JPWO2019159800A1 - 複合粒子、粉末、樹脂組成物および成形体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、フェライトで構成された板状の母粒子と、Au、Ag、Pt、NiおよびPdよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成された被覆層とを備える複合粒子、上記複合粒子を複数個含むことを特徴とする粉末、上記粉末と、樹脂材料とを含むことを特徴とする樹脂組成物、及び上記粉末と、樹脂材料とを含む材料を用いて製造されたことを特徴とする成形体を提供する。
Description
本発明は、複合粒子、粉末、樹脂組成物および成形体に関する。
近年の電子機器の小型化、軽量化に伴い(例えば、スマートフォン等)、電子機器に搭載される電子部品(モジュール、基板等を含む)についても、小型化されるとともに高密度で電子機器の筐体内部に実装され、高周波で動作させる場合が多くなっている。
筐体内に高密度で実装されることにより、電子部品同士の距離が近く、電子回路から発生する電磁波ノイズの影響を受けやすくなっているとともに、電子部品から発生する熱が逃げにくい構造になりやすいため、より高い温度で動作する電子部品と電磁波ノイズ抑制できる材料が求められている。さらに、電気自動車、ハイブリッド車等においても電装化が進んでおり、高温で長時間動作する部品の周囲のノイズ抑制材料が求められている。
銀粉を電磁波シールド材に用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、銀粉を用いた場合、電磁波の遮蔽性が十分に得られないという問題があった。
しかしながら、銀粉を用いた場合、電磁波の遮蔽性が十分に得られないという問題があった。
本発明の目的は、電磁波の遮蔽性に優れる複合粒子、粉末を提供すること、電磁波の遮蔽性に優れる成形体を提供すること、また、前記成形体の製造に好適に用いることができる樹脂組成物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
[1]
フェライトで構成された板状の母粒子と、
Au、Ag、Pt、NiおよびPdよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成された被覆層とを備えることを特徴とする複合粒子。
フェライトで構成された板状の母粒子と、
Au、Ag、Pt、NiおよびPdよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成された被覆層とを備えることを特徴とする複合粒子。
[2]
前記母粒子の平均板径(長軸方向の平均長さ)が10μm以上2000μm以下である[1]に記載の複合粒子。
前記母粒子の平均板径(長軸方向の平均長さ)が10μm以上2000μm以下である[1]に記載の複合粒子。
[3]
前記母粒子の平均厚さ(短軸方向の平均長さ)が0.5μm以上100μm以下である[1]または[2]に記載の複合粒子。
前記母粒子の平均厚さ(短軸方向の平均長さ)が0.5μm以上100μm以下である[1]または[2]に記載の複合粒子。
[4]
前記母粒子のアスペクト比が4.0以上1000以下である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の複合粒子。
前記母粒子のアスペクト比が4.0以上1000以下である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の複合粒子。
[5]
前記母粒子がMn−Zn系フェライトで構成されている[1]〜[4]のいずれか1項に記載の複合粒子。
[6]
前記被覆層の厚さが、10nm以上500nm以下である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の複合粒子。
前記母粒子がMn−Zn系フェライトで構成されている[1]〜[4]のいずれか1項に記載の複合粒子。
[6]
前記被覆層の厚さが、10nm以上500nm以下である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の複合粒子。
[7]
複合粒子は、全体として板状をなすものである[1]〜[6]のいずれか1項に記載の複合粒子。
[8]
[1]〜[7]のいずれか1項に記載の複合粒子を複数個含むことを特徴とする粉末。
複合粒子は、全体として板状をなすものである[1]〜[6]のいずれか1項に記載の複合粒子。
[8]
[1]〜[7]のいずれか1項に記載の複合粒子を複数個含むことを特徴とする粉末。
[9]
[8]に記載の粉末と、樹脂材料とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
[10]
[8]に記載の粉末と、樹脂材料とを含む材料を用いて製造されたことを特徴とする成形体。
[8]に記載の粉末と、樹脂材料とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
[10]
[8]に記載の粉末と、樹脂材料とを含む材料を用いて製造されたことを特徴とする成形体。
本発明によれば、電磁波の遮蔽性に優れる複合粒子、粉末を提供すること、電磁波の遮蔽性に優れる成形体を提供すること、また、前記成形体の製造に好適に用いることができる樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする。
《複合粒子および粉末》
まず、本発明の複合粒子および粉末について説明する。
《複合粒子および粉末》
まず、本発明の複合粒子および粉末について説明する。
本発明の複合粒子は、フェライトで構成された板状の母粒子と、Au、Ag、Pt、NiおよびPdよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成された被覆層とを備えている。
そして、本発明の粉末は、本発明の複合粒子を複数個含んでいる。
これにより、電磁波の遮蔽性に優れる複合粒子、粉末を提供することができる。このような優れた効果は、電磁波の吸収性に優れた母粒子と、電磁波の反射性に優れた被覆層とを備えることにより、これらが相乗的に作用することにより得られる。
これにより、電磁波の遮蔽性に優れる複合粒子、粉末を提供することができる。このような優れた効果は、電磁波の吸収性に優れた母粒子と、電磁波の反射性に優れた被覆層とを備えることにより、これらが相乗的に作用することにより得られる。
また、フェライトで構成された母粒子を備えることにより、上記のような金属材料だけで構成された粒子を用いる場合に比べて軽量化を図ることができる。したがって、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット等の携帯端末等により好適に適用することができる。
また、高価な金属の使用量を抑制することができ、全体としてのコストダウンを図ることができる。
また、フェライトで構成された母粒子が板状をなすものであることにより、例えば、成形体の製造に用いた場合に、当該成形体の電磁波の遮蔽性を優れたものとすることができる。すなわち、複合粒子を特定の方向(成形体の表面に沿う方向)に配向させることができ、粒子間に隙間ができにくくなり、電磁波の遮蔽性を優れたものとすることができる。また、導電性が高い金属で被覆されていることおよび配向性が高いため、粒子の配向方向は電気抵抗(体積抵抗)が低く、配向方向に垂直な方向の電気抵抗(体積抵抗)が高くなりやすくなる。
また、複合粒子や粉末を黒色以外の色調に調整することができる。より具体的には、Auを含む材料で構成された被覆層を備えることにより、複合粒子、粉末の色調を金色に調整することができる。また、Ag、Pt、NiおよびPdよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成された被覆層を備えることにより、複合粒子、粉末の色調を白色〜銀色の色調に好適に調整することができる。これにより、例えば、複合粒子、粉末を含む成形体の色調を白色〜銀色の色調に好適に調整することができるだけでなく、成形体に着色剤を含ませること(印刷層を設けることを含む)により、成形体を所望の色調に調整することができる。
また、複合粒子や粉末、これらを含む成形体の導電性を優れたものとすることができる。特に樹脂と混合し、成形する際に外部磁場を制御しながら印加し、粒子を磁力線に沿って配向させることで特定の方向に選択的に導電性のパス(経路)を形成され、樹脂成形体の抵抗に異方性を持たすことができる。
また、例えば、本発明の粉末を用いて製造される成形体において、比較的温和な条件で、粒子(複合粒子)同士を好適に接合することができる。これにより、成形体についての電磁波の遮蔽性および機械低強度をより高いレベルで両立することができる。
また、導電性の高い貴金属を含む材料で構成された被覆層の厚さを制御することで、複合粒子の透磁率の周波数特性を制御することができる。
これに対し、上記のような構成を有さない粒子では、上記のような優れた効果が得られない。
例えば、上記のような被覆層を有していない粒子(単なるフェライト粒子)では、前述したような電磁波の反射の効果が十分に得られず、全体としての電磁波の遮蔽性を十分に優れたものとすることができない。また、粒子の色調が明度の低い黒色となるため、粉末を含む成形体の色調の調整が困難となる。また、粒子や粉末、これらを含む成形体の導電性を十分に優れたものとすることができない。
また、フェライト粒子の表面に被覆層が設けられている場合であっても、当該被覆層の構成材料が上記のようなものでない場合、前述したような電磁波の反射の効果が十分に得られず、全体としての電磁波の遮蔽性を十分に優れたものとすることができない。
また、単なる金属粒子(フェライトで構成された母粒子を有していない粒子)を用いた場合、前述したような電磁波の吸収の効果が十分に得られず、全体としての電磁波の遮蔽性を十分に優れたものとすることができない。また、粒子全体としての比重が増し、粉末や成形体の軽量化を図ることが困難となる。また、一般に、粉末や成形体の生産コストが増大する。
また、母粒子が板状以外の形状である場合には、成形体(樹脂成形体)の製造に用いた場合に、(同じ重量で添加した場合は)当該成形体の電磁波の遮蔽性を十分に優れたものとすることが困難となる。また、同程度の電磁波の遮蔽性を得るために、母粒子の含有量を大きくすると、成形体の重量が重くなってしまう等の問題が発生する。
なお、本発明において、板状には、平板状のほか、湾曲板状等も含むものとする。
なお、本発明において、板状には、平板状のほか、湾曲板状等も含むものとする。
(母粒子)
母粒子は、板状をなすフェライトで構成されている。
母粒子は、板状をなすフェライトで構成されている。
母粒子は、例えば、ハードフェライトを含むものであってもよいが、ソフトフェライトで構成されているのが好ましい。
これにより、母粒子の組成と被覆層の厚さを調整することで、広い周波数領域(例えば、1MHz〜1GHz)において、透磁率を容易に制御することができる。
母粒子を構成するフェライトの組成は、特に限定されないが、例えば、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ni−Zn−Cu系フェライト、Ba系フェライト、Sr系フェライト、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト等を用いることができる。
より具体的には、Ni−Zn系フェライトとしては、例えば、Feを45質量%以上52質量%以下、Niを5質量%以上25質量%以下、Znを1.0質量%以上25質量%以下の含有率で含むものを用いることができる。
Ni−Zn−Cu系フェライトとしては、例えば、Feを45質量%以上52質量%以下、Niを5質量%以上25質量%以下、Znを1.0質量%以上25質量%以下、Cuを1質量%以上6質量%以下の含有率で含むものを用いることができる。
Sr系フェライトとしては、例えば、Feを61.0質量%以上65.0質量%以下、Srを7.8質量%以上9.0質量%以下の含有率で含むものを用いることができる。
Mn系フェライトとしては、例えば、Feを50質量%以上70質量%以下、Mnを3.5質量%以上20質量%以下の含有率で含むものを用いることができる。
Mn−Mg系フェライトとしては、例えば、Feの含有率が43質量%以上65質量%以下、Mnの含有率が10質量%以上25質量%以下、Mgの含有率が1質量%以上6.0質量%以下の含有率で含むものを用いることができる。
Ni−Zn−Cu系フェライトとしては、例えば、Feを45質量%以上52質量%以下、Niを5質量%以上25質量%以下、Znを1.0質量%以上25質量%以下、Cuを1質量%以上6質量%以下の含有率で含むものを用いることができる。
Sr系フェライトとしては、例えば、Feを61.0質量%以上65.0質量%以下、Srを7.8質量%以上9.0質量%以下の含有率で含むものを用いることができる。
Mn系フェライトとしては、例えば、Feを50質量%以上70質量%以下、Mnを3.5質量%以上20質量%以下の含有率で含むものを用いることができる。
Mn−Mg系フェライトとしては、例えば、Feの含有率が43質量%以上65質量%以下、Mnの含有率が10質量%以上25質量%以下、Mgの含有率が1質量%以上6.0質量%以下の含有率で含むものを用いることができる。
なお、上記の各系列のフェライトは、含有率を示していない金属元素(その他の金属元素)を含んでいてもよい。この場合、当該その他の金属元素の含有率は、それぞれ、1.0質量%以下であるのが好ましい。
特に、母粒子は、Mn−Zn系フェライトで構成されているのが好ましい。
これにより、低抵抗のフェライト粒子と導電性の高い金属被覆層を有することができるので比較的低抵抗な複合粒子とすることができ、低周波側での渦電流損による電子はシールド効果が得やすくなる。
これにより、低抵抗のフェライト粒子と導電性の高い金属被覆層を有することができるので比較的低抵抗な複合粒子とすることができ、低周波側での渦電流損による電子はシールド効果が得やすくなる。
前記Mn−Zn系フェライトは、MnおよびZnを構成成分として含むフェライトであればよいが、Feを45質量%以上65質量%以下、Mnを5質量%以上20質量%以下、Znを0.8質量%以上13質量%以下の含有率で含有する組成を有しているのが好ましい。またFeを45質量%以上60質量%以下、Mnを4質量%以上18質量%以下、Znを質量1%以上10質量%以下の含有率で含有する組成を有しているのが更に好ましい。
これにより、低周波側での渦電流損による電磁波シールド効果がより顕著となる。
これに対し、Feの含有率が低すぎると、相対的にMnやZnの含有量が増加し、フェライト粒子の抵抗が高くなったり、所望の磁化が得られなくなったりする可能性がある。
また、Feの含有率が高すぎると、マグネタイトに近づくことで粒子の製造中に酸化が進みやすくなり、所望の磁化が得られなくなる可能性がある。
また、Mnの含有率が低すぎると、Znの含有量によるがマグネタイトに近づくことで粒子の製造中に酸化が進みやすくなり、所望の磁気特性が得られなくなる可能性がある。
また、Mnの含有率が高すぎると、Znの含有量にもよるが磁化が下がりやすくなる。
また、Znの含有率が低すぎると、相対的にMnやFeの含有量が増加し、所望の磁化が得られなくなるという問題を生じる可能性がある。
また、Znの含有率が高すぎると、Mnの含有量にもよるが磁化が下がりやすくなる。
母粒子を構成するフェライトのキュリー点(キュリー温度ともいう)は、200℃以上500℃以下であるのが好ましく、220℃以上450℃以下であるのがより好ましい。
これにより、複合粒子や複合粒子を用いて製造される成形体等の耐熱性を優れたものとすることができ、例えば、高温環境下で用いられる成形体にも好適に適用することができる。
これに対し、キュリー温度が低すぎると、複合粒子や複合粒子を用いて製造される成形体等の耐熱性が低下し、適用できる部品、部材、場所等が制限されてしまう可能性がある。
また、キュリー温度が高すぎること自体は問題ないが、フェライトのキュリー点は組成によって決まり、前記のフェライト組成では、通常、500℃を超えることはない。
キュリー点は、次のようにして求める。
上述のキュリー点は、振動試料型磁力計(VSM)(東英工業製VSM−5型)を用いた、温度変化によるフェライト粉末の磁化の変化の測定から求める。得られた磁化の温度変化曲線において、磁化が0となる直前の低温側から曲線の接線が、磁化が0となる線を横切るときの温度をキュリー点とする。
上述のキュリー点は、振動試料型磁力計(VSM)(東英工業製VSM−5型)を用いた、温度変化によるフェライト粉末の磁化の変化の測定から求める。得られた磁化の温度変化曲線において、磁化が0となる直前の低温側から曲線の接線が、磁化が0となる線を横切るときの温度をキュリー点とする。
前述したように、母粒子は、板状をなすものであるが、特に、以下に述べる条件(平均板径、平均厚さ、アスペクト比)を満足しているのが好ましい。
すなわち、母粒子の平均板径(長軸方向の平均長さ)は、10μm以上2000μm以下であるのが好ましく、15μm以上1000μm以下であるのがより好ましく、20μm以上500μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、母粒子のアスペクト比を比較的大きくすることができ、フェライト粒子自身により生成された反磁場の影響を小さくすることができ、電磁波シールド能力をより高めることができるとともに、例えば、母粒子の製造時の本焼成における粒子同士の癒着が抑制され、短軸方向の長さ(厚さ)を小さくすることができ、所望の厚さの板状粒子をより容易に得ることができる。
なお、平均板径(長軸方向の平均長さ)は、以下のようにして求めることができる。すなわち、FE−SEM(Field Emission−Scanning Electron Microscope)を用いて測定対象の粒子のSEM写真を撮影し、EDX付属の自動粒子解析機能を用いて1粒子ごとに長さ(長軸方向の長さ)を測定する。測定した粒子のうち、明らかに粒子の厚さ方向が見えるもの、FE−SEM観察時に立った状態で固定されているもの、複数の粒子が1粒子として認識されているものを除外したのち、100粒子についての平均値を平均板径とすることができる。なお、FE−SEMとしては、日立ハイテク社製SU−8020を用い、加速電圧15KV、倍率200倍で撮影し、EDXとしては、堀場製作所社製X―MAXを使用し、FE−SEMから画像情報を得ながら自動的に複数視野にわたり粒子解析を行う。
また、母粒子の平均厚さ(短軸方向の平均長さ)は、0.5μm以上100μm以下であるのが好ましく、1.0μm以上50μm以下であるのがより好ましく、2.0μm以上30μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、母粒子の強度が十分なものとなり、製造時の割れをより効果的に抑制することができ、電磁波シールド能力をより向上させることができるとともに、本発明の複合粒子、粉末を含む成形体を製造する場合において、より滑らかな曲面をもった成形体をより好適に製造することができる。
なお、平均厚さ(短軸方向の平均長さ)は、以下のようにして求める。すなわち、まず、測定対象の粒子の集合体9gと粉末樹脂1gを50ccガラス瓶に入れ、ボールミルにて30分間混合し、得られた混合物を直径13mmのダイスに入れて30MPaの圧力で加圧成型する。その後、成形体の断面が見えるように垂直に立てた状態で樹脂に包埋し、研磨機で研磨して厚さ測定用サンプルとする。次に、準備した厚さ測定用サンプルを倍率50〜800倍のFE−SEMにて撮影し、得られた粒子の突起部を除いた状態での厚さ(短軸方向の長さ)を測定する。そして、100個の粒子の厚さの算術平均を算出し、これを平均厚さとする。なお、撮影するSEM写真の倍率は粒子の板径(長軸方向の長さ)や厚さに応じて選べばよいのは言うまでもない。
なお、FE−SEMとしては、日立ハイテク社製SU−8020を用い、加速電圧15KVで撮影した。
上記粉末樹脂としてアルケマ社製Kynar301Fを使用した。
なお、FE−SEMとしては、日立ハイテク社製SU−8020を用い、加速電圧15KVで撮影した。
上記粉末樹脂としてアルケマ社製Kynar301Fを使用した。
また、母粒子のアスペクト比(短軸方向の平均長さ(平均厚さ)に対する長軸方向の平均長さ(平均板径)の比率、((長軸方向の平均長さ(平均板径))/(短軸方向の平均長さ(平均厚さ)))は、4以上1000以下であるのが好ましく、4以上200以下であるのがより好ましく、4以上100以下であるのがさらに好ましい。
これにより、フェライト粒子自身により生成された反磁場の影響を小さくすることができ、電磁波シールド性能をより高めることができるとともに、成形体としたときにおける電磁波シールド能力と当該成形体の屈曲性とをより高いレベルで両立することができる。
また、母粒子は、板状をなすものであればよいが、不定形であるのが好ましい。
ここでいう不定形とは、粒子を3次元的に表現したときに特定の1方向(厚さ方向、短軸方向)がほぼ一定であり、残った面方向の形状が特定の円、多角形等の規則正しい形状をしていないことを意味する。この場合、粒子の周囲長は任意の直線、任意の曲線の複数の組み合わせで構成される。母粒子を不定形とすることにより、複合粒子を特定の方向に配向させた際に隙間がよりできにくくなり、電磁波シールド効果をより向上させる上で有利である。
また、母粒子の形状係数SF−2は、125以上300以下であるのが好ましく、138以上290以下であるのがより好ましく、140以上280以下であるのがさらに好ましい。
形状係数SF−2は不定形の程度を表す指標となるものであり、粒子の形状が球または円に近いほど、100に近い値となる。一方、形状係数SF−2が大きい場合、粒子の周囲長の包絡長からのずれが大きくなり、周囲長のうち、へこんだ部分が増加することを意味する。
本明細書において、不定形とは、SF−2が、125以上ものをいう。
本明細書において、不定形とは、SF−2が、125以上ものをいう。
前記のような形状係数SF−2の条件を満足することにより、複合粒子を含む成形体を製造する際に、複合粒子間に隙間(電磁波が通りやすい部分)が生じることをより効果的に抑制することができ、電磁波シールド性をより向上させることができる。また、複合粒子の生産コストの低減の観点からも有利である。
なお、形状係数SF−2は、粒子の投影周囲長Lを2乗した値を粒子の投影面積Sおよび4πで除し、さらに100倍して得られる値であり、以下の式により算出される。
SF−2=(L2/S/4π)×100(ただし、式中、Lは、投影周囲長(単位μm)、Sは投影面積(単位μm2)を示す。)
形状係数SF−2は、平均板径の測定の場合と同様の測定により求める。すなわち、FE−SEMを用いて測定対象の粒子のSEM写真を撮影し、EDX付属の自動粒子解析機能を用いて1粒子ごとに周囲長および投影面積を測定し、上記式に基づき、各粒子の形状係数SF−2を算出する。測定した粒子のうち、明らかに粒子の厚さ方向が見えるもの、FE−SEM観察時に立った状態で固定されているもの、複数の粒子が1粒子として認識されているものを除外したのち、100粒子についての平均値を形状係数SF−2とすればよい。なお、FE−SEMとしては、日立ハイテク社製SU−8020を用い、加速電圧15KV、倍率200倍で撮影し、EDXとしては、堀場製作所社製X―MAXを使用し、FE−SEMから画像情報を得ながら自動的に複数視野にわたり粒子解析を行う。
また、母粒子は、その表面(主面)に、1個以上の突起を有していてもよい。
これにより、例えば、母粒子と被覆層との密着性を優れたものとすることができ、本明細書に記載の本発明による効果をより長期間にわたってかつより安定的に得ることができる。
これにより、例えば、母粒子と被覆層との密着性を優れたものとすることができ、本明細書に記載の本発明による効果をより長期間にわたってかつより安定的に得ることができる。
1個の母粒子に設けられている突起の数は、特に限定されないが、1個以上30個以下であるのが好ましい。
突起の高さは、母粒子の厚さ(突起を除いた部分の厚さ。本明細書において、特に断りのない限り、他の記載箇所についても同様。)より小さいことが好ましい。
また、突起の高さは、被覆層の厚さより小さいことが好ましい。
これにより、複合粒子において、母粒子の表面に不本意に被覆層で被覆されていない部分が生じてしまうことをより効果的に防止することができる。
また、突起の高さは、被覆層の厚さより小さいことが好ましい。
これにより、複合粒子において、母粒子の表面に不本意に被覆層で被覆されていない部分が生じてしまうことをより効果的に防止することができる。
当該突起の条件は、例えば、母粒子の製造条件により好適に調整することができる。例えば、後述する製造方法において、本焼成、熱処理における酸素濃度を制御したり、液状組成物を付与する基材として、表面に微小な凹部を有するものを用いることにより、好適に突起を形成することができる。
なお、本発明の粉末を構成する全複合粒子の母粒子が、突起を有していてもよいし、一部の複合粒子の母粒子のみが突起を有していてもよい。
上記母粒子の平均表面粗さ(Ra)は、特に限定されないが0.01μm〜3μmが好ましく、0.1μm〜1.5μmが更に好ましい。
上記平均表面粗さ(Ra)は、以下のようにして求める。
表面粗さは、JIS B 0601−2001に準拠して測定した。
オリンパス社製3Dレーザー顕微鏡LEXT OLS4000を用いてランダムに選んだ100粒子について測定し、得られた表面の粒子の凹凸から表面粗さを算出し、得られた各粒子の表面粗さの平均値を平均表面粗さRaとして用いる。
上記平均表面粗さ(Ra)は、以下のようにして求める。
表面粗さは、JIS B 0601−2001に準拠して測定した。
オリンパス社製3Dレーザー顕微鏡LEXT OLS4000を用いてランダムに選んだ100粒子について測定し、得られた表面の粒子の凹凸から表面粗さを算出し、得られた各粒子の表面粗さの平均値を平均表面粗さRaとして用いる。
単一の複合粒子を構成する母粒子は、例えば、単一の粒子で構成されたものであってもよいし、複数の微粒子の接合体(凝集体を含む)であってもよい。
母粒子は、フェライトを含む材料で構成されていればよく、例えば、その他の成分を含んでいてもよい。母粒子中におけるフェライト以外の成分の含有率は、1.0質量%以下であるのが好ましく、0.7質量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような本発明による効果がより確実に発揮される。
これにより、前述したような本発明による効果がより確実に発揮される。
(被覆層)
被覆層は、母粒子の少なくとも一部を被覆するものである。そして、被覆層は、Au、Ag、Pt、NiおよびPdよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されている。
被覆層は、母粒子の少なくとも一部を被覆するものである。そして、被覆層は、Au、Ag、Pt、NiおよびPdよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されている。
上記の金属元素(Au、Ag、Pt、Ni、Pd)は、被覆層中に、単体金属として含まれていてもよいし、合金の構成成分として含まれていてもよい。
被覆層は、Au、Ag、Pt、NiおよびPdよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されていればよいが、中でも、被覆層の構成材料としては、AuおよびAgの少なくとも一方が好ましい。
Au、Agは、前記の群を構成する金属の中でも、比較的融点が低く、焼結体としての成形体を製造する場合において、比較的低い温度で焼結した場合であっても、複合粒子同士を好適に接合することができる。また、被覆層の厚さを制御することで、複合粒子の透磁率の周波数特性をより好適に制御することができる。
被覆層中におけるAuおよびAgの含有率の和は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
被覆層の厚さは、特に限定されないが、10nm以上500nm以下であるのが好ましく、20nm以上400nm以下であるのがより好ましく、30nm以上300nm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、金属の使用量を抑制しつつ電磁波をより効果的に反射させることができる。
被覆層の厚さは次の方法で求める。
すなわち、粒子を樹脂に包埋したのち、イオンミリング装置を用いて粒子の断面加工を行い、得られた撮影用サンプルを作製した。
得られた撮影用サンプルをFE−SEMにて撮影し、画像解析ソフトウエアまたは画像に入った縮尺の長さ(記載された値)、および、SEM像における縮尺の定規による実測値と被覆層の厚さの定規による実測値を用いて算出する。FE−SEMは日立ハイテクノロジーズ製SU−8020を使用した。イオンミリング装置は日立ハイテクノロジーズ製IM−4000を使用した。包埋用樹脂はエポキシ樹脂を使用した。
被覆層の厚さは次の方法で求める。
すなわち、粒子を樹脂に包埋したのち、イオンミリング装置を用いて粒子の断面加工を行い、得られた撮影用サンプルを作製した。
得られた撮影用サンプルをFE−SEMにて撮影し、画像解析ソフトウエアまたは画像に入った縮尺の長さ(記載された値)、および、SEM像における縮尺の定規による実測値と被覆層の厚さの定規による実測値を用いて算出する。FE−SEMは日立ハイテクノロジーズ製SU−8020を使用した。イオンミリング装置は日立ハイテクノロジーズ製IM−4000を使用した。包埋用樹脂はエポキシ樹脂を使用した。
複合粒子の平均厚さ(短軸方向の平均長さ)をT0[μm]、被覆層の厚さをT1[μm]としたとき、0.0010≦T1/T0≦0.10の関係を満足するのが好ましく、0.0030≦T1/T0≦0.080の関係を満足するのがより好ましく、0.0050≦T1/T0≦0.050の関係を満足するのがさらに好ましい。
平均厚さ(短軸方向の平均長さ)は、上記のように測定される。
平均厚さ(短軸方向の平均長さ)は、上記のように測定される。
これにより、電磁波の吸収と、電磁波の反射とのバランスをより好適なものとすることができ、全体としての電磁波遮蔽効果を特に優れたものとすることができる。
本発明の複合粒子は、前述したような母粒子と被覆層とを備えるものであればよく、その他の構成を有していてもよい。
例えば、複合粒子は、母粒子と被覆層との間に少なくとも1層の中間層を有していてもよい。
また、前述した被覆層の表面には、Au、Ag、Pt、NiおよびPd以外の材料で構成されたコート層が設けられていてもよい。このようなコート層としては、例えば、シランカップリング剤等の各種カップリング剤による表面処理層等が挙げられる。
また、母粒子の表面には、Au、Ag、Pt、NiおよびPdよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成された被覆層(第1の被覆層)に加えて、Au、Ag、Pt、Ni、Pd以外の材料で構成された他の被覆層(第2の被覆層)が設けられていてもよい。
通常、被覆層の厚さは、母粒子の大きさに比べて十分に小さいものであり、母粒子および被覆層を有する複合粒子は、母粒子とほぼ同様の形状、大きさを呈している。したがって、複合粒子は、板状をなすものであり、前述した母粒子についての大きさ、形状と同様の条件を満足するのが好ましい。これにより、前述したような効果がより確実に発揮される。複合粒子は、全体として板状をなすものが好ましい。
すなわち、複合粒子の平均板径(長軸方向の平均長さ)は、10μm以上2000μm以下であるのが好ましく、15μm以上1000μm以下であるのがより好ましく、20μm以上500μm以下であるのがさらに好ましい。
また、複合粒子の平均厚さ(短軸方向の平均長さ)は、0.5μm以上100μm以下であるのが好ましく、1.0μm以上50μm以下であるのがより好ましく、2.0μm以上30μm以下であるのがさらに好ましい。
また、複合粒子のアスペクト比(短軸方向の平均長さ(平均厚さ)に対する長軸方向の平均長さ(平均板径)の比率、((長軸方向の平均長さ(平均板径))/(短軸方向の平均長さ(平均厚さ)))は、4以上1000以下であるのが好ましく、4以上300以下であるのがより好ましく、4以上200以下であるのがさらに好ましい。
また、複合粒子の形状係数SF−2は、135以上300以下であるのが好ましく、138以上290以下であるのがより好ましく、140以上280以下であるのがさらに好ましい。
なお、複数個の複合粒子を含む本発明の粉末においては、これら複数個の複合粒子についての前記の条件(平均板径、平均厚さ、アスペクト比、形状係数SF−2)の平均値が、前記範囲内に含まれているのが好ましい。
本発明の粉末(複合粒子の集合体)のBET比表面積は、0.07m2/g以上3m2/g以下であるのが好ましく、0.07m2/g以上1.5m2/g以下であるのがより好ましく、0.07m2/g以上1m2/g以下であるのがさらに好ましい。
本発明の母粒子のBET比表面積は、0.05m2/g以上2.5m2/g以下であるのが好ましく、0.05m2/g以上2m2/g以下であるのがより好ましく、0.05m2/g以上0.85m2/g以下であるのがさらに好ましい。
これにより、電磁波のシールド性をより向上させることができるとともに、本発明の成形体における複合粒子と樹脂材料との密着性をより向上させることができ、成形体の耐久性を特に優れたものとすることができる。
なお、BET比表面積は、比表面積測定装置(型式:Macsorb HM model−1208(マウンテック社製))を用いた測定により求める。
本発明の粉末(複合粒子の集合体)のタップ密度は、1.0g/cm3以上3.5g/cm3以下であるのが好ましく、1.2g/cm3以上2.5g/cm3以下であるのがより好ましい。
これにより、本発明の成形体における複合粒子の充填率を高くしやすくなる。
これにより、本発明の成形体における複合粒子の充填率を高くしやすくなる。
なお、本明細書中において、タップ密度とは、JIS R1628に準拠した測定により求められる密度のことをいう。
タッピング装置としては、USPタップ密度測定装置(パウダテスタPT−X、ホソカワミクロン社製)等を用いることができる。
タッピング装置としては、USPタップ密度測定装置(パウダテスタPT−X、ホソカワミクロン社製)等を用いることができる。
本発明の粉末の25℃における電気抵抗率(体積抵抗率)は、1×10−6〜1×10−0Ω・cmであるのが好ましく、1×10−6〜1.0×10−1Ω・cmであるのがより好ましく、1×10−6〜1.0×10−2Ω・cmであるのがさらに好ましい。
これにより、複合粒子と樹脂とを混合して成形体を成形した際に(樹脂との混合比率にもよるが)導電性のパスを形成しやすくなり、樹脂成形体の抵抗をより効果的に低くすることができる。
また、本発明の粉末は、本発明の複合粒子を複数個含んでいればよく、本発明の複合粒子以外の粒子をさらに含んでいてもよい。
このような場合、本発明の粉末中における本発明の複合粒子以外の粒子の含有率は、10質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以下であるのがより好ましく、1.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような本発明による効果がより確実に発揮される。
これにより、前述したような本発明による効果がより確実に発揮される。
《複合粒子の製造方法》
次に、本発明に係る複合粒子の製造方法について説明する。
次に、本発明に係る複合粒子の製造方法について説明する。
本発明の複合粒子は、所定の方法で製造した板状のフェライト粒子の表面に、各種めっき法により、被覆層を形成することにより、製造することができる。
被覆層を形成するためのめっき法としては、例えば、電解めっき、無電解めっき等の湿式めっき法、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式めっき法等が挙げられるが、湿式めっき法が好ましく、無電解めっき法がより好ましい。
母粒子となるべきフェライト粒子は、いかなる方法で製造してもよいが、例えば、以下に述べるような方法により、好適に製造することができる。
(1)仮焼成物の作製
まず、フェライト原料を秤量した後、ヘンシェルミキサー等で混合する。フェライト原料は、特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物およびそれらの混合物等が挙げられる。
得られたフェライト原料の混合物を、ローラーコンパクター等でペレット化し、ロータリーキルン等で仮焼成を行い、仮焼成物を得る。
仮焼成は、例えば、大気雰囲気下での加熱により行うことができる。
仮焼成時における加熱温度は、特に限定されないが、600℃以上1200℃以下であるのが好ましく、650℃以上1000℃以下であるのがより好ましく、700℃以上900℃以下であるのがさらに好ましい。
まず、フェライト原料を秤量した後、ヘンシェルミキサー等で混合する。フェライト原料は、特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物およびそれらの混合物等が挙げられる。
得られたフェライト原料の混合物を、ローラーコンパクター等でペレット化し、ロータリーキルン等で仮焼成を行い、仮焼成物を得る。
仮焼成は、例えば、大気雰囲気下での加熱により行うことができる。
仮焼成時における加熱温度は、特に限定されないが、600℃以上1200℃以下であるのが好ましく、650℃以上1000℃以下であるのがより好ましく、700℃以上900℃以下であるのがさらに好ましい。
(2)液状組成物の調製
次に、得られた仮焼成物を粗粉砕および微粉砕し、水分量を調整したケーキ状の仮焼成物を得る。ケーキ状の仮焼成物に分散剤を添加し、分散装置を使用して分散し、さらにバインダーを添加して液状組成物(フェライト前駆体製造用組成物)を作製する。
次に、得られた仮焼成物を粗粉砕および微粉砕し、水分量を調整したケーキ状の仮焼成物を得る。ケーキ状の仮焼成物に分散剤を添加し、分散装置を使用して分散し、さらにバインダーを添加して液状組成物(フェライト前駆体製造用組成物)を作製する。
(3)フェライト前駆体の作製
続いて、アプリケーター等を用いて、得られた液状組成物をフィルム等の基材上に所定厚みになるように付与する。前記液状組成物の塗工後、前記液状組成物を付与した面に、PVA水溶液を供給し、水分を除去した後に、基材から仮焼成物を含むシート状の造粒物(フェライト前駆体)を剥離する。
続いて、アプリケーター等を用いて、得られた液状組成物をフィルム等の基材上に所定厚みになるように付与する。前記液状組成物の塗工後、前記液状組成物を付与した面に、PVA水溶液を供給し、水分を除去した後に、基材から仮焼成物を含むシート状の造粒物(フェライト前駆体)を剥離する。
(4)脱バインダー処理および本焼成
得られたシート状の造粒物(フェライト前駆体)に対し脱バインダー処理を施し、さらに本焼成を行う。
得られたシート状の造粒物(フェライト前駆体)に対し脱バインダー処理を施し、さらに本焼成を行う。
脱バインダー処理は、本焼成よりも同じか低い温度で行うことが好ましく、バインダー成分が除去できる程度の処理条件であることが好ましい。
本焼成時における加熱温度は、特に限定されないが、600℃以上1400℃以下であるのが好ましく、650℃以上1300℃以下であるのがより好ましく、700℃以上1200℃以下であるのがさらに好ましい。
また、本焼成時における雰囲気中の酸素濃度は、20体積%以下であるのが好ましく、3.5体積%以下であるのがより好ましい。ただし、後述するような熱処理を行う場合には、本焼成は、大気雰囲気下でも好適に行うことができる。
本焼成時における加熱温度は、特に限定されないが、600℃以上1400℃以下であるのが好ましく、650℃以上1300℃以下であるのがより好ましく、700℃以上1200℃以下であるのがさらに好ましい。
また、本焼成時における雰囲気中の酸素濃度は、20体積%以下であるのが好ましく、3.5体積%以下であるのがより好ましい。ただし、後述するような熱処理を行う場合には、本焼成は、大気雰囲気下でも好適に行うことができる。
(5)粉砕処理
必要に応じて、本焼成前のフェライト前駆体や本焼成後の焼成物に対して粉砕処理を施して、平均板径を調整してもよい。粉砕処理により、所定形状の母粒子を容易に得ることができる。
必要に応じて、本焼成前のフェライト前駆体や本焼成後の焼成物に対して粉砕処理を施して、平均板径を調整してもよい。粉砕処理により、所定形状の母粒子を容易に得ることができる。
粉砕処理は、例えば、所定の目開きのふるいを用い、目標の平均板径となるように粉砕および分級することにより好適に行うことができる。
粉砕処理による平均板径の調整は、本焼成後に行ってもよいが、本焼成時の粒子同士の癒着を防ぐため、脱バインダー処理および/または本焼成の前に行ってもよい。
(6)熱処理
本焼成後に粉砕処理(焼成後粉砕処理)を行った場合、必要に応じて、粉砕処理後に熱処理(アニーリング)を行ってもよい。
本焼成後に粉砕処理(焼成後粉砕処理)を行った場合、必要に応じて、粉砕処理後に熱処理(アニーリング)を行ってもよい。
母粒子となるべき板状のフェライト粒子は、フェライトの組成によっては、結晶成長の方向がほぼ面方向に制限されているため、バルク状のフェライトと比べて結晶構造が歪みやすい。さらに、粉砕処理を行うとフェライト粒子の結晶構造の歪は大きくなる。したがって、本焼成に加え粉砕処理後に熱処理を行うことで、結晶構造の歪を小さくすることができる。
当該熱処理における加熱温度は、800℃以上1300℃以下であるのが好ましい。
また、当該熱処理における雰囲気中の酸素濃度は、20体積%以下であるのが好ましく、3.5体積%以下であるのがより好ましい。
また、当該熱処理における雰囲気中の酸素濃度は、20体積%以下であるのが好ましく、3.5体積%以下であるのがより好ましい。
《樹脂組成物》
次に、本発明の樹脂組成物について説明する。
次に、本発明の樹脂組成物について説明する。
本発明の樹脂組成物は、前述した本発明の粉末と、樹脂材料とを含んでいる。
これにより、電磁波の遮蔽性に優れる成形体の製造に好適に用いることができる樹脂組成物を提供することができる。
これにより、電磁波の遮蔽性に優れる成形体の製造に好適に用いることができる樹脂組成物を提供することができる。
樹脂組成物を構成する樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、各種変性シリコーン樹脂(アクリル変性、ウレタン変性、エポキシ変性、フッ素)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、樹脂組成物は、本発明の粉末、樹脂材料以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。
このような成分としては、例えば、溶媒、充填剤(有機充填剤、無機充填剤)、可塑剤、酸化防止剤、分散剤、顔料等の着色剤、熱伝導性粒子(熱伝導性の高い粒子)等が挙げられる。
樹脂組成物中における全固形分に対する本発明の粉末の比率(含有率)は、50質量%以上95質量%以下であるのが好ましく、80質量%以上95質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、樹脂組成物中における本発明の粉末の分散安定性、樹脂組成物の保存安定性、樹脂組成物の成形性等を優れたものとしつつ、樹脂組成物を用いて製造される成形体の機械的強度、電磁波の遮蔽性等をより優れたものとすることができる。
樹脂組成物中における全固形分に対する樹脂材料の比率(含有率)は、5質量%以上50質量%以下であるのが好ましく、5質量%以上20質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、樹脂組成物中における本発明の粉末の分散安定性、樹脂組成物の保存安定性、樹脂組成物の成形性等を優れたものとしつつ、樹脂組成物を用いて製造される成形体の機械的強度、電磁波の遮蔽性等をより優れたものとすることができる。
《成形体》
次に、本発明の成形体について説明する。
本発明の成形体は、本発明の粉末と、樹脂材料とを含む材料を用いて製造されたものである。
これにより、電磁波の遮蔽性に優れる成形体を提供することができる。
次に、本発明の成形体について説明する。
本発明の成形体は、本発明の粉末と、樹脂材料とを含む材料を用いて製造されたものである。
これにより、電磁波の遮蔽性に優れる成形体を提供することができる。
本発明の成形体は、いかなる用途のものであってもよいが、電磁波シールド材であるのが好ましい。
これにより、前述したような本発明による効果がより顕著に発揮される。
これにより、前述したような本発明による効果がより顕著に発揮される。
本発明の成形体は、前述したような本発明の樹脂組成物を用いて好適に製造することができる。
成形体の成形方法としては、例えば、圧縮成形、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形、各種塗布法等が挙げられる。また、成形体は、例えば、成形体を形成すべき部材上に、直接樹脂組成物を付与することにより形成するものであってもよいし、別途作製した後に目的とする部材(例えば、プリント配線基板や金属箔(例えば、銅箔等)等)上に設置されるものであってもよい。
なお、本発明に係る粉末は、樹脂等に混合、分散して焼成等の工程を行わずに使用してもよく、例えば、粉末を所望の形に成型、造粒、塗工等の工程を行った後、焼成を行い、焼結体としての成形体の製造に用いるものであってもよい。
なお、本発明の成形体は、その少なくとも一部に本発明に係る複合粒子を含んでいればよく、例えば、複合粒子を含まない領域を有していてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の複合粒子の製造方法では、必要に応じて、前述した工程に加えて、他の工程(前処理工程、中間工程、後処理工程)を有していてもよい。
また、本発明の複合粒子は、前述したような方法で製造されたものに限定されず、いかなる方法で製造されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、本発明の複合粒子、粉末、樹脂組成物を、電磁波シールド材の製造に用いる場合について代表的に説明したが、本発明の複合粒子、粉末、樹脂組成物は、電磁波シールド材以外の製造に用いてもよい。例えば、本発明の複合粒子、粉末は、磁心材料やフィラー(特に、磁性フィラー)として用いられるものであってもよい。
また、本発明の複合粒子、粉末は、金属探知機によって好適に検出される性質を有している。
したがって、本発明の複合粒子、粉末、樹脂組成物および成形体は、金属探知機で検知することを目的に使用されるものであってもよい。
したがって、本発明の複合粒子、粉末、樹脂組成物および成形体は、金属探知機で検知することを目的に使用されるものであってもよい。
特に、本発明によれば、前述したように、複合粒子や粉末を黒色以外の色調(例えば、白色〜銀色の色調)に調整することができる。これにより、例えば、複合粒子、粉末を含む成形体の色調を複合粒子、粉末に対応する黒色以外の色調(例えば、白色〜銀色の色調)に調整したり、成形体に着色剤を含ませること(印刷層を設けることを含む)により、成形体を所望の色調に調整することができる。その結果、金属探知機に適用される各種の成形体に好適に適用することができる。
本発明の成形体が金属探知機に適用されるものである場合、当該成形体は、例えば、本発明の樹脂組成物以外の材料を用いて形成された基部と、当該基部の表面に設けられ、本発明の樹脂組成物を用いて形成された表面層とを有していてもよい。
本発明の成形体が金属探知機に適用されるものである場合、当該成形体は、少なくとも、その表面付近に複合粒子を含んでいるのが好ましい。
より具体的には、成形体は、その表面から厚さ方向に1.0mm以内の領域に複合粒子を含んでいるのが好ましく、その表面から厚さ方向に0.5mm以内の領域に複合粒子を含んでいるのがより好ましい。
より具体的には、成形体は、その表面から厚さ方向に1.0mm以内の領域に複合粒子を含んでいるのが好ましく、その表面から厚さ方向に0.5mm以内の領域に複合粒子を含んでいるのがより好ましい。
本発明の成形体が金属探知機に適用されるものである場合、当該成形体の用途としては、例えば、食品の製造、加工、包装(梱包を含む。以下同様)の現場用、化粧品、医薬部外品の製造、加工、包装の現場用、医薬品の製造、加工、包装の現場用、上記以外の製品の製造、加工、包装の現場用、医療現場用、細胞培養、組織培養、器官培養、遺伝子組み換え等の生物学的処理を行う現場用、化合物の合成等の化学的処理を行う現場用等が挙げられる。中でも、食品の製造、加工、包装現場で用いられるものであるのが好ましい。
食品には、高い安全性が求められるが、一般に、異物が混入しやすい環境で製造、加工、包装が行われている。したがって、本発明を食品の製造、加工、包装の現場で用いられる物品に適用することにより、当該物品からその一部が分離したことや、当該物品の少なくとも一部が他の物品の混入したこと等を好適に検知することができる。
なお、本明細書において、食品の形態には、固形状、半固形状(ゼリー、プリン等のゲル状等)に加え、液状が含まれ、食品は、飲み物等も含む概念である。また、食品添加物やサプリメント(健康補助食品)も食品の概念に含まれる。また、動物由来の食肉、魚介類、植物由来の野菜、果実、種子、穀物、豆類、海藻のような天然物やこれらの加工物に加え、人工甘味料、人工調味料等のような人工的な合成品も食品の概念に含む。
食品の製造、加工現場で用いられる成形体としては、例えば、調理機器類、調理器具類、調理用具類、食器類、衣服類(人体に装着して用いる物品)、食品の包装に用いる包装部材、および、これらに付随して用いられる物品、ならびに、これらのメンテナンス、修理等に用いる物品等が挙げられる。
より具体的には、例えば、ホットプレート、コンロ、ガスバーナー、オーブン、トースター、電子レンジ、食器洗浄機、食器乾燥機、秤(スケール)、キッチンタイマー、温度計、浄水器、浄水フィルター(カートリッジ)等の調理機器類;鍋、フライパン、やかんや、これらの蓋、包丁、はさみ、おたま(レードル)、ヘラ、ピーラー、スライサー、ミキサー、チョッパー、マッシャー、麺棒、マドラー、泡立て器、ざる、ボウル、水切り器、まな板、マット、しゃもじ、成形型、型抜き、灰汁取り、おろし金(フードグレーダー)、フライ返し(ターナー)、ピック、水切り器、篩、ミル、落し蓋、製氷皿、焼き網、トング、卵切器、計量カップ、計量スプーン等の調理器具類;布巾、キッチンペーパー、手ぬぐい、タオル、紙タオル、水切りシート、ラップフィルム、オーブンペーパー、絞り出し袋、五徳、鍋敷き等の調理用具類;皿、コップ、椀、箸(菜箸を含む)、スプーン、フォーク、ナイフ、蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具(カニスプーン、カニフォーク)等の食器類;エプロン、白衣、マスク、手袋、靴、靴下、下着、帽子、眼鏡等の衣服類(人体に装着して用いる物品);食品用ラミネートフィルム等の食品用包装フィルム、包装用チューブ、食品用収納ボトル、プラスチック性密閉容器等の食品包装部材;その他、干物干し網、ホース、まな板立て、食器立て、スポンジ、たわし、洗剤容器、砥石、シャープナーや、これらの構成部材等が挙げられるが、これらに限定されない。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の説明で、特に温度条件を示していない処理、測定については、室温(25℃)で行った。
《1》複合粒子、粉末の製造
実施例および比較例の複合粒子、粉末を以下のようにして製造した。
実施例および比較例の複合粒子、粉末を以下のようにして製造した。
(実施例1)
(1)仮焼成物の作製
まず、原料としてのFe2O3、Mn3O4、ZnOを所定の割合で秤量し、ヘンシェルミキサーで15分間混合した。
得られた混合物をローラーコンパクターでペレット化した後、ロータリーキルンを用いて大気雰囲気中で焼成温度950℃にて仮焼成し、仮焼成物を得た。
(1)仮焼成物の作製
まず、原料としてのFe2O3、Mn3O4、ZnOを所定の割合で秤量し、ヘンシェルミキサーで15分間混合した。
得られた混合物をローラーコンパクターでペレット化した後、ロータリーキルンを用いて大気雰囲気中で焼成温度950℃にて仮焼成し、仮焼成物を得た。
(2)液状組成物の調製
得られた仮焼成物から液状組成物を調整した。まず、仮焼成物をロッドミルにて粗粉砕した後、湿式ビーズミルにて微粉砕を行い、その後、固形分濃度が65質量%となるように水分量を調整したケーキ状の仮焼成物を得た。ケーキ状の仮焼成物に分散剤を添加し、ホモジナイザーにて分散し、さらに、水分量に対して5質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダーとして添加し、液状組成物を作製した。
得られた仮焼成物から液状組成物を調整した。まず、仮焼成物をロッドミルにて粗粉砕した後、湿式ビーズミルにて微粉砕を行い、その後、固形分濃度が65質量%となるように水分量を調整したケーキ状の仮焼成物を得た。ケーキ状の仮焼成物に分散剤を添加し、ホモジナイザーにて分散し、さらに、水分量に対して5質量%のポリビニルアルコール(PVA)をバインダーとして添加し、液状組成物を作製した。
(3)フェライト前駆体の作製
得られた液状組成物を用いてフェライト前駆体を作製した。
まず、アプリケーターを用い、基材である市販のPETフィルム(厚さ50μm)の上に、乾燥後の膜厚(Dry厚)が10μmとなるように、液状組成物を基材上に塗工した。
得られた液状組成物を用いてフェライト前駆体を作製した。
まず、アプリケーターを用い、基材である市販のPETフィルム(厚さ50μm)の上に、乾燥後の膜厚(Dry厚)が10μmとなるように、液状組成物を基材上に塗工した。
液状組成物の塗工後、塗工した液状組成物から水分を除去し、さらにPVA水溶液(25質量%水溶液)を液状組成物の塗工面に塗布、乾燥した。
その後、基材から仮焼成物を含むシート状の造粒物(フェライト前駆体)を剥離した。
その後、基材から仮焼成物を含むシート状の造粒物(フェライト前駆体)を剥離した。
(4)脱バインダー処理および本焼成
得られたフェライト前駆体を650℃の大気中にて脱バインダー処理し、続けて、1250℃で酸素濃度0体積%の雰囲気下で4時間本焼成し、板状の焼成物を得た。
得られたフェライト前駆体を650℃の大気中にて脱バインダー処理し、続けて、1250℃で酸素濃度0体積%の雰囲気下で4時間本焼成し、板状の焼成物を得た。
(5)粉砕処理
得られた板状の焼成物を解砕処理(焼成後粉砕処理)及び分級処理を行い、母粒子となるフェライト粉末(板状粒子の集合体)を得た。得られた粒子は、不定形をなすものであり、平均厚さが8.5μm、平均板径が85.5μm、アスペクト比が10.06、形状係数SF−2の平均値が215のものであった。また、平均表面粗さRaが0.85であった。
得られた板状の焼成物を解砕処理(焼成後粉砕処理)及び分級処理を行い、母粒子となるフェライト粉末(板状粒子の集合体)を得た。得られた粒子は、不定形をなすものであり、平均厚さが8.5μm、平均板径が85.5μm、アスペクト比が10.06、形状係数SF−2の平均値が215のものであった。また、平均表面粗さRaが0.85であった。
また、得られたフェライト粉末のBET比表面積は0.11m2/gであった。
また、フェライト粉末について、振動試料型磁気測定装置を用いて測定を行ったところ、飽和磁化:86.2emu/g、残留磁化:3.7emu/g、保磁力:26Oeであった。
(6)被覆層の形成
その後、得られたフェライト粉末に対して無電解めっきを施すことにより、フェライトで構成された母粒子の表面に、Agで構成された被覆層を有する板状の複合粒子を複数個含む粉末が得られた。
その後、得られたフェライト粉末に対して無電解めっきを施すことにより、フェライトで構成された母粒子の表面に、Agで構成された被覆層を有する板状の複合粒子を複数個含む粉末が得られた。
(実施例2〜6)
母粒子として用いるフェライト粒子(フェライト粉末)の製造において、原料の比率、アプリケーターによる塗工膜厚の調整、仮焼成の条件、粉砕条件を調整するとともに、被覆層の形成条件を調整することにより、複合粒子を作成した。作成条件を表1、表2に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして複合粒子を製造した。
母粒子として用いるフェライト粒子(フェライト粉末)の製造において、原料の比率、アプリケーターによる塗工膜厚の調整、仮焼成の条件、粉砕条件を調整するとともに、被覆層の形成条件を調整することにより、複合粒子を作成した。作成条件を表1、表2に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして複合粒子を製造した。
(比較例1)
フェライト粉末に対する被覆層の形成を省略した以外は、前記実施例1と同様に粉末を製造した。すなわち、本比較例では、フェライト粉末をそのまま目的とする粉末として用いた。
フェライト粉末に対する被覆層の形成を省略した以外は、前記実施例1と同様に粉末を製造した。すなわち、本比較例では、フェライト粉末をそのまま目的とする粉末として用いた。
(比較例2)
母粒子として、球状のフェライト粒子を用いた以外は、前記実施例1と同様に粉末を製造した。すなわち、本比較例では、粉末を構成する複合粒子が、球状をなす母粒子と、その表面に設けられた、Agで構成された被覆層とを有するものであり、複合粒子全体として球状をなすものであった。
母粒子として、球状のフェライト粒子を用いた以外は、前記実施例1と同様に粉末を製造した。すなわち、本比較例では、粉末を構成する複合粒子が、球状をなす母粒子と、その表面に設けられた、Agで構成された被覆層とを有するものであり、複合粒子全体として球状をなすものであった。
(比較例3)
フェライト粉末に対する被覆層の形成を省略した以外は、前記比較例2と同様に粉末を製造した。すなわち、本比較例では、球状のフェライト粉末をそのまま目的とする粉末として用いた。
フェライト粉末に対する被覆層の形成を省略した以外は、前記比較例2と同様に粉末を製造した。すなわち、本比較例では、球状のフェライト粉末をそのまま目的とする粉末として用いた。
前記実施例および各比較例の粉末の構成を表1、表2にまとめて示した。
なお、前記実施例の粉末の色調は、白色〜銀色であったのに対し、比較例1の粉末の色調は、黒色であった。
なお、前記実施例の粉末の色調は、白色〜銀色であったのに対し、比較例1の粉末の色調は、黒色であった。
また、前記実施例では、母粒子の表面(主面)に1個以上30個以下の突起が設けられていた。また、当該突起の高さは、いずれも、被覆層の厚さよりも小さいものであった。
また、前記実施例および比較例2では、いずれも、被覆層の厚さは、各部位で均一なものであり、複合粒子全体として、母粒子と同様の形状を有するものであった。
また、前記実施例および比較例2では、母粒子中におけるフェライト以外の成分の含有率は、0.1質量%以下であった。
また、前記実施例および比較例2では、被覆層中におけるAg以外の成分の含有率は、0.1質量%以下であった。被覆層のAgの含有量は、蛍光X線を用いた測定により求めた。すなわち、前記実施例において母粒子となるフェライト粒子質量部に、Agの粉末、を5質量部、10質量部、20質量部の割合で、さらにバインダー樹脂としてフッ素樹脂粉末(アルケマ社製Kynar301F)を10質量部を秤量し、ボールミル(100rpm)、30分間混合した後、蛍光X線測定装置(株式会社リガク製ZSX100s)でAgの強度を測定し、検量線を作成した後、前記実施例および比較例2の粉末(複数個の複合粒子の集合体)について、蛍光X線測定装置でAgの強度を測定し、Ag含有量(母粒子100質量%(母粒子全体)に対する割合)を算出した。
また、前記実施例および比較例2では、粉末中における前記複合粒子外の成分の含有率は、0.1質量%以下であった。
前記実施例および各比較例について、各種の測定は、以下のような方法、条件で行った。
<平均板径および形状係数SF−2>
平均板径と形状係数SF−2は、同様の手法で測定した。すなわち、FE−SEMを用いて測定対象の粒子のSEM写真を撮影し、EDX付属の自動粒子解析機能を用いて1粒子ごとに長さ(長軸方向の長さ)、周囲長、および、投影面積を測定した。測定した粒子のうち、明らかに粒子の厚さ方向が見えるもの、FE−SEM観察時に立った状態で固定されているもの、複数の粒子が1粒子として認識されているものを除外したのち、100粒子について長さを平均して平均板径の値とした。また、各粒子の周囲長および投影面積から上記式に基づきSF−2を求め、100粒子についての平均値を形状係数SF−2とした。なお、FE−SEMは日立ハイテク社製SU−8020を用い、加速電圧15KV,倍率200倍で撮影し、EDXは堀場製作所社製X―MAXを使用し、FE−SEMから画像情報を得ながら粒子解析を行った。
平均板径と形状係数SF−2は、同様の手法で測定した。すなわち、FE−SEMを用いて測定対象の粒子のSEM写真を撮影し、EDX付属の自動粒子解析機能を用いて1粒子ごとに長さ(長軸方向の長さ)、周囲長、および、投影面積を測定した。測定した粒子のうち、明らかに粒子の厚さ方向が見えるもの、FE−SEM観察時に立った状態で固定されているもの、複数の粒子が1粒子として認識されているものを除外したのち、100粒子について長さを平均して平均板径の値とした。また、各粒子の周囲長および投影面積から上記式に基づきSF−2を求め、100粒子についての平均値を形状係数SF−2とした。なお、FE−SEMは日立ハイテク社製SU−8020を用い、加速電圧15KV,倍率200倍で撮影し、EDXは堀場製作所社製X―MAXを使用し、FE−SEMから画像情報を得ながら粒子解析を行った。
<平均厚さ>
まず、測定対象の粉末9gと粉末樹脂1gを50ccガラス瓶に入れ、ボールミルにて30分間混合し、得られた混合物を直径13mmのダイスに入れて30MPaの圧力で加圧成型した。その後、成形体の断面が見えるように垂直に立てた状態で樹脂に包埋し、研磨機で研磨して厚さ測定用サンプルとした。次に、準備した厚さ測定用サンプルを倍率50〜800倍のSEMにて撮影し、サンプル中に含まれる粒子の突起を除いた部分の厚さ(短軸方向の長さ)を測定した。そして、100個の粒子の厚さの算術平均を算出し、これを平均厚さとした。
上記粉末樹脂としてアルケマ社製Kynar301Fを使用した。
まず、測定対象の粉末9gと粉末樹脂1gを50ccガラス瓶に入れ、ボールミルにて30分間混合し、得られた混合物を直径13mmのダイスに入れて30MPaの圧力で加圧成型した。その後、成形体の断面が見えるように垂直に立てた状態で樹脂に包埋し、研磨機で研磨して厚さ測定用サンプルとした。次に、準備した厚さ測定用サンプルを倍率50〜800倍のSEMにて撮影し、サンプル中に含まれる粒子の突起を除いた部分の厚さ(短軸方向の長さ)を測定した。そして、100個の粒子の厚さの算術平均を算出し、これを平均厚さとした。
上記粉末樹脂としてアルケマ社製Kynar301Fを使用した。
<BET比表面積>
BET比表面積は、比表面積測定装置(型式:Macsorb HM model−1208(マウンテック社製))を用いた測定により求めた。より具体的には、測定試料を比表面積測定装置専用の標準サンプルセルに約5g入れ、精密天秤で正確に秤量し、測定ポートに測定対象の粉末(試料)をセットし、測定を開始した。測定は1点法で行い、測定終了時に試料の重量を入力すると、BET比表面積が自動的に算出された。なお、測定前に前処理として、測定試料を薬包紙に20gを取り分けた後、真空乾燥機で−0.1MPaまで脱気し−0.1MPa以下に真空度が到達していることを確認した後、200℃で2時間加熱した。測定環境は、温度:10〜30℃、湿度:相対湿度で20〜80%で、結露なしの条件とした。
BET比表面積は、比表面積測定装置(型式:Macsorb HM model−1208(マウンテック社製))を用いた測定により求めた。より具体的には、測定試料を比表面積測定装置専用の標準サンプルセルに約5g入れ、精密天秤で正確に秤量し、測定ポートに測定対象の粉末(試料)をセットし、測定を開始した。測定は1点法で行い、測定終了時に試料の重量を入力すると、BET比表面積が自動的に算出された。なお、測定前に前処理として、測定試料を薬包紙に20gを取り分けた後、真空乾燥機で−0.1MPaまで脱気し−0.1MPa以下に真空度が到達していることを確認した後、200℃で2時間加熱した。測定環境は、温度:10〜30℃、湿度:相対湿度で20〜80%で、結露なしの条件とした。
<磁気特性>
まず、内径5mm、高さ2mmのセルに測定対象の粉末を詰めて振動試料型磁気測定装置(東英工業社製 VSM−C7−10A)にセットした。次に、印加磁場を加え、5kOeまで掃引し、次いで、印加磁場を減少させ、ヒステリシスカーブを作製した。その後、このカーブのデータより測定対象の粉末についての飽和磁化、残留磁化および保磁力を求めた。
まず、内径5mm、高さ2mmのセルに測定対象の粉末を詰めて振動試料型磁気測定装置(東英工業社製 VSM−C7−10A)にセットした。次に、印加磁場を加え、5kOeまで掃引し、次いで、印加磁場を減少させ、ヒステリシスカーブを作製した。その後、このカーブのデータより測定対象の粉末についての飽和磁化、残留磁化および保磁力を求めた。
<ICP分析>
測定対象のフェライト粉末0.2gを秤量し、純水60mlに1Nの塩酸20mlおよび1Nの硝酸20mlを加えたものを加熱し、フェライト粉末を完全溶解させた水溶液を準備し、ICP分析装置(島津製作所製ICPS−1000IV)を用いてFe、Mn、MgおよびSrの含有量を測定した。
測定対象のフェライト粉末0.2gを秤量し、純水60mlに1Nの塩酸20mlおよび1Nの硝酸20mlを加えたものを加熱し、フェライト粉末を完全溶解させた水溶液を準備し、ICP分析装置(島津製作所製ICPS−1000IV)を用いてFe、Mn、MgおよびSrの含有量を測定した。
<タップ密度>
タップ密度は、JIS R1628に準拠して、タップ密度測定装置を用いて測定した。
タップ密度は、JIS R1628に準拠して、タップ密度測定装置を用いて測定した。
<真密度>
真密度はJIS Z 8807:2012に準拠して、マウンテック社製全自動真密度測定装置Macpycnoを用いて測定した。
真密度はJIS Z 8807:2012に準拠して、マウンテック社製全自動真密度測定装置Macpycnoを用いて測定した。
<平均表面粗さ(Ra)>
平均表面粗さ(Ra)は、以下のようにして求めた。
表面粗さは、JIS B 0601−2001に準拠して測定した。
オリンパス社製3Dレーザー顕微鏡LEXT OLS4000を用いてランダムに選んだ100粒子について測定し、得られた表面の粒子の凹凸から表面粗さを算出し、得られた各粒子の表面粗さの平均値を平均表面粗さRaとして用いた。
平均表面粗さ(Ra)は、以下のようにして求めた。
表面粗さは、JIS B 0601−2001に準拠して測定した。
オリンパス社製3Dレーザー顕微鏡LEXT OLS4000を用いてランダムに選んだ100粒子について測定し、得られた表面の粒子の凹凸から表面粗さを算出し、得られた各粒子の表面粗さの平均値を平均表面粗さRaとして用いた。
表1のキュリー温度、被覆層の厚さTは、それぞれ上記の方法にて測定した。
また、図1に、実施例1の複合粒子の断面SEM像を示し、図2に、実施例1の複合粒子の断面EDXマッピング像(Ag)を示した。
《2》KEC法による電磁波シールド能力の評価
前記各実施例および各比較例で得られた粉末70質量部とバインダー樹脂(PVA)が固形分として30質量部となるように10質量%PVA水溶液をそれぞれ秤量し、自転公転混合装置で5分間分散混合した。
前記各実施例および各比較例で得られた粉末70質量部とバインダー樹脂(PVA)が固形分として30質量部となるように10質量%PVA水溶液をそれぞれ秤量し、自転公転混合装置で5分間分散混合した。
得られた混合液を成型用の型に流し込み、水分を蒸発させて厚さ1mmのシート状の成型体を作製した。
得られたシート状成型体をKEC法で磁界の電磁波シールド能力(減衰率)を測定した。なお、磁界の電磁波シールド能力(減衰率)測定は、0.1MHz〜1GHzの範囲で実施した。図3に評価結果の代表例を示す。また評価結果を以下の判定基準で判定し表3に示す。
A:減衰量が高く電波シールド能力が高い
B:減衰力が比較的高くシールド能力は十分高い
C:減衰力はあるがシールド能力が不足
D:減衰力が低くシールド能力は不十分
A:減衰量が高く電波シールド能力が高い
B:減衰力が比較的高くシールド能力は十分高い
C:減衰力はあるがシールド能力が不足
D:減衰力が低くシールド能力は不十分
《3》電気抵抗率
前記実施例および各比較例で得られた粉末を用いて、電気抵抗率についての評価を以下のようにして行った。
前記実施例および各比較例で得られた粉末を用いて、電気抵抗率についての評価を以下のようにして行った。
まず、断面積が4cm2のフッ素樹脂製のシリンダーに高さ4mmとなるように試料としての粉末を充填した後、両端に電極を取り付け、さらにその上から1kgの分銅を乗せて電気抵抗を測定した。電気抵抗の測定は、ケースレ一社製2182A型ナノボルトメーターにて測定電圧1Vを印加し60秒後の抵抗を測定し、体積抵抗を算出した。
実施例および各比較例について、電磁波シールド能力評価結果(KEC法)を図3及び表3に示し、電気抵抗率の結果を表3に示す。
図3及び表3から明らかなように、本発明では、成型体中で配向した板状フェライト粒子(母粒子)表面に存在する金属被膜(被覆層)によって電磁波が好適にシールドされていることが確認されたのに対し、比較例1、3では金属被覆がないため満足のいく結果が得られなかった。また、比較例2では、真球状フェライト粒子に銀コート(無電解めっき)を行ったものの、同程度の銀コート量を有する実施例3と比較して十分な電波シールド能力を得られない結果となった。
本発明は、電磁波の遮蔽性に優れる複合粒子、粉末を提供することができ、電磁波の遮蔽性に優れる成形体を提供することができ、また、前記成形体の製造に好適に用いることができる樹脂組成物を提供することができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2018年2月13日出願の日本特許出願(特願2018−023567)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本出願は、2018年2月13日出願の日本特許出願(特願2018−023567)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
Claims (10)
- フェライトで構成された板状の母粒子と、
Au、Ag、Pt、NiおよびPdよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成された被覆層とを備えることを特徴とする複合粒子。 - 前記母粒子の平均板径(長軸方向の平均長さ)が10μm以上2000μm以下である請求項1に記載の複合粒子。
- 前記母粒子の平均厚さ(短軸方向の平均長さ)が0.5μm以上100μm以下である請求項1または2に記載の複合粒子。
- 前記母粒子のアスペクト比が4.0以上1000以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合粒子。
- 前記母粒子がMn−Zn系フェライトで構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合粒子。
- 前記被覆層の厚さが、10nm以上500nm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合粒子。
- 複合粒子は、全体として板状をなすものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合粒子。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合粒子を複数個含むことを特徴とする粉末。
- 請求項8に記載の粉末と、樹脂材料とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項8に記載の粉末と、樹脂材料とを含む材料を用いて製造されたことを特徴とする成形体。
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