JP2017027933A - マイクロ波吸収発熱体 - Google Patents

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【課題】従来より簡便な方法で、所望の温度での昇温停止が可能なマイクロ波吸収発熱体を提供する。【解決手段】MnZn系フェライト粉とNi系フェライト粉とを、30〜90:10〜70(mass%)の範囲で混合したマイクロ波吸収発熱体用フェライト粉を、樹脂中に30〜90(mass%)の割合で含有させる。【選択図】図2

Description

本発明は、電子レンジなどで使用される周波数の電磁波を吸収して優れた発熱性能を示す発熱体に関するものである。
かかる発熱体は、電子レンジ用発熱調理器や、マイクロ波を利用した保温材、温熱医療用発熱体など、産業用加熱用途に利用することができる。
電子レンジは、通常2.45GHzのマイクロ波を食品に照射し、食品中の水分子がマイクロ波を吸収して振動する現象を利用して食品を加熱する調理機器である。ここで、マイクロ波を吸収できるのは水分子に限定されるものではなく、誘電損失や磁気損失の高い材料であれば、食品と同様にマイクロ波を吸収して温度が上昇することが知られている。
ここに、誘電損失を利用したマイクロ波吸収発熱体は、マイクロ波を吸収して高温まで温度が上昇し続けるため、安全に使用するためには、発熱粉の含有量を調整して放熱とのバランスを考慮する必要があった。
そこで、発明者らは、磁性体であるMnZn系フェライトに注目して、マイクロ波を吸収して優れた発熱性能を示し、なおかつ、所定温度で昇温を停止するマイクロ波吸収発熱体用MnZn系フェライトを提案した(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術は、優れた昇温特性を有すると共に、キュリー温度で磁性体の磁気損失がなくなる性質を利用して所望の温度でその昇温を止めることができるという優れたものである。
そして、上記マイクロ波吸収発熱体用MnZn系フェライトは、出発原料であるFe23や、ZnO、NiO、MnOの組成比を調整することで、昇温停止温度を200〜300℃の温度範囲で制御することができる。
また、発明者らは、300℃より高温で昇温停止する必要がある場合に、NiZn系フェライトの組成比を調整することで、昇温停止温度を550℃までの広い範囲で制御することができる技術を提案している(特許文献2参照)。
特許第5017438号公報 特開2013−117367号公報
しかしながら、前記した技術では、単一系のフェライトを用いているため、異なる昇温停止温度のフェライト粉を作製するには、その都度、出発原料の配合比から変更して作製し直す必要があった。そのため、同じ手順(工程)を何度も繰り返さなければならず、生産効率の面で問題を残していた。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、2つの系のフェライトを用いることで、従来以上に簡便な方法で、異なる昇温停止温度のフェライト粉を作り分け、所望の温度で昇温停止可能なマイクロ波吸収発熱体を得ることを目的とする。
発明者らは、上記した問題を解決するために、種々の組成よりなる、MnZn系フェライト粉とNi系フェライト粉との昇温挙動を詳細に調べた。特に、組成の異なる複数のフェライト粉を混合して、その昇温挙動を調べたところ、所定の混合比範囲を選択すると、昇温速度および昇温停止温度が大きく変化する傾向にあることを見出した。
ついで、この知見に基づき、さらに、混合粉の昇温挙動を詳細に調べた結果、MnZn系フェライト粉と、Ni系フェライト粉という、2つの系のフェライトを所定の比率で混合することによって、出発原料の配合比から変更をして作製し直さなくても、所望の停止温度でその昇温が停止するだけでなく、立上りの昇温速度が速いマイクロ波吸収発熱体が得られることが分かり、本発明に至った。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.電磁波を吸収して発熱するMnZn系フェライト粉と電磁波を吸収して発熱するNi系フェライト粉とを、MnZn系フェライト粉:Ni系フェライト粉=30〜90:10〜70(mass%)の範囲で混合したマイクロ波吸収発熱体用フェライト粉を、樹脂中に40〜90(mass%)の割合で含有させたことを特徴とするマイクロ波吸収発熱体。
2.前記1に記載のMnZn系フェライト粉は、Fe酸化物(Fe23換算):53〜57mol%、Zn酸化物(ZnO換算):4〜11mol%およびNi酸化物(NiO換算):0〜4mol%を含み、残部がMn酸化物からなることを特徴とするマイクロ波吸収発熱体。
3.前記1に記載のNi系フェライト粉は、Fe酸化物(Fe23換算):46〜51mol%、Cu酸化物(CuO換算):3〜14mol%、Zn酸化物(ZnO換算):0〜38mol%を含み、残部がNi酸化物からなることを特徴とするマイクロ波吸収発熱体。
本発明によれば、電子レンジの2.45GHzのマイクロ波を効果的に吸収して発熱、昇温し、かつ、200〜400℃の温度範囲内で昇温を停止するマイクロ波吸収発熱体を、その都度、出発原料の配合比を変更して作製しなくても、特定組成のMnZn系フェライト粉と、特定組成のNi系フェライト粉との混合比を調整するだけで、簡便に作り分けることができる。
また、上記マイクロ波吸収発熱体は、単に混合物の混合比から比例計算した速度よりも、立上りの昇温速度を速くすることができる。
さらには、原料価格の高価なNi系フェライトの一部を安価なMnZn系フェライトで置き換えることができるため、製造コスト低減効果も期待できる。
マイクロ波照射:20秒後の試料温度を示した図である。 本発明の発熱粉を用いた発熱シートの昇温停止温度とNi系フェライト粉置換量の関係を示した図である。 発明例8と比較例5とのマイクロ波昇温特性を比較して示した図である。 発明例9と比較例6、比較例7とのマイクロ波昇温特性を比較して示した図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のマイクロ波吸収発熱体は、マイクロ波吸収発熱体用フェライト粉と樹脂からなる。
また、マイクロ波吸収発熱体用フェライト粉は、電磁波を吸収して発熱するMnZn系フェライト粉と電磁波を吸収して発熱するNi系フェライト粉との混合粉からなる。
マイクロ波吸収発熱体用フェライト粉(MnZn系フェライト粉:Ni系フェライト粉=30〜90:10〜70(mass%))
マイクロ波吸収発熱体用フェライト粉におけるNi系フェライトの混合比が10(mass%)未満の場合、MnZn系フェライトの昇温特性とほとんど変わらない特性しか得られない。一方、マイクロ波吸収発熱体用フェライト粉におけるNi系フェライトの混合比が70(mass%)を超えると、Ni系フェライトの昇温特性とほとんど変わらない特性しか得られない。
そのため、MnZn系フェライト粉:Ni系フェライト粉は、30〜90:10〜70(mass%)の範囲で混合する。より好ましくは、MnZn系フェライト粉:Ni系フェライト粉=40〜80:20〜60(mass%)の範囲である。
図1に、MnZn系フェライトに対するNi系フェライトの置換量と、マイクロ波照射20秒後の試料温度との関係について調べた結果を示す。
図1に示したように、MnZn系フェライト粉とNi系フェライト粉との混合比を上記の範囲に調整することで、単純な混合比からの比例計算から予想される温度(図1中の点線で示した線)よりも短時間で高温となる。すなわち、マイクロ波吸収発熱体の立上りの昇温速度を速くすることができる。
上記立上りの昇温速度が速くなる理由は今のところ不明であるが、発明者らは、飽和磁化や透磁率、誘電率などの物性の異なる粒子が共存することで、マイクロ波をより吸収しやすい状態になっているのではないかと考えている。
上記したマイクロ波吸収発熱体用フェライトは、粉末状なので、樹脂との混合による成形品である発熱体に用いるのに適している。
ここで、上記樹脂の種類は、用途および昇温停止温度によって適宜選択されるが、例えば、250℃を超える高温を選択するのであれば、シリコーン樹脂やPPS(ポリフェニレンサルファイド)などの耐熱樹脂を用いることが好ましい。
また、マイクロ波吸収発熱体用フェライト粉と樹脂との混合比は、発熱性能および成形品の品質に影響するため、製品の発熱性能および成形品の品質から適宜決めることができる。
しかしながら、樹脂の混合比が70mass%を超えると、マイクロ波吸収発熱体用フェライト粉の含有量が少ないために、昇温速度が遅くなり、昇温停止温度も低下する。一方、樹脂量が10mass%未満では、粉体同志の結着力が弱いために、実用的な機械的強度の成形品を得ることができない。従って、本発明では、マイクロ波吸収発熱体用フェライト粉:樹脂=30〜90:10〜70(mass%)に限定する。好ましくは、マイクロ波吸収発熱体用フェライト粉:樹脂=60〜85:15〜40(mass%)の範囲である。
本発明のMnZn系フェライト粉は、一般に電源トランスやノイズフィルタ用に市販されているMnZnフェライトコアを粉砕した物を使用できるが、飽和磁束密度の高い組成のものを用いると、より高い発熱性能が得られるので好適である。
具体的には、Fe酸化物(Fe23換算):53〜57mol%、Zn酸化物(ZnO換算):4〜11mol%およびNi酸化物(NiO換算):0〜4mol%を含み、残部がMn酸化物からなるMnZn系フェライト粉であることが高飽和磁束密度の点から好ましい。
Fe酸化物(Fe23換算):53〜57mol%
Fe23が多過ぎるとMnZnフェライトの焼成段階で異相が析出しやすくなり、発熱性能に悪影響を及ぼす。従って、Fe酸化物はFe23換算で57mol%以下が好ましく、56mol%以下がより好ましい。一方、Fe23が少なくなるとキュリー温度が低下し、昇温停止温度が低温化する。従って、昇温停止温度を200℃以上に調整するためには、Fe酸化物はFe23換算で53mol%以上が好ましく、54mol%以上がより好ましい。
Zn酸化物(ZnO換算):4〜11mol%
ZnOは飽和磁束密度の温度依存性に関係する。ZnOが11mol%を超えるとキュリー温度が低下し、昇温停止温度が200℃以下に低下する。従って、Zn酸化物はZnO換算で11mol%以下が好ましく、10mol%以下がより好ましい。一方、ZnOが4mol%未満では飽和磁束密度が低下して発熱性能に悪影響を及ぼす。従って、Zn酸化物はZnO換算で4mol%以上が好ましく、5mol%以上がより好ましい。
Ni酸化物(NiO換算):0〜4mol%
NiOは複素透磁率の虚数成分μ’’の温度特性に関係する。2.45GHzのμ’’が大きいほど高周波磁気損失に起因するマイクロ波発熱能が高くなる。NiOを含まないとμ’’の値は室温で大きく、NiO量とともにμ’’のピーク温度は高温化する。NiOが4mol%を超えると、μ’’の値は高温では高いものの、室温付近では小さくなり。発熱体の温度の立ち上がりが遅くなる。従って、Ni酸化物はNiO換算で4mol%以下が好ましく、3mol%以上がより好ましい。一方、NiOの含有量が少ないと、室温付近のμ’’は高いものの、高温で低μ’’となり、昇温の立上りは速いが、その後昇温が遅くなってしまう。しかし、本発明ではNiZn系フェライトと混合することでその影響は小さい。従って、Ni酸化物は含まなくても良い。
また、本発明のNi系フェライト粉は、CuOを3〜14mol%含有する組成のものが、明瞭な昇温停止挙動が得られるので好適である。
さらに具体的には、Fe酸化物(Fe23換算):46〜51mol%、Cu酸化物(CuO換算):3〜14mol%、Zn酸化物(ZnO換算):0〜38mol%を含み、残部がNi酸化物からなるNi系フェライト粉であることが昇温停止挙動の安定性の点から好ましい。
Fe酸化物(Fe23換算):46〜51mol%
Fe23は、フェライト相の安定性および比抵抗に影響を与え、マイクロ波印加による昇温速度に作用する。Fe23換算で51mol%を超えると、発熱体の比抵抗が低下して金属のようにマイクロ波を反射して発熱性能が低下する。従って、Fe酸化物はFe23換算で51mol%以下が好ましく、50mol%以下がより好ましい。一方、Fe23が少ないとフェライト以外の相が生成してフェライト単相を得ることが難しくなり、発熱体の昇温速度が低下する。従って、Fe酸化物濃度はFe23換算で46mol%以上が好ましく、47mol%以上がより好ましい。
Cu酸化物(CuO換算):3〜14mol%
CuOは、マイクロ波印加による昇温特性において、高温での昇温停止挙動に影響する。CuOが3mol%に満たないか、または14mol%を超えたときは、いずれの場合も発熱体の昇温が停止せずに、マイクロ波照射と共に発熱体の温度が上昇し続けてしまう。従って、Cu酸化物はCuO換算で3〜14mol%の範囲が好ましく、4〜10mol%がより好ましい。
Zn酸化物(ZnO換算):0〜38mol%
ZnOは、マイクロ波印加による昇温特性において、昇温停止温度に影響する。ZnO換算で0〜38mol%に調整することで、50〜550℃の広い温度範囲にわたって昇温停止温度を設定することができる。ZnOが0mol%の場合、550℃程度まで昇温する。ZnOが38mol%超の場合、50℃以上に昇温しない。従って、Zn酸化物はZnO換算で0〜38mol%以上が好ましく、2〜35mol%がより好ましく、3〜20mol%がさらに好ましい。
なお、本発明における昇温停止温度Tsとは、発熱フェライト粉と耐熱樹脂を混練してシート成形し、40×40mmに切断加工して得たフェライト粉含有樹脂シートを、市販の電子レンジを用いて、500Wのマイクロ波を照射した後の試料表面温度がほとんど温度変化なく一定と見なされた時の温度とする。また、試料表面温度は、赤外線放射温度計で測定する。
上述したとおり、本発明によれば、特定組成のMnZn系フェライト粉と特定組成のNi系フェライト粉の混合比を(MnZn系フェライト粉:Ni系フェライト粉=30〜90:10〜70(mass%))の範囲内で適宜調整することにより、昇温停止温度や昇温速度が異なる種々のマイクロ波吸収発熱体用フェライト粉を簡便に作り分けることができる。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
MnZn系フェライト粉は、Fe23:MnO:NiO:ZnO=55.0:35.0:2.5:7.5(mol%)の基本組成として原料を混合し、ついで、1300℃で焼成、解砕、分級して得た。
Ni系フェライト粉は、Fe23:NiO:ZnO:CuO=49:32:13:6mol%の基本組成として原料を混合し、ついで、1100℃で焼成、解砕、分級して得た。
表1に示す比率でMnZn系フェライト粉とNi系フェライト粉を混合し、次いで、マイクロ波吸収発熱体用フェライト粉:シリコーン樹脂=75:25の質量比で混練し、40×40×1mmのシートを作製した。得られたシートを市販の電子レンジの中に置き、500Wのマイクロ波を10秒〜90秒間照射した時のシートの温度を赤外線放射温度計で測定した。
上記した本発明に従う発明例および比較例のマイクロ波吸収発熱体用フェライト粉を用いた場合の樹脂シートの表面温度測定結果を表1および図2に示す。
Figure 2017027933
表1および図2、また、前掲した図1に示したとおり、2種のマイクロ波吸収発熱体用フェライト粉から、昇温の立ち上がりが早く、所望の昇温停止温度の樹脂シートを作製できることが判る。
(実施例2)
MnZn系フェライト粉は実施例1と同様な方法で作製した。
Ni系フェライト粉は、Fe23:NiO:ZnO:CuO=48:40:5:7mol%の基本組成として原料を混合し、ついで、1000℃で焼成、解砕、分級して得た。
上記のMnZn系フェライト粉とNi系フェライト粉を65:35mass%の比率で混合し、次いで、マイクロ波吸収発熱体用フェライト粉:シリコーン樹脂=75:25の質量比で混練し、40×40×1mmのシートを作製した。得られたシートを市販の電子レンジの中に置き、500Wのマイクロ波を10秒〜90秒間照射した時のシートの温度を赤外線放射温度計で測定した(発明例8)。
比較例として、Ni系フェライト粉をFe23:NiO:ZnO:CuO=48:28:17:7mol%の基本組成として原料を混合し、ついで、1000℃で焼成、解砕、分級して得た。Ni系フェライト粉単体:シリコーン樹脂=75:25の質量比で混練し、発明例8と同様の方法で樹脂シートを作製して、マイクロ波昇温特性を測定した(比較例5)。比較例5のフェライト粉はNi系フェライト粉のみであり、MnZn系フェライト粉を含んでいない。
本発明に従う発明例8および比較例5のマイクロ波昇温特性を図3に示す。
図3に示したとおり、発明例8および比較例5は約320℃で昇温停止するが、昇温の立ち上がりを比較すると、2種のマイクロ波吸収発熱体用フェライト粉からなる本発明例の方が早いことが判る。
(実施例3)
MnZn系フェライト粉は、Fe23:MnO:ZnO=55:40:5mol%の基本組成として原料を混合し、ついで、1320℃で焼成、解砕、分級して得た。
Ni系フェライト粉は、Fe23:NiO:ZnO:CuO=49:31.5:14.5:5mol%の基本組成として原料を混合し、ついで、950℃で焼成、解砕、分級して得た。
上記のMnZn系フェライト粉とNi系フェライト粉を50:50mass%の比率で混合し、次いで、マイクロ波吸収発熱体用フェライト粉:シリコーン樹脂=75:25の質量比で混練し、40×40×1mmのシートを作製した。得られたシートを市販の電子レンジの中に置き、500Wのマイクロ波を10秒〜90秒間照射した時のシートの温度を赤外線放射温度計で測定した(発明例9)。
比較例として、上記のMnZn系フェライト粉単体:シリコーン樹脂=75:25の質量比で混練した(比較例6)。比較例6のフェライト粉はMnZn系フェライト粉のみであり、Ni系フェライト粉を含んでいない。
また、上記のNi系フェライト粉単体:シリコーン樹脂=75:25の質量比で混練して、同様の方法で樹脂シートを作製して、マイクロ波昇温特性を測定した(比較例7)。比較例7のフェライト粉はNi系フェライト粉のみであり、MnZn系フェライト粉を含んでいない。
本発明に従う発明例9および比較例6、比較例7のマイクロ波昇温特性を図4に示す。
図4に示したとおり、2種のマイクロ波吸収発熱体用フェライト粉からなる本発明例の方が昇温の立ち上がりが早いことが判る。
以上のように、本発明を用いることで、簡便な方法で、昇温の立ち上がりが早く、所期した温度で昇温停止できるマイクロ波吸収発熱体用フェライト粉を作り分けることができる。このため、電子レンジ用発熱調理器や、マイクロ波を利用した保温材、温熱医療用発熱体など、産業用加熱用途に対して好適に利用できる。

Claims (3)

  1. 電磁波を吸収して発熱するMnZn系フェライト粉と電磁波を吸収して発熱するNi系フェライト粉とを、MnZn系フェライト粉:Ni系フェライト粉=30〜90:10〜70(mass%)の範囲で混合したマイクロ波吸収発熱体用フェライト粉を、樹脂中に30〜90(mass%)の割合で含有させたことを特徴とするマイクロ波吸収発熱体。
  2. 請求項1に記載のMnZn系フェライト粉は、Fe酸化物(Fe23換算):53〜57mol%、Zn酸化物(ZnO換算):4〜11mol%およびNi酸化物(NiO換算):0〜4mol%を含み、残部がMn酸化物からなることを特徴とするマイクロ波吸収発熱体。
  3. 請求項1に記載のNi系フェライト粉は、Fe酸化物(Fe23換算):46〜51mol%、Cu酸化物(CuO換算):3〜14mol%、Zn酸化物(ZnO換算):0〜38mol%を含み、残部がNi酸化物からなることを特徴とするマイクロ波吸収発熱体。
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