JP2017112990A - 小麦ふすま加工品の製造方法 - Google Patents

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裕美 林田
Hiromi Hayashida
裕美 林田
学人 池田
Gakuto Ikeda
学人 池田
阿部 哲也
Tetsuya Abe
哲也 阿部
大介 椎葉
Daisuke Shiiba
大介 椎葉
小堀 純
Jun Kobori
純 小堀
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Abstract

【課題】特殊な加圧加熱装置を用いずとも小麦ふすまの吸水性を効果的に低減することができ、ふすま臭や舌上に感じる残留感も低減することができ、且つ、小麦ふすま加工品の製造効率を高度に高めることができる小麦ふすま加工品の製造方法を提供する。【解決手段】小麦ふすま100質量部に対し、80〜140質量部の水を共存させ、温度65〜130℃で加熱処理することを含む、小麦ふすま加工品の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、小麦ふすま加工品の製造方法に関する。
小麦ふすまは主に粉砕された小麦の外皮からなり、不溶性食物繊維、ビタミン、ミネラル等を豊富に含むことから、健康食品素材として注目されている。しかし、小麦ふすまは組織が強靭で、食せば硬く舌上にふすま粒の残留感を感じ、また吸水性が高いためにパサついた食感が口中に残り、しかも特有の臭気(いわゆるふすま臭)を有する。したがって、小麦ふすま配合食品は一般に食味に劣る。
穀物ふすまの食味を改善するために種々の手法が開発されてきている。例えば、特許文献1には、脱脂小麦ふすま30gに蒸留水70gを加え、60〜123℃で5〜60分間の加熱処理を行うことにより、小麦ふすま臭、唾液の吸収感及び舌上残留感を改善したことが記載されている。
また、特許文献2には、穀物ふすま100質量部に対し33質量部又は60質量部の水を加え、二軸型エクストルーダーにより加圧加熱処理することにより、二次加工性に優れ、ふすま臭が少なく風味、食感に優れ、容易に粉砕できる穀物ふすまを短時間に経済的に製造できることが記載されている。
特開2014−140366号公報 特開昭62−96049号公報
本発明者らは、上記特許文献1に記載の方法で小麦ふすまを加熱処理に供した際に、得られる小麦ふすま加工品(加熱処理品)がべとつき易く、上記加熱処理の際に用いた装置の内面(壁面及び底面)に付着し易いこと、その後に乾燥処理に供すると、装置内面に付着した部分が固着して得られる小麦ふすま加工品の回収率が低下してしまうことに着眼した。そして、加熱処理品のべとつきを改善することにより上記加熱処理の際に用いた装置内への加熱処理品の付着を抑えることができ、結果、乾燥処理を経て得られる小麦ふすま加工品の製造効率(回収効率)を向上させることができ、小麦ふすまを効率的に使用、消費できるようになるとの着想に至った。
本発明は、小麦ふすまの吸水性を効果的に低減することができ、ふすま臭や舌上に感じる残留感も低減することができ、且つ、加熱処理後の小麦ふすま加工品を付着性の低い物性にして、しかも製造効率を効果的に高めることができる小麦ふすま加工品の製造方法の提供に関する。
本発明者らは、小麦ふすまと水を共存させて加熱処理するに際し、小麦ふすまと水との混合比を特定比とし、且つ加熱温度を特定の温度範囲内とするだけで、加熱処理品のべとつきを効果的に抑えることができ、加熱処理品の加熱処理装置内への付着を抑制できること、その後の乾燥処理を経て得られる小麦ふすま加工品を、小麦ふすまの吸水性、ふすま臭、舌上に感じる残留感がいずれも効果的に低減された形態へと改質できることを見い出した。
本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
本発明は、小麦ふすま100質量部に対し、80〜140質量部の水を共存させ、温度65〜130℃で加熱することを含む、小麦ふすま加工品の製造方法を提供するものである。
本発明の小麦ふすま加工品の製造方法によれば、小麦ふすまの吸水性を効果的に低減することができ、ふすま臭や舌上に感じる残留感も低減することができ、小麦ふすまを食べやすい食味へと改質することができる。また本発明の小麦ふすま加工品の製造方法によれば、加熱処理後の小麦ふすま加工品を付着性の低い物性とすることができ、しかも製造効率に優れる。
本発明の小麦ふすま加工品の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」という)の好ましい実施形態について説明する。
本発明の製造方法に原料として用いる小麦ふすまとしては、小麦の外皮を粉砕したものを用いることが好ましい。通常は小麦の外皮を焙煎し、粉砕したものを用いる。本発明の製造方法に用いる小麦ふすまとして、食品原料として市販されているものを広く用いることができる。また、原料の小麦ふすまは脱脂処理により脂質含有量を低減させたものであることも好ましい。原料の小麦ふすまに含まれる脂質含有量は、風味、加工性、保存性の観点から、1.0〜10.0質量%であることが好ましく、2.0〜9.0質量%であることがより好ましく、3.0〜8.5質量%であることがさらに好ましく、3.0〜5.0質量%であることがよりさらに好ましい。
本発明の製造方法では、上記小麦ふすま100質量部に対し、80〜140質量部の水を共存させ、温度65〜130℃で加熱処理する。ここで、「小麦ふすま100質量部に対し、80〜140質量部の水を共存させ、温度65〜130℃で加熱処理する」とは、加熱処理開始時点において、小麦ふすま100質量部に対し80〜140質量部の水を共存させることを意味する。すなわち、加熱処理中に水分の一部が蒸発して当初の水分量より減少する形態も包含する意味である。加熱処理中に蒸発する水分の割合は、加熱処理開始時点の水分量に対して20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。また、加熱処理終了時点において、小麦ふすま100質量部に対し、水分量が60質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがさらに好ましく、80質量部以上であることがさらに好ましい。
本発明の効果をより高める観点から、投入する小麦ふすまと水の量比を、小麦ふすま100質量部に対して水を81質量部以上とすることが好ましく、82質量部以上とすることがさらに好ましい。また同様の観点から、小麦ふすま100質量部に対して水を130質量部以下とすることが好ましく、120質量部以下とすることがより好ましく、110質量部以下とすることがさらに好ましく、100質量部以下とすることがさらに好ましく、95質量部以下とすることがさらに好ましい。なお、上記水として、温水を使用してもよい。
また、上記加熱処理の温度は、本発明の効果をより高める観点から、70℃以上とすることが好ましく、75℃以上とすることがより好ましい。また小麦ふすまの焦げをより確実に防ぐ観点から、上記加熱処理の温度を120℃以下とすることが好ましく、110℃以下とすることがより好ましく、100℃以下とすることがさらに好ましい。
上記加熱処理は、小麦ふすまと水とを接触させた状態で実施される。その際、小麦ふすまと水とを混合しながら加熱処理することが好ましい。小麦ふすまと水とを混合しながら加熱処理することにより、加熱処理後の小麦ふすまの加熱処理装置内面への付着をより抑えることができる。また、品質のばらつきがより抑えられた小麦ふすま加工品を得ることができる。
上記の混合方法に特に制限はなく、例えばニーダーやクッキングミキサーを用いることにより、小麦ふすまと水とを混合しながら加熱処理することができる。
なお、本明細書において、加熱処理を特定の温度範囲で実施したことを記載している場合、当該実施工程以外の工程において、小麦ふすまは当該特定の温度範囲の上限値を超える温度には曝されないものとする。例えば、「温度65〜130℃で加熱処理することを含む、小麦ふすま加工品の製造方法」という場合、この製造方法全体において、小麦ふすまが130℃を超える温度に曝されることはない。
本発明の製造方法において、上記加熱処理を加圧せずに(すなわち非密閉系で)行うことが好ましい。すなわち、オートクレーブのような密閉系で加圧しながら加熱処理したり、エクストルーダーのように加圧下で加熱処理するよりも、加圧せずに加熱処理する方が、加熱処理品の加熱処理装置内面への付着をより効果的に抑えることができる。
本発明の製造方法において加熱処理の際の圧力は、0.0〜1.5MPaとすることが好ましく、0.0〜0.5MPaとすることがより好ましい。
本発明の製造方法において、加熱処理の時間に特に制限はなく、通常は10〜180分間の加熱処理に付す。品質の均一性の観点から、加熱処理時間を20分間以上とすることが好ましく、30分間以上とすることがより好ましく、40分間以上とすることがさらに好ましい。また生産効率の観点から、加熱処理時間を170分間以下とすることが好ましく、160分間以下とすることがより好ましく、150分間以下とすることがさらに好ましく、140分間以下とすることがさらに好ましい。
本発明において加熱処理時間とは、加熱温度が65℃に到達した時点から、温度が65〜130℃の間にある時間の長さを意味する。小麦ふすまの固化温度がおよそ65℃であることから、本発明の効果に事実上影響を与えるのは、65℃以上の温度に曝される時間となる。
上記加熱処理は、飽和蒸気圧下、あるいは水蒸気を供給しながら実施することが好ましい(すなわち、水分の蒸発を防ぎながら実施することが好ましい)。
上記の加熱処理に付された小麦ふすまは、そのまま小麦ふすま加工品として用いてもよいが、通常は乾燥処理に付される。この乾燥処理は、小麦ふすま加工品の含水率が2〜10質量%程度となるように行うことが好ましい。乾燥方法に特に制限はなく、例えば、真空乾燥、真空加熱乾燥等を採用することにより、含水率を効率的に上記範囲内とすることができる。本明細書において含水率は、赤外線水分計(FD−720,ケット科学社製)を用いて測定することができる。すなわち、小麦ふすま加工品1gを試料皿に量り取り、赤外線照射によって105℃で加熱乾燥させ、含まれていた水分の蒸発による質量変化から水分量を求める。質量変化は30秒毎に測定し、変動幅が0.05%以内となったときの質量変化から、小麦ふすま加工品中に含まれていた水分量を求め、含水率(質量%)を算出する。
小麦ふすまの加熱処理において、共存させる水の量によって、加熱処理品の加熱処理装置内への付着の度合が変化するという知見はこれまで知られていない。本発明は、本発明者らが、特許文献1に記載されるような従来知られた小麦ふすまの湿熱処理方法では、加熱処理品が加熱処理装置内面へと付着しやすく、製造効率(小麦ふすま加工品の回収率)の向上には制約があることに着眼し、これを解決することを技術課題として完成された発明である。しかも本発明の製造方法によれば、得られる小麦ふすま加工品を吸水性が効果的に低減された物性とすることができ、また小麦ふすまの臭気や食した際に舌上に感じる残留感も効果的に低減することができる。
本発明の製造方法で得られる小麦ふすま加工品は紛体ないし粒状であることが好ましい。
本発明の小麦ふすま加工品を粉体ないしは粒状とする場合、その粒径は0.1mm以上とすることが好ましい。各種食品への配合のしやすさの観点から、本発明の小麦ふすま加工品の粒径を、より好ましくは0.2mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上とする。また、同様の観点から、本発明の小麦ふすま加工品の粒径を3.0mm以下とすることが好ましく、2.0mm以下とすることがさらに好ましく、1.5mm以下とすることがさらに好ましく、1.0mm以下とすることがさらに好ましい。
小麦ふすま加工品の粒径は、粉砕の程度やその後の分級により適宜調整することができる。粉砕の程度による調整は、用いる粉砕機の使用法に従えばよく、分級による調整は、空気分級や篩い分け等、慣用の手段により行うことができる。篩い分けの場合、用いる篩いの網目の大きさ(メッシュ)により調整することができる。例えば、粒径0.5〜1.0mmの小麦ふすま加工品とする場合、16メッシュの篩を通過し、30メッシュの篩を通過しない画分を採取する。なお、ここでいうメッシュの番手は、日本工業規(JISZ8801-1966)のものである。
本発明の製造方法によれば、二軸型エクストルーダーのような特殊な加圧加熱処理装置を用いずとも目的の性状の小麦ふすま加工品を得ることができる。すなわち本発明の製造方法は、二軸型エクストルーダーを用いる形態を含まないことが好ましい。
本発明の製造方法により得られる小麦ふすま加工品は、小麦ふすま配合食品の原料として好適に用いることができる。本発明の製造方法により得られる小麦ふすま加工品を食品原料として用いることにより、取扱いが容易で小麦ふすま加工品を無駄なく使用することができ、また当該食品を食した際の唾液の吸収感が抑えられ、ふすま臭や舌上に感じるふすまの残留感も抑えられ、小麦ふすまが有する不溶性食物繊維をはじめ、各種の栄養素を、よりおいしく摂取することが可能となる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 小麦ふすま加工品の調製−1
脱脂小麦ふすま(商品名:ウィートブランDF(脂質含有量4.5質量%、含水率1.5質量%以下、日清ファルマ社製)を80kg量り取り、真空式レオニーダーKQV(カジワラ社製)に投入後、脱脂小麦ふすま100質量部に対して82質量部(66kg)の温水(75℃)を加え、撹拌翼回転数8rpmで撹拌しながら混合した。
レオニーダーのジャケットに蒸気を投入し、軸温度を88℃に設定して、撹拌翼回転数20rpmで撹拌しながら、15分間加熱した。その後、レオニーダー内部の混合物の温度が65℃に到達した時点から、さらに18分間(昇温時間)加熱することにより当該混合物の温度を80℃に到達させた。その後、上記混合物の温度を80℃(加熱保持温度)に維持したまま、30分間保持(加熱保持)した。
ジャケットへの蒸気の投入をOFFにし、ジャケット内の蒸気を抜き出して冷却水を通水し、槽内を減圧にして冷却した。上述の加熱処理により、小麦ふすま加工品(加熱処理品)を得た。
次いで、加熱処理品を、以下の乾燥処理に供した。真空度7kPaまで減圧後、ジャケットに蒸気を投入して加熱を開始し、撹拌翼回転数20rpmで撹拌しながら210分間減圧乾燥した。なお、当該減圧乾燥中、真空度が7kPaから9.5kPaの範囲内になるように、ジャケットへの蒸気のON/OFFを制御した。
軸温度が50℃に上昇したところで加熱を停止し、真空ブレイクし、乾燥処理品の含水率を確認したところ、含水率3.4質量%であった。その後、ジャケット内蒸気を抜出し、減圧下で冷却水を通水し、15分間冷却した。冷却後、真空ブレイクし、レオニーダーを傾けて、小麦ふすま加工品(乾燥処理品)を得た。得られた乾燥処理品を振動篩にかけて粒径1mm超の小麦ふすま乾燥処理品を分離除去し、粒径1mm以下の小麦ふすま加工品(粒径調節品)を得た。
実施例2 小麦ふすま加工品の調製−2
上記実施例1において、レオニーダーに代えて斜軸撹拌機クッキングミキサーOAM(カジワラ社製)を使用し、また、使用する脱脂小麦ふすまの量80kgを3kgに変更し、さらに脱脂小麦ふすま100質量部に対する温水の混合量を82質量部(2.5kg)に変更し、また加熱保持時の混合物の温度80℃を90℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして小麦ふすま加工品(粒径調節品)(含水率3.3質量%)を得た。
実施例3 小麦ふすま加工品の調製−3
上記実施例1において、レオニーダーに代えて卓上型ニーダーPNV−1型(撹拌軸:2軸、全容量:1L、入江商会社製)を使用し、また、使用する脱脂小麦ふすまの量80kgを70gに変更し、さらに脱脂小麦ふすま100質量部に対する温水の混合量82質量部を122質量部(85g)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして小麦ふすま加工品(粒径調節品)(含水率4.2質量%)を得た。
実施例4 小麦ふすま加工品の調製−4
上記実施例3において、使用する脱脂小麦ふすまの量70gを85gに変更し、また脱脂小麦ふすま100質量部に対する温水の混合量を122質量部から82質量部(70g)に変更し、さらに加熱保持時間30分間を10分間に変更したこと以外は、実施例3と同様にして小麦ふすま加工品(粒径調節品)(含水率4.1質量%)を得た。
実施例5 小麦ふすま加工品の調製−5
上記実施例4において、加熱保持時間10分間を120分間に変更したこと以外は、実施例4と同様にして小麦ふすま加工品(粒径調節品)(含水率4.1質量%)を得た。
実施例6 小麦ふすま加工品の調製−6
脱脂小麦ふすま(商品名:ウィートブランDF(脂質含有量4.5質量%、含水率1.5質量%以下、日清ファルマ社製)を400g量り取り、この脱脂小麦ふすま100質量部に対して82質量部(328g)の蒸留水を加えて混合した。得られた混合物を、オートクレーブを用いて80℃、30分間の加熱処理に付した。この加熱処理の昇温時において、混合物の温度が65℃以上80℃以下にある時間は10分間であった。上述の加熱処理により、小麦ふすま加工品(加熱処理品)を得た。
上記加熱処理品を、バキューム乾燥機を用いて60℃で24時間乾燥した。得られた小麦ふすま加工品(乾燥処理品)を、ブレンダ―で粉砕し、16メッシュの篩を用いて、粒径1mm以下の小麦ふすま加工品(粒径調節品)(含水率4.0質量%)を得た。
比較例1 小麦ふすま加工品の調製−7
脱脂小麦ふすま(商品名:ウィートブランDF(脂質含有量4.5質量%、含水率1.5質量%以下、日清ファルマ社製)を30g量り取り、この脱脂小麦ふすま100質量部に対して233質量部(70g)の蒸留水を加えて混合した。得られた混合物を、オートクレーブを用いて80℃、25分間の加熱処理に付した。この加熱処理の昇温時において、混合物の温度が65℃以上80℃以下にある時間は5分間であった。上述の加熱処理により、小麦ふすま加工品(加熱処理品)を得た。
上記加熱処理品を、バキューム乾燥機を用いて60℃で24時間乾燥した。得られた小麦ふすま加工品(乾燥処理品)を、ブレンダ―で粉砕し、16メッシュの篩を用いて、粒径1mm以下の小麦ふすま加工品(粒径調節品)(含水率4.2質量%)を得た。
比較例2 小麦ふすま加工品の調製−8
上記実施例3において、使用する脱脂小麦ふすまの量70gを80gとし、また、脱脂小麦ふすま100質量部に対する温水の混合量122質量部を67質量部(54g)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして小麦ふすま加工品(粒径調節品)(含水率4.0質量%)を得た。
比較例3 小麦ふすま加工品の調製−9
上記比較例1において、オートクレーブによる加熱処理80℃、25分間を135℃、10分間に変更(この加熱処理の昇温時において、混合物の温度が65℃超え135℃未満にある時間は10分間であった。)し、また、脱脂小麦ふすま100質量部に対する温水の混合量233質量部を82質量部(25g)に変更したこと以外は、上記比較例1と同様にして小麦ふすま加工品(含水率4.0質量%)を得た。この小麦ふすま加工品は、加熱処理品の時点で焦げが発生して容器壁面に付着し、ブレンダ―で粉砕するのに必要な量の乾燥処理品を得ることができなかった。
比較例4 小麦ふすま加工品の調製−10
上記実施例3において、使用する脱脂小麦ふすまの量70gを85gに変更し、また脱脂小麦ふすま100質量部に対する温水の混合量を122質量部から82質量部(70g)に変更し、さらに加熱保持温度を60℃としたこと以外は、実施例3と同様にして小麦ふすま加工品(粒径調節品)(含水率4.3質量%)を得た。
試験例1 吸水性試験
底部にメッシュを張った円筒型容器(φ26mm×高さ50mm)に、上記各実施例及び比較例で調製した小麦ふすま加工品(粒径調節品)を容器底部から3cm高さまでタッピングしながら充填した。小麦ふすま加工品を充填した円筒型容器を吊り下げ、底部から1cmの高さまで容器ごと水に浸漬させ、底部から水を吸収させた。ここで、水を充填した容器の底部から、小麦ふすま加工品を充填した円筒型容器の底部までは0.5cmとした。吸水開始から1分後、2分後、3分後、4分後(これを測定時間tとする)に、円筒型容器ごと試料の質量を測定した。得られた質量から、円筒型容器と吸水前の小麦ふすま加工品の合計質量を減じ、得られた値を吸水前の小麦ふすま加工品の絶乾質量で除することにより、吸水量V’(g/g−小麦ふすま加工品)を算出した。このとき、測定時間tと吸水量V’は次式で表され、Kは吸水速度となる。吸水開始から1分後、2分後、3分後、4分後の吸水量である4点のプロットから近似式を算出し、この傾きをKとした。

V’=K(t)0.5+V (V:粗さ指数)

小麦ふすま加工品の吸水速度Kを、上記と同様にして算出した未処理の小麦ふすまの吸水速度Kで除し、得られた値に100を乗じた値を吸水性指標とした。

吸水性指標(%)=100×(小麦ふすま加工品のK)/(未処理小麦ふすまのK

この吸水性指標が71%以上であると、食した際の口中のパサつき感がさほど改善されない。したがって、この吸水性指標は71%未満とすることが好ましく、66%以下とすることで小麦ふすまの食感をより効果的に改善することができる。
結果を下表に示す。
試験例2 製造効率(回収率)
下記式から小麦ふすま加工品の製造効率を算出した。下記式中、「小麦ふすま加工品回収量」は、水と共存させて加熱した小麦ふすま加工品を乾燥機器で乾燥した後、乾燥機器の投入口が下になるように傾けただけで当該機器の外へと回収できた小麦ふすま加工品(乾燥処理品)の量である。

製造効率(%)
=100×[小麦ふすま加工品(乾燥処理品)回収量(質量)]/[脱脂小麦ふすま原料使用量(質量)]

結果を下表に示す。
試験例3 Stickness S2の測定
アルミカップ(直径42mm、高さ13mm)内に、上記各実施例、比較例で調製した加熱処理品(未乾燥処理)を5g充填し、表面を均一にならして測定試料とした。
テンシプレッサーMY BOY (タケモト社製)を使用し、直径30mmのプランジャーを用いて、測定試料を6mm押しつぶした後、引き離す動作を2度繰り返す測定法(TPA測定、プランジャースピード:2mm/s)を実施し、Stickness S2(gw/cm)の値を読み取った。
結果を下表に示す。
試験例4 焦げの発生の評価
上記各実施例、比較例で調製した加熱処理品について、焦げの有無を目視観察した。
結果を下表に示す。
試験例5 ふすま臭及び舌上に感じる残留感の評価
上記比較例2の粒径調節品のふすま臭及び舌上に感じる残留感を標準品(評価3)とし、上記各実施例、比較例で調製した粒径調節品について、下記評価基準により、ふすま臭及び舌上に感じる残留感を評価した。専門パネル3名で評価した結果、3名の評価結果はすべて同じであった。
<ふすま臭の評価基準>
5:ふすま臭をほとんど感じない。
4:標準品よりもふすま臭が抑えられている。
3:標準品と同等
2:標準品よりもふすま臭を感じる。
1:強いふすま臭を感じる。
<舌上に感じる残留感の評価基準>
5:舌上に感じる残留感をほとんど感じない。
4:標準品よりも舌上に感じる残留感が抑えられている。
3:標準品と同等
2:標準品よりも舌上に感じる残留感を感じる。
1:舌上に感じる残留感を強く感じる。
Figure 2017112990
上記表1に示される通り、加水量が本発明で規定するよりも多い場合には、本発明で規定する温度範囲内で加熱処理を行っても、加熱処理品は、べとつきがあり、結果、乾燥処理後も乾燥機からの回収率が悪く、製造効率に大きく劣る結果となった(比較例1)。逆に、加水量が本発明で規定するよりも少ない場合、本発明で規定する温度範囲内で加熱処理を行っても、乾燥処理を経て得られる小麦ふすま加工品は、吸水性指標が高く、小麦ふすまを食した際のパサつき(唾液吸収感)を十分に改善することができないことが分かる(比較例2)。
また、加熱処理温度が本発明で規定するよりも高い場合、加水量を多くしても、加熱処理品は焦げて不良品となってしまった(比較例3)。
また、加水量を本発明で規定する範囲内としても、加熱処理温度が本発明で規定するよりも低い場合、乾燥処理を経て得られる小麦ふすま加工品の吸水性指標が高く、小麦ふすまを食した際のパサつき(唾液吸収感)を十分に改善することができなかった(比較例4)。
これに対し、加水量及び加熱処理時間を本発明で規定する範囲内とした実施例1〜6では、混合機器が同じもの同士を比較すれば明らかな通り、加熱処理品のべとつきが少なく製造効率にも優れ、且つ、乾燥処理を経て得られる小麦ふすま加工品は吸水性が効果的に抑えられることがわかった。
また、実施例1〜6における、乾燥処理を経て得られた小麦ふすま加工品は、ふすま臭も抑えられ、食した際に舌上に感じる残留感も低減され、食しやすい性状に改質されていた。

Claims (6)

  1. 小麦ふすま100質量部に対し、80〜140質量部の水を共存させ、温度65〜130℃で加熱処理することを含む、小麦ふすま加工品の製造方法。
  2. 前記加熱処理を、前記小麦ふすまと前記水を混合しながら実施する、請求項1記載の小麦ふすま加工品の製造方法。
  3. 前記加熱処理の温度を65〜100℃とする、請求項1又は2記載の小麦ふすま加工品の製造方法。
  4. 前記加熱処理の時間を10〜180分間とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の小麦ふすま加工品の製造方法。
  5. 前記加熱処理後、乾燥処理に付す、請求項1〜4のいずれか1項記載の小麦ふすま加工品の製造方法。
  6. 前記加熱処理を非密閉系で行う、請求項1〜5のいずれか1項記載の小麦ふすま加工品の製造方法。
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