JP3969943B2 - コンピュータ・システム及び表示情報生成方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、入力フォームの自動生成技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、病院業務の効率化などのために電子カルテシステムが開発・使用されている。この電子カルテシステムにおいては、カルテ内容の入力負荷軽減及び標準化を図るために予め入力フォームを用意しておき、医師や看護婦はそれに対し穴埋め式で入力を行うようになっている。従来では、テンプレート入力を電子カルテシステムに対して指示すると、まず予め登録されている入力フォームの一覧表示画面を作成し、表示する。この一覧表示画面では、入力フォームは、診療科別や病気の種類別にグループ化されている。そして、この一覧表示画面から目的の入力フォームを探し出して表示させ、入力項目毎に該当する情報を入力する。このように入力フォームの一覧表示画面を設けるやり方を採用すると、多くの種類の入力フォームを予め作成しておく必要があり、多くの手間がかかる。また、準備された入力フォームの中から目的のフォームを探すのも手間・時間がかかる。
【0003】
また、特開平11−213078号公報には、患者が抱えている問題点(例えば多尿)とその問題点から遷移可能な問題点(例えば糖尿病)を推定して画面に提示する手段と、前記提示された問題点のいずれかを選択し、その問題点の問題点別に管理した入力項目の集合と既入力項目の差分を求め、その差分項目を画面に提示する手段を有する電子カルテシステムが開示されている。また本公報の従来技術の欄には、ある選択肢から先の質問項目が異なる場合に、共通の質問事項をまず表示し、選ばれた選択肢の内容から以降の質問項目を表示するといった動的テンプレート技術も開示されている。前者のような技術を採用すると、推定の正確さが入力効率に大きな影響を与え、正確さを追求すると推定処理に負荷がかかりすぎる。後者のような技術を採用すると、現在の状況に応じた項目の入力を求めるようにはなるが、例えば診療開始前までに既に入力されている情報に応じた入力フォームを表示することはできない。また、次の入力項目を決定するための元となる情報は、直前の入力であるから別途抽出する必要はない。さらに、何画面にも分けて情報を入力するようになってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来技術では、入力フォームを探す手間がかかったり、入力フォームを生成するのに処理負荷がかかりすぎたり、既に入力されていた過去の状態などに応じた入力フォームを表示させることができない。
【0005】
よって、本発明の目的は、既入力情報から入力フォームの元となる情報を抽出して、入力対象に対して適切な入力フォームを表示できるようにする技術を提供することである。
【0006】
また、このような技術を用いた電子カルテシステムを提供することも目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るコンピュータ・システムは、入力対象(例えば患者)に関する既入力情報(例えば、患者のプロファイル情報、診療履歴情報)から、抽出対象として予め定義されている属性名(例えば、性別、病名)に係る属性値(例えば、男、流行性感冒など)を抽出する手段と、抽出された属性値が、予め定義されている複数の条件のいずれに合致するか判断し、合致する条件に対応する、入力内容を規定した1又は複数の入力テンプレートを抽出する手段と、抽出された1又は複数の入力テンプレートを解析して、入力対象に対する入力のための表示情報(入力フォームの情報)を生成する手段とを有する。
【0008】
これにより年齢、性別、既往症、検査結果、病歴などの既入力情報に基づき、入力フォームを生成することができるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一実施の形態に係るシステム概要図を示す。電子カルテシステム200には、テンプレート表示情報生成部1と、電子カルテ基本制御部3と、電子カルテ基本制御部3とテンプレート表示情報生成部1とにより用いられる電子カルテデータベース(DB)5と、テンプレート表示情報生成部1により用いられる対象キー設定テーブル7及びテンプレートモジュール構造DB9と、電子カルテ基本制御部3により出力された表示情報を表示するための表示装置11と、電子カルテシステム200に情報を入力するためのキーボード、マウス等である入力装置13とが含まれる。電子カルテDB5には、患者毎に、患者プロファイル情報51と、診療歴情報53とが含まれている。
【0010】
テンプレート表示情報生成部1には、テンプレート構造解析部101と、テンプレート抽出部103と、抽出キー格納部105とが含まれている。テンプレート抽出部103は、電子カルテDB5の患者プロファイル情報51及び診療歴情報53を、対象キー設定テーブル7に設定されているキーで検索する。そして、検索結果である抽出キーを抽出キー格納部105に格納する。さらに、テンプレート抽出部103は抽出キー格納部105に格納された抽出キーを用いて、テンプレートモジュール構造DB9を検索する。検索結果であるテンプレート・モジュールのIDをテンプレート構造解析部101に出力する。テンプレート構造解析部101は、テンプレート抽出部103から受け取ったテンプレート・モジュールのIDを用いて、テンプレートモジュール構造DB9からテンプレート・モジュールの情報を取り出して解析し、入力フォームの表示情報を生成する。入力フォームの表示情報は、電子カルテ基本制御部3に出力される。そして、電子カルテ基本情報制御部3は、表示装置11に入力フォームを表示する。
【0011】
電子カルテDB5に含まれる患者プロファイル情報51の一例を以下に示す。
【表1】
上で示したように本実施の形態では患者プロファイル情報51はXML(eXtensible Markup Language)で記述されている。但し、他のタグ言語にて記述するようにしてもよい。患者プロファイル情報51には、患者ID、氏名、性別、生年月日、電話番号、住所、体重、身長、血液型、感染症についての情報が含まれる。
【0012】
電子カルテDB5に含まれる診療歴情報53の一例を以下に示す。
【表2】
上で示したように本実施の形態では診療歴情報53についてもXMLで記述されている。診療歴情報53には、以下で説明する入力フォームで入力された情報と、入力フォーム以外の医師や看護婦による入力データと、入力の日付とが含まれる。すなわち上の例では、1999年9月1日には、医師の入力である病名、入力フォームで入力された情報である身長、体重、血液型、体温、最高血圧、最低血圧及び主な症状、医師の処方情報である薬品、用量、用法が記録されている。また、1999年11月9日には、医師の処方情報である薬品、用量、用法の情報が記録されている。
【0013】
次に、図2を用いて電子カルテシステム200の処理フローを説明する。最初に、電子カルテ基本制御部3は、カルテ基本画面を表示装置11に表示する(ステップS1)。カルテ基本画面300の一例を図3に示す。カルテ基本画面300の上部には、患者ID302と、患者名304と、診療日306と、医師の情報308とが表示される部分が設けられている。また右端には、処方の入力を行うためのオーダボタン310と、本発明に関係する入力フォームを表示させるためのテンプレートボタン312と、カルテ編集域318において文字及び図形を記入するための各種エディタ用ボタン群320とが用意されている。カルテ編集域318の上部には、患者の病歴などを表示するための病歴/プロブレム表示域314と、患者プロファイル情報51を表示するための患者プロファイル表示域316とが設けられている。
【0014】
カルテ基本画面300の左端には、直前に表示されていたページへ戻るためのボタンや、再表示するためのボタン、全てを表示させるためのボタン、オーダを表示するためのボタン、診療記録を表示するためのボタン、画像を表示させるためのボタン、文書を表示するためのボタン、条件検索を行うためのボタン、テキスト検索を行うためのボタン等が表示されるブラウザ用ボタン群322が設けられている。また、当該患者の診療歴を1行表示するナビゲータ表示部324と、電子カルテを縮小表示する診療歴ブラウザ表示部326も設けられている。ナビゲータ表示部324には、日付、時間、入院外来の別、診療科、文書区分などが表示される。診療歴ブラウザ表示部326のインデックス部はナビゲータ表示部324とほぼ同じであり、画像部分には更新日付、更新時間、更新者などの情報と電子カルテの画像情報が含まれる。
【0015】
図2に戻って、カルテ基本画面300が表示されると、電子カルテ基本制御部3はテンプレートボタン312が押下されたか否かを検出する(ステップS3)。もし、テンプレートボタン312が押下されない場合には、本発明とは別の処理を実施する場合もあるが、ステップS1に戻る。一方、テンプレートボタン312が押下されると、テンプレート抽出部103は、患者プロファイル情報51からキーの抽出を行う(ステップS5)。このキーの抽出は、対象キー設定テーブル7の情報を用いる。対象キー設定テーブル7の書式例を以下に示す。
【表3】
このように対象キー設定テーブル7もXMLで記述されている。プロファイル・タグの条件タグ部分に患者プロファイル情報51から抽出すべき属性名を「対象タグ名」として定義する。一方、以下で説明する診療歴情報53から抽出すべき属性名については診療歴タグの条件タグ部分に「対象タグ名」として規定する。なお、条件タグにおいては、「DateFrom」にてマッチングを行う診療歴の期間の指定を行う。Year(n)は過去n年分、Month(n)は過去nか月分、Day(n)は過去n日分、Prev(n)は前回履歴を夫々示す。
【0016】
以下に対象キー設定テーブル7の一例を示す。
【表4】
ここでは、患者プロファイル情報51を検索する条件は、性別と感染症であることが分かる。また、診療歴情報53を検索する条件は、過去1年分の病名であることが分かる。
【0017】
図2のステップS5に戻って、テンプレート抽出部103は、患者プロファイル情報51を対象キー設定テーブル7のプロファイル・タグの条件タグに設定された属性名で検索し、属性値、属性名及び属性値、又は該当する属性名を抽出キーとして抽出キー格納部105に格納する。例えば表4のような対象キー設定テーブル7が規定されており、表1のような患者プロファイル情報51が記録されているとすると、「性別」(表4)という属性名に対応する「女」(表1)という属性値が抽出キーとして抽出キー格納部105に格納される。また、「感染症」(表4)という属性名に対して表1では全て「−]であるため該当がなく、抽出キー格納部105には何も記録されない。「+」があればその属性名を記録する。または、感染症という属性に属する下位の属性名(梅毒など)と属性値(−又は+)を対にして記録しても良い。
【0018】
次にテンプレート抽出部103は、対象キー設定テーブル7の診療歴タグの条件タグ部分に設定された属性名で診療歴情報53を検索し、属性値、属性名及び属性値、又は該当する属性名を抽出キーとして抽出キー格納部105に格納する(ステップS7)。例えば表4のような対象キー設定テーブル7が規定されており、表2のような診療歴情報53が記録されているとすると、過去1年以内の「病名」(表4)という属性名に対応する「流行性感冒」(表2)という属性値が抽出キーとして抽出キー格納部105に格納される。なお、以下で説明するが、抽出キーとしては頻度に関するキーも抽出しなければならない。例えば、診療歴情報53の診療歴タグを見て、ある月の最初の診察である場合には、「月1」という抽出キーを抽出キー格納部105に格納する。また、2ヶ月間診療歴がない場合には「初診」という抽出キーを抽出キー格納部105に格納する。さらに、入院又は退院の記録も診療歴情報53に格納されている場合には、入院時には「入院時」という抽出キーを、退院時には「退院時」という抽出キーを抽出キー格納部105に格納する。なお、参照先は診療歴情報53だけでなく、入院・退院記録の場合には、他システムの記録などである場合もある。
【0019】
次にテンプレート抽出部103は、抽出キー格納部105に格納された抽出キーを検索条件として、テンプレートモジュール構造DB9を検索する(ステップS9)。ここで、テンプレートモジュール構造DB9に格納されている各テンプレート・モジュールの書式例を以下に示す。
【表5】
このようにテンプレート・モジュールもXMLで記述されている。
【0020】
「module」タグはテンプレート・モジュールを宣言するためのタグである。IDはモジュールIDであって、本実施の形態ではIDがファイル名を構成する。moduleタグの後ろのモジュール名は、このモジュールの論理名である。入力項目タグでは、個々の入力単位を宣言する。UNITは入力項目の単位を指定する。例えばkgやcmである。また、Exinは、キーボード入力を許可するか否かを指定する。もしYesであればキーボード入力可能であり、Noであれば不可能である。Multiは複数選択を許可するか否かを指定する。もしYesであれば複数選択可能であり、Noであれば一つのみ選択できる。Left/Top/Width/Highを用いて入力項目の表示位置を指定できる。Colorで入力項目の表示色を指定する。例えばHTML(Hyper Text Markup Language)の文法に従う。初期値タグでは、入力域に初期値として表示される値を設定する。選択タグでは、選択用のボタンを表示するための宣言である。選択肢タグでは、選択肢となるボタンの個々の内容を指定する。CODEは内部コードを指定し、OBJは選択肢としてイメージ等のオブジェクトを指定する場合オブジェクト名を指定する。条件タグは、このテンプレート・モジュールが採用されるための条件を指定することを示す宣言である。共通タグでは、共通か否かでYes又はNoを設定するようになっている。性別タグでは、[男]又は[女]のいずれかを設定するようになっている。診療科・プロブレム病名・汎用タグでは、文字列を採用条件として指定する。頻度タグでは、診療歴などを元にした採用条件を指定する。例えば、[初診]は2ヶ月来院していない場合を示す。すなわち診療歴情報53に2ヶ月間何らの診療歴が記録されていないという場合である。[毎回]は毎回採用する場合を示す。[入院時]は、例えば他のシステムで入院登録を行った場合に採用する。[退院時]は、例えば他のシステムで退院登録を行った場合に採用する。なお、診療歴情報53に入院記録があればそれを用いる。[月1]は、暦日で毎月最初の診療時に採用する場合を示す。毎月最初か否かは診療歴情報53を用いる。
【0021】
テンプレート・モジュールの定義例を以下に示す。
【表6】
ここでは身長・体重については単位cm及びkgで入力するようになっている。血液型では、選択肢A,B,O及びABを示して選択させるようになっている。RHについても、選択肢+及びーを示して選択させるようになっている。条件については、共通がYesで共通で使用されるテンプレート・モジュールであることを示している。また、頻度については、初診の場合に使用されるテンプレート・モジュールであることを示している。
【0022】
例えば表6のようなテンプレート・モジュールから表示情報を生成すると、図4のような表示画面が生成される。すなわち、身長、体重、血液型、RHの入力欄が設けてあり、身長及び体重については単位(UNIT)が記載されている。また、血液型及びRHについては、選択肢のためのボタンが設けられている。
【0023】
図2のステップS9の説明に戻ると、抽出キー格納部105に格納された抽出キーを用いて、テンプレートモジュール構造DB9を検索する。すなわち、テンプレートモジュール構造DB9に格納されている各テンプレート・モジュールの条件タグに既定されている条件に、抽出キーが合致するか判断する。テンプレート抽出部103は、検索結果として、テンプレート・モジュールのIDを取得し、当該テンプレート・モジュールのIDをテンプレート構造解析部101に出力する。
【0024】
なお、抽出キーが頻度タグ以外の条件に合致するテンプレート・モジュールを抽出し、この段階で抽出されたテンプレート・モジュールについての頻度タグの条件をここで評価するような構成も可能である。すなわち、頻度タグ以外の条件で抽出された各テンプレート・モジュールの条件タグの頻度タグの条件が、診療歴情報53の記録内容と合致するか、又は他のシステムにおける入院・退院記録と合致するかを判断する。そして合致するテンプレート・モジュールを、ステップS9において検出されたテンプレート・モジュールとする。
【0025】
次に、テンプレート構造解析部101は、テンプレート抽出部103から受信したテンプレート・モジュールのIDを用いて、条件に合致したテンプレート・モジュールのデータをテンプレートモジュール構造DB9から取り出す(ステップS11)。そして、テンプレート構造解析部101は、各テンプレート・モジュールのデータを解析して、入力フォームの表示情報を生成し、この表示情報を用いて電子カルテ基本制御部3は表示装置11に表示を行う(ステップS13)。テンプレート・モジュールには、入力項目が規定されており、また入力項目によっては単位や選択肢が設定されている場合もある。各入力項目に対して入力欄を設け、単位の規定があれば単位を表示し、選択肢が存在する場合には各選択肢のためのボタンを用意して、例えば図5乃至図7のような入力フォームの表示情報を生成する。
【0026】
図5は、性別:女で初診の場合の共通の入力フォームである。身長、体重、血液型、RH、体温、最高血圧、最低血圧、妊娠、主な症状の入力欄が設けられている。また、身長、体重、体温、最高血圧、最低血圧については各単位が表示されている。さらに、血液型、RH、妊娠についてはそれぞれ選択肢のためのボタンが設けられている。一方、図6は、性別:男で初診の場合の共通の入力フォームである。身長、体重、血液型、RH、体温、最高血圧、最低血圧、主な症状の入力欄が設けられている。また、身長、体重、体温、最高血圧、最低血圧については単位が表示されている。さらに、血液型、RHについてはそれぞれ選択肢のためのボタンが設けられている。妊娠の可能性はないので妊娠については入力欄がない。また、初診でない場合には、図7のような入力フォームとなる。すなわち、身長、体重、血液型、RHについては入力の必要がなく、体温、最高血圧、最低血圧、主な症状のみの入力欄が設けられている。体温、最高血圧、最低血圧については単位も表示される。
【0027】
なお、複数のテンプレート・モジュールがステップS11で読み出された場合には、読み出した順番で連結させて入力フォームのための表示情報を生成するような構成でもよいが、通常は医師や看護婦が入力しやすい順番に並べる。図8に示すように、本実施の形態では、上から共通項目展開領域、性別項目展開域、診療科項目展開域、プロブレム病名展開域、汎用項目展開域の順番で並べる。
【0028】
図8のように並べるためにテンプレート構造解析部101が実施する処理フローを図9に示す。最初に、テンプレート・モジュールの条件タグに共通条件が指定されているものがあるか判断する(ステップS25)。もし、共通条件が指定されているテンプレート・モジュールがある場合には、そのテンプレート・モジュールについての表示情報を共通項目展開域に生成する(ステップS27)。次に、条件タグに、性別についての条件が指定されているテンプレート・モジュールが存在するか判断する(ステップS29)。もし、性別についての条件が指定されているテンプレート・モジュールが存在する場合には、そのテンプレート・モジュールについての表示情報を性別項目展開域に生成する(ステップS31)。次に、条件タグに、診療科についての条件が指定されているテンプレート・モジュールが存在するか判断する(ステップS33)。もし、診療科についての条件が指定されているテンプレート・モジュールが存在している場合には、そのテンプレート・モジュールについての表示情報を診療科項目展開域に生成する(ステップS35)。さらに、条件タグに、プロブレム病名についての条件が指定されているテンプレート・モジュールが存在しているか判断する(ステップS37)。もし存在している場合には、そのテンプレート・モジュールについての表示情報をプロブレム病名項目展開域に生成する(ステップS39)。そして、条件タグに、汎用として指定された条件が含まれるテンプレート・モジュールが存在するか判断する(ステップS41)。もし存在する場合には、そのテンプレート・モジュールについての表示情報を汎用項目展開域に生成する(ステップS43)。そして、生成された表示情報を電子カルテ基本制御部3に出力し、電子カルテ基本制御部3が表示装置11に出力する(ステップS45)。
【0029】
図2のステップS13に戻って、テンプレート構造解析部101が入力フォームのための表示情報を生成し、電子カルテ基本制御部3に出力する。電子カルテ基本制御部3は表示装置11に図5乃至図7のような入力フォームを表示する。
【0030】
次に、医師又は看護婦は入力フォームの各入力項目の入力欄に患者の情報を入力する。そして、入力が済めば、入力フォームに設けられたOKボタンを押す。一方、入力をキャンセルする場合には、キャンセルボタンを押す。ここではOKボタンが押されたとする。そうすると、電子カルテ基本制御部3は、入力フォームに入力されたデータを受け付ける(ステップS15)。そして、電子カルテ基本制御部3は、入力データを電子カルテ形式に変換する(ステップS17)。例えば、図10のような入力フォームへの入力が行われ、OKボタンが押された場合には、図11のような内容のデータが電子カルテ編集域318(図3)に表示される。すなわち、日にち及び医師の名前の情報が追加され、入力項目と入力データが対になって表示されている。また、図10では身長についての入力欄が設けられていたにもかかわらず、データ入力されなかった。入力フォームを自動生成すると、多少入力項目が冗長になる場合がある。よって、診療に必要のない入力については入力を行わず、電子カルテへの出力時には未入力項目については項目自体を削除する。よって、電子カルテ基本制御部3は、入力データを図11のような内容に変換すると共に、電子カルテ編集域318におけるデータ・フォーマットに変換する。
【0031】
次に、電子カルテ基本制御部3は、図11のように電子カルテ編集域318に入力データを表示する(ステップS19)。また、カルテ登録指示に応じて、電子カルテ基本制御部3は、電子カルテの情報を電子カルテDB5に記録する(ステップS21)。
【0032】
このようにすれば、医師又は看護婦が入力フォームを表示させる前に既に電子カルテDB5に記録されている情報から、今回の診療のための入力フォームの表示情報を生成することができるようになる。従来技術では、今入力している情報に基づき次の入力フォームを生成する。よって、従来技術では抽出キーはステップS5及びS7(図3)のように抽出する必要がない。また、対象キー設定テーブル7が設けられているため、電子カルテDB5の患者プロファイル情報51及び診療歴情報53から、テンプレート・モジュールを選択するのに必要な情報を適切に抽出することができる。また、XMLなどのタグ言語でテンプレート・モジュール、対象キー設定テーブル、患者プロファイル情報51及び診療歴情報53が記載されているために、各データを規定するのが簡単になる。さらに、テンプレート・モジュールには、入力項目以外にも採用条件についての情報も含まれているためこれらの情報の対応付けが明確であり、処理が簡単に行える。
【0033】
以上本発明の一実施の形態を説明したが、上で述べた形態に限定されない。例えば、図1のモジュールの分け方は一例であり、より多くのモジュール又はより少ないモジュールに分けることも可能である。さらに、XMLなどのタグ言語を使用しないような構成でもよい。上でも少し述べたが、診療歴情報53には入退院に関する情報を合わせて記録するような構成であってもよい。電子カルテシステム200は、クライアント・サーバシステムであってもよいし、スタンドアロンのシステムであってもよい。さらに、本発明は電子カルテシステムでなく、他のシステムへの応用も可能である。
【0034】
なお、電子カルテシステム200については、通常のコンピュータに専用のプログラムをインストールすることによっても実現可能である。この場合、このプログラムは、例えばフロッピーディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体(記録媒体)又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメモリに一時保管される。
【0035】
(付記1)
入力対象に関する既入力情報から、抽出対象として予め定義されている属性名に係る属性値を抽出する第1抽出手段と、
抽出された前記属性値が、予め定義されている複数の条件のいずれに合致するか判断し、合致する条件に対応する、入力内容を規定した1又は複数の入力テンプレートを抽出する第2抽出手段と、
抽出された前記1又は複数の入力テンプレートを解析して、前記入力対象に対する入力のための表示情報を生成する表示情報生成手段と、
を有するコンピュータ・システム。
【0036】
(付記2)
前記入力対象に関する既入力情報が、少なくとも患者のプロファイル情報と診療履歴情報とのいずれかであることを特徴とする付記1記載のコンピュータ・システム。
【0037】
(付記3)
前記入力テンプレートには、入力方法がさらに規定されていることを特徴とする付記1記載のコンピュータ・システム。
【0038】
(付記4)
前記第1抽出手段が、前記入力対象に関する既入力情報から、診療歴に関する情報を前記属性値としてさらに抽出することを特徴とする付記1記載のコンピュータ・システム。
【0039】
(付記5)
前記表示情報には複数の入力項目の入力欄を含み、
生成された前記表示情報に従って入力された、前記複数の入力項目のうち入力があった入力項目名と入力情報とを対として記憶装置に記録する手段をさらに有する
ことを特徴とする付記1記載のコンピュータ・システム。
【0040】
(付記6)
前記入力方法が、選択肢の情報を含むことを特徴とする付記3記載のコンピュータ・システム。
【0041】
(付記7)
前記表示情報生成手段が、
前記入力テンプレートに規定された前記入力内容の情報に従って入力欄を生成し、
前記入力方法の情報に従って選択肢のためのボタンを生成する
ことを特徴とする付記6記載のコンピュータ・システム。
【0042】
(付記8)
前記入力対象に関する既入力情報と、前記入力テンプレートと、前記抽出対象として予め定義されている属性名の情報との少なくとも1つがタグ言語にて記述されていることを特徴とする付記1記載のコンピュータ・システム。
【0043】
(付記9)
付記1乃至8のいずれか1つ記載のコンピュータ・システムを含む電子カルテシステム。
【0044】
(付記10)
入力対象に関する既入力情報から、抽出対象として予め定義されている属性名に係る属性値を抽出するステップと、
抽出された前記属性値が、予め定義されている複数の条件のいずれに合致するか判断し、合致する条件に対応する、入力内容を規定した1又は複数の入力テンプレートを抽出するステップと、
抽出された前記1又は複数の入力テンプレートを解析して、前記入力対象に対する入力のための表示情報を生成するステップと、
を含む情報処理方法。
【0045】
(付記11)
電子カルテシステムのためのプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記プログラムは、コンピュータに、
患者に関する既入力情報から、抽出対象として予め定義されている属性名に係る属性値を抽出するステップと、
抽出された前記属性値が、予め定義されている複数の条件のいずれに合致するか判断し、合致する条件に対応する、入力内容を規定した1又は複数の入力テンプレートを抽出するステップと、
抽出された前記1又は複数の入力テンプレートを解析して、前記患者に対する入力のための表示情報を生成するステップと、
を実行させるためのプログラムである、記憶媒体。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、既入力情報から入力フォームの元となる情報を抽出して、入力対象に対して適切な入力フォームを表示できるようにする技術を提供することができた。
【0047】
また、このような技術を用いた電子カルテシステムを提供することもできた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシステム概要図である。
【図2】 本発明のメイン処理フローを示すフローチャートである。
【図3】 電子カルテ基本画面の一例を示す図である。
【図4】 入力フォームの表示例(その1)を示す図である。
【図5】 入力フォームの表示例(その2)を示す図である。
【図6】 入力フォームの表示例(その3)を示す図である。
【図7】 入力フォームの表示例(その4)を示す図である。
【図8】 入力フォーム内の入力欄の配置順番例を示す図である。
【図9】 図8に示す配置順番例を実現するための処理フローを示す図である。
【図10】 入力フォームへの入力例である。
【図11】 電子カルテの編集域での表示例である。
【符号の説明】
1 テンプレート表示情報生成部 3 電子カルテ基本制御部
5 電子カルテDB 7 対象キー設定テーブル
9 テンプレートモジュール構造DB 11 表示装置
13 入力装置 51 患者プロファイル情報
53 診療歴情報 101 テンプレート構造解析部
103 テンプレート抽出部 105 抽出キー格納部
Claims (9)
- データ単位毎に属性名と属性値とが対応して登録されている既入力情報格納部と、
抽出対象として予め定義されている対象属性名が登録されている対象キー情報格納部と、
入力すべき所定のデータ項目が規定されている入力テンプレートと当該入力テンプレートに対応して予め定義されており且つ前記属性値に関する複数の条件とが登録されているテンプレート情報格納部と、
前記既入力情報格納部から、前記対象キー情報格納部に登録されている前記対象属性名に対応し且つ入力対象のデータ単位に係る属性値を抽出する第1抽出手段と、
前記第1抽出手段により抽出された前記属性値が、前記テンプレート情報格納部に登録されている前記複数の条件のいずれに合致するか判断し、合致する条件に対応し且つ前記テンプレート情報格納部に登録されている1又は複数の前記入力テンプレートを抽出する第2抽出手段と、
前記第2抽出手段により抽出された前記1又は複数の入力テンプレートから、前記入力対象のデータ単位に対する入力のための表示情報を生成する表示情報生成手段と、
を有するコンピュータ・システム。 - 前記既入力情報格納部に登録されている前記データ単位毎の属性名と属性値とが、少なくとも患者のプロファイル情報と診療履歴情報とのいずれかであることを特徴とする請求項1記載のコンピュータ・システム。
- 前記テンプレート情報格納部に登録されている前記入力テンプレートには、入力方法がさらに規定されていることを特徴とする請求項1記載のコンピュータ・システム。
- 前記第1抽出手段が、前記既入力情報格納部から、診療歴に関する情報を前記属性値としてさらに抽出することを特徴とする請求項1記載のコンピュータ・システム。
- 前記表示情報には複数の入力項目の入力欄を含み、
生成された前記表示情報に従って入力された、前記複数の入力項目のうち入力のあった入力項目の入力項目名と入力情報とを対として記憶装置に記録する手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータ・システム。 - 前記入力方法が、選択肢の情報を含むことを特徴とする請求項3記載のコンピュータ・システム。
- 前記表示情報生成手段が、
前記テンプレート情報格納部に登録されている前記入力テンプレートに規定された前記所定のデータ項目に従って入力欄を生成し、
前記入力方法の情報に従って選択肢のためのボタンを生成する
ことを特徴とする請求項6記載のコンピュータ・システム。 - 前記既入力情報格納部に登録されている前記データ単位毎の属性名及び属性値と、前記テンプレート情報格納部に登録されている前記入力テンプレートと、前記対象キー情報格納部に登録されている対象属性名との少なくとも1つがタグ言語にて記述されていることを特徴とする請求項1記載のコンピュータ・システム。
- 請求項1乃至8のいずれか1つ記載のコンピュータ・システムを含む電子カルテシステム。
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