JP6413379B2 - 動吸振器、回転体、および画像形成装置 - Google Patents

動吸振器、回転体、および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、複写装置、プリンター等の画像形成装置の回転体である感光体ドラムや転写ベルトの駆動ローラまたは現像ローラなどを速度変動なく安定な速度で駆動させる動吸振器に関する。
画像形成装置における回転体には、回転体を安定して回転させるため、さまざまな工夫がなされている。定特許文献1には、感光体ドラムに起こる振動を転写ドラムに伝えて制振ため、画像形成回転体に形成されたトナー像を、転写ドラムを介して記録媒体に転写するようにした電子写真方式の画像形成装置において、前記転写ドラムは、慣性モーメントを有する慣性体と、バネ性を有する弾性要素と、減衰性を有する減衰要素とを含み、前記弾性要素および減衰要素によって前記慣性体を本体ドラムに取付けることによって動吸振器を構成すると共に、前記慣性体は、転写ドラムを回転自在に支持し該転写ドラム内を遊挿する支持軸に回転自在に支持されるものが記載されている。
また、特許文献2には、回転体に発生する振動現象を、ローラに対して動吸振器を用いることにより、副系として付加した動吸振器が振動エネルギーを散逸することで、主系であるローラやベルトの張力変動を低減させ、色むらやしま模様の画像劣化を低減させて高画質化を図るものが記載されている。
上述した従来のものに使用される動吸振器として、粘弾性材料を使用することがある。この粘弾性材として、例えばオイルを使用したものや、ゴム系材料を使用したものがある。しかし、これらの粘弾性材料は、温度変化によりその粘度が変化する。すなわち低温下では高粘度になり、逆に高温度下では低粘度になる。このため吸振特性に大きな差が出ることになり、その結果、効果を発揮する使用温度領域が限定されることとなる。
また、低温から高温度の広い帯域で粘弾性を維持する材料の確保は現在の技術では困難である。一方、感光体ドラムの使用されるプリンターの装置内部温度は0℃〜40℃の広い範囲にあり、回転変動を最小化して高品位な印刷品質を得るためにはこの範囲内で安定した粘弾性特性を得る必要がある。しかし現実的には、この様な環境下で安定した特性を確保する材料は存在しない。このため、実際の構成と使用にあたっては、所望の特性が得られる環境温度内に使用を限定するとか、温度変化に応じて使用する粘弾性材料の種類を装置に対して付け替えるとかの工夫によるしかない。
本発明は上述の点にかんがみてなされ、低温から高温まで広い温度範囲にわたって所望の動吸収性能を発揮することができる動吸振器、回転体、および画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る動吸振器は、弾性付与部と、粘性付与部と、慣性付与部とを備え、回転体の回転に伴う回転方向の振動を吸収する動吸振器において、前記粘性付与部は、温度帯域により粘弾性特性の異なる複数種の粘弾性付与部材を備え、前記粘性付与部は、複数の粘弾性付与部材を、回転軸の軸心方向に直列に配置して構成したことを特徴とする。
また、本発明に係る動吸振器は、弾性付与部と、粘性付与部と、慣性付与部とを備え、回転体の回転に伴う回転方向の振動を吸収する動吸振器において、前記粘性付与部は、温度帯域により粘弾性特性の異なる複数種の粘弾性付与部材を備え、前記粘性付与部は、複数の粘弾性付与部材を、回転軸の円周方向に配置して構成したことを特徴とする。
本発明によれば、温度帯域により粘弾性特性の異なる複数の材料を組み合わせているので、低温から高温まで広い温度範囲にわたって所望の動吸収性能を発揮することができる。
本発明に係る画像形成装置の実施形態に係る画像形成装置を示す断面図である。 回転体に配置された動吸振器の基本モデルを示すものであり、(a)は模式図、(b)は減衰率ζと粘弾性抵抗C、副慣性m、バネ定数Kの関係を示す式である。 実施形態に係る動吸振器を備えた感光体ドラムの構成を示す断面図である。 複数の粘弾性材料の温度と損失係数との関係を示すグラフである。 同動吸振器の分解図である。 同動吸振器の図5中のA−A線に相当する断面図である。 同動吸振器のばね付与機構を示す平面図である。 同動吸振器の粘弾性ゴム材料を示す模式図である。 回転振動抑制用の粘弾性シリコーンゴムの特性を示す図である。 図9のシリコーンゴム材料を使用した回転型動吸振機器の実施形態の機構的な構成と、装置への取り付け位置を示す図である。 粘弾性部材とディスクの固定方法を示す図である。 粘弾性部材とディスクの他の固定方法を示す図である。
本発明を実施するための形態に係る動吸振器、回転体、および画像形成装置について説明する。
まず、実施形態に係る画像形成装置として、タンデム型間接転写方式の複写装置について説明する。図1は本発明に係る画像形成装置の実施形態に係る画像形成装置を示す断面図である。図中100は複写装置本体、200は給紙テーブル、300はスキャナ、400は原稿自動搬送装置(ADF:Automatic Documents Feeder)を示している。複写装置本体100を給紙テーブル200上に載せ、複写装置本体100上にスキャナ300を取り付け、さらにその上にADF400を取り付けてある。この複写装置本体100は、回転体を備え、記録媒体に画像形成処理を行う。
複写装置本体100には、中央に無端ベルト状の中間転写体10を設けて3つの支持ローラ14、15、16に掛け回し、図中時計回りに回転搬送可能とする。なおこの例では、3つの支持ローラのうちの第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17が配置される。
また、3つの支持ローラのうちの第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15の間に、中間転写体10上に位置するようにタンデム作像装置20が配置される。タンデム作像装置20は、中間転写体10の搬送方向に沿ってイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18を横に並べて配置して構成される。中間転写体10は、対向ローラ62で、各感光体ドラム40に押し付けられている。タンデム作像装置20の上方には、露光装置21が設けてある。また、各画像形成手段18には、各色の現像装置61が配置され、この現像装置61にはトナーを感光体ドラム40に塗布する現像ローラ65が配置されている。
一方、中間転写体10を挟んでタンデム作像装置20の反対側には、2次転写装置22を備えている。2次転写装置22は、2つのローラ23間に無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成してある。22次転写装置22は、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に2次転写ベルト24を押し当てるように配置し、中間転写体10上の画像を転写材であるシートに転写する。
2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25が配置される。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成してある。上述した2次転写装置22は、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能を備える。
なお図示の例では、このような2次転写装置22及び定着装置25の下側に、上述したタンデム作像装置20と平行にして、シートの両面に画像を記録するためにシートを反転させるシート反転装置28を備えている。
このカラー電子写真装置を用いてコピーをとる際の動作を説明する。原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットするか、または原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、図示していないスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動させた後、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動する。これにより、第1走行体33及び第2走行体34を走行させる。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサー36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、図示していないスタートスイッチを押すと、これも図示していない駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転させ、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18で感光体ドラム40を回転させ、各感光体ドラム40上にそれぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
一方、図示していないスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つが選択されて回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出す。さらに、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写装置本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。手差しトレイ51から給紙するときは、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着させた後、切換爪55で切り替えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り替えてシート反転装置28に入れ、そこで反転させて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム作像装置20による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ49は一般的には接地させて使用することが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
次に、実施形態に係る動吸振器について説明する。動吸振器は、上述した画像形成措置の回転体である感光体ドラム40の回転安定化や、現像ローラ65の回転安定化や、中間転写ローラあるいは中間転写ベルトの回転安定化に適用される。
実施形態に係る動吸振器は、回転系の振動成分を動吸振機構に移動させて、振動に伴う回転方向の角加速度の変動を無くして等角速度回転に近づけようとする。まず、同芯同期の原理について説明する。図2は回転体に配置された動吸振器の基本モデルを示すものであり、(a)は模式図、(b)は減衰率ζと、粘弾性抵抗C、副慣性m、バネ定数Kの関係を示す式である。図2中、感光体ドラム40が主慣性Mを備え、その他の部分、すなわち弾性付与部610、粘性付与部620、慣性付与部630が動吸振器500を構成する。この時、動吸振器付加による振動の減衰率ζは図2(b)に示す式のようになり、弾性付与部610のバネ定数(K)、粘性付与部620の粘弾性係数(C)、慣性付与部630の副慣性(m)を選択して変化させることができる。これにより、−5℃〜50℃における動的粘弾性を示すtanδの値が100Hzの周波数加振時に、0.5以上とする。
次に感光体ドラム40に動吸振器500を配置した状態について説明する。図3は実施形態に係る動吸振器を備えた感光体ドラムの構成を示す断面図である。この例では、感光体ドラム40の回転安定化を図っている。この動吸振器500は、回転部として感光体ドラム40と一体で回転し、感光体ドラム40の回転軸41の端部等に取り付けられる。ここで、感光体ドラム40は、モータ531および減速機532で回転駆動され、動吸振器500は、モータ531および減速機532の設置側と反対側に配置される。なお、動吸振器500は、感光体ドラム40の内部に配置することができる。
感光体ドラム40は両端にフランジ40a、40aを備え、軸心に回転軸41を貫通させ、回転軸41を、本体フレーム540に設けた立設部541に配置した軸受542で両端を回転可能に支持する。このとき、感光体ドラム40は、フランジ40aにおいて、固定ピン543で回転軸41に固定されている。
この感光体ドラム40が回転するとき、回転軸41の回転特性を計測すると、おおむね100Hz近傍に回転伝達系の共振周波数が確認された。回転変動の振幅値が大きい位置に相当する。もし、この共振周波数帯に、回転変動成分である、減速器内部の歯車のかみ合い振動周波数が合致すると振動が増幅してさらに大きな回転変動となる。また、この回転軸に回転安定化のFB(フィードバック)制御をするのに必要な回転エンコーダとセンサーが取り付けられている時は、その振動を検出してしまう。このため、制御すべき周波数帯の制御値が不適当な値を導出してしまう結果となるほか、さまざまな問題が発生する。
したがって、この共振周波数帯における振動振幅を最少にするために、回転軸41に動吸振器500を配置し、この動吸振器500に変動成分を移動させることによって、変動振幅量を抑制させる。動吸振器500には、粘弾性付与部材510を備えるものとした。
動吸振器500を構成する要素として、慣性(J)、バネ定数(K)、粘弾性(C)のうち、粘弾性(C)を構成する材料は、一般に温度依存性が高く、それにより特性が大きく変化しやすい。そこで本実施形態では、粘弾性抵抗Cの付与部に異なる粘弾性材料を同時に組み込んで機能するようにした。ここで、粘弾性材料は、100パーセント粘弾性のみで構成される材料はなく、少なからず弾性的要素を含むが、本発明の説明では粘弾性材料とする。これにより、それぞれの温度帯域でも、共振周波数帯における振動ゲインを最小化することができる。
したがって、粘弾性を付与するには、各種の粘弾性材料からなる粘弾性付与部材510を配置する。粘弾性材料としては、例えば制振ゴム、ゲル、オイル、電気粘弾性材料等を採用できる。これらは、異なる温度帯域で最も高い粘弾性が得られるように材料が設定される。
異なる特性の粘弾性材料を組み込む例として、ゴム系材料を使用する例を示す。基材となるSBRゴムをベースに、オイルや樹脂材料を適当な比率で配合して粘弾性特性を調整して作成される。振動吸収用ゴム材料は、一般ゴムであるNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)やSBR(スチレンブタジエンゴム)、EPD(エチレンプロピレンゴム)、11R(ブチレンゴム)等のゴムを主体としている。これらに、オイルやプラスチック等の充填材を適当な分量混ぜて練り合わせ、反発性が低く、損失係数(tanδ)を非常に高い値とする。損失係数(tanδ)は、貯蔵剪断弾性率(G’)と損失剪断弾性率(G”)の比、G”/G’を損失正接(損失係数)と呼び、tanδであらわす。材料が変形する際に材料がどのくらいエネルギーを吸収するか(熱に変わる)を示す。測定は動的粘弾性測定装置で行う。
損失係数(tanδ)が大きいほどエネルギーを吸収し、衝撃緩衝試験では反発弾性率が小さくなり、加振試験においては共振倍率が低くなる。これにより、粘生体内部での粘弾性抵抗により、その内部では振動が熱に変換されて吸収されることになる。その他の粘弾性材料としては、シリコーンを主体とした、ゲル材料を使用することも有効である。
図4は複数の粘弾性材料の温度と損失係数との関係を示すグラフである。感光体ドラムの回転速度変動を抑制するのに効果の大きなゴム材料を各種調査した。その結果、各種温度条件下で損失係数の大きな材料H1、材料H2、材料H3の3種類の材料が選択できた。前記したが、損失係数(tanδ)は材料の粘弾性の大きさを示す代用値となる。
すなわち、これらのデータは、感光体ドラムの回転系の共振周波数帯である100Hz近傍の特性を得るため、動的粘弾性測定装置を使用して測定した。このとき、測定装置に付随した温度設定用オーブンの中の測定試料に100Hzの伸縮加振を与えながら温度可変をして、その時の損失係数(tanδ)を測定した。材料H1、材料H2、材料H3は、それぞれ環境温度に対する特性変化が大きく異なる。
例えば、H1は、温度10℃を中心にtanδ=1.6程度の極めて高い値を得られるが、その温度の前後においては急激にtanδの値が減少している。
同様にH2は、温度21℃を中心にtanδ=2.0程度のこれまた極めて高い値を得られるが、やはりその前後の温度では釣り鐘状に特性が減少する。
H3は0℃の低温から40℃の高温域までの比較的広い範囲で、tanδ=1.0〜0.5の比較的変動の少ない粘弾性値を得ている。これは一般のゴム材料(参考特性として、同図中にSBR:HS40の特性を添付)に比較すれば、十分高いレベルの粘損失係数値である。
ここで、材料H1、材料H2、材料H3、の3種類の特性のゴムをクランパーに並列に同時に取り付けて合成特性を計測すると、図4中の破線に示したようになる。実施形態に係る動吸振器は、損失係数tanδを0.5以上とし、これにより0℃〜40℃の温度領域での必要特性を確保する。
次に動吸振器500の構造について説明する。図5は同動吸振器の分解図、図6は同動吸振器の図5中のA−A線に相当する断面図、図7は同動吸振器の平面図である。動吸振器500は、板ばね502、502で構成される弾性付与部610と、粘弾性付与部材510で構成される粘性付与部620と、慣性体504で構成される慣性付与部630とを備える。
動吸振器500は、回転軸41に固定される固定ディスク501と、この固定ディスク501と同軸に配置される回転ディスク503とを備える。固定ディスク501は、第1突起部501aで回転軸41に回転ネジ522で固定される。この固定はピンにより行うことができる。第1突起部501aには、2枚の板ばね502、502を取付けるスリット501bが形成される。また、固定ディスク501には、爪部材505、506が形成されている。また、固定ディスク501の第2突起部501cには、後述する粘弾性付与部材510の第1回転力伝達孔部621に挿入される固定ディスク突起部501dが形成されている(図7参照)
回転ディスク503は、回転軸41に回転自在に挿入されている。固定ディスク501の外周と、回転ディスク503の内周の間には、ベアリング521が配置される。また、固定ディスク501と回転ディスク503との間には、板ばね502、502および粘弾性付与部材510が配置される。回転ディスク503には、図6に示すように、板ばね502、502を取付けるためのスリット503aが形成される。また、回転ディスク503には、図7に示すように、粘弾性付与部材510を挿入するため粘弾性付与部材挿入穴部503bが形成されている。また、回転ディスク503には、粘弾性付与部材挿入穴部503bの内側に向け、粘弾性付与部材510の第2回転力伝達孔部622に挿入される回転ディスク突起部503cが形成されている。さらに、粘弾性付与部材510を保持する爪部材507が形成されている。
板ばね502、502はその両端を、図6に示すように、固定ディスク501のスリット501bと、回転ディスク503のスリット503aに配置され、ネジ508で固定される。板ばね502は、必要となるバネ定数Kに設定される。
粘弾性付与部材510は、複数種、すなわち3枚の粘弾性付与部材、すなわち第1粘弾性付与部材511、第2粘弾性付与部材512、第3粘弾性付与部材513を回転軸41の軸心方向に重ね合わせて構成されている。これらは、軸方向からみた形状が同一である。すなわち、粘弾性付与部材510は、図7に示すように、略十字形状をなし、その腕部の間に第1回転力伝達孔部621、第2回転力伝達孔部622を交互に形成している。
第1回転力伝達孔部621に固定ディスク突起部501dが、第2回転力伝達孔部622に回転ディスク突起部503cが挿入され、固定ディスク501と回転ディスク503との間で粘弾性抵抗Cが付与される。このとき、爪部材507が、粘弾性付与部材510に接触して、粘弾性付与部材510が粘弾性付与部材挿入穴部503bから外れることを防止する。粘弾性付与部材510を構成する第1粘弾性付与部材511は上述したH1、第2粘弾性付与部材512はH2、第3粘弾性付与部材513はH3で構成される。これにより0℃〜40℃の温度領域での必要特性を確保する。
回転ディスク503には、リング状の慣性体504が接続されている。慣性体504により、副慣性mを付与するようその形状、質量が設定される。
以上の構成により、固定ディスク501側の微妙な正逆転の振動的動作が、板ばね502、502と、粘弾性付与部材510とを介して回転ディスク503側に伝達される。
回転軸41のねじり振動は、極めて微少に正転、逆転方向にサインカーブを描いて(AC的)に発生するので、その振動を、粘弾性をもって抑制する。このため、双方向回転時に同じ粘弾性力が、がたつきなく作用しなければならない。よって回転ディスク503の回転ディスク突起部503cと固定ディスク501の固定ディスク突起部501dとは、アルミ、又はアルミ合金や、銅、鉄又はそれらの焼結金属、又はステンレス等高い剛性の素材で作成される。これらは、高剛性で、高強度なプラスチックで構成しても良い。
固定ディスク突起部501dおよび回転ディスク突起部503cの数は、図7に示した数に限らず、さらに増やしても良い。これは、感光体ドラム40の回転トルクの大きさや振動の大きさ、それと装置サイズによって、設計的に決定する。第1粘弾性付与部材511、第2粘弾性付与部材512、第3粘弾性付与部材513を構成する、各温度で粘弾性の異なる粘弾性ゴムである材料H1、材料H2、材料H3は、それぞれが5〜10mm程度の厚さで事前に成形加工しておく。組み付け時には、これを前記した固定ディスク突起部501dと回転ディスク突起部503cの間に挿入して配置する。
各粘弾性付与部材511、512、513は、回転軸41上に直列的に挿入される。こうした状態で軸の回転振動による微少な正逆動作が行われ状態では、粘弾性付与部材511、512、513の各粘弾性の合成特性を得ることができる。粘弾性ゴム材料を汎用化して用意し、異なる機種に適用させて装着する場合は、例えば材料H1で作成したものを2枚、材料H2で作成したものを2枚、材料H3で作成したものを1枚として組み合わせる等、異なる枚数で特性をえることができる。これにより装置のコストダウンを図ることができる。
実施形態1に係る動吸振器500では、図7に示すように、固定ディスク突起部501dの先端と回転ディスク突起部503cとの間に、若干の隙間dを形成している。これにより、回転振動が、直接的に固定ディスク501から回転ディスク503に伝搬するのを防止することができる。このように固定ディスク501と、回転ディスク503との間に物理的に隙間を設けているが、回転ディスク503は固定ディスク501に対してベアリング521で回転支持されるために隙間量は精度良く確保できる。
弾性付与部610では、固定ディスク501と回転ディスク503間を、固定ディスク501との間を板ばね502、502で接続して、微妙な正逆転の振動的動作を、捩りトルクとして回転ディスク側に伝える。なお、使用するばねは、板ばねに限るものでなく、棒ばねでも良い。本実施形態では、固定ディスク501と、回転ディスク503とには、スリット501b、スリット503aを設けている。これらは、軸と点対象位置に同形状に設けられ、バランスを保持する。このスリット501b、503aに、板ばね502、502の両端を挿入した後、その端部をネジ508で固定する。板ばねは、金属製あるいは高剛性の樹脂材料を素材とすることができる。板厚、巾などの違うものを交換的に設定することで、捩りトルク値の調整できる。
回転ディスク503は、がたつき無く高精度に固定ディスク501と同軸上に回転支持されなければならない。このため、固定ディスク501と回転ディスク503との間にボールベアリング等のベアリング521を設け、これを介して両者が同軸上で自在に回転可能とした。回転摩擦抵抗が発生させず、かつ両者の間に、がたつきが発生しなければ、滑り軸受けでもよい。これにより、微少な回転振動も回転ディスク側に伝搬させることができる。微振動によるねじり変動を問題とする時や、温度的安定性を得る場合は、摩擦の影響なく忠実に伝達させるためにボールベアリング用いることができる。金属ボールやハウジングを使用しない、樹脂製のボールベアリングを使用することができる。比較的大きな回転振動があり大きなトルク変動がある場合には、フッ素樹脂やPOMなどによる樹脂製の滑り軸受けを使用できる。
次に慣性付与部630ついて説明する。慣性体504は、回転ディスク503に形成されたフランジ部503dにネジ509で取付けられる。回転ディスク503は環状の部材である。回転時の偏心によるブレが発生しないように慣性体504の内周面を回転ディスク503の外周面に密着させ、良好な回転バランスを保持する。
慣性体504の外形を変更することで、慣性力を細かく変更することができる。さらに大きな変化を与える時は、複数枚を重ね合わせてはめこんでねじで固定するか、あるいは使用する材料の比重(密度)を変えて構成する。例えば、鉄系かステンレス系かアルミ系を選択する。これは、駆動対象とする装置によって選択すればよい。
<実施形態2>
次に本発明に係る動吸振器の実施形態2に係るものについて説明する。この例は、実施形態1に係る動吸振器と、粘性付与部620の構成が異なる。弾性付与部610、慣性付与部630は実施形態1の動吸振器と同一である。以下粘性付与部620について説明する。図8は本発明に係る動吸振器の実施形態2に係る動吸振器の粘弾性ゴム材料を示す模式図である。粘弾性付与部材510Aは、円周方向に異なる材料H1、材料H2、材料H3、材料H4で構成した突出部514、515、516、517を備えて構成される。ここで、材料H1、材料H2、材料H3は、上述の特性を備え、材料H4は、さらに高温での損失係数が高いものとする。
突出部514、515、516、517は、円周方向に順次配置し、5〜20mm程度の厚さで事前に成形加工される。厚さ(回転軸41方向の寸法)は、それぞれが同一とすることができるし、異ならせることもできる。これは対象となる感光体ドラムの回転トルクと振動特性に合わせて最適に設定される。
組み付け時には、粘弾性付与部材510Aを固定ディスク501と回転ディスク503の、固定ディスク突起部501d、回転ディスク突起部503cの間に各突出部514、515、516、517が配置する。これによって回転駆動させることで、所望の材料H1、材料H2、材料H3、材料H4の各粘弾性の合成特性を得ることができる。
また、ゴムの成形時に、それぞれ異なる材料H1、材料H2、材料H3、材料H4の材料部を連結する様に内周近傍を成形しておけば、装置への組み込み間違いがなく、簡単に組み込みを行なうことができる。
<実施形態3>
5°C〜45°Cの装置使用環境温度より、十分広い温度領域において安定な粘弾性特性(tanδ)を有する材料として、シリコーン材料をベースとしたゴムやゲル材料がある。本実施形態は、これらの材料を、動吸振器を構成する粘弾性付与部材に用いる。このような粘弾体を用いて回転型動吸振器を構成するとき、これらの材料は一般に接着剤や両面テープなどを用いることによって入力側ディスクと出力側ディスク間に固定される。しかし、いずれの方法も、シリコーン系ゴムやエラストマー、ゲルの材料に対しては不適である。十分な強度が得られないことや、使用環境温度、あるいは経時劣化などで接着特性が変化するという、極めて大きな問題がある。シランカップリング系接着剤もあるが不十分である。これを、機械的な締結で簡単かつ確実に行えるようにする。
本実施形態3は、回転系の振動成分を動吸振機構に移動させて、振動に伴う回転速度の変動を無くして等角速度回転に近づけようとするものである。例えば電子写真方式の感光体ドラムの回転安定化や、現像器スリーブの回転安定化や、中間転写ローラあるいは中間転写ベルトの回転安定化に適用される。
この時、動吸振器付加による振動の減衰率ζは、図2に示す数式のようになり、粘性係数C、副慣性m、バネ定数Kの選択で変化させることが可能である。回転型動吸振器を構成する要素J、K、Cのうち、粘性Cを構成する材料は、現在の技術では一般に温度依存性が高く、それにより特性が大きく変化しやすい。
そこで本実施形態では、粘性抵抗の付与部に異なる粘弾性材料(100パーセント粘性のみで構成される材料はなく、ゴム材料などは少なからず弾性的要素を含み粘性的要素とともに複合的に構成される。本実施形態の説明では、粘弾性材料として記載する。)を調査した結果、シリコーンをベースとして粘弾性特性を向上させたシリコーンゴム、エラストマーやゲルを、回転型動吸振器に組み込むことで、広い温度環境下でも安定した振動抑制性能を得ることができることを確認した。すなわち、温度的に安定なシリコーンを母剤とする粘弾性体で構成することで、広い使用環境温度下で振動ゲインを低下させることが可能となる。他の粘弾性材料では、各温度領域での振動吸収特性が大きく変化したので効果が限定されたが、この材料を用いることにより安定した特性が得られる。従来は、例えばゴムとしての一般的シリコーンゴムは弾性に富んだ材料を用いており、振動吸収材料としての吸収性能は低かった。しかし前記のように材料を選択することにより、この振動吸収性能が大幅に向上し得る。
図9は、本実施形態の回転型動吸振器を構成する上で使用する、回転振動抑制用の粘弾性シリコーンゴム(名称:防振用シリコーンゴム、商品番号:KE5560、信越化学工業株式会社製)の特性を示す図である。この場合、使用する装置の内部環境温度が5°C〜45°Cほどに変化するため、この温度下で安定した同じ運転特性を得なければならない。選択した防振用シリコーンゴムKE5560は、5°C〜45°Cの範囲において、振動吸収能力を示すtanδ値が、温度変化による影響をほとんど受けず、僅か0.05以下の変動である。ここで、G1=貯蔵弾性係数、G2=損失弾性係数とする時、損失係数tanδ=G1/G2であらわされる係数でtanδ値が大きいほど大きな振動吸収能力を発揮する。
この振動抑制用の粘弾性シリコーンは、上述のようなゴム材質によって実現できる。他の応用形態としてはゲル状にしたり、ゴムとプラスチックの中間的な特性としてエラストマー状にしたものも同ように振動抑制用として高いtanδ値を得ることができる。したたって、対象とする回転体の振動ゲインに合わせて選択的に材料選定して、本発明の回転型動吸振器に組み込むことができる。
上述したシリコーンゴム材料を例に、これを使用した、回転型動吸振機器の機構的な構成と、装置への取り付け位置を図10に示す。感光体ドラムの回転安定化に適用するのを例にした。中間転写ベルトを駆動する駆動ローラに取り付けて回転振動を吸収する場合も同様の形態である。
まず感光体ドラム40は両端にフランジ40aを備えており、その軸心に回転軸41を貫通させた後に、本体フレーム540に設けた軸受542で両端を支持して回転させる。さらに回転ドラムである感光体ドラム40は、一方のフランジ40aにおいて(両方のフランジ40aでも良い)、固定ピン543によって回転軸41と一体に固定してある。回転駆動にはモータ531が用いられ、その回転は減速機532を介して減速させた後に、感光体ドラム40に伝えられる。図中560は上述してきた要素を搭載するベースである。
この様な構成で感光体ドラム40の回転駆動を行う時、その回転軸41の回転特性を計測すると、概ね100Hz近傍に回転伝達系の共振周波数が確認される。この周波数帯では共振により、回転変動の振幅値が大きくなる。
もし仮に、この共振周波数帯に、回転変動成分である、減速機532内部の歯車の噛み合い振動周波数が合致すると、振動が増幅してさらに大きな回転変動となる問題が生じ得る。あるいは、回転軸41に回転安定化のFB(フィードバック)制御をするのに必要な回転エンコーダとセンサーが取り付けられている時は、その振動を検出してしまう。すると、制御すべき周波数帯の制御値が不適当な値を導出してしまう結果となり得るなど、さまざまな問題が発生する。
この共振周波数帯における振動振幅を最少にするために、回転軸に本実施形態に係る回転型動吸振機構を結合させて、この動吸振機構部分に、回転の変動成分を移動させることによって、変動振幅量を抑制させることができる。
本実施形態の回転型動吸振器500は、感光体ドラム40を支持して一体に回転する回転軸41によって、従動的に回転するように、回転軸41の端部に取り付ける。その位置は、モータ531及び減速機532の配置部位よりも図中左側の端部に装着される。すなわち図示の実施形態では感光体ドラム40を挟んでモータ531、減速機532とは回転軸41の反対側に位置させている。
回転型動吸振器500を構成する固定ディスク501は、回転軸41に対して固定ネジ519で固定してある。この固定ディスク501に回転軸41の軸線方向で対向する位置に回転ディスク503が設けてあり、これらの間を粘弾性付与部材(粘弾性材料をであるシリコーンゴム)510で結合する。シリコーンゴムは円筒状であり、その内径の両端部が、固定ディスク501と回転ディスク503の位置決め部(例えば爪部材505)に嵌合し、それぞれに同心的に結合固定されて回転する。そして円筒状の拘束されていない部分の捩れにより吸振作用が働く。結合固定部の形態に関しては後述する。
回転ディスク503には回転軸41との間にベアリング521を介在させ、回転抵抗が最少になるように回転支持する。そして回転の同心状に、図1に示した副慣性mに相当するリング状の慣性体504を、偏芯なく同心状にネジ509で取り付ける。
以上でシリコーンゴムを粘弾性付与部材として使用した回転型動吸振器が構成される。
動吸振器としての最適化を行なう上で、もし、図2に示したバネ定数Kに相当する能力が低い場合は、弾性付与部材610aを設ける。図10に示した実施形態では、バネ用棒材を弾性付与部材610aとして固定ディスク501と回転ディスク503に差し込み、抜け止めの意味で固定ディスク501側をネジ508で固定している。弾性付与部材610aは回転軸41と平行にかつ線対象的に設けてあり、これが捩りバネ的にトルクを発生して作用する。バネの形状としては棒ばねではなく、板ばねを採用しても良い。
ところで、シリコーン系材料は一般的には、同じ材料同士、あるいは金属やプラスチック材料に対して接着しにくい。シランカップリングの様な特殊な接着剤を使用する接着方法も存在するが、材料が高価である。また接着強度面からも動吸振器を構成する上で十分ではない。接着対象となるディスク表面の材料条件や表面粗さ精度などによって接着力はさらに低下する。もし、この接着部における耐ねじりトルクが他の材料部より低い場合は、正しい特性が得られないことになるので確実な結合をしなければならない。
同じく図10に、本実施形態の締結部の形態を示した。本実施形態における結合固定の方法は、円筒状の粘弾性付与部材510であるシリコーンゴムの両端部外周に、それとほぼ近似の径で作った薄板金属又は樹脂による固定バンド522aを被せ、その開放端である合わせ部をネジ522bで締め付ける。これを固定ディスク501側と回転ディスク503側にて行うことで両者はガタツキなく確実に連結される。
回転軸41のねじり振動は、極めて微少に正転、逆転方向に交流的に発生するので、その振動を粘性をもってエネルギー消費し、抑制することが本構成の狙いである。したがって双方向回転時に同じ粘性力がガタなく作用しなければならないので、ここでの結合は重要である。
以上で粘弾性付与部材510の両端が拘束され、他の拘束されない開放部において、両ディスク501、503の異なる回転方向での微少回転を受けて捩り動作が行われる。これで、固定ディスク501側の微妙な正逆転の振動的動作が、粘性部材(粘弾性付与部材510)とバネ部材(弾性付与部材610a)を介して回転ディスク503側に伝わるようになる。
図10で、接着が困難な粘弾性付与部材510と、固定ディスク501及び回転ディスク503との一体化固定を両端部の締結によって行なう方法を示した。さらに簡単で確実な方法として、粘弾性付与部材510と両ディスク501、503に凹凸形状を形成してこれによって嵌合的に行なう方法を説明する。
図11は、円柱又は円筒形状に成形された粘弾性付与部材510の両端に、三角歯等の凹凸形状をした噛み合い用の嵌合部を各々設けた例を示す図である。嵌合部は三角歯噛み合いだけでなく、矩形歯噛み合いでも半月歯噛み合いでも良い。また他の噛み合いでもよい。これらの形状は、成形加工により任意の形状に作ることができる。図11(B)は、粘弾性付与部材510の断面図である。
図12は、同心状にかつ等間隔に凹凸の関係を形成し、固定ディスクと回転ディスク間に挟みこんで形成したものである。円柱歯噛み合い、半月歯噛み合いがあり、これらも同様の成形加工によって容易に作ることができる。図12(B)は、粘弾性付与部材510の断面図である。
粘弾性付与部材510は、回転軸41に固定された固定ディスク501に対して若干のスラスト力を働かせつつ、多少のガタツキも生じないように、かつ変形されつつ、両ディスク501、503の間に挟み込まれるように構成する必要がある。そのために、回転軸41の左端にはネジ加工を施し、組み付けの最後にスラスト規制部材550をはめ込む。スラスト規制部材550の端部は、スラスト規制部材550が回転の抵抗にならないよう、回転ディスク503の回転中心に圧入されたボールベアリングの内輪部に接触して、右方向に移動付勢してある。これで両ディスク501、503間の距離が縮まり、一定の力が付与されてガタ分が吸収される。その後緩みが発生しないようにナットの部分をネジ551で締め付け固定する。これにより、付与力を一定にすることで、組付け時のばらつきを押さえることができ、粘弾性付与部材510の安定した変形動作を得ることができる。
なお上述した実施形態は回転体である感光体ドラムの回転安定化に係るものであるが、本発明は現像ローラの回転安定化や、中間転写ローラあるいは中間転写ベルトの回転安定化に適用され得る。その他、スキャナを構成する読み取りセンサーやミラーを駆動する軸の回転振動抑制(回転角速度安定化)にも使用可能である。
そして、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
10 :中間転写体
18 :画像形成手段
20 :タンデム作像装置
21 :露光装置
22 :2次転写装置
25 :定着装置
28 :シート反転装置
30 :原稿台
40 :感光体ドラム
41 :回転軸
61 :現像装置
100 :複写装置本体
200 :給紙テーブル
300 :スキャナ
400 :原稿自動搬送装置
500 :回転型動吸振器
501 :固定ディスク
503 :回転ディスク
504 :慣性体
505 :位置決め部
510 :粘弾性付与部材
519 :固定ネジ
521 :ベアリング
522a :固定バンド
531 :モータ
532 :減速機
540 :本体フレーム
542 :軸受
543 :固定ピン
550 :スラスト規制部材
551 :ネジ
610a :弾性付与部材
特許3492499号公報 特開2008−076499公報

Claims (5)

  1. 弾性付与部と、粘性付与部と、慣性付与部とを備え、回転体の回転に伴う回転方向の振動を吸収する動吸振器において、
    前記粘性付与部は、温度帯域により粘弾性特性の異なる複数種の粘弾性付与部材を備え
    前記粘性付与部は、複数の粘弾性付与部材を、回転軸の軸心方向に直列に配置して構成したことを特徴とする動吸振器。
  2. 弾性付与部と、粘性付与部と、慣性付与部とを備え、回転体の回転に伴う回転方向の振動を吸収する動吸振器において、
    前記粘性付与部は、温度帯域により粘弾性特性の異なる複数種の粘弾性付与部材を備え、
    前記粘性付与部は、複数の粘弾性付与部材を、回転軸の円周方向に配置して構成したことを特徴とする動吸振器。
  3. 前記粘弾性付与部材はゴム系材料で構成され、−5℃〜50℃における動的粘弾性を示すtanδの値が100Hzの周波数加振時に、0.5以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の動吸振器。
  4. 回転駆動される回転部と、前記回転部と同期して回転する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の動吸振器とを備えることを特徴とする回転体。
  5. 請求項4に記載の回転体を備え、記録媒体に画像形成処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
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