JP2007088316A - 磁性粉末および電波吸収体 - Google Patents

磁性粉末および電波吸収体 Download PDF

Info

Publication number
JP2007088316A
JP2007088316A JP2005277078A JP2005277078A JP2007088316A JP 2007088316 A JP2007088316 A JP 2007088316A JP 2005277078 A JP2005277078 A JP 2005277078A JP 2005277078 A JP2005277078 A JP 2005277078A JP 2007088316 A JP2007088316 A JP 2007088316A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
particles
wave absorber
soft
radio wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005277078A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoyuki Hashimoto
尚行 橋本
Shinichi Suenaga
真一 末永
Isao Shigematsu
功 重松
Zen Tsuboi
禅 坪井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Holdings Co Ltd
Dowa F Tec Co Ltd
Original Assignee
Dowa Holdings Co Ltd
Dowa F Tec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Holdings Co Ltd, Dowa F Tec Co Ltd filed Critical Dowa Holdings Co Ltd
Priority to JP2005277078A priority Critical patent/JP2007088316A/ja
Publication of JP2007088316A publication Critical patent/JP2007088316A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】軟磁性鉄合金を使用して電波吸収体に適した絶縁性の高い磁性粉末を提供する。
【解決手段】粒径100μm以下、アスペクト比5以上の軟磁性鉄合金粒子1の表面周囲に平均粒径5μm以下のソフトフェライト粒子2が有機質または無機質の結合材3を介して付着した複合粒子で構成される粉末であって、当該粉末中には軟磁性鉄合金100質量部に対しソフトフェライトが40〜80質量部の割合で含まれている磁性粉末。軟磁性鉄合金としては、Si:4〜13質量%、Al:4〜7質量%、残部実質的にFeの組成、またはSi:3〜7質量%、残部実質的にFeの組成を有するものが好適に使用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鱗片状の軟磁性鉄合金を使用した磁性粉末、およびそれを用いた電波吸収体に関する。
近年、電子技術、情報技術の発展に伴い数百MHz〜数GHzの周波数帯域で使用される電子機器が急増している。これらの電子機器の誤動作や相互干渉を防止するには電波吸収体を使用することが効果的であり、昨今その重要性がますます高まりつつある。
電波吸収体は一般的に、電波吸収性の磁性粉末を合成ゴム、熱可塑性エラストマー、プラスチック等の高分子マトリクス中に混ぜ込むことによって作られる。電波吸収性粉末としては使用周波数帯域において複素透磁率の虚数部μ''が高い値を呈する材料が選択される。μ''は電波吸収性能に大きく寄与するからである。そのような材料として、現在では軟磁性鉄合金粉末が多く用いられている。
高い透磁率を呈する金属材料としてはパーマロイのようなFe−Ni系合金や、センダスト(Fe−9.5Si−5Al合金)、Fe−6.5Si合金などが知られている。なかでもパーマロイは透磁率が極めて高く板材への加工も容易であることから、磁気ヘッド、トランスコアをはじめとする軟磁性部品に広く使用されている。しかしパーマロイはNiを多量に含むため高価であり、またアトマイズ法等の特殊な製法を用いなければ粉末を得ることが難しいので電波吸収体用の磁性粉末としては普及していない。センダストやFe−6.5Si合金についても導電性が高いことから、そのままでは絶縁性の良い電波吸収体を得るための粉末としては採用し難い。
一方、ソフトフェライトは一般式MFe24(MはMn、Zn等)で表されるスピネル構造の物質であり、高抵抗・高絶縁という特徴があるが、軟磁性鉄合金に比べ透磁率が低い。軟磁性鉄合金とソフトフェライトの欠点を補う技術として、軟磁性鉄合金の表面をフェライトでめっきする方法も検討されているが、工程が複雑になり大量生産する上であまり生産性が良いとは言えない。
特公昭55−35002号公報 特開平5−299872号公報 特開平6−204021号公報 特開2005−64396号公報
センダストやFe−Si合金のような軟磁性鉄合金は高価な元素を含まないことから、原料コストはあまり高くない。特許文献3にはこのような鉄合金を使用した複合磁性材料が開示されている。特許文献3の複合磁性材料は、アトマイズ法によって得られた球状のセンダストまたはFe−Si系の鉄合金粉末の表面に酸化皮膜を形成した上で、その鉄合金粉末とフェライト粉末とを有機質または無機質バインダーを介して結合させた「成形体」である。しかしこの成形体は、複素透磁率μ''が小さいことから、電波吸収体としての良好な特性を発揮するものではない。
数百MHz〜数GHzの周波数帯域で使用される電子機器に用いる電波吸収体を構成したときに高いμ''と良好な絶縁性を示すような粉末素材を得る技術が確立されていない。本発明は、センダストやFe−Si合金等の軟磁性鉄合金を使用して電波吸収体に適した磁性粉末を開発し、数百MHz〜数GHzの周波数帯域で使用可能な新たな電波吸収体を提供しようというものである。
発明者らは詳細な研究の結果、上記目的を達成するためには、
i) 球状ではなく扁平形状の軟磁性鉄合金粒子を基材粒子として使用すること、
ii) 磁性粉末を構成する粒子は、基材粒子の表面をとり囲むようにしてソフトフェライト粒子が基材粒子に付着している「複合粒子」であること、
が極めて有効であることを見出した。
すなわち本発明では、粒径100μm以下、アスペクト比5以上の扁平形状を呈する軟磁性鉄合金粒子(本明細書ではこれを「基材粒子」と呼んでいる)の表面周囲に平均粒径5μm以下のソフトフェライト粒子が有機質または無機質の結合材を介して付着した複合粒子で構成される粉末であって、当該粉末中には軟磁性鉄合金100質量部に対しソフトフェライトが40〜80質量部の割合で含まれている磁性粉末が提供される。
ここで、粒径は粒子の長軸長(長径)である。アスペクト比は「長径/厚さ」である。
上記軟磁性鉄合金としては、Si:4〜13質量%、Al:4〜7質量%、残部実質的にFeの組成、またはSi:3〜7質量%、残部実質的にFeの組成を有するものを採用することができる。特に前者はセンダスト(Fe−9.5Si−5Al合金)として知られる高透磁率合金を中心とした軟磁性領域を規定したものである。
「残部実質的にFe」とは、残部として本発明の効果を阻害しない範囲でFe以外の元素の混入を許容する趣旨であり、「残部Feおよび不可避的不純物」の場合が含まれる。
また本発明では上記の磁性粉末が高分子マトリクス中に分散配合されている電波吸収体が提供される。高分子マトリクスは、ゴム、熱可塑性エラストマー、プラスチック等の高分子物質である。
本発明によれば、比較的低廉でかつ粉砕により薄片状の粒子を作りやすい軟磁性鉄合金を基材に使用する。そして、その基材の表面は高抵抗・高絶縁であるソフトフェライトで覆われている。このため、粉末の全量を軟磁性鉄合金で賄う従来の電波吸収体に比べ絶縁性の良好な電波吸収体が実現できる。したがって本発明は、軟磁性鉄合金を使用する従来の電波吸収体に代わる新たなタイプの電波吸収体の提供に寄与するものである。
本発明では前述のように、平たい形状の軟磁性鉄合金粒子の表面周囲にソフトフェライト粒子が付着している「複合粒子」を磁性粉末の構成粒子として採用する。
図1に、その複合粒子の断面構造を模式的に示す。平たい形状の軟磁性鉄合金からなる基材粒子1の表面周囲には、ソフトフェライト粒子2が存在する。ソフトフェライト粒子2は結合材3を介して基材粒子1の表面に付着している。結合材3は非磁性かつ絶縁性の物質、例えば熱可塑性樹脂などである。なお、図1は断面構造の概念を説明するための模式図であるからソフトフェライト粒子2のサイズや結合材3の厚みなどはかなり誇張して描いてある。
基材粒子1は平たい形状であることにより、電波吸収体において複素透磁率μ''の向上をもたらす。基材粒子1の周囲を取り巻くソフトフェライト粒子2は、電波吸収体の高分子マトリクス中において、隣接する基材粒子1どうしの直接的な接触を顕著に低減し、電波吸収体の絶縁性向上に寄与する。また、ソフトフェライト自体のもつ優れた高透磁率性能によって、他の絶縁物質で被覆した場合よりも高いμ''が実現される。結合材3は当該複合粒子が高分子マトリクスに混ぜ込まれて電波吸収体を構築するまでの間、基材粒子1からソフトフェライト粒子2が容易に脱落するのを防ぐ機能を担う。
以下、本発明を特定する事項について説明する。
〔基材粒子〕
本発明の磁性粉末を構成する複合粒子は、その基材として扁平形状を有する軟磁性鉄合金を採用する。基材粒子のサイズは粒径が100μm以下であることが望ましい。100μmを超えるような大きい粒子が含まれると電波吸収体シートに使用したときにシートの表面平滑性が損なわれ、粗表面から粉の剥離が生じて電子機器のトラブルを招く恐れがある。一方、粒径が小さい粒子があまり多くなると電波吸収体を作るとき高分子マトリクスとの混練に多大なトルクが必要となり、混練機器の部品消耗を早める。したがって、基材粒子の平均粒径は3〜50μmの範囲にあることが望ましく、5〜20μmが一層好ましい。また、基材粒子の平均粒径は後述のソフトフェライトの平均粒径よりも大きくなければならない。
基材粒子のアスペクト比は5以上であることによって電波吸収体のμ''が顕著に向上する。ただし、アスペクト比の大きい複合粒子があまり多くなると高分子マトリクス中への分散性が悪くなるので、平均アスペクト比は5〜50の範囲にあることが望ましく、10〜35の範囲にあることが一層好ましい。
基材粒子の材質は軟磁性鉄合金である。特にセンダストやFe−Si合金等の代表的な軟磁性鉄合金に近い組成の高透磁率合金が好適な対象となる。前者の例としてはSi:4〜13質量%、Al:4〜7質量%、残部実質的にFeの組成をもつ合金が挙げられる。後者の例としてはSi:3〜7質量%、残部実質的にFeの組成をもつものが挙げられる。
センダストや上記のFe−Si合金に近い組成域の鉄合金は、鋳塊を粉砕することにより鱗片状の扁平な粉体粒子を得ることができる。粉砕の強度を調整し、篩いを通すことで本発明に適用可能な前記サイズ・形状の基材粒子を製造することができる。
〔ソフトフェライト粒子〕
本発明では従来から電波吸収体に使用されている一般的なソフトフェライト粉末が使用できる。特に数百MHz〜数GHz帯域で電波吸収性能を呈するものが好ましく、例えばMg−Zn系、Mn−Zn系、Ni−Zn系等のフェライトが使用できる。本発明に適用するソフトフェライト粒子は、基材粒子の周囲を取り囲むようにして存在させるものであるため、その平均粒径は少なくとも基材粒子の平均粒径より小さくなければならない。具体的にはソフトフェライト粒子の平均粒径は5μm以下である必要があり、平均粒径1μm以下(例えば平均粒径0.05〜1μm)であることが一層好ましい。基材粒子とのサイズ比としては、「ソフトフェライトの平均粒径/基材粒子の平均粒径」の値が0.001〜0.35であることが望ましく、例えば0.01〜0.3とすることができる。
このようなソフトフェライト粉末は従来一般的な製法を利用して製造できる。
〔基材粒子とソフトフェライト粒子の混合割合〕
本発明の磁性粉末を構成する複合粒子は、ソフトフェライト粒子が基材粒子の表面を取り囲むようにして存在することによって、電波吸収体の絶縁性を確保するものである。発明者らの詳細な検討によれば、サイズが前述のように適正化された基材粒子とソフトフェライト粒子を使用する場合、本発明の磁性粉末中には基材粒子を構成する軟磁性鉄合金100質量部に対しソフトフェライトが40〜80質量部の割合で含まれていることが望ましい。このとき、電波吸収体の絶縁性が十分確保されるとともに、平たい粒子形状に起因する複素透磁率μ''の向上作用も維持される。軟磁性鉄合金100質量部に対しソフトフェライトが45〜70質量部の範囲で含まれていることが一層好ましい。
〔結合材〕
結合材はソフトフェライト粒子を基材粒子の表面に付着する役割を担う。その物質は、複合粒子が電波吸収体の高分子マトリクスに混ぜ込まれて電波吸収体を構築するまでの間、ソフトフェライト粒子の脱落を防止する機能が発揮され、非磁性かつ絶縁性を有するものであれば特に制限はない。具体的には例えば、シリコーン等の樹脂が好適に使用できる。
〔複合粒子の製造〕
前記の基材粒子の粉末とソフトフェライト粒子の粉末を、結合材とともに所定の割合で混ぜ合わせることにより、基材粒子の表面周囲にソフトフェライト粒子を付着させる。結合材として高分子樹脂を使用する場合、その樹脂の溶剤となる物質を加えて樹脂に流動性を付与した状態で、溶剤が揮発しやすい温度域に加熱しながら攪拌機等により十分に攪拌混合する。攪拌を行いながら溶剤を揮発させていき、溶剤を十分に揮発させると、図1に示したような構造の複合粒子が得られる。結合材として例えばシリコーンを使用する場合、溶剤としてはトルエン等の揮発性有機溶剤が使用でき、攪拌時の加熱温度は120℃前後とすればよい。
〔電波吸収体の製造〕
上記のようにして得た複合粒子で構成される磁性粉末と電波吸収体のマトリクスとなる高分子材料とを所定割合で混合し、混練機で混練する。混練温度は高分子にある程度の流動性が付与され、磁性粉末を十分に分散混合することができる温度域とする。磁性粉末の配合量はできるだけ多い方が電波吸収特性の向上に繋がり効果的であるが、あまり多すぎると混練物の成形性が維持できなくなったり、電波吸収体の機械的特性が劣化したりするので、電波吸収体に含まれる磁性粉末の配合量は60〜95質量%程度とすることが望ましい。この混練物をロールでシート状に成形することにより電波吸収体が得られる。高分子マトリクスの材料は、例えば合成ゴム、熱可塑性エラストマー、プラスチック等の非磁性かつ絶縁性の物質が選択される。
〔実施例1〕
軟磁性鉄合金として、Si:9質量%、Al:6質量%、残部Feおよび不可避的不純物の組成を有するセンダスト粉末を使用した。これは粉砕により扁平化されたもので、長軸長による平均粒径9.0μm、平均アスペクト比18である。
ソフトフェライトとして、Mg0.5Zn0.5O・Fe23組成のスピネル型フェライトを使用した。これは平均粒径約0.8μmの粉末である。
上記センダスト粉末100質量部と、上記ソフトフェライト粉末56.5質量部と、結合材としてシリコーン18.75質量部と、溶剤としてトルエン100質量部をオイルバス付き万能攪拌機に入れて120℃で攪拌混合した。攪拌しながらトルエンを揮発させ、約0.5hで攪拌を終了し、薄片状センダスト粒子の表面周囲にシリコーンを介してソフトフェライト粒子が付着した複合粒子からなる磁性粉末を得た。
この磁性粉末の体積固有抵抗を以下のように測定した。
銅板の上に25.4mm径のリング状の軟質塩ビパイプを置き、その塩ビパイプの中に試料粉末を入れたのち塩ビパイプの上部に別の銅板を乗せて、試料粉末が入った塩ビパイプを2枚の銅板で挟むようにする。銅板の上下からアクリル板を介して圧縮試験器により1.3MPaで加圧する。この加圧により塩ビパイプは容易に潰れ、試料粉末に1.3MPaの圧力が付与された状態となる。この加圧状態において上下2枚の銅板間の電気抵抗を測定する。この試験後に潰れた塩ビパイプの寸法を測定して、試験中の粉末の体積を算出するそして、前記の電気抵抗値と粉末体積から、試料粉末の体積固有抵抗を求める。
その結果、体積固有抵抗は24.5Ω・mであった。粉体特性について表1にまとめて示してある(以下の比較例において同じ)。このような圧粉状態で体積固有抵抗がゼロにならないということは、導電性をもつ基材粒子の直接的な接触が周囲の絶縁粒子(フェライト粒子)によって顕著に防止されていることを意味し、電波吸収体に使用した際には良好な絶縁性が確保される。
次に、この磁性粉末を用いて電波吸収体シートを作製した。マトリクスとなる高分子物質としてNBRゴム系樹脂を使用した。
磁性粉末85質量%とNBR15質量%をラボプラストミル(東洋精機株式会社製、R−60)により80℃で10min混練し、一旦排出後、再度同条件で混練した。得られた混練物を6インチ径の電熱圧延ロールにより圧延し、厚さ2mmの電波吸収体シートを得た。
得られた電波吸収体シートについてSパラメーター法により電波吸収特性を調べた。シートから切り出した小片を外径7mm、内径3mmの円筒状測定ピースに成形し、これをφ7mm×φ3.04mmの同軸管に装入し、ネットワークアナライザー(ヒュレットパッカード社製、商品名;HP85071B)を用いて0.05〜20GHzにわたって反射・透過係数(Sパラメーター)を測定した。図2に複素透磁率の実数部μ'と虚数部μ''測定結果の一例を示す。表1にはμ''の最大値を記載した(以下の比較例において同じ)。
〔比較例1〕
軟磁性鉄合金として、Si:9質量%、Al:6質量%、残部Feおよび不可避的不純物の組成を有するセンダスト粉末を使用した。ただしこの粉末はアトマイズ法により製造されたものであり、平均粒径30.7μm、平均アスペクト比1.02である。
ソフトフェライトは実施例1と同じものを使用した。
上記センダスト粉末100質量部と、上記ソフトフェライト粉末11.2質量部と、結合材としてシリコーン3質量部と、溶剤としてベンゼン100質量部をオイルバス付き万能攪拌機に入れ、実施例1と同様の方法で球状センダスト粒子の表面周囲にシリコーンを介してソフトフェライト粒子が付着した複合粒子からなる磁性粉末を得た。この磁性粉末の体積固有抵抗を前記の方法で測定した結果、体積固有抵抗は0Ω・mであった。
次に、この磁性粉末を用いて実施例1と同様の配合量でマトリクスがNBRである電波吸収体シートを作製した。この電波吸収体シートについて前記の方法で0.05〜20GHzの反射・透過係数(Sパラメーター)を測定した。図3に複素透磁率の実数部μ'と虚数部μ''測定結果の一例を示す。
〔比較例2〕
実施例1で使用した薄片状粒子からなるセンダスト粉末のみによって磁性粉末を構成した。この磁性粉末について体積固有抵抗を前記の方法で測定した結果、体積固有抵抗は0Ω・mであった。
次に、この磁性粉末を用いて実施例1と同様の配合量でマトリクスがNBRである電波吸収体シートを作製した。この電波吸収体シートについて前記の方法で0.05〜20GHzの反射・透過係数(Sパラメーター)を測定した。図4に複素透磁率の実数部μ'と虚数部μ''測定結果の一例を示す。
Figure 2007088316
本発明に従った実施例1の電波吸収体は、比較例1のものより複素透磁率μ''が大幅に向上しており、MHz〜GHzの高周波帯域で良好な電波吸収性能を呈するものであった(図2、図3)。このμ''の向上は主として扁平化した形状(薄片状)の基材粒子を使用したことによるものである。また、実施例1の電波吸収体シートは、基材粒子表面がフェライト粒子に囲まれていることにより、良好な絶縁性を呈するものである。
比較例2の電波吸収体シートは、複素透磁率μ''が実施例1よりもさらに向上している(図2、図4)。しかし比較例2の電波吸収体シートは、磁性粉末が導電性を有することにより、絶縁性の面で劣っており、電子機器類(基板周辺)で使用する際に問題が生じてしまう。
本発明の磁性粉末を構成する複合粒子の断面構造を模式的に示した図。 実施例1の電波吸収体シートについて複素透磁率μ'およびμ''の測定結果の一例を示すグラフ。 比較例1の電波吸収体シートについて複素透磁率μ'およびμ''の測定結果の一例を示すグラフ。 比較例2の電波吸収体シートについて複素透磁率μ'およびμ''の測定結果の一例を示すグラフ。
符号の説明
1 基材粒子
2 ソフトフェライト粒子
3 結合材

Claims (3)

  1. 粒径100μm以下、アスペクト比5以上の軟磁性鉄合金粒子の表面周囲に平均粒径5μm以下のソフトフェライト粒子が有機質または無機質の結合材を介して付着している複合粒子で構成される粉末であって、当該粉末中には軟磁性鉄合金100質量部に対しソフトフェライトが40〜80質量部の割合で含まれている磁性粉末。
  2. 軟磁性鉄合金は、Si:4〜13質量%、Al:4〜7質量%、残部実質的にFeの組成、またはSi:3〜7質量%、残部実質的にFeの組成を有するものである請求項1に記載の磁性粉末。
  3. 請求項1または2に記載の磁性粉末が高分子マトリクス中に分散配合されている電波吸収体。
JP2005277078A 2005-09-26 2005-09-26 磁性粉末および電波吸収体 Pending JP2007088316A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005277078A JP2007088316A (ja) 2005-09-26 2005-09-26 磁性粉末および電波吸収体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005277078A JP2007088316A (ja) 2005-09-26 2005-09-26 磁性粉末および電波吸収体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007088316A true JP2007088316A (ja) 2007-04-05

Family

ID=37974979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005277078A Pending JP2007088316A (ja) 2005-09-26 2005-09-26 磁性粉末および電波吸収体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007088316A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2008133172A1 (ja) * 2007-04-17 2010-07-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ 樹脂混合用複合フィラー
CN103854821A (zh) * 2012-12-06 2014-06-11 中国钢铁股份有限公司 软磁性粉体、其制法及可抑制电磁干扰的复合材料薄片体
JP2014199862A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 パウダーテック株式会社 ノイズ抑制用複合磁性粉
JP2015092543A (ja) * 2013-10-01 2015-05-14 日東電工株式会社 軟磁性粒子粉末、軟磁性樹脂組成物、軟磁性フィルム、軟磁性フィルム積層回路基板および位置検出装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002344192A (ja) * 2001-03-13 2002-11-29 Mitsubishi Materials Corp 電波吸収体用複合粉末
JP2003197415A (ja) * 2001-12-26 2003-07-11 Aisin Seiki Co Ltd 機能部材および機能部材の製造方法
JP2003347787A (ja) * 2002-05-23 2003-12-05 Shin Etsu Chem Co Ltd 電磁波吸収性組成物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002344192A (ja) * 2001-03-13 2002-11-29 Mitsubishi Materials Corp 電波吸収体用複合粉末
JP2003197415A (ja) * 2001-12-26 2003-07-11 Aisin Seiki Co Ltd 機能部材および機能部材の製造方法
JP2003347787A (ja) * 2002-05-23 2003-12-05 Shin Etsu Chem Co Ltd 電磁波吸収性組成物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2008133172A1 (ja) * 2007-04-17 2010-07-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ 樹脂混合用複合フィラー
JP5133338B2 (ja) * 2007-04-17 2013-01-30 株式会社日立ハイテクノロジーズ 樹脂混合用複合フィラー
CN103854821A (zh) * 2012-12-06 2014-06-11 中国钢铁股份有限公司 软磁性粉体、其制法及可抑制电磁干扰的复合材料薄片体
JP2014199862A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 パウダーテック株式会社 ノイズ抑制用複合磁性粉
US20160044838A1 (en) * 2013-03-29 2016-02-11 Powdertech Co., Ltd. Composite magnetic powder for noise suppression
JP2015092543A (ja) * 2013-10-01 2015-05-14 日東電工株式会社 軟磁性粒子粉末、軟磁性樹脂組成物、軟磁性フィルム、軟磁性フィルム積層回路基板および位置検出装置
US10418161B2 (en) 2013-10-01 2019-09-17 Nitto Denko Corporation Soft magnetic particle powder, soft magnetic resin composition, soft magnetic film, soft magnetic film laminated circuit board, and position detection device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010103709A1 (ja) 圧粉磁芯およびそれを用いた磁性素子
EP2482291B1 (en) Magnetic powder material and low-loss composite magnetic material containing same
JPH0935927A (ja) 複合磁性体及びそれを用いた電磁干渉抑制体
WO2010082486A1 (ja) 複合磁性材料の製造方法とそれを用いた圧粉磁芯及びその製造方法
EP2157586B1 (en) Sintered soft magnetic powder molded body
CN106816252A (zh) 一种高绝缘电阻FeSiCr金属软磁材料的制造方法
JP2009249673A (ja) 複合材料及びその製造方法
WO2016010098A1 (ja) 磁心、磁心の製造方法およびコイル部品
JP6632702B2 (ja) Fe−Co合金粉末の製造方法
EP2980811A1 (en) Noise-suppressing composite magnetic powder
KR20180015175A (ko) 자성 분말 복합체, 안테나 및 전자기기와 이의 제조 방법
CN107275033A (zh) 一种软磁合金材料及其制备方法
JP2007088316A (ja) 磁性粉末および電波吸収体
CN109215922A (zh) 复合磁性材料及磁芯
US20120256118A1 (en) Magnetic material for high-frequency use, high-frequency device and magnetic particles
CN112625445A (zh) 电磁屏蔽用片材及其制造方法
JP5137629B2 (ja) 電磁波障害対策シ−ト
JP6813941B2 (ja) 磁性コンパウンド、アンテナおよび電子機器
CN113223845A (zh) 一种软磁合金粉末的绝缘包覆方法
JP7251468B2 (ja) 複合磁性材料、磁心および電子部品
JP4036300B2 (ja) 磁気損失体及びその製造方法
JP6679305B2 (ja) 磁性コンパウンドとその製造方法並びに電子部品、アンテナ
CN110892492A (zh) 近场用噪声抑制片
CN111653408B (zh) 一种电磁复合材料及其制备方法和应用
JP7257150B2 (ja) 磁性部材用の難燃性粉末

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110719

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111213