JP6398734B2 - 圧電デバイス、圧電アクチュエータ、ハードディスクドライブ、及びインクジェットプリンタ装置 - Google Patents

圧電デバイス、圧電アクチュエータ、ハードディスクドライブ、及びインクジェットプリンタ装置 Download PDF

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Description

本発明は、圧電体層を含む圧電素子と、その圧電体層に印加する駆動電界を制御する駆動回路とを備えた圧電デバイス、その圧電デバイスを用いた圧電アクチュエータ、並びにその圧電アクチュエータを備えたハードディスクドライブ、及びインクジェットプリンタ装置に関する。
近年、バルク圧電材料に代わって、薄膜圧電材料を用いた圧電素子の実用化が進んでいる。一例としては、圧電体層に加えられた力を電圧に変換する圧電効果を利用した圧電センサとしての、ジャイロセンサ、圧力センサ、脈波センサ、ショックセンサや、マイクロフォンなど、あるいは圧電体層に電界を印加した際に圧電体層が変形する逆圧電効果を利用した圧電アクチュエータとして、ハードディスクドライブヘッドスライダ、インクジェットプリントヘッド、あるいは同様に逆圧電効果を利用したスピーカー、ブザー、レゾネータなどが挙げられる。
また、圧電材料を薄膜化すると、素子の小型化が可能になり、応用できる分野が広がるとともに、基板上に多数の素子を一括して作製することができるため量産性が増す。またセンサにした場合の感度の向上など性能面での利点も多い。
特開平5−114760号公報
圧電体に電界を印加すると、圧電体に分極が発生し、分極方向の変化にともなう履歴としてヒステリシスが観察される。印加する電界に対して分極の変化が小さい、角形比の大きいヒステリシスを示す圧電体では、印加する電界の値を変化させても得られる圧電特性に大きな変化はないが、角形比の小さいヒステリシスを示す圧電体では、印加電界の条件によっては十分な圧電特性が得られない、圧電素子の連続駆動によって分極劣化や耐久性の劣化が生じる可能性が高いなどの問題が生じる。一般にバルクの圧電体に比べ、薄膜化した圧電体層では角形比が小さくなり、またこの傾向は鉛を含有しない圧電体層において特に顕著である。
図1には、角形比が比較的小さいヒステリシスを示す圧電体層において、分極が飽和するまで正負極側に電界を印加した場合のP−E(分極−電界)ヒステリシスを示す。分極が0となる電界がそれぞれ正負の抗電界Ec+、Ec−である。
上記の課題に対して、特許文献1に記載の技術では、圧電アクチュエータの駆動時に圧電体に常時正の電界を印加する方法により、高い温度や高い圧力下においても圧電アクチュエータの連続駆動時の分極量の低下を抑えられるとしている。しかし、この方法は圧電体としてバルクの圧電体を想定したものであり、この方法を薄膜化した圧電体層に適応した場合、圧電体層が分極劣化しない電界を印加した場合であっても膜の破壊が起こりやすく、また抗電界よりも小さい電界を印加した場合では分極劣化の低減に寄与できるが十分な変位量が得られない。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、用いる圧電体層の誘電特性に基づいて、圧電デバイスが備える駆動回路によって圧電体層に印加する駆動電界を制御することにより、圧電デバイスにおいて良好な出力を得ることを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明に係る圧電デバイスは、圧電体層と該圧電体層を挟んで構成される電極層とを含む圧電素子と、前記電極層を介して前記圧電体層に交流の駆動電界を印加する駆動回路とを有する圧電デバイスであって、前記圧電体層は、分極が飽和するまで電界を印加した場合の分極率γが 1×10−9 (C/(V・m)) よりも小さく、前記駆動回路は、前記駆動電界の最小値が前記圧電体層の正の抗電界よりも大きくなるように設定する手段と、前記駆動電界の最大値が (Pm’(分極の最大値)−Pr’(準残留分極))/(1×10−9 ) よりも小さくなるように駆動電界を設定する手段とを有する。ここで、分極率:γ=(Pm(飽和分極)−Pr(残留分極))/Ed(印加電界の最大値) であり、分極の単位は(C/m)、電界の単位は(V/m)である。
上記したように、飽和時の分極率γが0に近い、角形比の大きいヒステリシスを示す圧電体では、印加する電界の値を変化させても得られる圧電特性に大きな変化はない。
圧電デバイスにおいて、圧電体層に印加する駆動電界の最小値を正の抗電界よりも大きくなるように設定することで、圧電体層を構成する結晶粒子の分極方向がそろうため圧電素子の変位量が大きくなる。さらに、駆動電界の最大値が (Pm’(分極の最大値)−Pr’(準残留分極))/(1×10−9 ) よりも小さくなるように設定することで、圧電体層を構成する結晶粒子のドメイン内の電気双極子の回転に起因した変位が得られるため、さらに大きな変位量が得られる。
図2に、角形比が比較的小さいヒステリシスを示す圧電体層に対して、分極が飽和に至らない電界を印加した場合の圧電体層のP−Eヒステリシスを示す。ここで、分極の最大値Pm’とは、圧電体層にある印加電界の最大値Edを印加した場合の圧電体層の分極量を表し、準残留分極Pr’とはその印加電界の最大値Edまで印加した場合のP−Eヒステリシスが印加電界=0の軸と交わるときの分極量を表す。また、1×10−9 は圧電体層の分極率γに相当し、(Pm’−Pr’)/Edが 1×10−9 よりも大きい電界を圧電体層に印加すると、電歪効果によって圧電体層の破壊を起こすことがあるため、駆動電界の最大値は印加電界が(Pm’−Pr’)/(1×10−9 ) となる値よりも小さくなるように設定する。
本発明に係る圧電デバイスの圧電体層は正の電界側と負の電界側とにそれぞれ抗電界を有しており、圧電デバイスの駆動回路は、抗電界の絶対値の小さい値を取る方向に正の電界を、抗電界の絶対値の大きい値を取る方向に負の電界を印加する手段を有することが好ましい。これにより圧電体層の圧電特性が更に大きい電界範囲で駆動させることができるため、圧電体層の変位量をさらに大きくすることができる。
本発明に係る圧電デバイスが備える駆動回路は、前記駆動電界の最小値を前記圧電体層の正の抗電界の5倍以上とし、且つ前記駆動電界の最大値を前記圧電体層の正の抗電界の50倍以下とする手段を有することが好ましい。これにより、圧電体層を構成する結晶粒子のドメイン内の電気双極子の回転に起因した変位がより多く得られるため、圧電体層の変位量をさらに大きくすることができる。
本発明に係る圧電デバイスの圧電体層はニオブ酸カリウムナトリウムからなることが好ましい。ニオブ酸カリウムナトリウムは抗電界が他の材料に比べて小さく、結晶粒子内のドメインが小さいため、駆動電界設定による変位量の増加の効果が顕著に現れる。また、ニオブ酸カリウムナトリウムには添加物としてMn、Li、Ta、Ba、Sr、Zrを含んでもよい。
本発明に係る圧電アクチュエータは、上記の構成で表される圧電デバイスを有している。圧電アクチュエータとして具体的には、ハードディスクドライブのヘッドアセンブリ、インクジェットプリンタヘッドの圧電アクチュエータなどが挙げられる。
そして、本発明に係るハードディスクドライブ、及びインクジェットプリンタ装置には上記の圧電アクチュエータが用いられている。
本発明に係わる圧電デバイスによれば圧電アクチュエータにおいて出力の向上を図ることができ、高性能なハードディスクドライブ、及びインクジェットプリンタ装置を提供することができる。
本実施形態に係わる圧電体層の飽和状態でのP−Eヒステリシスである。 本実施形態に係わる圧電体層の未飽和状態でのP−Eヒステリシスである。 本実施形態に係わる圧電デバイスの電力線回路構成図である。 本実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成図である。 本実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成図である。 本実施形態に係わるハードディスクドライブの構成図である。 本実施形態に係わるインクジェットプリンタ装置の構成図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、図面において、同一又は同等の要素については同一の符号を付す。また、上下左右の位置関係は図面に示す通りである。また、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
(圧電素子)
図3に本実施形態に係る圧電デバイス1の電力線回路構成の一例を示す。圧電デバイス1は圧電素子80と、圧電素子80の駆動電界を制御する駆動回路20と、圧電素子80に流れる電流値を監視する電流監視回路30とスイッチ手段40とを備え、圧電素子80は、第一電極層81と、第一電極層81上に形成された圧電体層82と、圧電体層82上に形成された第二電極層83とを備える。なお、図3では圧電素子80を上下逆にして示している。
第一電極層81は、一例として、Pt(白金)から形成される。第一電極層81は、一例として、0.02μm以上、1.0μm以下の厚さを有する。第一電極層81をPtから形成することにより、高い配向性を有する圧電体層82を形成できる。また、第一電極層81として、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Au(金)、Ru(ルテニウム)、Ir(イリジウム)、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)等の金属材料、又はSrRuO、LaNiO等の導電性金属酸化物を用いることもできる。第一電極層81は、スパッタリング法、真空蒸着法、印刷法、スピンコート法、ゾルゲル法などにより形成することができる。
圧電体層82に用いる材料としては、一般式ABOで表されるペロブスカイト化合物が挙げられる。特に(K、Na)NbO(ニオブ酸カリウムナトリウム)からなることが好ましい。圧電体層82は飽和時の分極率γが 1×10−9 (C/(V・m)) よりも小さいが、比較的角形比の小さいヒステリシスを示す。ここで、分極率:γ=(Pm(飽和分極)−Pr(残留分極))/Ed(印加電界の最大値)である(図1参照)。
圧電体層82は、スパッタリング法、真空蒸着法、印刷法、スピンコート法、ゾルゲル法などにより形成することができる。厚さは一例として、1μm以上、5μm以下程度とする。
第二電極層83は、一例として、Ptから形成される。第二電極層83は、一例として、0.02μm以上、1.0μm以下の厚さを有する。また、第二電極層83として、Pd、Rh、Au、Ru、Ir、Mo、Ti、Ta等の金属材料、又はSrRuO、LaNiO等の導電性金属酸化物を用いることもできる。第二電極層83は、スパッタリング法、真空蒸着法、印刷法、スピンコート法、ゾルゲル法などにより形成することができる。
また、圧電素子80を保護膜によりコーティングしてもよい。これにより、信頼性を高めることができる。
圧電素子80では第一電極層81、および第二電極層83のいずれか一方、あるいは両方と圧電体層82との間に中間層を備えてもよい。
この中間層としては導電性酸化物が用いられる。とくにSrRuO、SrTiO、LaNiO、CaRuO、BaRuO、(LaSr1−x)CoO、YBaCu、LaBaCu13 などは導電性が高く耐熱性もあり好ましい。
上記の圧電素子80を含む積層体は所定の基板上で形成されるが、圧電素子80はその基板を備えていなくてもよい。基板上に第一電極層81、圧電体層82、および第二電極層83積層後にフォトリソグラフィで圧電素子80をパターニングした後、基板はドライエッチング法などで除去することができる。基板を有する圧電素子80とする場合は、パターニングした後に基板を切断すればよい。
圧電素子80の積層方向に垂直な方向の大きさは、特に限定されないが、例えば1.0mm×0.3mm程度とすることができる。
駆動回路20は圧電素子80に所定の電界を印加する機能を有する。一例として、駆動回路20にはチャージポンプを含み、図3に示したように外部電源51と接続することで、外部電源51から出力される電圧を増幅して圧電素子80に所定の電界を出力することができる。
図3に示したように、圧電デバイス1には、駆動回路20に加えて、電流監視回路30を有していても良い。電流監視回路30は圧電素子80に電界を印加し、そのときの分極Pを監視する機能と、所定の電界値を信号として駆動回路20に出力する機能とを有する。
また、圧電デバイス1には、スイッチ手段40を有していても良い。スイッチ手段40は駆動回路20と電流監視回路30とを電気的に接続を切り替える機能を有する。通常は圧電デバイス1の起動時にスイッチ手段40を電流監視回路30に接続し、電流監視回路30から得られた後述のEul、Ell信号を駆動回路20にフィードバックした後に回路切り替え動作を行うが、一定時間後にスイッチ手段40を切り替え、後述の電流監視動作を行っても良い。
駆動回路20、電流監視回路30及びスイッチ手段40の動作制御は、1つの集積回路にて一括して行っても良い。また、圧電システムにおいて複数の圧電デバイスを用いる際には、各圧電デバイス1の駆動回路20、電流監視回路30及びスイッチ手段40を1つの集積回路にまとめても良い。
(駆動電界の設定方法)
本発明に係わる圧電デバイス1が備える駆動回路20は、駆動電界の最小値Eminを圧電体層82の正の抗電界Ec+よりも大きくなるように設定する手段と、駆動電界の最大値Emaxを (Pm’(分極の最大値)−Pr’(準残留分極))/1×10−9 (C/(V・m)) よりも小さくなるように設定する手段とを有する。
ここで、分極率γに相当する数値として 1×10−9 (C/(V・m)) を示したが、これは分極の単位が(C/m)、電界の単位が(V/m)の場合である。しかし、以後の記載においては、分極の単位として(μC/cm)、電界の単位として(kV/mm)を用いるので、これにより分極率γの臨界値は0.1となる。
まず、電流監視回路30と圧電素子80とをスイッチ手段40により接続し、圧電素子80に電界を印加して分極量を測定する。この際印加する電界は外部の電源52から得、圧電素子80への印加電界は0kV/mmから圧電体層82が飽和する電界(図1における印加電界の最大値Ed)まで増加させ、その後0kV/mmに戻したのち、−Edまで印加し、その後Edまで戻すという一往復の操作を行う。この操作によって、正の抗電界Ec+が得られ、この情報から印加電界の下限値Ellを求め、この電界を駆動回路20に出力する。
次に、電流監視回路30から圧電素子80に、0.1kV/mm刻みに印加電界の最大値Edを徐々に増加させながら上記の一往復の操作を行い、その都度Pm’(分極の最大値)−Pr’(準残留分極)および印加電界の最大値Edより分極率γを求める(図2参照)。そして、分極率γが0.1を超えない最大の印加電界を求めて、これを印加電界の上限値Eulとし、この電界を駆動回路20に出力する。
次に、スイッチ手段40を電流監視回路30から駆動回路20に切り替えることで駆動回路20と圧電素子80とを接続し、駆動回路20は入力されたEll〜Eulの範囲内で、圧電デバイス1を搭載した圧電システムからの信号や圧電システムの必要特性に応じて駆動回路20に設定される条件などに基づいてEminとEmaxを調整し、圧電素子80への駆動電界範囲を確定させる。
そして、そのEminとEmaxとの範囲内で、外部の電源51を用いて圧電素子80を動作させる。
このとき、正負の抗電界Ec+、Ec−のうち、絶対値の小さい電界側の向きを正とし、正の方向におけるP=0の電界をEc+、負の方向におけるP=0の電界をEc−とすることが好ましい。そして、正の抗電界Ec+を駆動電界の下限値Ellとし、γ=0.1となる電界を駆動電界の上限値Eulとして、圧電素子80を動作させることがより好ましい。これにより、圧電デバイス1の圧電素子80の変位を更に高めることができる。
また、駆動電界の最小値Eminを前記圧電体層82の正の抗電界Ec+の5倍以上とし、且つ前記駆動電界の最大値Emaxを前記圧電体層82の正の抗電界Ec+の50倍以下として、圧電素子80を動作させることがより好ましい。これにより、圧電デバイス1の圧電素子80の変位を更に高めることができる。
(圧電定数の測定方法)
圧電デバイス1を構成する圧電素子80の圧電定数は以下の方法により測定する。
第一電極層81、および第二電極層83に電源51より1kHz所定の電界を印加し、レーザー変位計(小野測器社製)を用いて圧電素子80の変位を測定した。そして以下の式(1)から計算することで圧電定数(−d31)を得る。
ここで、h:基板の厚さ,S11、p: 圧電体層の弾性率,S11、s:基板の弾性率,L:圧電体層の駆動部の長さ,δ:変位量,V:印加電圧 である。
(圧電アクチュエータ)
図4Aは、本発明に係わる圧電デバイスを用いた圧電アクチュエータの一例としてのハードディスクドライブ(以下HDDとも呼ぶ)に搭載されたヘッドアセンブリの構成図である。この図に示すように、ヘッドアセンブリ200は、その主なる構成要素として、ベースプレート9、ロードビーム11、フレクシャ17、駆動素子である第1及び第2の圧電素子13a(80)と素子回路13bとを備えた圧電デバイス13(1)、及びヘッド素子19aを備えたスライダ19を備えている。
素子回路13bには駆動回路、電流監視回路、スイッチ手段を含む集積回路を備えている。また、複数の圧電素子を制御する複数の素子回路を1つの集積回路にまとめてもよい。素子回路13bはフレクシャ17の一部である配線用フレキシブル基板15上に配置されているが、HDDの基盤上のボイスコイルモータコントローラに駆動回路、電流監視回路、スイッチ手段を含む集積回路の機能のみを追加してもよい。
そして、ロードビーム11は、ベースプレート9に例えばビーム溶接などにより固着されている基端部11bと、この基端部11bから先細り状に延在された第1及び第2の板バネ部11c及び11dと、第1及び第2の板バネ部11c及び11dの間に形成された開口部11eと、第1及び第2の板バネ部11c及び11dに連続して直線的かつ先細り状に延在するビーム主部11fと、を備えている。
第1及び第2の圧電素子13aは、所定の間隔をもってフレクシャ17の一部である配線用フレキシブル基板15上にそれぞれ配置されている。スライダ19はフレクシャ17の先端部に固定されており、第1及び第2の圧電素子13aの伸縮に伴って回転運動する。
第1及び第2の圧電素子13aは、第一電極層と、第二電極層と、この第一および第二電極層に挟まれた圧電体層とから構成されており、本発明に係わる圧電アクチュエータにおいては、この圧電デバイスにおいて、個々の圧電素子が有する最適な圧電特性を発揮できる印加電界を確認して駆動電界を設定するので、高い信頼性と十分な変位量を得ることができる。
図4Bは、上記の圧電デバイスを用いた圧電アクチュエータの他の例としてのインクジェットプリンタヘッドの圧電アクチュエータの構成図であり、圧電デバイス1における圧電素子80の適用例を示すものである。
圧電アクチュエータ300は、基板22上に、絶縁膜23、下部電極層24、圧電体層25および上部電極層26を積層して構成されている。
所定の吐出信号が供給されず下部電極層24と上部電極層26との間に電界が印加されていない場合、圧電体層25には変形を生じない。吐出信号が供給されていない圧電素子が設けられている圧力室21には、圧力変化が生じず、そのノズル27からインク滴は吐出されない。
一方、所定の吐出信号が供給され、下部電極層24と上部電極層26との間に一定電界が印加された場合、圧電体層25に変形を生じる。吐出信号が供給された圧電素子が設けられている圧力室21ではその絶縁膜23が大きくたわむ。このため圧力室21内の圧力が瞬間的に高まり、ノズル27からインク滴が吐出される。
ここで、本発明の圧電アクチュエータの圧電デバイスとして、個々の圧電素子が有する最適な圧電特性を発揮できる電界を調整し印加する圧電デバイスを用いることで、高い信頼性と十分な変位量を得ることができる。
(ハードディスクドライブ)
図5は、図4Aに示したヘッドアセンブリを搭載したハードディスクドライブの構成図である。
ハードディスクドライブ700は、筐体60内に、記録媒体としてのハードディスク61と、これに磁気情報を記録及び再生するヘッドスタックアセンブリ62とを備えている。ハードディスク61は、図示を省略したモータによって回転させられる。
ヘッドスタックアセンブリ62は、ボイスコイルモータ63により支軸周りに回転自在に支持されたアクチュエータアーム64と、このアクチュエータアーム64に接続されたヘッドアセンブリ65とから構成される組立て体を、図の奥行き方向に複数個積層したものである。ヘッドアセンブリ65の先端部には、ハードディスク61に対向するようにヘッドスライダ19が取り付けられている(図4A参照)。
ヘッドアセンブリ65(200)は、ヘッド素子19a(図4A参照)を2段階で変動させる形式を採用している。ヘッド素子19aの比較的大きな移動はボイスコイルモータ63によるヘッドアセンブリ65、及びアクチュエータアーム64の全体の駆動で制御し、微小な移動はヘッドアセンブリ65の先端部によるヘッドスライダ19の駆動により制御する。
このヘッドアセンブリ65に用いられる圧電デバイスにおいて、個々の圧電素子が有する最適な圧電特性を発揮できる電界を調整し印加する圧電デバイスを用いることで、高い信頼性と十分なアクセス性を得ることができる。
(インクジェットプリンタ装置)
図6は、図4Bに示したインクジェットプリンタヘッドを搭載したインクジェットプリンタ装置の構成図である。
インクジェットプリンタ装置800は、主にインクジェットプリンタヘッド70、本体71、トレイ72、ヘッド駆動機構73を備えて構成されている。圧電アクチュエータ300はインクジェットプリンタヘッド70に備えられている。
インクジェットプリンタ装置800は、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの計4色のインクカートリッジを備えており、フルカラー印刷が可能なように構成されている。また、このインクジェットプリンタ装置800は、内部に専用のコントローラボード等を備えており、インクジェットプリンタヘッド70のインク吐出タイミング及びヘッド駆動機構73の走査を制御する。また、本体71は背面にトレイ72を備えるとともに、その内部にオートシートフィーダ(自動連続給紙機構)76を備え、記録用紙75を自動的に送り出し、正面の排出口74から記録用紙75を排紙する。
このインクジェットプリンタヘッド70の圧電アクチュエータに用いられる圧電デバイスにおいて、個々の圧電素子が有する最適な圧電特性を発揮できる電界を調整し印加することで、高い信頼性と高い安全性を有するインクジェットプリンタ装置を提供することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず単結晶Siである3インチの基板上に圧電体層82の下地膜となる第一電極層81を結晶成長させて得た。この第一電極層81はPt膜であり、膜厚は0.2μmとした。形成方法はスパッタリング法であり、基板を500℃に加熱しながら成膜した。
続いて(K0.5Na0.5)NbO(ニオブ酸カリウムナトリウム)組成のスパッタリングターゲットを用い、第一電極層81上に圧電体層82を成膜した。形成方法はスパッタリング法であり、第一電極層81と同様に基板を750℃にした条件下で成膜し、膜厚は2.0μmとした(KNN1)。
次に圧電体層82上に第二電極層83としてPtを成膜した。第一電極層81と同様に形成方法はスパッタリング法であるが、基板温度は200℃とした。膜厚は0.2μmである。
その後、フォトリソグラフィにより基板上の積層構造をパターニングし、RIEでドライエッチングすることで基板を除去し、可動部分寸法が0.3mm×1.0mmである圧電素子80を作製した。
次に、1つの圧電素子80を備え、図3のような回路構成とした圧電デバイス1を構成した。駆動回路20、電流監視回路30、スイッチ手段40を含むICとして小型化、省電力化のためASIC(特定用途向けIC)を用いた。
まず、圧電素子80へ圧電体層82が飽和する電界を印加することで、正負の抗電界Ec−、Ec+として、それぞれ0.44、1.02kV/mmを得た。したがって、この状態での印加電界の下限値Ellは約1kV/mmとなる。また、このときの分極率γ=0.086であった。
次に、電流監視回路30から圧電素子80に、0.1kV/mm刻みに印加電界の最大値Edを徐々に増加させながら、その都度Pm’(分極の最大値)−Pr’(準残留分極)および印加電界の最大値Edより分極率γを求めた(図2参照)。このとき、分極率γが0.1を下回らない最大の印加電界の最大値Ed、即ち印加電界の上限値Eulとして64kV/mmを得た。
以上より得られた印加電界の下限値Ellと上限値Eulを信号として電流監視回路30から駆動回路20に入力し、スイッチ手段40を電流監視回路30から駆動回路20に切り替えた。その後、圧電システムの制約等を想定してEminを5kV/mm、Emaxを52kV/mmと設定した後、EminとEmaxとの範囲内の正弦波によって圧電素子80を動作させた。
また、圧電素子80の圧電特性は上記のとおりレーザー変位計(小野測器社製)を用いて評価した。周波数1kHzの正弦波を上記の条件のEmin、Emaxで印加し変位を測定し、圧電定数−d31を求めた。実施例1の圧電素子80の圧電定数−d31は37pm/Vであった。
(比較例1−1、1−2、1−3)
比較例1−1、1−2、1−3の圧電デバイスの圧電素子の構成、作製工程は実施例1と同様とした。しかし、電流監視回路から得られたEll、EulよりEmin、Emaxを決定する駆動回路内の設定が異なっている。
即ち、駆動電界については、それぞれ、比較例1−1では駆動電界の最小値Eminが0kV/mmより小さい(勿論、圧電体の抗電界Ec+よりも小さい)条件、比較例1−2では駆動電界の最小値Eminが、0kV/mmよりも大きく、圧電体の抗電界Ec+よりも小さい条件、比較例1−3では駆動電界の最大値Emaxが、分極率γ=0.1となる上限値Eulよりも大きい条件とし、実施例1と同様に圧電定数を求めた。
(実施例2)
実施例1と同様の特性を持つ圧電素子80を用いて、実施例2の圧電デバイス1を構成した。このとき、圧電デバイス1内の電流監視回路30がP−Eヒステリシスを測定した際に得られた2つの抗電界の大小を確認し、実施例1とは逆に、2つのうち絶対値の小さい抗電界をEc+とし、Ec+の印加方向を正の電界方向とする設定とし、実施例1と同様に圧電定数を求めた。
(実施例3)
実施例2と同様の圧電デバイス1において、電流監視回路30より得られた上下限値Ell、Eulに基づいて、Emin、EmaxをそれぞれEc+の5倍以上、Ec+の50倍以下に制限する設定とし、実施例1と同様に圧電定数を求めた。
(実施例4)
圧電体層82の成膜温度を800℃とした以外は、実施例1と同様に実施例4の圧電デバイス1を構成し、実施例1と同様に圧電定数を求めた。この圧電体層82(KNN2)のEc−、Ec+、γ、Eulはそれぞれ0.67kV/mm、1.26kV/mm、0.085、65kV/mmであった。
(実施例5)
実施例4と同様の圧電素子80を用いて、実施例5の圧電デバイス1を構成した。このときの圧電デバイス1内の電流監視回路30の設定は実施例2と同様にし、実施例1と同様に圧電定数を求めた。
(実施例6)
実施例4と同様の圧電素子80を用いて、実施例6の圧電デバイス1を構成した。このときの圧電デバイス1内の駆動回路20の設定は実施例3と同様にし、実施例1と同様に圧電定数を求めた。
(比較例2)
実施例4と同様の圧電素子80を用いて、比較例2の圧電デバイス1を構成した。このときの圧電デバイス1内の電流監視回路30の設定は比較例1−3と同様にし、実施例1と同様に圧電定数を求めた。
(実施例7)
圧電体層82の材料を(Bi0.5Na0.5)TiOとした以外は、実施例1と同様に実施例7の圧電デバイス1を構成し、実施例1と同様に圧電定数を求めた。この圧電体層82(BNT)のEc−、Ec+、γ、Eulはそれぞれ0.25kV/mm、0.53kV/mm、0.081、60kV/mmであった。
(実施例8)
実施例7と同様の圧電素子80を用いて、実施例8の圧電デバイス1を構成した。このときの圧電デバイス1内の電流監視回路30の設定は実施例2と同様にし、実施例1と同様に圧電定数を求めた。
(実施例9)
実施例7と同様の圧電素子80を用いて、実施例9の圧電デバイス1を構成した。このときの圧電デバイス1内の駆動回路20の設定は実施例3と同様にし、実施例1と同様に圧電定数を求めた。
(比較例3)
実施例7と同様の圧電素子80を用いて、比較例3の圧電デバイス1を構成した。このときの圧電デバイス1内の駆動回路20の設定は比較例1−3と同様にし、実施例1と同様に圧電定数を求めた。
(実施例10〜17)
圧電体層82の材料を(K0.5Na0.5)NbO、成膜温度を700℃で成膜を行い、膜厚を変更した。このときの圧電体層82(KNN3)の膜厚はそれぞれ1.0μm、1.4μm、1.6μm、2.1μm、2.5μm、2.9μm、3.1μm、3.5μmであった。圧電体層82以外は、実施例3と同様に実施例10〜17の圧電デバイス1を構成し、実施例1と同様に圧電定数を求めた。この圧電体層82のEc−、Ec+、γ、Eulはそれぞれ約0.8kV/mm、0.4kV/mm、0.088、100kV/mmであった。
比較例1−1〜1−3、2、3及び実施例1〜17に用いた圧電素子のPm’、Pr’、(Pm’−Pr’)/0.1、Ec−、Ec+、5Ec+、50Ec+圧電体層の膜厚tと圧電素子の電流監視回路から得られたEll、Eul、駆動回路から得られたEmin、Emaxおよび圧電定数−d31の測定結果を表1に示す。
駆動回路20にて駆動電界を所定の値に制御した実施例1〜17の圧電デバイス1は、この要件を備えない比較例1−1〜1−3、2、3の圧電デバイスよりも大きい圧電定数が得られた。これにより、本発明に係わる圧電デバイス1は、変位が電界に対してより効率良く得られる範囲で駆動していることが確認された。
抗電界の絶対値の小さい値を取る方向に正の電界を、抗電界の絶対値の大きい値を取る方向に負の電界を印加する手段を有する実施例2、3、5、6、8、9〜17の圧電デバイス1は、実施例1、4、7の圧電デバイス1よりも大きい圧電定数が得られた。これにより、これらの圧電デバイスは圧電素子の変位量がさらに大きい電界範囲で駆動していることが確認され、これは、結晶粒子のドメイン内の電気双極子の回転に起因した変位がより多く得られるためであると思われる。
Ec+の5倍以上の駆動電界の最小値Eminと、Ec+の50倍以下の駆動電界の最大値Emaxとを設定した実施例3、6、9〜17の圧電デバイス1は、さらに大きい圧電定数が得られた。これにより、結晶粒子のドメイン内の電気双極子の回転に起因した変位によって、圧電素子の変位量がさらに大きい電界範囲で圧電デバイスが駆動していることが確認された。
実施例10〜17において圧電体層82の膜厚を1.0μmから増やしていくと圧電定数が大きくなり、2.5μmを境に圧電定数が小さくなる傾向が見られた。これは、圧電体層82の膜厚が増えるにつれて結晶性が向上し圧電定数は増加するが、2.5μm付近を境に第一電極層81の結晶性が引き継げなくなり、異なる配向の結晶が増えていくためであろうと考えられる。
以上のように、駆動電界を適正な範囲に制御する回路を用いた圧電デバイスでは十分に大きな圧電定数を実現することができる。
以上、本発明の好ましい実施態様について説明したが、本発明は、上記の実施態様に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能であり、それらも本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、上記の実施態様においては、駆動回路20に加えて電流監視回路30を設けたが、電流監視回路30は必須ではない。即ち、圧電素子80の好適な駆動電界範囲がプローブ測定等で確認できれば、電流監視回路30がない構成でも、本発明の効果が奏される。その場合は、当然にスイッチ手段40は不要となる。
また、上記の実施態様においては、駆動回路20、外部電源51を用いて圧電素子80を動作させたが、圧電デバイスが有する他の電源を用いて圧電素子80を動作させることも可能である。
1 圧電デバイス
200 ヘッドアセンブリ
300 圧電アクチュエータ
700 ハードディスクドライブ
800 インクジェットプリンタ装置

Claims (7)

  1. 圧電体層と該圧電体層を挟んで構成される電極層とを含む圧電素子と、
    前記電極層を介して前記圧電体層に交流の駆動電界を印加する駆動回路とを有する圧電デバイスであって、
    前記圧電体層は、分極が飽和するまで電界を印加した場合の分極率γが
    1×10−9 (C/(V・m)) よりも小さく、
    前記駆動回路は、前記駆動電界の最小値が前記圧電体層の正の抗電界よりも大きくなるように設定する手段と、前記駆動電界の最大値が
    (Pm’(分極の最大値)−Pr’(準残留分極))/(1×10−9
    よりも小さくなるように設定する手段と
    を有することを特徴とする圧電デバイス。
    ここで、分極率γ=(Pm(飽和分極)−Pr(残留分極))/Ed(印加電界の最大値)
  2. 前記圧電体層は正の電界側と負の電界側とにそれぞれ抗電界を有しており、前記駆動回路は、抗電界の絶対値の小さい値を取る方向に正の電界を、抗電界の絶対値の大きい値を取る方向に負の電界を印加する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
  3. 前記駆動回路は、前記駆動電界の最小値を前記圧電体層の正の抗電界の5倍以上とし、且つ前記駆動電界の最大値を前記圧電体層の正の抗電界の50倍以下とする手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の圧電デバイス。
  4. 前記圧電素子の前記圧電体層がニオブ酸カリウムナトリウムからなることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の圧電デバイス。
  5. 請求項1〜4いずれか一項に記載の圧電デバイスを用いた圧電アクチュエータ。
  6. 請求項5に記載の圧電アクチュエータを備えたハードディスクドライブ。
  7. 請求項5に記載の圧電アクチュエータを備えたインクジェットプリンタ装置。
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