JP5768267B2 - シュー皮改質剤 - Google Patents

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Description

本発明は、シュー皮改質剤に関する。
シュー皮の製造において、ボリュームアップ(膨張性)、ソフトな食感付与というシュー皮の品質の向上および安定化が重要である。この目的のために、シュー皮を製造する際に、カゼインナトリウムの配合が一般的になされている。しかし、カゼインナトリウムについては、近年、BRICsを中心とした食糧需要拡大による世界的な乳製品の供給不足傾向のために相場価格が高騰し、入手しづらくなる状況がしばしば起こり、今後も引き続き発生する懸念が非常に高い。一方で、カゼインナトリウムは食品添加物であるため、一部の消費者から避けられる側面もある。ゆえに、カゼインナトリウムの代替品を求める声が従来よりも高まっている。
特許文献1には、シュー生地中に用いられる小麦粉の一部を未α化架橋澱粉に置換し、さらにトレハロースなどの可溶性糖類を配合することで、厚くてカリカリした堅い食感であり、良好な歯切れおよび口溶けが時間の経過によっても失われることがないシューケースを製造することが記載されている。
特許文献2には、トリアシルグリセロールを含有する油脂を含有する油脂組成物をシューケースの製造に用いることで、風味、口溶けおよび歯切れが良好で、かつ、体積および保型性も良好なシューケースを安定して製造することが記載されている。
特許文献3および4には、シューパフなどの澱粉性食品に酸性可溶大豆たん白を加配することで、澱粉性食品の食感が改良され、その製造過程、特に混合から成形にいたる過程においての作業性が改善されることが記載されている。
特開2004−41117号公報 特開2004−267165号公報 国際公開第06/006579号 特開2010−183922号公報
本発明の目的は、カゼインナトリウムの代替となり得る、シュー皮の品質の向上および安定化を可能にするシュー皮改質剤を提供することにある。
本発明は、グルテン分解物を含有するシュー皮改質剤を提供する。
1つの実施態様では、上記シュー皮改質剤は、トレハロースをさらに含有する。
本発明はまた、グルテン分解物とトレハロースとを100:0から70:30の範囲の質量比で含有するシュー皮改質剤を提供する。
本発明はまた、上記シュー皮改質剤を含有するシュー生地を提供する。
1つの実施態様では、上記シュー生地は、小麦粉100質量部に対して、上記シュー皮改質剤を、このシュー皮改質剤に含まれるグルテン分解物の量あるいはグルテン分解物およびトレハロースの合計量が0.5〜6質量部であるように含有する。
本発明はさらに、シュー生地の製造方法(「第1の製造方法」と称する)を提供し、この方法は、
(A)上記シュー皮改質剤を小麦粉に添加および混合して粉体混合物を調製する工程、
(B)食塩水を沸騰するまで加熱する工程、
(C)上記工程(B)で得られた沸騰した食塩水に、油脂を添加する工程、
(D)上記工程(C)で得られた液に、上記工程(A)で調製した粉体混合物を捏和する工程、
(E)上記工程(D)で得られた捏和物に、卵を添加して乳化させる工程、および
(F)シュー生地を得る工程
を含む。
上記第1の製造方法において、1つの実施態様では、上記シュー皮改質剤は、上記小麦粉100質量部に対して、このシュー皮改質剤に含まれるグルテン分解物の量あるいはグルテン分解物およびトレハロースの合計量が1〜6質量部であるように添加される。
本発明はさらに、シュー生地の別の製造方法(「第2の製造方法」と称する)を提供し、この方法は、
(i)上記シュー皮改質剤および食塩を水に添加および溶解する工程、
(ii)上記工程(i)で得られた液を沸騰するまで加熱する工程、
(iii)上記工程(ii)で得られた沸騰した液に、油脂を添加する工程、
(iv)上記工程(iii)で得られた液に、小麦粉を捏和する工程、
(v)上記工程(iv)で得られた捏和物に、卵を添加して乳化させる工程、および
(vi)シュー生地を得る工程
を含む。
上記第2の製造方法において、1つの実施態様では、上記シュー皮改質剤は、上記小麦粉100質量部に対して、このシュー皮改質剤に含まれるグルテン分解物の量あるいはグルテン分解物およびトレハロースの合計量が0.5〜2質量部であるように添加される。
本発明はなおさらに、上記の製造方法で製造されたシュー生地を提供する。
本発明はさらに、上記シュー生地を焼成して得られるシュー皮を提供する。
本発明によれば、シュー皮の品質の向上および安定化を可能にするシュー皮改質剤が提供される。また、本発明によれば、ボリュームアップに優れ、ソフトな食感を有するシュー皮を製造することができる。
本明細書において「シュー皮改質剤」とは、シュー皮の製造に際して添加される添加剤をいう。本明細書において「シュー皮」とは、シュークリーム、エクレアなどの皮部分をいう。
本発明のシュー皮改質剤は、グルテン分解物を含有する。「グルテン分解物」とは、小麦たん白グルテンが加水分解されたペプチドをいう。加水分解は、酸、アルカリまたは酵素(プロテアーゼ)あるいはそれらを組み合わせた通常の方法によって行われる。グルテンは、水不溶性であり、弾力性に富んだゲル形成能を有するのに対し、グルテン分解物は、水溶性であり、ゲル形成能を有さない。グルテン分解物は、その加水分解の程度は、乳化性および起泡性を有する限り、特に限定されない。グルテン分解物は、乳化性および起泡性によりシュー改質効果を奏すると考えられる。グルテン分解物は、食用として製造および市販されているものが好ましい。グルテン分解物は、タンパク質強化、免疫機能の向上などの生理機能に基づく食品機能素材として、食品、飲料、およびこれらの原料の形態で一般に販売されている。グルテン分解物は、グルタミン酸を豊富に含むため、調味料素材としても販売されている。このような市販品のいずれも使用することが可能である。市販のグルテン分解物には、「小麦ペプチド」、「グルタミンペプチド」、「小麦グルテン酵素分解物」などと呼ばれるものもあるが、シュー皮改質効果を奏する限り、区別なく用いることができる。
1つの実施態様では、本発明のシュー皮改質剤は、トレハロースをさらに含有する。トレハロースは、食用として製造および販売されているものが好ましい。トレハロースをさらに含有することにより、特に食感のソフト感付与における改善効果が高く、シュー皮の品質をさらに高めることができる。
本発明のシュー皮改質剤に含有されるグルテン分解物とトレハロースとの質量比は、好ましくは、グルテン分解物:トレハロース=100〜70:0〜30、より好ましくはグルテン分解物:トレハロース=95〜85:5〜15である。
本発明のシュー皮改質剤は、必要に応じて、シュー皮改質効果を損なわない程度に任意の成分をさらに含んでもよい。このような任意の成分としては、デキストリンなどが挙げられる。
本発明のシュー皮改質剤は、粉末状もしくは水に溶解した液体状のいずれであってもよい。本発明のシュー皮改質剤は、グルテン分解物とトレハロースとが混合された粉末もしくは水に溶解している液体であっても、またはグルテン分解物とトレハロースとがそれぞれ個別に包装もしくは水に溶解され、それらが使用時に個々に添加されてもよい。本発明のシュー皮改質剤は、シュー皮を得るためのシュー生地の製造工程における任意の工程で添加することができる。本発明のシュー皮改質剤が粉末状の場合、小麦粉と粉末混合(好ましくは混合して篩がけする)してもよい。本発明のシュー皮改質剤は、食塩と共に水に溶解させてもよい。本発明のシュー皮改質剤は、マーガリンなどの油脂に予め配合もしくは分散溶解させてから、使用してもよい。
本発明のシュー皮改質剤は、シュー皮の製造に用いられる。シュー皮は、シュー生地を焼成して得られる。
本発明のシュー生地は、本発明のシュー皮改質剤を含有する。本発明のシュー生地は、本発明のシュー皮改質剤に加えて、小麦粉などの粉体原料、水、食塩、油脂および卵類を含有し、さらに必要に応じて、牛乳、クリーム、全粉乳、脱脂粉乳、乳タンパク質、濃縮乳などの乳製品、重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウムなどの膨張剤、乳化剤、pH調整剤、無機塩類、カカオおよびカカオ製品、コーヒーおよびコーヒー製品、紅茶、抹茶などの茶類、着香料、調味料などの呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、ステビア、アスパルテーム、グリチルリチンなどの甘味料などを含有することができる。本発明のシュー皮改質剤は、シュー皮製造用ミックスとして小麦粉および/または食塩と配合することができ、さらに必要に応じて上記の粉状の成分もまた配合することができる。本発明のシュー皮改質剤は、単独または食塩と共に水に予め溶解させたシュー皮製造用水とすることもできる。本発明のシュー皮改質剤は、マーガリンなどの油脂に予め配合したシュー皮製造用油脂(例えば、シュー皮製造用マーガリン)とすることもできる。
本発明のシュー生地およびシュー皮は、例えば以下のようにして製造することができる。
シュー生地の第1の製造方法は、(A)本発明のシュー皮改質剤を小麦粉に添加および混合して粉体混合物を調製する工程;(B)食塩水を沸騰するまで加熱する工程;(C)上記工程(B)で得られた沸騰した食塩水に、油脂を添加する工程;(D)上記工程(C)で得られた液に、上記工程(A)で調製した粉体混合物を捏和する工程;(E)上記工程(D)で得られた捏和物に、卵を添加して乳化させる工程;および(F)シュー生地を得る工程を含む。
シュー生地の第2の製造方法は、(i)本発明のシュー皮改質剤および食塩を水に添加および溶解する工程;(ii)上記工程(i)で得られた液を沸騰するまで加熱する工程;(iii)上記工程(ii)で得られた沸騰した液に、油脂を添加する工程;(iv)上記工程(iii)で得られた液に、小麦粉を捏和する工程;(v)上記工程(iv)で得られた捏和物に、卵を添加して乳化させる工程;および(vi)シュー生地を得る工程を含む。
第1の製造方法では、本発明のシュー皮改質剤を小麦粉などの粉体原料に添加および混合し、粉体混合物を調製する(工程(A))。好ましくは混合して篩がけする。シュー皮改質剤がグルテン分解物およびトレハロースを含む場合、小麦粉などの粉体原料への混合の際に単にこれらのそれぞれを別々にまたはまとめて(混合して)添加すればよい。食塩水を加熱して沸騰させ(工程(B))、次いで油脂を添加し(工程(C))、この中に上記粉体混合物を捏和する(工程(D))。好ましくは、油脂の添加後に再沸騰したら火を止めて上記粉体混合物を加え、弱火で加熱しながら捏和を行う。シュー皮改質剤は、小麦粉100質量部に対して、このシュー皮改質剤に含まれるグルテン分解物の量あるいはグルテン分解物とトレハロースとの合計量が好ましくは1〜6質量部、より好ましくは2〜4質量部であるように添加される。本製造方法では、1質量部未満ではシュー皮改質効果が現れにくくなり、6質量部を超えると特に欠点はないが、添加量に対するシュー皮改質効果を望めず、過剰ともいえる。
第2の製造方法では、本発明のシュー皮改質剤および食塩を水などの液体原料に添加および溶解し(工程(i))、加熱して沸騰させ(工程(ii))、次いで油脂を添加し(工程(iii))、この中に、小麦粉などの粉体原料(好ましくは、予め篩がけしておく)を捏和する(工程(iv))。シュー皮改質剤および食塩は、水に溶解すればよく、上記液体原料の加熱前に予め添加してもよく、または加熱中に添加してもよい。すなわち、工程(i)の後に工程(ii)を続けて行っても、または工程(i)と(ii)とを一緒に行ってもよい。シュー皮改質剤および食塩の添加は、同時に添加してもよく、または食塩を入れた水にシュー皮改質剤を添加してもよくもしくはその逆の順序で、別々に添加してもよい。この場合もシュー皮改質剤がグルテン分解物およびトレハロースを含む場合、水への添加の際に単にこれらのそれぞれを別々にまたはまとめて(混合して)添加すればよい。好ましくは、油脂の添加後に再沸騰したら火を止めて上記粉体原料を加え、弱火で加熱しながら捏和を行う。シュー皮改質剤は、小麦粉100質量部に対して、このシュー皮改質剤に含まれるグルテン分解物の量あるいはグルテン分解物とトレハロースとの合計量が好ましくは0.5〜2質量部、より好ましくは1〜1.5質量部であるように添加される。本製造方法では、0.5質量部未満ではシュー皮改質効果が現れにくくなり、2質量部を超えると特に欠点はないが、添加量に対するシュー皮改質効果を望めず、過剰ともいえる。
捏和後の工程は、第1の製造方法(工程(E)および(F))および第2の製造方法(工程(v)および(vi))ともに共通する。捏和物に卵を添加して乳化させた後、シュー生地を得る。例えば、捏和によって一般のシュー皮と同様にシュー皮の形成に適した糊化状態にした後、卵(好ましくは液卵)をミキシングしながら数回に分けて加え、シュー生地を十分に乳化させる。さらに卵(好ましくは液卵)で硬さを調整してシュー生地を得る。膨張剤を溶解した液卵を用いても、または液卵の添加および混合後に膨張剤を添加してもよい。
必要に応じて、牛乳、クリーム、全粉乳、脱脂粉乳、乳タンパク質、濃縮乳などの乳製品、乳化剤、pH調整剤、無機塩類、カカオおよびカカオ製品、コーヒーおよびコーヒー製品、紅茶、抹茶などの茶類、着香料、調味料などの呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、ステビア、アスパルテーム、グリチルリチンなどの甘味料などを、上記加熱沸騰時あるいはシュー生地の乳化時などの適当な段階で添加し、混合する。
得られたシュー生地を絞り袋などに充填し、天板などの上に絞り、オーブンなどにより焼成して、シュー皮を得る。
本発明のシュー生地は、小麦粉100質量部に対して、本発明のシュー皮改質剤を、このシュー皮改質剤に含まれるグルテン分解物の量あるいはグルテン分解物およびトレハロースの合計量が好ましくは0.5〜6質量部、より好ましくは1〜4質量部であるように含有する。
小麦粉としては、全粒粉、超強力粉、強力粉、準強力粉、フランス粉、中力粉、薄力粉などが挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を用いることができる。好ましくは、薄力粉である。
水としては、天然水、水道水などを用いることができる。水の含有量は、特に制限されないが、小麦粉100質量部に対して、好ましくは80〜200質量部、より好ましくは100〜160質量部である。食塩を水100質量部に対して、好ましくは0.1〜1質量部、より好ましくは0.3〜0.8質量部で溶解し、食塩水とする。
油脂としては、バター、マーガリン、ショートニング、ラード、ヘット、液状油などが挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を用いることができる。上記油脂の含有量は、特に制限されないが、小麦粉100質量部に対して、好ましくは60〜150質量部、より好ましくは80〜120質量部である。
卵類としては、全卵、卵黄、卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などが挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を用いることができる。また、卵類の形態としては、生粒卵、生液卵、殺菌液卵、冷凍卵、乾燥卵などが挙げられ、冷凍卵は解凍、乾燥卵は適宜水に溶解するなどを行った後に使用できる。上記卵類の含有量は、特に制限されないが、小麦粉100質量部に対して、液状とした卵類を好ましくは120〜320質量部、より好ましくは180〜260質量部含有する。
シュー生地は、生地の状態で、あるいは絞って玉にした状態で冷凍してもよい。シュー生地を冷凍する場合は、−30℃〜−45℃の急速冷凍庫を使用し、急速冷凍を行うことが好ましい。冷凍した場合、解凍後に焼成することでシュー皮を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。
(シュー皮の配合および調製1)
以下の表1−1から1−3に示す配合を用いて、以下に記載する工程に従って、シュー皮を調製した。
Figure 0005768267
Figure 0005768267
Figure 0005768267
材料として、カゼインナトリウム(フォンテラ社製)、グルテン(グリコ栄養食品株式会社製)、濃縮大豆たん白(不二製油株式会社製)、グルテン分解物(シラル社製)、トレハロース(株式会社林原製)、およびイスハタ(奥野製薬工業株式会社製)を用いた。カゼインナトリウムは従来の改質剤として、グルテンはグルテン分解の有無の比較のために、そして濃縮大豆たん白はシュー皮の改質に影響すると思われるその乳化性の比較のために用いた。
表中の配合量はベーカーズ%で表す。「ベーカーズ%」とは、配合全体量ではなく配合中の粉(薄力粉)の質量を100%として、他の材料の質量を粉に対する割合で表示したものである。すなわち、グルテン分解物1.0%とは、薄力粉が100gである場合にグルテン分解物が1.0gであることを表す。言い換えれば、薄力粉が100質量部に対してグルテン分解物が1質量部である。
比較例1〜4および実施例1〜9のシュー皮では、改質剤を以下のように配合した:
比較例1 カゼインナトリウム、粉末グルテン、粉末濃縮大豆たん白、グルテン分解物、トレハロースどれも不使用;
比較例2 薄力粉100質量部に対して、カゼインナトリウム2.5質量部;
比較例3 薄力粉100質量部に対して、グルテン2.5質量部;
比較例4 薄力粉100質量部に対して、濃縮大豆たん白2.5質量部;
実施例1 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物1.0質量部;
実施例2 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物2.0質量部;
実施例3 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物4.0質量部;
実施例4 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物6.0質量部;
実施例5 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物0.9質量部+トレハロース0.1質量部(グルテン分解物とトレハロースとの質量比が90:10、改質剤全体として1質量部);
実施例6 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物1.9質量部+トレハロース0.1質量部(グルテン分解物とトレハロースとの質量比が95:5、改質剤全体として2質量部);
実施例7 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物2.7質量部+トレハロース0.3質量部 (グルテン分解物とトレハロースとの質量比が90:10、改質剤全体として3質量部);
実施例8 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物3.4質量部+トレハロース0.6質量部(グルテン分解物とトレハロースとの質量比が85:15、改質剤全体として4質量部);
実施例9 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物5.4質量部+トレハロース0.6質量部(グルテン分解物とトレハロースとの質量比が90:10、改質剤全体として6質量部)。
調製工程は以下の通りである:
(1)配合Aを予め混合し、篩がけしておく;
(2)銅鍋に配合Bの水と食塩を加えて加熱し、沸騰し始めたらマーガリンを添加する;
(3)マーガリンが溶解して再沸騰し始めたら火を止め、篩がけ済みの配合Aの混合物を加えて弱火で約1分間攪拌する;
(4)銅鍋を火から下ろし、全卵(配合C)を5回に分けて加えて攪拌してから、配合Dを加えて軽く攪拌する;
(5)得られたシュー生地を絞り袋に充填し、天板上に1個当たり40gで絞り出す;
(6)シュー生地を霧吹き後、オーブン内で200℃にて25分間焼成し、シュー皮を得る;そして
(7)シュー皮を放冷し、密封包装する。
(シュー皮の品質評価1)
シュー皮を調製した翌日に、シュー皮の品質を評価した。品質評価のために、比較例1〜4および実施例1〜9から各々8個のシュー皮を用いた。
シュー皮のボリュームアップ(膨張性)の評価のために、以下の値を求めた:
シュー皮の高さおよび幅はノギスで採寸した;
シュー皮の体積は、菜種置換法で測定した。菜種置換法とは、一定量の容器を用いて予め計量しておいた菜種を、製造後のシュー皮を入れた同容器に移し、その容器からあふれ出した菜種の体積をメスシリンダーで測定することにより得られた体積をシュー皮の体積とする方法である;
シュー皮の質量を電子天秤で計量し、体積を質量で割って比容積を求めた。
食感は、20人のパネリストにて下記の基準にて官能評価した:
ソフトでない(硬い) 0点
ソフトである 1点
20人の平均値を算出して記載し、平均値0.8以上で「ソフトである」との総合判断とした(危険率1%)。
結果を以下の表2−1から2−3に示す。
Figure 0005768267
Figure 0005768267
Figure 0005768267
改質剤無添加の比較例1のシュー皮と比較して、グルテン分解物を添加した実施例1〜4ならびにグルテン分解物およびトレハロースを添加した実施例5〜9のシュー皮はいずれも、比容積が大きく、ボリュームアップに優れ、そしてソフトな食感であった。特に実施例2〜4および6〜9のシュー皮は、従来用いられていたカゼインナトリウムを添加した比較例2のシュー皮と同等以上のボリュームアップおよびソフトな食感を示した。グルテンを添加した比較例3のシュー皮および濃縮大豆たん白を添加した比較例4のシュー皮では、比較例1のシュー皮と比較して、ボリュームアップおよび食感に特に変化が見られなかった。
(シュー皮の配合および調製2)
以下の表3−1から3−3に示す配合を用いて、以下に記載する工程に従って、シュー皮を調製した。
Figure 0005768267
Figure 0005768267
Figure 0005768267
用いた材料は、上記の「シュー皮の配合および調製1」と同じである。表中の配合量はベーカーズ%で表す。
比較例5〜8および実施例10〜18のシュー皮では、改質剤を以下のように配合した:
比較例5 カゼインナトリウム、粉末グルテン、粉末濃縮大豆たん白、グルテン分解物、トレハロースどれも不使用;
比較例6 薄力粉100質量部に対して、カゼインナトリウム1.0質量部;
比較例7 薄力粉100質量部に対して、グルテン1.0質量部;
比較例8 薄力粉100質量部に対して、濃縮大豆たん白1.0質量部;
実施例10 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物0.5質量部;
実施例11 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物1.0質量部;
実施例12 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物1.5質量部;
実施例13 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物2.0質量部;
実施例14 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物0.45質量部+トレハロース0.05質量部(グルテン分解物とトレハロースとの質量比が90:10、改質剤全体として0.5質量部);
実施例15 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物0.95質量部+トレハロース0.05質量部(グルテン分解物とトレハロースとの質量比が95:5、改質剤全体として1質量部);
実施例16 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物0.85質量部+トレハロース0.15質量部 (グルテン分解物とトレハロースとの質量比が85:15、改質剤全体として1質量部);
実施例17 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物1.35質量部+トレハロース0.15質量部(グルテン分解物とトレハロースとの質量比が90:10、改質剤全体として1.5質量部);
実施例18 薄力粉100質量部に対して、グルテン分解物1.8質量部+トレハロース0.2質量部(グルテン分解物とトレハロースとの質量比が90:10、改質剤全体として2質量部)。
調製工程は以下の通りである:
(1)配合Aの薄力粉を篩がけしておく;
(2)銅鍋にマーガリンを除く配合Bを加えて加熱し、沸騰し始めたらマーガリンを添加する;
(3)マーガリンが溶解して再沸騰し始めたら火を止め、篩がけ済みの配合A(薄力粉)を加えて弱火で約1分間攪拌する;
(4)銅鍋を火から下ろし、全卵(配合C)を5回に分けて加えて攪拌してから、配合Dを加えて軽く攪拌する;
(5)得られたシュー生地を絞り袋に充填し、天板上に1個当たり40gで絞り出す;
(6)シュー生地を霧吹き後、オーブン内で200℃にて25分間焼成し、シュー皮を得る;そして
(7)シュー皮を放冷し、密封包装する。
(シュー皮の品質評価2)
シュー皮を調製した翌日に、シュー皮の品質を評価した。品質評価のために、比較例5〜8および実施例10〜18から各々8個のシュー皮を用いた。評価項目および評価方法は、上記の「シュー皮の品質評価1」と同じである。
結果を以下の表4−1から4−3に示す。
Figure 0005768267
Figure 0005768267
Figure 0005768267
改質剤無添加の比較例5のシュー皮と比較して、グルテン分解物を添加した実施例10〜13ならびにグルテン分解物およびトレハロースを添加した実施例14〜18のシュー皮はいずれも、比容積が大きく、ボリュームアップに優れ、そしてソフトな食感であった。特に実施例11〜13および15〜18のシュー皮は、従来用いられていたカゼインナトリウムを添加した比較例6のシュー皮と同等以上のボリュームアップおよびソフトな食感を示した。グルテンを添加した比較例7のシュー皮および濃縮大豆たん白を添加した比較例8のシュー皮では、比較例5のシュー皮と比較して、ボリュームアップおよび食感に特に変化が見られなかった。
実施例10〜18は、実施例1〜9と比較して改質剤の添加量が少ないにも関わらず、
これらの実施例と同様に、十分にシュー皮のボリュームアップおよび食感改良効果が見られた。
本発明によれば、シュー皮の品質の向上および安定化を可能にするシュー皮改質剤が提供される。また、本発明によれば、ボリュームアップに優れ、ソフトな食感を有するシュー皮を製造することができる。本発明のシュー皮改質剤は、シュー皮の製造に従来用いられてきたカゼインナトリウムの代替となり得る。グルテン分解物は食品原料として用いられる素材であるので、食品添加物不使用を求める一部の消費者の要望に応えることもできる。

Claims (11)

  1. グルテン分解物を含有するシュー皮改質剤。
  2. トレハロースをさらに含有する、請求項1に記載のシュー皮改質剤。
  3. グルテン分解物とトレハロースとを100:0から70:30の範囲の質量比で含有するシュー皮改質剤。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のシュー皮改質剤を含有するシュー生地。
  5. 小麦粉100質量部に対して、前記シュー皮改質剤を、該シュー皮改質剤に含まれるグルテン分解物の量あるいはグルテン分解物とトレハロースとの合計量が0.5〜6質量部であるように含有する、請求項4に記載のシュー生地。
  6. シュー生地の製造方法であって、
    (A)請求項1から3のいずれかに記載のシュー皮改質剤を小麦粉に添加および混合して粉体混合物を調製する工程、
    (B)食塩水を沸騰するまで加熱する工程、
    (C)該工程(B)で得られた沸騰した食塩水に、油脂を添加する工程、
    (D)該工程(C)で得られた液に、該工程(A)で調製した粉体混合物を捏和する工程
    (E)該工程(D)で得られた捏和物に卵を添加して乳化させる工程および
    (F)シュー生地を得る工程
    を含む、製造方法。
  7. 前記シュー皮改質剤が、前記小麦粉100質量部に対して、該シュー皮改質剤に含まれるグルテン分解物の量あるいはグルテン分解物とトレハロースとの合計量が1〜6質量部であるように添加される、請求項6に記載の製造方法。
  8. シュー生地の製造方法であって、
    (i)請求項1から3のいずれかに記載のシュー皮改質剤および食塩を水に添加および溶解する工程、
    (ii)該工程(i)で得られた液を沸騰するまで加熱する工程、
    (iii)該工程(ii)で得られた沸騰した液に、油脂を添加する工程、
    (iv)該工程(iii)で得られた液に、小麦粉を捏和する工程、
    (v)該工程(iv)で得られた捏和物に、卵を添加して乳化させる工程、および
    (vi)シュー生地を得る工程
    を含む、製造方法。
  9. 前記シュー皮改質剤が、前記小麦粉100質量部に対して、該シュー皮改質剤に含まれるグルテン分解物の量あるいはグルテン分解物とトレハロースとの合計量が0.5〜2質量部であるように添加される、請求項8に記載の製造方法。
  10. 請求項6から9のいずれかに記載の製造方法で製造されたシュー生地。
  11. 請求項4、5および10のいずれかに記載のシュー生地を焼成して得られるシュー皮。
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