JP3400553B2 - 部分発泡熱成形容器とその製造方法 - Google Patents

部分発泡熱成形容器とその製造方法

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隆次 森脇
徹郎 安池
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特殊な製造設備を必要
とせず、意図的に肉厚分布や発泡倍率の不均一な発泡容
器を得ることのできる方法に関する。本発明の方法によ
り得られる発泡容器は、食品や医薬品等をはじめ、各種
分野において好適に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の目的に応じて、様々な
材料を用いた発泡容器が開発されている。しかしなが
ら、従来の発泡容器は均一な発泡を目的としており、そ
の発泡倍率を意図的に変化させたもの、すなわち容器内
に発泡倍率の高い部分と低い部分とが存在したものは、
これまで知られていなかった。
【0003】例えば、均一な発泡状態を保持した容器を
製造するための積層シートの両面真空成形方法として、
容器の両面に雌雄金型を用い、真空成形により容器を成
形する方法が知られているが(特公平5─28974号
公報)、雌金型の他に雄金型とその真空設備など特殊な
製造設備が必要であり、しかも雌雄金型の間隙の調整や
位置合わせが微妙で難しく、さらに容器内面に真空孔の
痕が残るという問題がある。しかも、勿論、この方法で
は、その発泡倍率を意図的に変化させたもの、すなわち
容器内に発泡倍率の高い部分と低い部分とが存在した発
泡容器は得られない。
【0004】一方、容器にリブなどの凹凸を設けること
により、容器の剛性を高めることが行なわれている。こ
の場合、雌金型にのみ凹凸を設けた金型を用いて成形し
ても、容器外側の層だけではなく、容器内側の層も凹凸
状に成形されてしまうため、内容物が例えばスープなど
のような液状の食品である場合など、容器内側の凹部に
この内容物が残ってしまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の欠点を解消し、特殊な製造設備を必要とせず、容
器成形時に発泡層内の気体を移動させることにより、意
図的に肉厚分布やシート密度の不均一な発泡容器を得る
ことのできる方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、通気
性のある連続発泡層からなる発泡コア層とその両側に隣
接する非通気性の外層とを有する、少なくとも3層構造
の積層シートを熱成形することにより得られる、容器外
面のみに凹凸の付与された発泡容器であって、前記発泡
コア層が熱可塑性樹脂と無機質充填剤と発泡剤とからな
り、かつ前記熱可塑性樹脂と前記無機質充填剤とを前者
99.9〜75重量%と後者0.1〜25重量%の割合
で配合してなる、連続気泡率が30%以上、100%以
下の発泡体であって、前記発泡コア層内の気体の移動に
より高発泡部分である凸部と低発泡部分である凹部とが
形成され、凸部の発泡倍率(N)が、成形前積層シート
の発泡コア層の発泡倍率をnとした場合、N=k×nの
関係において、1.2≦k≦4の範囲にあると共に、凹
部の発泡倍率が前記成形前積層シートの発泡コア層の発
泡倍率より低いことを特徴とする部分発泡熱成形容器を
提供するものである。
【0007】以下、本発明の部分発泡熱成形容器につい
て説明する。第1図は本発明の部分発泡熱成形容器の一
態様を示す斜視図である。
【0008】本発明の部分発泡熱成形容器は、通気性の
ある連続発泡層からなる発泡コア層とその両側に隣接す
非通気性の外層とを有する、少なくとも3層構造の積
層シートを熱成形することにより得られる、容器外面の
みに凹凸の付与された発泡容器である。本発明の部分発
泡熱成形容器は、カップ状、円筒状、円錐台状、角筒
状、角錐台状、平箱状、平皿状等の外形を有し、表面に
凹凸の付与されたものである。
【0009】本発明の部分発泡熱成形容器を得るための
材料である積層シートにおける発泡コア層は、熱可塑性
樹脂と発泡剤とからなる、連続気泡率が30%以上、1
00%以下の発泡体である。
【0010】本発明において用いる積層シートを構成す
る発泡コア層は、通気性のある連続発泡層である。換言
すれば、発泡コア層の気泡形態は連続気泡であり、連通
性があることが特徴である。この発泡コア層における連
続気泡率は、30%以上、100%以下、好ましくは6
0%以上、100%以下、さらに好ましくは65%以
上、100%以下である。発泡コア層における連続気泡
率が30%未満であると、発泡コア層の連通性に乏し
く、気体の移動が少ないため、部分的な発泡容器が得ら
れない。
【0011】本発明において連続気泡率は、以下のよう
にして測定したものである。 〔連続気泡率測定〕 (1)適応範囲 中間層に発泡層を持ち、両外層が非発泡スキン層である
多層発泡体の気泡の連通性について規定する。 (2)概要・原理 乾式自動密度測定機は気体置換法により、サンプルの体
積測定を行なう。このため、この測定機で発泡シートの
測定を行なうと、発泡セル内にまで置換気体が侵入し、
この結果、見かけの体積よりも低い値が測定される。こ
のことを利用し、見かけの体積:Vと、測定体積:VA
との差(V−VA )を連通性の評価基準として、連続気
泡率の測定を行なう。 (3)使用機器 乾式自動密度測定機「アキュピック」(島津製作所製) (4)試験片 10×20mm、カッター刃にて採取
【0012】(5)算出式 ・連続気泡率(%)=Vd ×100/{(1−1/n)
×Vh } なお、nは発泡倍率である。試験片の横寸をLとし、縦
寸をWとし、厚み寸をTとし、中間の発泡層の厚みをT
h とし、両外層(非発泡スキン層)のそれぞれの厚みを
s とした。 ・見かけ体積:V=T×L×W ・見かけ発泡層体積:Vh =Th ×L×W ・測定体積:VA ・体積差:Vd =(V−VA
【0013】本発明において、発泡容器の成形材料とし
て用いられる積層シートは、上記のように、通気性のあ
る連続発泡層からなる発泡コア層とその両側に隣接する
非通気性の外層とを有する、少なくとも3層構造のもの
である。
【0014】ここで中間層をなす発泡コア層は、熱可塑
性樹脂と無機質充填剤と発泡剤とからなり、かつ、連続
気泡率が30%以上、100%以下の連続発泡層とされ
ている。熱可塑性樹脂としてはポリオレフィン系樹脂を
用いることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂としては
特に制限はないが、特にエチレンやプロピレンの単独重
合体、又はエチレン或いはプロピレンと他のα−オレフ
ィンとの共重合体などが挙げられ、具体的には例えば、
高密度,中密度又は低密度ポリエチレン、直鎖状低密度
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体や、アタクチック,シ
ンジオタクチック又はアイソタクチックポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレンブロック共重合体又はランダ
ム共重合体、ポリブテン,ポリメチルペンテンなどが挙
げられ、これらを単独で、或いは2種以上を混合して用
いることができる。
【0015】これら熱可塑性樹脂のメルトインデックス
(MI)は、成形品の用途等を考慮して適宜選択すれば
よく、特に限定はないが、通常、0.3〜10g/10
分程度のものが用いられる。また、本発明の方法により
得られる発泡容器を食品や医薬品関連分野などに用いる
場合には、これら熱可塑性樹脂としては衛生上支障のな
いものを選択して用いる必要がある。
【0016】次に、発泡剤としては、水の他に、通常の
化学発泡剤、例えば炭酸水素ナトリウム,炭酸水素アン
モニウム,炭酸アンモニウム等の無機塩、アゾジカルボ
ンアミド,アゾビスイソブチロニトリル,ジニトロペン
タメチレンテトラミン,4,4’−オキシビスベンゾス
ルホニルヒドラジド,パラトルエンスルホニルヒドラジ
ド,クエン酸等の有機化合物及びこれら発泡剤の2種以
上の組合せが挙げられる。発泡剤の使用量は特に制限は
ないが、通常は、この発泡コア層の発泡倍率(一次発泡
倍率)が20倍以下、特に10倍以下となるように用い
る。例えば、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを用い
た場合には、分解温度が160℃程度の炭酸水素ナトリ
ウム系発泡剤が用いられる。
【0017】発泡剤の添加量は、成形温度,樹脂の種類
や発泡剤の種類等により異なるが、通常、熱可塑性樹脂
と後述する無機質充填剤との合計量100重量部に対し
て、0.1〜20重量部である。
【0018】さらに、中間層をなす発泡コア層には、無
機質充填剤を配合することが不可欠である。このような
無機質充填剤を配合することにより、発泡コア層を通気
性のある連続発泡層とすることができる。ここで無機質
充填剤としては、特に限定はなく、例えばシリカ,珪藻
土,バリウムフェライト,酸化バリウム,軽石,軽石バ
ルーン等の酸化物、水酸化アルミニウム,水酸化マグネ
シウム,塩基性炭酸マグネシウム等の水酸化物、炭酸カ
ルシウム,炭酸マグネシウム,ドロマイト,ドーソナイ
ト等の炭酸塩、硫酸カルシウム,硫酸バリウム,硫酸ア
ンモニウム,亜硫酸カルシウム等の硫酸塩又は亜硫酸
塩、タルク,クレー,マイカ,アスベスト,ガラスバル
ーン,ガラスビーズ,ケイ酸カルシウム,モンモリロナ
イト,ベントナイト等のケイ酸塩、カーボンブラック,
グラファイト,炭素中空球等の炭素類が挙げられ、さら
には硫化モリブデン,ホウ酸亜鉛,メタホウ酸バリウ
ム,ホウ酸カルシウム,ホウ酸ナトリウム等の粉末状,
粒状,板状のものも用いることができる。これらの中で
も特にタルクや炭酸カルシウムなどが好ましい。これら
の無機質充填剤は、単独で用いてもよいし、或いは2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】発泡コア層における熱可塑性樹脂と無機質
充填剤の配合割合は、通常、熱可塑性樹脂99.9〜7
5重量%に対し、無機質充填剤0.1〜25重量%の割
合、好ましくは前者99.5〜90重量%に対し、後者
0.5〜10重量%の割合である。無機質充填剤の配合
割合が少な過ぎると、通気性のある連続発泡層とするこ
とはできず、充分な発泡コア層の連通率が得られない。
一方、無機質充填剤の配合割合が多過ぎると、気泡が粗
雑となったり、シートが脆くなるため、容器成形の際、
容器に破れが生じたりしてしまい、容器成形が困難とな
る。従って、いずれも好ましくない。
【0020】次に、本発明において用いる積層シートを
構成する外層(前記発泡コア層の両側に隣接する層)
は、熱可塑性樹脂からなる非通気性層である。ここで非
通気性とは、実質上全く通気性を有しないものを言う。
この層には無機質充填剤は含まれない。このような外層
における熱可塑性樹脂としては、前記発泡コア層におけ
る説明中に記載したものが挙げられ、通常、前記発泡コ
ア層で用いるものと同じ熱可塑性樹脂(好ましくはポリ
オレフィン系樹脂)が用いられるが、これとは異なる熱
可塑性樹脂(好ましくはポリオレフィン系樹脂)を用い
てもよい。特に好ましいのはエチレンやプロピレンの単
独重合体、又はエチレン或いはプロピレンと他のα−オ
レフィンとの共重合体である。
【0021】本発明において用いる積層体は、上記した
如き発泡コア層と、この発泡コア層の両側に隣接する外
層との少なくとも3層構造のものであるが、例えば、容
器として酸素バリヤー性を必要とする場合には、一方の
側の外層と発泡コア層との間に、それぞれ接着層を介し
てエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)層
を設けた6層構造の積層体を用いてもよい。ここでEV
OHは、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化して得
られる共重合体であり、エチレン含有量が25〜50モ
ル%のものが用いられる。また、接着層を構成する接着
剤としては、EVOH層と発泡コア層とを接着するのに
適したものであれば特に限定はなく、例えば不飽和カル
ボン酸変性ポリプロピレン,エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げら
れる。
【0022】さらに、本発明においては、積層体とし
て、少なくとも一方の外層の外面に、界面において剥離
可能な剥離層を設けたものを用いることができる。この
ような剥離層は、その下(内側)の表下層を介して、少
なくとも一方の外層の上(外側)に、界面において剥離
可能に設けられている。なお、容器成形時において、こ
の剥離層が容器内面に位置するようにする。この場合、
一方の外層の外面に表下層を介して剥離層を設けたもの
は5層構造のものとなり、両方の外層の外面にこれらを
設けたものは7層構造のものとなる。この剥離層は、上
記したと同様の熱可塑性樹脂からなるものであり、無機
質充填剤や発泡剤は全く含まない層(無機質充填剤を含
有しない熱可塑性樹脂非発泡層)である。
【0023】この剥離層や表下層において用いる熱可塑
性樹脂としては、前記の発泡コア層についての説明中で
述べたものが挙げられ、発泡コアや外層で用いるものと
同じ熱可塑性樹脂(好ましくはポリオレフィン系樹脂)
を用いてもよいし、或いはこれとは異なる樹脂を用いて
もよい。剥離層を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリ
オレフィン系樹脂、特にポリエチレン又はポリプロピレ
ンが好ましい。また、表下層を構成する熱可塑性樹脂と
しては、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好まし
く、特にポリプロピレンとポリエチレンとの混合物を用
いるのが好ましい。
【0024】なお、積層体を構成する各層(発泡コア層
や外層など)には、必要に応じて、通常用いられる滑
剤,着色剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,界面活性剤,
難燃剤,可塑剤,帯電防止剤等の添加剤を加えてもよ
い。本発明の方法により得られる発泡容器が食品や医薬
品等の用途に用いられる場合には、安全衛生上問題のな
いものを用いることは、無機質充填剤の場合と同様であ
る。これらの添加剤の添加量は、通常、樹脂成分100
重量部に対して、0.01〜10重量部程度である。
【0025】本発明において、発泡容器の成形材料とし
て用いられる積層シートは、上記した如く、基本的には
発泡コア層と、この発泡コア層の両側に隣接する外層の
少なくとも3層からなるものであり、さらに必要に応じ
て各種層が積層されているものである。
【0026】ここで積層の方法には、各層シートを別々
に成形した後に、各層シートを熱圧着や各層を接着剤で
挟んで接着する方法もあるが、各層をそれぞれの押出機
を用い、共通のダイを用いて共押出する方法が、効率上
及び食品衛生上などから見て最も好ましい。すなわち、
各層の構成成分を予め公知のバンバリーミキサー、単軸
・二軸混練機等を用いて溶融混練し、得られたペレット
を、各層それぞれの押出機を用い、共通のダイを用いて
共押出する方法が好ましい。このような共押出法は、熱
圧着による貼り合わせ法に比べて、成形の際に亀裂が生
じたり、シートが破断することが少なく、また、接着が
効率的であって食品衛生上も極めて好ましいものであ
る。
【0027】このようにして得られる積層シートの構成
としては、通気性のある連続発泡層をなす発泡コア層を
RB層とし、この発泡コア層(RB層)の両側に隣接す
る、非通気性の外層(非発泡層)をHH層とし、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体層をEVOH層とすれ
ば、以下の如き3層以上の構造の積層シートが挙げられ
る。 HH層/RB層/HH層 HH層/接着層/EVOH層/接着層/RB層/HH
層 剥離層/表下層/HH層/RB層/HH層 なお、本発明において用いる積層シートは、これらの構
造のものに限定されるものではない。
【0028】積層シートの各層の厚みは、容器の用途に
応じて異なるが、通常、RB層は、1.4〜4mm、H
H層は0.2〜0.7mm、EVOH層は0.01〜
0.1mm、表下層は0.01〜0.2mm、剥離層は
0.01〜0.2mm程度が適当であり、積層シート全
体としては2〜6mmとするのが好ましい。
【0029】本発明の部分発泡熱成形容器は、上記した
如き積層シートを熱成形することにより得られる発泡容
器であって、凸部が容器外面のみに形成され、凸部の発
泡倍率(N)が、成形前積層シートの発泡コア層の発泡
倍率をnとした場合、N=k×nの関係において、1.
2≦k≦4の範囲にあると共に、凹部の発泡倍率が前記
成形前積層シートの発泡コア層の発泡倍率より低いこと
を特徴とするものである。
【0030】上記したように、本発明の部分発泡熱成形
容器は、凸部が容器外面のみに形成されたものであり、
容器内面には極く僅かな凹部が形成されたものである。
本発明の部分発泡熱成形容器では、容器外面に形成され
ている凸部の発泡倍率(N)が、成形前積層シートの発
泡コア層の発泡倍率をnとした場合、N=k×nの関係
において、1.2≦k≦4の範囲にあることが必要であ
る。つまり、容器外面に形成されている凸部の発泡倍率
が、成形前積層シートの発泡コア層の発泡倍率の1.2
倍以上あることが必要である。1.2倍未満であると、
部分発泡させない容器と比べ、その断熱性に有意差がみ
られない。一方、容器外面に形成されている凸部の発泡
倍率が、成形前積層シートの発泡コア層の発泡倍率の4
倍を超えると、容器外面に形成されている凸部の気泡が
非常に粗くなり、その結果、容器外面に破れが生じた
り、容器外観が悪化してしまう。
【0031】また、本発明の部分発泡熱成形容器では、
上記凸部が形成されている部分の内側の容器内面に極く
僅か凹部が形成されているが、この凹部の発泡倍率は、
前記成形前積層シートの発泡コア層の発泡倍率より低い
ものである。
【0032】このような本発明の部分発泡熱成形容器
は、例えば次のようにして製造することができる。すな
わち、本発明は第2に、発泡コア層を、熱可塑性樹脂と
無機質充填剤と発泡剤とからなり、かつ前記熱可塑性樹
脂と前記無機質充填剤とを前者99.9〜75重量%と
後者0.1〜25重量%の割合で配合してなる、連続気
泡率が30%以上、100%以下の連続発泡層とし、か
つ、前記発泡コア層の両側に隣接する外層を熱可塑性樹
脂からなる非通気性層とした、少なくとも3層構造の積
層シートを用い、当該積層シートを雌金型のみに凹凸を
設けた金型を用いて熱成形し、この熱成形時に前記発泡
コア層内の気体の移動により高発泡部分である凸部と低
発泡部分である凹部とを形成することを特徴とする、前
記本発明の第1の部分発泡熱成形容器の製造方法を提供
するものである。
【0033】発泡コア層を、熱可塑性樹脂と無機質充填
剤と発泡剤とからなり、かつ前記熱可塑性樹脂と前記無
機質充填剤とを前者99.9〜75重量%と後者0.1
〜25重量%の割合で配合してなる、連続気泡率が30
%以上、100%以下の通気性のある連続発泡層とし、
かつ、前記発泡コア層の両側に隣接する外層を熱可塑性
樹脂からなる非通気性層とした、少なくとも3層構造の
積層シートについては、本発明の第1において述べた通
りである。また、発泡剤の使用割合についても本発明の
第1において述べた通りである。
【0034】本発明の第2では、当該積層シートを雌金
型のみに凹凸を設けた金型を用いて熱成形する。ここで
発泡容器の熱成形方法としては、真空成形、真空圧空成
形等が挙げられるが、特に先行クランププラグアシスト
真空成形が好適である。この先行クランププラグアシス
ト真空成形では、容器開口外周をクランプしながら、プ
ラグアシスト真空成形を行なう。成形条件は一般的には
通常の成形条件で良いが、前記積層体を雌金型のみに凹
凸を設けた金型を用いて熱成形することが必要である。
すなわち、雌金型として、リブなどの凹凸を設けたもの
を用いることが必要であり、雄金型には凹凸を設けない
でおく。なお、凹凸の寸法に関しては特に制限はない。
また、凹凸の形状は例えば縦縞状、横縞状、網目状、半
球状等種々の形状が可能であり、また特に規則的に設け
る必要はない。さらに、これらの凹凸は、容器の手で把
持する部分だけでなく、それ以外の部分、例えば容器底
部や外表面全体に相当する雌金型の部分に設けておくこ
ともできる。
【0035】また、本発明の第2では、熱成形する際に
用いる雌金型に、リブなどの凹凸を設けたものを用いる
ことが必要である。これは、以下に述べるように、本発
明の第2では、通気性のある連続発泡層を通じて、間隙
の狭い部分から広い部分へ気体を移動させ、これにより
肉厚分布やシート密度の不均一な容器を製造するように
しているためである。すなわち、本発明の第2は、連続
気泡性を有するシートの特徴を利用し、層内のエアーを
容器の一部分に集中させることにより、原反シートをそ
のま成形した容器に比べ、容器の凸部に関して、その断
熱性を向上させたものである。
【0036】熱成形方法については、後述の実施例で
は、シート上下に温度差をつけ、容器成形することを特
徴とする特願平5−347065号記載の熱成形方法
(先行クランププラグアシスト真空成形法)により成形
したが、本発明の方法は、この熱成形方法に限られるも
のではなく、例えば以下に示す方法によっても成形する
ことができる。すなわち、加熱条件としては特に限定さ
れず、特願平5−347065号記載の熱成形方法のよ
うに、シート上下面に温度差をつける必要はないが、金
型として次のような金型を用いる成形方法である。つま
り、金型とプラグの間隔が、容器凸部以外の部分では、
シート厚みを容器の展開倍率(表面積÷内口面積)で割
った値よりも狭く、容器凸部では、シート厚みを容器の
展開倍率で割った値よりも広いことを特徴とする金型を
用いて行なうことにより、目的とする部分発泡熱成形容
器を製造することができる。
【0037】本発明の第2では、上記のような条件で成
形しているため、特殊な製造設備を必要とすることな
く、肉厚分布やシート密度の不均一な容器を製造するこ
とができる。すなわち、本発明の第2によれば、部分的
に高発泡部分と低発泡部分とを有する発泡容器が得られ
るが、この高発泡部分は、二次発泡(容器成形時に発泡
すること)によるものではなく、積層体(積層シート)
内の気体移動によるものである。従って、成形に必要な
シート体積内に保持されている気体量をAとし、成形容
器内に保持されている気体量をBとすると、発泡原反と
発泡容器には、A≧Bの関係が成り立つ。つまり、成形
に必要な積層シート体積内に保持されている気体量に対
し、成形容器内に保持されている気体量が同じか、それ
以下である。この結果、雌金型の凹部で成形された部分
(容器外面の凸部)の発泡倍率が、積層シート(発泡原
反)の発泡倍率よりも高くなり、部分的に高発泡部分と
低発泡部分とを有する発泡容器が得られる。
【0038】つまり、本発明の方法では、高発泡部分
は、二次発泡によるものではなく、積層シート内の気体
移動によるものであるから、発泡コア層として通気性の
ある連続発泡層を用い、両側に隣接する外層を熱可塑性
樹脂からなる非通気性層としているわけである。このよ
うな積層シート内の気体移動により、意図的に高発泡部
分と低発泡部分とを存在させ、肉厚分布やシート密度を
不均一なものとした発泡容器は、これまで知られていな
かった。本発明の第2によれば、上記した如き積層シー
トを用い、かつ、雌金型のみに凹凸を設けた金型を用い
て熱成形することにより、積層シートにおける発泡コア
層内の気体を、熱成形時に雌金型の凹部に集中させ、こ
れにより成形後、容器内に発泡倍率の高い部分と低い部
分とを形成することができたものである。なお、単に雌
金型に凹凸を設けた金型で成形しても、上記したシート
を用いることなしには容器の発泡倍率を意図的に変化さ
せることはできず、容器内側も金型の凹凸が再現された
ものとなってしまう。
【0039】このようにして特殊な製造設備を必要とす
ることなく、肉厚分布や発泡が不均一であって、部分的
に高発泡部分と低発泡部分とを有し、かつ意匠性に優れ
た発泡容器を得ることができる。本発明の第2により得
られる、本発明の第1の発泡容器は、カップ状、円筒
状、円錐台状、角筒状、角錐台状、平箱状、平皿状等の
外形を有し、表面に凹凸の付与されたものである。ま
た、本発明の第2によれば、容器外面に凹凸を有するた
め、剛性の向上した発泡容器を得ることができる。本発
明の第2によれば、発泡容器の外表面にエンボス加工等
で得られる以上の精緻な立体的模様,図案等を忠実に再
現することが可能であり、容器の印刷を省略することも
可能である。
【0040】
【実施例】次に本発明を、実施例により詳しく説明す
る。
【0041】実施例1 ポリプロピレン樹脂(ポリプロピレンホモポリマー、出
光石油化学製、商品名:出光ポリプロE−100G、M
I=0.6g/10分)98重量%及び無機質充填剤と
してタルク(勝光山製、平均粒径=9μm)2重量%の
合計量100重量部に対し、一段発泡型化学発泡剤(ベ
ーリンガーインゲルハイム製、商品名:ハンドロセルオ
ール)1.2重量部、二段発泡型化学発泡剤(大日精化
製、商品名:ダイブロー)0.8重量部を発泡コア層の
原料とした。
【0042】一方、両外層(非発泡・非通気性層)用原
料として、無機質充填剤及び発泡剤を含まないポリプロ
ピレン樹脂(ポリプロピレンホモポリマー、出光石油化
学製、商品名:出光ポリプロF205S、MI=2g/
10分)を用いた。上記各原料をペレット化したもの
を、それぞれの押出機(発泡コア層用は、直径65mm
の押出機、両外層用は直径65mmの押出機)に投入
し、通常のT−ダイを用い、押出温度160〜200℃
にて共押出を行ない、両外層の厚みがそれぞれ 0.5m
m、発泡コア層の厚みが 3.2mmの三層積層シートを製
造した。この積層シートの発泡コア層の発泡倍率は 3.2
倍であった。また、発泡コア層の連通率、すなわち連続
気泡率は70%であった。なお、連続気泡率は、乾式自
動密度計(島津製作所製)を用いて得られた測定値を基
に、前記した連続気泡率測定方法により算出した。
【0043】この三層積層シートを、特願平5−347
065号による熱成形方法、すなわちシート上下の加熱
温度差を付ける先行クランププラグアシスト真空成形法
により、カップ状容器に成形した。なお、本発明の方法
は、この熱成形方法に限られるものではない。得られた
容器は、第1図に示す如き外観を有する開口径(内寸)
95.5mm、高さ35mmのカップ状のものであっ
た。また、リブ1の長さは20mm、リブ1の高さは2
mm、リブ1の幅は4mm、リブ間の距離は2mm、リ
ブ1の本数は50本であり、展開倍率は2.45倍(表
面積÷内口面積)であった。なお、容器の横断面形状は
第8図に示す通りであった。
【0044】なお、この熱成形時における金型として
は、第3図(縦断面図)及び第4図(横断面図)に示す
如き形状を有する金型Aを用いた。なお、第4図は、第
3図のI−I線断面図である。雌金型2には凹凸形状が
設けられており、凹部の長さは20mmであり、凹部の
数は50個であった(それぞれリブ1の長さと数に対
応)。図中、符号3は雄金型であり、符号4はクランプ
である。発泡コア層の連続気泡率、発泡コア層の発泡倍
率、得られた容器の外観、リブ部の断面形状、容器凸部
の発泡倍率、k値、及び比較例2で得られた容器と比較
した場合の断熱性についての結果を第1表に示す。第1
表から明らかな如く、部分発泡性や容器外観も良好であ
り、断熱性も比較例2の断熱性に比べて大きな有意差が
確認できた。
【0045】実施例2 発泡コア層の原料をポリプロピレン樹脂(ポリプロピレ
ンホモポリマー、出光石油化学製、商品名:出光ポリプ
ロE−100G、MI=0.6g/10分)98重量%
及び無機質充填剤としてタルク(勝光山製、平均粒径=
9μm)2重量%の合計量100重量部に対し、一段発
泡型化学発泡剤(ベーリンガーインゲルハイム製、商品
名:ハンドロセルオール)2.0重量部を配合すること
により、発泡コア層の連続気泡率を98%としたこと以
外は、実施例1と全く同様にしてカップ状容器を得た。
結果を第1表に示す。第1表から明らかな如く、部分発
泡性や容器外観も良好であり、断熱性も比較例2の断熱
性に比べて大きな有意差が確認できた。
【0046】実施例3 発泡コア層の原料をポリプロピレン樹脂(ポリプロピレ
ンホモポリマー、出光石油化学製、商品名:出光ポリプ
ロE−100G、MI=0.6g/10分)98重量%
及び無機質充填剤としてタルク(勝光山製、平均粒径=
9μm)2重量%の合計量100重量部に対し、一段発
泡型化学発泡剤(ベーリンガーインゲルハイム製、商品
名:ハンドロセルオール)0.4重量部、二段発泡型化
学発泡剤(大日精化製、商品名:ダイブロー)1.6重
量部とすることにより、発泡コア層の連続気泡率を35
%としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてカップ
状容器を得た。結果を第1表に示す。第1表から明らか
な如く、部分発泡性や容器外観は良好であり、断熱性も
比較例2の断熱性に比べて大きな有意差が確認できた。
【0047】実施例4 実施例1において、容器のリブ1の高さを1.5mmと
したこと以外は、実施例1と全く同様にしてカップ状容
器を得た。結果を第1表に示す。第1表から明らかな如
く、部分発泡性や容器外観は良好であった。また、断熱
性は比較例2の断熱性に比べ、若干ではあるが有意差が
認められた。
【0048】実施例5 実施例1において、容器のリブ1の高さを5mmとした
こと以外は、実施例1と全く同様にしてカップ状容器を
得た。結果を第1表に示す。第1表から明らかな如く、
部分発泡性や容器外観は良好であり、断熱性は比較例2
の断熱性に比べて大きな有意差が認められた。
【0049】比較例1 発泡コア層の原料をポリプロピレン樹脂(ポリプロピレ
ンホモポリマー、出光石油化学製、商品名:出光ポリプ
ロE−100G、MI=0.6g/10分)98重量
%、二段発泡型化学発泡剤(大日精化製、商品名:ダイ
ブロー)2.0重量%とすることにより、発泡コア層の
連続気泡率を25%としたこと以外は、実施例1と全く
同様にしてカップ状容器を得た。結果を第1表に示す。
この比較例1で得られたシートは発泡コア層の連続気泡
率が小さいため、容器断面図(第11図)から分かるよ
うに、容器凸部の部分的な発泡が得られず、よってk<
1.2になってしまう。
【0050】比較例2 実施例1において、容器にリブ部を全く設けず、第2図
に示すような容器外観を有する容器に成形したこと以外
は、実施例1と全く同様にしてカップ状容器を得た。結
果を第1表に示す。この比較例2で得られた容器には、
凹凸が設けられていないため、部分的な発泡が得られな
い。
【0051】比較例3 実施例1において、容器のリブ1の高さを0.1mmと
したこと以外は、実施例1と全く同様にしてカップ状容
器を得た。結果を第1表に示す。この比較例3で得られ
た容器は、容器の凹凸形状の変化により、k<1.2に
なってしまう。
【0052】比較例4 実施例1において、容器のリブ1の高さを0.5mmと
したこと以外は、実施例1と全く同様にしてカップ状容
器を得た。結果を第1表に示す。この比較例4で得られ
た容器は、容器の凹凸形状の変化により、k<1.2に
なってしまう。
【0053】比較例5 実施例1において、容器のリブ1の高さを5.5mmと
したこと以外は、実施例1と全く同様にしてカップ状容
器を得た。結果を第1表に示す。この比較例5で得られ
た容器は、容器の凹凸形状の変化により、k>4にな
り、その結果、容器外面に破れが生じてしまう。
【0054】実施例6 実施例1において、ポリプロピレン樹脂と無機質充填剤
の配合量を、それぞれ90重量%と10重量%に変えた
こと以外は、実施例1と全く同様にしてカップ状容器を
得た。結果を第1表に示す。第1表から明らかな如く、
部分発泡性や容器外観も良好であり、断熱性は比較例2
の断熱性に比べて大きな有意差が認められた。
【0055】実施例7 実施例1において、ポリプロピレン樹脂と無機質充填剤
の配合量を、それぞれ80重量%と20重量%に変えた
こと以外は、実施例1と全く同様にしてカップ状容器を
得た。結果を第1表に示す。第1表から明らかな如く、
部分発泡性や容器外観も良好であり、断熱性は比較例2
の断熱性に比べて大きな有意差が認められた。
【0056】比較例6 実施例1において、無機質充填剤を全く配合しなかった
こと以外は、実施例1と全く同様にしてカップ状容器を
得た。結果を第1表に示す。第1表から明らかな如く、
シートの連通率が25%になったため、容器断面図から
分かるように、容器凸部の部分的な発泡が得られず、よ
ってk<1.2になってしまい、断熱性が得られなかっ
た。
【0057】比較例7 実施例1において、ポリプロピレン樹脂と無機質充填剤
の配合量を、それぞれ70重量%と30重量%に変えた
こと以外は、実施例1と全く同様にしてカップ状容器を
得た。結果を第1表に示す。第1表から明らかな如く、
無機質充填剤を多量に配合したため、連通率は98%に
なったが、気泡が粗雑化したり、シートが脆くなったた
め、容器成形の際、容器に破れが生じたりしてしまい、
容器成形ができなかった。
【0058】
【表1】
【0059】〔第1表の脚注〕 *1:容器外観・・・○=容器外観が良好、×=容器外
観に破れ等が発生 *2:容器断面形状・・・外面が凹凸で、かつ、内面は
平滑なものが部分発泡性良好 *3:k=(容器凸部発泡倍率)÷(発泡コア層の連続
気泡率) *4:比較例2に示す容器の断熱性を基準とした容器凸
部の断熱性評価 ◎=比較例2に示す容器の断熱性と比較し、大きな有意
差が認められる。 ○=比較例2に示す容器の断熱性と比較し、若干の有意
差が認められる。 ×=比較例2に示す容器の断熱性と比較し、有意差が認
められない。
【0060】
【発明の効果】本発明の第2によれば、二次発泡による
ものではなく、積層体内の気体移動により、高発泡部分
と低発泡部分とを有する本発明の第1の部分発泡容器が
得られる。すなわち、本発明の第2によれば、特殊な製
造設備を必要とすることなく、肉厚分布や発泡が不均一
であって、部分的に高発泡部分を有し、かつ意匠性に優
れた本発明の第1の部分発泡容器を得ることができる。
本発明の第2により得られる容器は、部分的に高発泡部
分を有しているため、高温の内容物を収容した場合など
であっても直接手で把持しうることが可能である。
【0061】また、本発明の第2によれば、容器外面に
高発泡部分と低発泡部分からなる凹凸を有するため、こ
れがリブとなって剛性の向上した発泡容器を得ることが
できる。さらに、本発明の第2では、成形された発泡容
器の内側は凹凸が殆どなく平滑であって、容器としての
美観に優れる上に、食品や医薬品等の被収容物が殆ど残
留せず、しかも容器外表面のうち少なくとも手によって
把持する部分が凹凸を有している容器が得られる。ま
た、本発明の第2によれば、発泡容器の外表面にエンボ
ス加工等で得られる以上の精緻な立体的模様,図案等を
忠実に再現することが可能であり、容器の印刷を省略す
ることも可能である。本発明の部分発泡容器は、容器成
形時に発泡層内の気体を移動させることにより、容器の
一部分を発泡させたものであるので、発泡部分以外の容
器の肉厚は薄くなる。そのため、容器全体に薄肉感があ
る、嵩張らないなどの特質を有する。従って、本発明の
第2により得られる本発明の第1の部分発泡容器は、食
品や医薬品等をはじめ、各種分野において好適に利用す
ることができる。
【0062】なお、本発明の各種態様を示すと以下の通
りである。 (1). 通気性のある連続発泡層からなる発泡コア層
とその両側に隣接する非通気性の外層とを有する、少な
くとも3層構造の積層シートを熱成形することにより得
られる、容器外面のみに凹凸の付与された発泡容器であ
って、前記発泡コア層が熱可塑性樹脂と無機質充填剤と
発泡剤とからなり、かつ前記熱可塑性樹脂と前記無機質
充填剤とを前者99.9〜75重量%と後者0.1〜2
5重量%の割合で配合してなる、連続気泡率が30%以
上、100%以下の発泡体であって、前記発泡コア層内
の気体の移動により高発泡部分である凸部と低発泡部分
である凹部とが形成され、凸部の発泡倍率(N)が、成
形前積層シートの発泡コア層の発泡倍率をnとした場
合、N=k×nの関係において、1.2≦k≦4の範囲
にあると共に、凹部の発泡倍率が前記成形前積層シート
の発泡コア層の発泡倍率より低いことを特徴とする部分
発泡熱成形容器。
【0063】(2). 発泡コア層を、熱可塑性樹脂と
無機質充填剤と発泡剤とからなり、かつ前記熱可塑性樹
脂と前記無機質充填剤とを前者99.9〜75重量%と
後者0.1〜25重量%の割合で配合してなる、連続気
泡率が30%以上、100%以下の通気性のある連続発
泡層とし、かつ、前記発泡コア層の両側に隣接する外層
を熱可塑性樹脂からなる非通気性層とした、少なくとも
3層構造の積層シートを用い、当該積層シートを雌金型
のみに凹凸を設けた金型を用いて熱成形し、この熱成形
時に前記発泡コア層内の気体の移動により高発泡部分で
ある凸部と低発泡部分である凹部とを形成することを特
徴とする、前記(1)記載の部分発泡熱成形容器の製造
方法。
【0064】(3). 発泡コア層における無機質充填
剤が、タルク或いは炭酸カルシウムである前記(2)記
載の方法。
【0065】(4). 積層体として、一方の側の外層
と発泡コア層との間に、それぞれ接着層を介してエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体層を設けた6層構造の積
層体を用いる前記(2)記載の方法。
【0066】(5). 積層体として、片側一方の外層
の外面に、界面において剥離可能な剥離層を表下層を介
して設けた積層体を用いる前記(2)記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図は、実施例1〜7、比較例1,3〜7
で得られたカップ状容器の外観形状を示す斜視図であ
る。
【図2】 第2図は、比較例2で得られたカップ状容器
の外観形状を示す斜視図である。
【図3】 第3図は、実施例1〜5、比較例1,3〜5
で用いた金型Aの縦断面図を示すものである。
【図4】 第4図は、実施例1〜5、比較例1,3〜5
で用いた金型Aの横断面図を示すものであり、第3図の
I−I線断面図である。
【図5】 第5図は、比較例3で得られた容器の横断面
形状を示すものである。
【図6】 第6図は、比較例4で得られた容器の横断面
形状を示すものである。
【図7】 第7図は、実施例4で得られた容器の横断面
形状を示すものである。
【図8】 第8図は、実施例1,2,3,6,7で得ら
れた容器の横断面形状を示すものである。
【図9】 第9図は、実施例5で得られた容器の横断面
形状を示すものである。
【図10】 第10図は、比較例5で得られた容器の横
断面形状を示すものである。
【図11】 第11図は、比較例1,6で得られた容器
の横断面形状を示すものである。
【図12】 第12図は、比較例2で得られた容器の横
断面形状を示すものである。
【符号の説明】
1 リブ 2 雌金型 3 雄金型 4 クランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B65D 81/38 B65D 1/00 B // B29L 22:00 B29C 67/22 (56)参考文献 特開 平1−301235(JP,A) 特開 平4−154552(JP,A) 特開 昭52−37985(JP,A) 特開 昭52−148385(JP,A) 特開 昭52−32060(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 51/14 B26C 44/00 B32B 5/18 B65D 1/09 B65D 81/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気性のある連続発泡層からなる発泡コ
    ア層とその両側に隣接する非通気性の外層とを有する、
    少なくとも3層構造の積層シートを熱成形することによ
    り得られる、容器外面のみに凹凸の付与された発泡容器
    であって、前記発泡コア層が熱可塑性樹脂と無機質充填
    剤と発泡剤とからなり、かつ前記熱可塑性樹脂と前記無
    機質充填剤とを前者99.9〜75重量%と後者0.1
    〜25重量%の割合で配合してなる、連続気泡率が30
    %以上、100%以下の発泡体であって、前記発泡コア
    層内の気体の移動により高発泡部分である凸部と低発泡
    部分である凹部とが形成され、凸部の発泡倍率(N)
    が、成形前積層シートの発泡コア層の発泡倍率をnとし
    た場合、N=k×nの関係において、1.2≦k≦4の
    範囲にあると共に、凹部の発泡倍率が前記成形前積層シ
    ートの発泡コア層の発泡倍率より低いことを特徴とする
    部分発泡熱成形容器。
  2. 【請求項2】 発泡コア層を、熱可塑性樹脂と無機質充
    填剤と発泡剤とからなり、かつ前記熱可塑性樹脂と前記
    無機質充填剤とを前者99.9〜75重量%と後者0.
    1〜25重量%の割合で配合してなる、連続気泡率が3
    0%以上、100%以下の通気性のある連続発泡層と
    し、かつ、前記発泡コア層の両側に隣接する外層を熱可
    塑性樹脂からなる非通気性層とした、少なくとも3層構
    造の積層シートを用い、当該積層シートを雌金型のみに
    凹凸を設けた金型を用いて熱成形し、この熱成形時に前
    記発泡コア層内の気体の移動により高発泡部分である凸
    部と低発泡部分である凹部とを形成することを特徴とす
    る請求項1記載の部分発泡熱成形容器の製造方法。
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