JP2002365420A - カラーフィルターおよび液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルターおよび液晶表示装置

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JP2002365420A
JP2002365420A JP2001167811A JP2001167811A JP2002365420A JP 2002365420 A JP2002365420 A JP 2002365420A JP 2001167811 A JP2001167811 A JP 2001167811A JP 2001167811 A JP2001167811 A JP 2001167811A JP 2002365420 A JP2002365420 A JP 2002365420A
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color
region
color filter
liquid crystal
color material
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JP2001167811A
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Takayoshi Kirimoto
高代志 桐本
Tetsuo Yamashita
哲夫 山下
Hideyuki Kojima
英幸 小嶋
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透過表示と反射表示を両方行う液晶表示素子に
おいて、両者の色度差が小さく、平坦なカラーフィルタ
ーを提供することにある。 【解決手段】少なくとも一色の画素において、透過用領
域と反射用領域が同一色材料からなり、反射用領域に色
材層の無い領域を形成し、この色材層の無い領域に、透
過用領域で使用する光源と反射用領域で使用する光源に
よる色度差を補償する補償層を有することを特徴とした
液晶表示素子用カラーフィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過表示、反射表
示の両方で使用することのある液晶表示装置に用いられ
るカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】PDA、携帯電話などのモバイル用途の
液晶表示素子は、透過、反射の両方で表示できるように
したものが多い。このタイプのカラー液晶表示装置に
は、透過用領域と反射用領域が存在し、透過表示を行う
ときには透過用領域の、反射表示を行うときには反射用
領域の色が表示されることになる。図2に従来の液晶表
示素子の構成(断面図)を示す。透過用領域10ではバ
ックライト光源5からの光が色材層2を通って表示面に
達し(8)表示が行われる。反射用領域9では、自然光
6が一度色材層2を通ってから反射膜3で反射され、再
び色材層2を通って表示面に達し(7)表示が行われ
る。
【0003】透過用領域と反射用領域の色材料を同一に
した場合、表示される色は透過表示と反射表示で大きく
異なる。上述したように、透過表示の場合には、光が色
材層を一度だけ通って表示されるのに対し、反射表示の
場合には、光が色材層を二度通って表示されることが理
由である。また、透過表示の光源がバックライト光源で
あり、反射表示の光源が自然光であることがもう一つの
理由である。
【0004】透過用領域と反射用領域の表示色を同一に
する方法としては、透過用領域と反射用領域で色材層の
膜厚を変える方法、透過用領域および/または反射用領
域を複数の色材層を積層で構成し、透過用領域と反射用
領域の色材層構成を変える方法、透過用領域と反射用領
域を別の色材料で構成する方法、反射用領域に色材層の
ない領域(以下透明領域)を形成する方法などが考えら
れる。膜厚を変えるだけでは、光源の補正までは行えな
いため、複数の色材層を積層するか、別の色材料を用い
る方法の方が表示上はより好ましい。しかし、単純に膜
厚を変える場合を含め、いずれの場合でも、一色で二度
以上色材料を塗布形成することになり、コスト的な問題
が生じる。通常のカラーフィルターでは三色の画素形成
を行うが、全色で上記の対応を行った場合、六回の画素
形成工程が必要になる。反射領域に色材層を形成する方
法は画素形成工程が3回で、透過用領域と反射用領域の
面積比を変えることにより、透過用領域と反射用領域の
表示色を改善できるものの、透過用領域と反射用領域の
表示色を最適化すると、透過用領域の透過率が反射用領
域に比べ低くなり、透過率を最適化すると表示色ずれが
大きくなる。また、色材、光源の変更に対し、再度透明
領域の最適化が必要となり、露光マスクの変更等コスト
的な問題となる。更に透明領域形成によりCF表面平坦
性が低下し、表示品位が低下する原因となる。透明領域
を分割し、個々の面積を小さくすることにより、凹凸は
改善されるが、大きさがΦ10μmより小さくなると加
工が困難になり、残膜の発生や形状、面積のバラツキが
大きくなり、収率、表示品位の低下の原因となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題点を解決し、液晶表示装置の透過表示と反
射表示の色度差を改善し、表示品位に優れ、かつ安価な
カラーフィルターを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下のよう
なカラーフィルターで達成できる。 (1)透過用領域と反射用領域を含むカラーフィルター
であって、少なくとも一色の画素において、透過用領域
と反射用領域が同一色材料からなり、反射用領域に色材
層の無い領域を形成し、この色材料の無い領域に透過用
領域で使用する光源と反射用領域で使用する光源による
色度差を補償する補償層を有することを特徴とした液晶
表示装置用カラーフィルター。 (2)補償層と色材層間の段差が0.3μm以下である
ことを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置用カラー
フィルター。 (3)補償層と色材層の重なり幅が−5μmから10μ
mであることを特徴とする(2)に記載の液晶表示素子
用カラーフィルター。 (4)色材層および補償層の膜厚が0.5μm〜2.0
μmであることを特徴とする(2)ないし(3)のいず
れかに記載の液晶表示素子用カラーフィルター。 (5)透過用領域の光の色度(x0,y0)と反射用領
域の補償層を通過した光の色度(x、y)の色度差δが
以下の式を満たすことを特徴とする(1)〜(4)いず
れかに記載の液晶表示装置用カラーフィルター。
【0007】 δ=(x−x0)2+(y−y0)2<1×10-3 (6)透過用領域の色度をC光源、2波長型光源、3波
長型光源の内のいずれかにより算出し、反射用領域の色
度をD65光源により算出した(5)に記載の液晶表示
装置用カラーフィルター。 (7)色材料の上に透明樹脂層を形成したことを特徴と
する(1)〜(5)に記載の液晶表示装置用カラーフィ
ルター。 (8)(1)〜(7)に記載のカラーフィルターを用い
たものである半透過型液晶表示装置。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の液晶表示装置において
は、反射膜が形成される基板は、カラーフィルター側基
板、カラーフィルターに対向する基板のいずれでもよ
い。カラーフィルター側に反射膜が形成されている場合
は、色材料が形成されている画素領域の内、反射膜が形
成されている領域が反射用領域となり、画素領域の中で
反射膜が形成されていない領域が透過用領域となる。反
射膜がカラーフィルターに対向する基板上に形成されて
いる場合は、該基板の反射膜形成領域に対応するカラー
フィルター画素領域が反射用領域となり、該基板の反射
膜が形成されていない領域に対応するカラーフィルター
画素領域が透過用領域となる。
【0009】本発明でいうカラーフィルターは、数十〜
数百μmピッチの複数色の画素の繰り返しで構成されて
いる。少なくとも2色以上の画素が存在し、通常、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3色の画素からなる。画
素を構成するのは、基板上に所定のパターンで形成され
た反射膜と、その上に所定のパターンで形成された色材
料である。
【0010】図1に本発明におけるカラーフィルターの
構成(断面図)を示す。本発明のカラーフィルターで
は、少なくとも一色の画素において、反射用領域9の中
に透明領域12と色材領域13を含み、透明領域に補償
層14を設ける。少なくとも一色の画素について反射用
領域に透明領域を含むことで、同一膜厚の同一色材料で
ありながら、透過用領域とは膜厚を変えた場合と同様の
効果が得られる。透明領域が存在する色が少なくとも一
色あれば、より透過表示と反射表示の差が小さくなり、
工程数も少なくなるので、本発明の効果が発揮される。
【0011】また、少なくとも一色の画素の反射用領域
中の透明領域に補償層を形成することで段差形状の改善
とともに透過表示と反射表示での色度差、透過率差をさ
らに低減することができる。補償層を形成させる色につ
いては、特に限定はなく赤画素、緑画素、青画素のいず
れでもよいが、各画素の段差形状、また用いるバックラ
イト光源と環境光の特性差を加味し、反射表示と透過表
示での色度差、透過率差を小さくするように補償層を形
成させる色を決めることが好ましい。
【0012】本発明において透明領域を含む画素につい
ては、透明領域の面積の反射用領域全体の面積に対する
割合(以下透明領域率))は、緑>赤>青の順に大きく
することが好ましい。具体的には、赤画素についていえ
ば、2%以上25%以下、より好ましくは5%以上20
%以下、緑画素についていえば、10%以上50%以
下、より好ましくは20%以上35%以下、青画素につ
いていえば、20%以下、より好ましくは2%以上12
%以下であるのがよい。この透明領域に補償層を形成す
る場合、上記最適透明領域率よりも大きくし、反射表示
の透過率を高くした上で、補償層による色度を調整する
ことが好ましい。具体的には、上記最適透明率よりも2
〜10%大きくすることがよい。CFの平坦性に関して
いえば、色材層と補償層の段差(以下色材層/補償層間
段差)は0.3μm以下が好ましい。段差が0.3μm
より大きいと、セルギャップの差による着色が生じ、更
に段差部での傾斜が大きくなり、配向不良による表示不
良を起こす原因となる。一方、0.2μm以下の膜厚差
によるセルギャップ変化を利用し、透過用領域と反射用
領域の色度差を改善する事は可能である。補償層と着色
層の重なり幅は−5μmから10μmが好ましく、より
好ましくは−3μmから5μmである。重なり幅−5μ
mとは着色層と補償層の間に空隙が有る状態であるが、
この空隙が5μm以上となる、又は着色層と補償層の重
なり幅が10μm以上となるとセルギャップの差による
着色が目立つようになり、更に段差による配向不良を起
こしやすくなる。また、セルギャップの差による着色の
影響を考えると、着色層のない領域の面積が80μm2
以上では補償層を設けるのが好ましく、より好ましくは
30μm2以上である。
【0013】補償層の形成に際しては、透過用領域の色
度と反射用領域の色度の差ができるだけ小さくなるよう
に決定することが好ましい。すなわち、少なくとも一色
について、透過用領域の色度(x0,y0)と反射用領
域の色度(x、y)の色度差δが以下の式を満たすこと
が、表示上好ましい。
【0014】 δ=(x−x0)2+(y−y0)2≦1×10-3 より好ましくは各色について上式を満たすのがよい。さ
らに好ましくは、一色または全色について色度差δが下
記式を満たすのがよい。
【0015】 δ=(x−x0)2+(y−y0)2≦7×10-4 ここでいう透過用領域10の色度とは、上述のカラーフ
ィルター透過用領域10を顕微分光光度計などで測定し
たときに得られる分光スペクトルから求められるもので
あり、反射用領域9の色度とは該領域中の着色領域13
の分光スペクトル、透明領域12の分光スペクトルをそ
れぞれ各波長で自乗し、着色領域13と透明領域12と
の面積についての加重平均を取ることにより求められる
ものである。
【0016】色度の計算は、光源の違いを考慮に入れる
ため、透過用領域はC光源、2波長型光源、3波長型光
源の内のいずれかで、反射用領域はD65光源で行うこ
とが好ましい。2波長型光源としては、青色LED+黄
色蛍光体が、3波長型光源としては、3波長型蛍光管、
RGB−LED、紫外光LED+RGB蛍光体、有機E
L光源などがある。
【0017】補償層は複数の複補償層に分割することお
よび/または補償層のない領域を形成することが可能で
ある。分割する場合は複補償層間の間隙は5μm以下が
好ましく、より好ましくは3μm以下である。また、補
償層のない領域を設ける場合は面積が80μm2 以下が
好ましく、より好ましくは30μm2 以下である。透明
領域における補償層の面積比(以下補償層率)を変える
ことにより、補償層の材料を変えることなく各色の色
度、透過率の調整が可能となる。補償層をどのような形
状にするかには任意性があり、基本的には着色層のない
領域と同じ形状が好ましい。
【0018】補償層の形成により表面の平坦性は改善で
きるが、色材料、基板からの汚染防止やより平坦性向上
による表示品位の安定のため、色材料の上にオーバーコ
ート層を形成するのが好ましい。オーバーコート層の材
質としては、エポキシ膜、アクリルエポキシ膜、アクリ
ル膜、シロキサンポリマ系の膜、ポリイミド膜、ケイ素
含有ポリイミド膜、ポリイミドシロキサン膜等が挙げら
れる。
【0019】本発明でいう基板は実質的に透明で剛性を
持つものであれば材質はどのようなものであってもかま
わない。例えば無アルカリガラス、ソーダガラス、プラ
スティック基板等が用いられる。
【0020】本発明でいう反射膜は、入射光の一部を反
射するものであれば何でも良い。通常はアルミニウムの
薄膜、銀・パラジウム・銅合金の薄膜などが用いられ
る。
【0021】本発明でいう色材料とは任意の色の光を透
過する性能を有する材料であればその材質はどのような
ものであってもかまわない。色材料の具体的材質として
は、顔料および染料分散された高分子膜、染色処理され
たPVA(ポリビニルアルコール)、任意の光のみを透
過するように膜厚制御されたSiO2 膜等があるが、顔
料分散された高分子膜であることが好ましく、高分子膜
はポリイミド膜またはアクリル膜であることがさらに好
ましい。他の材料で色材料を形成する場合と比べて同等
若しくはより簡便なプロセスで色材料を形成できること
に加えて、耐熱性、耐光性、耐薬品性においてより優れ
ているからである。なかでもポリイミド膜はパターン加
工性がよく、透明領域の形成には有利である。顔料また
は染料分散された高分子膜を色材料に使用する場合、ペ
ースト状にした色材料を均一に塗布し、その後、露光、
現像などを含むフォトリソ加工を行ってパターン形成す
る。
【0022】現在主流の顔料分散された高分子膜を色材
料とする場合、色材料はフォトリソ加工によりパターン
形成されるため、着色層のない領域の形成はフォトマス
クに加工領域を形成しておくことで容易に可能となる。
【0023】本発明でいう顔料には特に制限はないが、
顔料の中でも耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れたものが
望ましい。代表的な顔料の具体的な例を以下にカラーイ
ンデックス(CI)ナンバーで示す。
【0024】黄色顔料の例としてはピグメントイエロー
13,17,20、24、83、86、93、94、1
09、110、117、125、137、138、13
9、147、148、150、153、154、16
6、173、180などがあげられる。橙色顔料の例と
してはピグメントオレンジ13、31、36、38、4
0、42、43、51、55、59、61、64、6
5、71などが挙げられる。赤色顔料の例としてはピグ
メントレッド9、97、122、123、144、14
9、166、168、177、180、192、20
6、207、209、215、216、224、24
2、254などが挙げられる。紫色顔料の例としてはピ
グメントバイオレット19、23、29、32、33、
36、37、38などが挙げられる。青色顔料の例とし
てはピグメントブルー15(15:3、15:4、1
5:6など)、21,22、60、64などが挙げられ
る。緑色顔料の例としてはピグメントグリーン7、1
0、36、47などが挙げられる。なお、顔料は必要に
応じて、ロジン処理,酸性基処理,塩基性基処理などの
表面処理が施されているものを使用してもよい。
【0025】色材層の膜厚は、特に限定されないが、好
ましくは0.3〜2μm、より好ましくは0.5〜1.
5μmである。色材層の膜厚が0.3μm以下の場合、
均一塗布が困難となるとともに、色特性への膜厚変化の
影響が大きくなり、色ムラとなりやすくなる。また、膜
厚が2μmを越えると、色材層/補償層段差が大きくな
り、表示不良が発生しやすくなる。
【0026】本発明でいう補償層の材料は透明または任
意の色の光を透過し、パターン加工できる材料であれば
その材質はどのようなものであってもかまわない。具体
的材質としては、エポキシ膜、アクリルエポキシ膜、ア
クリル膜、シロキサンポリマ系の膜、ポリイミド膜、ケ
イ素含有ポリイミド膜、ポリイミドシロキサン膜等の透
明樹脂膜、ポジ型フォトレジスト、ネガ型フォトレジス
ト等の着色樹脂膜、色材料の顔料および染料分散された
樹脂膜、染色処理されたPVA(ポリビニルアルコー
ル)、任意の光のみを透過するように膜厚制御されたS
iO2 膜等があるが、ポリイミド膜、アクリル膜、フォ
トレジストであることが好ましい。他の材料で補償層を
形成する場合と比べて同等若しくはより簡便なプロセス
で補償層を形成でき、耐熱性、耐光性、耐薬品性におい
てより優れているからである。なかでもポリイミド膜は
パターン加工性がよく、補償層の形成には有利である。
顔料または染料分散された樹脂膜を補償層に使用する場
合、ペースト状にした色材料を均一に塗布し、その後、
露光、現像などを含むフォトリソ加工を行ってパターン
形成する。補償層で使用する顔料、染料は特に制限はな
いが、色材に使用している顔料のうち、ピグメントレッ
ド242、254、キナクドリン骨格を持つ顔料、ピグ
メントオレンジ38、ピグメントイエロー17、13
8、150、ピグメントグリーン7、36、ピグメント
ブルー15、60、ピグメントバイオレット19、23
等を使用することが好ましい。
【0027】各画素の間にはブラックマトリックスを形
成しても良い。これは、液晶表示装置のコントラストを
向上させることを目的とした遮光領域である。ブラック
マトリックスとしては通常Cr、Al、Niなどの金属
薄膜(厚さ 約0.1〜0.2μm)や樹脂中に遮光材
を分散させてなる樹脂ブラックマトリクスが用いられる
が、本発明に用いる場合、反射領域に対する遮光膜にも
なるように、反射のない樹脂ブラックマトリックスが用
いられるのが普通である。樹脂としては、耐熱性、耐薬
品性等の点からポリイミドやアクリルが好ましい。遮光
材としての黒色顔料の例としてはピグメントブラック
7、チタンブラックなどが挙げられるが、これらに限定
されず、種々の顔料を使用することができる。なお、顔
料は必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩基性基
処理などの表面処理が施されているものを使用してもよ
い。
【0028】カラーフィルターの最上部には通常、透明
導電膜が形成される。透明導電膜としては、ディッピン
グ法、化学気相成長法、真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法等の方法を経て作製され
る。代表的な透明導電膜の具体例を示すと、酸化インジ
ウムスズ(ITO)、酸化亜鉛、酸化スズ等及びその合
金を用いることができる。このような透明導電膜の厚み
は、カラー表示を損なわないことが好ましく、0.5μ
m以下であることが好ましい。
【0029】
【実施例】以下、好ましい実施態様を用いて本発明をさ
らに詳しく説明するが、用いた実施態様によって本発明
の効力はなんら制限されるものでない。
【0030】実施例1 (カラーフィルターの設計)赤画素、緑画素、青画素、
各画素240×80μmにおいて反射用領域(120×
80μm)中に透明領域を形成し、透明領域率をそれぞ
れ、20%、35%、12%とした。透明領域の大きさ
は赤:28.6μmφ×3ヶ所(=1926μm2 )、
緑:29.3μmφ×5ヶ所(=3370μm2)、
青:27.1μmφ×2ヶ所(=1153μm2 )の円
形とした。補償層の構成は赤画素:補償層率67%(=
1290μm2)、赤色材層/補償層重なり:1μm、
緑画素:補償層率33%(=1127μm2)、緑色材
層/補償層重なり:1μm、青画素:補償層率0%(=
1153μm2)、青色材層/補償層重なり:1μmと
した。
【0031】(樹脂ブラックマトリクス用ブラックペー
ストの作成)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、4、4’−ジアミノジフェニルエー
テル、及び、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチル
ジシロキサンをN−メチル−2−ピロリドンを溶媒とし
て反応させ、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)溶液
を得た。カーボンブラックミルベースをホモジナイザー
を用いて、7000rpmで30分分散し、ガラスビー
ズを濾過して、ブラックミルベースを得、これをポリイ
ミド前駆体溶液で希釈してブラックペーストとした。
【0032】(色材料形成用着色ペーストの作成)赤の
顔料として、ピグメントレッド209で示される顔料と
ピグメントオレンジ38で示される顔料を85対15の
割合で混合した顔料を用意した。緑の顔料として、ピグ
メントグリーン36で示される顔料とピグメントイエロ
ー138で示される顔料を75対25の割合で混合した
顔料を用意した。青の顔料として、ピグメントブルー1
5:6で示される顔料を用意した。ポリイミド前駆体溶
液に上記顔料を各々混合分散させて、赤、緑、青の3種
類の着色ペーストを得た。
【0033】(補償層形成用ペーストの作成)顔料とし
てピグメントレッド242を使用し、ポリイミド前駆体
溶液に顔料を混合分散させて、補償層用ペーストを得
た。
【0034】(カラーフィルターの作成)無アルカリガ
ラス基板(コーニング製“1737材”)上にAl反射
膜がパターン形成された基板上に、上記ブラックペース
トをカーテンフローコーターで塗布し、ホットプレート
で130℃、10分間乾燥し、黒色の樹脂塗膜を形成し
た。ポジ型フォトレジスト(シプレー社製“SRC−1
00”)をリバースロールコーターで塗布、ホットプレ
ートで100℃、5分間プリベイクし、大日本スクリー
ン(株)製露光機“XG−5000”を用い、フォトマ
スクを介して、100mj/cm2 の紫外線を照射して
露光した後、2.25%のテトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド水溶液を用いて、フォトレジストの現像と樹
脂塗膜のエッチングを同時に行い、パターンを形成、メ
チルセロソルブアセテートでレジスト剥離し、ホットプ
レートで290℃、10分間加熱することでイミド化さ
せ、ブラックマトリクスを形成した。ブラックマトリク
スの膜厚を測定したところ、1.10μmであり、OD
値は3.0であった。
【0035】次に、樹脂ブラックマトリクス基板上に赤
ペーストをカーテンフローコータで塗布し、ホットプレ
ートで130℃、10分乾燥、上記赤色の樹脂塗膜を形
成した。この後、ブラックペーストの時と同様に、ポジ
型フォトレジストをリバースロールコータで塗布、ホッ
トプレートで100℃、5分間プリベイクした。その後
ブラックペーストの場合と同じ露光機を用い、反射用領
域中に透明領域が形成されたフォトマスクを介して10
0mj/cm2 の紫外線を照射して露光した後、2.2
5%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を
用いて、フォトレジストの現像と樹脂塗膜のエッチング
を同時に行い、パターンを形成、メチルセロソルブアセ
テートでレジスト剥離し、ホットプレートで280℃、
10分加熱することでイミド化させ、赤画素を形成し
た。膜厚を測定したところ1.2μmであった。
【0036】水洗後、樹脂ブラックマトリクス上に赤画
素を形成した基板に上記緑ペーストを塗布し、赤画素の
時と同様にパターン加工して緑画素を形成した。膜厚を
測定したところ1.2μmであった。さらに、水洗後、
樹脂ブラックマトリクス層上に赤、緑の画素を形成した
基板上に上記青ペーストを塗布し、同様にパターン加工
して青画素を形成した。青画素の膜厚を測定したところ
1.2μmであった。次に、上記補償層用ペーストをカ
ーテンフローコータで塗布し、ホットプレートで130
℃、10分乾燥、上記補償層の樹脂塗膜を形成した。こ
の後、ブラックペーストの時と同様に、ポジ型フォトレ
ジストをリバースロールコータで塗布、ホットプレート
で100℃、5分間プリベイクした。その後ブラックペ
ーストの場合と同じ露光機を用い、補償層に対応するパ
ターンが形成されたフォトマスクを介して100mj/
cm2 の紫外線を照射して露光した後、2.25%のテ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、
フォトレジストの現像と樹脂塗膜のエッチングを同時に
行い、パターンを形成、メチルセロソルブアセテートで
レジスト剥離し、ホットプレートで280℃、10分加
熱することでイミド化させ、RGBそれぞれの反射用領
域の透明領域に補償層を形成した。膜厚を測定したとこ
ろ1.2μm、色材層/補償層重なり幅は−1〜2μm
であった。最後に、γ−アミノプロピルメチルジエトキ
シシランの加水分解物と、3,3’,4,4’−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物とを反応させること
により得られる硬化性組成物の溶液を、基板にスピンコ
ートし260℃で10分間熱処理し、画素外領域で膜厚
1.0μmのオーバーコート層を形成した。このときの
画素内でのオーバーコート層を含めたトータル膜厚は、
赤、緑、青すべて2.4μmであった。
【0037】(色度、段差評価)透過用領域の分光透過
率特性を、大塚電子製顕微分光光度計“MCPD−20
00”で測定した。それを使用して、透過用領域が2波
長型LED光源、反射用領域がD65光源を前提として
色度を評価した。
【0038】画素内段差を表面段差計(日本真空製、D
EKTAK)で測定した。色度、色度差、色材層/補償
層間段差を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】(カラー液晶表示装置の作製)カラーフィ
ルタ基板を中性洗剤で洗浄した後、ポリイミド樹脂から
なる配向膜を印刷法により塗布し、ホットプレートで2
00℃、10分間焼成した。膜厚は70nmであった。
この後、カラーフィルタをラビング処理し、シール剤を
ディスペンス法によりブラックマトリクス上に塗布、ホ
ットプレートで90℃、10分間焼成した。
【0041】一方、コーニング製ガラス基板1737材
にTFTアレイを形成した基板も同様に洗浄した後、配
向膜を塗布、焼成する。その後、スペーサーを散布し、
前記カラーフィルター基板と重ね合わせ、オーブン中で
加圧しながら160℃で90分間焼成、樹脂を硬化し、
個々のパネルに割断する。このパネルを150℃、10
-3torrで真空アニールした後、一度窒素雰囲気下で
常圧に戻し、再度真空雰囲気において液晶注入した。液
晶注入はパネルをチャンバーに入れて室温で10-3torr
まで減圧した後、液晶注入孔を液晶槽に漬け、窒素を用
いて常圧に戻して行った。液晶注入後、UV硬化樹脂を
用いて液晶注入孔を封孔した。このパネルをNI転移点
以上の温度に加熱して液晶を再配向させた。
【0042】次に、偏光板をパネルの2枚のガラス基板
に貼り付け、オートクレーブ中で温度50℃、圧力5k
gf/cm2 の条件で処理して、パネルを完成させた。
このパネルを顕微鏡観察したところ、配向不良などによ
る光漏れなどは見られなかった。更に透過、反射表示の
観察を行い、反射表示と透過表示での点灯評価では色合
いの違いもなく非常に良好な表示が得られた。
【0043】比較例1 赤、青、緑画素のフォトリソ加工時に画素内に透明領域
を形成されていないフォトマスクを使用し、補償層を形
成しないこと以外は実施例1と同様にしてカラーフィル
ターを作製した。この様にして得られたカラーフィルタ
ーの2波長型LED光源での透過用領域色度、D65光
源での反射用領域色度、色度差、色材層/補償層間段差
を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】このカラーフィルターを用い、実施例1と
同様にパネルを作製し、透過、反射表示の観察を行っ
た。点灯評価を行ったところ、明らかに反射表示と透過
表示での色合いの違いが確認された。
【0046】比較例2 補償層を設けないこと以外は実施例1と同様にカラーフ
ィルターを作製した。この様にして得られたカラーフィ
ルターの2波長型LED光源での透過用領域色度、D6
5光源での反射用領域色度、色度差、色材層/補償層間
段差を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】このカラーフィルターを用い、実施例1と
同様にパネルを作製し、パネルを顕微鏡観察したとこ
ろ、透明領域境界で段差による配向不良が発生している
ことが分かった。更に、点灯評価を行ったところ、配向
不良による表示不良および反射観察での緑色が茶色味表
示となり、反射表示と透過表示での色合いの違いが確認
された。
【0049】実施例2 カラーフィルターの設計において、赤色材層/補償層重
なり:9μm、緑色材層/補償層重なり:9μm、、青
色材層/補償層重なり:9μmとしたこと以外は実施例
1と同様にカラーフィルターを作製した。この様にして
得られたカラーフィルターの色材層/補償層重なり幅、
色材層/補償層間段差を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】このカラーフィルターを用い、実施例1と
同様にパネルを作製し、顕微鏡観察したところ、配向不
良などによる光漏れなどは見られなかった。点灯評価を
行ったところ、反射表示と透過表示での色合いの違いは
見られなかった。
【0052】実施例3 カラーフィルターの設計において、赤色材層/補償層重
なり:−3μm、緑色材層/補償層重なり:−3μ
m、、青色材層/補償層重なり:−3μmとしたこと以
外は実施例1と同様にカラーフィルターを作製した。こ
の様にして得られたカラーフィルターの色材層/補償層
重なり幅、色材層/補償層間段差を表5に示す。
【0053】
【表5】
【0054】このカラーフィルターを用い、実施例1と
同様にパネルを作製し、顕微鏡観察したところ、配向不
良などによる光漏れなどは見られなかった。点灯評価を
行ったところ、反射表示と透過表示での色合いの違いは
見られなかった。
【0055】実施例4 カラーフィルターの設計において、赤色材層/補償層重
なり:12μm、緑色材層/補償層重なり:12μ
m、、青色材層/補償層重なり:12μmとしたこと以
外は実施例1と同様にカラーフィルターを作製した。こ
の様にして得られたカラーフィルターの色材層/補償層
重なり幅、色材層/補償層間段差を表6に示す。
【0056】
【表6】
【0057】このカラーフィルターを用い、実施例1と
同様にパネルを作製し、パネルを顕微鏡観察したとこ
ろ、透明領域境界で段差による配向不良が僅かに発生し
ていることが分かった。点灯評価を行ったところ、比較
例2に比べればかなり軽微であるが、配向不良による表
示不良により、反射表示と透過表示での僅かな色合いの
違いが確認された。
【0058】実施例5 カラーフィルターの設計において、赤色材層/補償層重
なり:−7μm、緑色材層/補償層重なり:−7μ
m、、青色材層/補償層重なり:−7μmとしたこと以
外は実施例1と同様にカラーフィルターを作製した。こ
の様にして得られたカラーフィルターの色材層/補償層
重なり幅、色材層/補償層間段差を表7に示す。
【0059】
【表7】
【0060】このカラーフィルターを用い、実施例1と
同様にパネルを作製し、パネルを顕微鏡観察したとこ
ろ、透明領域境界で段差による配向不良が僅かに発生し
ていることが分かった。点灯評価を行ったところ、比較
例2に比べればかなり軽微であるが、配向不良による表
示不良により、反射表示と透過表示での僅かな色合いの
違いが確認された。
【0061】実施例6 赤色、緑色、青色の色材層の膜厚を1.9μmに変えた
以外は実施例1と同様にカラーフィルターを作製した。
この様にして得られたカラーフィルターの色材層/補償
層重なり幅、色材層/補償層間段差を表8に示す。
【0062】
【表8】
【0063】このカラーフィルターを用い、実施例1と
同様にパネルを作製し、顕微鏡観察したところ、配向不
良などによる光漏れなどは見られなかった。点灯評価を
行ったところ、反射表示と透過表示での色合いの違いは
見られなかった。
【0064】実施例7 赤色、緑色、青色の色材層の膜厚を2.2μmに変えた
以外は実施例1と同様にカラーフィルターを作製した。
この様にして得られたカラーフィルターの色材層/補償
層重なり幅、色材層/補償層間段差を表9に示す。
【0065】
【表9】
【0066】このカラーフィルターを用い、実施例1と
同様にパネルを作製し、パネルを顕微鏡観察したとこ
ろ、透明領域境界で段差による配向不良が僅かに発生し
ていることが分かった。点灯評価を行ったところ、比較
例2に比べればかなり軽微であるが、配向不良による表
示不良により、反射表示と透過表示での僅かな色合いの
違いが確認された。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、透過用領域と反射用領
域の色度の差を小さくでき、かつ平坦な液晶表示装置用
カラーフィルターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の構成(断面図)
【図2】従来の液晶表示素子の構成(断面図)
【図3】色材層/補償層間段差(画素重なり状態)
【図4】色材層/補償層間段差(空隙形成状態)
【符号の説明】
1 :カラーフィルター基板 2 :色材層 3 :反射膜 4 :カラーフィルター対向基板 5 :バックライト光源 6 :自然光 7 :反射表示光 8 :透過表示光 9 :反射用領域 10:透過用領域 11:画素領域 12:透明領域 13:色材領域 14:補償層 15:透明樹脂層 16:色材層/補償層間段差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA45 BA47 BB02 BB03 BB04 BB07 BB08 BB10 BB44 2H091 FA02Y FA14Y FA35Y FA50 FB02 FB12 FC26 FD05 FD23 FD24 GA13 GA16 KA10 LA30 5C094 AA08 BA03 BA43 CA19 CA24 DA12 EB02 ED03 ED11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過用領域と反射用領域を含むカラーフ
    ィルターであって、少なくとも一色の画素において、透
    過用領域と反射用領域が同一色材料からなり、反射用領
    域に色材層の無い領域を形成し、この色材料の無い領域
    に透過用領域で使用する光源と反射用領域で使用する光
    源による色度差を補償する補償層を有することを特徴と
    した液晶表示装置用カラーフィルター。
  2. 【請求項2】 補償層と色材層間の段差が0.3μm以
    下であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装
    置用カラーフィルター。
  3. 【請求項3】 補償層と色材層の重なり幅が−5μmか
    ら10μmであることを特徴とする請求項2に記載の液
    晶表示素子用カラーフィルター。
  4. 【請求項4】 色材層および補償層の膜厚が0.5μm
    〜2.0μmであることを特徴とする請求項2ないし3
    のいずれかに記載の液晶表示素子用カラーフィルター。
  5. 【請求項5】 透過用領域の光の色度(x0,y0)と
    反射用領域の補償層を通過した光の色度(x、y)の色
    度差δが以下の式を満たすことを特徴とする請求項1〜
    4いずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルター。 δ=(x−x0)2+(y−y0)2<1×10-3
  6. 【請求項6】 透過用領域の色度をC光源、2波長型光
    源、3波長型光源の内のいずれかにより算出し、反射用
    領域の色度をD65光源により算出した請求項5に記載
    の液晶表示装置用カラーフィルター。
  7. 【請求項7】 色材料の上に透明樹脂層を形成したこと
    を特徴とする請求項1〜5に記載の液晶表示装置用カラ
    ーフィルター。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7に記載のカラーフィルター
    を用いたものである半透過型液晶表示装置。
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