JP6417577B2 - 結束たば荷解き供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冊子、カタログなどの印刷物を複数部ごと上下当て紙と共に紐で結束した結束たばを荷解きして後段の処理工程へ自動供給可能な結束たば荷解き供給装置に関する。
印刷工程を経た冊子、カタログなどの印刷物は、複数、例えば20部毎まとめて上下面に当て紙を当ててから紐で結束して結束たばにしている。このような結束たばは、パレット上に積み重ねても崩れ難くその後の運搬が容易となる。
この結束たばは、後工程で紐を解いて当て紙と共に除去してから1冊ずつ封筒又はビニール袋に入れるラッピング処理が行われている。
従来、後工程において作業者は、パレット上の結束たばを作業台に乗せて、紐を解いて当て紙と共に除去した後、例えば後段のフィーダー装置に所定冊子ずつ供給していた。この作業は人手による重労働となっていた。
このような人手による重労働を軽減するため、特許文献1には、結束たばの紐と当て紙を除去して丁合機のオートフィーダーに乗せて供給する供給装置が開示されている。
特開2000−103418号公報
しかしながら特許文献1の供給装置は、結束たばをテーブル上に置く作業において、クレーン等により吊上げているが、この吊上げ作業は作業員がフックを結束たばの紐に引っ掛ける煩雑な作業が必要であり人手に頼らなければならない。
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、人手に拠らずパレット上の結束たばを把持して荷解きして後段のラッピング装置等へ自動供給可能な結束たば荷解き供給装置を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するための第1の手段として、本発明は、結束たばを積んだパレットの平面画像から前記結束たばの位置情報を取得可能な画像認識手段と、前記結束たばの位置情報に基づいて前記結束たばまで移動して把持し、前記結束たばを運搬可能な把持手段と、前記結束たばの紐を切断して、前記紐及び上下当て紙を除去可能な荷解き手段と、を備え、前記把持手段は、前記結束たばの冊子と紐の間に紐引っ掛け部を挿入して前記結束たばを吊り上げ可能な上下押え部と、前記上下押え部との間で前記結束たばを把持可能な前後押え受け部を有するハンド部と、前記ハンド部を移動可能な多軸ロボットを備えたことを特徴とする結束たば荷解き供給装置を提供することにある。
上記第1の手段によれば、パレット上に積んだ結束たばを把持してパレットから移動し、結束たばの紐を解いて、紐及び上下当て紙を除去する作業を自動化することにより、人手による作業を削減して荷解き作業を高速化することができる。
上記の課題を解決するための第2の手段として、本発明は、前記第1の手段において、前記画像認識手段は、前記パレットの平面画像を撮影可能なカメラと、前記平面画像中の前記結束たばのマーカを検出して前記結束たばの位置情報を取得する位置情報取得部と、を備えたことを特徴とする結束たば荷解き供給装置を提供することにある。
上記第2の手段によれば、パレット上の複数の結束たば毎に位置情報を一括で取得することができる。
上記の課題を解決するための第3の手段として、本発明は、前記第1又は第2の手段において、前記把持手段は、前記結束たばの冊子と紐の間に紐引っ掛け部を挿入して前記結束たばを吊り上げ可能な上下押え部と、前記上下押え部との間で前記結束たばを把持可能な前後押え受け部を有するハンド部と、前記ハンド部を移動可能な多軸ロボットを備えたことを特徴とする結束たば荷解き供給装置を提供することにある。
上記第3の手段によれば、人手に拠る煩雑な作業を回避して、パレット上に積んだ結束たばを把持して移動させることができる。
上記の課題を解決するための第4の手段として、本発明は、前記第1ないし第3のいずれか1の手段において、前記荷解き手段は、前記結束たばの一方の主面に接着して上当て紙を除去する上当て紙除去部と、前記結束たばの他方の主面に接触して下当て紙及び紐を除去する下当て紙及び紐除去部と、を備えたことを特徴とする結束たば荷解き供給装置を提供することにある。
上記第4の手段によれば、結束たばを人手に拠らず荷解きすることができる。
上記の課題を解決するための第5の手段として、本発明は、前記第4の手段において、前記上当て紙除去部は、前記結束たばの一方の主面に接して前記紐を切断するカッタ部を備えたことを特徴とする結束たば荷解き供給装置を提供することにある。
上記第5の手段によれば、結束たばの十字紐を確実に切断することができる。
上記の課題を解決するための第6の手段として、本発明は、前記第4又は第5の手段において、前記下当て紙及び紐除去部は、切断した前記紐を吸引する紐吸引ダクトと、前記紐吸引ダクトに接続するダクトフランジに前記紐を気体と分離回収可能な紐回収部を備えたことを特徴とする結束たば荷解き供給装置を提供することにある。
上記第6の手段によれば、切断した紐を吸引除去しながら吸引途中で容易に分離回収することができる。
上記の課題を解決するための第7の手段として、本発明は、第1ないし第6のいずれか1の手段において、前記荷解き手段の後段に、荷解きした結束たばの印刷物を一部ずつ搬送可能なフィーダー手段と、前記印刷物の上下面を撮影して前記印刷物の不具合を認識する検査手段と、前記検査手段の検査結果に基づいて不具合の前記印刷物を分別する分別手段と、前記分別手段からの良品の前記印刷物を所定冊子にまとめて後工程に排出可能な排出手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の結束たば荷解き供給装置を提供することにある。
上記第7の手段によれば、荷解きした印刷物を一部毎に汚れ、傷などの品質検査を人手によらず自動化できる。
本発明によれば、パレット上に積んだ結束たばを把持してパレットから移動し、結束たばの紐を解いて、紐及び上下当て紙を除去する作業を自動化することにより、人手による作業を削減して荷解き作業を高速化することができる。
本発明の結束たば荷解き供給装置の構成概略図である。 結束たばの説明図である。 結束たばを積んだパレットの平面図である。 搬送手段の説明図である。 搬送手段と、画像認識手段と、把持手段の説明図である。 ハンド部の説明図である。 荷解き手段の説明図である。 荷解き手段の平面図である。 カッタ部の説明図である。 紐回収部の説明図である。 紐回収部の動作説明図である。 フィーダー部、検査手段、分別手段、排出手段の説明図である。 把持手段の動作説明図である。 把持手段の動作説明図である。 荷解き手段の動作説明図である。 荷解き手段の動作説明図である。 フィーダー部、検査手段、分別手段の動作説明図である。 排出手段の動作説明図である。 排出手段の動作説明図である。
本発明の結束たば荷解き供給装置の実施形態を添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
[結束たば荷解き供給装置10]
図1は本発明の結束たば荷解き供給装置の構成概略図である。図示のように本発明の結束たば荷解き供給装置10は、搬送手段20と、画像認識手段30と、把持手段40と、荷解き手段50と、フィーダー手段60と、検査手段70、分別手段80と、排出手段90を有している。
図2は結束たばの説明図であり、(A)は覆い掛け、(B)は金太郎掛けの斜視図である。本発明の結束たば1とは、冊子、カタログなどの印刷物2を複数毎まとめて上下面に配置した上下当て紙3,4と共に紐5で十字に結束した束をいう。また結束たば1は、2つ折りした印刷物2の綴じ部(背側)が小口よりも厚みがある。このため、たばの半分で、印刷物の綴じ部と小口が互い違いになるようにして結束たば1の厚みが均一になるようにしている。
このような結束たば1は印刷工場から運搬する際、パレット6上に積んで運んでいる。図3は結束たばを積んだパレットの平面図であり、(A)は1平面に結束たばを11束、(B)は1平面に結束たば17束を積んだ平面図である。図示のように、パレット6上に積んだ結束たば1は、荷崩れを防止するため、多段積みの一平面毎に結束たば1の縦方向と横方向が上下で重ならないように積んでいる。
[搬送手段20]
図4は搬送手段の説明図である。搬送手段20は、結束たば1を積んだパレット6を搬送するコンベアである。本実施形態の搬送手段20は、直線上に並べた第1〜第3搬送コンベア22,24,26からなる。第1搬送コンベア22は、フォークリフト(不図示)で運ばれるパレット6を載せるコンベアである。
第1搬送コンベア22は、後段の第2搬送コンベア24側へ向けて1方向(矢印A)のみパレット6を搬送可能に構成している。
第2搬送コンベア24は、後述する画像認識手段30が取り付けられ、後述する把持手段40の把持作業を行うコンベアである。第2搬送コンベア24は、第1搬送コンベア22から搬送されるパレット6を受けて、駆動モータ(不図示)を正逆回転又はコンベア中心の軸回りを回転することによりコンベア上のパレット6を進退移動(矢印B)又は回転移動可能に構成している。これにより、把持手段40の把持可能な領域よりも大きなパレット6であっても、パレット6上の結束たば1を把持領域に移動させて把持作業を行うことができる。
第3搬送コンベア26は、第2搬送コンベア24で結束たば1を積み降ろした空パレット7を受ける1方向(矢印C)のみ搬送可能なコンベアである。第3搬送コンベア26上の空パレット7は、フォークリフト(不図示)により回収される。
このような搬送手段20の構成により、把持手段40による把持作業を止めることなく、結束たば1を積んだパレット6の供給又は空パレット7の排出作業を行うことができる。
[画像認識手段30]
図5は搬送手段と、画像認識手段と、把持手段の説明図である。図示のように画像認識手段30は、カメラ32と位置情報取得部34を有している。
カメラ32は、結束たば1を積んだパレット6の上方に配置して、パレット6の平面画像を撮影可能に構成している。
位置情報取得部34は、平面画像に基づいてパレット6上の複数の結束たば1の個々の位置情報を取得するものである。
位置情報取得部34には、あらかじめ次の情報が登録されている。
図3(A)、(B)に示すようなパレット6上に積んだ結束たば1の配置(面付けパターン)情報。(A)は左から右にかけて長手方向が横向き4たば、長手方向が横向き4たば、長手方向が縦向き3たばの結束たばの配置パターンを示している。
そして、マーカとなる各結束たば1の結束紐の十字位置(X)の位置情報も登録している。
また、別のマーカとなる上当て紙3に印刷された文字、図形を登録している。
位置情報の取得は、結束たば1のパレット平面図を撮影した画像から、結束たば1を認識する全体領域を決定する。
次に縦方向又は横方向の結束たば1が入る検索領域(図3中の一点破線)を全体領域の端に合わせて、検索領域の結束たば1を検索する。
一点破線中には、横向きの結束たば1a,と結束たば1bの一部が見つかっている。ついで検索領域(図3中の二点破線)を結束たば1bの端に合わせて、換言すると検索領域が一部重なり合うように移動させて検索領域中の結束たば1を検索する。検索した結束たば1は、あらかじめ登録された面付けパターン及び結束紐の十字位置情報からマーカとなる十字位置の位置情報を取得できる。また上当て紙3に文字、図形が印刷されている場合は、あらかじめ登録された文字、図形情報から結束たばの位置情報を取得できる。
このような検索を全体領域で行って、結束たば1の個々の位置情報を取得する。
なお、結束たば1間に隙間が生じている場合には、検索領域を結束たばの端に合わせた位置と、あらかじめ登録された面付けパターンの位置情報との差分をマーカの位置情報に加えるように補正している。また、パレットに積んだ結束たばの高さは、あらかじめ初期パレットに積んである結束たばの高さを設定し、その後結束たばの高さを差し引く補正を行っている。
[把持手段40]
把持手段40は、多軸ロボット42と、ハンド部44を有している。
多軸ロボット42は、汎用のロボットを用いている。実施形態の多軸ロボット42は、一例として本体と腕と手首の6軸、すなわちS軸:本体を回転させる軸、L軸:本体を前後に動かす軸、U軸:腕を上下に動かす軸、R軸:腕を回転させる軸、T軸:手首を回転させる軸、B軸:手首を上下に振る軸の軸回りの可動域を有するロボットを用いている。
図6はハンド部の説明図であり、(A)は側面図、(B)は平面図である。ハンド部44は、多軸ロボット42の腕先端に取り付けている。ハンド部44は、
ハンド本体400と、紐認識カメラ410と、上下押え部420と、前後押え受け部440を有している。
ハンド本体400は、多軸ロボット42の腕先端に接続し、上部に紐認識カメラ410と、側部に上下押え部420と、下部に前後押え受部440を取り付けている。
紐認識カメラ410は、下面の結束たば1と、上下押え部420を撮影可能なカメラである。紐認識カメラ410は、上下押え部420の紐引っ掛け部421の紐引っ掛け範囲を撮影可能なカメラと、紐引っ掛け範囲内に紐があるか否かの判定を行う紐認識部を備えている。
上下押え部420は、一端に紐引っ掛け部421を備え、他端がハンド本体400の第1駆動部と接続している。紐引っ掛け部421は結束たば1の主面に沿って延出して、結束たば1の上当て紙3と紐5の間に挿入可能なプレートである。
紐引っ掛け部421には距離測定センサー422を設けている。距離測定センサー422は、結束たば1と紐引っ掛け部421との間の距離を測定可能なセンサーである。距離測定センサー422の測定値に基づいて、上下押え部420は結束たば1の上方から上当て紙3まで移動することができる。
第1駆動部は、ハンド本体400の側部にあり、ギアヘッド(423)付きモーター424と、第1プーリー425と、第2プーリー426と、アイドラー427を有している。第1及び第2プーリー425,426は、側部に沿って直線上に取り付けられ、ギアヘッド423と、第1プーリー425と、第2プーリー426と、アイドラー427の間にタイミングベルト428を張っている。また、直線上の第1及び第2プーリー425,426に沿ってスライドレール429を取り付けている。スライドレール429を摺動自在なスライドブロック430を2個取り付け、内1個はベルト止め金具431を用いてタイミングベルト428に連結している。スライドブロック430は、上下押え部420の他端と接続している。
このような構成の上下押え部420は、図6(B)に示すように結束たば1の長手方向の長さよりも短い間隔で2箇所並列に取り付けてあり、モーター424の回転運動を直線運動に変える第1駆動部によって、ハンド本体400の側部に沿って上下方向に移動することができる。
前後押え受部440は、一対の上下押え部420と対向する受け部を備えた平面視でほぼコ字型のプレートであり、端部がハンド本体400の第2駆動部と接続している。
第2駆動部は、ハンド本体400の下部にあり、ギアヘッド(443)付きモーター444と、第1プーリー445と、第2プーリー446と、アイドラー447を有している。第1及び第2プーリー445,446は、下部に沿って直線上に取り付けられ、ギアヘッド443と、第1プーリー445と、第2プーリー446と、アイドラー447の間にタイミングベルト448を張っている。また、直線上の第1及び第2プーリー445,446間に沿ってスライドレール449を取り付けている。スライドレール449を摺動自在なスライドブロック450を2個取り付け、内1個はベルト止め金具451を用いてタイミングベルト448に連結している。スライドブロック450は、前後押え受部440の他端と接続している。
このような構成の前後押え受部440は、モーター444の回転運動を直線運動に変える第2駆動部によって、ハンド本体400の下部に沿って前後方向に移動することができる。
[荷解き手段50]
図7は荷解き手段の説明図である。図8は荷解き手段の平面図である。荷解き手段50は、結束たば1の荷解きを行う荷解きエリア51を中心として、上流側に結束たば1の供給部52と、上方に上当て紙除去部54及びカッタ部56と、下方に下当て紙及び紐除去部58と、下流側に荷解きした冊子たばの排出部59を有している。
結束たばの供給部52は、把持手段40を用いてパレット6から移動した結束たば1を仮置きする箇所であり、取り外しガイド520と、プッシャー524を有している。
取外しガイド520は、ハンド部44の上下押え部420の幅よりも長い2つのスリット521を備え、供給部52の主面から垂直方向に延出したガイドである。
プッシャー524は、結束たば1の側面と接触して、仮置き箇所と荷解きエリア51と排出部59の間を進退移動している。
上当て紙除去部54は、吸着部540と、アーム542と、上下動スライダー544と、横移動スライダー546を有している。
吸着部540は、荷解きエリア51の上方であって結束たば1の上当て紙3と対向する箇所に取り付けて上当て紙3を吸着するパッドであり、図8に示すように4カ所に取り付けている。
吸着部540はアーム542の一端のパッド支持部材543に取り付けている。アーム542の他端は上下動スライダー544に接続している。パッド支持部材543は、結束たば1の平面視で、中心と四隅の間のスペース(十字紐と重ならない位置)に吸着部540を4つ取り付けている(図8参照)。上下動スライダー544は、アーム542を上下方向に進退移動する。上下動スライダー544は、横方向スライダー546に接続している。横方向スライダー546は、上下動スライダー544を横方向に進退移動する。
このような構成の上当て紙除去部54は、吸着部540を上下方向及び、横方向へ進退移動させて荷解きエリア51の結束たば1の上当て紙3に吸着させることができる。
図9はカッタ部の説明図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は回転刃の側面図である。図示のようにカッタ部56は、上当て紙除去部のパッド支持部材543に取り付けた回転モーター560と、回転モーター560の回転軸に設けた板ばね561と、板ばね561の先端に設けたカッタ支持部材562に取り付けた回転刃モーター563と、回転刃モーター563の回転軸に設けた回転刃564と、カッタ支持部材562に設けた紐すくい部566を有している。
回転モーター560は、回転シャフトをパッド支持部材543の下面に垂直方向に突出しており、この回転シャフトに板ばね561を設けている。板ばね561が回転シャフトの軸回りを約90度回転するとき、弧を描く先端は十字紐5の縦紐及び横紐を跨るようにしている。
板ばね561の先端にはカッタ支持部材562を介して回転刃モーター563を取り付けている、回転刃モーター563は、回転シャフトを板ばね561の長手方向に沿って配置している。回転シャフトに取り付けた回転刃564は、板ばね561の長手方向と直交する方向に回転する。回転刃564の下面には、紐すくい支持部材565を介して紐すくい部566を設けている。紐すくい部566の先端は、回転刃564から離間する方向、換言すると、結束たば1の上当て紙3に向けて湾曲させている。紐すくい部566及び紐すくい支持部材565は回転刃564との間にスリット567を設けて回転刃564との接触を回避している。紐すくい支持部材565とカッタ支持部材562はベアリング568を介してシャフト569により取り付けている。このような構成の紐すくい部566は、シャフト569周りを自由に揺動して、紐すくい動作を容易に行うことができる。
下当て紙及び紐除去部58は、押上げ部材581と、上下動押上げスライダー582と、紐吸引ダクト583と、下当て紙の掴み押し付け部材584と、掴み上下動スライダー585と、掴み受け部材586と、エアーノズル587を有している。
押上げ部材581は、荷解きエリア51の結束たば1を上方(上当て紙除去部54の吸着部540側)へ押し上げる部材であり、上下動スライダー582に接続している。上下動スライダー582は、結束たば1と共に押上げ部材581を上下方向に進退移動させることができる。
紐吸引ダクト583は、荷解きエリア51の中心に取り付けてあり、後述する紐回収部57のダクトと接続して切断した紐5を吸引して除去するダクトである。
下当て紙の掴み押し付け部材584は、荷解きエリア51の主面から上方へ突出した側面視逆L字型の部材であり、下端が掴み上下動スライダー585と接続している。
掴み受け部材586は、掴み押し付け部材584と対向する荷解きエリア51の主面から上方(掴み押し付け部材584側)へ進退移動する部材である。
掴み押し付け部材584及び掴み受け部材586は、いずれも掴み上下動スライダー585に取り付けて、上下方向に進退移動可能に構成して、紐5を切断した後の下当て紙4を把持することができる。
エアーノズル587は、掴み押し付け部材584の上方に配置して下方の下当て紙4に向けてエアーを吹き付けるノズルである。本実施形態のエアーノズル587は、上下動スライダー544の下端に取り付けている。
荷解きした冊子たばの排出部59は、後段のフィーダー手段60へ冊子束を排出するコンベアである。
図10は紐回収部の説明図であり、(A)平面図、(B)正面図である。図11は紐回収部の動作説明図である。図示のように紐回収部57は紐吸引ダクト583に接続するダクト570に取り付けている。ダクト570は、U字状に折り曲げ、折り曲げた直線部分と交差する方向にダクト支持部材571を取り付けている。ダクト570の曲部付近には吸引ファン572を取り付けている。またダクト570の端部は紐回収網573を取り付けている。
ダクト支持部材571は、ダクト570とほぼ同じ径のダクトフランジ574を設けている。ダクトフランジ574は、一方の開口面に紐網575を設け他方の開口面の側方にダクトの遮蔽板576を設けている。このようなダクトフランジ574は、ダクト支持部材571に設けたスライドレール577のスライダー578に取り付けている。スライドレール577は、ダクト支持部材571の長手方向に沿って取り付けている。そしてスライダー578は、駆動モーター579と、一対のプーリー579aとタイミングベルト579bからなる駆動部によりダクト570を交差する方向にスライド移動する。紐5を回収する場合、紐網575がダクト570を覆う箇所に配置される。一方、紐5を廃棄する場合、遮蔽板576が吸引ファン572よりも上流側のダクトフランジ574を覆う箇所に配置され、遮蔽板576と吸引ファン572の間にすきまが形成される。紐網575が吸引ファン572よりも下流側のダクト570を覆う箇所に配置される。
このような構成の紐回収部57は、紐5を回収する場合、紐網575がダクト570を覆う箇所に配置される。そして紐吸引ダクト583から吸い込まれた紐5は、吸引ファン572の手前で紐網575に引っ掛かり吸引ファン572に絡み付くことなく分離できる。紐網575に紐5が溜まった場合、遮蔽板576がダクト570を覆う箇所に配置する。このとき、紐網575は下流側のダクト570を覆う位置に配置される。また遮蔽板576と吸引ファン572の隙間からの吸気によって紐網575に捕捉されていた紐5が回収網573へ排出されて回収することができる。
[フィーダー手段60]
図12はフィーダー部、検査手段、分別手段、排出手段の説明図であり、(A)は平面図、(B)は正面図を示している。
フィーダー手段60は荷解きした束から印刷物2を一部ずつ搬送する手段である。具体的なフィーダー手段60の構成は、上下動スライダー62と、搬送ベルト64と、フィードローラー66と、搬送ローラー68からなる。
上下動スライダー62は、荷解きした束を載せた搬送ベルト64ごと上下方向にスライドするものである。
フィードローラー66は、搬送ベルト64の後段側のローラーと対向する位置に取り付けた回転ローラーである。フィードローラー66は印刷物2の上面に接触して回転し、束上面の印刷物2を一部ずつ後段の搬送ローラー68へと供給することができる。このとき、上下動スライダー62は、印刷物2の排出に連動して上方へ移動して、フィードローラー66が印刷物2の上面に接触するようにしている。
搬送ローラー68は、後段の検査手段70へ印刷物2を一部ずつ搬送するローラーである。
[検査手段70]
検査手段70は、印刷物2が一部ずつ載るガラス71上に上カメラ72及び上照明73を取り付け、ガラス71下方に下カメラ74及び下照明75を取り付け、ガラス71の後段に排出ローラー77を取り付けている。
このような構成の検査手段70は、ガラス71面上に一部ずつ連続的に供給される印刷物2の上下面を上下カメラ72,74で撮影している。撮影した画像は画像認識部(不図示)により、サンプル画像と比較して印刷物2の汚れ、傷などの有無を判定している。
[分別手段80]
分別手段80は、ゲート82と回収箱84から構成されている。ゲート82は、印刷物2の搬送路の下部に設けた回収箱84の開口に取り付けて、上方向に開閉移動するものである。
このような構成の分別手段80は、検査手段70の画像認識部の判定において、汚れ、傷など不具合のある印刷物2が搬送路を通過する際にゲート82が開いて印刷物が回収箱84に落下して、不具合のある印刷物2を分別することができる。
[排出手段90]
排出手段90は、良品の印刷物2の冊子束を後段のラッピング装置へ排出する手段である。具体的な排出手段90の構成は、回転テーブル92と、上下動スライダー94と、プッシャー98と、スライダー96からなる。
前述のように結束たば1は、印刷物2の綴じ部と小口が互い違いになるようにして、たばの厚みが均一になるようにしている。このため回転テーブル92は、綴じ部と小口が互い違いとなっている印刷物2の綴じ部又は小口のいずれか一方に統一したたばとなるように、印刷物2が載るテーブルを回転自在に構成している。
上下動スライダー94は、印刷物2を載せた回転テーブル92ごと上下方向にスライドするものである。
プッシャー98は、印刷物2のたばの側面と接触して、回転テーブル92とラッピング装置のローダーの間をスライダー96に沿って進退移動している。
このような構成の排出手段90は、回転テーブル92上で一部ずつ搬送される良品の印刷物2の綴じ部又は小口を統一したたばにして、所定数の印刷物2のたばをプッシャー98により、後段のラッピング装置のローダーへ排出している。
[作用]
上記構成による結束たば荷解き供給装置の作用について以下説明する。
フォークリフトなどで第1搬送コンベア22上に運ばれたパレット6は、第2コンベア24へ自動供給される。
第2搬送コンベア24では、画像認識手段30によりパレット6上の結束たば1の平面画像を撮影する。この平面画像から前述の結束たば1の位置情報を取得する。
図13,14は把持手段の動作説明図である。
図13(1)に示すように、画像認識部の位置情報に基づいて、把持手段40のハンド部44が把持対象となる結束たば1上に移動する。次に距離測定センサー422より、結束たば1までの距離を測定する。
図13(2)に示すように、測定値に基づいてハンド部44を結束たば1上まで移動させる。
図13(3)に示すように、紐引っ掛け部421を結束たば1上の上当て紙3に沿って前進移動させて、上当て紙3と紐5の間に挿入する。このとき紐認識カメラ410により紐引っ掛け部421上の紐5を検出する。紐引っ掛け部421上に紐5が載っていない場合には、後退し、再度前進移動する。この動作を紐認識カメラ410が紐引っ掛け部421上に紐5があることを検出するまで行う。
図14(1)に示すように、上下押え部420を上昇させて、結束たば1をパレットから吊し上げた状態にする。
図14(2)に示すように、前後押え受部440を前進させる。
図14(3)に示すように、前後押え受部440の停止後、上下押え部420を下降させて、前後押え受部440との間で結束たば1を把持する。ハンド部44で把持した結束たば1は、多軸ロボット42により後段の荷解き手段50へ移動させる。このような動作を繰り返し行い、パレット6上の結束たば1を荷解き手段50へ自動供給する。
なお、第2搬送コンベア24で結束たば1を積み降ろした空パレット7は、第3搬送コンベア26へ自動供給される。そしてフォークリフト(不図示)により回収される。
図15、16は荷解き手段の動作説明図である。
把持手段40によりパレット6上から運ばれた結束たば1は、荷解き手段50の供給部52へ運ばれる。供給部52ではまずハンド部44のハンド本体400と結束たば1の間に取外しガイド520を挿入する。そしてハンド部44の前後押え受部440を後退させると共に上下押え部420をわずかに上方へ移動させた後、ハンド部44を取外しガイド520から離間させる方向に水平移動すると、結束たば1がハンド部44の紐引っ掛け部421から離れる。その後、図15(1)に示すように、プッシャー524を用いて結束たば1を荷解きエリア51へ水平移動させる。
図15(2)に示すように、結束たば1の下方から下当て紙及び紐除去部58の押上げ部材581が上方に移動して下当て紙4に接触する。また、結束たば1の上方から上当て紙除去部54の吸着部540が下方に移動して上当て紙3に吸着する。
図15(3)に示すように、カッタ部56による十字に縛った紐5が切断される。そして、上当て紙除去部54が上方に移動すると吸着部540に吸着した上当て紙3を冊子たばから取り外すことができる。ついで紐吸引ダクト583により切断した紐5を吸引して冊子束から除去する。そして下当て紙及び紐除去部58の押上げ部材581を下方に移動する。
図16(1)に示すように、プッシャー524を用いて荷解きエリア51の冊子たばを下当て紙及び紐除去部58まで移動させる。エアーノズル587から下方の下当て紙4へ向けてエアーを吹き付けながら、下当て紙の掴み押し付け部材584を下方へ移動させて、さらに掴み受け部材586を上方へ移動させてした当て紙4を把持する。
図16(2)に示すように、下当て紙を把持した下当て紙の掴み押し付け部材584と掴み受け部材586を下方へ移動させると共に、プッシャー524を排出部59側へ移動させると、下当て紙4を冊子束の下方から取り除くことができる。排出部59上の冊子束は後段のフィーダー手段60へ送られる。
図17はフィーダー部、検査手段、分別手段の動作説明図である。
図17(1)に示すように荷解きした冊子束は、フィーダー手段60のフィードローラー66によって、束上面の印刷物2を一部ずつ後段の搬送ローラー68へと供給することができる。このとき、上下動スライダー62は、印刷物2の排出に連動して上方へ移動して、フィードローラー66が印刷物2の上面に接触するようにしている。そして搬送ローラー68によって、後段の検査手段70へ印刷物2を一部ずつ搬送される。
検査手段70では、ガラス71面上に一部ずつ連続的に供給される印刷物2の上下面を上下カメラ72,74で撮影している。撮影した画像は画像認識部(不図示)により、サンプル画像と比較して印刷物2の汚れ、傷などの有無を判定している。
分別手段80は、検査手段70の画像認識部の判定において、汚れ、傷など不具合のある印刷物2が搬送路を通過する際にゲート82が開いて印刷物2が回収箱84に落下して、不具合のある印刷物2を分別することができる。
図18、19は排出手段の動作説明図である。
図示のように良品の印刷物2は排出手段90の回転テーブル92上に搬送される。回転テーブル92は、綴じ部と小口が互い違いとなっている印刷物2の綴じ部又は小口のいずれか一方に統一したたばとなるように、回転自在に構成されており、印刷物2の冊子束が形成される。図17(2)、図19に示すように所定数の冊子束は上下動スライダー94により下方移動した後、プッシャー98により、後段のラッピング装置のローダーへ排出される。
このような本発明の結束たば荷解き供給装置によれば、パレット上に積んだ結束たばを把持してパレットから移動し、結束たばの紐を解いて、紐及び上下当て紙を除去する作業を自動化することにより、人手による作業を削減して荷解き作業を高速化することができる。
本発明は、特に冊子印刷・製本分野において産業上の利用可能性を有する。
1………結束たば、2………印刷物、3………上当て紙、4………下当て紙、5………紐、6………パレット、7………空パレット、10………結束たば荷解き供給装置、20………搬送手段、22………第1搬送コンベア、24………第2搬送コンベア、26………第3搬送コンベア、30………画像認識手段、32………カメラ、34………位置情報取得部、40………把持手段、42………多軸ロボット、44………ハンド部、50………荷解き手段、60………フィーダー手段、70………検査手段、80………分別手段、90………排出手段。

Claims (6)

  1. 結束たばを積んだパレットの平面画像から前記結束たばの位置情報を取得可能な画像認識手段と、
    前記結束たばの位置情報に基づいて前記結束たばまで移動して把持し、前記結束たばを運搬可能な把持手段と、
    前記結束たばの紐を切断して、前記紐及び上下当て紙を除去可能な荷解き手段と、
    を備え
    前記把持手段は、
    前記結束たばの冊子と紐の間に紐引っ掛け部を挿入して前記結束たばを吊り上げ可能な上下押え部と、前記上下押え部との間で前記結束たばを把持可能な前後押え受け部を有するハンド部と、
    前記ハンド部を移動可能な多軸ロボットを備えたことを特徴とする結束たば荷解き供給装置。
  2. 前記画像認識手段は、
    前記パレットの平面画像を撮影可能なカメラと、
    前記平面画像中の前記結束たばのマーカを検出して前記結束たばの位置情報を取得する位置情報取得部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の結束たば荷解き供給装置。
  3. 前記荷解き手段は、
    前記結束たばの一方の主面に接着して上当て紙を除去する上当て紙除去部と、
    前記結束たばの他方の主面に接触して下当て紙及び紐を除去する下当て紙及び紐除去部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の結束たば荷解き供給装置。
  4. 前記上当て紙除去部は、前記結束たばの一方の主面に接して前記紐を切断するカッタ部を備えたことを特徴とする請求項に記載の結束たば荷解き供給装置。
  5. 前記下当て紙及び紐除去部は、
    切断した前記紐を吸引する紐吸引ダクトと、
    前記紐吸引ダクトに接続するダクトフランジに前記紐を気体と分離回収可能な紐回収部を備えたことを特徴とする請求項又はに記載の結束たば荷解き供給装置。
  6. 前記荷解き手段の後段に、
    荷解きした結束たばの印刷物を一部ずつ搬送可能なフィーダー手段と、
    前記印刷物の上下面を撮影して前記印刷物の不具合を認識する検査手段と、
    前記検査手段の検査結果に基づいて不具合の前記印刷物を分別する分別手段と、
    前記分別手段からの良品の前記印刷物を所定冊子にまとめて後工程に排出可能な排出手段を設けたことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の結束たば荷解き供給装置。
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