JP6413153B2 - フェライト粉、樹脂組成物および成形体 - Google Patents

フェライト粉、樹脂組成物および成形体 Download PDF

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Description

本発明は、フェライト粉、樹脂組成物および成形体に関する。
例えば、食品の製造現場においては、異物混入の問題がある。異物混入の問題が生じると、大きな社会問題となり、消費者等に多大な不安を与えるとともに、食品の製造業者、加工業者等にも大きな打撃を与える。
異物混入を防止するために金属探知機を導入し、出荷前の商品について検査を行う機会が増えてきている。
しかしながら、金属探知機では、一般のプラスチック材料等を検知することができないため、製造時に用いられる包装材等の道具等が由来の異物が混入したとしても、検出することができなかった。
このような問題を解消する目的で、鉄等の金属で構成された金属探知材を含む作業手袋が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、このような技術では、異物として混入した場合でも、金属探知機で検出されない場合があった。また、金属は、酸化反応等の化学反応を受けることによる経時変化により、金属探知機で探知されなくなる場合があった。
特開2009−120974号公報
本発明の目的は、金属探知機で安定的に検出することができる成形体を提供すること、また、前記成形体の製造に好適に用いることのできるフェライト粉および樹脂組成物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のフェライト粉は、金属探知機で検知することを目的とするフェライト粉であって、ハードフェライト粒子を含み、
10K・1000/4πA/mの磁場をかけたときのVSM測定による保磁力が274kA/m以上285kA/m以下であり、かつ、
10K・1000/4πA/mの磁場をかけたときのVSM測定による残留磁化が33.4A・m /kg以上35.7A・m /kg以下であることを特徴とする。
本発明のフェライト粉では、Srを7.8質量%以上9.0質量%以下、Feを61.0質量%以上65.0質量%以下、含有するハードフェライト粒子を含むことが好ましい。
本発明のフェライト粉では、フェライト粉の構成粒子の体積平均粒径が0.1μm以上100μm以下であることが好ましい。
本発明のフェライト粉では、前記ハードフェライト粒子に加えて、さらに、Mnを6.0質量%以上20.0質量%以下、Feを50.0質量%以上66.0質量%以下、含有するソフトフェライト粒子を含むことが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、本発明のフェライト粉と、
樹脂材料とを含むことを特徴とする。
本発明の樹脂組成物では、前記樹脂材料中に、前記フェライト粉が分散して存在していることが好ましい。
本発明の樹脂組成物では、樹脂組成物中における前記フェライト粉の含有率が5.0質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物では、前記樹脂材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール(PVA)、フッ素系樹脂、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂およびシリコーン樹脂よりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであることが好ましい。
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を用いて形成された部位を有することを特徴とする。
本発明の成形体では、前記フェライト粉の含有率が2.0質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
本発明の成形体は、食品の製造、加工、包装現場で用いられるものであることが好ましい。
本発明の成形体は、調理器具類、調理用具類、食品包装部材の一部もしくは全部に使用されるものであることが好ましい。
本発明の成形体は、表面から厚さ方向に1.0mm以内の領域に前記フェライト粉を含むものであることが好ましい。
本発明によれば、金属探知機で安定的に検出することができる成形体を提供すること、また、前記成形体の製造に好適に用いることのできるフェライト粉および樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする。
《フェライト粉》
まず、本発明のフェライト粉について説明する。
本発明のフェライト粉は、ハードフェライト粒子を複数個含むことを特徴とする。
これにより、フェライト粉や当該フェライト粉を含む成形体の金属探知機による検出のされやすさを優れたものとすることができ、フェライト粉や成形体を金属探知機で好適に検知することができる。したがって、例えば、本発明のフェライト粉や、当該フェライト粉を含む成形体の少なくとも一部が、誤って食品等の製品中等に混入した場合等に、金属探知機により好適に検知することができ、当該製品が外部に流通すること等を効果的に防止することができる。
また、上記のようなフェライト粉は、酸化物を主成分とするものであり、化学的に安定で、耐腐食性、耐薬品性に優れている。したがって、金属探知機による検出の安定性に優れている。特に、金属材料で構成された金属探知材を適用した場合には、酸化反応等の経時変化により、金属探知機による検出が困難になる可能性があるが、上記のようなフェライト粉では、様々な環境に曝された場合であっても、金属探知機による検出の安定性に優れている。また、上記のようなフェライト粉は、人体に対する安全性にも優れている。
また、本発明のフェライト粉は、例えば、Ba系フェライト等で構成された粒子を含むものであってもよいが、Srを7.8質量%以上9.0質量%以下、Feを61.0質量%以上65.0質量%以下、含有するハードフェライト粒子を複数個含むものであるのが好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
これに対し、ハードフェライト粒子中におけるSrの含有率が7.8質量%未満であると、Feの量が過剰となり、粒子中に比較的多くのFeが含まれることとなり、磁化が低下し、フェライト粉や当該フェライト粉を含む成形体の金属探知機による検出が困難となる可能性がある。
また、ハードフェライト粒子中におけるSrの含有率が9.0質量%を超えると、Srの量が過剰となり、粒子中に比較的多くのSrOが含まれることとなったり、Srフェライト以外のSr−Fe酸化物が含まれることとなり、磁化が低下し、フェライト粉や当該フェライト粉を含む成形体の金属探知機による検出が困難となる可能性がある。
また、ハードフェライト粒子中におけるFeの含有率が61.0質量%未満であると
、Srの量が過剰となり、粒子中に比較的多くのSrOが含まれることとなったり、Srフェライト以外のSr−Fe酸化物が含まれることとなり、磁化が低下し、フェライト粉や当該フェライト粉を含む成形体の金属探知機による検出が困難となる可能性がある。
また、ハードフェライト粒子中におけるFeの含有率が65.0質量%を超えると、Feの量が過剰となり、粒子中に比較的多くのFeが含まれることとなり、磁化が低下し、フェライト粉や当該フェライト粉を含む成形体の金属探知機による検出が困難となる可能性がある。
また、上記のようなハードフェライト粒子の代わりに、ソフトフェライト粒子を用いた場合、例えば、電子レンジ等によるマイクロ波による加熱を行う際にフェライト粉が発熱し、樹脂を溶融させる等の問題が生じる。
上記のように、ハードフェライト粒子中におけるSrの含有率は、7.8質量%以上9.0質量%以下であるのが好ましいが、7.9質量%以上8.9質量%以下であるのがより好ましく、8.0質量%以上8.8質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
また、ハードフェライト粒子中におけるFeの含有率は、61.0質量%以上65.0質量%以下であるのが好ましいが、61.1質量%以上64.9質量%以下であるのがより好ましく、61.2質量%以上64.8質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
フェライト粒子を構成する金属元素(Fe、Sr等)の含有量は、以下のようにして測定することができる。
すなわち、フェライト粒子:0.2gを秤量し、純水:60mlに1Nの塩酸:20mlおよび1Nの硝酸:20mlを加えたものを加熱し、フェライト粒子を完全溶解させた水溶液を準備し、ICP分析装置(例えば、島津製作所製、ICPS−1000IV)を用いた測定を行うことにより、金属元素の含有量を求めることができる。
上記のようなハードフェライト粒子を構成するハードフェライトは、Fe、Sr、O以外の成分(元素)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、Ti、Si、Cl、Ca、Al等が挙げられる。
ただし、上記のようなハードフェライト粒子を構成するハードフェライト中に含まれるFe、Sr、O以外の成分(元素)の含有率は、1.0質量%以下であるのが好ましい。
また、ハードフェライト粒子は、ハードフェライト以外の成分を含むものであってもよい。
ただし、ハードフェライト粒子中に含まれるハードフェライト以外の成分の含有率は、1.0質量%以下であるのが好ましい。
フェライト粉の構成粒子の体積平均粒径は、特に限定されないが、0.1μm以上100μm以下であるのが好ましく、0.2μm以上80μm以下であるのがより好ましい。
これにより、フェライト粉の樹脂材料に対する分散性を優れたものとすることができ、フェライト粉と樹脂材料とを含む樹脂組成物の製造をより好適に行うことができる。また、当該樹脂組成物を用いて製造される成形体の強度、表面性状、信頼性をより優れたものとすることができる。また、樹脂組成物を用いた成形体の製造をより安定的に行うことができる。また、成形体の色調の調整をより好適に行うことができる。
これに対し、フェライト粉の構成粒子の体積平均粒径が前記下限値未満であると、樹脂組成物の製造に用いるフェライト粉の量等によっては、後述する樹脂組成物の製造時に、樹脂材料にフェライト粉を分散させるのに時間がかかったり、凝集体のまま分散するため好ましくない。また、粒径が小さくなることでフェライトの着色力が強くなり、黒・グレー・茶色以外の色を付ける場合にくすんだ色になりやすいため好ましくない。
また、フェライト粉の構成粒子の体積平均粒径が前記上限値を超えると、樹脂組成物の製造に用いるフェライト粉の量等によっては、樹脂組成物を用いて製造する成形体の形状や大きさ等にもよるが、成形体としたときの成形体の強度や表面性(仕上がり)が低下する可能性があり好ましくない。また、例えば、成形体の製造方法としてインジェクション成形法を採用する場合に、インジェクションの経路を樹脂組成物が閉塞させる可能性があるため好ましくない。
また、フェライト粉の構成粒子の体積平均粒径は、例えば、フェライト粉を用いて製造する成形体の形状・大きさ等によって選択され、より具体的には、フィルム・シート状の成形体の製造に用いる場合には、フェライト粉の構成粒子の体積平均粒径は、10μm以下であるのが好ましい。
また、成形体の製造において、フェライト粉以外に、フィラーを用いて着色を行う場合には、フェライト粉の体積平均粒径は、5μm以上であるのが好ましい。
これにより、着色時にフェライト粉の色味の影響を最小限に抑えることができる。
体積平均粒径は、例えば、以下のような測定により求めることができる。すなわち、まず、試料としてのフェライト粉:10gと水:80mlを100mlのビーカーに入れ、分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)を2〜3滴添加する。次いで、超音波ホモジナイザー(例えば、SMT.Co.LTD.製UH−150型等)を用い分散を行う。超音波ホモジナイザーとして、SMT.Co.LTD.製UH−150型を用いる場合には、例えば、出力レベル4に設定し、20秒間分散を行ってもよい。その後、ビーカー表面にできた泡を取り除き、マイクロトラック粒度分析計(例えば、日機装株式会社製、Model9320−X100等)に導入し、測定を行うことができる。
また、本発明のフェライト粉は、上述したようなハードフェライト粒子に加え、他の粒子を含むものであってもよい。例えば、上述したようなハードフェライト粒子に加え、上述したような条件を満足しないハードフェライト粒子を含むものであってもよいし、ソフトフェライト粒子を含むものであってもよい。
フェライト粉末を構成する粒子は、表面処理が施されたものであってもよい。
粒子の表面処理に用いる表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、リン酸系化合物、カルボン酸、フッ素系化合物等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、シリル基および炭化水素基を有するシラン化合物を用いることができる。
リン酸系化合物としては、例えば、ラウリルリン酸エステル、ラウリル−2リン酸エステル、ステアレス−2リン酸、2−(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸のリン酸エステル等を挙げることができる。
カルボン酸としては、例えば、炭化水素基と、カルボキシル基とを有する化合物(脂肪酸)を用いることができる。このような化合物の具体例としては、デカン酸、テトラデカン酸、オクタデカン酸、cis−9−オクタデセン酸等を挙げることができる。
フッ素系化合物としては、例えば、上述したようなシランカップリング剤、リン酸系化合物、カルボン酸が有する水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された構造を有する化合物(フッ素系シラン化合物、フッ素系リン酸化合物、フッ素置換脂肪酸)等が挙げられる。
10K・1000/4πA/mの磁場をかけたときのVSM測定によるフェライト粉の残留磁化は、25A・m/kg以上40A・m/kg以下であるのが好ましく、27A・m/kg以上38A・m/kg以下であるのがより好ましい。
これにより、フェライト粉を用いて製造される成形体の金属探知機による検出のされやすさをより優れたものとしつつ、成形体の靭性、強度等をより優れたものとすることができる。また、成形体の生産コストを抑制する上でも有利である。
これに対し、残留磁化が前記下限値未満であると、フェライト粉を用いて製造される成形体中のフェライト粉の含有率を高くしないと、成形体の金属探知機による検出のされやすさを十分に優れたものとすることが困難である。また、金属探知機による検出のされやすさを十分なものとするために成形体中におけるフェライト粉の含有率を高めると、成形体の靭性、強度が低下し易くなる。
また、残留磁化が前記上限値を超えるものとすると、その磁気特性を実現するために、フェライト粉の組成の調整等が複雑となり、安定して優れた特性を得ることも困難となる。また、残留磁化が前記上限値を超えても、実用的には、フェライト粉や当該フェライト粉を含む成形体の金属探知機による検出のされやすさのさらなる向上が望めない。
10K・1000/4πA/mの磁場をかけたときのVSM測定によるフェライト粉の飽和磁化は、45A・m/kg以上70A・m/kg以下であるのが好ましく、47A・m/kg以上65A・m/kg以下であるのがより好ましい。
これにより、フェライト粉を用いて製造される成形体の金属探知機による検出のされやすさをより優れたものとしつつ、成形体の靭性、強度等をより優れたものとすることができる。また、成形体の生産コストを抑制する上でも有利である。
これに対し、飽和磁化が前記下限値未満であると、フェライト粉を用いて製造される成形体中のフェライト粉の含有率を高くしないと、金属探知機による検出のされやすさを十分に優れたものとすることが困難である。また、金属探知機による検出のされやすさを十分なものとするために成形体中におけるフェライト粉の含有率を高めると、成形体の靭性、強度が低下し易くなる。
また、飽和磁化が前記上限値を超えるものとすると、その磁気特性を実現するために、フェライト粉の組成の調整等が複雑となり、安定して優れた特性を得ることも困難となる。また、飽和磁化が前記上限値を超えても、実用的には、フェライト粉や当該フェライト粉を含む成形体の金属探知機による検出のされやすさのさらなる向上が望めない。
10K・1000/4πA/mの磁場をかけたときのVSM測定によるフェライト粉の保磁力は、39.7kA/m以上320kA/m以下であるのが好ましく、55kA/m以上280kA/m以下であるのがより好ましい。
これにより、フェライト粉を用いて製造される成形体の金属探知機による検出のされやすさをより優れたものとすることができる。また、成形体の生産コストを抑制することができる。
これに対し、保磁力が前記下限値未満であると、本発明のフェライト粉を用いて製造された成形体を着磁した場合に、十分な着磁ができず、成形体の金属探知機による検出のされやすさが低下する可能性があるため好ましくない。
また、保磁力が前記上限値を超えるものとすると、その磁気特性を実現するために、フェライト粉の組成の調整等が複雑となり、安定して優れた特性を得ることも困難となる。また、保磁力が前記上限値を超えても、実用的には、フェライト粉や当該フェライト粉を含む成形体の金属探知機による検出のされやすさのさらなる向上が望めない。
なお、上記磁気特性は、例えば、以下のようにして求めることができる。すなわち、まず、内径5mm、高さ2mmのセルにフェライト粉を詰めて振動試料型磁気測定装置にセットする。次に、印加磁場を加え、10K・1000/4π・A/mまで掃引し、次いで、印加磁場を減少させ、ヒステリシスカーブを作製する。このカーブのデータより飽和磁化、残留磁化および保磁力を求めることができる。振動試料型磁気測定装置としては、例えば、VSM−C7−10A(東英工業社製)等を用いることができる。
本発明のフェライト粉は、いかなる方法で製造してもよいが、例えば、以下に述べるような方法により、好適に製造することができる。
すなわち、まず、原料としてFeおよびSrCOを乾式混合する。
乾式混合は、例えば、ヘンシェルミキサー等を用い、1分以上、好ましくは3分以上60分以下の時間混合して造粒する。
その後、このようにして得られた造粒物を焼成する。
造粒物の焼成は、例えば、固定式電気炉等を用いて行うことができる。
焼成条件は、特に限定されないが、例えば、大気中、温度:1050℃以上1250℃以下、焼成時間:2時間以上8時間以下(ピーク)とすることができる。
その後、焼成によって得られた焼成物をビーズミル等により湿式粉砕し、洗浄、脱水、乾燥後、熱処理を施す。
当該熱処理の条件は、特に限定されないが、例えば、温度:750℃以上1050℃以下、加熱時間:0.1時間以上2時間以下とすることができる。
また、フェライト粉が、前述したようなハードフェライト粒子に加え、他の粒子を含むものである場合、上記のようにして得られた複数個のハードフェライト粒子を含む粉末と、他の粒子とを混合することにより、目的とするフェライト粉を得ることができる。
《樹脂組成物》
次に、本発明の樹脂組成物について説明する。
本発明の樹脂組成物は、前述したような本発明のフェライト粉と、樹脂材料とを含むものである。
これにより、金属探知機による検出のされやすさ、検出の安定性に優れる成形体の製造に好適に用いることのできる樹脂組成物を提供することができる。
本発明の樹脂組成物において、フェライト粉は、いかなる形態で含まれていてもよいが、樹脂材料中に分散して存在しているのが好ましい。
これにより、樹脂組成物の取扱いのし易さが優れたものとなり、後に詳述する成形体の成形をより好適に行うことができる。また、成形体の各部位におけるフェライト粉の含有率の不本意なばらつきの発生を効果的に防止することができ、フェライト粉を含む成形体の金属探知機による検出の確実性をより優れたものとすることができる。
樹脂組成物中におけるフェライト粉の含有率は、特に限定されないが、5.0質量%以上90質量%以下であるのが好ましく、7.0質量%以上88質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、成形体の成形性をより優れたものとすることができ、成形体の靭性、強度、信頼性等をより優れたものとすることができるとともに、成形体の金属探知機による検出のされやすさ、検出の安定性をより優れたものとすることができる。
これに対し、樹脂組成物中におけるフェライト粉の含有率が前記下限値未満であると、ハードフェライト粒子の組成等によっては、成形体の金属探知機による検出のされやすさ、検出の安定性を十分に優れたものとすることが困難となる可能性がある。
また、樹脂組成物中におけるフェライト粉の含有率が前記上限値を超えると、成形体の成形性が低下するとともに、成形体の靭性、強度、信頼性等が低下する可能性がある。
樹脂組成物中に含まれる樹脂材料としては、例えば、各種熱可塑性樹脂、各種硬化性樹脂等を用いることができる。
より具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、エチレン−プロピレン共重合体、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン;変性ポリオレフィン;ポリスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂);アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂);ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66);ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート(PC);アイオノマー;ポリビニルアルコール(PVA);エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH);ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等のポリエステル;ポリエーテル;ポリアセタール(POM);ポリフェニレンオキシド;変性ポリフェニレンオキシド;ポリエーテルケトン(PEK);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリエーテルイミド;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリフェニレンサルファイド;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂;シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム等のゴム材料;スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;ユリア樹脂;メラミン樹脂;不飽和ポリエステル;シリコーン樹脂;ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、樹脂組成物中に含まれる樹脂材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール(PVA)、フッ素系樹脂、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂およびシリコーン樹脂よりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。
これにより、樹脂組成物中におけるフェライト粉の分散安定性をより優れたものとし、成形体の成形性をより優れたものとすることができる。また、成形体の靭性、強度、信頼性等をより優れたものとすることができる。
特に、フェライト粉末を構成する粒子が、シランカップリング剤による表面処理が施されたものである場合に、各種樹脂との密着性が向上するので、樹脂組成物中におけるフェライト粉の分散安定性をさらに優れたものとし、成形体の成形性をさらに優れたものとすることができる。
また、樹脂組成物中に含まれる樹脂材料は、樹脂組成物を用いて製造される成形体中に含まれる樹脂材料とは、異なる組成のものであってもよい。例えば、樹脂組成物中に含まれる樹脂材料は、最終的な成形体中に含まれる樹脂材料の前駆体(例えば、モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマー、プレポリマー等)であってもよい。
樹脂組成物中における樹脂材料の含有率は、特に限定されないが、8.0質量%以上95質量%以下であるのが好ましく、10質量%以上90質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、成形体の成形性をより優れたものとすることができ、成形体の靭性、強度、信頼性等をより優れたものとすることができるとともに、成形体の金属探知機による検出のされやすさ、検出の安定性をより優れたものとすることができる。
これに対し、樹脂組成物中における樹脂材料の含有率が前記下限値未満であると、成形体の成形性が低下するとともに、成形体の靭性、強度、信頼性等が低下する可能性がある。
また、樹脂組成物中における樹脂材料の含有率が前記上限値を超えると、フェライト粉の含有率が相対的に低下し、ハードフェライト粒子の組成等によっては、成形体の金属探知機による検出のされやすさ、検出の安定性を十分に優れたものとすることが困難となる可能性がある。
本発明の樹脂組成物は、フェライト粉および樹脂材料を含むものであればよいが、さらにこれら以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。
このような成分(その他の成分)としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;各種蛍光材料;各種蓄光材料;各種燐光材料;溶剤;赤外線吸収材料;紫外線吸収剤;分散剤;界面活性剤;重合開始剤;重合促進剤;架橋剤;重合禁止剤;増感剤;可塑剤;スリップ剤(レベリング剤);浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);帯電防止剤;定着剤;防腐剤;防黴剤;酸化防止剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、ガラス繊維、炭素繊維、石膏繊維、金属繊維、金属粒子、黒鉛、タルク、クレー、マイカ、ウォラストナイト、ゾノトライト、ハイドロタルサイト、ゼオライト等のフィラー;凝集防止剤;消泡剤;発泡剤等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、いかなる形態のものであってもよく、樹脂組成物の形態としては、例えば、粉末、ペレット、分散液、スラリー、ゲル等が挙げられるが、ペレットが好ましい。
これにより、樹脂組成物の取扱いのし易さがより優れたものとなり、樹脂組成物を用いた成形体の製造をより好適に行うことができる。また、樹脂組成物の保存安定性をより優れたものとすることができ、保存時等における樹脂組成物の構成成分の劣化等をより効果的に防止することができる。
樹脂組成物がペレットである場合、その体積平均粒径は、1mm以上10mm以下であるのが好ましく、2mm以上7mm以下であるのがより好ましい。
これにより、樹脂組成物の取扱いのし易さがさらに優れたものとなり、樹脂組成物を用いた成形体の製造をさらに好適に行うことができる。
本発明の樹脂組成物は、例えば、前述したフェライト粉、樹脂材料を混合することにより、製造することができる。フェライト粉と樹脂材料との混合は、例えば、プラネタリーミキサー、二軸ミキサー、ニーダー、バンバリーミキサー、オーブンロール等の攪拌混練機、単軸押出機、二軸押出機等の混合装置(混練装置)を用いることにより好適に行うことができる。
また、必要に応じて、混合の際に、例えば、前述したようなその他の成分をさらに用いてもよい。
《成形体》
次に、本発明の成形体について説明する。
本発明の成形体は、前述したような本発明の樹脂組成物を用いて形成された部位を有するものである。
これにより、金属探知機で安定的に検出することができる成形体を提供することができる。
また、前述したようなフェライト粉を含むことにより、成形体の強度、耐久性等をより優れたものとすることができ、例えば、引張や曲げ等の外力が加わった場合、特に、大きな外力が加わった場合や繰り返し外力が加わった場合等でも、切断等により成形体の一部が脱離することがより効果的に防止される。したがって、成形体の一部が製品等に異物として混入してしまうこと自体をより効果的に防止することができる。
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を用いて形成された部位を少なくとも一部に有するものであればよく、その全体が本発明の樹脂組成物を用いて形成されたものであってもよいし、本発明の樹脂組成物を用いて形成された部位に加え、本発明の樹脂組成物以外の材料で構成された部位を有するものであってもよい。
より具体的には、例えば、本発明の樹脂組成物以外の材料で構成された基部と、当該基部の表面に設けられ、本発明の樹脂組成物を用いて形成された表面層とを有するものであってもよい。
また、本発明の成形体は、例えば、本発明の樹脂組成物と、他の樹脂組成物(本発明のフェライト粉を含まない組成物)とを混合して成形されたものであってもよい。
成形体は、少なくとも、その表面付近に前記フェライト粉を含むものであるのが好ましい。
より具体的には、成形体は、その表面から厚さ方向に1.0mm以内の領域にフェライト粉を含むものであるのが好ましく、その表面から厚さ方向に0.5mm以内の領域にフェライト粉を含むものであるのがより好ましい。
成形体の表面付近は、成形体の中でも特に脱離し易い部位である。したがって、このような領域にフェライト粉を含むことにより、本発明の効果がより顕著に発揮される。
なお、このような成形体は、例えば、成形体の成形時(樹脂組成物を構成する樹脂材料が軟化または溶融した状態)において、成形体の表面となるべき方向から磁場を与えることにより、好適に製造することができる。特に、厚みが比較的大きい成形体である場合、成形体の表面付近に、前述したフェライトを偏在させることができ、前述したような効果をより顕著に発揮させることができる。
本発明の成形体中における前記フェライト粉の含有率は、成形体の用途等により異なるが、2.0質量%以上20質量%以下であるのが好ましく、2.5質量%以上18質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、成形体の靭性、強度、信頼性等をより優れたものとすることができるとともに、成形体の金属探知機による検出のされやすさ、検出の安定性をより優れたものとすることができる。
なお、成形体が、前記フェライト粉を含む部位(すなわち、本発明の樹脂組成物を用いて形成された部位)に加え、前記フェライト粉を含まない部位(すなわち、本発明の樹脂組成物以外の材料で構成された部位)を有するものである場合には、前記フェライト粉を含む部位において、前述したようなフェライト粉の含有率についての条件を満足するのが好ましい。
本発明の成形体は、その全部または一部(例えば、成形体の切片)が金属探知による検査に適用される可能性のあるものであれば、いかなる用途のものであってもよいが、本発明の成形体の用途としては、例えば、食品の製造、加工、包装(梱包を含む。以下同様)の現場で用いられるもの、化粧品、医薬部外品の製造、加工、包装の現場で用いられるもの、医薬品の製造、加工、包装の現場で用いられるもの、上記以外の製品の製造、加工、包装の現場で用いられるもの、医療現場で用いられるもの、細胞培養、組織培養、器官培養、遺伝子組み換え等の生物学的処理を行う現場で用いられるもの、化合物の合成等の化学的処理を行う現場で用いられるもの等が挙げられる。
中でも、本発明の成形体は、食品の製造、加工、包装現場で用いられるものであるのが好ましい。
食品は、高い安全性が求められるものであるが、一般に、異物が混入しやすい環境で製造、加工、包装が行われている。したがって、本発明を食品の製造、加工、包装の現場で用いられるものに適用することにより、本発明による効果がより顕著に発揮される。
また、食品の製造、加工現場で用いられるものには、電子レンジに適用されるもの(例えば、各種調理具、各種容器、トレイ、ラップフィルム等)も多いが、本発明の成形体では、非金属材料であるフェライトを用いているため、電子レンジの使用にも好適に対応することができる。
なお、本明細書において、食品には、固形状のものや、半固形状のもの(ゼリー、プリン等のゲル状のもの等)に加え、液状のもの(飲み物等)も含むものとする。また、食品添加物やサプリメント(健康補助食品)も食品に含まれるものとする。また、動物由来の食肉、魚介類、植物由来の野菜、果実、種子、穀物、豆類、海藻のような天然由来のものやこれらの加工物に加え、人工甘味料、人工調味料等のような人工的に合成したものも食品に含むものとする。
食品の製造、加工現場で用いられるものとしては、例えば、調理機器類、調理器具類、調理用具類、食器類、衣服類(人体に装着して用いるもの)、食品の包装に用いる包装部材、および、これらに付随して用いられるもの、ならびに、これらのメンテナンス、修理等に用いるもの等が挙げられる。
より具体的には、例えば、ホットプレート、コンロ、ガスバーナー、オーブン、トースター、電子レンジ、食器洗浄機、食器乾燥機、秤(スケール)、キッチンタイマー、温度計、浄水器、浄水フィルター(カートリッジ)等の調理機器類;鍋、フライパン、やかんや、これらの蓋、包丁、はさみ、おたま(レードル)、ヘラ、ピーラー、スライサー、ミキサー、チョッパー、マッシャー、麺棒、マドラー、泡立て器、ざる、ボウル、水切り器、まな板、マット、しゃもじ、成形型、型抜き、灰汁取り、おろし金(フードグレーダー)、フライ返し(ターナー)、ピック、水切り器、篩、ミル、落し蓋、製氷皿、焼き網、トング、卵切器、計量カップ、計量スプーン等の調理器具類;布巾、キッチンペーパー、手ぬぐい、タオル、紙タオル、水切りシート、ラップフィルム、オーブンペーパー、絞り出し袋、五徳、鍋敷き等の調理用具類;皿、コップ、椀、箸(菜箸を含む)、スプーン、フォーク、ナイフ、蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具(カニスプーン、カニフォーク)等の食器類;エプロン、白衣、マスク、手袋、靴、靴下、下着、帽子、眼鏡等の衣服類(人体に装着して用いるもの);食品用ラミネートフィルム等の食品用包装フィルム、包装用チューブ、食品用収納ボトル、プラスチック性密閉容器等の食品包装部材;その他、干物干し網、ホース、まな板立て、食器立て、スポンジ、たわし、洗剤容器、砥石、シャープナーや、これらの構成部材等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特に、本発明の成形体は、調理器具類、調理用具類、食品包装部材の一部もしくは全部に使用されるものであるのが好ましい。
これにより、このような成形体は、各種成形体の中でも、特に、その少なくとも一部が、食品の製造、加工、包装現場等で、食品に混入するおそれの高いものである。したがって、本発明が上記のような成形体に適用されることにより、本発明の効果がより顕著に発揮される。
また、医療現場で適用した場合、例えば、手術時等における、体内への医療器具、医療用具の置き忘れ等が発生した場合に、容易に検出することができ、重大な医療過誤事件への発展をより効果的に防止することができる。
成形体の製造方法としては、各種成形方法を用いることができ、例えば、射出成形法(インサート成形法、多色成形法、サンドイッチ成形法、インジェクション成形法等)、押出成形法、インフレーション成形法、Tダイフィルム成形法、ラミネート成形法、ブロー成形法、中空成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法等の成形法、光造形法、三次元積層造形法等が挙げられる。
また、樹脂組成物が硬化性樹脂を含むものである場合、当該硬化性樹脂の硬化反応を行う。硬化反応は、硬化性樹脂の種類等により異なるが、加熱や紫外線等のエネルギー線の照射等により行うことができる。
また、成形体の製造時には、本発明の樹脂組成物に加え、他の材料(例えば、希釈用の樹脂材料等)を用いてもよい。
また、成形体の製造時には、複数種の本発明の樹脂組成物を組み合わせて用いてもよい。
また、成形体が、前述した樹脂組成物以外の材料を用いて形成された基部と、当該基部上に設けられ、本発明の樹脂組成物を用いて形成された表面層とを有するものである場合、上記のような方法や鋳造、鍛造、粉末射出成型法(PIM(Powder Injection Molding))等の方法により製造された基部上に、ディッピング、刷毛塗り等の塗装法、インクジェット法等の各種印刷法等を用いて表面層を形成して製造してもよい。
また、成形体の成形時に着磁してもよい。これにより、成形体の金属探知機による検出のされやすさ、検出の安定性をより優れたものとすることができる。
また、成形体は、上記のような成形方法により得られたものに、例えば、研削、研磨等の後処理を施すことにより製造されたものであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、樹脂組成物において、フェライト粉が樹脂材料中に分散して存在している場合について中心的に説明したが、本発明の樹脂組成物において、例えば、フェライト粉は、液体中に沈降しており、必要に応じて撹拌等により分散させ、使用されるものであってもよい。また、例えば、本発明の樹脂組成物は、揮発性の液体中に、フェライト粉と、樹脂粒子とが分散したものであってもよい。また、本発明の樹脂組成物は、例えば、フェライト粉と樹脂粉末とが単に混合された状態のものであってもよい。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
《1》フェライト粉の製造
各実施例および各比較例のフェライト粉を以下のようにして製造した。
(実施例A1)
まず、FeとSrCOとを用意し、これらを、モル比で、5.6:1.0の割合で、ヘンシェルミキサーに投入し、10分間乾式混合、造粒した。
固定式電気炉を用いて、得られた造粒物を、大気中、1075℃で4時間(ピーク)焼成した。
さらに、上記焼成で得られた焼成物を、ビーズミルを用いて固形分:60質量%で30分間という条件で湿式粉砕し、洗浄、脱水、乾燥後、大気中、850℃で1時間(ピーク)熱処理し、フェライト粉を得た。
このようにして得られたフェライト粉は、Srの含有率が8.78質量%、Feの含有率が62.3質量%のハードフェライトで構成された複数の粒子(ハードフェライト粒子)を含むものであった。
フェライト粉を構成する粒子中における金属元素(Fe、Sr等)の含有量は、以下のようにして求めた。すなわち、フェライト粒子:0.2gを秤量し、純水:60mlに1Nの塩酸:20mlおよび1Nの硝酸:20mlを加えたものを加熱し、フェライト粒子を完全溶解させた水溶液を準備し、ICP分析装置(島津製作所製、ICPS−1000IV)を用いた測定を行うことにより、各金属元素の含有量を求めた。なお、後に述べる各実施例および各比較例についても同様にして求めた。
また、フェライト粉の構成粒子の体積平均粒径は、1.8μmであった。
体積平均粒径は、以下のような測定により求めた。すなわち、まず、試料としてのフェライト粉:10gと水:80mlとを100mlのビーカーに入れ、分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)を2滴添加した。次いで、超音波ホモジナイザー(SMT.Co.LTD.製UH−150型)を用い分散を行った。このとき、超音波ホモジナイザーの出力レベルを4に設定し、20秒間分散を行った。その後、ビーカー表面にできた泡を取り除き、マイクロトラック粒度分析計(例えば、日機装株式会社製、Model9320−X100等)に導入し、測定を行った。なお、後に述べる各実施例および各比較例についても同様にして求めた。
また、フェライト粉について、振動試料型磁気測定装置を用いて測定を行ったところ、飽和磁化σs:55.8A・m/kg、残留磁化σr:33.4A・m/kg、保磁力Hc:285kA/mであった。
上記の磁気特性は以下のようにして求めた。すなわち、まず、内径5mm、高さ2mmのセルにフェライト粉を詰めて振動試料型磁気測定装置(東英工業社製 VSM−C7−10A)にセットした。次に、印加磁場を加え、10K・1000/4π・A/mまで掃引し、次いで、印加磁場を減少させ、ヒステリシスカーブを作製した。その後、このカーブのデータより飽和磁化σs、残留磁化σrおよび保磁力Hcを求めた。なお、後に述べる各実施例および各比較例についても同様にして求めた。
(実施例A2、A3)
造粒物の製造に用いる材料の比率を表1に示すようにした以外は、前記実施例A1と同様にしてフェライト粉を製造した。
(実施例A4)
まず、FeとSrCOとを用意し、これらを、モル比で、5.75:1.0の割合で混合した。次いで、この混合物を乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)で4.5時間粉砕し、得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、ロータリー式電気炉で、1080℃で3時間加熱し、仮焼成を行い、仮焼結体を得た。
次に、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)を用いて体積平均粒径が約4μmとなるまで粉砕し、その後、水を加え、さらに湿式のメディアミル(縦型ビーズミル、1/16インチ径のステンレスビーズ)を用いて10時間粉砕し、そこに、バインダーとしてのポリビニルアルコール(PVA)の水溶液(20質量%溶液)を添加しスラリーを得た。スラリー中の固形分は55.0質量%、バインダーの含有率は1.0質量%であった。
次に、得られたスラリーを、スプレードライヤーで噴霧乾燥し、造粒物を得た。
その後、得られた造粒物の粒度調整を行い、さらに、ロータリー式電気炉で、650℃で2時間加熱し、バインダーの除去を行った。
その後、固定式電気炉を用いて、得られた造粒物を、大気中、1185℃で4時間(ピーク)焼成し、さらに解砕・分級を行い、フェライト粉を得た。
このようにして得られたフェライト粉は、Srの含有率が8.52質量%、Feの含有率が62.7質量%のハードフェライトで構成された複数の粒子(ハードフェライト粒子)を含むものであった。
また、フェライト粉の構成粒子の体積平均粒径は、15.0μmであった。
また、フェライト粉について、振動試料型磁気測定装置(東英工業社製 VSM−C7−10A)を用いて測定を行ったところ、飽和磁化σs:55.3A・m/kg、残留磁化σr:32.4A・m/kg、保磁力Hc:161kA/mであった。
(実施例A5)
仮焼結体に対する粉砕処理の条件、スプレードライヤーによる噴霧乾燥の条件、造粒物に対する粒度調整の条件を変更した以外は、前記実施例A4と同様にしてフェライト粉を製造した。
このようにして得られたフェライト粉の構成粒子の体積平均粒径は、39.0μmであった。
(実施例A6)
本実施例では、以下のようにして、フェライト粉の構成粒子を、Srの代わりにBaを含むものとして製造した。
すなわち、まず、FeとBaCOとを用意し、これらを、モル比で、5.75:1.0の割合で、ヘンシェルミキサーに投入し、10分間乾式混合、造粒した。
固定式電気炉を用いて、得られた造粒物を、大気中、1075℃で4時間(ピーク)焼成した。
さらに、上記焼成で得られた焼成物を、ビーズミルを用いて固形分:60質量%で30分間湿式粉砕し、洗浄、脱水、乾燥後、大気中、850℃で1時間(ピーク)熱処理し、フェライト粉を得た。
このようにして得られたフェライト粉は、Baの含有率が12.81質量%、Feの含有率が59.94質量%のハードフェライトで構成された複数の粒子(ハードフェライト粒子)を含むものであった。
(比較例A1)
造粒物製造用の原料としてFeおよびカーボンブラック(C)を用い、本焼結処理を窒素雰囲気中、1000℃で4時間(ピーク)という条件で行うとともに、湿式粉砕による粉砕物に対する熱処理を省略した以外は、前記実施例A1と同様にしてフェライト粉を製造した。
前述した各実施例および比較例のフェライト粉の製造条件を表1にまとめて示し、フェライト粉の特性等を表2にまとめて示す。
Figure 0006413153
Figure 0006413153
《2》樹脂組成物の製造
前述したような各実施例および比較例のフェライト粉を用いて、以下のようにして、樹脂組成物を製造した。
(実施例B1)
ニーダー、ペレタイザーを用いて、前記実施例A1で製造したフェライト粉と、樹脂材料としてのポリプロピレンとを、質量比で、5.0:95.0で混合・混練、造粒した。
これにより、体積平均粒径が3mmのペレットとしての樹脂組成物を得た。
(実施例B2〜B5)
フェライト粉とポリプロピレンとの配合比率を表3に示すように変更した以外は、前記実施例B1と同様にしてペレットとしての樹脂組成物を得た。
(実施例B6)
ニーダー、ペレタイザーを用いて、前記実施例A1で製造したフェライト粉と、樹脂材料としてのポリプロピレンと、白色顔料としてのシリカ(日本エアロジル社製、AEROSIL200)とを、質量比で、2.0:93.0:5.0で混合・混練、造粒した。
これにより、体積平均粒径が3mmのペレットとしての樹脂組成物を得た。
(実施例B7、B8)
フェライト粉とポリプロピレンとシリカとの配合比率を表3に示すように変更した以外は、前記実施例B6と同様にしてペレットとしての樹脂組成物を得た。
(実施例B9〜B13)
フェライト粉の種類および樹脂材料の種類を表3に示すようにした以外は、前記実施例B8と同様にしてペレットとしての樹脂組成物を得た。
(実施例B14)
フェライト粉の種類を前記実施例A6で製造したものに変更した以外は、前記実施例B8と同様にしてペレットとしての樹脂組成物を得た。
(比較例B1)
フェライト粉の種類を前記比較例A1で製造したものを用い、各成分の配合量を変更した以外は、前記実施例B6と同様にしてペレットとしての樹脂組成物を得た。
(比較例B2)
フェライト粉の代わりに鉄粉(金属粉)を用い、各成分の配合量を変更した以外は、前記実施例B6と同様にしてペレットとしての樹脂組成物を得た。
前述した各実施例および各比較例の樹脂組成物の条件を表3にまとめて示す。また、表3中のMFRの欄には、JIS K 7210に基づき、温度:190℃、荷重:2.16kgという条件で測定した際のメルトフローレート(MFR)の値を示す。
Figure 0006413153
《3》成形体の製造
(実施例C1)
ニーダー、Tダイを用いて、前記実施例B1で製造した樹脂組成物(ペレット)を溶融、成形し、厚さ:100μmのシート状の成形体を得た。
(実施例C2〜C14)
樹脂組成物として、前記実施例B1で製造したペレットの代わりに、それぞれ、前記実施例B2〜B14で製造したペレットを用いた以外は、前記実施例C1と同様にしてシート状の成形体を製造した。
(実施例C15)
固形分10質量%のPVA水溶液に実施例A1で製造したフェライト粉およびSiOを分散し、アプリケーターを用いて、塗工・乾燥し、厚さ:100μmのシート状の成形体を得た。この時、PVAの固形分、フェライト粉、および、SiOの質量比が、それぞれ、75.0質量%、20.0質量%、5.0質量%となるようにした。
(実施例C16)
前記実施例A4で製造したフェライト粉と、液状のエポキシ樹脂と、重合開始剤と、硬化剤としての三フッ化ホウ素モノエチルアミンコンプレックスと、白色顔料としてのシリカ(日本エアロジル社製、AEROSIL200)とを混合し、この混合物をシリコーン樹脂製の成形型に流し込んだ。その後、120℃に加熱し、エポキシ樹脂を硬化させ、直径:13mm、厚さ:2.0mmの円盤状の成形体を製造した。
得られた成形体中におけるフェライト粉の含有率は20.0質量%、樹脂材料の含有率は75.0質量%、着色剤の含有率は5.0質量%であった。
(実施例C17)
前記実施例A1で製造したフェライト粉と、オレフィン系熱可塑性エラストマーと、白色顔料としての二酸化チタン粒子とを混合し、この混合物をボールミルで混合、混練し、金型に供給し、直径:13mm、厚さ:2.0mmの円盤状の成形体を製造した。
得られた成形体中におけるフェライト粉の含有率は20.0質量%、樹脂材料の含有率は75.0質量%、着色剤の含有率は5.0質量%であった。
(実施例C18〜C21)
樹脂材料の種類を表4に示すように変更した以外は、前記実施例C17と同様にしてシート状の成形体を製造した。
(比較例C1、C2)
樹脂組成物として、前記実施例B1で製造したペレットの代わりに、それぞれ、前記比較例B1、B2で製造したペレットを用いた以外は、前記実施例C1と同様にしてシート状の成形体を製造した。
前述した各実施例および各比較例の成形体の条件を表4にまとめて示す。
Figure 0006413153
《4》成形体についての評価
《4−1》金属探知機による検出
前述した各実施例および各比較例で製造した成形体について、ベルトコンベア式の金属探知機(システムスクエア社製、META−HAWKII)を通過させ、成形体を検出することができる感度(レベルメーター、鉄球感度)を求めた。
《4−2》マイクロ波照射時における異常加熱の有無
前述した各実施例および各比較例で製造した成形体について、マイクロ波照射時における異常加熱の有無を確認するため、市販の電子レンジを用いて600W、5分間加熱し、このときの各成形体の状態を、以下の基準に従い評価した。
○:異常な加熱がほとんど認められない。
△:適切な範囲内での成形体の温度上昇が認められた。
×:成形体の以上加熱が認められ、成形体の焦げ等が確認された。または、電子レンジ内に火花が発生する等の異常が認められ、評価を中止した。
なお、成形体をシート状に成形した実施例C1〜C15、比較例C1、C2については、80mm×60mmサイズに切断し、切片について評価を行った。実施例C16〜C21については得られた成形体をそのまま評価に使用した。
これらの結果を表5に示す。
Figure 0006413153
表5から明らかなように、本発明では、金属探知機で安定的に検出することができる成形体を得ることができた。また、本発明では、成形体の表面性状の制御を好適に行うことができ、粉末を含むことによる不本意な凹凸の発生も効果的に防止されていた。また、本発明では、着色剤により、成形体を、様々な色に調整することが可能であった。これに対し、比較例では、満足のいく結果が得られなかった。
本発明のフェライト粉は、金属探知機で検出可能なフェライト粉であって、Srを7.8質量%以上9.0質量%以下、Feを61.0質量%以上65.0質量%以下、含有するハードフェライト粒子を含む。そのため、金属探知機で安定的に検出することができる成形体の製造に好適に用いることのできるフェライト粉を提供することができる。従って、本発明のフェライト粉は、産業上の利用可能性を有する。

Claims (11)

  1. 金属探知機で検知することを目的とするフェライト粉であって、ハードフェライト粒子を含み、
    10K・1000/4πA/mの磁場をかけたときのVSM測定による保磁力が274kA/m以上285kA/m以下であり、かつ、
    10K・1000/4πA/mの磁場をかけたときのVSM測定による残留磁化が33.4A・m /kg以上35.7A・m /kg以下であることを特徴とするフェライト粉。
  2. フェライト粉の構成粒子の体積平均粒径が0.1μm以上100μm以下である請求項1に記載のフェライト粉。
  3. 請求項1または2に記載のフェライト粉と、
    樹脂材料とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
  4. 前記樹脂材料中に、前記フェライト粉が分散して存在している請求項に記載の樹脂組成物。
  5. 樹脂組成物中における前記フェライト粉の含有率が5.0質量%以上90質量%以下である請求項またはに記載の樹脂組成物。
  6. 前記樹脂材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール(PVA)、フッ素系樹脂、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂およびシリコーン樹脂よりなる群から選択される1種または2種以上を含むものである請求項ないしのいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 請求項ないしのいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて形成された部位を有することを特徴とする成形体。
  8. 前記フェライト粉の含有率が2.0質量%以上20質量%以下である請求項に記載の成形体。
  9. 成形体は、食品の製造、加工、包装現場で用いられるものである請求項またはに記載の成形体。
  10. 成形体は、調理器具類、調理用具類、食品包装部材の一部もしくは全部に使用されるものである請求項に記載の成形体。
  11. 成形体は、表面から厚さ方向に1.0mm以内の領域に前記フェライト粉を含むものである請求項ないし10のいずれか1項に記載の成形体。
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