JP2014178532A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジャム発生時に記録媒体の定着回転体への貼り付きを分離させることができる定着装置、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】 定着装置1は、定着ベルト5を介して定着ローラ3及び加圧ローラ6の間に記録媒体2を挟んで搬送することにより、記録媒体2上のトナー像を定着させる。加圧ローラ接離部7は、加圧ローラ6を駆動して、加圧ローラ6の押圧力を可変にする。ジャムが発生して記録媒体2が上流側に向かって逆搬送されたときに、定着ニップNよりも上流側に設けられた上流側ガイド部材13が、定着ベルト5と記録媒体2との貼り付き分離する。
【選択図】図1
【解決手段】 定着装置1は、定着ベルト5を介して定着ローラ3及び加圧ローラ6の間に記録媒体2を挟んで搬送することにより、記録媒体2上のトナー像を定着させる。加圧ローラ接離部7は、加圧ローラ6を駆動して、加圧ローラ6の押圧力を可変にする。ジャムが発生して記録媒体2が上流側に向かって逆搬送されたときに、定着ニップNよりも上流側に設けられた上流側ガイド部材13が、定着ベルト5と記録媒体2との貼り付き分離する。
【選択図】図1
Description
本発明は、記録媒体上のトナー像を定着させる定着装置と、該定着装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、上述した画像形成装置では、まず、電子写真記録、静電記録、磁気記録などの画像形成プロセスにより、未定着のトナー像を記録材シート、印刷紙、感光紙、静電記録紙などの記録媒体に形成している。その後、定着装置を構成する定着回転体としての定着ローラと加圧回転体としての加圧ローラとの間に記録媒体を挟んで搬送することにより、記録媒体上のトナー像を定着させている。この定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式などの接触加熱方式のものが広く採用されている(特許文献1〜4)。
上述した定着装置は、記録媒体が定着ローラ、定着ベルトがある場合には定着ベルトに張り付いてしまって紙詰まりとなる搬送異常(ジャム)を起こす可能性があった。そこで、従来の画像形成装置では、ジャムセンサにより記録媒体のジャムが検知されると、定着装置の駆動を停止させると共に、加圧ローラによる押圧力を弱めて、ユーザに記録媒体を除去してもらうようになっている。
このとき、ユーザにより手動で、画像形成装置により自動で、定着ローラ及び加圧ローラを逆回転させて、記録媒体を定着装置入口に戻して、記録媒体を抜き取る。しかしながら、逆回転させても、定着ローラや定着ベルトに記録媒体のトナー像により張り付いて、記録媒体が分離できず、ユーザから視認可能な位置まで記録媒体を戻すことができない恐れがあった。特に、定着ベルトを用いた構成や、トナー付着量の多いカラー画像の場合などで顕著であった。これら課題が一例として挙げられる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ジャム発生時に記録媒体の定着回転体への貼り付きを分離させることができる定着装置、及び、画像形成装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、加熱される定着回転体と、前記定着回転体を押圧する加圧回転体と、前記加圧回転体を駆動して、前記加圧回転体の押圧力を可変にする加圧回転体接離手段と、を備え、前記定着回転体及び前記加圧回転体の間に記録媒体を挟んで搬送することにより、前記記録媒体上のトナー像を定着させる定着装置において、前記定着回転体及び前記加圧回転体の間に形成される定着ニップよりも上流側に設けられ、前記記録媒体が上流側に向かって逆搬送されたときに前記定着回転体と前記記録媒体との貼り付きを分離する上流側ガイド部材をさらに備えたことを特徴とする定着装置である。
請求項1記載の定着装置によれば、定着ニップよりも上流側に、記録媒体が上流側に向かって逆搬送されたときに定着回転体と記録媒体との貼り付きを分離する上流側ガイド部材が設けられている。これにより、ジャム発生時に記録媒体の定着回転体への貼り付きを分離させることができる。
(定着装置の実施形態)
本発明の定着装置及び画像形成装置を、図1乃至図7に基づいて説明する。
本発明の定着装置及び画像形成装置を、図1乃至図7に基づいて説明する。
図1に示す定着装置1は、定着ローラ3と加圧回転体としての加圧ローラ6との間に記録媒体2を挟んで搬送することにより、記録媒体2上のトナー像Tを定着させる装置である。この定着装置1は、定着ローラ3と、加熱回転体としての加熱ローラ4と、定着ベルト5と、加圧ローラ6と、加圧回転体接離手段としての加圧ローラ接離部7と、搬送ガイド8と、入口センサ9と、出口センサ10と、第1分離爪11と、第2分離爪12と、上流側ガイド部材13と、連動機構14と、を備えている。
上記記録媒体2は、記録材シート、印刷紙、感光紙、静電記録紙やOHPフィルムなどである。定着ローラ3は、アルミニウム又は鉄(それぞれの合金含む)などの金属製の芯金3aの上にシリコーンゴム等の弾性層3bが設けられている。定着ローラ3の弾性層3bには、ウォームアップ時間短縮のため、定着ベルト5の熱を吸収しにくいように発泡のシリコーンゴムを用いてもよい。
加熱ローラ4は、定着ローラ3を加熱するためのローラである。加熱ローラ4は、アルミニウム製又は鉄製の中空ローラで、定着ローラ3と軸同士が互いに平行になるように間隔を空けて対向配置されている。加熱ローラ4は、その内又は外にハロゲンヒータや電磁誘導加熱機構(IH)など図示しない熱源を有している。加熱ローラ4は、弾性層3bを有する定着ローラ3と比較して熱膨張量は無視できる程度のものとされる。
定着ベルト5は、定着ローラ3及び加熱ローラ4の間に掛け渡された無端状のベルトである。定着ベルト5は、断面構造としては、例えばニッケル、ステンレス、ポリイミドなどの基材にシリコーンゴム層などの弾性層を形成した2層構造となっている。定着ベルト5は、定着ローラ3及び加熱ローラ4に一定のテンションで掛け渡されている。この定着ベルト5の内周面と定着ローラ3及び加熱ローラ4の外周面とは滑りが発生しない摩擦関係に設定されている。よって、定着ローラ3が回転すると、定着ベルト5が回転移動し、この定着ベルト5の回転移動により加熱ローラ4が回転される。上述した定着ローラ3及び定着ベルト5が定着回転体を構成している。
加圧ローラ6は、定着ローラ3を押圧するローラである。加圧ローラ6は、アルミニウム又は鉄などの金属製の芯金6aの上にシリコーンゴムなどの弾性層6bが設けられた円筒形状のローラである。上記芯金6aは、図3に示すように、弾性層6bの軸方向両端から突出するように設けられている。また、加圧ローラ6は、定着ベルト5に対して図中下側で回転自在に配置され、定着ローラ3の外周面に定着ベルト5を介して自身の外周面が押し付けられている。この定着ローラ3と加圧ローラ6とが定着ベルト5を介して圧接される箇所を定着ニップNと言う。
加圧ローラ接離部7は、加圧ローラ6を定着ローラ3に接離する方向に駆動して、加圧ローラ6の押圧力を可変にする。この加圧ローラ接離部7は、加圧ローラ6の軸方向両端にそれぞれ設けられている。加圧ローラ接離部7は、第1加圧レバー71と、第2加圧レバー72と、スプリング73と、加圧接離カム74と、カムシャフト75と、を備えている。
第1加圧レバー71及び第2加圧レバー72は、その一端同士が接離可能となるように他端同士が取り付けられている。この第1加圧レバー71及び第2加圧レバー72の接離可能な一端の間には、スプリング73が配置されている。そして、この第1加圧レバー71が加圧ローラ6の芯金6aの定着ローラ3から離れた側に接触している。
以上の構成により、図1に示すように、第1加圧レバー71及び第2加圧レバー72の他端同士を離すとスプリング73の付勢力が弱まり、加圧ローラ6が定着ローラ3から離れる。結果、加圧ローラ6の押圧力が弱まり、定着ニップNの長さが短くなる。また、図2に示すように、第1加圧レバー71及び第2加圧レバー72の他端同士を近づけるとスプリング73の付勢力が高まり、加圧ローラ6が定着ローラ3に近づく。結果、加圧ローラ6の押圧力が高まり、定着ニップNの長さが長くなる。
加圧接離カム74は、円盤状に形成されていて、その外側面が第2加圧レバー72の他端に接触している。加圧接離カム74は、第2加圧レバー72の第1加圧レバー71から離れた側に接触している。カムシャフト75は、円板状の加圧接離カム74の中心からずれた位置に固定されている。後述するモータによりこのカムシャフト75を回転させると、加圧接離カム74がこのカムシャフト75を中心に回転する。
以上の構成により、図1に示すように、加圧接離カム74のカムシャフト75に近い側の外側面に第2加圧レバー72が接触した状態では、第2加圧レバー72の他端がカムシャフト75側に近づく。これにより、第1加圧レバー71及び第2加圧レバー72の他端同士が離れて、加圧ローラ6の押圧力が弱まる。このときの加圧ローラ6の位置を以下脱圧位置(=第1の位置)という。この加圧ローラ6が脱圧位置にある状態からカムシャフト75を図中時計回りに回転させると、これに従って図2に示すように、第2加圧レバー72の他端がカムシャフト75から離れる。これにより、第1加圧レバー71及び第2加圧レバー72の端部同士が近づいて、加圧ローラ6の押圧力が高まる。このときの加圧ローラ6の位置を以下加圧位置(=第2の位置)という。なお、加圧ローラ6を定着ローラ3から離間したときを離間位置(=第0の位置)とする(図示せず)。
搬送ガイド8は、記録媒体2を定着ニップNの入口に案内する板状の部材であり、その先端が定着ニップNの入口付近に配置される。記録媒体2は、この搬送ガイド8上に搭載され、搬送ガイド8に沿って進むことにより定着ニップNの入口に案内される。
入口センサ9及び出口センサ10は、定着ニップNの入口と出口にそれぞれ配置される。入口センサ9及び出口センサ10は、光センサなどから構成され、記録媒体2の先端及び後端を検知して、該検知に応じた検知信号を後述するコントローラ部17に送信する。コントローラ部は、入口センサ9及び出口センサ10からの検知信号に基づく記録媒体2の先端及び後端の通過検知からジャムが発生していることを検知する。
第1分離爪11は、定着ニップNの出口において加圧ローラ6に近接配置され、加圧ローラ6への記録媒体2の巻き付きを防止する。第2分離爪12は、定着ニップNの出口において定着ベルト5に近接配置され、定着ベルト5への記録媒体2の巻き付きを防止する。
上流側ガイド部材13は、定着ローラ3及び加圧ローラ6の間に形成される定着ニップNよりも上流側に設けられている。上流側ガイド部材13は、図1に示すように定着ベルト5に貼り付いた記録媒体2が上流側に向かって逆搬送されたときに定着ベルト5と記録媒体2との間に進入し、定着ベルト5と記録媒体2との張り付きを分離する機能を有する。この上流側ガイド部材13は、定着ニップNの上流側の定着ベルト5と略平行に定着ニップNの入口に接離可能に設けられている。この上流側ガイド部材13は、板状に形成され、その幅は記録媒体2の最大幅以上に設けられている。なお、上流側ガイド部材13は、搬送ガイド8に対し、記録媒体2の搬送経路を挟んで対向配置されている。これにより、記録媒体2が定着ベルト5に接触することを制限し、記録媒体2を定着ニップN方向へ向かわせる「上流搬送ガイド」としての機能も有している。これにより、未定着トナーが載っている定着ベルト5への記録媒体2の衝突をガードする。
連動機構14は、加圧ローラ接離部7と上流側ガイド部材13との間を連結し、加圧ローラ接離部7の動きを上流側ガイド部材13に伝達して、加圧ローラ接離部7に連動して上流側ガイド部材13を移動させる機構である。連動機構14は、カム軸ギヤ141と、ラックギヤ142と、このカム軸ギヤ141及びラックギヤ142の間に設けられた第1〜第3アイドラギヤ143a〜143cと、を備えている。これらカム軸ギヤ141、ラックギヤ142、第1〜第3アイドラグギヤ143a〜143cが請求項中の連結ギヤに相当する。
カム軸ギヤ141は、加圧ローラ接離部7のカムシャフト75に取り付けられている。カム軸ギヤ141は、カムシャフト75の回転によって回転する。ラックギヤ142は、定着ニップNの上流側の定着ベルト5に沿って移動可能に設けられている。このラックギヤ142には、上流側ガイド部材13が固定されている。
このとき上流側ガイド部材13は、先端がラックギヤ142よりも定着ニップNの入口側に突出するように固定されている。第1アイドラギヤ143aは、カム軸ギヤ141に噛み合うように設けられている。第3アイドラギヤ143cは、ラックギヤ142に噛み合うように設けられている。第2アイドラギヤ143bは、第1アイドラギヤ143a及び第3アイドラギヤ143cの双方に噛み合うように設けられている。
以上の構成により、例えば図2に示す加圧位置から図1に示す脱圧位置に加圧ローラ6を駆動するために、カムシャフト75を図中時計回りに回転させると、カム軸ギヤ141も時計回りに回転する。これに連動して、第1アイドラギヤ143aが反時計周りに、第2アイドラギヤ143bが時計回りに、第3アイドラギヤ143cが反時計周りに回転する。これにより、ラックギヤ142が定着ニップNに近づく方向に移動し、上流側ガイド部材13の先端が定着ニップNの入口に近づく。
これに対して、例えば図1に示す脱圧位置から図2に示す加圧位置に加圧ローラ6を駆動するために、カムシャフト75を図中反時計周りに回転させると、カム軸ギヤ141も反時計周りに回転する。これに連動して、第1アイドラギヤ143aが時計周りに、第2アイドラギヤ143bが反時計周りに、第3アイドラギヤ143cが時計周りに回転する。これにより、ラックギヤ142が定着ニップNから離れる方向に移動し、上流側ガイド部材13の先端が定着ニップNの入口から離れる。
また、上記定着装置1は、図4に示すように、定着ローラ回転用モータ15と、カムシャフト回転用モータ16と、コントローラ部17と、を備えている。定着ローラ回転用モータ15は、定着ローラ3を回転させるモータである。カムシャフト回転用モータ16は、カムシャフト75を回転させるモータである。
コントローラ部17は、コンピュータなどから構成され、入口センサ9及び出口センサ10からの検知信号からジャムを検知すると共に、上記定着ローラ回転用モータ15及びカムシャフト回転用モータ16を制御する。入口センサ9および出口センサ10は記録媒体2の幅方向に複数設けてもよいし、記録媒体2の搬送方向に複数設けてもよい。また、記録媒体2の有無を検知することを加え、距離センサ(非接触式の超音波センサ等)を用いることで、記録媒体2との距離を取得可能なセンサにより、記録媒体2の姿勢を検知してジャム判定をより精度よく行える。
次に、定着装置1における正常時の定着動作の一例について説明する。
定着装置1において、定着動作の際に、図1に示すように、コントローラ部17からの制御信号に基づいてカムシャフト回転用モータ16が加圧ローラ6を図2に示す加圧位置に配置させる。これに連動して上流側ガイド部材13は、定着ニップNから離れた位置に配置される。
この状態で、コントローラ部17からの制御信号に基づいて定着ローラ回転用モータ15が定着ローラ3を図中時計回り方向に回転駆動する。すると、定着ベルト5が適切なテンションが付与された状態で記録媒体2を排出する方向(図中時計回り方向)に回転移動され、加圧ローラ6及び加熱ローラ4がつれ回りされる。また、定着ベルト5は、加熱ローラ4内外に配置された図示しない発熱部により、所定の温度(例えばトナー定着に適する温度)まで加熱される。
このようにして、定着装置1は、定着ベルト5が回転移動されるとともに加圧ローラ6及び加熱ローラ4が回転され、かつ、定着ベルト5の表面は所定の温度に加熱された状態となる。この状態において、定着ニップNに未定着トナー像Tが形成された記録媒体2が通されると(図中、右側から左側方向への通紙)、定着ニップNにおける加圧及び加熱により未定着トナー像Tが記録媒体2上に熱融着されて、記録媒体2に定着される。そして、トナー像Tが定着された記録媒体2は定着ニップNから排出され、その後、所定の排出経路を通過して定着装置1から送り出される。
次に、定着装置1におけるジャム発生時の定着動作の一例について説明する。
コントローラ部17は、搬送異常検知手段として働き、入口センサ9及び出口センサ10の検知信号に基づき、例えば図1に示すような記録媒体2が定着ベルト5に貼り付いてしまうジャムを検知する。コントローラ部17は、ジャムを検知すると、定着ローラ3の回転を停止させる。その後、コントローラ部17は、カムシャフト回転用モータ16を制御してカムシャフト75を時計周りに回転させ、加圧ローラ6を脱圧位置に配置させる。
これに連動して上流側ガイド部材13は、定着ニップN(位置A)に近づいた位置に配置される。その後、コントローラ部17は、定着駆動手段として働き、定着ローラ3を逆回転させて図中反時計回りに回転させる。すると、記録媒体2が上流側に戻される。このとき、記録媒体2が定着ベルト5に貼り付いていても、上流側ガイド部材13の先端が定着ベルト5に近接した位置Aに位置することにより分離されるため、定着ベルト5に巻き付いたままとなってしまうことはない。
上述した実施形態によれば、定着ニップNよりも上流側に、記録媒体2が上流側に向かって逆搬送されたときに定着ベルト5と記録媒体2との貼り付きを分離する(又は、貼り付きを防止する)上流側ガイド部材13が設けられている。これにより、ジャム発生時に記録媒体2が定着ベルト5へ貼り付いた場合でも定着ベルト5から分離させることができる。
また、上述した実施形態によれば、上流側ガイド部材13が、加圧ローラ接離部7による加圧ローラ6の駆動に連動して、定着ニップNの入口に接離する。詳しくは、上流側ガイド部材13が、脱圧位置に加圧ローラ6を移動したときに、定着ニップNの入口に近づき、加圧位置に加圧ローラ6を移動したときに、定着ニップNの入口から離れる。これにより、ジャム発生時して加圧ローラ6が脱圧位置に配置されると、上流側ガイド部材が定着ニップNの入口に近づいて、記録媒体2が定着ベルト5へ貼り付いた場合でも定着ベルト5から分離させることができる。つまり、記録媒体2の逆転搬送(逆送)時に、上流側ガイド部13が記録媒体2の定着ベルト5からの分離部材としての機能を有する。また、正常搬送時であり加圧ローラ6が加圧位置に配置されているときは、上流側ガイド部材13が定着ニップNの入口に対し、剥離用の位置(位置A)からより離れる方向に移動する。このため、定着ニップN上流側で記録媒体2と上流側ガイド部材13との接触を回避することができ、擦れ画像の防止を行うことができる。
上述した実施形態によれば、定着ローラ3には、加熱ローラ4との間に定着ベルト5が張架され、上流側ガイド部材13が、定着ニップNの上流側の定着ベルト5と略平行に移動する。これにより、定着ベルト5と上流側ガイド部材13とが干渉することなく、上流側ガイド部材13を定着ニップNに接離させることができる。
上述した実施形態によれば、上流側ガイド部材13と、加圧ローラ接離部7と、を連結する複数のカム軸ギヤ141、ラックギヤ142及び第1〜第3アイドラギヤ143a〜143cを備えている。そして、加圧ローラ接離部7の動きが、これらギヤ141、142及び143a〜143cを介して上流側ガイド部材13に伝わり上流側ガイド部材13が連動する。これにより、カムシャフト75を回転させるカムシャフト回転用モータ16とは別のモータを用いて上流側ガイド部材13を移動させる必要がなく、低コストで上流側ガイド部材13の接離動作を可能とする。
上述した実施形態によれば、コントローラ部17は、加圧ローラ6が加圧位置にあるときに正回転させ、加圧ローラ6が脱圧位置にあるときに逆回転させる。これにより、ジャムが発生して脱圧位置になると定着ローラ3が逆転して記録媒体2を定着ニップNの入口に戻すことができる。
上述した実施形態によれば、上流側ガイド部材13の幅が、記録媒体2の最大幅以上に設けられている。これにより、定着ベルト5と記録媒体2との貼り付きをより確実に防止することができる。
上述した実施形態によれば、加圧ローラ接離部7は、搬送異常(ジャム)が検知されると、加圧ローラ6を加圧位置から脱圧位置に動かす。これにより、ジャムを検知したとき記録媒体2を除去しやすくなる。
なお、上述した図1及び図2に示す実施形態では、直線状にギヤが配置されたラックギヤ142に上流側ガイド部材13を取り付けて、定着ベルト5と平行に上流側ガイド部材13を移動させていたが、これに限定されるものではない。例えば、図5及び図6に示すように、ラックギヤ142の代わりに円弧状にギヤが並べられた回転ギヤ144を設けてもよい。
回転ギヤ144は、定着ベルト5から離れる方向に向かって凹となる弧状に設けられている。これにより、加圧ローラ6が脱圧位置に向かって移動すると、図1に示すように、それに連動して上流側ガイド部材13の先端が定着ニップNに近づくと共に、定着ベルト5にも近づく。そして、加圧ローラ6が脱圧位置(=第1の位置)に配置されると、上流側ガイド部材13の先端が定着ベルト5に近づく(位置A;剥離機能を有する位置)。一方、加圧ローラ6が加圧位置に向かって移動すると、図2に示すように、それに連動して上流側ガイド部材13の先端が定着ニップNから離れる方向に移動すると共に、定着ベルト5からも離れる。
このようにすることにより、上述した実施形態と同様に、定着ベルト5と上流側ガイド部材13とが干渉することなく、上流側ガイド部材13を定着ニップNに接離させることができる。
(画像形成装置の実施形態)
以下、本発明の一実施形態の画像形成装置について、図7を参照して説明する。
以下、本発明の一実施形態の画像形成装置について、図7を参照して説明する。
図7は、本発明の一実施形態の画像形成装置であるタンデム型のカラー複写機の構成を示す。
図7に示すように、カラー複写機200は、装置本体中央部に位置する画像形成部200Aと、該画像形成部200Aの下方に位置する給紙部200Bと、画像形成部200Aの上方に位置する図示しない画像読取部とを有する高速機である。また、カラー複写機200は、画像形成部200A及び給紙部200Bの間でかつ画像形成部200Aのシート搬送方向下流側に、上述した定着装置1が組み込まれている。
画像形成部200Aには、水平方向に延びる転写面を有する転写ベルト210が配置されており、該転写ベルト210の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックK)による像を担持可能な像担持体としての感光体205Y,205M,205C,205Kが転写ベルト210の転写面に沿って並置されている。
各感光体205Y,205M,205C,205Kは、それぞれ同じ方向(図中反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されている。例えば、感光体205Yの周りには、回転過程において画像形成処理を実行する光書き込み装置201、帯電装置202Y、現像装置203Y、1次転写装置204Y、及び図示しないクリーニング装置が配置されている。各感光体205M,205C,205Kについても、感光体205Yと同様に、その周囲に各装置が配置されている。
また、各現像装置203Y,203M,203C,203Kには、それぞれのカラートナーが収容されている。転写ベルト210は、駆動ローラと従動ローラに掛け回されて感光体205Y,205M,205C,205Kとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。また、該従動ローラの1つであるローラ211に対向する位置に転写ローラ212が設けられている。また、転写ローラ212から定着装置1までの記録媒体2の搬送経路は略水平方向への搬送となっている。
給紙部200Bは、記録媒体2を積載収容する給紙トレイ220と、該給紙トレイ220内の記録媒体2を最上のものから順に1枚ずつ分離して、転写ローラ212の位置まで搬送する搬送機構221を有している。
カラー複写機200における画像形成に当たっては、感光体205Yの表面が帯電装置202Yにより一様に帯電され、画像読取部からの画像情報に基づいて感光体205Y上に静電潜像が形成される。該静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置203Yによりトナー像Tとして可視像化され、該トナー像Tは所定のバイアスが印加される1次転写装置204Yにより転写ベルト210上に1次転写される。他の感光体205M,205C,205Kでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像Tが転写ベルト210上に静電気力で順に転写されて重ね合わせられる。
つぎに、感光体205Y,205M,205C,205Kから転写ベルト210上に1次転写されたトナー像Tは、転写対向ローラ211、転写ローラ212により搬送されてきた記録媒体2に転写される。トナー像Tが転写された記録媒体2は、さらに定着装置1まで搬送され、定着ベルト5と加圧ローラ6との定着ニップNにて定着が行なわれる。定着ニップNを通過した記録媒体2は、所定の排出経路に沿ってスタッカ213へ送り出される。
以上、本発明について、好ましい実施形態を上げて説明したが、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではない。
上述した実施形態では、ジャムが発生したときに定着装置1が定着ローラ3を逆回転して自動で記録媒体2が上流側に向かって逆搬送するようにしていたが、これに限ったものではない。ユーザにより手動で定着ローラ3を逆回転して記録媒体2が上流側に向かって逆搬送するようにしてもよい。
また、本実施形態では、上流側ガイド部材13が記録媒体2の剥離機能と記録媒体ガイド機能とを一体構成で説明したが、例えば、上流側ガイド部材13に対し、記録媒体搬送方向の上流側に記録媒体ガイド部材13´(図示せず)等を設けた別構成としても構わない。その場合、上流側ガイド部材13に連動して記録媒体ガイド部材13´も移動させる構成とする。
なお、上流側ガイド部材13のみを、記録媒体ガイド部材13´と重ねるように、剥離位置から退避するなどの構成も可能である。これは、上流側ガイド部材13を定着ベルト5の全面を覆うような構成としたとき、図6のように退避させる場合、更に上流側に退避用のスペースが必要となる。このような場合に、上流側ガイド部材13と記録媒体ガイド部材13´のように分けて、一部の構成が重なるように退避するこで省スペース化が可能となる。
また、上述した実施形態のカラー複写機200では、複数の感光体が一列に並べて配置されたれたフルカラーのタンデム型の画像形成装置について説明するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、感光体を1つのみ備えるモノクロの画像形成装置や、リボルバ型の画像形成装置であってもよく、本発明の目的に反しない限り、画像形成部と定着装置1とを少なくとも備えていれば、画像形成装置の構成は任意である。
また、上述した実施形態の定着装置1は、定着ベルト5を用いたものであったが、これに限定されるものではない。定着ベルト5を用いていない定着装置1に適用することも考えられる。
なお、前述した各実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の定着装置及び画像形成装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
1 定着装置
2 記録媒体
3 定着ローラ(定着回転体)
4 加熱ローラ(加熱回転体)
5 定着ベルト(定着回転体)
6 加圧ローラ(加圧回転体)
7 加圧ローラ接離部(加圧回転体接離手段)
13 上流側ガイド部
17 コントローラ部(定着駆動手段、搬送異常検知手段)
141 カム軸ギヤ(連結ギヤ)
142 ラックギヤ(連結ギヤ)
143a〜143c 第1〜第3アイドラギヤ(連結ギヤ)
144 回転ギヤ(連結ギヤ)
N 定着ニップ
T トナー像
2 記録媒体
3 定着ローラ(定着回転体)
4 加熱ローラ(加熱回転体)
5 定着ベルト(定着回転体)
6 加圧ローラ(加圧回転体)
7 加圧ローラ接離部(加圧回転体接離手段)
13 上流側ガイド部
17 コントローラ部(定着駆動手段、搬送異常検知手段)
141 カム軸ギヤ(連結ギヤ)
142 ラックギヤ(連結ギヤ)
143a〜143c 第1〜第3アイドラギヤ(連結ギヤ)
144 回転ギヤ(連結ギヤ)
N 定着ニップ
T トナー像
Claims (9)
- 加熱される定着回転体と、前記定着回転体を押圧する加圧回転体と、前記加圧回転体を駆動して、前記加圧回転体の押圧力を可変にする加圧回転体接離手段と、を備え、前記定着回転体及び前記加圧回転体の間に記録媒体を挟んで搬送することにより、前記記録媒体上のトナー像を定着させる定着装置において、
前記定着回転体及び前記加圧回転体の間に形成される定着ニップよりも上流側に設けられ、前記記録媒体が上流側に向かって逆搬送されたときに前記定着回転体と前記記録媒体との貼り付きを分離する上流側ガイド部材をさらに備えたことを特徴とする定着装置。 - 前記上流側ガイド部材が、前記加圧回転体接離手段による前記加圧回転体の駆動に連動して、前記定着ニップの入口に接離する
ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記上流側ガイド部材が、前記加圧回転体接離手段により前記押圧力が弱い第1の位置に前記加圧回転体を移動したときに、前記定着ニップの入口に近づき、前記押圧力が高い第2の位置に前記加圧回転体を移動したときに、前記定着ニップの入口から離れる
ことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。 - 前記定着回転体又は前記加圧回転体を正逆回転させる定着駆動手段をさらに備え、
前記定着駆動手段は、前記加圧回転体が前記第2の位置にあるときに正回転させ、前記加圧回転体が前記第1の位置にあるときに逆回転させる
ことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。 - 前記定着回転体を加熱する加熱回転体をさらに備え、
前記定着回転体が、定着ローラと、該定着ローラ及び前記加熱回転体に張架された定着ベルトと、から構成され、
前記上流側ガイド部材が、前記定着ニップの上流側の定着ベルトと略平行に移動する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の定着装置。 - 前記定着回転体を加熱する加熱回転体をさらに備え、
前記定着回転体が、定着ローラと、該定着ローラ及び前記加熱回転体に張架された定着ベルトと、から構成され、
前記上流側ガイド部材の先端が、前記加圧回転体接離手段により前記第1の位置に前記加圧回転体を移動したときに、前記定着ベルトに近づき、前記第2の位置に前記加圧回転体を移動したときに、前記定着ベルトから離れる
ことを特徴とする
請求項3又は4に記載の定着装置。 - 前記上流側ガイド部材と、前記加圧回転体接離手段と、を連結する複数の連結ギヤを備え、
前記加圧回転体接離手段の動きが、前記連結ギヤを介して前記上流側ガイド部材に伝わり前記上流側ガイド部材が連動する
ことを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の定着装置。 - 前記上流側ガイド部材の幅が、前記記録媒体の最大幅以上に設けられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の定着装置。
- 記録媒体にトナー像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体に形成されたトナー像を該記録媒体に定着させる請求項1〜8の何れか1項に記載の定着装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013052919A JP2014178532A (ja) | 2013-03-15 | 2013-03-15 | 定着装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013052919A JP2014178532A (ja) | 2013-03-15 | 2013-03-15 | 定着装置及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014178532A true JP2014178532A (ja) | 2014-09-25 |
Family
ID=51698528
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013052919A Pending JP2014178532A (ja) | 2013-03-15 | 2013-03-15 | 定着装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014178532A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9494904B2 (en) | 2014-10-29 | 2016-11-15 | Ricoh Company, Ltd. | Separation device, fixing device, and image forming apparatus |
JP2017181760A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 定着装置およびこれを備える画像形成装置 |
JP2019015889A (ja) * | 2017-07-07 | 2019-01-31 | 株式会社リコー | 定着装置、及び、画像形成装置 |
-
2013
- 2013-03-15 JP JP2013052919A patent/JP2014178532A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9494904B2 (en) | 2014-10-29 | 2016-11-15 | Ricoh Company, Ltd. | Separation device, fixing device, and image forming apparatus |
JP2017181760A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 定着装置およびこれを備える画像形成装置 |
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