領域P1が形成されている。p拡散領域P1には、シリコン基板2を介して、接地電位(GND)が印加されるようになっている。そして、多層配線層3におけるp拡散領域P1上の部分には、このp拡散領域P1に接続するように、3個のビアV1が1列に配設されている。なお、図1において、ビアV1の配列方向をY方向とし、このY方向に直交し且つシリコン基板2の表面に平行な方向をX方向とする。
ビアV1上には、ビアV1に接続するように第1配線W1が設けられている。第1配線W1はシリコン基板2から数えて1層目の配線層、即ち第1配線層に形成されている。また、第1配線W1上には、第1配線W1に接続するように3個のビアV2が設けられている。シリコン基板2の表面に垂直な方向から見て(以下、平面視でという)、ビアV2はビアV1に重なっている。ビアV2上には、このビアV2に接続するように、均熱部材5が設けられている。
均熱部材5は第2配線層に設けられており、例えばアルミニウムにより形成されている。平面視で、均熱部材5の形状は矩形状であり、均熱部材5の長手方向はビアV2の配列方向に直交する方向、即ちX方向である。均熱部材5の長手方向(X方向)の長さは例えば80μmであり、短手方向(Y方向)の長さは例えば60μmであり、厚さは例えば0.5μmである。
均熱部材5上には、均熱部材5の一端に接続するように、3個のビアV3が設けられている。ビアV3は、ビアV2及びV1の直上、即ち、平面視でビアV2及びV1と重なる位置に配置されている。即ち、均熱部材5の一端にはビアV2及びV3が接続されており、他端には何も接続されていない。
また、ビアV3上には、ビアV3に接続するように、温度モニタ部材6が設けられている。温度モニタ部材6は、多層配線層3の最上層である第3配線層に設けられている。温度モニタ部材6の形状は平面視で矩形状のシート形状であり、その長手方向は均熱部材5の長手方向と同じ方向、即ち図1に示すX方向である。温度モニタ部材6の長手方向(X方向)の長さは例えば100μmであり、短手方向(Y方向)の長さは例えば50μmであり、厚さは例えば0.2μmである。温度モニタ部材6における短手方向に延びる2辺には夫々電極(図示せず)が設けられており、一方の電極はビアV3に接続されている。均熱部材5は温度モニタ部材6の直下域から図1に示すY方向の両側に延出しており、温度モニタ部材6は均熱部材5の直上域からビアV1乃至V3から遠ざかる方向(X方向)に延出している。
温度モニタ部材6は、例えば酸化バナジウムにより形成されている。酸化バナジウムの安定な化合物は、例えばVO及びV等であり、酸化バナジウムを化学式VOで表すと、xは2前後である。なお、温度が25℃であるときの酸化バナジウムの体積抵抗率は、シリコンウエハ上で例えば0.01乃至10(Ω・cm)程度であり、その温度係数は、製造方法によっても異なるが、例えば−2.0(%/K)程度である。温度モニタ部材6の抵抗値は例えば数千乃至数万Ω、例えば25kΩである。
多層配線層3における温度モニタ部材6の下方には、温度モニタ部材6の他方の電極(図示せず)に接続するように3個のビアV4が設けられている。ビアV4の配列方向はY方向である。また、ビアV4の下方には、このビアV4に接続するように第2配線W2が設けられている。第2配線W2は均熱部材5と同様に第2配線層に設けられている。第2配線W2には、出力端子Vout(図3参照)が接続されている。更に、第2配線W2の下方には、この第2配線W2に接続するように3個のビアV5が設けられている。ビアV5はビアV4の直下域に設けられており、その配列方向はY方向である。ビアV5の下方には、このビアV5に接続されるように、第1配線W3が設けられている。平面視で、第1配線W3の形状は矩形状であり、その長手方向は温度モニタ部材6の長手方向に直交する方向、即ち、Y方向となっている。ビアV5は第1配線W3の一端に接続されている。
第1配線W3の下方には、第1配線W3の他端に接続されるように1個のビアV6が設けられており、ビアV6の下方にはこのビアV6に接続されるように、温度モニタ部材7が設けられている。温度モニタ部材7の形状は平面視で矩形状のシート形状であり、その長手方向は第1配線W3の長手方向と同じY方向である。温度モニタ部材7の長手方向(Y方向)の長さは例えば100μmであり、短手方向(X方向)の長さは例えば2μmであり、厚さは例えば0.2μmである。温度モニタ部材7の短手方向に延びる2辺には夫々電極(図示せず)が設けられており、一方の電極はビアV6に接続されている。温度モニタ部材7は、例えばポリシリコンにより形成されている。また、温度モニタ部材7の抵抗値は例えば温度モニタ部材6の抵抗値と略等しく設定されており、例えば数千乃至数万Ω、例えば25kΩである。
温度モニタ部材7の上方には、温度モニタ部材7の他方の電極(図示せず)に接続するように1個のビアV7が設けられており、ビアV7上には、ビアV7に接続するように第1配線W4が設けられている。第1配線W4は、第1配線W1及びW3と同層の第1配線層に設けられている。そして、第1配線W4には電源電位(Vcc)が印加されるようになっている。
これにより、接地電位(GND)が印加されるp拡散領域P1から電源電位(Vcc)が印加される第1配線W4に向かって、ビアV1、第1配線W1、ビアV2、均熱部材5、ビアV3、温度モニタ部材6、ビアV4、第2配線W2、ビアV5、第1配線W3、ビアV6、温度モニタ部材7、ビアV7がこの順に直列に接続されている。
また、前記各ビアは、例えばタングステン(W)により形成されており、前記各配線は、例えばアルミニウム(Al)により形成されている。更に、多層配線層3における前記各ビア、各配線及び各温度モニタ部材以外の部分は、絶縁材料8により埋め込まれている。なお、図1においては、絶縁材料8は図示を省略されている。
このように構成された半導体集積回路装置1において、均熱部材5は、温度モニタ部材6の下方に配置されており、ビアV3を介して温度モニタ部材6に接続されると共に、ビアV2、第1配線W1、ビアV1を介してシリコン基板2に接続されている。また、均熱部材5と温度モニタ部材6との間には、これらの間に接続されたビアV3以外には、配線及びビア等は配置されていない。そして、平面視で、均熱部材5は温度モニタ部材6の約80%の領域と重なっている。
この結果、図3に示すように、温度センサ部4においては、電源電位Vccが印加されるノードから接地電位GNDが印加されるノードに向かって、温度モニタ部材7及び温度モニタ部材6がこの順に直列に接続された回路が形成される。そして、温度モニタ部材7と温度モニタ部材6との間に出力端子Voutが接続されている。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る半導体集積回路装置1の動作について説明する。p拡散領域P1に接地電位GNDを印加し、第1配線W4に電源電位Vccを印加すると、出力端子Voutの電位は、温度モニタ部材6の抵抗値及び温度モニタ部材7の抵抗値によって決定される接地電位GNDと電源電位Vccとの中間の値となる。そして、外部の温度が上昇するか、又は論理回路部が駆動して発熱することにより半導体集積回路装置1の温度が上昇すると、温度モニタ部材6及び7の温度も上昇し、温度モニタ部材6の抵抗値が低下する。このとき、温度モニタ部材7はポリシリコンにより形成されているため、その抵抗値はほとんど変化しない。このため、温度が上昇すると出力端子Voutの電位は低下する。従って、出力端子Voutの電位を検出することにより、半導体集積回路装置1の温度を測定することができる。そして、この温度の測定結果に基づいて、論理回路部を制御する。例えば、温度の測定値が所定の値を超えた場合は、論理回路部が過熱状態にあると判断し、論理回路部の駆動を停止する。
また、温度モニタ部材6の下方に配置された配線(図示せず)に電流が流れる等の理由により、局所的な発熱が発生しても、この熱が温度モニタ部材6に伝達される前に均熱部材5に伝達し、均熱部材5を加熱する。そして、均熱部材5内における相対的に温度が高い部分から温度が低い部分に熱が流れることにより、均熱部材5内の温度分布が均一化される。そしてその後、均熱部材5から絶縁材料8を介して温度モニタ部材6に熱が伝達される。これにより、温度モニタ部材6に均一に熱が伝わり、温度モニタ部材6内の温度分布が均一になる。この結果、温度モニタ部材6内の電気抵抗率が均一になる。これにより、温度モニタ部材6の下方において局所的な発熱が発生しても、温度を精度よく安定して測定することができる。なお、温度モニタ部材7の電気抵抗値は温度が変化してもほとんど変化しないため、温度モニタ部材7の周囲には均熱部材を設ける必要がない。
更に、半導体集積回路装置1の温度が低下していく過程において、温度モニタ部材6及び均熱部材5に蓄積された熱が、ビアV3、ビアV2、第1配線W1及びビアV1を介してシリコン基板2に効率よく伝達するため、温度モニタ部材6及び均熱部材5を速やかに冷却することができる。このため、温度測定の応答性が高い。
このように、本実施形態においては、温度モニタ部材6の下方に均熱部材5が設けられているため、温度モニタ部材6の周辺の環境における局所的な温度分布の影響を排除することができ、温度モニタ部材6内の温度分布を均一化することができる。これにより、温度測定の精度を向上させることができる。
また、温度モニタ部材6を形成する酸化バナジウムは、抵抗率の温度係数の絶対値が約2.0(%/K)と比較的大きいため、温度測定に際して高いSNR(Signal-to-Noise Ratio:信号対雑音比)を得ることができる。また、酸化バナジウムは化学的に安定であるため、温度センサ部3の信頼性を向上させることができ、この結果、半導体集積回路装置1の信頼性を向上させることができる。
更に、温度センサ部4における温度の測定結果に基づいて論理回路部を制御することにより、論理回路部を適正に制御することができる。例えば、論理回路部が過熱により破壊されることを防止することができる。
更にまた、温度モニタ部材6が多層配線層3の最上層、即ち第3配線層に設けられており、論理回路部がこの最上層には設けられておらず、それよりも下層の配線層に設けられている。このため、酸化バナジウムにより論理回路部を汚染することがなく、論理回路部を製造するための半導体製造装置を汚染することがない。また、論理回路部には既存のマクロを使用することができる。更に、論理回路部を形成した後に、温度モニタ部材6を形成することができるため、論理回路部を従来の製造プロセスにより形成することができる。このため、論理回路部については、既存のプラットフォームを変更する必要がない。この結果、温度モニタ部材6を設けることによる製造コストの上昇を抑制できる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は本実施形態に係る半導体集積回路装置を示す断面図である。図4に示すように、本実施形態に係る半導体集積回路装置11においては、前述の第1の実施形態に係る半導体集積回路装置1(図1及び図2参照)と比較して、温度モニタ部材6の下方に配置された均熱部材5の他に、温度モニタ部材6の上方に配置された均熱部材15が設けられている点が異なっている。均熱部材15の形状は、平面視で矩形状のシート形状である。均熱部材15の長手方向の長さは例えば110μmであり、短手方向の長さは例えば60μmであり、厚さは例えば0.5μmである。均熱部材15は、多層配線層13内における温度モニタ部材6の直上域及びその周辺の領域に配置されており、平面視で、温度モニタ部材6の全ての領域と重なっている。そして、均熱部材15は例えばアルミニウムにより形成されている。また、均熱部材15はビアV8により均熱部材5に接続されている。
また、第1配線W3におけるビアV5が接続された端部からビアV6が接続された端部に向かう方向は、温度モニタ部材6におけるビアV4が接続された端部からビアV3が接続された端部に向かう方向と等しくなっている。これにより、温度モニタ部材6の直下域の一部に、温度モニタ部材7が配置されている。
更に、第1配線W4上には、この第1配線W4に接続されるようにビアV9が設けられており、ビアV9上には、ビアV9に接続されるように第2配線W5が設けられている。第2配線W5は電源電位Vccが印加される電源電位配線である。これにより、第1配線W4には、第2配線W5及びビアV9を介して、電源電位Vccが印加されるようになっている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。なお、本実施形態に係る半導体集積回路装置11の構成要素のうち、前述の第1の実施形態に係る半導体集積回路装置1(図1参照)の構成要素の同じ構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
一方、図4には論理回路部10の構成を示している。図4に示すように、論理回路部10においては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)回路12が設けられている。CMOS回路12においては、シリコン基板2の表面にNウエルNW及びPウエルPWが相互に隣接するように形成されている。NウエルNWの表面には、ソース・ドレイン領域となる2ヶ所のp拡散領域P2及びP3が相互に離隔して形成されており、PウエルPWの表面には、ソース・ドレイン領域となる2ヶ所のn拡散領域N1及びN2が相互に離隔して形成されている。NウエルNWにおけるp拡散領域P2とp拡散領域P3との間の領域はチャネル領域16となっている。また、PウエルPWにおけるn拡散領域N1とn拡散領域N2との間の領域はチャネル領域17となっている。
多層配線層13におけるチャネル領域16及び17の直上域を含む領域にはゲート絶縁膜(図示せず)が設けられており、ゲート絶縁膜上におけるチャネル領域16及び17の直上域には夫々、例えばポリシリコンからなるゲート電極G1及びG2が設けられている。ゲート電極G1及びG2は温度モニタ部材7と同層に形成されており、ゲート端子Vgに共通接続されている。そして、チャネル領域16、ソース・ドレイン領域としてのp拡散領域P2及びP3、ゲート絶縁膜並びにゲート電極G1により、P型MOSトランジスタが形成されている。また、チャネル領域17、ソース・ドレイン領域としてのn拡散領域N1及びN2、ゲート絶縁膜並びにゲート電極G2により、N型MOSトランジスタが形成されている。
多層配線層13におけるp拡散領域P2上には、このp拡散領域P2に接続するようにビアV11が設けられており、このビアV11上には、ビアV11に接続するように第1配線W11が設けられている。第1配線W11上には、この第1配線W11に接続するようにビアV12が設けられており、ビアV12上には、このビアV12に接続するように、第2配線W12が設けられている。第2配線W12は電源電位Vccが印加される電源電位配線である。これにより、p拡散領域P2は、ビアV11、配線W11及びビアV12を介して、電源電位配線である第2配線W12に接続されている。
また、多層配線層13におけるp拡散領域P3上には、このp拡散領域P3に接続するようにビアV13が設けられており、n拡散領域N1上には、このn拡散領域N1に接続するようにビアV14が設けられている。そして、ビアV13及びV14上には、ビアV13及びV14の双方に接続するように第1配線W13が設けられており、第1配線W13上には、この第1配線W13に接続するようにビアV15が設けられており、ビアV15上にはこのビアV15に接続するように第2配線W15が設けられている。これにより、p拡散領域P3及びn拡散領域N1は、ビアV13及びV14、第1配線W13並びにビアV15を介して、第2配線W15に接続されている。
更に、多層配線層13におけるn拡散領域N2上には、このn拡散領域N2に接続するようにビアV16が設けられており、ビアV16上には、このビアV16に接続するように第1配線W16が設けられている。第1配線W16には接地電位GNDが印加されるようになっている。これにより、n拡散領域N2には、配線W16及びビアV16を介して接地電位GNDが印加されるようになっている。
一方、シリコン基板2の表面におけるNウエルNW及びPウエルPWが形成されている領域以外の領域に、p拡散領域P4が形成されている。多層配線層13におけるp拡散領域P4上には、下から順にビアV17、第1配線W17、ビアV18及び第2配線W18がこの順に設けられている。第2配線W18は接地電位GNDが印加される接地電位配線である。これにより、p拡散領域P4は、ビアV17、配線W17及びビアV18を介して、接地電位配線である第2配線W18に接続されている。なお、論理回路部10にはCMOS回路12以外の素子も設けられているが、図4においては図示を省略されている。
本実施形態においては、温度モニタ部材6の下方に均熱部材5が設けられており、温度モニタ部材6の上方に均熱部材15が設けられているため、均熱部材6の下方の環境だけでなく、上方の環境における局所的な温度分布の影響も排除することができる。例えば、半導体集積回路11の外部の温度が不均一である場合も、外部から半導体集積回路11内に伝達される熱を、均熱部材15が均一化した上で、温度モニタ部材6に伝達することができる。これにより、温度測定の精度及び安定性をより一層向上させることができる。また、温度モニタ部材6に蓄積された熱を、均熱部材15を介して半導体集積回路装置11の外部に放出することができる。均熱部材15は温度モニタ部材6の直上域の他に、この直上域の周囲の領域にも配置されているため、温度モニタ部材6に対する均熱効果及び放熱効果が高い。
また、温度モニタ部材7を温度モニタ部材6の直下域の一部に配置しているため、温度センサ部4の面積を低減することができる。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、本第2の実施形態の変形例について説明する。図5は本変形例に係る半導体集積回路装置における温度モニタ部材及び均熱部材を示す断面図である。図5に示すように、本変形例においては、半導体集積回路11の多層配線層13における第1の配線層及び第2の絶縁層に充填される層間絶縁膜21内に、ビアV2が形成されている。また、第2の配線層には均熱部材5が形成されており、この均熱部材5を埋め込むように層間絶縁膜22が設けられており、第2の配線層及び第3の絶縁層が形成されている。層間絶縁膜22にはビアV3が形成されている。
そして、層間絶縁膜22上には温度モニタ部材6が配置されており、この温度モニタ部材6を覆うように、層間絶縁膜23が設けられている。層間絶縁膜23の形状は温度モニタ部材6の形状を反映しており、温度モニタ部材6の直上域及びその周辺の部分は、それ以外の部分と比較して盛り上がっている。また、層間絶縁膜23上に均熱部材15が配置されている。均熱部材15は、温度モニタ部材6の直上域に位置する部分15a及び温度モニタ部材6の直上域を除く領域に位置する部分15bからなる。均熱部材15の形状も層間絶縁膜23の形状を反映しており、従って、温度モニタ部材6の形状を反映しており、温度モニタ部材6の直上域及びその周辺の部分は、それ以外の部分と比較して盛り上がっている。これにより、部分15bの一部は部分15aよりも低い位置に配置され、温度モニタ部材6の側方に配置されている。また、層間絶縁膜22及び23を貫通して、均熱部材15を均熱部材5に接続するビアV8が設けられている。層間絶縁膜21乃至23は、絶縁材料8(図4参照)により形成されている。本変形例における上記以外の構成は、前述の第2の実施形態と同様である。
本変形例においては、均熱部材5が温度モニタ部材6の下方に配置され、均熱部材15の部分15aが温度モニタ部材6の上方に配置され、均熱部材15の部分15bが温度モニタ部材6の側方に配置されるため、前述の第2の実施形態と比較して、均熱部材により温度モニタ部材6の周囲をより効果的に覆うことができる。これにより、均熱効果がより一層顕著になり、温度をより正確に測定することができる。なお、ビアV8は複数個設けられていてもよい。これにより、ビアV8を均熱部材5及び15と一体化させ、全体として温度モニタ部材6を囲む均熱部材として機能させることができる。この結果、均熱効果が更に向上する。本変形例における上記以外の動作及び効果は、前述の第2の実施形態と同様である。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態においては、前述の第2の実施形態と比較して、均熱部材5(図4参照)が設けられておらず、均熱部材15のみが設けられている。即ち、温度モニタ部材6の上方のみ又は上方及び側方のみに、均熱部材が配置されている。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第2の実施形態と同様である。
なお、上述の第2の実施形態及びその変形例並びに第3の実施形態において、均熱部材15を半導体集積回路装置11の全面に設けてもよい。これにより、均熱部材5及び15並びに温度モニタ部材6の放熱性が向上し、温度測定の応答性をより向上させることができる。
また、上述の第1及び第2の実施形態においては、平面視で、均熱部材5が温度モニタ部材6に重なる領域の面積が温度モニタ部材6の約80%を占め、均熱部材15が温度モニタ部材6に重なる領域の面積は温度モニタ部材6の全体(100%)である例を示したが、本発明はこれに限定されない。平面視で、温度モニタ部材6における均熱部材と重なる領域の面積率が高いほど、均熱効果及び放熱効果が高まり、温度測定の精度が向上するが、前記面積率が50%以上であれば、一定の効果が認められる。
更に、上述の各実施形態においては、均熱部材をアルミニウムにより形成する例を示したが、本発明はこれに限定されず、均熱部材は金属又は合金により形成されていればよい。但し、熱伝導性及び半導体プロセスにおける扱い易さの観点から、均熱部材は、アルミニウム、銅及びチタンからなる群から選択された1種の金属若しくはその合金又は2種以上の金属を含む合金により形成されていることが好ましい。
更にまた、上述の各実施形態においては、均熱部材5及び/又は15が、温度モニタ部材6及びシリコン基板2に接続されている例を示したが、均熱部材5及び/又は15は電気的に浮遊状態としてもよい。
更にまた、上述の各実施形態において、温度モニタ部材7を電気抵抗率の温度係数の絶対値が大きい材料で形成する場合は、温度モニタ部材7の上方及び/又は下方にも均熱部材を設けることが好ましい。
更にまた、温度センサ部4は、半導体集積回路装置が形成されているチップの1ヶ所に形成されていてもよく、複数の箇所に夫々形成されていてもよい。例えば、チップの中央部及び四隅部の合計5ヶ所に形成されていてもよい。温度センサ部4を複数ヶ所に夫々設け、各温度センサ部4の測定値の平均値を算出することにより、温度測定の精度をより向上させることができる。
本発明は、温度センサを備えた集積回路装置に適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る集積回路装置を示す断面図である。 図1に示すA−A’線による断面図である。 図1及び図2に示す集積回路装置の温度センサ部を示す等価回路図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体集積回路装置を示す断面図である。 第2の実施形態の変形例に係る半導体集積回路装置における温度モニタ部材及び均熱部材を示す断面図である。
符号の説明
1、11;半導体集積回路装置
2;シリコン基板
3、13;多層配線層
4;温度センサ部
5、15;均熱部材
6、7;温度モニタ部材
8;絶縁材料
10;論理回路部
12;CMOS回路
15a、15b;部分
16、17;チャネル領域
21、22、23;層間絶縁膜
N1、N2;n拡散領域
NW;Nウエル
P1、P2、P3、P4;p拡散領域
PW;Pウエル
Vout;出力端子
V1〜V9、V11〜V18;ビア
W1、W3、W4、W11、W13、W16、W17;第1配線
W2、W5、W12、W15、W18;第2配線

Claims (11)

  1. 2本の配線間に接続され温度に応じて電気抵抗値が変化する温度モニタ部材と、金属又は合金からなり前記温度モニタ部材の上方及び下方のうち少なくとも一方に配置され前記温度モニタ部材の表面に垂直な方向から見て前記温度モニタ部材の半分以上の領域と重なる均熱部材と、を有し、
    前記温度モニタ部材及び前記均熱部材が基板の上方に配置されたものであり、前記均熱部材が前記温度モニタ部材にビアにより電気的に接続されるとともに、前記均熱部材がビアにより前記基板に電気的に接続されていることを特徴とする集積回路装置。
  2. 前記温度モニタ部材と前記均熱部材との間に、前記温度モニタ部材及び前記均熱部材のいずれにも接続されていない配線が配置されていないことを特徴とする請求項1に記載の集積回路装置。
  3. 前記均熱部材が前記温度モニタ部材の下方に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の集積回路装置。
  4. 前記均熱部材が前記温度モニタ部材の上方に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の集積回路装置。
  5. 前記均熱部材が2つ設けられており、夫々前記温度モニタ部材の上方及び下方に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の集積回路装置。
  6. 前記均熱部材が前記温度モニタ部材の直上域又は直下域に位置する第1部分及び前記第1部分に連結され前記直上域及び直下域から外れた第2部分からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の集積回路装置。
  7. 前記第2部分の少なくとも一部が、前記温度モニタ部材の側方に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の集積回路装置。
  8. 前記均熱部材が集積回路装置の全面に配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の集積回路装置。
  9. 前記均熱部材がアルミニウム、銅及びチタンからなる群から選択された1種の金属若しくはその合金又は2種以上の金属を含む合金により形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の集積回路装置。
  10. 前記温度モニタ部材が酸化バナジウムにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の集積回路装置。
  11. 基板と、この基板上に設けられ前記温度モニタ部材及び前記均熱部材が設けられた多層配線層と、前記基板の表面及び前記多層配線層における最上層より下方の配線層に設けられた論理回路部と、を有し、前記温度モニタ部材が前記多層配線層の最上層に配置されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の集積回路装置。
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