JPH0799086A - 磁性発熱素子及びその磁性材料 - Google Patents

磁性発熱素子及びその磁性材料

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JPH0799086A
JPH0799086A JP5265685A JP26568593A JPH0799086A JP H0799086 A JPH0799086 A JP H0799086A JP 5265685 A JP5265685 A JP 5265685A JP 26568593 A JP26568593 A JP 26568593A JP H0799086 A JPH0799086 A JP H0799086A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度測定用センサが異常作動したり、故障し
ても、発熱暴走等を未然に防止する磁性発熱素子と、そ
の磁性発熱素子を構成するための磁性材料を供する。 【構成】 磁性体を用いて作られた発熱素子に交流磁界
を印加し、該発熱素子を昇温する際に用いる磁性発熱素
子を構成する磁性材料として、キューリー温度(Tc)
が45℃から350℃の範囲であり、昇温の初期、中期
にわたる温度範囲における比透磁率の温度変化が5/℃
以上を有する軟磁性フェライトを用いた磁性発熱素子、
および、上記の磁性発熱素子を構成する磁性材料とし
て、主成分の組成比をa(Ni(1-X)・CuX)O・bZ
nO・cFe23とし、ここでa+b+c=100,0
≦x≦1.0,16≦b≦35,49≦c≦56である
軟磁性フェライトを用いた磁性発熱素子用磁性材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流磁界印加による磁
性発熱素子、及び、それに使用するフェライト系の発熱
用磁性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電磁誘導を利用した加温方式は、高温状
態の熱源による加熱方式であるが、取扱いが危険な炎を
伴う燃焼を必要とせず、熱変換効率が高く、局所加温が
可能で、エネルギーの伝達が非接触でできる等の利点が
ある。そのため、比較的低温度の領域では、医療分野に
おいて、癌あるいは腫瘍等の異常細胞の増殖の抑制や減
少を目的とした、温熱療法の局所加温方式として実用化
が検討されている。一方、比較的高温度の領域では、調
理用の加熱機器等として実用化されている。これまでに
利用されている電磁波加熱方式の多くは、渦電流損失に
よる発熱を利用し、磁性材料の発熱温度を温度センサー
にて測定し、入力電力を制御することにより、発熱を制
御している。したがって、この温度センサーが故障した
り、何らかの理由(例えば異物の付着等)で正常に動作
しなくなると、発熱温度の制御が不安定になり、遂には
発熱の暴走に至り、発火等の事故が発生すると云う問題
があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
の問題点を解消した、温度測定用センサが異常作動した
り、故障しても、発熱暴走等を未然に防止する磁性発熱
素子と、その磁性発熱素子を構成するための磁性材料を
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するため、誘導加熱方式において、磁性発熱素子を
使用し、主な発熱源を磁性材料のヒステリシス損失に求
めるものである。加えて、磁性発熱素子の材料として、
電気抵抗が高い物質を使用することにより、渦電流によ
る発熱を抑制した磁性発熱素子を提供し、併せて、この
発熱素子に使用する材料として、本目的に沿った所定の
成分を持つ酸化物磁性材料を供する。即ち、本発明は、
磁性体を用いて作られた発熱素子に交流磁界を印加
し、該発熱素子を昇温する際に用いる磁性発熱素子にお
いて、該磁性発熱素子を構成する磁性材料として、キュ
ーリー温度(Tc)が45℃から350℃の範囲であ
り、昇温の初期、中期にわたる温度範囲における比透磁
率の温度変化が5/℃以上を有する軟磁性フェライトを
用いることを特徴とする磁性発熱素子、および、上記
記載の磁性発熱素子を構成する磁性材料として、主成
分の組成比をa(Ni(1 -X)・CuX)O・bZnO・c
Fe23とし、ここでa+b+c=100,0≦x≦
1.0,16≦b≦35,49≦c≦56である軟磁性
フェライトを用いることを特徴とする磁性発熱素子用磁
性材料である。
【0005】
【作用】比抵抗の高い磁性材料を使用することで渦電流
による発熱を抑制することができる。即ち、渦電流損失
により、印加電磁波が作用している間は発熱するため、
渦電流の発生は発熱暴走の主要因の一つになっている。
従って発熱材料の電磁気特性を制御することによって、
有用な発熱素子が提供できることになる。本発明の磁性
発熱素子を使用する誘導加熱方法の長所は、素子材料が
磁性を示さなくなると発熱昇温が停止することである。
したがって、発熱暴走による火災等の事故を未然に防止
できる。一般に、磁性材料は温度の上昇に従い、磁気的
性質は低下し、ある温度以上になると磁性を示さなくな
る。この温度をキューリー温度(Tc)と呼んでいる。
したがって、このTc以上では、磁性発熱素子は交流磁
界が加わっても作動しなくなるので、その温度を用途に
応じて適正に選定すれば、加熱による事故を未然に防止
することができる。また、磁性材料の中でも軟磁性材料
(比透磁率>1)は、その軟磁性材料の周辺の外部に印
加された磁束を取り込む能力が高いので、印加入力電力
の変換効率が高くなる。比透磁率の温度変化(ΔμT
が正に大きい材料であれば、電磁誘導方式による発熱素
子としては、エネルギー変換効率が高く、昇温速度も大
きく、しかも、絶対的な過熱防止機能を具備することに
なり、工業上極めて有益となる。この磁性材料として
は、電気抵抗が比較的大きく、透磁率が比較的高く、過
熱防止対象範囲の常温近傍から調理温度の範囲で任意に
選択できることから、軟磁性フェライト材料が有用であ
ることを、本発明者は種々検討した結果見い出した。
【0006】この磁性発熱素子に用いる磁性材料の過熱
防止の温度範囲を実用的な見地から判断し、磁性材料の
Tcを45℃〜350℃の範囲とした。この温度範囲の
低温部は主に医療用分野での応用に対応し、中・高温部
は主に調理用分野での応用に対応する。Tcを45℃以
上としたのは、これ以上であれば素子の発熱による癌あ
るいは腫瘍等の異常細胞の増殖の抑制や減少が確認され
ているからである。一方、350℃以下としたのは、樹
脂の耐熱性を考慮し、これ以下であれば発熱に対する周
辺部材の選択が容易に実施できるからである。本発明に
おいては、発熱素子に使用される軟磁性フェライト材料
の昇温の初期、中期にわたる温度範囲における比透磁率
の温度変化(ΔμT)を5/℃以上とした。これは、昇
温により透磁率が増大することにより、更に印加磁束の
取り込み効率が向上することに加え、透磁率の損失成分
(発熱に寄与)も増大し、昇温による磁化量の減少(一
般にはヒステリシス損失による発熱量の減少に対応する
ことになる)を補償することになり、発熱昇温速度の向
上が実現できるからである。この比透磁率の温度に対す
る変化の傾向や大きさは、材料特有の性質である。本発
明者は、検討した結果、上記に示した軟磁性フェライト
材料の中でも特に、主成分の組成比をa(Ni(1-X)
CuX)O・bZnO・cFe23とし、ここでa+b
+c=100,0≦x≦1.0,16≦b≦35,49
≦c≦56とすることにより、より良好な磁性発熱素子
用磁性材料の得られることを発見した。ここで、0≦x
≦1.0とした理由は、この範囲であれば、比透磁率の
温度変化ΔμTが5/℃以上で、Tcが45〜350℃
を実現できるからである。また、16≦b≦35とした
のは、bが16以上でTcが350℃以下となり、35
以下でTcが45℃以上となるからである。また、49
≦c≦56としたのは、cが49以上でΔμTが5/℃
以上を示し、56以下でTcが45℃以上となるからで
ある。尚、本発明で記述している昇温の初期、中期にわ
たる温度範囲として、具体的には、常温(20℃)にお
ける比透磁率(μ20)とTc(℃)×0.7の温度にお
ける比透磁率μ0.7Tcを測定し、 ΔμT=μ0.7Tc−μ20/(0.7Tc−20) (/
℃) として求めた。ここでμをTcの70%の温度のμ(μ
0.7Tc)としたのは、比透磁率(μ)は実用的な本材料
においてはTcよりやや低い温度で極大を示すものであ
り、連続的な昇温加熱特性を一般に評価するには、常温
(20℃)からTc×0.7(℃)の範囲で比較する方
が妥当であると判断したからである。また、昇温速度を
求める場合には、発熱温度の飽和値×0.8(℃)とし
たのは、発熱飽和値はTcよりやや低い温度に対応し、
その差はTcの高さと雰囲気の温度差によっても異なる
ために、一般的には発熱温度の飽和値×0.8℃に達す
るまでの昇温速度で比較する方が妥当であると判断した
からである。また、実施例における交流印加磁場の周波
数は200KHzとしている。これは生体分野に使用する
場合には、人体に殆んど影響を及ぼさない周波数の上限
が200KHzとされているからである。したがって、磁
性発熱素子の印加磁界の周波数は、その使用目的に応じ
て適宜選択されるべきである。ちなみに、印加周波数が
高くなると、素子の発熱量は増加するので、昇温速度は
向上するが、発熱上限温度はTcにて独立して制御され
ることになる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参照して
説明する。図1は、実施例1における磁性発熱素子の昇
温速度とフェライト材の比透磁率の温度変化(ΔμT
の関係を示す。図中、○印(実線)はNi−Cu−Zn
系フェライト材を表わし、△印(破線)はMn−Zn系
フェライト材を表わす。図2は、実施例2におけるNi
−Cu−Zn系フェライト材の比透磁率の温度変化(Δ
μT)、キューリー温度(Tc)とZnOの組成割合
(b)との関係を示し、図2(イ)はΔμT、図2
(ロ)はTcについて示す。図3は、実施例3における
Ni−Cu−Zn系フェライト材の比透磁率の温度変化
(ΔμT)、キューリー温度(Tc)とFe23の組成
割合(c)との関係を示し、図3(イ)はΔμT、図3
(ロ)はTcについて示す。図4は、実施例4における
Ni−Cu−Zn系フェライト材の比透磁率のΔμT
NiOとCuOの割合(x)との関係を示し、図4
(イ)はΔμT、図4(ロ)はTcについて示す。
【0008】実施例1.酸化鉄(α−Fe23)と酸化
ニッケル(NiO)と酸化第2銅(CuO)、及び酸化
亜鉛(ZnO)及び四三酸化マンガン(Mn34)を原
料とし、化学組成比が15NiO・35ZnO・5OF
23、16(Ni0.9・Cu0.1)O・32ZnO・5
2Fe23、18(Ni0.8・Cu0.2)O・33ZnO
・49Fe23、18(Ni0.7・Cu0.3)O・32Z
nO・50Fe23、21(Ni0.7・Cu0.3)O・3
1ZnO・47Fe23、19(Ni0.7・Cu0.3)O
・30ZnO・51Fe23、20(Ni0.7・C
0.3)O・30ZnO・48Fe23、24(Ni0.7
・Cu0.3)O・30ZnO・46Fe23、22(N
0.6・Cu0.4)O・25ZnO・53Fe23、20
(Ni0. 6・Cu0.4)O・28ZnO・52Fe23
21(Ni0.5・Cu0.5)O・30ZnO・49Fe2
3、30(Ni0.3・Cu0.7)O・20ZnO・50
Fe23、33CuO・15ZnO・52Fe23、と
なるように、ボールミルにて20時間湿式混合し、Ni
−Cu−Zn系フェライト原料混合粉末を得た。また、
化学組成比が34MnO・14ZnO・52Fe23
27MnO・20ZnO・53Fe23、25MnO・
22ZnO・53Fe23、25MnO・23ZnO・
52Fe23となるように、ボールミルにて20時間湿
式混合し、Mn−Zn系フェライト原料混合粉末を得
た。次に、これら原料混合粉末を大気中800℃で2時
間仮焼した後、ボールミルにて、3時間湿式粉砕し、粉
末とした。次に、これら粉砕粉末にPVAを1wt%混
合した後、成形圧2ton/cm2で、幅7mm長さ4
0mm高さ4mmの平棒状圧粉体と、外径20mm、内
径14mm、高さ7mmのリング状圧粉成形体を得た。
このNi−Cu−Zn系フェライトの圧粉成形体は、大
気中で徐熱、炉冷にて、1000℃〜1300℃の温度
範囲で2時間保持し、焼結体を得た。一方、Mn−Zn
系フェライト材成形体は、0.5%酸素含有の窒素雰囲
気中で、徐熱、炉冷にて、1300℃〜1400℃の温
度範囲にて2時間保持し、焼結体の試料を得た。これら
試料の中のリング状試料の200KHzにおける比透磁率
(μ200KHz)、及び、その温度変化をインピーダンスア
ナライザーを使用して、キューリー温度Tc、及び、μ
200KHzのTc(℃)×0.7の温度における比透磁率
(μ0.7Tc)と、20℃における比透磁率(μ20)を求
め、これらの値から、温度変化によるμ200KHzの変化量
(ΔμT(/℃))を求めた。ここでΔμTは ΔμT=μ0.7Tc−μ20/(0.7Tc(℃)−20
(℃)) となる。また、200℃以上のTcは、振動型磁力計
(VSM)を使用して、磁化の変化より求めた。その結
果を表1及び表2に示す。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】一方、平棒状焼結体は、切断、研磨し、幅
5mm、長さ30mm、高さ2mmの平棒状試料とし
た。次に、このフェライト棒に励磁周波数200KHz、
磁界強度8KA/mとなるように磁界を印加し、フェライト
棒の発熱昇温特性を測定した。その結果を図1に示す。
図中、昇温速度とあるのは、フェライト棒が20℃と発
熱温度の飽和値の80%に達するまでの所要時間(分)
より求めたものであり、 ((発熱温度の飽和値(℃))×0.8−20(℃))
/(所要時間(min))(℃/min) となる。その結果を図1に示す。図1は、実施例1にお
ける磁気発熱素子の昇温速度とこれに用いたフェライト
の比透磁率の温度変化ΔμTの関係を示す。図中、○印
(実線)はNi−Cu−Zn系フェライト材を表わし、
△印(破線)はMn−Zn系フェライト材を表わす。フ
ェライトの交流比透磁率の温度変化ΔμTが5/℃以上
になると、昇温速度は著しく向上することがわかる。ま
た、Ni−Cu−Zn系フェライトの方が、Mn−Zn
系フェライトに比べ、昇温特性が明らかに向上している
のがわかる。
【0012】実施例2.実施例1と同様にして、化学組
成比が(49−b)(Ni0.7・Cu0.3)O・bZnO
・51Fe23とし、ここでb=14,16,18,2
0,25,30,32,34,36となるように配合
し、1100℃で焼結し、試料を得た。試料の中のリン
グ状試料によりΔμT及びTcを測定した。その結果を
図2に示す。図2は、実施例2におけるNi−Cu−Z
n系フェライトのΔμT、キューリー温度TcとZnO
組成との関係を示す。bが16〜36の範囲でΔμT
5/℃以上の値を示している。一方、Tcは、bが16
以上で350℃以下となり、35以下で45℃以上を示
している。したがって、b=16〜35の範囲が有用と
なるのがわかる。
【0013】実施例3.実施例1と同様にして、化学組
成比が(70−c)(Ni0.7・Cu0.3)O・30Zn
O・cFe23とし、ここでc=48,49,50,5
1,52,53,54,55,56,57となるように
配合し、c=48〜50の試料は1000℃で焼結し、
c=51〜57の試料は1100℃で焼結し、試料を得
た。試料の中のリング状試料によりΔμT及びTcを測
定した。その結果を図3に示す。実施例3におけるNi
−Cu−Zn系フェライト材のΔμT、TcとFe23
組成との関係を示す。cが49〜57の範囲でΔμT
5/℃以上の値を示している。一方、Tcはcが48以
上で200℃以下となり、56以下で45℃以上を示し
ている。したがって、c=49〜56の範囲が有用とな
るのがわかる。
【0014】実施例4.実施例1と同様にして、化学組
成比が19(Ni(1-X)・CuX)O・30ZnO・51
Fe23とし、ここでx=0,0.2,0.4,0.
6,0.8,1.0となるように配合し、x=0〜0.
2の試料は1150℃で焼結し、x=0.4〜1.0の
試料は1000℃で焼結し、試料を得た。この試料の中
のリング状試料によりΔμT及びTcを測定した。その
結果を図4に示す。図4は、実施例4におけるNi−C
u−Zn系フェライト材のΔμT、NiO,CuOの含
有比との関係を示す。xが0〜1.0の範囲にわたっ
て、ΔμTは10/℃以上を示し、Tcは70℃〜18
0℃の範囲を示している。したがって、x=0〜1.0
の範囲にわたって有用となることがわかる。
【0015】以上の実施例からわかるように、軟磁性フ
ェライト磁性体に交流磁界を印加し、昇温する磁性発熱
素子において、昇温の初期、中期にわたる温度範囲にお
ける比透磁率の温度変化ΔμTが5/℃以上とすること
により、昇温速度が著しく向上できる。また、軟磁性フ
ェライト材料の中でもNi−Cu−Zn系フェライト材
の主成分の組成比をa(Ni(1-X)・CuX)O・bZn
O・cFe23とし、ここで、a+b+c=100,0
≦x≦1.0,16≦b≦35,49≦c≦56とする
ことにより、ΔμTが5/℃以上で、Tcが45〜35
0℃の範囲を実現でき、磁性発熱素子の昇温速度の著し
い向上と、加温上限温度の制限が実現できる。
【0016】本実施例では、フェライト発熱棒の形状を
幅5mm、長さ30mm、高さ2mmとしているが、こ
の寸法に限定されるものでなく、用途に適合した形状、
発熱量等によって任意に変化できるものである。また、
印加する交流磁界の周波数や強度についても同様であ
る。また、フェライトの構成元素をNiO,CuO,Z
nO,Fe23としたNi−Cu−Zn系フェライト材
料、及び構成元素をMnO,ZnO,Fe23としたM
n−Zn系フェライト材料についてのみ述べているが、
これのみに限定されるものでなく、例えばCo,Ca,
Cr,Al,Mn,Ti,V,Bi,Si等の酸化物を
含有しても、また、原料中に含まれる不純物を含有して
も、主成分がNiO,CuO,ZnO,Fe23又はM
nO,ZnO,Fe23で構成するものであれば本発明
の範囲にあり、かつそれのみに限定されるものでなく、
他に軟磁性フェライトとしては、一般にはスピネル型フ
ェライトとしてMn系フェライト,Mg系フェライト,
Li系フェライト,Co系フェライト等があげられ、こ
れらの複合型フェライトであったり、その一部をZnO
等で置換したり、添加物を加えたりしたものであって
も、本発明の範囲にあることは当業者であれば容易に理
解できる。また、ガーネット系フェライト材料であって
も同様である。また、本実施例においては交流磁界の印
加として、200KHz,80KA/mについてのみ述べてい
るが、この条件にのみ限定されるものでなく、交流であ
れば周波数、強度を選定できることは、電磁誘導の原理
からして、当業者であれば容易に理解できるものであ
る。
【0017】
【発明の効果】以上、実施例で説明したように、本発明
の磁性発熱素子を用いることにより、安全に誘導加熱を
行うことができ、また本発明の磁性材料を磁性発熱素子
に用いることにより、安全で、使い易く、効率のよい誘
導加熱用発熱素子が供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における磁性発熱素子の昇温速度とフ
ェライト材の比透磁率の温度変化(ΔμT)の関係を示
す。
【図2】実施例2におけるNi−Cu−Zn系フェライ
ト材の比透磁率の温度変化(ΔμT)、キューリー温度
(Tc)とZnOの組成割合(b)との関係を示し、図
2(イ)はΔμT、図2(ロ)はTcについて示す。
【図3】実施例3におけるNi−Cu−Zn系フェライ
ト材の比透磁率の温度変化(ΔμT)、キューリー温度
(Tc)とFe23の組成割合(c)との関係を示し、
図3(イ)はΔμT、図3(ロ)はTcについて示す。
【図4】実施例4におけるNi−Cu−Zn系フェライ
ト材の比透磁率のΔμT、NiOとCuOの割合(x)
との関係を示し、図4(イ)はΔμT、図4(ロ)はT
cについて示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/34

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体を用いて作られた発熱素子に交流
    磁界を印加し、該発熱素子を昇温する際に用いる磁性発
    熱素子において、該磁性発熱素子を構成する磁性材料と
    して、キューリー温度(Tc)が45℃から350℃の
    範囲であり、昇温の初期、中期にわたる温度範囲におけ
    る比透磁率の温度変化が5/℃以上を有する軟磁性フェ
    ライトを用いることを特徴とする磁性発熱素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁性発熱素子を構成する
    磁性材料として、主成分の組成比をa(Ni(1-X)・C
    X)O・bZnO・cFe23とし、ここでa+b+
    c=100,0≦x≦1.0,16≦b≦35,49≦
    c≦56である軟磁性フェライトを用いることを特徴と
    する磁性発熱素子用磁性材料。
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