JP6417549B1 - 圧電機能膜、アクチュエータおよびインクジェットヘッド - Google Patents

圧電機能膜、アクチュエータおよびインクジェットヘッド Download PDF

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Abstract

圧電機能膜は、下地層と圧電体層からなる。圧電体層は、ニオブ添加チタン酸ジルコン酸鉛よりなる。下地層は、ニオブ添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン)添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン、マグネシウム)添加チタン酸鉛のいずれかよりなる。

Description

本開示は、ニオブ添加チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電体層を備えた圧電機能膜、アクチュエータおよびインクジェットヘッドに関する。
近年、パッケージ、テキスタイル、製品装飾などへの印刷需要が拡大している。インクジェット方式は、有版印刷方式に比べて、小ロット対応が可能でかつリードタイムが短いというメリットを有している。そこでパッケージ、テキスタイル、製品装飾などへの印刷手法として、インクジェット方式が検討されている。
なお、インクジェット方式の印刷機は、インクを吐出するためのアクチュエータを有する。アクチュエータは、駆動手段としてチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とした圧電膜の両主面に電極を配置した圧電素子が用いられている。
パッケージ、テキスタイル、製品装飾などの印刷対象は、プリント紙などの印刷対象に比べて、印刷面が平坦でない。また、パッケージ、テキスタイル、製品装飾などの印刷対象では、プリント紙などの印刷対象に比べて、様々な種類のインクが使用される。
したがって、圧電素子には、印刷面が平坦でない印刷対象へ、様々な種類のインクを、高速かつ高精細に印刷するために、より高い圧電性能が要求される。従来、チタン酸ジルコン酸鉛の圧電定数を高める手法として、圧電膜を(001)優先配向とするとともに、チタン酸ジルコン酸鉛に10モル%以上40モル%以下のニオブを添加する手法が知られている。
特許文献1〜6は上記の分野の従来技術を開示している。
特許第4142705号公報 特許第4142706号公報 特許第4246227号公報 特許第5367242号公報 特許第4505492号公報 特許第4452752号公報
R.Ramesh,Appl.Phys.Lett.(1993)Vol.63,No.1 p.27−29
チタン酸ジルコン酸鉛にニオブを添加した場合、圧電素子に内部電界が生じるという課題がある。
通常、駆動手段は、基板と下部電極と圧電膜と上部電極とが順次積み重ねられたアクチュエータの形態で使用される。このアクチュエータの圧電層膜をニオブ添加チタン酸ジルコン酸鉛とした場合、下部電極から上部電極に向かう方向に、内部電界が発生する。例えば、特許文献4の図7で開示された分極−電界曲線(P−E曲線)から読み取った内部電界の値は18kv/cmである。
なお、非特許文献1では、10−15kV/cmの内部電界を有する試料は、内部電界を持たない試料に比べて、連続駆動時の分極劣化が早期に生じると記載されている。チタン酸ジルコン酸鉛のような強誘電性を有する圧電膜において、分極は、圧電性能と相関がある。したがって、圧電膜をニオブ添加チタン酸ジルコン酸鉛としたアクチュエータは、連続駆動時に、圧電膜の圧電性能の劣化が早期に生じると想定される。
一方で、特許文献4、特許文献5には、鉛イオンをビスマスイオンで置換させることで、圧電膜の内部電界を低減させる手法が開示されている。しかしながら、この手法では、圧電膜における添加物の量が増加することになり、圧電膜の組成制御が複雑となることから、量産の観点で望ましくない。
また、特許文献6には、鉛以外のカチオンに対する鉛のモル比を1.03以下とした圧電膜が開示されている。しかしながら、強誘電性の低下を同時に招くため、望ましくない。
本開示の圧電機能膜は、下地層と圧電体層とを備え、圧電体層は、ニオブ添加チタン酸ジルコン酸鉛であり、下地層は、ニオブ添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン)添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン、マグネシウム)添加チタン酸鉛のいずれかである構成とした。
本開示の一態様におけるアクチュエータは、基板と、基板の上に配置された下部電極と、下部電極の上に配置された圧電機能膜と、圧電機能膜の上に配置された上部電極と、を備え、圧電体膜圧電機能膜は、下地層と、下地層上に設けられた圧電体層とを備え、圧電体層は、ニオブ添加チタン酸ジルコン酸鉛であり、下地層は、ニオブ添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン)添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン、マグネシウム)添加チタン酸鉛のいずれかである構成とした。
本開示の一態様におけるインクジェットヘッドは、流路と、流路に接続された圧力室と、圧力室に接続されたノズルと、を備え、圧力室は、圧力室内の圧力を制御するアクチュエータを有し、アクチュエータは、基板と、基板の上に配置された下部電極と、下部電極の上に配置された圧電機能膜と、圧電機能膜の上に配置された上部電極と、を備え、圧電機能膜は、下地層と、下地層上に設けられた圧電体層とを備え、圧電体層は、ニオブ添加チタン酸ジルコン酸鉛であり、下地層は、ニオブ添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン)添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン、マグネシウム)添加チタン酸鉛のいずれかである構成とした。
この構成により、ニオブ添加チタン酸ジルコン酸鉛を用いたことにより生じる圧電素子の内部電界を低減させることができる。
図1は、本開示の一実施の形態における圧電機能膜を備えたアクチュエータの断面図である。 図2は、本開示の一実施の形態におけるアクチュエータを用いたインクジェットヘッドの断面図である。 図3は、実施例1における圧電素子のPE曲線を示す図である。 図4は、実施例2における圧電素子のPE曲線を示す図である。 図5は、実施例3における圧電素子のPE曲線を示す図である。 図6は、比較例1における圧電素子のPE曲線を示す図である。
以下では、本開示の実施の形態に係る圧電機能膜を備えたアクチュエータについて、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される形状、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本開示を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構造については同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化している。
以下、本開示の一態様の圧電機能膜について図を用いて説明する。図1は圧電機能膜5を備えたアクチュエータ100を示す断面図である。このアクチュエータ100は、振動板1の上に圧電素子4が配置されている。圧電素子4は、下部電極8、圧電機能膜5、上部電極9が順に積層された構造体である。なお、下部電極8が振動板1の上に配置される。
振動板1は、シリコン基板2の表面に二酸化ケイ素からなる絶縁体膜3を有する2層基板で構成することができる。圧電機能膜5は、下部電極8の上に配置された下地層6と、下地層6の上に配置された圧電体層7を備える。下地層6は、ニオブが添加されたチタン酸鉛(ニオブ添加チタン酸鉛またはNb添加PT)、ニオブとランタンが添加されたチタン酸鉛((ニオブ、ランタン)添加チタン酸鉛またはNb添加PLT)、ニオブとランタンとマグネシウムが添加されたチタン酸鉛((ニオブ、ランタン、マグネシウム)添加チタン酸鉛またはNb添加PLMT)のいずれかにより構成することが出来る。圧電体層7は、(001)優先配向であり、ニオブが添加されたチタン酸ジルコン酸鉛(Nb添加PZT)により構成することが出来る。振動板1と下地層6の間には、下部電極8が配置されている。下部電極8は、プラチナやイリジウムなどの金属からなる。圧電機能膜5の上には、上部電極9が配置されている。上部電極9は、プラチナや金などの金属からなる。
アクチュエータ100は、上部電極9と下部電極8間に制御電圧を印加することにより、振動板1を振動させることができる。上部電極9と下部電極8に制御電圧を印加すると、圧電体層7の逆圧電効果により、圧電体層7の厚み方向(図中の上下方向)の振動が励起される。
このように、圧電体層7をNb添加PZTからなる圧電体層7とし、下地層6をNb添加PT、Nb添加PLT、Nb添加PLMTのいずれかとすることで、圧電機能膜5の内部電界を低減することができる。また、圧電機能膜5の内部電界が低減されることでアクチュエータ100における連続駆動時の圧電性能の劣化が抑制される。
また、圧電体層7を形成するNb添加PZTは、ニオブの添加割合が10モル%以上かつ40モル%以下の範囲内とすることで、圧電体特性を効率よく高めることができる。なお、ニオブの添加割合とは、Nb添加PZTからなる圧電体層7におけるジルコニウム、チタンおよびニオブの総和に対するニオブのモル比を意味する。
特に、圧電機能膜5を、アクチュエータ100の駆動手段に用いる場合は、圧電機能膜5に印加される駆動電圧が大きくなるため、内部電界の低減による効果が大きくなる。また、アクチュエータ100をインクジェットヘッドのインクの吐出手段として用いることで、内部電界の低減による効果をより顕著に得ることができる。
次に、本開示におけるアクチュエータ100をインクジェットヘッドに用いた際の作用効果について述べる。図2にインクジェットヘッド200の構成を示す。インクジェットヘッド200は、インクを吐出するノズル11と、インクを吐出させるための圧力を制御する圧力室12と、圧力室12にインクを導入する流路13を備える。圧力室12は本開示におけるアクチュエータ100を有している。アクチュエータ100は圧力室12の天井部分を振動板1として、この振動板1の上に圧電素子4が配置されて構成されている。アクチュエータ100に駆動信号を印加することで振動板1が変位に応じて圧力室12内のインクに吐出圧力が付与され、ノズル11を介してインクが吐出される構造となっている。つまり、アクチュエータ100は粘性の高いインクに吐出圧力を付与しなければならず、より大きな圧電特性を必要とする。つまり、本開示における内部電界の低減による効果がより顕著に現れるのである。
以下に、本開示の一実施の形態である実施例と、実施例の比較対象となる比較例を挙げて説明する。実施例および比較例は、下部電極8、圧電機能膜5、上部電極9を備えた圧電素子4を備えたアクチュエータ100である。内部電界については、図3から図6に示す圧電素子4のP−E曲線により判定する。実施例1、実施例2、実施例3は、圧電体層7がNb添加PZTであり、下地層6がNb添加PLMTであり、ニオブの添加割合が異なる。比較例1は、圧電体層7がNb添加PZTであるが、下地層6は、ランタンとマグネシウムが添加されたチタン酸鉛(PLMT)である。このPLMTにはニオブは添加されていない。
なお、圧電素子の内部電界が10kV/cm以下であることを効果の判定基準とする(実施例1)。
実施例1のアクチュエータ100の構造について説明する。振動板1は、シリコン基板2上に2酸化ケイ素からなる絶縁体膜3が配置された2層基板で構成されている。シリコン基板2の厚みは525μmであり、絶縁体膜3の厚みは70nmである。下部電極8は白金からなり、厚みは0.4μmである。圧電機能膜5は、Nb添加PLMTからなる下地層6と、Nb添加PZTからなる圧電体層7を有する。下地層6の厚みは60nmである。圧電体層7の厚みは3.5μmである。上部電極9は金からなり、厚みは0.3μmである。
下部電極8は、絶縁体膜3の上にスパッタリングで形成される。
下地層6は、下部電極8の上にスパッタリングで形成される。Nb添加PLMTからなる下地層6におけるニオブの添加割合は、8モル%である。なお、ここでいうニオブの添加割合とは、Nb添加PLMTからなる下地層6におけるニオブとチタンの総和に対するニオブのモル比を意味する。Nb添加PLMT層の組成は、X線光電子分光法(XPS)およびエネルギー分散型線分光法(SEM−EDX)などにより確認することが出来る。
圧電体層7は、下地層6の上にスパッタリングで形成される。Nb添加PZTにおけるニオブの添加割合は、10モル%である。Nb添加PZTからなる圧電体層7の組成は、X線光電子分光法(XPS)およびエネルギー分散型線分光法(SEM−EDX)などにより確認することが出来る。
図3に、実施例1における圧電素子4のP−E曲線を示す。内部電界は7.2kV/cmである。なお内部電界は、P−E曲線において、低電界側の抗電界Ec1と高電界側の抗電界Ec2を加えた値を2で除した値である。
(実施例2)
実施例2のアクチュエータ100について説明する。なお、実施例2のアクチュエータ100における実施例1のアクチュエータ100との違いは、下地層6におけるニオブの添加割合を12%としたNb添加PLMTを用いたところと、圧電体層7におけるニオブの添加割合を15%としたNb添加PZTを用いたところである。他の条件については実施例1のアクチュエータ100と同じである。
実施例2のアクチュエータ100の構造について説明する。振動板1は、シリコン基板2上に2酸化ケイ素層からなる絶縁体膜3が配置された2層基板で構成されている。シリコン基板2の厚みは525μmであり、絶縁体膜3の厚みは70nmである。下部電極8は白金からなり、厚みは0.4μmである。圧電機能膜5は、PLMTからなる下地層6と、Nb添加PZTからなる圧電体層7を有する。下地層6の厚みは60nmである。圧電体層7の厚みは3.5μmである。上部電極9は金からなり、厚みは0.3μmである。
下部電極8は、絶縁体膜3の上にスパッタリングで形成される。Nb添加PLMTにおけるニオブの添加割合は、12モル%である。
圧電体層7は、下地層6の上にスパッタリングで形成される。Nb添加PZTにおけるニオブの添加割合は、15モル%である。
図4に、実施例2における圧電素子4のP−E曲線を示す。内部電界は4.7kV/cmである。
(実施例3)
実施例3のアクチュエータ100について説明する。なお、実施例3のアクチュエータ100における実施例1のアクチュエータ100との違いは、下地層6におけるニオブの添加割合を16%としたNb添加PLMTを用いたところと、圧電体層7におけるニオブの添加割合を20%としたNb添加PZTを用いたところである。他の条件については実施例1のアクチュエータ100と同じである。
実施例3のアクチュエータ100の構造について説明する。振動板1は、シリコン基板2上に2酸化ケイ素層からなる絶縁体膜3が配置された2層基板で構成されている。シリコン基板2の厚みは525μmであり、絶縁体膜3の厚みは70nmである。下部電極8は白金からなり、厚みは0.4μmである。圧電機能膜5は、PLMTからなる下地層6と、Nb添加PZTからなる圧電体層7を有する。下地層6の厚みは60nmである。圧電体層7の厚みは3.5μmである。上部電極9は金からなり、厚みは0.3μmである。
下部電極8は、絶縁体膜3の上にスパッタリングで形成される。Nb添加PLMTにおけるニオブの添加割合は、16モル%である。
圧電体層7は、下地層6の上にスパッタリングで形成される。Nb添加PZTにおけるニオブの添加割合は、20モル%である。
図5に、実施例3における圧電素子4のP−E曲線を示す。内部電界は3.1kV/cmである。
(比較例1)
比較例1のアクチュエータ100について説明する。なお、比較例1のアクチュエータ100における実施例1のアクチュエータ100との違いは、下地層6にニオブが添加されていないPLMTを用いたところである。他の条件については実施例1のアクチュエータ100と同じである。
比較例1のアクチュエータ100の構造について説明する。振動板1は、シリコン基板2上に2酸化ケイ素層からなる絶縁体膜3が配置された2層基板で構成されている。シリコン基板2の厚みは525μmであり、絶縁体膜3の厚みは70nmである。下部電極8は白金からなり、厚みは0.4μmである。圧電機能膜5は、PLMTからなる下地層6と、Nb添加PZTからなる圧電体層7を有する。下地層6の厚みは60nmである。圧電体層7の厚みは3.5μmである。上部電極9は金からなり、厚みは0.3μmである。
下部電極8は、絶縁体膜3の上にスパッタリングで形成される。
圧電体層7は、下地層6の上にスパッタリングで形成される。このNb添加PZTにおけるニオブの添加割合は、10モル%である。
図6に、比較例1における圧電素子4のP−E曲線を示す。内部電界は27.8kV/cmである。
以上、実施例1、実施例2、実施例3と比較例1の結果からも、Nb添加PZTの下地層6としてNb添加PLMTを用いることで圧電素子4における内部電界が低減することがわかる。
なお、上述した実施の形態では、Nb添加PZTからなる圧電体層7の下地層6をNb添加PLMTであるとして説明したが、本発明はこの形態に限定されない。実施例1におけるNb添加PLMTは、圧電体層7の結晶性向上を目的とした成分である。したがって、圧電体層7の成分であるジルコン酸鉛に比べて結晶化が容易なチタン酸鉛が主成分であればよい。つまり、本開示における下地層6は、チタン酸鉛を主成分とするNb添加PLTまたはNb添加PTを下地層6としても、上述したNb添加PLMTと同様の効果を得ることができる。
また、振動板1は、シリコン基板2と2酸化ケイ素層からなる絶縁体膜3からなる2層構成で説明したが、2酸化ケイ素層の単層構成としてもよい。
また、圧電体層7におけるニオブの添加割合を10モル%として説明したが、ニオブの添加割合は10モル%以上かつ40モル%以下であれば高い圧電性能を得ることができる。ただし、圧電体層7におけるニオブの添加割合が25モル%以上である場合においては、内部電界が抑制される傾向がある。したがって、ニオブを添加した下地層6を用いる場合、圧電体層7におけるニオブの添加割合が10モル%以上かつ25モル%以下の範囲が特に有効となる。
このように、実施例のアクチュエータでは、ニオブ添加チタン酸ジルコン酸鉛のヒステリシスを改善することができる。
また、下地層6におけるニオブの添加割合は、8モル%以上かつ16モル%以下の範囲であることが好ましい。ニオブの添加割合が8モル%より小さい場合、内部電界の値が大きくなってしまい、ニオブの添加割合が16モル%より大きい場合、圧電体層7における(001)/(100)優先配向が得ることができない。なお、下地層6におけるニオブの添加割合とは、下地層6におけるチタンとニオブのモル数の合計の中でニオブのモル数の占める割合を示す。実施例1の下地層6(Nb添加PT)であれば、Nb添加PTにおけるチタンのモル数とニオブのモル数の合計の中でニオブのモル数の占める割合を示す。実施例2の下地層6(Nb添加PLT)であれば、Nb添加PLTにおけるチタンのモル数とニオブのモル数の合計の中でニオブのモル数の占める割合を示す。実施例3の下地層6(Nb添加PLMT)であれば、Nb添加PLMTにおけるチタンのモル数とニオブのモル数の合計の中でニオブのモル数の占める割合を示す。
本開示における圧電機能膜は、特に駆動電圧が大きいインクジェットヘッド用途において有効である。
1 振動板
5 圧電機能膜
6 下地層
7 圧電体層
8 下部電極
9 上部電極
11 ノズル
12 圧力室
13 流路
100 アクチュエータ
200 インクジェットヘッド

Claims (4)

  1. 下地層と、前記下地層上に設けられた圧電体層とを備え、
    前記圧電体層は、ニオブ添加チタン酸ジルコン酸鉛であり、
    前記下地層は、ニオブ添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン)添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン、マグネシウム)添加チタン酸鉛のいずれかであ
    前記下地層おける前記チタンのモル数と前記ニオブのモル数の合計の中で前記ニオブのモル数の占める割合が8モル%以上かつ16モル%以下である、
    圧電機能膜。
  2. 前記圧電体層におけるチタンのモル数とジルコンのモル数とニオブのモル数の合計の中で前記ニオブのモル数の占める割合が10モル%以上かつ40モル%以下である、
    請求項1に記載の圧電機能膜。
  3. 振動板と、
    前記振動板の上に配置された下部電極と、
    前記下部電極の上に配置された圧電機能膜と、
    前記圧電機能膜の上に配置された上部電極と、を備え、
    前記圧電機能膜は、
    下地層と、下地層上に設けられた圧電体層とを備え、
    前記圧電体層は、ニオブ添加チタン酸ジルコン酸鉛であり、
    前記下地層は、ニオブ添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン)添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン、マグネシウム)添加チタン酸鉛のいずれかであ
    前記下地層おける前記チタンのモル数と前記ニオブのモル数の合計の中で前記ニオブのモル数の占める割合が8モル%以上かつ16モル%以下である、
    アクチュエータ。
  4. 流路と、
    前記流路に接続された圧力室と、
    前記圧力室に接続されたノズルと、を備え、
    前記圧力室は、前記圧力室内の圧力を制御するアクチュエータを有し、
    前記アクチュエータは、
    振動板と、
    前記振動板の上に配置された下部電極と、
    前記下部電極の上に配置された圧電機能膜と、
    前記圧電機能膜の上に配置された上部電極と、を備え、
    前記圧電機能膜は、
    下地層と、下地層上に設けられた圧電体層とを備え、
    前記圧電体層は、ニオブ添加チタン酸ジルコン酸鉛であり、
    前記下地層は、ニオブ添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン)添加チタン酸鉛、または(ニオブ、ランタン、マグネシウム)添加チタン酸鉛のいずれかであ
    前記下地層おける前記チタンのモル数と前記ニオブのモル数の合計の中で前記ニオブのモル数の占める割合が8モル%以上かつ16モル%以下である、
    インクジェットヘッド。
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