JP6411928B2 - 電解めっき装置 - Google Patents
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めっき厚調整用電極12は、導電性フレーム11の上辺との接続部Sから供給される電荷によって、自身の表面に電解めっき金属層を析出させる。
このようなめっき厚調整用電極12を、電荷が集中して電解めっき金属層が析出しやすい傾向にある被めっき物Pの左端部および右端部付近に配置することで、電荷をめっき厚調整用電極12に分散して被めっき物Pの左端部および右端部に析出する電解めっき金属層を抑制する。
なお、導電性フレーム11と導電性ハンガー13との接続箇所は、整流器からの電荷を導電性フレーム11に付与する給電部14として機能する。
一方で、被めっき物Pに供給された電荷は、被めっき物Pの上端部から中央部に向かう下方向と、被めっき物Pの下端部から中央部に向かう上方向とに流れる。
このため、めっき厚調整用電極12に流れる電荷の方向と、被めっき物Pの下端部から中央部にかけて被めっき物Pに流れる電荷の方向とが異なってしまう。
このように、めっき厚調整用電極12に流れる電荷の方向と、めっき厚調整用電極12に隣接する被めっき物Pに流れる電荷の方向とが異なると、めっき厚調整用電極12および被めっき物Pにおいて互いに隣接する部分同士の間に電位差が生じてしまう。
これにより、めっき厚調整用電極12において隣接する被めっき物Pの一部よりも電位が低くなる部分では、めっき厚調整用電極12に供給される電荷量が被めっき物Pに供給される電荷量よりも少なくなってしまう。
その結果、めっき厚調整用電極12に析出させることができる電解めっき金属層の量が不十分となり、被めっき物Pの端部に析出する電解めっき金属層の厚みを抑制することができないという問題がある。
このため、めっき厚調整用電極および被めっき物において、互いに隣接する部分同士間の電位差を小さくして供給される電荷量差を抑制できる。
これにより、電解めっき金属層をめっき厚調整用電極に分散して析出させることが可能になるため、被めっき物の端部に析出する電解めっき金属層を抑制することができる。
その結果、被めっき物に析出する電解めっき金属層の厚みバラツキを小さくすることが可能になり良好な品質の被めっき物を供給できる電解めっき装置を提供することができる。
本例の電解めっき装置Aは、導電性フレーム1と、めっき厚調整用電極2と、導電性ハンガー3と、給電部4と、整流器(不図示)と、アノード電極5と、めっき浴槽6とを備えている。
なお、給電部4に近く電荷の給電量が多い上辺のクランプ1aに接続された被めっき物Pの上端から下方向に流れる電荷の流路長は、給電部4から遠く電荷の供給量が少ない下辺のクランプ1aに接続された被めっき物Pの下端から上方向に流れる電荷の流路長よりも長い。
上側のめっき厚調整用電極2aおよび被めっき物Pにおける互いに隣接する部分には、それぞれの上方から下方に向かって電荷が流れている。
下側のめっき厚調整用電極2bおよび被めっき物Pにおける互いに隣接する部分には、それぞれの下方から上方に向かって電荷が流れている。
このような上側および下側のめっき厚調整用電極2a、2bを、電荷が集中して電解めっき金属層が析出しやすい傾向にある被めっき物Pの左端部および右端部付近に配置することで、電荷を上側および下側のめっき厚調整用電極2a、2bに分散して被めっき物Pの左端部および右端部に析出する電解めっき金属層を抑制する。
なお、被めっき物Pに流れる電荷の流路長に合わせて、上側のめっき厚調整用電極2aの長さは、下側のめっき厚調整用電極2bの長さに比べて長くなっている。
また、導電性ハンガー3の一方の端部は、整流器の陰極側と電気的に接続されている。そして、他方の端部は、導電性フレーム1の上辺に固定されている。
なお、導電性フレーム1と導電性ハンガー3との接続箇所は、整流器からの電荷を導電性フレーム1に付与する給電部4として機能する。
このため、上側および下側のめっき厚調整用電極2a、2bおよび被めっき物Pにおいて、互いに隣接する部分同士間の電位差を小さくして供給される電荷量差を抑制できる。
これにより、電解めっき金属層を上側および下側のめっき厚調整用電極に分散して析出させることで、被めっき物Pの端部に析出する電解めっき金属層を抑制することができる。
その結果、被めっき物Pに析出する電解めっき金属層の厚みバラツキを小さくすることが可能になり、良好な品質の被めっき物Pを供給できる電解めっき装置Aを提供することができる。
このような、図3に示す本発明の別の実施形態について説明する。
上側のめっき厚調整用電極2aおよび被めっき物Pにおける互いに隣接する部分には、それぞれの上方から下方に向かって電荷が流れている。
下側のめっき厚調整用電極2bおよび被めっき物Pにおける互いに隣接する部分には、それぞれの下方から上方に向かって電荷が流れている。
さらに、上側のめっき厚調整用電極2aおよび下側のめっき厚調整用電極2bにより、被めっき物Pの左右端部に析出する電解めっき金属層を抑制することができる。
2a、2b (上側、下側の)めっき厚調整用電極
A 電解めっき装置
P 被めっき物
Claims (1)
- 四角平板状の被めっき物の外周辺を囲繞するように上辺および下辺ならびに左辺および右辺を有して配置され、前記被めっき物の上端部および下端部をそれぞれ前記上辺および下辺に電気的に接続して固定する四角枠状の導電性フレームと、該導電性フレームに電気的に接続され電荷の供給を行う整流器と、前記左辺および右辺の内側に前記外周辺に沿うように隣接して配置され、前記導電性フレームと電気的に接続されためっき厚調整用電極と、を具備して成る電解めっき装置であって、前記めっき厚調整用電極に流れる電荷の方向と、前記被めっき物における前記めっき厚調整用電極に隣接する部分に流れる電荷の方向と、が同じであることを特徴とする電解めっき装置。
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