JP6412486B2 - 白和えの素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、野菜材料などと和えて白和えとなる白和えの素の製造方法に関する。
世界的にメタボリックシンドロームや肥満は健康被害として問題となっている。以前より、食事とメタボリックシンドロームや肥満との関係は示唆されており、低カロリー、低GI食品を摂ることで肥満を防止するといわれている。
近年、ユネスコの無形文化遺産に「和食」が登録され、日本の食文化に注目が集まっている。和食は見た目の美しさ、魚や野菜中心の食事、栄養バランスに優れている。年中行事と密接な関係があることから海外でも高い評価を受けている。特に良質なタンパク質を野菜である大豆から摂れる豆腐や凍り豆腐の食品は注目されている。
豆腐を原料とした豆腐加工食品の一つとして白和えがある。白和えは、低カロリーでコレステロールが少ないため、ヘルシーなおかずとして受け入れやすいが、家庭で白和えを作る際、豆腐の水切りや裏ごし作業などの手間が掛かり、調理時間が長くなる。さらに、調理後の経過時間によって白和えから離水が生じ、白和えの見た目、風味、食感が劣ってしまう。このように、家庭における白和えとは簡単に作れる料理ではなく、ひと手間をかけた料理としての認識が高い。そのため、白和えはヘルシーな食品として受け入れられる一方、その調理方法は面倒であることから、なかなか食卓に上がることがない食品の一つである。
また、白和えは、豆腐の裏ごしが不十分であると、その白和えの食感は硬く、ボソボソしたものになってしまう。各家庭によって好みは分かれるものの、滑らかな食感であれば他の食材とも絡みやすい。また、料理の見映えは料理のおいしさを決める指標の一つでもある。
冷凍による長期保存を可能にした冷凍白和えの素が特許文献1に開示されている。水切りをした木綿豆腐と、ビネガーと、ビタミンEとを混練して、フリーズドライにより粉末状態とした長期保存可能な白和えの素が特許文献2に開示されている。
特開2005−245368号公報 特開平06−38700号公報
特許文献1に示す白和えの素は、冷凍させることにより、豆腐に含まれる水分が分離し、解凍後の豆腐の食感や風味が悪くなる。また、特許文献2に示す白和えの素は、フリーズドライして粉末状態にしてあるので、復元した白和えは風味、食感が悪くなる。
そこで本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、容器から取り出した後の製品や、容器内に保存されている製品からの離水が抑制される白和えの素の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の白和えの素の製造方法は次の構成を備える。すなわち本発明は、豆腐に含まれる水分量を、豆腐の質量に対して70〜80質量%に調整して、豆腐生地を準備する工程と、水分量を調整した前記豆腐生地と、植物油脂と、増粘多糖類とを含む原材料を混練する混練工程と、得られる混練物を容器に入れてレトルト殺菌処理する工程とを具備し、前記増粘多糖類が、キサンタンガムと、寒天と、ジェランガムと、カロブビーンガムと、タラガムと、デキストリンとから成ることを特徴とする。この構成によれば、容器から取り出された後でも、滑らかさが維持され、食感を良好に保つと共に、製品からの離水量を減らすことができる。また、容器内で保存されている期間中も製品からの離水量を減らすことができる。
上記キサンタンガムと、寒天と、ジェランガムと、カロブビーンガムと、タラガムと、デキストリンとから成る前記増粘多糖類の添加量を、前記原材料に対して0.25〜0.70質量%とすると好適である。これによれば、経時変化によるボソボソとした食感を改善して滑らかな食感となると共に、離水を防止できる白和えの素を提供できる。
あるいは、本発明において、豆腐に含まれる水分量を、豆腐の質量に対して70〜80質量%に調整して、豆腐生地を準備する工程と、水分量を調整した前記豆腐生地と、植物油脂と、増粘多糖類とを含む原材料を混練する混練工程と、得られる混練物を容器に入れてレトルト殺菌処理する工程とを具備し、前記増粘多糖類が、キサンタンガムと、タラガムとから成ることを特徴とする。これによれば、白和えの素からの離水量をより減らし、食感も改善され滑らかとなる。
上記キサンタンガムと、タラガムとから成る前記増粘多糖類の添加量を、前記原材料に対して、0.10〜0.30質量%とすると好適である。これによれば、白和えの素からの離水量をより減らし、離水をなくすこともでき、食感や風味の損失を防止できる。
あるいは、本発明において、豆腐に含まれる水分量を、豆腐の質量に対して70〜80質量%に調整して、豆腐生地を準備する工程と、水分量を調整した前記豆腐生地と、植物油脂と、増粘多糖類とを含む原材料を混練する混練工程と、得られる混練物を容器に入れてレトルト殺菌処理する工程とを具備し、前記増粘多糖類が、リン酸架橋もち米澱粉から成ることを特徴とする。これによれば、レトルト殺菌に耐性のあるリン酸架橋もち米澱粉により、白和えの素からの離水量をより減らし、もっちりとした食感となる。
上記、リン酸架橋もち米澱粉から成る前記増粘多糖類の添加量を、前記原材料に対して、1.00〜2.50質量とすると好適である。これによれば、白和えの素からの離水量をより減らし、離水をなくすこともできる。
本発明において、豆腐に含まれる水分量を、豆腐の質量に対して70〜80質量%に調整して、豆腐生地を準備する工程と、水分量を調整した前記豆腐生地と、植物油脂と、増粘多糖類とを含む原材料を混練する混練工程と、得られる混練物を容器に入れてレトルト殺菌処理する工程とを具備し、前記増粘多糖類が、カラギナン、キサンタンガム、タマリンドシードガム、グァーガムから成ることを特徴とする。これによれば、長期保存しても離水が抑制されていて、見た目や風味も同等以上で損なわず、食感も良好である。
前記植物油脂として、サラダ油が好適である。これによれば、離水率を抑制し、滑らかな食感となり、長期保存による劣化が少なく、離水も少ない白和えの素を提供できる。
前記原材料は、サイレントカッターを用いて混練すると好適である。これによれば、混練時に発生する熱による素材の劣化を防止でき、素材の風味を活かしたまま白和えの素を製造できる。
また、本発明において、前記混練物が、ストレーナーを通して容器内に注入されてもよい。これによれば、ストレーナーに混練物を通すことで、異物除去ができる。また、混練物が均一な粒度となり、得られる白和えの素の舌触りを良くすることができる。
本発明に係る白和えの素の製造方法によれば、高温で加圧加熱するレトルト殺菌処理をしても容器から取り出した後の製品や、容器内に保存されている製品からの離水が抑制され、食感や見た目も損なわず維持される白和えの素を提供できる。
澱粉添加による白和えの素の色差を示す図である。
本実施形態に係る白和えの素の製造方法は、前記のように、豆腐に含まれる水分量を、豆腐の質量に対して70〜80質量%に調整して、豆腐生地を準備する工程と、水分量を調整した前記豆腐生地と、植物油脂と、増粘多糖類とを含む原材料を混練する混練工程と、得られる混練物を容器に入れてレトルト殺菌処理する工程とを具備することを特徴とする。
本実施形態で用いる豆腐は、豆腐に含まれる水分量を調整したものであり、水分を多く含む豆腐は脱水して水分量を調整し、水分量が調整された豆腐生地を準備する。豆腐生地としては、水分量を豆腐に対して70〜80質量%に調整された豆腐生地を用いる。豆腐に含まれる水分量が80質量%より多い豆腐を用いると、レトルト殺菌して得られる調理後の白和え製品は、大きく離水が生じてしまい、食感が悪くなる。一方、70〜80質量%に調整された豆腐生地を使用する場合は、適宜、混練物の硬さを調整するために加水して混練することもでき、滑らかな食感となる。また、豆腐の質量に対して豆腐に含まれる水分量が70質量%より少ない豆腐を用いると、加水して混練しても食感が悪くなり、得られる調理後の白和えの素は滑らかではなくなる。一例として、水分量が74質量%前後に調整された脱水の程度が強い油揚用の豆腐を豆腐生地として用いることができる。水分量を調整する方法は特に限定されない。
本実施形態では植物油脂を用いることで、白和えの素の離水率を抑制し、滑らかな食感となる。他に、長期保存による劣化が少なくなる。植物油脂として、サラダ油を用いることができる。菜種、大豆、トウモロコシなどの原料から成るサラダ油、白絞油のほか、ごま油、オリーブオイル、ココナッツオイルなどの植物原料から成る各種油脂を、単独もしくは複数種類を併用することができる。
本実施形態では増粘多糖類として、各種ガム類を単独もしくは複数種類を併用する他に、寒天もしくは、澱粉を単独もしくはガム類と併用することができる。澱粉の種類としては、リン酸架橋もち米澱粉を用いることができる。増粘多糖類を添加することで、白和えの素の粘性、弾力性、保水性が増し、滑らかになる。特に、キサンタンガムと、寒天と、ジェランガムと、カロブビーンガムと、タラガムと、デキストリンとから成る増粘多糖類を好適に用いることができる。この増粘多糖類を用いると、白和えの素からの離水を抑制することができる。その他、キサンタンガムと、タラガムとから成る増粘多糖類を好適に用いることもできる。この増粘多糖類を用いると白和えの素からの離水を抑制し、食感も改善されて滑らかとなる。他に、リン酸架橋もち米澱粉から成る増粘多糖類を好適に用いることもできる。この増粘多糖類を用いると白和えの素からの離水を抑制し、もっちりとした食感となる。
豆腐生地と、植物油脂と、増粘多糖類を含む原材料を混練することで、水と油とタンパク質とを含む細かいエマルジョン状態の混練物である豆腐ペーストを得る。混練は、混練時に発生する熱によって素材が劣化するのを防止する方法によって行われることが好ましく、例えば、サイレントカッターを用いて混練することが望ましい。サイレントカッターは、原料の受け皿が回転しながら、カッター部分が直角方向に別途に回転するため、同じ箇所を攪拌せず、熱の発生が少ない。そのため、サイレントカッターで混練することで、原料である豆腐のタンパク質や植物油脂の熱による劣化を防止し、素材の食感や風味を残したまま混練し、滑らかな混練物を得ることができる。また、混練物はエマルジョンの状態であるので、混練物の離水を防ぐことができ、得られる調理後の白和えの素の形状が保たれる。
混練物を容器に充填する前に、ストレーナーに通すことで、粒度の均一な、舌触りの良い混練物を得ることができる。ストレーナーに圧力をかけて混練物を通すことで、細かい網目以上の大きさの粒度のものは通らなくなるため、異物除去ができ、より滑らかな混練物を得ることができる。また、得られる調理後の白和えの素が滑らかとなる。
混練物をレトルト殺菌処理して白和えの素を得る。レトルト殺菌は加圧加熱して高温で殺菌する方法であり、混練物を気密性のある容器内に入れて真空包装し、加圧加熱殺菌する。レトルト殺菌を施すことにより日持ちして劣化しにくく、得られる白和えの素からの離水量を減らし、離水を防止できる。さらに、離水を防止することで、風味を損なわず、見た目が良くなる。
一般的にチルド商品に対する殺菌処理は、殺菌温度が100℃より低い温度で実施する。しかし、本実施形態では、チルド殺菌ではなく、レトルト殺菌により加圧しながら100℃以上の温度で加熱することで、混練物からの離水をより防止し、劣化しにくく、見た目が良く滑らかな白和えの素となる。これは、レトルト殺菌することで、豆腐のタンパクが変性してより凝集化し、より複雑な構造となって水分を保持しやすい状態となったためである。また、保水力が上がることで、ボソボソした食感ではなく、滑らかな食感を保つことができる。
レトルト殺菌は、100℃以上の温度で温度の異なる複数段階の加熱により実施されてもよい。例えば、1次加熱として低温域でレトルト殺菌を実施した後に、2次加熱として1次加熱よりも高温域でレトルト殺菌を実施する。1次加熱を100℃で20分〜40分の殺菌を実施して製品の芯温を上昇させた後、2次加熱として118℃〜120℃で20分〜40分の殺菌を実施する。予め低温域で加熱することにより、表面と中心部との温度差を小さくし、製品の表面は長時間高温状態にさらされることがなく、中心部の殺菌ができるため、熱による豆腐のタンパクの劣化を抑制でき、風味や良好な食感を残すことができる。
植物油脂と増粘多糖類の添加、およびレトルト殺菌により、容器内に入れられた白和えの素は、保存時間の経過に伴い容器内で分離する水分の量を抑えることができると共に、容器開封後においても白和えの素から離水することを防ぐことができる。また、レトルト殺菌を行ってもクリーミーで滑らかな白和えの素となる。
野菜やこんにゃく等の白和え用の材料を用意し、本実施形態の白和えの素を開封して材料に和えることで、豆腐の下ごしらえの手間を省き、短時間で白和えが出来上がる。また、本実施形態の白和えの素に野菜やこんにゃく等を予め混合した白和え商品としてもよく、開封してすぐに白和え惣菜として食することができる。
(実施例1〜3)
原料として、水分73〜74質量%に調整した豆腐生地、砂糖(グラニュー糖)、植物油脂(菜種サラダ油)、練りごま、塩、グルタミン酸ナトリウム、および水を用いた。実施例はいずれも増粘多糖類を添加したものであり、種類の異なる増粘多糖類A、増粘多糖類B、増粘多糖類Cを添加した。実施例1は増粘多糖類A、実施例2は増粘多糖類B、実施例3は増粘多糖類Cであり、原料の配合割合(質量%)を表1、表2、表3に示す。使用した増粘多糖類A、増粘多糖類B、増粘多糖類Cに含まれる増粘多糖類の種類を表4に示す。増粘多糖類は、市販されている増粘多糖類である。それぞれの実施例において、水の添加割合は、増粘多糖類の添加割合に応じて変え、その他の原料である豆腐生地、砂糖、植物油脂、練りごま、塩、調味料の添加割合は一定である。
(比較例1)
比較例1は、原料として、水分73〜74質量%に調整した豆腐生地、砂糖(グラニュー糖)、植物油脂(菜種サラダ油)、練りごま、塩、グルタミン酸ナトリウム、および水を用い、増粘多糖類を添加していない。原料の配合割合(質量%)を表5に示す。
実施例1〜3について、表1、表2、表3に示す割合で計量した原材料をサイレントカッターに入れ、低速で予備混合した。低速での予備混合終了後、高速回転に切り替え、高速回転で15分間カッティングした。カッティングしながら水を加えて練り混ぜ、練り上がった材料を取り出し、ホッパーに移送した。移送する際ストレーナーを通した。ストレーナーに混練物を通すことで、異物を除去でき、粒度の大きさが均一化し、舌触りの滑らかな白和えの素となる。レトルト用フィルムの製袋に混練物を充填し、加圧加熱殺菌釜にて100℃で27分、118℃で34分のレトルト殺菌を行った。殺菌終了後、冷却、除滴乾燥を行い、白和えの素を得た。比較例1についても表5に示す割合で計量し、同様な処理で混練物をレトルト殺菌し、殺菌終了後、冷却、除滴乾燥を行い、比較対象物を得た。
各実施例、比較例1について、混練物をレトルト殺菌して冷却、除滴乾燥を行った後の白和えの素および比較対象物を、殺菌した直後において容器(製袋)内で分離した水分量を測定した。その水分量を冷蔵保管前における白和えの素、比較対象物の質量で割った値の百分率を離水率とした。また、見た目、色のくすみ、レトルト臭、食感(滑らかさ)について官能評価を実施し、併せて総合評価をした。離水率、官能評価、総合評価の評価方法については表6に示した通りとする。官能評価は、7点評価法とし、表7に示した官能評価用紙にてパネラー10人で実施した。殺菌した直後において、それぞれ離水率の測定および官能評価は、各実施例、比較例1にて2回ずつ実施した。実施例1の結果を表8に、実施例2の結果を表9に、実施例3の結果を表10に示す。また、比較例1の結果を表11に示す。なお、評価のうち◎もしくは○となるものは、△、×と比較してより良好なものであり、◎は特に良好なものとして示す。
各実施例について、増粘多糖類を加えることにより、レトルト殺菌直後における離水が抑制され離水率が低下した。一方、比較例1は、レトルト殺菌直後における離水率が高かった。これは、増粘多糖類が水分を保持する構造となっており、加熱による殺菌にも耐性があり、豆腐生地内部からの離水を抑制できるためである。
増粘多糖類Aを添加した実施例1は、特に離水率の評価がよく、ほとんど離水が見られなかった。滑らかさは比較例1と比較して同等以上であった。増粘多糖類Aの添加量が0.25〜0.70質量%では、総合評価、官能評価の結果が良く、見た目が良く滑らかでぷるっとした食感を保持できた。添加量が0.35〜0.70質量%では範囲外と比較して、特に離水率および食感(滑らかさ)の評価が良く総合評価が○となり、良好であった。この内、添加量が0.60質量%では離水率、滑らかさが最も良くなった。増粘多糖類Aを少量添加することで物性への十分な効果があることから、豆腐加工食品の物性が改善でき、コストを抑えた商品を提供できることが分かった。
増粘多糖類Bを添加した実施例2は、特に離水率、見た目、食感の評価がよく、滑らかでぷるっとした食感であった。添加量が0.10〜0.30質量%では範囲外と比較して、特に離水率、くすみ、レトルト臭、滑らかさの評価が良く総合評価が○となり、官能評価も同等以上で良好であった。この内、添加量が0.30質量%では離水はなく、官能評価もすべてにおいて高かった。増粘多糖類Bを少量添加することで十分な離水抑制効果と食感の滑らかさへの効果があり、コストを抑えた商品を提供できる。
増粘多糖類Cを添加した実施例3では、離水率、レトルト臭の評価が良く、レトルト臭が少なく、豆腐感を残した食感がもっちりとしたものが得られた。添加量が1.00〜5.00質量%では範囲外と比較して特に離水率の評価が良く、添加量が2.50〜5.00質量%では離水はなかった。添加量が1.00〜2.50質量%では総合評価が○となり、官能評価も同等以上で良好であった。添加量が5.00質量%より多いと、ボソボソとしたものになり、滑らかな食感を保てなかった。
図1に示す色彩測定装置を用いて増粘多糖類Cを添加した実施例3の色差を測定した。白和えに添加する増粘多糖類Cの添加量が増加すると、L値が低下し、b値が上昇した。色差のL値は明度を、b値は黄色と青色を示している。特に、b値は+側で黄色を示した。増粘多糖類Cを2.5質量%以上添加すると、白和えの素がくすみ、黄味を帯びてきた。白和えの素の見た目を考慮すると、澱粉の添加量は1.0質量%であることが好ましい。
(実施例1−4、実施例2−5、実施例4、比較例1)
(長期保存後における、増粘多糖類の種類による離水率の比較)
実施例はいずれも増粘多糖類を添加したものであり、種類の異なる増粘多糖類A、増粘多糖類B、増粘多糖類Dを添加した。実施例4は増粘多糖類Dであり、実施例1、実施例2、実施例4と比較例1における原料の配合割合(質量%)を表12に示す。また、使用した増粘多糖類Dに含まれる増粘多糖類の種類を表13に示す。それぞれの実施例において、水の添加割合は、増粘多糖類の添加割合に応じて変え、その他の原料である豆腐生地、砂糖、植物油脂、練りごま、塩、調味料の添加割合は一定である。
各実施例、比較例1について、混練物をレトルト殺菌して冷却、除滴乾燥を行った後の白和えの素および比較対象物を、殺菌した直後、冷蔵30日後、冷蔵60日後の3回において容器(製袋)内で分離した水分量を測定した。その水分量を冷蔵保管前における白和えの素、比較対象物の質量で割った値の百分率を離水率とした。また、見た目、色のくすみ、レトルト臭、食感(滑らかさ)について官能評価を実施し、併せて総合評価をした。離水率、官能評価、総合評価の評価方法については表14に示した通りとする。官能評価は、7点評価法とし、表7に示した官能評価用紙にてパネラー10人で実施した。殺菌した直後、冷蔵30日後、冷蔵60日後において、それぞれ離水率の測定および官能評価は、各実施例、比較例1にて2回ずつ実施した。各実施例、比較例1の結果を表15に示す。なお、評価が◎もしくは○となるものは△、×と比較してより良好なものであり、◎は特に良好なものとして示す。
各実施例について、増粘多糖類を加えることにより、長期保存でも離水が抑制されていて、見た目や風味も同等以上で損なわず、食感も良好であった。また、総合評価が低くても、離水率は長期に亘って抑制されていた。一方、比較例1は、離水率が高かった。
(殺菌方法による比較)
混練物の殺菌方法について、チルド殺菌とレトルト殺菌とを比較した。増粘多糖類A、増粘多糖類B、増粘多糖類Cを添加したそれぞれの混練物について、異なる殺菌温度である、チルド殺菌(98℃−75分)処理、レトルト殺菌(100℃−27分、118℃−34分)処理を実施して殺菌した。殺菌直後に容器から取り出して、離水率測定と官能評価した。いずれの増粘多糖類でも、チルド殺菌と比べ、レトルト殺菌した白和えの素は、容器内での離水は少なく、食感が滑らかになった。これは、100℃以上であるレトルト殺菌によって、チルド殺菌よりも豆腐タンパクに熱が加わることで、豆腐タンパクが変性し、保水力が上がったと考えられる。また、タンパクの変性によって、ボソボソした食感ではなく、滑らかな食感を保つことができ、長期保存による離水も抑制できた。
(植物油脂の有無による比較)
植物油脂を添加して製造した白和えの素と、植物油脂を添加せずに豆腐生地と増粘多糖類とを混錬して製造した比較対象物とを製造し、植物油脂の有無による影響を調査した。増粘多糖類A、増粘多糖類B、増粘多糖類Cを添加し、レトルト殺菌した白和えの素、比較対象物について、殺菌後は冷蔵保管し、加工直後、30日後、60日後について、開封直後の製袋内の離水率と官能評価を測定した。なお、植物油脂を添加していない方は、植物油脂の添加割合分の水を加え、その他の添加割合を合わせて全体量を同一にした。
この結果、植物油脂を添加した白和えの素は、添加していない比較対象物よりも離水を抑制できた。特に、保存時間の経過に伴う30日後、60日後における離水は、植物油脂の添加によって抑制できた。また、植物油脂を添加した方は、無添加よりも食感が滑らかになった。特に、植物油脂を添加していない方は、保存時間の経過に伴って食感がざらついた。これにより、植物油脂を添加した白和えの素は、離水率を抑制し、食感を滑らかに保持でき、長期保存による劣化にも耐性がある。

Claims (10)

  1. 豆腐に含まれる水分量を、豆腐の質量に対して70〜80質量%に調整して、豆腐生地を準備する工程と、
    水分量を調整した前記豆腐生地と、植物油脂と、増粘多糖類とを含む原材料を混練する混練工程と、
    得られる混練物を容器に入れてレトルト殺菌処理する工程とを具備し、
    前記増粘多糖類が、キサンタンガムと、寒天と、ジェランガムと、カロブビーンガムと、タラガムと、デキストリンとから成ることを特徴とする白和えの素の製造方法。
  2. キサンタンガムと、寒天と、ジェランガムと、カロブビーンガムと、タラガムと、デキストリンとから成る前記増粘多糖類が、前記原材料に対して0.25〜0.70質量%含まれることを特徴とする請求項に記載の白和えの素の製造方法。
  3. 豆腐に含まれる水分量を、豆腐の質量に対して70〜80質量%に調整して、豆腐生地を準備する工程と、
    水分量を調整した前記豆腐生地と、植物油脂と、増粘多糖類とを含む原材料を混練する混練工程と、
    得られる混練物を容器に入れてレトルト殺菌処理する工程とを具備し、
    前記増粘多糖類が、キサンタンガムと、タラガムとから成ることを特徴とする白和えの素の製造方法。
  4. キサンタンガムと、タラガムとから成る前記増粘多糖類が、前記原材料に対して、0.10〜0.30質量%含まれることを特徴とする請求項に記載の白和えの素の製造方法。
  5. 豆腐に含まれる水分量を、豆腐の質量に対して70〜80質量%に調整して、豆腐生地を準備する工程と、
    水分量を調整した前記豆腐生地と、植物油脂と、増粘多糖類とを含む原材料を混練する混練工程と、
    得られる混練物を容器に入れてレトルト殺菌処理する工程とを具備し、
    前記増粘多糖類が、リン酸架橋もち米澱粉から成ることを特徴とする白和えの素の製造方法。
  6. リン酸架橋もち米澱粉から成る前記増粘多糖類が、前記原材料に対して、1.00〜2.50質量%含まれることを特徴とする請求項に記載の白和えの素の製造方法。
  7. 豆腐に含まれる水分量を、豆腐の質量に対して70〜80質量%に調整して、豆腐生地を準備する工程と、
    水分量を調整した前記豆腐生地と、植物油脂と、増粘多糖類とを含む原材料を混練する混練工程と、
    得られる混練物を容器に入れてレトルト殺菌処理する工程とを具備し、
    前記増粘多糖類が、カラギナン、キサンタンガム、タマリンドシードガム、グァーガムから成ることを特徴とする白和えの素の製造方法。
  8. 前記植物油脂が、サラダ油であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の白和えの素の製造方法。
  9. 前記原材料が、サイレントカッターを用いて混練されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の白和えの素の製造方法。
  10. 前記混練物が、ストレーナーを通して容器内に注入されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の白和えの素の製造方法。
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