実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態に係る文章入力支援システムの構成を例示したブロック図である。図2は、図1の表示装置に自由入力欄が表示された例を示す説明図である。図3は、図1の表示装置に入力表示部が表示された例を示す説明図である。図4は、図3の入力表示部に設定文字が表示され、選択領域に先頭文字列が表示された例を示す説明図である。図5は、図4の入力表示部に先頭文字列が表示され、選択領域に次候補文字列が表示された例を示す説明図である。図6は、図5で選択された次候補文字列に紐付けられた後続の次候補文字列が選択領域に表示された例を示す説明図である。図7は、図6で選択された次候補文字列に紐付けられた後続の次候補文字列が選択領域に表示された例を示す説明図である。図8は、図7の入力表示部に業務記録としての一文が表示された例を示す説明図である。図9は、図8の入力表示部に表示されていた一文が自由入力欄に表示された例を示す説明図である。図2〜図9では、業務記録のうち、介護施設などで記録が義務づけられている介護記録を入力する例について示している。
図1〜図9を参照して、文章入力支援システムの全体的な構成について説明する。図1に示すように、文章入力支援システム100は、表示装置10と、入力装置70と、制御装置80と、記憶装置90と、を有している。
記憶装置90は、複数の設定文字と、複数の設定文字のうちの何れかを先頭にもち、設定文字ごとに複数紐付けられた先頭文字列31と、複数の先頭文字列31のそれぞれに対し直接的又は間接的に紐付けられた次候補文字列32と、を関連づけて、連鎖データ92として記憶している。より具体的に、連鎖データ92は、一定の期間において蓄積された膨大な量の業務記録を自然言語処理などにより分析し、同じ内容を示す文章の表現を統一させた定型文を複数作成し、これらの定型文をもとに作成したデータである。つまり、連鎖データ92は、複数の定型文における単語間の連鎖関係を分析し、複数の設定文字と、複数の先頭文字列31と、複数の次候補文字列32との関係性を整理したデータである。
したがって、連鎖データ92のもとである各定型文は、それぞれ、先頭文字列31と、1又は複数の次候補文字列32と、を組み合わせたものである。本実施の形態において、先頭文字列31は、名詞、形容詞、又は名詞もしくは形容詞と助詞との組み合わせなどにより構成される。次候補文字列32は、名詞、形容詞、副詞、又は名詞、形容詞、もしくは副詞と助詞もしくは助動詞との組み合わせなどにより構成される。
設定文字とは、予め設定された文字数の文字又は文字列である。本実施の形態において、記憶装置90には、設定文字として、連鎖データ92のもとである各定型文の読みの頭文字となっている仮名文字が、重複を避けて1文字ずつ設定されている。ここで、仮名文字には、五十音の他、「が」などの濁音、「ゃ」などの小書き、及び「っ」などが含まれる。例えば「を」「ん」「ゃ」「ゅ」「ょ」及び「っ」などのように、頭文字となりにくい文字は、設定文字から除外される傾向にある。さらに、記憶装置90には、設定文字として、仮名文字のうちの2文字の組み合わせである複数の文字列が設定されている。設定文字としての複数の文字列は、連鎖データ92のもとである各定型文の読みの先頭の2文字となっている文字列である。設定文字は、連鎖データ92の作成時に抽出される。
そして、複数の先頭文字列31及び複数の次候補文字列32のうちの少なくとも一方には、空白部分を有する空白付き文字列35が含まれている。また、記憶装置90には、制御装置80の動作プログラムが格納されており、この動作プログラムは、業務記録の入力作業を支援するための文章入力支援プログラム91を含んでいる。
入力装置70は、キーボードと、マウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスとを含んで構成され、記録者による操作の内容を示す操作信号を制御装置80へ送信する。入力装置70は、例えば、文字又は文字列の入力操作と、先頭文字列31又は次候補文字列32の選択操作と、を受け付ける。また、入力装置70は、自由入力モードと入力支援モードとの切替操作を受け付ける機能を有している。
表示装置10は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)からなり、文字又は文字列を表示する機能を有している。また、表示装置10は、文字もしくは文字列、又は業務記録としての文章が表示される自由入力欄11を表示する機能と、文字又は文字列の表示用の入力表示欄12を表示する機能と、を有している。加えて、表示装置10は、予め設定された選択領域13に先頭文字列31又は次候補文字列32を表示する機能を備えている。
制御装置80は、操作内容に応じた情報、つまり入力装置70を介して受け付ける操作の内容に応じた情報を表示装置10に表示させる。制御装置80は、入力装置70を介して、文字又は文字列の入力操作、先頭文字列31又は次候補文字列32の選択操作、及び自由入力モードと入力支援モードとの切替操作などを受け付ける。自由入力モードと入力支援モードとの切替操作は、例えば、キーボードのコントロールキーをダブルクリックする操作により行うことができる。もっとも、自由入力モードと入力支援モードとの切替操作を受け付ける機能は、例えば、キーボードのファンクションキーに割り当ててもよいし、当該機能を割り当てる切替ボタンを表示装置10における入力支援画面に表示させてもよい。
制御装置80は、表示装置10に自由入力欄11を表示させ、入力装置70を介して入力された文字又は文字列を自由入力欄11に表示させる自由入力モードを有している。また、制御装置80は、表示装置10に入力表示欄12を表示させ、業務記録の入力を支援する入力支援モードを有している。
本実施の形態において、文章入力支援システム100は、起動時において、自由入力モードとなるように設定されている。そのため、文章入力支援システム100が起動した際、制御装置80は、表示装置10の表示画面10Aに、図2に示すような、自由入力モードに応じた入力支援画面を表示させる。自由入力モードに応じた入力支援画面には、自由入力欄11が表示される。
図2に例示する入力支援画面には、自由入力欄11の他に、日付欄21、時刻欄22、記録者欄23、登録ボタン25、画像表示欄27、対象者欄28、及び個人情報欄29が表示されている。また、表題欄11aには、自由入力欄11に入力される業務記録の表題が表示される。自由入力欄11に入力される業務記録がケース記録の場合、表題欄11aには、例えば「ケース」という文字が表示される。
日付欄21には、当日の日付が表示される。時刻欄22には、入力時の時刻が表示される。記録者欄23には、業務記録を入力する記録者の氏名が表示される。登録ボタン25は、自由入力欄11に表示されている内容を登録するための仮想ボタンである。なお、登録ボタン25は、自由入力欄11に何も表示されていないとき、非表示となるようにしてもよい。画像表示欄27には、被介護者の写真などが表示される。対象者欄28には、被介護者の氏名が表示される。図2に例示する対象者欄28では、被介護者の漢字表記の氏名とその読み仮名とが二段併記になっている。個人情報欄29には、被介護者の個人情報が表示される。図2に例示する個人情報欄29には、被介護者の年齢、生年月日、及び性別が表示されている。なお、以降の各図では、図2と同等の構成に同一の符号を付して説明は省略する。
制御装置80は、自由入力モードから入力支援モードへの切替操作を受け付けたとき、表示装置10の表示画面10Aに、図3に示すような、入力支援モードに応じた入力支援画面を表示させる。すなわち、制御装置80は、自由入力モードから入力支援モードへの切替操作を受け付けたとき、入力表示欄12を表示装置10に表示させる。入力表示欄12には、カーソル12aが表示されており、入力された文字は、逐次、カーソルの左側に表示される。入力表示欄12には、入力された文字もしくは文字列、先頭文字列31、又は先頭文字列31と少なくとも1つの次候補文字列32とを順次連ねた文字列などが表示される。
本実施の形態において、制御装置80は、図3に示すように、入力表示欄12を自由入力欄11に重畳表示させるようになっている。また、制御装置80は、入力表示欄12に隣接する位置に、入力表示欄12の表示内容を確定させる仮想ボタンである入力ボタン12bを表示させる。図3の例では、入力表示欄12の右隣りに入力ボタン12bが配置されている。もっとも、入力ボタン12bの配置は図3の例に限らず、入力ボタン12bは、例えば、入力表示欄12の左隣りに配置されてもよい。
すなわち、制御装置80は、入力表示欄12を表示装置10に表示させる際、入力表示欄12の横に隣接させて入力ボタン12bを表示させてもよい。そして、制御装置80は、選択領域13の横幅を、入力表示欄12と入力ボタン12bとを合わせた横幅以内に制限するとよい。このようにすれば、記録者が視認する左右方向の範囲が制限されるため、視認性及び作業性を高めることができる。なお、入力ボタン12bは、入力表示欄12の上側又は下側に隣接して配置されてもよく、入力表示欄12から所定の距離だけ離れた位置に配置されてもよい。
制御装置80は、設定文字の入力操作を受け付けたとき、図4に示すように、入力された設定文字を入力表示欄12に表示させると共に、入力された設定文字を先頭にもつ1又は複数の先頭文字列31を選択領域13に表示させる。図4の例では、設定文字としての「あ」が入力され、入力表示欄12に表示されている。また、選択領域13には、先頭文字列31として、「アトラントクリームを」「アラセナA軟膏に」「アラセナA軟膏の」「アラセナA軟膏を」「アローゼン_錠を」「アローゼン_包を」「アンテベートMIX軟膏を」「アンテベートクリームを」「アガロリゼリー(梅味)を」「足の」「洗身と」「洗身の」「洗身は」「洗身を」「足に」「アズノール軟膏を」「アズノール軟膏とレスタミンを」「アズノール軟膏と」「アズノール軟膏に」「アズノール軟膏は」及び「アズノール軟膏の」が表示されている。
なお、「洗身」は音読みで「せんしん」となるが、「洗(う)」の訓読みは「あら(う)」である。そのため、本実施の形態の自然言語処理において、「洗身と」「洗身の」「洗身は」及び「洗身を」は、先頭に「あ」をもつ先頭文字列31として抽出されている。よって、例えば、被介護者の全身を洗った場合に「洗身」という用語が浮かばなくても、記録者が「あ」と入力すれば、「洗身」が先頭文字列31として表示される。そのため、職員間に共通の用語を用いた業務記録の作成を促進することができる。もっとも、先頭文字列31の抽出には、訓読みを考慮しない自然言語処理を採用してもよい。
ここで、上記の先頭文字列31のうち、「アローゼン_錠を」と「アローゼン_包を」とは空白付き文字列35に相当する。すなわち、「アローゼン_錠を」及び「アローゼン_包を」における「_」の箇所が、空白付き文字列35の空白部分に相当する。空白部分は、連鎖データ92のもとである各定型文に定型的に出現する可変部分に対応している。
また、本実施の形態の選択領域13は、横幅が、入力表示欄12の左端から入力ボタン12bの右端までの間に制限されている。つまり、複数の先頭文字列31は、選択領域13からはみ出ないように並べられている。なお、破線で示す選択領域13の外枠は、実際には表示されない。以下の各図においても同様である。
制御装置80は、先頭文字列31の選択操作を受け付けたとき、図5に示すように、選択された先頭文字列31を入力表示欄12に表示させる。併せて、制御装置80は、選択された先頭文字列31に対し直接的に紐付けられた1又は複数の次候補文字列32を選択領域13に表示させる。ここで、制御装置80は、表示画面10Aにポインタ51を表示させると共に、入力装置70を介してポインタ51を移動させる操作を受け付ける機能を有している。
すなわち、例えばマウスを用いて、図4のようにポインタ51を「アズノール軟膏を」に合わせ、マウスをクリックして先頭文字列31を選択する。すると、制御装置80は、図5のように、選択された先頭文字列31である「アズノール軟膏を」を入力表示欄12に表示させる。そして、制御装置80は、「アズノール軟膏を」に対し直接的に紐付けられた次候補文字列32を選択領域13に表示させる。
図5に例示する選択領域13には、次候補文字列32として、「塗布し、」「塗布した。」「継続して」「塗布、」「塗布する」「継続塗布し、」「継続塗布する。」「厚めに」及び「塗布し」が表示されている。複数の次候補文字列32は、選択領域13からはみ出ないように並べられている。
さらに、制御装置80は、次候補文字列32の選択操作を受け付けたとき、選択された次候補文字列32を、入力表示欄12に表示させている文字列に連ねて入力表示欄12に表示させる。すなわち、例えば、ポインタ51を「塗布し、」に合わせ、マウスクリックなどにより次候補文字列32を選択する。すると、制御装置80は、図6のように、選択された次候補文字列32である「塗布し、」を、入力表示欄12に表示させている文字列である「アズノール軟膏を」に連ねて入力表示欄12に表示させる。
そして、制御装置80は、次候補文字列32の選択操作を受け付けたとき、選択された次候補文字列32に対し直接的に紐付けられた1又は複数の次候補文字列32が存在すれば、当該次候補文字列32を選択領域13に表示させる。すなわち、例えば、図5のように「塗布し、」という次候補文字列32が選択されると、制御装置80は、図6のように、「塗布し、」に対し直接的に紐付けられた次候補文字列32を選択領域13に表示させる。図6に例示する選択領域13には、次候補文字列32として、「ガーゼで」「ガーゼを」「包帯で」「経過を」「軽減している。」「看護師に」「Yガーゼを」「ガーゼ、」「カットバンで」「パッドで」「減菌パッドで」「絆創膏で」及び「湿疹部に」が表示されている。
なお、図5の例において、「塗布した。」又は「継続塗布する。」が選択された場合は、業務記録としての一文が完成し、かつ、これらの次候補文字列32には、後続する階層の次候補文字列32が存在しない。そのため、制御装置80は、選択領域13に次候補文字列32を表示させない。
ここで、例えば、入力表示欄12に「アズノール軟膏を塗布した。」という文章が表示された状態で、設定文字の入力操作を受け付けると、制御装置80は、入力された設定文字を「アズノール軟膏を塗布した。」という文章に連ねて入力表示欄12に表示させる。併せて、制御装置80は、図4と同様、入力された設定文字を先頭にもつ1又は複数の先頭文字列31を選択領域13に表示させる。制御装置80は、入力表示欄12に表示させている文字列が一定の長さを越えたとき、もしくは次の一文の入力へ移行したときに、入力表示欄12に表示させている文字列を改行してもよい。
同様に、例えば、図6のようにポインタ51を「ガーゼで」に合わせ、マウスクリックなどにより次候補文字列32を選択する。すると、制御装置80は、図7のように、「ガーゼで」という文字列を、入力表示欄12に表示させている文字列である「アズノール軟膏を塗布し、」に連ねて入力表示欄12に表示させる。併せて、制御装置80は、図7のように、「ガーゼで」に対し直接的に紐付けられた次候補文字列32を選択領域13に表示させる。図7に例示する選択領域13には、次候補文字列32として、「保護した。」「保護し、」「保護する。」及び「保護を」が表示されている。
また同様に、例えば、図7のようにポインタ51を「保護する。」に合わせ、マウスクリックなどにより次候補文字列32を選択する。すると、制御装置80は、図8のように、「保護する。」という文字列を、入力表示欄12に表示させている文字列である「アズノール軟膏を塗布し、ガーゼで」に連ねて入力表示欄12に表示させる。
ここで、制御装置80は、入力装置70を介して入力ボタン12bが押されると、入力表示欄12を消去すると共に、入力表示欄12に表示させていた文字列を自由入力欄11に表示させる。すなわち、制御装置80は、図8の状態で、入力ボタン12bが押されたことを示す操作信号が入力装置70から送信されると、入力表示欄12に表示させていた「アズノール軟膏を塗布し、ガーゼで保護する。」という文字列を、図9のように自由入力欄11に表示させる。そして、制御装置80は、入力装置70を介して登録ボタン25が押されると、自由入力欄11に表示されている文字列を、業務記録として記憶装置90に登録する。
図10は、図1の記憶装置に記憶されている連鎖データ92の構成例を概略的に示した表である。図10は、図4〜図7に示す設定文字、先頭文字列31、及び次候補文字列32に対応している。
図10に示すように、設定文字としての「あ」には、「アズノール軟膏を」などの先頭文字列31が、直接的に紐付けられている。残りの設定文字に対しても、同様、直接的に、1又は複数の先頭文字列31が紐付けられている。
「アズノール軟膏を」という先頭文字列31には、「塗布し、」などの次候補文字列32が直接的に紐付けられている。また、「アズノール軟膏を」という先頭文字列31には、「ガーゼで」を含む階層の次候補文字列32、及び「保護する。」を含む階層の次候補文字列32などが、間接的に紐付けられている。つまり、連鎖データ92では、複数の次候補文字列32が階層的に記憶されている。
「塗布し、」という次候補文字列32には、「ガーゼで」などの次候補文字列32が直接的に紐付けられている。また、「塗布し、」という次候補文字列32には、「保護する。」を含む階層の次候補文字列32などが、間接的に紐付けられている。「ガーゼで」という次候補文字列32には、「保護する。」を含む階層の次候補文字列32などが直接的に紐付けられている。ここで、例えば、「保護した。」「保護する。」という次候補文字列32は、文章の末尾を構成する文字列であり、連鎖データ92には、これらの次候補文字列32に後続する階層の次候補文字列32が存在しない。一方、「保護し、」「保護を」という次候補文字列32は、助詞又は体言で終わっており、連鎖データ92では、これらの次候補文字列32に対し、1又は複数の次候補文字列32が直接的又は間接的に紐付けられている。
図11は、図4の先頭文字列にポインタを合わせたとき、簡易表記が表示された例を示す説明図である。図12は、図8の入力表示部に表示された一文にポインタを合わせたとき、簡易表記が表示された例を示す説明図である。
図11に示すように、制御装置80は、ポインタ51が先頭文字列31に合わせられたとき、ポインタ51が合わせられた先頭文字列31の簡易表記Kを表示させるようにしてもよい。同様に、制御装置80は、ポインタ51が次候補文字列32に合わせられたとき、ポインタ51が合わせられた次候補文字列32の簡易表記Kを表示させるようにしてもよい。また、図12に示すように、制御装置80は、ポインタ51が入力表示欄12に表示させた文字列に合わせられたとき、当該文字列の簡易表記Kを表示させるようにしてもよい。
図11及び図12では、簡易表記Kとして、文字列のひらがな表記を例示しているが、これに限定されない。制御装置80は、簡易表記Kとして、文字列の片仮名表記を表示させてもよく、文字列を英語、インドネシア語、又はネパール語などに翻訳して表示させてもよい。また、図11及び図12では、ポインタ51が合わせられた文字列を指す吹き出しに簡易表記Kが表示される場合を例示しているが、吹き出しの形状を含む簡易表記Kの表示形態は、任意に変更することができる。なお、吹き出し内の「よみ」という文字及びその横のロゴは、簡易表記Kの手法に応じて適宜変更するとよく、これらを表示しない態様も採ることができる。
図13は、図3の入力表示部に設定文字が表示され、選択領域に先頭文字列が表示された例を示す説明図である。図14は、図13の空白付き文字列が選択されたことにより挿入文字決定部としての数値入力パッドが表示された例を示す説明図である。図15は、図14の数値入力パッドで数値が指定された例を示す説明図である。図16は、図15の入力表示部に先頭文字列が表示され、選択領域に次候補文字列が表示された例を示す説明図である。図17は、図16の入力表示部に業務記録としての一文が表示され、当該一文の末尾の次候補文字列に紐付けられた後続の次候補文字列が選択領域に表示された例を示す説明図である。図18は、図17の入力表示部に表示されていた一文が自由入力欄に表示された例を示す説明図である。
図13〜図18を参照して、挿入文字決定部40の一例と、業務記録が2文以上で構成される場合の入力支援処理とについて説明する。挿入文字決定部40は、空白付き文字列35の空白部分に挿入される文字又は文字列を決定させて空白付き文字列35に反映させるものである。すなわち、制御装置80は、空白付き文字列35の選択操作を受け付けたとき、挿入文字決定部40を表示装置10に表示させる。
まず、図13の例では、設定文字としての「か」が入力表示欄12に表示されており、選択領域13には、「介護士から」を含む複数の先頭文字列31が表示されている。図13の先頭文字列31には、「カロナール_錠で」「カロナール_錠に」「カロナール_錠の」「カロナール_錠を」「_ヶ月」という空白付き文字列35が含まれている。これらの空白付き文字列35は、何れも、空白部分に数値が挿入される文字列であるため、以降では、数値挿入文字列ともいう。
なお、数値挿入文字列の空白部分には、薬の錠数、何らかの行為の実行回数、体温、部屋番号、時刻、又は時間もしくは期間に応じた数値などが挿入される。図4に例示した「アローゼン_錠を」及び「アローゼン_包を」も、数値挿入文字列に相当する。ところで、「_ヶ月」のように、冒頭に空白部分を有する数値挿入文字列は、空白部分の直後の文字の読みにより、先頭文字列31又は次候補文字列32としての分類が行われる。「_ヶ月」の場合は、「ヶ」の読みが「か」であるため、先頭に「か」をもつ先頭文字列31として抽出されている。
ここで、例えばマウスを用いて、図14のようにポインタ51を「カロナール_錠を」に合わせ、マウスクリックなどにより数値挿入文字列を選択する。すると、制御装置80は、挿入文字決定部40としての数値入力パッド40Aを表示装置10に表示させる。数値入力パッド40Aは、例えば、テンキー入力が可能なGUI(Graphical User Interface)である。すなわち、制御装置80は、数値挿入文字列の選択操作を受け付けたとき、挿入文字決定部40として、数値入力用の数値入力パッド40Aを表示装置10に表示させる。入力装置70は、数値入力パッド40Aによる数値の入力操作を受け付ける機能を有している。そして、制御装置80は、数値入力パッド40Aを介して数値の入力操作を受け付けたとき、入力された数値を数値挿入文字列の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させる。
図14では、数値入力パッド40Aが入力表示欄12及び選択領域13の右側に表示された例を示している。図14の数値入力パッド40Aは、数値表示部41aと、テンキー部41bと、キャンセルボタン41cと、クリアボタン41dと、エンターボタン41eと、により構成されている。テンキー部41bは、1〜9までの各数値を入力するための仮想ボタンと、ハイフンを入力するための仮想ボタンと、小数点を入力するための仮想ボタンと、により構成されている。キャンセルボタン41cは、先頭文字列31又は次候補文字列32の選択を解除するための仮想ボタンである。クリアボタン41dは、テンキー部41bの操作により入力され、数値表示部41aに表示された数値をクリアするための仮想ボタンである。エンターボタン41eは、テンキー部41bの操作により入力された数値を数値挿入文字列の空白部分に反映させるための仮想ボタンである。数値表示部41aは、テンキー部41bの操作により入力された数値が表示される表示欄である。
例えば、図15のように、テンキー部41bの「2」という仮想ボタンにポインタ51を合わせ、マウスをクリックすると、制御装置80は、数値表示部41aに「2」という数値を表示させる。次いで、エンターボタン41eにポインタ51を合わせ、マウスをクリックすると、制御装置80は、「カロナール_錠を」の空白部分に「2」を挿入した文字列である「カロナール2錠を」を入力表示欄12に表示させる。そして、制御装置80は、図16のように、選択された先頭文字列31である「カロナール_錠を」に対し直接的に紐付けられた次候補文字列32を選択領域13に表示させる。
つまり、制御装置80は、選択された先頭文字列31が数値挿入文字列である場合、入力された数値を数値挿入文字列の空白部分に挿入した文字列を、設定文字に代えて入力表示欄12に表示させる。また、制御装置80は、選択された次候補文字列32が数値挿入文字列である場合、入力された数値を数値挿入文字列の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させている文字列に連ねて入力表示欄12に表示させる。
図16に例示する選択領域13には、次候補文字列32として、「セットした。」を含む複数の次候補文字列32が表示されている。例えば、図16のように、ポインタ51を「内服した。」に合わせ、マウスクリックなどにより次候補文字列32を選択する。すると、制御装置80は、図17のように、選択された次候補文字列32である「内服した。」を、入力表示欄12に表示させている文字列である「カロナール2錠を」に連ねて入力表示欄12に表示させる。
ここで、「セットした。」という次候補文字列32は、文章の末尾を構成する文字列であるが、連鎖データ92では、「セットした。」に対し、「残便感」及び「排便は」という次候補文字列32が紐づけられている。よって、制御装置80は、「カロナール2錠を内服した。」という一文を入力表示欄12に表示させたとき、図17のように、「残便感」「排便は」という次候補文字列32を選択領域13に表示させる。すなわち、文章の末尾を構成する次候補文字列32には、後続する階層に、次候補文字列32が紐付けられているものと、次候補文字列32が紐付けられていないものとが存在する。
図17の状態で、入力ボタン12bが押されると、制御装置80は、図18のように、図9の場合と同様、入力表示欄12を消去すると共に、入力表示欄12に表示させていた「カロナール2錠を内服した。」という文字列を自由入力欄11に表示させる。そして、制御装置80は、入力装置70を介して登録ボタン25が押されると、自由入力欄11に表示されている文字列を、業務記録として記憶装置90に登録する。なお、図4に例示した「アローゼン_錠を」又は「アローゼン_包を」が選択された場合も、制御装置80は、図14の場合と同様、数値入力パッド40Aを表示させ、上記同様の処理を実行する。
図19は、図2の自由入力欄に文字列が表示された例を示す説明図である。図20は、図19の自由入力欄に表示された文字列に連なって入力表示部が表示された例を示す説明図である。図21は、図20の入力表示部に設定文字が表示され、選択領域に先頭文字列が表示された例を示す説明図である。図22は、図21の単語挿入文字列が指定された場合に、挿入文字決定部として1又は複数の設定単語が表示された例を示す説明図である。図23は、図22の入力表示部に先頭文字列が表示され、選択領域に次候補文字列が表示された例を示す説明図である。図24は、図23における自由入力欄の文字列に連なる入力表示部に文字列が表示された例を示す説明図である。図25は、図24の自由入力欄及び入力表示部に表示されていた文字列が自由入力欄に表示された例を示す説明図である。
図19〜図25を参照して、自由入力欄11への文字の入力途中で、自由入力モードから入力支援モードへの切替操作が行われた場合の入力支援処理と、挿入文字決定部40の一例と、について説明する。
図19には、自由入力モードにおいて、「15時頃」という文字列が入力され、入力された当該文字列が自由入力欄11に表示された状態を例示している。そして、記録者が、例えばキーボードのコントロールキーをダブルクリックするなどの操作を行うと、自由入力モードから入力支援モードに切り替わる。すなわち、制御装置80は、自由入力モードにおいて、自由入力欄11に文字又は文字列を表示させている状態で、自由入力モードから入力支援モードへの切替操作を受け付けた場合、図20のように、自由入力欄11に表示させている文字又は文字列に連ねて入力表示欄12を表示させる。図20の例において、制御装置80は、「15時頃」という文字列の後方に隣接させて入力表示欄12を表示させている。
そして、設定文字としての「び」が入力されると、制御装置80は、図21のように、入力表示欄12に「び」という設定文字を表示させると共に、選択領域13に「ビーソフテンクリームを」を含む複数の先頭文字列31を表示させる。ここで、「ビーソフテンローションとレスタミン軟膏を」という先頭文字列31は、一列で表示すると、選択領域13からはみ出してしまうため、折り返し表示されている。すなわち、制御装置80は、先頭文字列31又は次候補文字列32を一列で表示すると、選択領域13の横幅を超える場合は、当該先頭文字列31又は次候補文字列32を折り返し表示するようになっている。なお、制御装置80は、先頭文字列31又は次候補文字列32を一列で表示すると、選択領域13の横幅を超える場合、フォントの調整などにより、当該先頭文字列31又は次候補文字列32の横幅を狭めて一列表示させてもよい。
図21の先頭文字列31には、「_秒」「_を」「_より」「_受診の」「_に」という空白付き文字列35が含まれている。これらのうち、「_秒」は、上述した数値挿入文字列であり、「_を」「_より」「_受診の」及び「_に」は、何れも、空白部分に単語が挿入される文字列である。以降では、空白部分に単語が挿入される文字列を単語挿入文字列ともいう。
ここで、「_より」のように、冒頭に空白部分を有する単語挿入文字列は、空白部分に挿入される可能性の高い単語の総称的な部分の読みにより、先頭文字列31又は次候補文字列32としての自然言語処理が行われる。本実施の形態では、「_より」の空白部分に挿入される可能性の高い単語が「○○病院」であることを想定している。つまり、「_より」は、「○○病院」の総称的な部分である「病院」の頭文字の読み「び」を先頭にもつ先頭文字列31として抽出されている。
単語挿入文字列には、予め設定された単語である1又は複数の設定単語が紐付けられている。制御装置80は、単語挿入文字列の選択操作を受け付けたとき、挿入文字決定部40として、選択された単語挿入文字列に紐付けられた1又は複数の設定単語40xを表示させる。
ここで、例えば、図21のようにポインタ51を「_より」に合わせ、マウスクリックなどにより単語挿入文字列を選択する。すると、制御装置80は、図22のように、挿入文字決定部40として、「○○病院」「△△医院」「■■クリニック」及び「☆☆大学付属病院」という4つの設定単語40xを単語領域42に表示させる。なお、設定単語40xにおける「○○」「△△」「■■」「☆☆」には、地域などに応じた単語が入力されていることを想定する。もっとも、これらの設定単語40xは例示であり、設定単語40xの数は適宜変更することができる。また、「○○」などに続く単語は、「病院」などに限定されず、業務記録の用途に応じて適宜変更することができる。そして、設定単語40xには、複数の病院名などが含まれることもある(例えば「○○病院」と「□□病院」など)。図22の例において、単語領域42は、入力表示欄12及び選択領域13の右側に隣接して配置されている。なお、破線で示す単語領域42の外枠は、実際には表示されない。
次いで、図22のようにポインタ51を「○○病院」に合わせ、マウスクリックなどにより設定単語40xを選択する。すると、制御装置80は、「_より」の空白部分に「○○病院」を挿入した文字列である「○○病院より」を入力表示欄12に表示させる。そして、制御装置80は、図23のように、選択された先頭文字列31である「_より」に対し直接的に紐付けられた次候補文字列32である「車椅子にて」「帰設された。」及び「ご家族とともに」を選択領域13に表示させる。
すなわち、制御装置80は、設定単語40xの選択操作を受け付けたとき、選択された設定単語40xを単語挿入文字列の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させている文字列に連ねて入力表示欄12に表示させる。そして、制御装置80は、選択された先頭文字列31に対し直接的に紐付けられた1又は複数の次候補文字列32を選択領域13に表示させる。
次に、図23のようにポインタ51を「帰設された。」に合わせ、マウスクリックなどにより次候補文字列32を選択する。すると、制御装置80は、図24のように、選択された次候補文字列32である「帰設された。」を、入力表示欄12に表示させている文字列である「○○病院より」に連ねて入力表示欄12に表示させる。
図24の状態で、入力ボタン12bが押されると、制御装置80は、図25のように、入力表示欄12を消去する。併せて、制御装置80は、入力表示欄12に表示させていた「○○病院より帰設された。」という文字列を、図25のように、「15時頃」に連ねて自由入力欄11に表示させる。すなわち、制御装置80は、自由入力欄11に文字又は文字列が表示され、かつ、入力表示欄12に文字又は文字列が表示されている状態で、入力表示欄12の表示内容を確定させる操作を受け付けた場合、入力表示欄12を消去すると共に、入力表示欄12に表示させている文字又は文字列を、自由入力欄11に表示させている文字又は文字列に連ねて自由入力欄11に表示させる。
図26は、図22の設定単語の他の例を示す説明図である。図27は、図26の空白付き単語又は単語空白ボタンの選択操作により入力欄が表示された例を示す説明図である。
図26のように、設定単語40xには、空白部分を有する空白付き単語40mが含まれていてもよい。図26では、空白付き単語40mとして「_病院」を例示している。この場合、制御装置80は、空白付き単語40mの選択操作を受け付けたとき、図27のように、空白付き単語40mの空白部分への文字の入力を受け付ける文字入力部43を表示装置10に表示させる。なお、文字入力部43は、挿入文字決定部40に含まれる。
また、図26のように、設定単語40xには、自由入力を指示するための単語空白ボタン40nが含まれていてもよい。この場合、制御装置80は、単語空白ボタン40nの選択操作を受け付けたとき、図27のように、空白付き文字列35の空白部分への文字の入力を受け付けるブランク入力部44を表示装置10に表示させる。なお、ブランク入力部44は、挿入文字決定部40に含まれる。
文字入力部43とブランク入力部44の構成は同様であるため、図27では、共通の図を用いている。すなわち、文字入力部43及びブランク入力部44は、文字表示欄45aと、キャンセルボタン45bと、クリアボタン45cと、エンターボタン45dと、を含んで構成されている。
キャンセルボタン45bは、空白付き単語40m又は単語空白ボタン40nの選択を解除するための仮想ボタンである。クリアボタン45cは、キーボードの操作などにより入力され、文字表示欄45aに表示された文字又は文字列をクリアするための仮想ボタンである。エンターボタン45dは、文字表示欄45aに表示された文字又は文字列を、空白付き単語40mの空白部分、又は空白付き文字列35の空白部分に反映させるための仮想ボタンである。文字表示欄45aは、キーボードの操作などにより入力された文字が表示される表示欄である。
制御装置80は、文字入力部43への文字又は文字列の入力確定操作を受け付けたとき、入力された文字又は文字列が空白付き単語40mの空白部分に挿入された単語を空白付き文字列35の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させている文字列に連ねて入力表示欄12に表示させる。また、制御装置80は、ブランク入力部44への文字又は文字列の入力操作を受け付けたとき、入力された文字又は文字列を空白付き文字列35の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させている文字列に連ねて入力表示欄12に表示させる。ここで、文字入力部43への文字又は文字列の入力確定操作とは、入力操作によって文字表示欄45aに文字又は文字列を表示させた後、エンターボタン45dを押すことにより、文字表示欄45aに表示された文字又は文字列を確定させる操作のことである。
ところで、図26及び図27では、1つの空白付き単語40mが表示されている場合を例示したが、これに限らず、単語領域42には、異なる複数の空白付き単語40mが表示されてもよい。また、空白付き単語40mの空白部分である「_」に続く単語は、「病院」に限らず、業務記録の種類などに応じて変更するとよい。さらに、図26及び図27では、空白付き単語40mと単語空白ボタン40nとの双方が表示される場合を例示したが、これに限らず、単語領域42には、空白付き単語40m及び単語空白ボタン40nのうちの何れか一方が表示されてもよい。
ここで、制御装置80は、空白付き単語40m又は単語空白ボタン40nを用いて入力された文字列を、連鎖データ92に、設定単語として登録させてもよい。このようにすれば、制御装置80は、空白付き単語40m又は単語空白ボタン40nを用いて入力された文字列を、次回以降の入力支援処理で、設定単語として単語領域42に表示させることができる。よって、手入力などの手間を省くことができ、作業効率を高めることができる。
図28は、空白付き文字列が選択されたことにより挿入文字決定部としての日付入力パッドが表示された一例を示す説明図である。図29は、空白付き文字列が選択されたことにより挿入文字決定部としての日付入力パッドが表示された他の例を示す説明図である。
図28では、先頭文字列31としての「一時帰宅は」という文字列が入力表示欄12に表示され、次候補文字列32としての「_月_日から」が選択領域13に表示された例を示している。すなわち、図28には、1又は複数の次候補文字列32に空白付き文字列35が含まれている場合を例示している。ここで、「_月_日から」は、任意の日付が挿入される文字列である。以降では、任意の日付が挿入される文字列を日付挿入文字列ともいう。
制御装置80は、マウスクリックなどにより日付挿入文字列が選択されると、挿入文字決定部40としての日付入力パッド40Cを表示装置10に表示させる。つまり、制御装置80は、日付挿入文字列の選択操作を受け付けたとき、挿入文字決定部40として、日付入力用の日付入力パッド40Cを表示装置10に表示させる。ここで、日付挿入文字列の空白部分は、日付の部分、つまり「_月_日」の部分である。日付入力パッド40Cは、例えば、図28及び図29に示すような、カレンダー形式のGUIである。
入力装置70は、日付入力パッド40Cによる日付の指定操作を受け付ける機能を有している。そして、制御装置80は、日付入力パッド40Cを介して日付の指定操作を受け付けたとき、指定された日付を日付挿入文字列の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させる。すなわち、制御装置80は、選択された先頭文字列31又は次候補文字列32が日付挿入文字列である場合、指定された日付を日付挿入文字列の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させる。
図28では、日付入力パッド40Cが選択領域13の下側に表示された例を示している。日付入力パッド40Cは、数値が表示された複数の仮想ボタンを有しており、何れかの仮想ボタンを押すことにより、日付の指定が可能となっている。図28の日付入力パッド40Cでは、2018年8月の欄に、1から31までの数値を示す仮想ボタンが表示され、2018年9月の欄に、1から30までの数値を示す仮想ボタンが表示されている。例えば、図28のように、2018年8月の欄の「6」の仮想ボタンにポインタ51を合わせ、マウスクリックなどにより「8月6日」を指定する。すると、制御装置80は、「_月_日から」の空白部分である「_月_日」に「8月6日」を挿入した文字列である「8月6日から」を入力表示欄12に表示させる。
併せて、制御装置80は、図29のように、選択された日付挿入文字列である「_月_日から」に対し直接的に紐付けられた次候補文字列32を選択領域13に表示させる。図29では、「_月_日から」という日付挿入文字列に対し、「_月_日までの」という日付挿入文字列が紐付けられている例を示している。
例えば、図29のように、2018年8月の欄の「9」の仮想ボタンにポインタ51を合わせ、マウスクリックなどにより「8月9日」を指定する。すると、制御装置80は、「_月_日までの」の空白部分である「_月_日」に「8月9日」を挿入した文字列である「8月9日までの」を、入力表示欄12に表示させている文字列に連ねて入力表示欄12に表示させる。
ここで、「_月_日から」と「_月_日までの」とは、連続表記されることにより期間を示す。つまり、「_月_日から」は、期間の始点を指定可能な日付挿入文字列であり、「_月_日までの」は、期間の終点を指定可能な日付挿入文字列である。したがって、期間の始点を指定可能な日付挿入文字列と、期間の終点を指定可能な日付挿入文字列とが指定された場合、制御装置80は、期間の始点に対応する数値から、ポインタ51が合わさっている数値までの間の数値を、他の数値とは異なる表示形態とする。本実施の形態の制御装置80は、期間の始点に対応する数値から、ポインタ51が合わさっている数値までの間の各仮想ボタンの背景色を変化させるようになっている。
図30は、次候補文字列が空白付き文字列である一例を示す説明図である。図28及び図29では、次候補文字列32が空白付き文字列35を含む例として、次候補文字列32が日付挿入文字列を含む場合を例示したが、次候補文字列32には、図30のように、数値挿入文字列を含めることができる。同様に、次候補文字列32には、単語挿入文字列を含めることもできる。また、図28及び図29では、次候補文字列32が日付挿入文字列を含む例を示したが、これに限らず、先頭文字列31が日付挿入文字列を含んでいてもよい。
図31は、図3の入力表示欄の下方に仮想キーボードが表示された例を示す説明図である。上記の説明では、記録者が、キーボードを用いて設定文字を入力することを想定したが、これに限定されない。制御装置80は、自由入力モードから入力支援モードへの切替操作を受け付けたとき、表示装置10に、入力表示欄12と共に、図31に示すような仮想キーボード48を表示させてもよい。仮想キーボード48は、連鎖データ92に記憶されている複数の設定文字のそれぞれに応じたキー48aを有している。
つまり、文章入力支援システム100は、仮想キーボード48の五十音などに対応する各キーを用い、入力装置70を介して、設定文字の入力操作を行えるようにしてもよい。この場合、制御装置80は、入力装置70を介しての仮想キーボード48のキー48aの指定操作により、設定文字の入力操作を受け付ける。例えば、図31のようにポインタ51を「あ」のキー48aに合わせ、マウスクリックなどにより「あ」のキー48aを指定すると、制御装置80は、図4のように、入力表示欄12に「あ」の文字を表示させる。併せて、制御装置80は、「あ」の文字に直接的に紐づけられた次候補文字列32を選択領域13に表示させる。
すなわち、制御装置80は、自由入力モードから入力支援モードへの切替操作を受け付けたとき、複数の設定文字のそれぞれに応じたキー48aを有する仮想キーボード48を表示装置10に表示させる。そして、制御装置80は、仮想キーボード48のキー48aの指定操作を受け付けたとき、指定されたキー48aに応じた設定文字を入力表示欄12に表示させると共に、表示させる設定文字を先頭にもつ1又は複数の先頭文字列31を選択領域13に表示させる。このようにすれば、キーボードを一切使わずに、マウスなどのポインティングデバイスを操作するだけで、業務記録を入力することができるため、ユーザの利便性がさらに向上する。
続いて、図1を参照して、制御装置80の機能的な構成について説明する。制御装置80は、図1に示すように、入力処理部81と、表示処理部82と、検索処理部83と、を有している。入力処理部81は、記録者による操作の内容を示す操作信号を入力装置70から受信し、受信した操作信号を、必要に応じて表示処理部82及び検索処理部83へ出力する。
検索処理部83は、文字又は文字列の入力操作を示す操作信号に応じて、入力された文字又は文字列を記憶装置90の連鎖データ92に照らし、入力された文字又は文字列が連鎖データ92に設定文字として記憶されているか否かを判定する。検索処理部83は、入力された文字又は文字列が連鎖データ92に設定文字として記憶されていれば、当該文字又は文字列を先頭に有する1又は複数の先頭文字列31を抽出し、抽出した1又は複数の先頭文字列31の情報を表示処理部82へ出力する。
検索処理部83は、先頭文字列31の選択操作を示す操作信号に応じて、選択された先頭文字列31を連鎖データ92に照らす。そして、選択された先頭文字列31に対し直接的に紐付けられた1又は複数の次候補文字列32が連鎖データ92に存在すれば、当該次候補文字列32を抽出し、抽出した次候補文字列32の情報を表示処理部82へ出力する。検索処理部83は、次候補文字列32の選択操作を示す操作信号に応じて、選択された次候補文字列32を連鎖データ92に照らす。そして、選択された次候補文字列32に対し直接的に紐付けられた1又は複数の次候補文字列32が連鎖データ92に存在すれば、当該次候補文字列32を抽出し、抽出した次候補文字列32の情報を表示処理部82へ出力する。
表示処理部82は、文章入力支援システム100の起動時において、表示装置10に自由入力欄11を含む入力支援画面を表示させる。表示処理部82は、自由入力モードから入力支援モードへの切替操作を示す操作信号に応じて、表示装置10に入力表示欄12を表示させる。表示処理部82は、文字又は文字列の入力操作を示す操作信号に応じて、入力された文字又は文字列を自由入力欄11又は入力表示欄12に表示させる。表示処理部82は、検索処理部83において抽出された1又は複数の先頭文字列31を選択領域13に表示させる。表示処理部82は、検索処理部83において抽出された1又は複数の次候補文字列32を選択領域13に表示させる。
入力処理部81は、入力装置70から送信される上記以外の操作信号についても、表示処理部82及び検索処理部83に中継する。そして、検索処理部83は、入力処理部81から入力した上記以外の操作信号に応じて、適宜、記憶装置90を参照し、表示処理部82へ種々の情報を送信する。表示処理部82は、入力処理部81から入力した上記以外の操作信号、及び検索処理部83からの種々のデータに応じて、表示装置10に、業務記録の入力支援のための様々の情報を表示させる。
ここで、制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、こうした演算装置と協働して上記の各種機能を実現させる文章入力支援プログラム91とにより構成することができる。記憶装置90は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のPROM(Programmable ROM)、又はHDD(Hard Disk Drive)などにより構成することができる。すなわち、制御装置80及び記憶装置90は、マイコンなどのコンピュータにより構成することができる。
つまり、文章入力支援プログラム91は、記憶装置90を備えたコンピュータを、自由入力モードから入力支援モードへの切替操作に応じて、入力表示欄12を表示装置10に表示させるモード切替手段として機能させる。また、文章入力支援プログラム91は、コンピュータを、設定文字が入力されたとき、入力された設定文字を表示装置10の入力表示欄12に表示させると共に、入力された設定文字を先頭にもつ1又は複数の先頭文字列31を表示装置10の選択領域13に表示させる先頭表示手段として機能させる。さらに、文章入力支援プログラム91は、コンピュータを、先頭文字列31が選択されたとき、選択された先頭文字列31を入力表示欄12に表示させると共に、選択された先頭文字列31に対し直接的に紐付けられた1又は複数の次候補文字列32を選択領域13に表示させる次候補表示手段として機能させる。加えて、文章入力支援プログラム91は、コンピュータを、次候補文字列32が選択されたとき、選択された次候補文字列32を、入力表示欄12に表示させている文字列に連ねて入力表示欄12に表示させる連鎖表示手段として機能させる。そして、次候補表示手段及び連鎖表示手段は、複数の先頭文字列31及び複数の次候補文字列32のうちの少なくとも一方に含まれ、空白部分を有する空白付き文字列35が選択された場合に、空白付き文字列35の空白部分に挿入される文字又は文字列を決定させて空白付き文字列35に反映させる挿入文字決定部を表示装置10に表示させるものである。
図32は、図1の文章入力支援システムにおける全体的な動作を例示したフローチャートである。図33は、図1の文章入力支援システムによる動作のうち、空白付き文字列が選択された場合の動作を例示したフローチャートである。図32及び図33を参照して、制御装置80が記憶装置90を用いて行う文章入力支援方法について説明する。
まず、図32に基づき、制御装置80による文章入力支援方法の全体的な処理内容を説明する。文章入力支援システム100が起動すると、制御装置80は、自由入力モードに応じた入力支援画面を表示装置10に表示させる(ステップS101)。
(モード切替ステップ)
制御装置80は、自由入力モードから入力支援モードへの切替操作を受け付けると(ステップS102/Yes)、入力支援モードを開始し、入力表示欄12を表示装置10に表示させる(ステップS103)。
(先頭表示ステップ)
制御装置80は、文字が入力されるまで待機する(ステップS104/No)。制御装置80は、文字の入力操作を受け付けたとき(ステップS104/Yes)、入力された文字を表示装置10の入力表示欄12に表示させる(ステップS105)。そして、制御装置80は、入力表示欄12に表示中の文字を連鎖データ92の各設定文字に照らすことにより、入力表示欄12に表示中の文字が設定文字であるか否かを判定する(ステップS106)。入力表示欄12に表示中の文字が設定文字であれば(ステップS106/Yes)、入力表示欄12に表示中の文字を先頭にもつ1又は複数の先頭文字列31が連鎖データ92に記憶されている。そのため、制御装置80は、入力表示欄12に表示中の文字を先頭にもつ先頭文字列31を連鎖データ92から抽出し、抽出した1又は複数の先頭文字列31を選択領域13に表示させる(ステップS107)。
ここで、制御装置80は、先頭文字列31の選択操作を受け付けることなく(ステップS108/No)、追加で文字が入力された場合(ステップS104/Yes)、入力表示欄12に二文字を表示する(ステップS105)。よって、制御装置80は、連鎖データ92を参照して、入力表示欄12に表示中の二文字が設定文字であるか否かを判定する。そして、制御装置80は、当該二文字が設定文字であれば(ステップS106/Yes)、当該二文字を先頭にもつ1又は複数の先頭文字列31を選択領域13に表示させる(ステップS107)。
このように、制御装置80は、文字の入力操作を受け付ける度に(ステップS104)、入力表示欄12に文字を追加し(ステップS105)、入力表示欄12に表示中の文字列が設定文字であるか否かを判定する(ステップS106)。そして、入力表示欄12に表示中の文字列が、連鎖データ92に設定文字として記憶されている限り、当該文字列を先頭にもつ1又は複数の先頭文字列31を選択領域13に表示させる(ステップS107)。
(次候補表示ステップ)
制御装置80は、先頭文字列31の選択操作を受け付けたとき(ステップS108/Yes)、選択された先頭文字列31が空白付き文字列35であれば(ステップS109/Yes)、後述する図33のステップS201の処理へ移行する。
制御装置80は、選択された先頭文字列31が空白付き文字列35でなければ(ステップS109/No)、選択された先頭文字列31を入力表示欄12に表示させる(ステップS110)。
次いで、制御装置80は、ステップS108で選択された先頭文字列31を連鎖データ92に照らし、当該先頭文字列31に紐付けられた次候補文字列32が存在するか否かを判定する(ステップS111)。制御装置80は、選択された先頭文字列31に紐付けられた次候補文字列32が存在すれば(ステップS111/Yes)、当該先頭文字列31に紐付けられた次候補文字列32を連鎖データ92から抽出する。そして、制御装置80は、抽出した1又は複数の次候補文字列32を選択領域13に表示させる(ステップS112)。
次に、次候補文字列32の選択操作を受け付けるまで待機する(ステップS113/No)。なお、このとき、次候補文字列32が選択されることなく、キーボードなどを介して文字又は文字列が入力されると、制御装置80は、先頭文字列31に連ねて入力された文字又は文字列を入力表示欄12に表示させる。
(連鎖表示ステップ)
制御装置80は、次候補文字列32の選択操作を受け付けたとき(ステップS113/Yes)、選択された次候補文字列32が空白付き文字列35であれば(ステップS114/Yes)、後述する図33のステップS201の処理へ移行する。
制御装置80は、選択された次候補文字列32が空白付き文字列35でなければ(ステップS114/No)、選択された次候補文字列32を入力表示欄12に表示させ、ステップS111の処理へ移行する(ステップS115)。すなわち、選択された次候補文字列32の下位の階層に紐付けられた1又は複数の次候補文字列32が存在する限り、制御装置80は、次候補文字列32の入力表示欄12への追記と、後続する1又は複数の次候補文字列32の選択領域13への表示と、を実行する。
制御装置80は、ステップS108で選択された先頭文字列31に紐付けられた次候補文字列32が存在しなければ(ステップS111/No)、選択領域13に次候補文字列32を表示させることができない。よって、制御装置80は、確定操作が行われずに(ステップS116/No)、文字又は文字列が入力された場合、入力表示欄12に表示中の文字列に連ねて、入力された文字又は文字列を入力表示欄12に表示させる。確定操作とは、入力装置70を介して入力ボタン12bが押される操作のことである。
制御装置80は、確定操作が行われると(ステップS116/Yes)、入力表示欄12を消去すると共に、入力表示欄12に表示させていた文字又は文字列を自由入力欄11に表示させる(ステップS117)。そして、制御装置80は、登録操作が行われるまで待機する(ステップS118/No)。登録操作とは、入力装置70を介して登録ボタン25が押される操作のことである。このとき、例えば、登録操作が行われることなく、文字又は文字列が入力された場合、制御装置80は、自由入力欄11に表示させている文字又は文字列に連ねて、入力された文字又は文字列を自由入力欄11に表示させる。制御装置80は、登録操作が行われると(ステップS118/Yes)、自由入力欄11に表示中の文字又は文字列を、業務記録として記憶装置90に登録する(ステップS119)。
ところで、入力表示欄12に表示中の文字又は文字列が設定文字でなければ(ステップS106/No)、制御装置80は、先頭文字列31を選択領域13に表示させない。例えば、入力表示欄12に表示中の文字列の文字数が増えることにより、入力表示欄12に表示中の文字列が設定文字でなくなった場合、制御装置80は、選択領域13に表示させていた先頭文字列31を消去する。よって、この場合、記録者は、入力表示欄12又は自由入力欄11を用いて、業務記録のうちの少なくとも一文を手入力することとなる。もっとも、記録者が、誤入力などのため、入力表示欄12に表示中の文字列の文字数を減らし、入力表示欄12に表示中の文字又は文字列が設定文字となったときは、文字数の増加によって消去された先頭文字列31が、再度、選択可能に表示される。
また、制御装置80は、切替操作が行われない状態で(ステップS102/No)、文字又は文字列の入力操作を受け付けた場合(ステップS120/Yes)、入力された文字又は文字列を自由入力欄11に表示させる(ステップS121)。そして、登録操作が行われると(ステップS122/Yes)、ステップS119の処理へ移行し、登録操作が行われなければ(ステップS122/No)、ステップS102の処理へ移行する。なお、制御装置80は、切替操作が行われない状態で(ステップS102/No)、文字又は文字列の入力操作が行われなければ、切替操作が行われるまで待機する(ステップS120/No)。
続いて、図33に基づき、制御装置80による文章入力支援方法のうち、挿入文字決定部40に関連する処理について説明する。下記のステップS201〜S219の一連の処理は、上述した次候補表示ステップ又は連鎖表示ステップに含まれる。すなわち、下記のステップS201〜S219の一連の処理は、ステップS108で選択された先頭文字列31が空白付き文字列35である場合(ステップS109/Yes)、又はステップS113で選択された次候補文字列32が空白付き文字列35である場合(ステップS114/Yes)の処理である。
制御装置80は、空白付き文字列35が数値挿入文字列であれば(ステップS201/Yes)、挿入文字決定部40としての数値入力パッド40Aを表示装置10に表示させる(ステップS202)。制御装置80は、数値の入力操作を受け付けるまで待機する。このとき、例えばキャンセルボタン41cが押されると、制御装置80は、例えば図4又は図30のように、先頭文字列31又は次候補文字列32を選択可能な状態に戻す(ステップS203/No)。
制御装置80は、数値入力パッド40Aを介して数値の入力操作を受け付けると(ステップS203/Yes)、入力された数値を数値挿入文字列の空白部分に反映させる。つまり、制御装置80は、入力された数値を数値挿入文字列の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させる(ステップS204)。
制御装置80は、空白付き文字列35が単語挿入文字列であれば(ステップS201/No、ステップS205/Yes)、挿入文字決定部40として、1又は複数の設定単語40xを表示装置10に表示させる(ステップS206)。制御装置80は、設定単語40xが選択されるまで待機する(ステップS207/No)。
制御装置80は、設定単語40xが選択されると(ステップS207/Yes)、選択された設定単語40xが空白付き単語40m又は単語空白ボタン40nであるか否かを判定する(ステップS208)。以降では、空白付き単語40m又は単語空白ボタン40n以外の設定単語を固定単語ともいう。制御装置80は、選択された設定単語40xが固定単語であれば(ステップS208/No)、当該固定単語を単語挿入文字列の空白部分に反映させる。つまり、制御装置80は、単語領域42内から選択された固定単語を単語挿入文字列の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させる(ステップS209)。
制御装置80は、選択された設定単語40xが空白付き単語40mであれば(ステップS208/Yes、ステップS210/Yes)、文字入力部43を表示装置10に表示させる(ステップS211)。そして、制御装置80は、文字入力部43への文字又は文字列の入力確定操作が行われるまで待機する(ステップS212/No)。制御装置80は、文字入力部43への文字又は文字列の入力確定操作を受け付けたとき(ステップS212/Yes)、入力された文字又は文字列に基づく単語を単語挿入文字列の空白部分に反映させる。つまり、制御装置80は、入力された文字又は文字列を空白付き単語40mの空白部分に挿入して単語を生成し、生成した単語を単語挿入文字列の空白部分に挿入して文字列を生成する。そして、制御装置80は、生成した文字列を入力表示欄12に表示させる(ステップS213)。
制御装置80は、選択された設定単語40xが単語空白ボタン40nであれば(ステップS208/Yes、ステップS210/No)、ブランク入力部44を表示装置10に表示させる(ステップS214)。そして、制御装置80は、ブランク入力部44への文字又は文字列の入力確定操作が行われるまで待機する(ステップS215/No)。制御装置80は、ブランク入力部44への文字又は文字列の入力確定操作を受け付けたとき(ステップS215/Yes)、入力された文字又は文字列を単語挿入文字列の空白部分に反映させる。つまり、制御装置80は、入力された文字又は文字列を単語挿入文字列の空白部分に挿入して文字列を生成し、生成した文字列を入力表示欄12に表示させる(ステップS216)。
制御装置80は、空白付き文字列35が日付挿入文字列であれば(ステップS205/No)、挿入文字決定部40としての日付入力パッド40Cを表示装置10に表示させる(ステップS217)。そして、制御装置80は、日付の指定操作を受け付けるまで待機する(ステップS218/No)。制御装置80は、日付入力パッド40Cを介して日付の指定操作を受け付けたとき(ステップS218/Yes)、指定された日付を日付挿入文字列の空白部分に反映させる。すなわち、制御装置80は、指定された日付を日付挿入文字列の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させる(ステップS219)。
以上のように、文章入力支援システム100は、入力された設定文字を入力表示欄12に表示させると共に、1又は複数の先頭文字列31を選択領域13に表示させる。また、文章入力支援システム100は、選択された先頭文字列31を入力表示欄12に表示させると共に、1又は複数の次候補文字列32を選択領域13に表示させる。そして、文章入力支援システム100は、空白付き文字列35の選択操作を受け付けたとき、空白付き文字列35の空白部分に挿入される文字又は文字列を決定させて空白付き文字列に反映させる挿入文字決定部40を表示させる。よって、マウスなどのポインティングデバイスを用いた操作を主として定型的な文章を作成することができることから、業務記録の入力作業を効率化することができるため、業務記録の入力時間を削減し、記録者の業務負担を軽減することができる。そして、記録者は、挿入文字決定部40を用いて、空白付き文字列の空白部分に挿入する文字又は文字列を決めることにより、連鎖データ92のもとである各定型文に定型的に出現する可変部分を容易に編集することができる。
ところで、業務記録には、職員ごとに、用語の選び方、略語の用い方、及び助詞の使い方などを含む表現スタイルのバラツキがある。さらに、同じ職員が同じ内容を記録する場合でも、業務記録の書き方は、日によってまちまちになる。また、キーボードを用いて入力された業務記録には、誤字及び脱字の他、曖昧な表現が含まれることも多い。すなわち、従来は、業務記録に用いる表現が統一されていないため、同じ内容を示す文章にも多様なバリエーションが存在する。そのため、業務記録の分析による新たな知見の獲得、又は有用な知識の抽出などが困難である。
この点、文章入力支援システム100は、自然言語処理などを利用して統一化した定型文に基づく連鎖データ92の利用により、先頭文字列31及び次候補文字列32の選択処理を主とした業務記録の作成環境を提供することができる。すなわち、先頭文字列31と次候補文字列32とを組み合わせた業務記録を各職員に作成させることにより、経験の浅い職員又はPCに不慣れな職員であっても、定型文に沿った定型的かつ正確な文章を作成することができる。よって、業務記録の入力作業に要する時間を大幅に短縮することができ、かつ、業務記録の均質化を図ることができる。つまり、どのような職員であっても、数回の選択処理により、同じレベルの正確な業務記録を迅速に作成することができるため、本来的な業務に集中できないといった事態を回避することができる。加えて、助詞などの勝手な省略、職員間で統一されていない略語の使用、又は誤字脱字の発生などを防ぐことができるため、文章の精度が向上し、業務記録の信頼性を高めることができる。したがって、業務記録の分析及び統計処理が容易となるため、新たな知見の獲得及び有用な知識の抽出などを効率よく行うことができる。特に、介護記録の場合は、ケアプランと介護記録との突き合わせにより、客観的な見直しの根拠を明示することができるため、被介護者のご家族の信頼を高めることができる
また、制御装置80は、次候補文字列32の選択操作を受け付けたとき、選択された次候補文字列32に対し直接的に紐づけられた1又は複数の次候補文字列32が存在すれば、当該次候補文字列32を選択領域13に表示させるようになっている。そのため、名詞と助詞との組み合わせを複数含むような、相対的に長い業務記録についても、効率よく作成することができる。
さらに、制御装置80は、数値挿入文字列の選択操作を受け付けたとき、挿入文字決定部40として数値入力パッド40Aを表示させる。よって、キーボードを用いずに数値入力が行えることを、記録者に一見して認識させることができる。そして、制御装置80は、数値入力パッド40Aを介して数値の入力操作を受け付けたとき、入力表示欄12に、入力された数値を数値挿入文字列の空白部分に挿入した文字列を表示させる。よって、数値以外の部分が定型的な文字列についても、マウスなどのポインティングデバイスのみの操作で、任意の数値と定型的な箇所とを組み合わせた文字列を迅速に作成することができるため、業務記録の作成の効率化を図ることができる。ところで、図14及び図15では、数値入力パッド40Aとして、テンキー部41bを有し、テンキー入力が可能なGUIを例示したが、これに限定されない。例えば、数値入力パッド40Aは、ドラムロール形式のGUIであってもよい。
また、制御装置80は、日付挿入文字列の選択操作を受け付けたとき、挿入文字決定部40として日付入力パッド40Cを表示させる。よって、記録者は、キーボードを用いずに日付の入力が行えることを一見して認識することができる。そして、制御装置80は、日付入力パッド40Cを介して日付の指定操作を受け付けたとき、指定された日付を日付挿入文字列の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させる。よって、日付以外の部分が定型的な文字列についても、マウスなどのポインティングデバイスのみの操作で、任意の日付と定型的な箇所とを組み合わせた文字列を迅速に作成することができるため、業務記録の作成の効率化を図ることができる。
ところで、図28及び図29では、日付入力パッド40Cとして、カレンダー形式のGUIを例示したが、これに限定されない。例えば、日付入力パッド40Cは、数値入力パッド40Aと同様のテンキー部41bを有する形式であってもよい。すなわち、日付入力パッド40Cは、「月」の入力用のテンキー部41bと、「日にち」の入力用のテンキー部41bとを有する形式であってもよい。そして、これら2つのテンキー部41bは、同時に表示されてもよいし、例えば、「月」の入力用のテンキー部41bによる「月」の指定が終わった後に、「日にち」の入力用のテンキー部41bが表示されてもよい。また、日付入力パッド40Cは、「月」の指定と「日にち」の指定とが可能なドラムロール形式のGUIであってもよい。
さらに、空白付き文字列のうちの単語挿入文字列には、予め設定された1又は複数の設定単語40xが紐づけられている。そして、制御装置80は、単語挿入文字列の選択操作を受け付けたとき、挿入文字決定部40として、選択された単語挿入文字列に紐づけられた1又は複数の設定単語40xを表示させる。よって、記録者は、単語挿入文字列の空白部分に挿入する単語を、キーボードを用いずに選定することができる。そして、制御装置80は、設定単語40xの選択操作を受け付けたとき、選択された設定単語40xを単語挿入文字列の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させる。よって、特定の単語以外の部分が定型的な文字列についても、マウスなどのポインティングデバイスのみの操作で、特定の単語と定型的な箇所とを組み合わせた文字列を迅速に作成することができるため、業務記録の作成の効率化を図ることができる。
ところで、設定単語40xには、空白付き単語40mが含まれていてもよい。この場合、制御装置80は、空白付き単語40mの選択操作を受け付けたときに文字入力部43を表示装置10に表示させる。そして、制御装置80は、文字入力部43への文字又は文字列の入力確定操作を受け付けたとき、入力された文字又は文字列が空白付き単語40mの空白部分に挿入された単語を空白付き文字列35の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させる。よって、総称的な部分は固定単語と共通しているが、それ以外の部分を任意に変更して空白付き文字列35の空白部分に挿入したいような場合に、柔軟に対応することができる。
加えて、設定単語40xには、単語空白ボタン40nが含まれていてもよい。この場合、制御装置80は、単語空白ボタン40nの選択操作を受け付けたとき、ブランク入力部44を表示させる。そして、制御装置80は、ブランク入力部44への文字又は文字列の入力確定操作を受け付けたとき、入力された文字又は文字列を空白付き文字列35の空白部分に挿入した文字列を、入力表示欄12に表示させる。よって、連鎖データ92に設定単語40xとして登録されていない単語を、空白付き文字列35の空白部分に挿入したい場合でも、記録者は、所望の文字列を柔軟に作成することができる。
また、制御装置80は、自由入力モードと入力支援モードとを有している。よって、記録者は、連鎖データ92における先頭文字列31と次候補文字列32との組み合わせで生成できない文章についても、自由入力モードを用いて生成することができる。また、記録者は、入力支援モードを用いることで、先頭文字列31と次候補文字列32とを組み合わせた業務記録を迅速に作成することができる。加えて、制御装置80は、自由入力モードから入力支援モードへの切替操作を受け付けたとき、入力表示欄12を自由入力欄11に重畳表示させる。よって、表示画面10Aの省スペース化を実現できるため、視認性の向上を図ることができる。そして、先頭文字列31又は次候補文字列32が選択領域13に多く表示され、画面スクロールが必要となるような状況を低減することができる。
さらに、制御装置80は、自由入力モードにおいて、自由入力欄11に文字又は文字列を表示させている状態で、切替操作を受け付けた場合、自由入力欄11に表示させている文字又は文字列の後方に隣接させて、入力表示欄12を表示させる。よって、記録者は、手入力と定型文とを組み合わせた柔軟な業務記録の作成を行うことができる。
加えて、制御装置80は、ポインタ51が先頭文字列31又は次候補文字列32に合わせられたとき、ポインタ51が合わせられた先頭文字列31又は次候補文字列32の簡易表記Kを表示させる。また、制御装置80は、ポインタ51が入力表示欄12に表示させた文字列に合わせられたとき、当該文字列の簡易表記Kを表示させる。
ここで、例えば、業務記録としての介護記録を入力する場合、介護記録には、薬の名前又は専門用語など、難しい漢字が多く、習熟が困難である。そして、特に経験の浅い職員には読解が困難な場合が多い。また、介護業界は、慢性的な人手不足であるため、職員の出入りも多く、教育に十分な時間がとれないまま、国家的要請である介護記録を職員に入力させなければならない。この点、簡易表記Kとして、文字列のひらがな表記を採用すれば、難しい漢字の読解が容易となるため、業務記録の入力作業の効率を高めることができる。
また、介護業界は、慢性的な人手不足などに起因して、外国人の職員も増えている。そのため、例えば、ひらがな表記又は片仮名表記などを採り入れたとしても、用語の読解が困難な場合がある。この点。簡易表記Kとして、英語などの外国語表記を採用すれば、抽出された先頭文字列31又は次候補文字列32などの理解を促すことができるため、業務記録の入力作業の効率化を図ることができる。
ここで、上述した実施の形態は、文章入力支援システム、文章入力支援方法、及び文章入力支援プログラムにおける好適な具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態では、文章入力支援システム100が介護記録の入力作業を支援する例について説明したが、これに限定されない。文章入力支援システム100は、医療施設又はコールセンターなど、様々な業種の業務記録の入力作業を支援することができる。また、上記の各図で示した入力支援画面は、あくまで例示であり、これに限定されない。すなわち、業務記録の内容は、業務又は用途に応じて異なるため、入力支援画面の各構成は、適宜取捨選択することができる。そして、入力支援画面の各構成の配置は、適宜変更することができる。
さらに、上記実施の形態では、キーボードを用いた設定文字の入力操作と、仮想キーボード48の各キー48aを用いての設定文字の入力操作とを例示したが、これらに限定されない。文章入力支援システム100は、設定文字の入力操作を、例えば音声入力で受け付けるように構成してもよい。また、上記の説明では、表示装置10と入力装置70とが分離された構成を例示したが、これに限らず、表示装置10と入力装置70とは、互いに積層されたタッチパネルであってもよい。この場合、入力装置70は、記録者によってタッチされた位置を検出し、検出した位置を示す操作信号を制御装置80へ送信する。もっとも、表示装置10をタッチパネルで構成し、入力装置70の一部の機能を表示装置10に実現させてもよい。
また、上記実施の形態では、設定文字が1文字又は2文字の場合を例示したが、これに限定されない。例えば、設定文字として、仮名文字のうちの3文字以上の組み合わせである複数の文字列が設定されてもよい。さらに、例えば、介護記録の場合、血圧という用語の代わりに「BP」という略語を用い、体温という用語の代わりに「KT」という略語を用いることがある。また、介護記録の場合、ケアワーカ(介護士)という用語の代わりに「CW」という略語を用い、理学療法士という用語の代わりに「PT」という略語を用いることがある。よって、連鎖データ92のもとである定型文には、先頭に「BP」のような英文字を用いた略語が含まれることがある。そして、このような場合は、連鎖データ92の作成時に、設定文字として、1文字の英文字が抽出される。加えて、設定文字が2文字以上の文字列を含むようになっている場合は、連鎖データ92の作成時に、設定文字として、2文字以上の英文字を組み合わせた文字列が抽出される。すなわち、設定文字は、1文字の英文字、又は2文字以上の英文字を組み合わせた文字列を含んでいてもよい。