JP6423554B1 - ルウの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造過程における原料混合物の硬化を防止しつつ、各原料に由来する風味が向上した料理を作製することのできるルウを製造するための方法の提供。
【解決手段】(1)第1の油脂原料、澱粉質原料、及び第1の粉体原料を含有する第1原料を撹拌混合しながら加熱して、加熱処理混合物を得る工程と、(2)前記加熱処理混合物に水系原料を添加して得られる第2原料を、撹拌混合しながら80℃以上の品温で熱処理して、熱処理混合物を得る工程と、(3)前記熱処理混合物に第2の粉体原料を添加して得られる第3原料を撹拌混合して、ルウを得る工程と、を含むルウの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、製造過程における原料混合物の硬化が防止され、かつ、各原料に由来する風味が向上されたルウの製造方法に関する。
カレー、シチュー、及びハヤシライスソースなどを調理するための調理材料としてルウが用いられている。一般に、ルウの特性は、使用する原料の種類及び量だけでなく、配合順序や熱処理方法などの様々な条件によって変化するので、ルウの風味を向上させるために、その製造方法に関して多くの研究が行われてきた(特許文献1〜4)。
特許第3229838号公報 特許第3229839号公報 特許第3276884号公報 特許第3670986号公報
上記の先行技術では、油脂原料及び澱粉質原料を加熱して小麦粉ルウなどの加熱処理混合物を調製し、その後に粉体原料及び水系原料を添加している。一方、油脂原料及び澱粉質原料を加熱する際に粉体原料及び水系原料も添加して、一緒に撹拌混合しながら加熱すると、当該混合物は温度上昇に伴って急激に硬化してしまう。前記各原料の混合物が硬化して撹拌が困難になると、全体を均一に熱処理して各原料の風味を十分に引き出すことができない。これに対して、製造過程における原料混合物の硬化を抑えて熱処理することができれば、各原料を有機的に反応させて、一層風味が向上されたルウを製造することができる。そこで、本発明は、製造過程における原料混合物の硬化を防止しつつ、各原料に由来する風味が向上されたルウを製造するための方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、粉体原料を第1の粉体原料と第2の粉体原料に分け、油脂原料、澱粉原料及び第1の粉体原料を含む原料を加熱すること、すなわち、全ての粉体原料を含む場合と比較して、原料中の油脂の割合を高い状態にして加熱し、次いで水系原料を添加して80℃以上に加熱し、その後、第2の粉体原料を添加して撹拌混合すれば、ルウの原料を高温で加熱した場合であっても製造過程で原料混合物の硬化を抑えることができ、またそのように製造したルウを使用すれば、風味の高い料理を作製することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下に示すルウの製造方法を提供するものである。
〔1〕ルウの製造方法であって、
(1)第1の油脂原料、澱粉質原料、及び第1の粉体原料を含有する第1原料を撹拌混合しながら加熱して、加熱処理混合物を得る工程と、
(2)前記加熱処理混合物に水系原料を添加して得られる第2原料を、撹拌混合しながら80℃以上の品温で熱処理して、熱処理混合物を得る工程と、
(3)前記熱処理混合物に第2の粉体原料を添加して得られる第3原料を撹拌混合して、ルウを得る工程と、
を含むことを特徴とする、ルウの製造方法。
〔2〕前記第2原料中の油脂の含有量が、前記第2原料の全質量に対して38質量%を超える、前記〔1〕に記載のルウの製造方法。
〔3〕工程(1)と工程(2)との間で、前記加熱処理混合物の品温が、80℃以上で保たれている、前記〔1〕又は〔2〕に記載のルウの製造方法。
〔4〕工程(2)において、前記水系原料を、第2の油脂原料との混合物として添加する、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のルウの製造方法。
〔5〕工程(3)において、前記第2の粉体原料を添加した後の前記第3原料の品温が、工程(2)の熱処理時の最高到達温度から約5℃以上低い、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載のルウの製造方法。
〔6〕前記第1の粉体原料が、砂糖、カレーパウダー、粉乳、及びアミノ酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載のルウの製造方法。
〔7〕前記第2の粉体原料が、食塩、砂糖、カレーパウダー、及びクエン酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載のルウの製造方法。
本発明に従えば、製造過程におけるルウの硬化を防止しつつ、各原料に由来する風味が向上されたルウを製造することが可能となる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本明細書に記載の「ルウ」とは、カレー、シチュー、ハヤシライスソース、ハッシュドビーフ、スープ、及びその他各種ソースを調理する際に使用する調理材料のことをいう。前記ルウを、肉や野菜などの食材を水と一緒に煮込んだところに投入することで、各料理を手軽に作ることができる。前記ルウの形態は、本技術分野で通常採用されるものであれば特に限定されないが、例えば、ブロック状、フレーク状、顆粒状、又は粉状のいずれであってもよく、好ましくはブロック状(固形ルウ)、フレーク状又は顆粒状である。
本発明のルウの製造方法は、第1の油脂原料、澱粉質原料、及び第1の粉体原料を含有する第1原料を撹拌混合しながら加熱して、加熱処理混合物を得る工程(工程1)を含む。本明細書に記載の「油脂原料」とは、食用に供される天然油脂又は加工油脂などの油脂のことをいう。前記油脂原料は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、バター、牛脂、及び豚脂などの動物油脂、マーガリン、パーム油、綿実油、及びコーン油などの植物油脂、並びにこれらの硬化油脂などからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。前記第1の油脂原料の配合量は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、前記第1原料の全質量に対して、約35〜約70質量%であってもよく、好ましくは約40〜約65質量%であり、前記ルウの原料の全質量に対して、約10〜約38質量%であってもよく、好ましくは約25〜約38質量%であってもよく、より好ましくは約30〜約38質量%である。前記第1の油脂原料の配合量がこの範囲内であると、後述する工程2において第2原料を熱処理したときの硬化抑制効果が高まるので、当該第2原料の撹拌混合を行うことが容易になる。
本明細書に記載の「澱粉質原料」とは、澱粉を主成分とする食品原料のことをいう。前記澱粉質原料は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、小麦澱粉、コーンスターチ、米澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、くず澱粉、及び化工澱粉などの澱粉、並びに、小麦粉、コーンフラワー、米粉、ライ麦粉、蕎麦粉、あわ粉、きび粉、はと麦粉、及びひえ粉などの穀粉などからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。前記澱粉質原料の配合量は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、前記第1原料の全質量に対して、約10〜約50質量%であってもよく、好ましくは約15〜約45質量%であり、前記ルウの原料の全質量に対して、約5〜約40質量%であってもよく、好ましくは約10〜約35質量%である。
本明細書に記載の「粉体原料」とは、前記澱粉質原料以外の粉状の食品原料のことをいう。特に、前記第1の油脂原料及び前記澱粉質原料と一緒に加熱される第1原料を構成するものを「第1の粉体原料」といい、後述する熱処理混合物に添加されて第3原料を構成するものを「第2の粉体原料」という。前記第1の粉体原料は、前記第1の油脂原料及び前記澱粉質原料と最初から混合して加熱してもいいし、前記第1の油脂原料及び前記澱粉質原料をある程度加熱してから添加し、さらに加熱を続けてもよい。また、前記第1の粉体原料は、粉体のまま前記第1の油脂原料及び前記澱粉質原料に添加してもいいし、予め少量の油脂原料と混合したものを添加してもよい。
前記粉体原料としては、当技術分野で通常採用される粉状の食品原料を、特に制限されることなく使用することできる。前記粉体原料は、例えば、砂糖、香辛料、野菜パウダー、食塩、粉乳、アミノ酸(調味料)、又はクエン酸などの有機酸などであってもよい。前記香辛料としては、1種類の香辛料を単独で使用してもよく、複数種の香辛料を混合した混合香辛料を使用してもよい。前記香辛料としては、例えば、カレーパウダー、ガーリックパウダー、コリアンダー、クミン、キャラウェー、タイム、セージ、胡椒、唐辛子、マスタード、ターメリック、及びパプリカなどを使用してもよい。
また、前記第1の粉体原料としては、工程1による加熱及び工程2による熱処理により風味が向上するものが好ましく、具体的には、カレーパウダー、コリアンダー、クミン、胡椒、唐辛子、及びターメリック等の香辛料、砂糖、野菜パウダー、粉乳、又は、アミノ酸(調味料)を採用してもよい。前記第1の粉体原料の配合量は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、前記第1原料の全質量に対して、約5〜約50質量%であってもよく、好ましくは約5〜約45質量%であり、前記ルウの原料の全質量に対して、約4〜約40質量%であってもよく、好ましくは約4〜約35質量%である。
前記工程1における加熱条件は、製造するルウの種類及び/又は前記第1原料中の原料の種類に応じて適宜調整され得るものであるが、例えば、前記第1原料を、到達品温が約70〜約150℃になるように約1〜約100分間加熱してもよい。
本発明のルウの製造方法は、前記加熱混合物に水系原料を添加して得られる第2原料を、撹拌混合しながら約80℃以上、好ましくは約90〜約150℃の品温で熱処理して、熱処理混合物を得る工程(工程2)を含み、前記熱処理の時間は特に限定されないが、例えば、約1〜約100分間、好ましくは約3〜約75分間、より好ましくは約5〜約60分間であってもよい。この範囲の条件で熱処理を行うと、前記水系原料中の水分が、前記第2原料中の成分の化学反応(特にメイラード反応など)を効率よく進行させることができる。前記工程2により、前記水系原料を含む各原料を有機的に反応させてコクのある風味の向上したルウを製造することができる。また、前記工程2の熱処理の間は、前記第2原料の品温が80℃以上である限り、必ずしも加熱を続ける必要はなく、当該品温が上下してもよい。
前記第2原料中の油脂(前記第1の油脂原料に加えて、前記工程2で他の油脂原料が添加された場合には当該他の油脂原料も含む)の含有量は、当該第2原料の粘度が撹拌困難な程度まで上昇しない限り特に限定されないが、例えば、前記第2原料の全質量に対して、約38質量%を超えてもよく、好ましくは約40〜約65質量%である。前記第2原料中の油脂の含有量がこの範囲内であると、当該第2原料の硬化抑制効果が高まるので、その撹拌混合を行うことが容易になる。前記第2原料中の油脂の含有量の測定は、例えば、エーテル抽出法等により行うことができる。
本明細書に記載の「水系原料」とは、ある程度の水分を含有する食品原料のことをいい、固体、液状又はペースト状であり得る。前記水系原料の水分量は、特に限定されないが、例えば、当該水系原料の全質量に対して約20質量%以上であってもよい。前記水系原料の具体例としては、果実(リンゴ、バナナ、及びチャツネなど)のペースト又はエキス、畜肉(ビーフ、チキン、及びポークなど)のペースト又はエキス、野菜(オニオン、ガーリックなど)のペースト又はエキス、チーズ、及び生クリームなどを挙げることができ、これらからなる群より選択される少なくとも1種を使用してもよい。前記水系原料の添加量は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、前記第2原料の全質量に対して、約0.1〜約10質量%であってもよく、好ましくは約0.1〜約4質量%であり、前記ルウの原料の全質量に対して、約0.05〜約7質量%であってもよく、好ましくは約0.05〜約3質量%である。
また、前記水系原料を、第2の油脂原料との混合物として前記加熱処理混合物に添加してもよい。このようにすることにより、前記加熱処理混合物中での前記水系原料の分散性を高めることができる。前記第2の油脂原料としては、前記第1の油脂原料と同じ油脂原料を採用してもいいし、異なる油脂原料を採用してもよい。前記混合物の水分量は、特に限定されないが、例えば、当該混合物の全質量に対して、約1〜約50%であってもよく、好ましくは約1〜約40%である。
前記水系原料を前記加熱処理混合物に添加するときの当該加熱処理混合物の品温は、これらを含む前記第2原料の熱処理が可能である限り特に限定されないが、例えば、前記加熱処理混合物の品温が80℃以上のときに、前記水系原料を添加してもよい。また、前記工程1から前記工程2への移行は連続的に実施し得て、この間に、前記加熱処理混合物の品温は80℃以上で保たれてもいいし、前記工程2の熱処理が可能である限り、その熱処理の前に、一時的に前記加熱処理混合物の品温が80℃未満に低下してもよい。そして、前記工程2は、前記工程1と同じ加熱撹拌釜内で実施してもいいし、異なる加熱撹拌釜内で実施してもよい。
本発明のルウの製造方法は、前記熱処理混合物に第2の粉体原料を添加して得られる第3原料を撹拌混合して、ルウを得る工程(工程3)を含む。本明細書に記載の「第2の粉体原料」とは、前記第2原料中の油脂の含有量が低下するのを防ぐために前記工程2の熱処理の前に添加するのを控えていた粉状の食品原料であって、前記熱処理混合物と一緒に撹拌混合される第3原料を構成するものをいう。前記第2の粉体原料は、前記第1の粉体原料と同じ種類の粉体原料であってもいいし、異なる種類の粉体原料であってもいい。また、前記第2の粉体原料は、粉体のまま前記熱処理混合物に添加してもいいし、予め少量の油脂原料と混合したものを添加してもよい。
前記第2の粉体原料としては、例えば、食塩、砂糖、カレーパウダー、及びクエン酸などからなる群より選択される少なくとも1種を採用してもよい。前記第2の粉体原料の配合量は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、前記ルウの原料の全質量に対して、約5〜約60質量%であってもよく、好ましくは約5〜約55質量%であり、前記第1の粉体原料の配合量と合計した粉体原料の総配合量は、約9〜約70質量%であってもよく、好ましくは約9〜約64質量%である。
前記第2の粉体原料を前記熱処理混合物に添加した後の前記第3原料の品温は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、当該品温が前記工程2の熱処理時の最高到達温度(前記第2原料が前記工程2の間に到達した最も高い品温)から約5℃以上、好ましくは約10℃以上低くなるように、前記第2の粉体原料の量及び/又は前記熱処理混合物の品温を調節して、前記第2の粉体原料を添加してもよい。前記第2の粉体原料添加後の前記第3原料の品温をこのように管理することで、前記第3原料の粘度の上昇を、より効果的に抑制することができる。そして、前記工程3では、前記第3原料の品温を前記第2の粉体原料添加後の所定の温度に維持しつつ、前記第3原料が硬化しない程度に撹拌混合を行ってもいいし、前記第3原料を常温での撹拌混合により放冷して冷却又は冷却釜によって強制的に冷却してもよい。
本発明のルウの製造方法は、本発明の目的を損なわない限り、各種の形態の任意の食品原料(第2の水系原料又は第3の粉体原料など)又は任意の添加剤を添加する工程をさらに含んでもよい。
本発明のルウの製造方法は、カレー、シチュー、ハヤシライスソース、ハッシュドビーフ、スープ、及びその他各種ソースを調理するためのルウを製造するためなどに利用することができる。本発明のルウの製造方法に従って製造されたルウは、例えば、前記油脂原料を約10〜約38質量%、好ましくは約25〜約38質量%、より好ましくは約30〜約38質量%含み得て、前記澱粉質原料を約5〜約40質量%、好ましくは約10〜約35質量%含み得るものであり、前記油脂原料、前記澱粉質原料、前記第1の粉体原料、前記水系原料、及び/又は前記第2の粉体原料に由来する風味が向上されている。このようなルウを使用すれば、風味の豊かな料理を作製することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)パーム硬化油34質量部及び小麦粉25質量部を加熱撹拌釜に投入して撹拌混合しながら加熱し、その後、カレー粉4質量部、砂糖10質量部、粉乳1質量部、及びアミノ酸1質量部を加えて撹拌混合しながら加熱した。加熱撹拌釜内の原料(第1原料)の品温を、加熱開始から60分かけて95℃まで昇温させて加熱ルウ(加熱処理混合物)を製造した。
(2)加熱撹拌釜内にリンゴペースト(水分量30質量%)1質量部とパーム硬化油1質量部との混合物を加えて得た第2原料を、撹拌混合しながら90〜100℃の品温で7分間熱処理して、熱処理混合物を得た。なお、第2原料中の油脂の含有量は45質量%であり、撹拌終了時の加熱撹拌釜内の原料の品温は100℃であった。
(3)加熱撹拌釜内に食塩12質量部、カレー粉9質量部、及びクエン酸2質量部を添加した。添加後の加熱撹拌釜内の原料の品温は93℃であった。その後、撹拌混合しながら加熱撹拌釜内の原料を60℃に冷却した。これを容器に充填し、さらに20℃まで冷却固化してカレールウ(固形ルウ)を製造した。
〔比較例1〕
油脂及び小麦粉を加熱撹拌する際には、粉体原料は一切添加せず、リンゴペースト(水分量30質量%)とパーム硬化油との混合物を添加して熱処理が終わった後に、カレー粉、砂糖、粉乳、アミノ酸、食塩、及びクエン酸を所定の量で添加した以外は、実施例1と同様の方法でカレールウ(固形ルウ)を製造した。なお、このときの第2原料中の油脂の含有量は57質量%であった。
〔比較例2〕
油脂及び小麦粉を加熱撹拌釜に投入して加熱撹拌した後に、カレー粉、砂糖、粉乳、及びアミノ酸だけでなく、食塩、カレー粉、及びクエン酸も所定の量で添加して加熱ルウを調製し、リンゴペースト(水分量30質量%)添加後には粉体原料は一切添加しない以外は、実施例1と同様の方法でカレールウ(固形ルウ)を製造しようと試みた。しかしながら、これらの原料で調製した加熱ルウにリンゴペースト(水分量30質量%)とパーム硬化油との混合物を添加して得た第2原料を、80℃以上の品温で熱処理すると、品温の上昇に伴い当該第2原料の粘度が上昇した後に硬化してしまい、カレールウ(固形ルウ)を製造することができなかった。なお、このときの第2原料中の油脂の含有量は35質量%であった。
〔比較例3〕
工程2において前記第2原料を70〜75℃の品温で熱処理した以外は、実施例1と同様の方法でカレールウ(固形ルウ)を製造した。なお、工程2の撹拌終了時の加熱撹拌釜内の原料の品温は75℃であり、食塩、カレー粉、及びクエン酸添加後の加熱撹拌釜内の原料の品温は69℃であった。
〔試験例〕
実施例1又は比較例1若しくは3のカレールウを使用して、カレーソースを作製した。具体的には、115質量部のカレールウ及び750質量部の湯を加熱釜に投入し、沸騰させて、カレーソースを作製した。
作製したカレーソースの「コク」に関して、5名のパネリスト(A〜E)による官能評価を行った。比較例1のカレーソースを基準(評点1:コクが弱い)とし、以下に示す3段階で他のカレーソースを評価した。
「コク」
3:カレーに適した十分なコクがある
2:評点1のカレーソースよりもコクがあるが不十分である
1:コクが弱い
各パネリストの評点及び平均値を表1に示す。
Figure 0006423554
比較例1のカレールウの製造工程においては、粉体原料に熱処理が施されていなかったため風味の発現が不十分であり、このルウを使用してもコクの弱いカレーソースしか作製できなかった。また、比較例3のカレールウの製造工程においては、一部の粉体原料に熱処理が施されていたが、当該熱処理時の温度が不十分であったため、このルウを使用して作製したカレーソースのコクは、比較例1と比べれば向上していたものの、カレーとしては不十分なものであった。これに対して、実施例1のカレールウの製造工程においては、一部の粉体原料に十分な熱処理が施されており、このルウを使用することによって、カレーに適した十分なコクを有するカレーソースを作製することができた。これは、本発明の製造方法によって、各原料に由来する風味が向上したからであると考えられる。
〔実施例2〕
リンゴペースト(水分量30質量%)1質量部を加える代わりに、オニオンペースト(水分量30質量%)1質量部を加えたこと以外は、実施例1と同様の方法でカレールウ(固形ルウ)を製造した。
実施例2のカレールウを使用して試験例と同様にしてカレーソースを作製した。このソースを喫食したところ、オニオンの良好な風味に加えてカレーに適した十分なコクのあるカレーソースを作製できたことが確認された。
〔実施例3〕
リンゴペースト(水分量30質量%)1質量部を加える代わりに、ビーフペースト(水分量30質量%)1質量部を加えたこと以外は、実施例1と同様の方法でカレールウ(固形ルウ)を製造した。
実施例3のカレールウを使用して試験例と同様にしてカレーソースを作製した。このソースを喫食したところ、ビーフの良好な風味に加えてカレーに適した十分なコクのあるカレーソースを作製できたことが確認された。
〔実施例4〕
リンゴペースト(水分量30質量%)1質量部を加える代わりにリンゴペースト(水分量30質量%)2質量部を加え、アミノ酸1質量部を加えなかったこと以外は、実施例1と同様の方法でカレールウ(固形ルウ)を製造した。
実施例4のカレールウを使用して試験例と同様にしてカレーソースを作製した。このソースを喫食したところ、カレーに適した十分なコクを感じた。
〔実施例5〕
パーム硬化油34質量部を加熱撹拌釜に投入する代わりにパーム硬化油35質量部を投入し、かつ、リンゴペースト(水分量30質量%)1質量部とパーム硬化油1質量部との混合物を加熱ルウに加える代わりに、リンゴペースト(水分量30質量%)1質量部のみを加熱ルウに加えたこと以外は、実施例1と同様の方法でカレールウ(固形ルウ)を製造した。実施例5では、実施例1に比べて加熱ルウ中のリンゴペーストを分散させにくかったが、カレールウ(固形ルウ)を製造することができた。
実施例5のカレールウを使用して試験例と同様にしてカレーソースを作製した。このソースを喫食したところ、実施例1のカレールウを使用して作製したカレーソースほどではないが、カレーに適した十分なコクを感じた。
以上より、水系原料を含む第2原料を撹拌混合しながら80℃以上の品温で熱処理すること、及び、当該熱処理の前に第1の粉体原料を添加し、当該熱処理の後に第2の粉体原料を添加することにより、原料混合物の硬化を引き起こさずに各原料を十分に熱処理して、その風味を引き出すことができることがわかった。したがって、製造過程における原料混合物の硬化を防止しつつ、各原料に由来する風味が向上した料理を作製することのできるルウを製造することが可能となる。

Claims (6)

  1. ルウの製造方法であって、
    (1)第1の油脂原料、澱粉質原料、及び第1の粉体原料を含有する第1原料を撹拌混合しながら加熱して、加熱処理混合物を得る工程と、
    (2)前記加熱処理混合物に水系原料を添加して得られる第2原料を、撹拌混合しながら80℃以上の品温で熱処理して、熱処理混合物を得る工程と、
    (3)前記熱処理混合物に第2の粉体原料を添加して得られる第3原料を撹拌混合して、ルウを得る工程と、
    を含み、前記第2原料中の油脂の含有量が、前記第2原料の全質量に対して38質量%を超えることを特徴とする、ルウの製造方法。
  2. 工程(1)と工程(2)との間で、前記加熱処理混合物の品温が、80℃以上で保たれている、請求項1に記載のルウの製造方法。
  3. 工程(2)において、前記水系原料を、第2の油脂原料との混合物として添加する、請求項1又は2に記載のルウの製造方法。
  4. 工程(3)において、前記第2の粉体原料を添加した後の前記第3原料の品温が、工程(2)の熱処理時の最高到達温度から約5℃以上低い、請求項1〜のいずれか一項に記載のルウの製造方法。
  5. 前記第1の粉体原料が、砂糖、カレーパウダー、野菜パウダー、粉乳、及びアミノ酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のルウの製造方法。
  6. 前記第2の粉体原料が、食塩、砂糖、カレーパウダー、及びクエン酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のルウの製造方法。
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