JP2016220676A - 小麦ふすま加工品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2には、加水した小麦ふすまを、二軸型エクストルーダーにより加圧加熱処理することにより、小麦ふすまのふすま臭を低減し、のどごしも改善したことが記載されている。
本発明は、ふすま臭を効果的に低減することができ、且つ、小麦ふすま中の、不快臭等の原因となる脂肪酸の量も大きく低減することができ、さらに、小麦ふすまを食した際に口中に感じるざらつき感及びパサつき感のいずれも低減することができる、風味と食感に優れた小麦ふすま加工品の製造方法の提供に関する。
本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
また、スクリューの回転速度やダイプレートの開口面積(排出口の開口面積)等を調節することにより、バレル内の圧力を調節することができる。本発明において、バレル内の圧力は、排出口に取り付けた図示していない圧力計により測定される。
本発明の製造方法では、フィーダー(5)に、脂質含有量が5.0質量%以下の小麦ふすまと水を投入する。当該小麦ふすまと水は、予め混合してフィーダー(5)に投入してもよいし、別々に投入し、バレル(1)内で両者が混合される形態としてもよい。
小麦ふすまの脱脂処理の方法に特に制限はなく、例えば、有機溶剤中に小麦ふすまを浸漬させて脱脂することができる。当該有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチルエーテル、アセトン、ヘキサン及び二塩化エチレンから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。なかでも油脂製造時の抽出溶剤として汎用されるヘキサンを用いることで、小麦ふすまをより効率的に脱脂することができる。脱脂した小麦ふすまは、乾燥して有機溶剤を蒸発させた後、本発明の製造方法に用いる。
本発明の製造方法において、フィーダーに投入される小麦ふすま(水と混合される前の小麦ふすま、以下同様。)の脂質含有量は、ふすま臭低減及び酸価維持率低減の観点から、4.8質量%以下が好ましい。当該脂質含有量の下限値に制限はないが、小麦ふすまから脂質を完全に取り除くことは通常困難であり、本発明の製造方法においては、フィーダーに投入される小麦ふすま中の脂質含有量を0.5質量%以上とすることが実際的である。
本発明において脂質含有量の測定方法は、後述する実施例に記載の方法で測定される。
小麦ふすまとして脂質含有量が5.0質量%以下の小麦ふすまを用いて、該小麦ふすまと水の量比を、該小麦ふすま100質量部に対して水を15〜95質量部とし、且つ、バレル(1)内の温度を60〜200℃として投入試料を混練することにより、得られる小麦ふすま加工品のふすま臭を効果的に低減でき、さらに、当該混練により、小麦ふすま中に存在する脂肪酸の量も大きく低減させることができる。脂肪酸は、不快臭の原因として知られており、この脂肪酸の量を減らすことで、不快臭を低減し、小麦ふすまの風味を向上させることができる。脂肪酸の量は、食品の品質管理上重要な指標であり、当該脂肪酸を低減することにより、食品の風味の低下を防ぐことができる。
さらに、本発明の製造方法により得られる小麦ふすま加工品は、加工前に比べて食した際のざらつき感(舌上に感じるふすま粒の残留感)が低減され、且つ、口中にパサつき(唾液の吸収感)も感じにくい。
かかる本発明の作用効果は、混練、剪断を伴わない単なる湿熱処理(例えばオートクレーブ等)で得ることはできない。
また、ざらつき低減の観点から、本発明の製造方法においてバレル(1)内の温度を180℃以下とすることが好ましく、160℃以下とすることがより好ましく、150℃以下とすることがさらに好ましく、140℃以下とすることがさらに好ましく、130℃以下とすることがさらに好ましい。また、本発明の効果をより高める観点から、バレル(1)内の温度は70℃以上とすることが好ましく、80℃以上とすることがより好ましく、90℃以上とすることがさらに好ましく、100℃以上とすることがさらに好ましく、110℃以上とすることがさらに好ましい。
バレル(1)内の温度は、バレル(1)の外周に接して設置され、あるいはバレル(1)を形成するシリンダー内に組み込まれるなどして配設されたヒーターにより調節することができる。
また、本発明の製造方法においては、バレル(1)内のすべての領域を同一温度とする必要もない。例えば、バレル(1)の中間ゾーンに配設されたヒーターによりバレル(1)内の温度を調節する場合、ヒーターが設置された中間ゾーン以外の部分のバレル温度は中間ゾーンの温度(ヒーターの設定温度)よりも低くなり得る。ここで「バレル(1)の中間ゾーン」とは、バレル(1)のスクリュー軸方向における中央部及びその近傍を意味する。
すなわち、上記特定量の水と混合された小麦ふすまを、上記特定の温度条件で、且つ1.5〜10MPaという従来に比べて格段に高い圧力条件下で、二軸スクリューの回転により混練することにより、小麦ふすま中の澱粉粒をより短時間にアルファー化することができ、これにより小麦ふすまの多孔質構造が素早く閉塞され、小麦ふすまの吸水性を短時間に、効果的に低減することができると考えられる。また、多孔質構造の閉塞に加え、上記混練によって小麦ふすまの強靭な組織を効果的に破壊することができ、ざらつき感も低減すると考えられる。ここで小麦ふすまと混合する水の量が本発明で規定するよりも多いと、十分な加圧条件下での混練を安定的に維持できない場合がある。
また、上記特定量の水と混合された小麦ふすまを、上記特定の温度条件で、且つ1.5〜10MPaという従来に比べて格段に高い圧力条件下で、二軸スクリューの回転により混練することにより、小麦ふすま臭や、脂肪酸を、当該水へと、より短時間に、より効率的に移行させることができ、さらに二軸エクストルーダーから混練物が排出された際には、水分が素早く蒸散し、この水分の蒸散に伴い小麦ふすま臭や脂肪酸由来の不快臭を効果的に取り除くことができる。ここで、小麦ふすまと混合する水の量が本発明で規定するよりも少ないと、臭気を水に十分に移行させることが難しくなり、風味を十分に改善することが困難となる。
バレル内の圧力は、スクリュー(2、2)の回転速度、バレル(1)内温度、開口部(4)の開口径、水分量等を適宜に調節することにより、調節することができる。
バレル内の圧力は、排出口(4)に圧力計を設置して測定される。
排出口の温度は、ダイプレートに設置され、あるいは組み込まれたヒーターにより調節することができる。
投入試料のフィード流量は、バレル内容積、滞留時間、バレル内圧力等を考慮し適宜に調節されるものであるが、5〜500kg/時間(hr)とするのが好ましく、7〜450kg/hrとするのがより好ましく、10〜400kg/hrとするのが更に好ましい。
本発明の製造方法によれば、他の湿熱処理装置(オートクレーブ等)に比べて、短時間に、且つ連続的に、所望の特性を有する小麦ふすま加工品を得ることができる。
本発明の小麦ふすま加工品を粉体ないしは粒状とする場合、その粒径は0.1mm以上とすることが好ましい。各種食品への配合のしやすさの観点から、本発明の小麦ふすま加工品は、より好ましくは粒径を0.2mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上とする。また、同様の観点から、本発明の小麦ふすま加工品の粒径を3.0mm以下とすることが好ましく、2.0mm以下とすることがさらに好ましく、1.5mm以下とすることがさらに好ましく、1.0mm以下とすることがさらに好ましい。
小麦ふすま加工品の粒径は、粉砕の程度やその後の分級により適宜調整することができる。粉砕の程度による調整は、用いる粉砕機の使用法に従えばよく、分級による調整は、空気分級や篩い分け等、慣用の手段により行うことができる。篩い分けの場合、用いる篩いの網目の大きさ(メッシュ)により調整することができる。例えば、粒径0.5〜1.0mmの小麦ふすま加工品とする場合、16メッシュの篩を通過し、30メッシュの篩を通過しない画分を採取する。なお、ここでいうメッシュの番手は、日本工業規(JISZ8801-1966)のものである。
本明細書において含水率は、赤外線水分計(FD−720,ケツト科学社製)を用いて測定することができる。すなわち、小麦ふすま加工品1gを試料皿に量り取り、赤外線照射によって105℃で加熱乾燥させ、含まれていた水分の蒸発による質量変化から水分量を求める。質量変化は30秒毎に測定し、変動幅が0.05%以内となったときの質量変化から、小麦ふすま加工品中に含まれていた水分量を求め、含水率(質量%)を算出する。
二軸エクストルーダーを用いて小麦ふすまを処理する小麦ふすま加工品の製造方法であって、
二軸エクストルーダーのバレル内の温度を60〜200℃とし、該バレル内に、脂質含有量が5.0質量%以下の小麦ふすまと、該小麦ふすま100質量部に対して15〜95質量部の水とを投入し、投入物を該バレル内で混練することを含む、製造方法。
前記の脂質含有量が5.0質量%以下の小麦ふすまが、好ましくは、小麦ふすまを有機溶剤中に浸漬して脱脂したものである、前記<1>に記載の製造方法。
<3>
前記有機溶剤が、好ましくは、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチルエーテル、アセトン、ヘキサン及び二塩化エチレンから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはヘキサンである、前記<2>に記載の製造方法。
<4>
前記の脂質含有量が5.0質量%以下の小麦ふすまが、好ましくは、脂質含有量が4.8質量%以下の小麦ふすまである、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の製造方法。
<5>
前記の脂質含有量が5.0質量%以下の小麦ふすまが、好ましくは、脂質含有量が0.5質量%以上の小麦ふすまである、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の製造方法。
<6>
前記の脂質含有量が5.0質量%以下の小麦ふすまが、好ましくは、脂質含有量が0.5〜4.8質量%の小麦ふすまである、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の製造方法。
前記の脂質含有量が5.0質量%以下の小麦ふすまの含水率が、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の製造方法。
<8>
前記バレル内への前記水の投入量を、前記の脂質含有量が5.0質量%以下の小麦ふすま100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは25質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上、特に好ましくは40質量部以上とする、前記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の製造方法。
<9>
前記バレル内への前記水の投入量を、前記の脂質含有量が5.0質量%以下の小麦ふすま100質量部に対して、好ましくは90質量部以下、より好ましくは85質量部以下、さらに好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは75質量部以下、さらに好ましくは70質量部以下、特に好ましくは65質量部以下とする、前記<1>〜<8>のいずれか1つに記載の製造方法。
<10>
前記バレル内への前記水の投入量を、前記の脂質含有量が5.0質量%以下の小麦ふすま100質量部に対して、好ましくは20〜90質量部、より好ましくは25〜85質量部、さらに好ましくは30〜80質量部、さらに好ましくは40〜75質量部、さらに好ましくは40〜70質量部、特に好ましくは40〜65質量部とする、前記<1>〜<9>のいずれか1つに記載の製造方法。
前記バレル内の温度を、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上、特に好ましくは110℃以上として、前記投入物を前記バレル内で混練する、前記<1>〜<10>のいずれか1つに記載の製造方法。
<12>
前記バレル内の温度を、好ましくは180℃以下、より好ましくは160℃以下、さらに好ましくは150℃以下、さらに好ましくは140℃以下、特に好ましくは130℃以下として、前記投入物を前記バレル内で混練する、前記<1>〜<11>のいずれか1つに記載の製造方法。
<13>
前記バレル内の温度を、好ましくは70〜180℃、より好ましくは80〜160℃、さらに好ましくは90〜150℃、さらに好ましくは100〜140℃、特に好ましくは110〜130℃として、前記投入物を前記バレル内で混練する、前記<1>〜<12>のいずれか1つに記載の製造方法。
前記バレル内の圧力を、好ましくは1.5MPa以上、より好ましくは2.0MPa以上、さらに好ましくは2.5MPa以上、さらに好ましくは3.0MPa以上、特に好ましくは3.5MPa以上として、前記投入物を前記バレル内で混練する、前記<1>〜<13>のいずれか1つに記載の製造方法。
<15>
前記バレル内の圧力を、好ましくは9.0MPa以下、より好ましくは8.0MPa以下、さらに好ましくは7.0MPa以下として、前記投入物を前記バレル内で混練する、前記<1>〜<14>のいずれか1つに記載の製造方法。
<16>
二軸エクストルーダーの排出口の温度を、好ましくは105℃以上として、前記バレル内で混練した前記投入物を前記排出口から排出する、前記<1>〜<15>のいずれか1つに記載の製造方法。
<17>
二軸エクストルーダーの排出口の温度を、好ましくは140℃以下、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは120℃以下として、前記バレル内で混練した前記投入物を前記排出口から排出する、前記<1>〜<16>のいずれか1つに記載の製造方法。
<18>
二軸エクストルーダーの排出口の温度を、好ましくは105〜140℃、より好ましくは105〜130℃、さらに好ましくは105〜120℃として、前記バレル内で混練した前記投入物を前記排出口から排出する、前記<1>〜<17>のいずれか1つに記載の製造方法。
前記投入物の滞留時間を、好ましくは0.1分以上、より好ましくは0.3分以上、さらに好ましくは0.5分以上、特に好ましくは0.7分以上とする、前記<1>〜<18>のいずれか1つに記載の製造方法。
<20>
前記投入物の滞留時間を、好ましくは30分以下、より好ましくは10分以下、さらに好ましくは8分以下、さらに好ましくは6分以下、特に好ましくは4分以下とする、前記<1>〜<19>のいずれか1つに記載の製造方法。
<21>
前記投入物の滞留時間を、好ましくは0.1〜30分、より好ましくは0.1〜10分、さらに好ましくは0.3〜8分、さらに好ましくは0.5〜6分、特に好ましくは0.7〜4分とする、前記<1>〜<20>のいずれか1つに記載の製造方法。
前記投入物のフィード流量を、好ましくは5kg/時間以上、より好ましくは7kg/時間以上、さらに好ましくは10kg/時間以上とする、前記<1>〜<21>のいずれか1つに記載の製造方法。
<23>
前記投入物のフィード流量を、好ましくは500kg/時間以下、より好ましくは450kg/時間以下、さらに好ましくは400kg/時間以下とする、前記<1>〜<22>のいずれか1つに記載の製造方法。
<24>
前記投入物のフィード流量を、好ましくは5〜500kg/時間、より好ましくは7〜450kg/時間、さらに好ましくは10〜400kg/時間とする、前記<1>〜<23>のいずれか1つに記載の製造方法。
前記小麦ふすま加工品の粒径が、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上である、前記<1>〜<24>のいずれか1つに記載の製造方法。
<26>
前記小麦ふすま加工品の粒径が、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.0mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下、特に好ましくは1.0mm以下である、前記<1>〜<25>のいずれか1つに記載の製造方法。
<27>
前記小麦ふすま加工品の粒径が、好ましくは0.1〜3.0mm、より好ましくは0.2〜2.0mm、さらに好ましくは0.3〜1.5mm、特に好ましくは0.3〜1.0mmである、前記<1>〜<26>のいずれか1つに記載の製造方法。
前記小麦ふすま加工品の含水率が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは2.5質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、特に好ましくは4質量%以上である、前記<1>〜<27>のいずれか1つに記載の製造方法。
<29>
前記小麦ふすま加工品の含水率が、好ましくは20質量%以下、より好ましくは13質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは6質量%以下である、前記<1>〜<28>のいずれか1つに記載の製造方法。
<30>
前記小麦ふすま加工品の含水率が、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜13質量%、さらに好ましくは2.5〜10質量%、さらに好ましくは3〜6質量%、特に好ましくは4〜6質量%である、前記<1>〜<29>のいずれか1つに記載の製造方法。
小麦ふすま中の脂質含有量は酸分解法により測定した。詳細を以下に説明する。
(II)測定試料約2g(S)をビーカーに量りとり、その質量を測定した。エタノールを加えて、ガラス棒でよく混和し、さらに塩酸を加えて充分に混和した後、時計皿で覆って80℃の電気恒温水槽上で、30分間、時々かき混ぜながら加温した。
(III)放冷後、内容物をマジョニア管に移しエーテル25mLを加えて振り混ぜた後、石油エーテル25mLを加え、同様に振り混ぜた。
(IV)上部が透明になるまで静置後、脱脂綿を詰めた漏斗でろ過し、105℃の電気乾燥機で1時間乾燥後、秤量したフラスコに集めた。
(V)混液を捕集したフラスコをロータリーエバポレーターに設置して溶媒を除去し、続いて105℃に設定した乾燥器に入れ、1時間加熱し、デシケーターに移し替えて室温になるまで放冷した後、直ちに質量を測定した(W)。
脂質含有量(%)=100×(W−W0)/S
W:前記(V)で測定した抽出フラスコの質量(g)
W0:前記(I)で測定した抽出フラスコの質量(g)
S:前記(II)で秤取った測定試料の質量(g)
市販の脱脂小麦ふすま(商品名:ウィートブランDF(脂質含有量4.5質量%、含水率1.5質量%以下)、日清ファルマ社製)を4.55kg量り取り、水2.45kgを加えて、縦型攪拌機(関東混合機工業社製HPi−60)を用いて3分間混合した。
得られた混合物を二軸エクストルーダーのフィーダー内に投入し、二軸エクストルーダー(スエヒロEPM社製EA−20型、ダイ径φ3mm×1)の中間バレルヒーターを120℃(すなわち混練時のバレル内温度:120℃)、フィード流量を20kg/hr、バレル内の圧力を4.8MPa(すなわち混練時のバレル内圧力:4.8MPa)、ダイプレートヒーターを120℃、メインスクリュー回転数200rpmとして、スクリューの回転により混合物を混練しながら押し出した。小麦ふすまのバレル内滞留時間は1.2分であった。排出口から排出された試料を、バキューム乾燥機を用いて60℃で24時間乾燥した。室温で24時間保管した後に含水率を測定した。
得られた乾燥品をブレンダーで粉砕し、16メッシュの篩を用いて、粒径1mm以下の小麦ふすま加工品を得た。なお、得られた小麦ふすま加工品の含水率は4.0質量%であった。
上記実施例1において、メインスクリュー回転数を150rpmに変更し、表1に記載のとおりのバレル内温度及びバレル内圧力としたこと以外は、実施例1と同様にして小麦ふすま加工品(含水率4.0質量%)を得た。
上記実施例1において、メインスクリュー回転数を150rpmに変更し、表1に記載のとおりのバレル内温度及びバレル内圧力としたこと以外は、実施例1と同様にして小麦ふすま加工品(含水率4.1質量%)を得た。
上記実施例1において、メインスクリュー回転数を150rpmに変更し、表1に記載のとおりのバレル内圧力としたこと以外は、実施例1と同様にして小麦ふすま加工品(含水率4.0質量%)を得た。
実施例1において、原料である脱脂小麦ふすまの使用量を5.6kg、この脱脂小麦ふすまと混合する水の量を1.4kgとし、メインスクリュー回転数を150rpmに変更し、表1に記載のとおりのバレル内圧力としたこと以外は、実施例1と同様にして小麦ふすま加工品(含水率4.3質量%)を得た。
実施例1において、原料である脱脂小麦ふすまの使用量を3.85kg、この脱脂小麦ふすまと混合する水の量を3.15kgとし、メインスクリュー回転数を150rpmに変更し、表1に記載のとおりのバレル内圧力としたこと以外は、実施例1と同様にして小麦ふすま加工品(含水率4.2質量%)を得た。
上記実施例1において、メインスクリュー回転数を100rpmに変更し、ダイ径を6mmに変更し、表1に記載のとおりのバレル内圧力としたこと以外は、実施例1と同様にして小麦ふすま加工品(含水率4.0質量%)を得た。
実施例1において、原料として用いた市販の脱脂小麦ふすまに代えて、未脱脂小麦ふすま(商品名:ファインブラン(脂質含有量7.2質量%、含水率1.5質量%以下)、三輪社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして小麦ふすま加工品(含水率5質量%)を得た。
実施例1において、原料である脱脂小麦ふすまの使用量を6.37kgとし、この脱脂小麦ふすまと混合する水の量を0.63kgとしたこと、表1に記載のとおりバレル内の圧力を変更したこと以外は、実施例1と同様にして小麦ふすま加工品(含水率5質量%)を得た。
市販の脱脂小麦ふすま(商品名:ウィートブランDF(脂質含有量4.5質量%、含水率1.5質量%以下)、日清ファルマ社製)を32.5g量り取り、蒸留水17.5gを加えて混合した。得られた混合物を、オートクレーブを用いて120℃、5分間の湿熱処理に付した。湿熱処理後の小麦ふすまを、バキューム乾燥機を用いて60℃で24時間乾燥した。得られた乾燥品を、実施例1と同様にして粉砕し、16メッシュの篩を用いて、粒径1mm以下の小麦ふすま加工品(含水率5質量%以下)を得た。
なお、表1中、比較例3においては、「混練時のバレル内温度」及び「混練時のバレル内圧力」を、それぞれ「湿熱処理時の温度」及び「湿熱処理時の圧力」に読み替える。
上記各実施例及び比較例で得られた小麦ふすま加工品2.0gを口中に含んだ際に感じるふすま臭を、比較例1の小麦ふすま加工品を基準品とし、下記評価基準により相対評価した。下記評価基準において、「1」が最も低い評価で、「2」〜「5」に向けて順次評価が高くなり、「6」が最も優れた評価である。下表に示す評価結果は3人の専門パネルの評価数値の平均である。
− 評価基準 −
6:ふすま臭をほとんど感じない。
5:ふすま臭がより抑えられている。
4:基準品よりもふすま臭が弱い。
3:基準品と同等のふすま臭である。
2:基準品よりもふすま臭をやや強く感じる。
1:基準品よりもふすま臭を強く感じる。
上記各実施例及び比較例で得られた小麦ふすま加工品2.0gを口中に含んだ際に感じるざらつき感を、実施例3の小麦ふすま加工品を基準品とし、下記評価基準により相対評価した。下記評価基準において、「1」が最も低い評価で、「2」〜「4」に向けて順次評価が高くなり、「5」が最も優れた評価である。下表に示す評価結果は3人の専門パネルの評価数値の平均である。
− 評価基準 −
5:ざらつき感を殆ど感じない。
4:基準品よりもざらつき感が弱い。
3:基準品と同等のざらつき感である。
2:基準品よりもざらつきをやや強く感じる。
1:基準品よりもざらつきを強く感じる。
各実施例及び比較例において、原料として用いた小麦ふすま及びこれから得られた小麦ふすま加工品の各々から油脂成分を抽出し、抽出された各油脂成分の酸価を測定した。得られた値から、下記式により酸価維持率を求めた。酸価維持率が低いほど、脂肪酸が効率的に除去されていることを示す。
クロロホルム・メタノール混液抽出法により油脂成分を抽出した。詳細を以下に説明する。
(II)クロロホルム・メタノール混液をエバポレーターにて留去させた。
(III)石油エーテル125mlを加え、内容物を溶解させ、さらに無水硫酸ナトリウムを5g加えて振り混ぜたのち、遠心分離を実施した。
(IV)上澄みを採取し、採取した上澄みを105℃の電気乾燥機を用いて1時間乾燥し、デシケーターに移し替え、室温になるまで放冷して油脂成分を得た。
上記で抽出した油脂成分の酸価は、基準油脂分析試験法(2.3.1−1996 酸価)に従って測定した。
また、小麦ふすまに対する水の混合量が本発明で規定するよりも少ない比較例2では、比較例1よりもふすま臭を強く感じる結果となった。また、酸価維持率が高く、脂肪酸が除去されにくいこともわかった。
また、二軸エクストルーダーを用いずに、オートクレーブを用いて120℃、5分間、脱脂小麦ふすまを処理した比較例3では、比較例1よりもふすま臭を感じる結果となった。また、混合処理後において酸価が全く減少せず、脂肪酸を除去することができなかった。
また、実施例1〜7で得られた小麦ふすま加工品は、比較例2や3で得られた小麦ふすま加工品に比べざらつき感が低減されており、食した際に舌上に感じるふすま粒の残留感が少なく、さらに、原料として用いた小麦ふすまが有する唾液の吸収感も低減されており、口中にパサつきを感じにくいものであった。
Claims (6)
- 二軸エクストルーダーを用いて小麦ふすまを処理する小麦ふすま加工品の製造方法であって、
二軸エクストルーダーのバレル内の温度を60〜200℃とし、該バレル内に、脂質含有量が5.0質量%以下の小麦ふすまと、該小麦ふすま100質量部に対して15〜95質量部の水とを投入し、投入物を該バレル内で混練することを含む、製造方法。 - 前記バレル内への前記水の投入量を、前記小麦ふすま100質量部に対して20〜95質量部とする、請求項1に記載の製造方法。
- 前記バレル内の圧力を1.5〜10MPaとして、前記投入物を前記バレル内で混練する、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記バレル内の圧力を3.0〜9.0MPaとして、前記投入物を前記バレル内で混練する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記投入物の滞留時間を0.1〜30分とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記投入物のフィード流量を5〜500kg/hrとする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019198281A (ja) * | 2018-05-17 | 2019-11-21 | 花王株式会社 | 腸内菌叢改善用飲食品 |
JP2019198280A (ja) * | 2018-05-17 | 2019-11-21 | 花王株式会社 | 体脂肪低減用飲食品 |
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2016
- 2016-04-19 JP JP2016083824A patent/JP2016220676A/ja active Pending
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