JP6424553B2 - ガスバリア性フィルム - Google Patents

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本発明は、ガスバリア性及び密着性に優れたガスバリア性フィルムに関する
ガスバリア性フィルムは、ハードディスクや半導体モジュールなどの精密電子部品類、太陽電池のバックシート、食品や医薬品等の包装分野、あるいは非包装分野で酸素および水蒸気を遮断する必要がある部材の分野に広く用いられている。
精密電子部品類においては金属部分の腐食、絶縁不良などを防止するために包装材料を透過する酸素や水蒸気、その他内容物を変質させる気体を遮断するガスバリア性を備える包装体が求められている。特に、食品包装においては蛋白質や油脂などの酸化や変質を抑制し、味や鮮度を保持することが必要である。また無菌状態での取り扱いが必要とされる医薬品類においては有効成分の変質を抑制し、効能を維持することが必要である。
そのため、従来から温度、湿度などに影響されないアルミニウムなどの金属箔やアルミニウム蒸着フィルムあるいは、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などの樹脂フィルムやこれらの樹脂をラミネートまたはコーティングしたプラスチックフィルムなどが好んで用いられてきた。
しかし、ガスバリア性樹脂フィルムやガスバリア性樹脂をコーティングしたフィルムは、温度依存性が大きく、高いガスバリア性を維持できない。さらに、使用後PVDCやPANなどは廃棄、焼却の際に有害物質が発生する原因となる可能性を有していた。
アルミニウムなどの金属箔やアルミニウム蒸着フィルムを用いた包装材料は、ガスバリア性には優れるが、レトルト耐性がなく、不透明であるため、包装材料を透過して内容物を識別することが難しいだけではなく、使用後の廃棄の際に不燃物として処理しなければならない点や金属探知機による異物検査や、電子レンジでの加熱処理が出来ないなどの欠点を有していた。
また、これらの欠点を克服した包装用材料として、最近では酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどの無機酸化物を透明な基材フィルム上に蒸着したガスバリア性フィルムが上市されている。これらのガスバリア性蒸着フィルムは金属蒸着フィルムほどではないが、酸素、水蒸気などのガス遮断性を有していることが知られている。しかし、これらのフィルムは上記したそれらの問題を解決しているものの、高いガスバリア性と、高温高湿下(85℃85%RH)や経時変化における耐候性、例えば耐候性試験における評価後として、層間の密着強度については未だ不十分である。
上記の課題を解決する手段として、特許第5103184号公報に記載の技術がある。
特許公報第5103184号
本発明は、上記特許文献1を含め、高温高湿下(85℃85%RH)や経時変化におけ
る従来技術の問題を解決しようとするものであり、高いガスバリア性と層間の密着性を有するガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、請求項1の発明は、基材の少なくとも一方の面に、アンカーコート層と、無機酸化物層と、オーバーコート層とが順次積層されてなるガスバリア性フィルムであって、
前記アンカーコート層は(メタ)アクリル樹脂とイソシアネート樹脂と変性シリコーンオイルからなり、
前記変性シリコーンオイルは、両末端に反応性基を有する反応性ジメチルシリコーンオイルであることを特徴とするガスバリア性フィルムである。
本発明の請求項の発明は、両末端の反応性基がアミノ基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基のいずれかであることを特徴とする請求項に記載のガスバリア性フィルムである。
本発明の請求項の発明は、前記アンカーコート層はガラス転移温度が40℃以上150℃以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルムである。
本発明の請求項の発明は、前記アンカーコート層の厚みが1nm以上〜10,000nm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルムである。
本発明の請求項の発明は、前記無機酸化物層は化学式SiOで表される酸化珪素で、該xの値は1.5〜1.8の範囲であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルムである。
本発明の請求項の発明は、酸化珪素の総膜厚が10nm以上150nm以下であることを特徴とする請求項に記載のガスバリア性フィルムである。
本発明の請求項の発明は、前記オーバーコート層は水溶性高分子とアルコキシシランまたはその加水分解生成物とを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルムである。
本発明の請求項の発明は、前記オーバーコート層は厚みが5nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルムである。
本発明は基材の少なくとも一方の面に、アンカーコート層と、無機酸化物層と、オーバーコート層とが順次積層されてなるガスバリア性フィルムであって、アンカーコート層及びオーバーコート層によって各層間の密着強度が向上し、高温高湿下や耐候試験等の厳しい環境条件化にさらされても優れた耐性を有することができる。
具体的には、前記アンカーコート層が(メタ)アクリル樹脂とイソシアネート樹脂と変性シリコーンオイルからなり、特に前記変性シリコーンオイルとして両末端にアミノ基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基のいずれかの反応性基を有する反応性ジメチルシリコーンオイルを用いることで、シリコーン鎖が樹脂骨格中にブロック的に配置するシリコ
ーンブロック共重合体を得ることができる。これにより、耐熱性、耐寒性、耐候性、耐衝撃性、可撓性といった樹脂の物理的特性を改質することが可能となり、耐久試験後の層間密着性を向上することができる。
また、(メタ)アクリル樹脂、特にヒドロキシル基やカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーから得られた(メタ)アクリル樹脂は、末端のこれらの官能基とイソシアネートとが反応してウレタン結合を形成し、その結果、層間密着力が向上する効果が期待できる。
一方、オーバーコート層は無機酸化物層との層間強度を向上する作用効果がある。一般に、前記無機酸化物層は硬く脆い層であるため、折り曲げ、引張りなどの外的要因により、層に亀裂が生じる恐れがある。そこで前記無機酸化物層の上にオーバーコート層を設けることにより保護することができる。
具体的には、オーバ−コート層として、無機酸化物層との親和力が高い水溶性高分子とアルコキシシランまたはその加水分解生成物を含有した成分を用いることにより、無機酸化物層に浸透し易くなり、三次元的に覆うような状態で保護することができる。
上記で説明したように、本発明によれば高いガスバリア性と高温高湿下や耐候試験後に層間の密着性を有するガスバリア性フィルムを提供することができる。
本発明の一実施形態によるガスバリア性フィルムの断面図。 本発明の一実施形態によるガスバリア性フィルム積層体の断面図。
本発明のガスバリア性フィルムは図1に示すように、基材1の一方の面にアンカーコート層2、無機酸化物層3、オーバーコート層4が順次積層してなり、前記アンカーコート層2が(メタ)アクリル樹脂とイソシアネート樹脂と変性シリコーンオイルとからなることを特徴としている。
前記基材1は高分子フィルムが好ましく、特に制限を受けるものではなく公知のものを使用することが出来る。例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)ポリエステル系(ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアミド系、(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等)などの高分子フィルムが挙げられる。
基材1として透明フィルムを用いることは、大量生産に適するため好ましい。また、厚みに関しては、特に制限を受けるものではなく、ガスバリア性フィルムを形成する蒸着加工などの加工性を考慮すると、実用的には6μm以上188μm以下の範囲が好ましい。
アンカーコート層2を構成する(メタ)アクリル樹脂は2つ以上の(メタ)アクリル酸エステルモノマーから共重合され、(メタ)アクリル酸エステルモノマーは特に制限を受けるものではなく公知のものを使用することができる。例えば、メチルアクリレート(MA)、エチルアクリレート(EA)、プロピルアクリレート(PA)、ブチルアクリレート(BA)、シクロヘキシルアクリレート(CHA)、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、プロピルメタクリレート(PMA)、ブチルメタクリレート(BMA)、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ヒドロキシブチルメタクリレート(HBMA)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)などが挙げられる。層間の密着性を維持するためには、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートの群から1つ以上選択することが好ましい。また、ヒドロキシル基やカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーの場合、イソシアネートと反応し、層間密着力が向上するため導入したほうが好ましい。
また、アンカーコート層2を構成するイソシアネート樹脂としては、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソサネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等の各種ジイソシアネート、及びそれらの各種変性物、及びそれらを多官能化したダイマー体、アダクト体、アロファネート体、トリマー体、カルボジイミドアダクト体、ビウレット体、またそれらの重合物、及び多価アルコールを付加した重合物が挙げられる。
またさらに、アンカーコート層2を構成する変性シリコーンオイルとは、直鎖状のシロキサン骨格を有し、分子構造中に、水素又は炭化水素基以外の基を有するものを言う。変性シリコーンオイルとしては、変性シリコーンオイルとして市販されているものを使用することができる。中でも、分子構造中にジメチルシリコーン骨格を有するものが好ましい。また、分子構造中に反応性基を有するものが好ましく、分子構造中にジメチルシリコーン骨格を有し、かつ分子構造中に熱硬化性樹脂との反応が可能な、反応性基を有するものが特に好ましい。反応性基としては、ポリシロキサンの側鎖の一部に導入されたものであってもよいし、ポリシロキサンの片末端又は両末端に導入されたものであってもよいし、ポリシロキサンの側鎖に加えて、片末端又は両末端に導入されたものであってもよい。特に両末端に反応性基があるものが好ましい。両末端の反応性基が反応した場合、シリコーン鎖が樹脂骨格中にブロック的に配置するシリコーンブロック共重合体を得ることができ、耐熱性、耐寒性、耐候性、耐衝撃性、可撓性といった樹脂の物理的特性を改質することが可能となり、耐久試験後の層間密着性を向上することができる。上記反応性基としては、アミノ基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基などが挙げられ、例えば、以下の市販品を用いることができる。
反応性基として分子構造中にアミノ基を有するシリコーンオイルとしては、例えば、両末端にアミノ基を有する「PAM−E」(官能基当量130g/mol)、「KF−8010」(官能基当量430g/mol)、「X−22−161A」(官能基当量800g/mol)、「X−22−161B」(官能基当量1500g/mol)、「KF−8012」(官能基当量2200g/mol)、「KF−8008」(官能基当量5700g/mol)、「X−22−1660B−3」(官能基当量2200g/mol)、「X−22−9409」(官能基当量670g/mol)(以上、信越化学工業社製)等が挙げられ、これらは単独もしくは複数組み合わせても良い。
また、反応性基としてエポキシ基を有するシリコーンオイルとしては、例えば、両末端にエポキシ基を有する「X−22−163」(官能基当量200g/mol)、「KF−105」(官能基当量490g/mol)、「X−22−163A」(官能基当量1000g/mol)、「X−22−163B」(官能基当量1750g/mol)、「X−22−163C」(官能基当量2700g/mol)、「X−22−169AS」(官能基当量500g/mol)、「X−22−169B」(官能基当量1700g/mol)(以上、信越化学工業社製)等が挙げられ、これらは単独もしくは複数組み合わせても良い。
また、反応性基として水酸基を有するシリコーンオイルとしては、例えば、両末端に水酸基を有する「KF−6000」(官能基当量120g/mol)、「KF−6001」(官能基当量62g/mol)、「KF−6002」(官能基当量35g/mol)、「KF−6003」(官能基当量22g/mol)、「X−21−5841」(官能基当量500g/mol)、「KF−9701」(官能基当量1500g/mol)(以上、信越化学工業社製)等が挙げられ、これらは単独もしくは複数組み合わせても良い。
またさらに、反応性基としてカルボキシル基を有するシリコーンオイルとしては、例えば、両末端にカルボキシル基を有する「X−22−162C」(官能基当量2300g/mol)(信越化学工業社製)等が挙げられる。
前記反応性ジメチルシリコーンオイルは、(メタ)アクリル樹脂に対して0.1〜80質量%の割合で添加することが好ましい。0.1%未満や80%を超える場合、十分な層間密着性が得られない恐れがある。
前記アンカーコート層の硬化膜のガラス転移温度Tgは40℃以上150℃以下が好ましい。40℃未満では耐久性が低く、十分な層間密着性が得られない恐れがある。また、150℃以上では折り曲げ、引張りなどの外的要因により、膜に亀裂が生じ、バリア性が低下する恐れがある。
前記のアンカーコート層2の厚みは、通常1〜10,000nm、好ましくは50〜100nmである。膜厚が10,000nmを超える場合、膜の内部応力により基材フィルム又はシートから剥離し易くなり、1nm未満になると、膜厚が均一にならない可能性がある。また、フィルムへの塗膜の接着性を向上させるため、塗工前に基材フィルムの表面に化学処理、放電処理などを施してもよい。コーティング方式はバーコーター、ナイフコート、ダイコート、(リバース)グラビアコート、マイクログラビアコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷などが挙げられるが特に限定されない。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など熱をかける方法を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
無機酸化物層3の成膜手段としては、真空蒸着方式のうち、電子ビームやレーザービーム等による加熱蒸着法が好ましく用いられ、特に電子ビーム加熱蒸着法が、成膜速度や無機酸化物蒸着用材料への昇温降温が短時間で行える点で有効である。
無機酸化物層3に用いる金属は珪素、アルミニウム、チタン、スズ、亜鉛、インジウム、マグネシウムの群から一つ若しくは複数から選択される。
蒸発した蒸着用材料によってアンカーコート層2の表面上に形成される無機酸化物層3の厚さは、一般的には5nm以上300nm以下の範囲内が望ましく、さらに好ましくは10nm以上150nm以下で、その値は適宜選択される。
ただし、無機酸化物層3の厚みが5nm未満であると均一な膜が得られないことや、十分なバリア性能を発揮できない場合がある。また、膜厚が300nmを超える場合は、膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引張りなどの外的要因により、膜に亀裂が生じる恐れがある。
オーバーコート層4は、硬く脆い無機酸化物層3を保護し、擦れや屈曲によるクラックの発生を防止するために設けられ、水溶性高分子とアルコキシシランまたはその加水分解生成物を含有した成分からなる。水溶性高分子とアルコキシシランまたはその加水分解生成物とを含有するコーティング液を無機酸化物層3の上に塗工し、乾燥させることにより形成される。
オーバーコート層4の塗工方式としては、アンカーコート層1と同様に通常のコーティング方法を用いることができる。バーコーター、ナイフコート、ダイコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷などが挙げられるが特に限定されない。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など熱をかける方法を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリビニルピロリドン樹脂(PVP)などを用いることができ、これらを単独あるいは複数組み合わせて用いてもよい。
アルコキシシランとしては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどを用いることができる。また、アルコキシシランの加水分解生成物としては、メタノールなどのアルコールにアルコキシシランを溶解し、その溶液に塩酸などの酸の水溶液を添加し、加水分解反応させることにより調製したものが挙げられる。
また、無機酸化物層3との密着性を上げるために、シランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するもの、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するもの、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するもの、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するものなどが挙げられ、これらのシランカップリング剤を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
図2は本発明のガスバリア性フィルム積層体を示しており、図1に示すガスバリア性フィルム5の両面に、接着剤層6を介して他の基材7を積層することで得られる。接着剤層6の材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエステル、ポリカーボネートポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレンイミン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリブタジエン、ワックス、カゼイン、又はそれらの混合物を主成分として含有した、無溶剤型、溶剤型、水性型、又は熱溶融型接着剤を使用することができる。
接着剤層6の塗工方式としては、アンカーコート層1と同様に通常のコーティング方法を用いることができる。バーコーター、ナイフコート、ダイコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷などのが挙げられるが特に限定されない。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など熱をかける方法を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15μm以上200μm以下の範囲である。なお、他の基材7との積層体は、図1のガスバリア積層フィルム5の片面にのみ設けてもよい。
前記他の基材7としては、その用途に応じて選択され、例えば精密電子部品の包装袋として使用される場合には、袋を密閉するためにヒートシール性を有する樹脂層が好適に使用される。例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、これらの金属架橋物、又はポリ乳酸樹脂などの生分解性樹脂を使用することができる。
また、産業資材の部材として使用される場合には、液晶表示素子、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル、真空断熱材、EL用基板、カラーフィルター等の用途特性に応じた樹脂フィルム層が使用され、例えば、ポリエチレンテレフタテート、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、セルローストリアセテート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、など高温高湿で長期間使用可能な樹脂を使用することができる。ラミネート樹脂層7の厚さは、一般的には10μm以上500μmの範囲内である。
前記他の基材7とガスバリア性フィルム5との貼り合わせには、例えば、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、又は押出しラミネート法を利用することができる。例えば、押出しラミネート法を利用した場合には、接着剤層6は省略することも可能である。
以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。
<実施例1>
<アンカーコート層の形成>
基材として厚さ16μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、
HEMA/MMA/nBMAの割合がモル比で13/72/15(OH価:66mgKOH/g)の(メタ)アクリル樹脂に、反応基として水酸基を有する反応性ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製:X−21−5841、OH価:121mgKOH/g)を(メタ)アクリル樹脂に対して1%添加し、さらにイソシアネート樹脂としてタケネートD−110N(三井化学社製)をNCO/OH比が1になるように調整した塗液を、前記PETフィルム上にバーコーターにて塗工し、120℃で乾燥させ、その後、60℃で2日間硬化させて厚さ0.05μmアンカーコート層を形成した。
<無機酸化物層の形成>
無機酸化物層の蒸着材料として以下の金属珪素と二酸化珪素を用い、O/Si比が1.5になるように混合して、電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置により、電子銃から放出する電子ビームを蒸着用材料に照射し蒸発させ、アンカーコート層上に厚み30nmの無機酸化物層を形成した。
・金属珪素:50μm以下の径を有する粉末が95%以上
・二酸化珪素:結晶構造を95%含み、50μm以下の径を有する粉末が95%以上
<オーバーコート層の形成>
テトラエトキシシランを0.02mol/Lの塩酸で加水分解した溶液に、けん化度99%、重合度2400のPVAの5%水溶液を、SiO/PVA=60/40となる割合で加えてオーバーコート層形成用組成物を調整した。
次に、無機酸化物層の上に、上記オーバーコート層形成用組成物を塗工し、120℃で乾燥させて、0.4μmのオーバーコート層を形成しガスバリア性フィルムを作製した。
<ガスバリア性フィルム積層体の作製>
上記で作製したガスバリア性フィルムの両面に、5g/mのポリウレタン系接着剤を介して、厚さ50μmの耐加水分解PET(東レ製、X10S)をドライラミネート法により積層してガスバリア性フィルム積層体を作製した。
<実施例2>
反応性ジメチルシリコーンオイルを(メタ)アクリル樹脂に対して5%添加した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
<実施例3>
反応基としてアミノ基を両末端に有する反応性ジメチルシリコーンオイルを用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
<実施例4>
(メタ)アクリル樹脂の組成をHEMA/MMA/MAとし、組成比が12/58/30とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
<比較例1>
反応性ジメチルシリコーンオイルを添加しなかった以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
<比較例2>
反応性ジメチルシリコーンオイルの代りに非反応性ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製:KF−96L−0.65cs、両末端がメチル基)を用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
<評価及び方法>
上記実施例1〜4及び比較例1〜2で得られたガスバリア性フィルム及びガスバリア性フィルム積層体について、以下の方法で水蒸気透過率、層間密着力、硬化膜のガラス転移温度を測定評価した。結果を以下の表1に記す。
(水蒸気バリア性)
モダンコントロール社製の水蒸気透過度測定装置(MOCON PERMATRAN 3/33)を用いて40℃90%RHの雰囲気で測定した。
(層間密着性)
エスペック社製の恒温高湿器を用いて、ダンプヒート:85℃85%RH下で1000時間処理と、東洋精機製作所社製の促進耐候性試験機(XWOM:キセノンウェザーオメーター)を用いてJIS7350−2に基づき500時間処理した後に、10mm巾の短冊状に切り出して試験片とし、その端部を一部剥離させ、引っ張り試験機(インストロン社製)により、300mm/min.の速度でT型剥離を行った。層間密着力が1N以上を○、1N未満を×とした。
(ガラス転移温度)
固形分20%のアンカーコート層の塗液を調整して、100℃で2時間乾燥させて硬化物を得た。その後、硬化物をアルミニウム製の容器に封入し、DSC(示差走査熱量測定)にて測定した。測定条件は−20℃から10℃/min.で250℃まで昇温、5分保持させた後、−20℃まで270℃/min.で降温させた。この条件を2サイクル実施し、2サイクル目の測定データを採用した。また、炉内に窒素ガスを流入させながら測定を実施した。
Figure 0006424553
<比較結果>
表1のように、実施例1〜4、比較例1〜2の水蒸気透過度には差がなかったが、実施例1〜4の耐久試験後の層間密着性は比較例1〜2より優れる結果が得られた。
本発明は、水蒸気などの種々のガスに対する高ガスバリア性と高温高湿下、耐候性における層間密着性を有しバリア・封止が求められる分野に幅広く適応できる。
1…基材
2…アンカーコート層
3…無機酸化物層
4…オーバーコート層
5…ガスバリア性フィルム
6…接着剤層
7…他の基材(ラミネート基材)
8…ガスバリア性フィルム積層体

Claims (8)

  1. 基材の少なくとも一方の面に、アンカーコート層と、無機酸化物層と、オーバーコート層とが順次積層されてなるガスバリア性フィルムであって、
    前記アンカーコート層は(メタ)アクリル樹脂とイソシアネート樹脂と変性シリコーンオイルからなり、
    前記変性シリコーンオイルは、両末端に反応性基を有する反応性ジメチルシリコーンオイルであることを特徴とするガスバリア性フィルム。
  2. 両末端の反応性基がアミノ基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基のいずれかであることを特徴とする請求項に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記アンカーコート層はガラス転移温度が40℃以上150℃以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  4. 前記アンカーコート層の厚みが1nm以上〜10,000nm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  5. 前記無機酸化物層は化学式SiOxで表される酸化珪素で、該xの値は1.5〜1.8の範囲であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  6. 酸化珪素の総膜厚が10nm以上150nm以下であることを特徴とする請求項に記載のガスバリア性フィルム。
  7. 前記オーバーコート層は水溶性高分子とアルコキシシランまたはその加水分解生成物とを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  8. 前記オーバーコート層は厚みが5nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
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