以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下、各図に示す方向を基準に説明する。
図1を参照して、第1実施形態に係る画像形成装置としてのプリンター1について説明する。図1はプリンター1の内部構造を模式的に示す断面図である。なお、以下の説明において、「搬送方向」とは、シートSが搬送される方向を指す。また、「上流」および「下流」並びにこれらに類する用語は、シートSの搬送方向における「上流」および「下流」並びにこれらに類する概念を指す。
プリンター1は、装置本体2と、給紙カセット3と、排紙トレイ4と、を備えている。給紙カセット3は、装置本体2の下部に設けられ、枚葉のシートS(の束)を収容している。排紙トレイ4は、装置本体2の上面に設けられている。
また、プリンター1は、給紙部10と、画像形成部11と、定着装置12と、排紙部13と、制御装置14と、を備えている。給紙部10は、給紙カセット3から排紙トレイ4まで延びる搬送路15の上流端部に設けられている。給紙部10は、給紙カセット3内のシートSを1枚ずつ搬送路15に送り出す。画像形成部11は、搬送路15の中間部に設けられ、定着装置12は、画像形成部11よりも搬送路15の下流側に設けられている。排紙部13は、搬送路15の下流端部に設けられている。制御装置14は、プリンター1を統括制御する。
画像形成部11は、トナーコンテナ20から供給されたトナー(現像剤)を用いてトナー像を形成するドラムユニット21を含んでいる。ドラムユニット21は、光走査装置22に露光されることで形成された静電潜像をトナー像に現像する。画像形成部11(ドラムユニット21)は、搬送路15を搬送されるシートSにトナー像を転写させる。定着装置12は、シートSにトナー像を定着させる。画像形成されたシートSは、排紙部13によって排紙トレイ4に排出される。
次に、図2ないし図8を参照して、定着装置12について説明する。図2は、図1のII−II断面図である。図3は、図2のIII−III断面図である。図4は定着装置12の第1押圧パッド42を示す底面図である。図5は定着装置12の第2押圧パッド43を示す底面図である。図6は、図2のVI−VI断面図である。図7は、図6に示す状態から進入ガイド35を第2の位置P2に変位させた状態を示す断面図である。図8はプリンター1の制御系を示すブロック図である。
図2および図3に示すように、定着装置12は、定着ベルト30と、加圧ローラー31と、定着駆動部32と、IHヒーター33と、圧力形成部34と、進入ガイド35と、ガイド調整部36(図6参照)と、を含んでいる。定着装置12は、いわゆる摺動ベルト方式を採用している。
定着部材としての定着ベルト30は、可撓性を有し無端状に形成されている。定着ベルト30は、左右方向(回転軸方向)に長い円筒状に形成されている。定着ベルト30は、定着フレーム(図示せず)に回転(周回走行)可能に設けられている。なお、図示は省略するが、定着ベルト30は、内側から基材層、弾性層、離型層を積層して形成されている。基材層は、例えば、ニッケルまたは金属粉末が混合されたポリイミド樹脂で形成されている。弾性層は、例えば、シリコンゴムで形成され、離型層は、例えば、フッ素系樹脂で形成されている。
図2に示すように、定着ベルト30の左右方向両端部には、一対のキャップ37が装着されている。各キャップ37は、有底円筒状に形成されている。各キャップ37の内周面と定着ベルト30の外周面との間には、円環状の弾性部材37aが介設されている。各キャップ37の外周面には、接続ギア37bが形成されている。各キャップ37の底面(左右端面)の中央には、円形の挿通穴37cが穿設されている。
定着ベルト30の右側には、回転検知機構38が設けられている。回転検知機構38は、伝達ギア38aと、回転パルス板38bと、回転検知センサー38cと、を含んでいる。伝達ギア38aは、右側のキャップ37の接続ギア37bに噛み合って、定着ベルト30の回転を回転パルス板38bに伝達する。回転パルス板38bは、周方向に等間隔に並ぶ複数の遮光片(図示せず)を有している。回転検知センサー38cは、回転パルス板38bを挟んで発光部と受光部とが対向するフォトインタラプターである。回転検知センサー38cは、回転パルス板38bの回転に伴って変化する受光情報を制御装置14に送信する。なお、回転検知センサー38cは、1つ以上設けられ、左右一対のキャップ37の少なくとも一方の回転を検知すればよい。
図2および図3に示すように、加圧部材としての加圧ローラー31は、左右方向に長い円筒状に形成されている。加圧ローラー31は、定着フレームに回転可能に設けられている。加圧ローラー31は、定着ベルト30の下側から定着ベルト30に圧接している。定着ベルト30と加圧ローラー31との間には、定着ニップNが形成されている。加圧ローラー31は、円筒形の芯材31aの周面に弾性層31b等を積層して形成されている。芯材31aは、例えば、ステンレスやアルミニウム等の金属で形成されている。芯材31aの右端部には、駆動ギア31cが固定されている。弾性層31bは、例えば、シリコンゴムやシリコンスポンジで形成されている。なお、図示は省略するが、弾性層31bの表面には、離型層(フッ素系樹脂等)が積層されている。
図2に示すように、定着駆動部32は、定着駆動モーター32aと、駆動中間ギア32bと、を含んでいる。定着駆動モーター32aは、駆動中間ギア32bを介して駆動ギア31cに接続されている。定着駆動モーター32aは、加圧ローラー31を軸周りに回転駆動させる。
図2および図3に示すように、熱源としてのIHヒーター33は、定着ベルト30の上側(定着ニップNの反対側)に配置されている。IHヒーター33は、磁界を発生させて、定着ベルト30を加熱する。
圧力形成部34は、定着ベルト30を加圧ローラー31に押し付けるために設けられている。また、圧力形成部34は、定着ニップNの形状を変形可能に構成されている。圧力形成部34は、保持ステー40と、切替調整部41と、2つの押圧パッド42,43と、切替検知機構44と、を含んでいる。
保持ステー40は、定着ベルト30内で左右方向に延設されている。保持ステー40の左右両端部は、左右一対のキャップ37の挿通穴37cに遊挿されている。保持ステー40の左右両端部は、定着ベルト30内から外側に延出し、定着フレームに支持されている。保持ステー40の左右方向中間部は、下方を開放した略U字状の断面を有している(図3参照)。保持ステー40の下側には、回転空間SPが形成されている。保持ステー40の上面には、円弧状のベルトガイド45が固定されている(図3参照)。ベルトガイド45の外周面は、定着ベルト30の内周面30aに接触している。
図2に示すように、ニップ調整部としての切替調整部41は、切替回転軸46と、切替モーター47と、切替ギア列48と、を含んでいる。切替回転軸46は、定着ベルト30の内部で左右方向に延設されている。保持ステー40の左右両端部(各キャップ37の外側)には、一対の軸受部46aが設けられている。切替回転軸46は、左右一対の軸受部46aの間に架設されている。これにより、切替回転軸46は、回転空間SP内で軸周りに回転可能に支持される。切替回転軸46の右端部は、軸受部46aを挿通し、保持ステー40よりも右側に延出している。切替モーター47は、切替ギア列48を介して切替回転軸46に接続されている。切替モーター47は、例えば、ギヤードモーター等であって、切替回転軸46を軸周りに回転駆動させる(図3の破線矢印参照)。
図2および図6に示すように、切替ギア列48は、切替駆動ギア48aと、切替中間ギア48bと、を含んでいる。切替駆動ギア48aは、所謂平歯車であって、切替回転軸46の右端部に固定されている。切替中間ギア48bは、所謂段付き歯車であって、定着フレームに回転可能に支持されている。切替中間ギア48bの小径ギアは、切替駆動ギア48aに噛み合っている。切替中間ギア48bの大径ギアは、切替モーター47の出力軸に固定されたピニオンギア47aに噛み合っている。切替ギア列48は、切替モーター47の駆動力(回転力)を切替回転軸46に伝達する。
押圧部材としての2つの押圧パッド42,43は、それぞれ、例えば、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂製で、左右方向に長い略直方体状に形成されている。図2および図3に示すように、2つの押圧パッド42,43は、互いに対向して、切替回転軸46に固定されている。一方の押圧パッド42は、切替回転軸46を中心として、他方の押圧パッド43から180°回転した位置に設けられている。2つの押圧パッド42,43は、それぞれ、定着ベルト30の内周面30aに圧接する圧接面42a,43aを有している。
2つの押圧パッド42,43は、切替回転軸46を中心に回転可能に設けられている。切替モーター47は、各押圧パッド42,43の位置(姿勢)を保持可能に構成されている。2つの押圧パッド42,43のうち選択された一方は、下方に向けられた圧接面42a(43a)を定着ベルト30の内周面30aに圧接する。これにより、定着ベルト30と加圧ローラー31との間に定着ニップNが形成される。
図4および図5に示すように、2つの押圧パッド42,43の圧接面42a,43aは、それぞれ、左右方向(回転軸方向)中央部から両端部に向けて次第に幅広くなるように形成されている。2つの押圧パッド42,43は、互いに異なる圧接面42a,43aを有している。なお、「幅」および「ニップ幅」並びにこれらに類する用語は、定着ニップNにおける定着ベルト30の回転方向(または搬送方向)の長さを指す。なお、以下、説明の便宜上、一方の押圧パッド42を第1押圧パッド42とも呼び、他方の押圧パッド43を第2押圧パッド43とも呼ぶこととする。なお、第1押圧パッド42によって形成される定着ニップNを第1定着ニップN1とも呼び、第2押圧パッド43によって形成される定着ニップNを第2定着ニップN2とも呼ぶこととする。また、2つの定着ニップN1,N2に共通する説明では、符号「N」のみを付す。
第1押圧パッド42(圧接面42a)は、第2押圧パッド43(圧接面43a)と比較して、左右方向両端部と中央部との幅の差(G1>G2)が大きくなるように形成されている。圧接面42aの左右方向中央部の幅は、圧接面43aの左右方向中央部の幅よりも、狭く形成されている。つまり、圧接面42aは、圧接面43aよりも、左右方向中央部で大きくくびれている。したがって、ニップ幅の左右方向両端部と中央部との比率は、第2定着ニップN2よりも第1定着ニップN1の方が大きくなっている。
なお、フッ素系樹脂製の摺接シートが、各押圧パッド42,43の圧接面42a,43aに固定されてもよい。また、ポリイミド、ポリアミドイミド、PTFE等から成るコーティングが、定着ベルト30の内周面30aに施されていてもよい。
図2に示すように、切替検知機構44は、切替パルス板44aと、切替検知センサー44bと、を含んでいる。切替パルス板44aは、切替回転軸46の右端部に固定され、切替回転軸46と一体に回転する。切替パルス板44aは、周方向に並ぶ複数の遮光片(図示せず)を有している。切替検知センサー44bは、切替パルス板44aを挟んで発光部と受光部とが対向するフォトインタラプターである。切替検知センサー44bは、切替パルス板44aの回転に伴って変化する受光情報を制御装置14に送信する。切替検知機構44は、2つの押圧パッド42,43の中で何れの定着ベルトの内周面30aに圧接しているのかを検知する。
図6および図7に示すように、進入ガイド35は、加圧ローラー31側において定着ニップNよりも上流側に設けられている。進入ガイド35は、定着ニップNに進入させるシートSを案内する。進入ガイド35は、左右方向の延びるガイド軸35aに固定される複数のガイド板35bを含んでいる。なお、図6および図7では、1つのガイド板35bを図示している。ガイド軸35aは、定着フレームに回転可能に支持されている。各ガイド板35bは、略板状に形成されている。各ガイド板35bは、ガイド軸35aから定着ニップNに向けて延設されている。
進入ガイド35は、ガイド軸35aを中心に回動可能に設けられている。進入ガイド35は、第1定着ニップN1に対応する第1の位置P1(図6参照)と、第2定着ニップN2に対応する第2の位置P2(図7参照)と、の間で回動可能に設けられている。第1の位置P1に変位した進入ガイド35の先端部は、各ガイド板35bを定着ベルト30側に向いている。第2の位置P2は、第1の位置P1よりも下方に設定されている(図7参照)。
ガイド調整部36は、切替調整部41から進入ガイド35に回転力を伝達し、定着ニップNの変形に対応して進入ガイド35を移動させるために設けられている。ガイド調整部36は、ガイドギア列50と、左右一対の調整カム51と、を含んでいる。なお、図6および図7では、1つの調整カム51を図示している。
駆動伝達部としてのガイドギア列50は、ガイド中間ギア50aと、ガイド駆動ギア50bと、を含んでいる。ガイド中間ギア50aは、所謂平歯車であって、定着フレームに回転可能に支持されている。ガイド中間ギア50aは、切替モーター47のピニオンギア47aに噛み合っている。ガイド駆動ギア50bは、所謂平歯車であって、左右方向に延びる調整軸50cに固定されている。ガイド駆動ギア50bは、ガイド中間ギア50aに噛み合っている。したがって、ガイド中間ギア50aおよびガイド駆動ギア50bは、切替モーター47によって回転駆動される。なお、調整軸50cの左右両端部は、定着フレームに回転可能に支持されている。
なお、切替ギア列48(各ギア48a,48b)とガイドギア列50(各ギア50a,50b)とのギア比は、切替回転軸46の回転角度と各調整カム51の回転角度とを同一とするように設定されている。
左右一対の調整カム51は、調整軸50cの左右両側に固定されている。各調整カム51は、ガイド駆動ギア50bと一体となって調整軸50cを中心に回転する。上記したガイドギア列50は、切替調整部41(切替モーター47)の回転力を各調整カム51に伝達する。各調整カム51の外周面には、第1のカム面51aと第2のカム面51bとが形成されている。第1のカム面51aおよび第2のカム面51bは、それぞれ、半周ずつ形成されている。第1のカム面51aおよび第2のカム面51bは、互いに曲率の異なる曲面を構成している。第1のカム面51aは、第2のカム面51bよりも小さな曲率(大きな曲率半径)を有している。
各調整カム51は、進入ガイド35に当接した状態で設けられている。各調整カム51の第1のカム面51aが各ガイド板35bに当接した状態で、進入ガイド35は、第1の位置P1に変位した状態になる(図6参照)。一方、各調整カム51の第2のカム面51bが各ガイド板35bに当接した状態で、進入ガイド35は、第2の位置P2に変位した状態になる(図7参照)。すなわち、各調整カム51は、進入ガイド35を定着ニップN(N1,N2)の変形に対応して移動させるために設けられている。
ところで、プリンター1は、ユーザーが入力操作を行うための操作パネル60(図8参照)を備えている。ユーザーは、操作パネル60またはプリンター1に接続された外部端末(図示せず)を操作して、シートSの大きさや種類を入力する。また、プリンター1は、各種装置等に電力を供給する電源(図示せず)と、装置本体2内に外気を取り込む冷却ファン(図示せず)と、を含んでいる。この電源や冷却ファンには、環境温度や環境湿度を検知する温湿度センサー61(図8参照)が設けられている。
ここで、上記した制御装置14は、記憶部(図示せず)に記憶されたプログラム等に基づいて演算処理を実行する演算処理部(図示せず)を含んでいる。図8に示すように、定着駆動モーター32a、IHヒーター33、回転検知センサー38c、切替モーター47、切替検知センサー44b、操作パネル60および温湿度センサー61等(各装置等)は、制御装置14に電気的に接続されている。各装置等は、制御装置14によって適宜制御される。なお、図示は省略するが、画像形成処理に必要な他の装置等も、制御装置14に接続され制御される。
次に、定着装置12の圧力形成部34の作用について説明する。
ユーザーが操作パネル60または外部端末から入力したシートSの大きさや種類を示す情報は、制御装置14に送信される。制御装置14は、定着ニップNを通過するシートSの種類に基づいて切替調整部41(切替モーター47)を制御する(切替制御)。切替調整部41は、2つの押圧パッド42,43を切替回転軸46周りに回転させ、定着ベルト30の内周面30aに圧接させる押圧パッド42,43を切り替える。つまり、切替調整部41は、定着ニップNを変形させる。
例えば、封筒や薄紙等のシワが入り易いシートSに定着処理を行う場合、制御装置14は、第1押圧パッド42を定着ベルト30の内周面30aに圧接させるように切替調整部41を制御する。詳細には、制御装置14は、切替検知センサー44bからの出力信号(検知結果)を受信し、2つの押圧パッド42,43のどちらが定着ベルト30の内周面30aに圧接しているかを認識する。制御装置14は、切替検知機構44(切替検知センサー44b)の検知結果に基づいて切替調整部41を制御する。
図6に示すように、第1押圧パッド42が定着ベルト30の内周面30aに圧接している場合、制御装置14は、その状態を維持する制御を行う(切替モーター47を駆動しない)。また、この場合、ガイド調整部36の各調整カム51は、第1のカム面51aをガイド板35bの下面に当接させている。つまり、進入ガイド35は、第1の位置P1に変位している。
一方、図7に示すように、第2押圧パッド43が定着ベルト30の内周面30aに圧接している場合、ガイド調整部36の各調整カム51は、第2のカム面51bをガイド板35bの下面に当接させている。つまり、第2定着ニップN2が形成され、且つ、進入ガイド35が第2の位置P2に変位した状態になっている。
この場合、切替モーター47は、制御装置14に制御されて、切替回転軸46を所定角度(例えば180°)だけ回転させる。切替モーター47は、第1押圧パッド42が定着ベルト30の内周面30aに圧接する位置まで、切替回転軸46を回転させる。これにより、第2定着ニップN2から第1定着ニップN1に変形する(図6参照)。また、切替回転軸46の回転と同時に、切替モーター47は、ガイドギア列50および各調整カム51を回転させる。例えば、切替回転軸46を180°回転させると、各調整カム51も180°回転する。したがって、進入ガイド35の各ガイド板35bは、調整カム51の第2のカム面51bから第1のカム面51aに向けて相対的に摺動する。これにより、進入ガイド35は、第2の位置P2から第1の位置P1に回動する(図6参照)。
以上のように、ガイド調整部36は、圧力形成部34による第2定着ニップN2から第1定着ニップN1への変形に連動させて、変形後の第1定着ニップN1に対応する第1の位置P1に進入ガイド35を移動させる。なお、制御装置14の記憶部には、2つの押圧パッド42,43の切り替えに必要な回転角度を示す情報等が予め記憶(設定)されている。制御装置14は、切替検知センサー44bの検知結果に基づいて切替回転軸46の回転角度を認識する。制御装置14は、記憶部に記憶された情報と切替検知センサー44bの検知結果とから切替モーター47の回転角度を算出する。また、切替モーター47(切替回転軸46)の回転方向は、図6および図7において、時計回りでもよいし、反時計回りでもよい。
他にも、例えば、普通紙や厚紙等のシワが入り難いシートSに定着処理を行う場合、制御装置14は、第2押圧パッド43を定着ベルト30の内周面30aに圧接させるように切替調整部41を切替制御する。これにより、第2定着ニップN2が形成され、且つ、進入ガイド35が第2の位置P2に変位した状態になる(図7参照)。なお、この切替制御は上記の薄紙等の場合と同様であるため、その説明は省略する。
その後、制御装置14は、既に説明した画像形成処理を実行する。定着駆動モーター32aは、制御装置14に制御され、加圧ローラー31を回転させる。定着ベルト30は、加圧ローラー31に従動して回転し、回転検知センサー38cは、回転パルス板38bの回転を検知する。制御装置14は、回転検知センサー38cの検知結果を受信し、IHヒーター33を作動させる。IHヒーター33は、定着ベルト30を加熱する。定着装置12は、定着ニップNを通過するシートSを加圧且つ加熱して、シートSにトナー像を定着させる(定着処理)。なお、回転検知センサー38cが回転パルス板38b(定着ベルト30)の回転を検知できない場合、制御装置14は、IHヒーター33を作動させず、操作パネル60等にエラーメッセージ等を表示させる。
以上のように、シートSの種類に応じて、第1押圧パッド42と第2押圧パッド43のいずれか一方が選択される。つまり、シートSの種類に応じてニップ幅を変更することができる。これにより、例えば、封筒や薄紙等のシワを発生させ易いシートSに対して定着処理を行う場合であっても、シワの発生を抑制することができる。
以上説明した第1実施形態に係る定着装置12によれば、ガイド調整部36は、圧力形成部34によって変形された定着ニップN(N1またはN2)に応じて進入ガイド35を回動(移動)させる。また、ガイド調整部36による進入ガイド35の移動は、圧力形成部34による定着ニップNの変形に連動する。これにより、進入ガイド35を定着ニップNの形状に適した位置に変位させることができるため、シートSを定着ニップNに円滑に進入させることができる。
また、第1実施形態に係る定着装置12によれば、切替調整部41は、2つの押圧パッド42,43から選択された1つを定着ベルト30の内周面30aに圧接させる。ニップ幅は、押圧パッド42,43の切り替えによって変更される。各定着ニップN1,N2のニップ幅は、左右方向中央部よりも両端部で幅広く形成されるため、シートSを搬送する力(搬送力)は、左右方向中央部よりも両端部で大きくなる。これにより、シートSは左右両側に広げられながら搬送されるため、シワの発生を抑制することができる。これにより、適切なシートSの搬送と適切なトナー像の定着処理とを担保することができ、且つ、シートSにシワが発生し難い定着ニップNを形成することができる。
また、各押圧パッド42,43を回転させる力(回転力)は、ガイド調整部36を介して進入ガイド35に伝達され、進入ガイド35を変位させる。つまり、切替調整部41は、各押圧パッド42,43および進入ガイド35を回動させる動力源として兼用されている。これにより、定着ニップNの変形と進入ガイド35の移動とを簡易な構成で連動させることができる。
また、第1実施形態に係る定着装置12によれば、進入ガイド35が各調整カム51の各カム面51a,51b上を相対的に摺動することで、進入ガイド35は、変形後の定着ニップN(N1,N2)に対応する位置(P1,P2)に移動する。このように、ガイド調整部36としてカム機構を採用することで、定着ニップNの変形と進入ガイド35の移動とを適切に連動させることができる。
なお、第1実施形態に係る定着装置12は、2つの押圧パッド42,43を設けていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、2つ以上の押圧パッドを設けてもよい。この場合、2つ以上の押圧パッドの変更(定着ニップNの変形)に対応するように、ガイド調整部36の各調整カム51は、2つ以上のカム面を有し、進入ガイド35を2つ以上の位置に適宜変位させることが好ましい。また、2つの押圧パッド42,43は、1本の切替回転軸46に固定され、軸周りに回転可能に支持されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数の押圧パッドを上下方向に直動させる機構を設けてもよい。
次に、図9ないし図14を参照して、第2実施形態に係る定着装置16について説明する。図9は第2実施形態に係る定着装置16を模式的に示す断面図である。図10は、図9のX−X断面図である。図11は圧力形成部70の一部(基準状態)の平面および側面を模式的に示す説明図である。図12は圧力形成部70の一部(中央減圧状態)の平面および側面を模式的に示す説明図である。図13は、図9のXIII−XIII断面図である。図14は、図13に示す状態から進入ガイド35を第1の位置P1に変位させた状態を示す断面図である。なお、以下の説明では、第1実施形態に係る定着装置12と同様の構成については、同一の符号を付し、同様の説明は省略する。
図9および図10に示すように、第2実施形態に係る定着装置16は、第1実施形態に係る定着装置12の圧力形成部34と異なる圧力形成部70を備えている。圧力形成部70は、保持ステー71と、押圧部材72と、押圧調整部73と、角度検知機構74と、を含んでいる。
押圧部材72は、例えば、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂製で、定着ベルト30の内部で左右方向に延設されている。押圧部材72は、押圧パッド75の上面に固定された基材76を含んでいる。押圧パッド75は、左右方向に長い略直方体状に形成されている。基材76は、左右方向に長い略板状に形成されている。基材76の上面は保持ステー71の下面に固定されている。押圧パッド75は、定着ベルト30の内周面30aに圧接する圧接面77を有している。圧接面77は、押圧パッド75の下面として形成されている。
ここで、図9に示すように、押圧パッド75の圧接面77には、左右方向(回転軸方向)の一部(部分的な領域)に3つの変圧面78が形成されている。3つの変圧面78は、圧接面77の左右方向中央部と両端部とに等間隔に設定されている。
図9および図10に示すように、ニップ調整部としての押圧調整部73は、偏心軸80と、3つの偏心カム81と、駆動部82と、を含んでいる。押圧調整部73は、各変圧面78に作用する押圧力を変更可能に構成されている。
偏心軸80は、左右一対の軸受部80aの間に架設され、回転空間SP内で軸周りに回転可能に支持されている。偏心軸80の右端部は、軸受部80aを挿通し、保持ステー71よりも右側に延出している。3つの偏心カム81は、押圧部材72の3つの変圧面78に対応して配置され、偏心軸80に固定されている。各偏心カム81は、保持ステー71を貫通し、基材76の上面(摺接面79)に圧接した状態で回転可能に設けられている。
図10に示すように、各偏心カム81は、偏心軸80からカム面83までの距離を一定としない円板カムである。各偏心カム81のカム面83には、第1低点部831と、第2低点部832と、第1高点部833と、第2高点部834と、が図10で反時計回りに等間隔に設定されている。第1低点部831と偏心軸80との間の距離D1は、第2低点部832と偏心軸80との間の距離D2と同一の長さである。第1高点部833と偏心軸80との間の距離D3は、第2高点部834と偏心軸80との間の距離D4と同一の長さである。距離D3,D4は、距離D1,D2よりも長くなっている。なお、距離D1,D2(距離D3,D4)は異なる長さであってもよい。
図11に示すように、左右方向両端部の偏心カム81は、同位相となる姿勢で偏心軸80に固定されている。左右方向中央部の偏心カム81は、左右方向両端部の偏心カム81に対して90°位相をずらした姿勢で偏心軸80に固定されている。なお、以下、説明の便宜上、左右方向両端部の偏心カム81を「端部カム81a」とも呼び、左右方向中央部の偏心カム81を「中央カム81b」とも呼ぶこととする。また、2つのカム81a,81bに共通する説明では、符号「81」のみを付す。なお、各端部カム81aに対応する変圧面78を「端部変圧面78a」とも呼び、中央カム81bに対応する変圧面78を「中央変圧面78b」とも呼ぶこととする。また、2つの変圧面78a,78bに共通する説明では、符号「78」のみを付す。
図9に示すように、駆動部82は、調整モーター84と、調整ギア列85と、を含んでいる。調整モーター84は、調整ギア列85を介して偏心軸80に接続されている。調整モーター84は、各偏心カム81を偏心軸80周りに回転駆動させる(図10の破線矢印参照)。調整モーター84は、例えば、ギヤードモーター等であって、各偏心カム81の回転位置(姿勢)を保持可能に構成されている。
図9および図13に示すように、調整ギア列85は、調整駆動ギア85aと、調整中間ギア85bと、を含んでいる。調整駆動ギア85aは、所謂平歯車であって、偏心軸80の右端部に固定されている。調整中間ギア85bは、所謂段付き歯車であって、定着フレーム(図示せず)に回転可能に支持されている。調整中間ギア85bの小径ギアは、調整駆動ギア85aに噛み合っている。調整中間ギア85bの大径ギアは、調整モーター84の出力軸に固定されたピニオンギア84aに噛み合っている。調整ギア列85は、調整モーター84の駆動力(回転力)を偏心軸80に伝達する。
なお、ガイド調整部36に含まれるガイド中間ギア50aは、調整モーター84のピニオンギア84aに噛み合っている。したがって、ガイド中間ギア50aおよびガイド駆動ギア50bは、調整モーター84によって回転駆動される。調整ギア列85(各ギア85a,85b)とガイドギア列50(各ギア50a,50b)とのギア比は、偏心軸80の回転角度と各調整カム51の回転角度とを同一とするように設定されている。
図9に示すように、角度検知機構74は、偏心軸80の右端部に固定された角度パルス板74aの回転を検知する角度検知センサー74bを含んでいる。角度検知機構74は、各偏心カム81の回転角度を示す情報を制御装置14に送信する。なお、角度検知機構74は、切替検知機構44と略同一構成であるため、その説明は省略する。
次に、圧力形成部34の作用について説明する。調整モーター84は、制御装置14に制御されて、押圧部材72の摺接面79に当接した状態の3つの偏心カム81を偏心軸80周りに回転させる。このように、押圧調整部73は、圧接面77の回転軸方向一部(3つの変圧面78)に作用する押圧力を変更して定着ニップNを変形させる。各偏心カム81は、各点部831〜834のいずれか1つを摺接面79に当接させるように配置されている。
例えば、図11に示すように、各端部カム81aの第1低点部831と、中央カム81bの第2低点部832とが、押圧部材72(基材76)の摺接面79に当接した状態を「基準状態」とする。基準状態から偏心軸80を時計回りに90°、180°、270°の順に回転させると、各端部カム81aは、第2低点部832、第1高点部833、第2高点部834の順に摺接面79に当接した状態になる。このとき、中央カム81bは、第1高点部833、第2高点部834、第1低点部831の順に摺接面79に当接した状態になる。これらの状態を、「中央増圧状態」、「全域増圧状態」、「中央減圧状態」と呼ぶ。また、4つの状態で形成される4つの定着ニップNを、基準ニップN10(図11参照)、中央増圧ニップ(図示せず)、全域増圧ニップ(図示せず)、中央減圧ニップN20(図12参照)とも呼ぶ。なお、各ニップN10,N20に共通する説明では、符号「N」のみを付す。
ここで、押圧部材72は、定着ベルト30の内周面30aに押し付けられる力の大きさによって幅方向に弾性変形する。図11に示すように、基準状態では、3つの変圧面78に基準押圧力が作用する。すると、押圧部材72(圧接面77)は、左右方向に亘って略一定の圧力で定着ベルト30の内周面30aに押し付けられる。このため、基準ニップN10は、左右方向に亘って略一定の幅に形成される。なお、図示は省略するが、全域増圧状態における圧接面77および全域増圧ニップも同様である。
一方、図12に示すように、中央減圧状態では、各端部変圧面78aに第1の押圧力よりも大きな第2の押圧力が作用し、中央変圧面78bに第1の押圧力が作用する。すると、押圧部材72の左右方向中央部は、左右両端部よりも、定着ベルト30の内周面30aに弱い力で押し付けられる。このため、中央減圧ニップN20は、左右方向中央部から両端部に向けて次第に幅広くなるように形成される。つまり、中央減圧ニップN20は、左右方向中央部でくびれている。なお、図示は省略するが、中央増圧状態における圧接面77と中央増圧ニップとは、左右方向中央部で膨れている。
次に、圧力形成部34による変圧制御について説明する。なお、各偏心カム81は基準状態であるものとする。
制御装置14は、定着ニップNを通過するシートSの種類に基づいて押圧調整部73を制御する(変圧制御)。なお、制御装置14の記憶部には、摺接面79に対する各カム面83(各点部831〜834)の当接位置を認識するために必要な回転角度を示す情報等が予め記憶されている。制御装置14は、角度検知センサー74bの検知結果に基づいて各偏心カム81の回転角度(各偏心カム81の状態)を認識し、調整モーター84を制御する。制御装置14は、記憶部に記憶された情報と角度検知センサー74bの検知結果とから調整モーター84の回転角度を算出する。押圧調整部73は、押圧部材72の摺接面79に対する各偏心カム81のカム面83の当接位置を変更する。
例えば、シワが入り難いシートSに定着処理を行う場合、制御装置14は、各偏心カム81を基準状態に移行する(切り替える)制御を行う。つまり、制御装置14は、基準ニップN10を形成する制御を行う(図11および図13参照)。ここでは、各偏心カム81は既に基準状態に移行しているため、制御装置14は、調整モーター84を駆動しない。また、この場合、ガイド調整部36の各調整カム51は、第2のカム面51bをガイド板35bの下面に当接させている。つまり、進入ガイド35は、第2の位置P2に変位している。
次に、例えば、シワが入り易いシートSに定着処理を行う場合、制御装置14は、各偏心カム81を中央減圧状態に移行し、中央減圧ニップN20を形成する制御を行う(図12および図14参照)。調整モーター84は、制御装置14に制御されて、図13で時計回りに偏心軸80を270°(または反時計周りに90°)回転させる。これにより、各偏心カム81は、基準状態から中央減圧状態に移行し、中央減圧ニップN20が形成される(図14参照)。なお、各偏心カム81の回転方向は、図13および図14で、時計回りでもよいし、反時計回りでもよい。
また、偏心軸80の回転と同時に、調整モーター84は、ガイドギア列50および各調整カム51を回転させる。例えば、図13で時計回りに偏心軸80を270°回転させると、各調整カム51も270°回転する。したがって、各ガイド板35bは、調整カム51の第2のカム面51bから第1のカム面51aに向けて相対的に摺動する。これにより、進入ガイド35は、第2の位置P2から第1の位置P1に回動する(図14参照)。
その後、制御装置14は、画像形成部11等による画像形成処理を実行する。なお、上記の変圧制御の説明では、一例として、普通紙や厚紙等に定着処理を行う場合、基準ニップN10を形成していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御装置14は、厚紙と普通紙(厚紙よりも薄く、薄紙よりも厚い)とで異なる変圧制御を行ってもよい。すなわち、制御装置14は、厚紙に定着処理を行う場合に基準ニップN10(図11参照)を形成する変圧制御を行い、普通紙に定着処理を行う場合に全域増圧ニップを形成する(各偏心カム81を全域増圧状態に切り替える)変圧制御を行ってもよい。変圧制御の手順は、上記の薄紙等の場合と同様であるため、その説明は省略する。なお、シートSの種類によっては、制御装置14は、中央増圧ニップを形成する(各偏心カム81を中央増圧状態に切り替える)変圧制御を行ってもよい。この場合、2つ以上の定着ニップNの形状変更に対応するように、ガイド調整部36の各調整カム51は、2つ以上のカム面を有し、進入ガイド35を2つ以上の位置に適宜変位させることが好ましい。
以上説明した第2実施形態に係る定着装置16によれば、押圧調整部73は、圧接面77の左右方向一部(各変圧面78)から定着ベルト30の内周面30aに与えられる押圧力を調整(増減)する。当該押圧力を増減させることで、定着ニップNのニップ幅が変更(増減)される。これにより、適切なシートSの搬送と適切なトナー像の定着処理とを担保することができ、且つ、シートSにシワが発生し難い定着ニップNを形成することができる。また、中央減圧ニップN20のニップ幅は、左右方向中央部よりも両端部で幅広く形成される。中央減圧ニップN20でのシートSを搬送する力(搬送力)は、左右方向中央部よりも両端部で大きくなっている。これにより、シートSは左右方向両側に広げられながら搬送されるため、シワの発生を抑制することができる。
ガイド調整部36は、押圧調整部73から進入ガイド35に回転力を伝達し、定着ニップNの変形に対応して進入ガイド35を移動させる。各偏心カム81を回転させる力(回転力)は、ガイド調整部36を介して進入ガイド35に伝達され、進入ガイド35を変位させる。つまり、押圧調整部73は、各偏心カム81および進入ガイド35を回動させる動力源として兼用されている。これにより、定着ニップNの変形と進入ガイド35の移動とを簡易な構成で連動させることができる。
なお、第2実施形態に係る定着装置16は、3つの偏心カム81を設けていたが、本発明はこれに限定されない。偏心カム81は、1つ以上設けられていればよい。例えば、単一の偏心カム81を押圧部材72の左右方向中央部に当接させてもよいし、4つ以上の偏心カム81を押圧部材72に当接させてもよい。また、3つの偏心カム81は同一形状であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、各端部カム81aが変圧面78に付与する押圧力を大きくなるように形成されていてもよい。
次に、第1および第2実施形態の変形例に係る定着装置12,16について説明する。なお、以下の説明では、第1および第2実施形態に係る定着装置12,16と同様の構成については、同一の符号を付し、同様の説明は省略する。
高温多湿の環境下では、シートSに含まれる水分が増加するため、シートの搬送不良やシワが入り易くなる。そこで、変形例に係る定着装置12,16は、環境条件に応じてニップ幅を変更するように構成されている。
制御装置14は、電源や冷却ファンに設けた温湿度センサー61(図8参照)の検知結果に基づいて切替調整部41(または押圧調整部73)を制御する。詳細には、温湿度センサー61の検知結果が所定の湿度を越えると、制御装置14は、第1定着ニップN1(または中央減圧ニップN20)を形成するように切替調整部41(または押圧調整部73)を切替制御する。これにより、水分を多く含んでシワを発生させ易いシートSに対して定着処理を行う場合であっても、シワの発生を抑制することができる。なお、切替制御の基準となる所定の湿度は、制御装置14の記憶部に予め記憶(設定)されている。
なお、制御装置14は、湿度に代えて、温湿度センサー61に検知される温度に基づいて、切替制御を実行してもよい。すなわち、制御装置14は、環境温度と環境湿度の少なくとも一方に基づいて切替調整部41(または押圧調整部73)を制御するように設定されている。
なお、第1実施形態に係る定着装置12は、切替モーター47によって切替ギア列48とガイドギア列50とを回転させていた。同様に、第2実施形態に係る定着装置16は、調整モーター84によって調整ギア列85とガイドギア列50とを回転させていた。これらの構成に代えて、例えば、ガイドギア列50を介して各調整カム51を回転させる駆動モーターを別途設けてもよい。この場合、制御装置14は、切替モーター47(または調整モーター84)と駆動モーターとを同期させて駆動させることが好ましい。
なお、第1および第2実施形態では、制御装置14は、プリンター1を統括制御するものであったが、これに限らず、定着装置12,16を制御する専用の制御部を設けてもよい。また、第1および第2実施形態では、熱源としてIHヒーター33を採用していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、定着ベルト30の内部にハロゲンヒーター等の熱源を設けてもよい。
なお、第1および第2実施形態の説明では、一例として、本発明をモノクロのプリンター1に適用した場合を示したが、これに限らず、例えば、カラープリンター、複写機、ファクシミリまたは複合機等に本発明を適用してもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る定着装置およびこれを備える画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えや組み合わせが可能であって、上記実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。