JP2018059164A - 電解めっき装置 - Google Patents

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健太郎 木場
Kentaro Koba
健太郎 木場
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Abstract

【課題】良好な品質の被めっき物を供給できる電解めっき装置を提供することを課題とする。
【解決手段】整流器に接続された給電用プレート3と、各々導電性の上辺および下辺ならびに左辺および右辺が、垂直に立てられた四角平板状の被めっき物Pの外周辺を囲繞するように配置され、被めっき物Pの上端部および下端部をそれぞれ上辺および下辺に電気的に接続して固定する四角枠状のフレーム1と、を具備して成る電解めっき装置Aであって、
フレーム1は、上辺と左辺および右辺ならびに下辺とが電気的に絶縁されて形成されており、給電用プレート3と左辺および右辺ならびに下辺とが電気的に接続された下端用給電経路を形成しているとともに、給電用プレート3と上辺とが抵抗調整材4を介して接続されることで下端用給電経路と同じ抵抗値を有する上端用給電経路を形成している。
【選択図】図2

Description

本発明は、電解めっき装置に関するものである。
電解めっき技術は、例えば配線基板の配線形成用途に広く用いられており、配線基板の絶縁層表面に電解めっき金属層を析出させることで配線が形成される。
ここで、図3に従来の電解めっき装置Bを概略図で示す。電解めっき装置Bは、導電性フレーム11と、導電性ハンガー12と、給電部13と、整流器(不図示)と、アノード電極14と、めっき浴槽15とを備えている。
導電性フレーム11は、図4に示すように、上辺および下辺ならびに左辺および右辺を有する四角枠状をしている。そして、垂直に立てられた四角平板状の被めっき物Pの外周辺を囲繞するように配置される。被めっき物Pの上端部および下端部は、それぞれ導電性フレーム11の上辺および下辺に配設されたクランプ11aにより導電性フレーム11に電気的に接続して固定される。
導電性ハンガー12は、一方の端部が整流器の陰極側と電気的に接続されるとともに、移動装置(不図示)に接続されている。また、他方の端部が導電性フレーム11の上辺に電気的に接続されている。そして、導電性ハンガー12は、電荷の供給を行いながら被めっき物Pを装着した導電性フレーム11を搬送する。
なお、導電性フレーム11と導電性ハンガー12との接続部は、整流器からの電荷を導電性フレーム11に付与する給電部13として機能する。
アノード電極14は、めっき浴槽15の対向する両内壁付近に等間隔で配置されている。
めっき浴槽15は、内部に電解めっき液(不図示)が入れられている。そして、導電性ハンガー12により吊り下げられた導電性フレーム11が、対向するアノード電極14同士の間を、電解めっき液に浸漬された状態で被めっき物Pの主面に沿った水平方向に搬送されることで、被めっき物Pの主面に電解めっき金属層が析出する。
ところで、従来の電解めっき装置Bにおいては、給電部13に近い被めっき物Pの上端部付近では、電荷の供給経路が短く経路の抵抗値が小さいため電荷の供給量が多くなる。一方で、給電部13から遠い被めっき物Pの下端部付近では、電荷の供給経路が長く経路の抵抗値が大きいため電荷の供給量が少なくなっている。このため、被めっき物Pの上端部付近では析出する電解めっき金属層の厚みが厚くなり、被めっき物Pの下端部付近では析出する電解めっき金属層の厚みが薄くなってしまう。その結果、例えば配線基板の絶縁層表面に電解めっき金属層を析出させて配線を形成する場合に、配線基板内において配線厚みのバラツキが大きくなって電気特性に不具合が生じる等、良好な品質の被めっき物を供給することができないという問題がある。
特開2000−355797号公報
本発明の課題は、被めっき物内における電解めっき金属層の析出厚みのバラツキを小さくすることによって、良好な品質の被めっき物を供給できる電解めっき装置を提供することを課題とする。
本発明に係る電解めっき装置は、整流器に接続された給電用プレートと、各々導電性の上辺および下辺ならびに左辺および右辺が、垂直に立てられた四角平板状の被めっき物の外周辺を囲繞するように配置され、被めっき物の上端部および下端部をそれぞれ上辺および下辺に電気的に接続して固定する四角枠状のフレームと、を具備して成る電解めっき装置であって、フレームは、上辺と左辺および右辺ならびに下辺とが電気的に絶縁されて形成されており、給電用プレートと左辺および右辺ならびに下辺とが電気的に接続された下端用給電経路を形成しているとともに、給電用プレートと上辺とが抵抗調整材を介して接続されることで下端用給電経路と同じ抵抗値を有する上端用給電経路を形成していることを特徴とするものである。
本発明に係る電解めっき装置によれば、被めっき物の上端部に電荷を供給する上端用給電経路の抵抗値と、被めっき物の下端部に電荷を供給する下端用給電経路の抵抗値とが、下端用給電経路に設けられた抵抗調整材によって同じになるように形成されている。
このため、配線基板内に析出する電解めっき金属層の厚みバラツキを小さくすることが可能になる。これにより、良好な品質の被めっき物を供給できる電解めっき装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る電解めっき装置の実施形態の一例を示す概略斜視図である。 図2は、図1に示す電解めっき装置の要部拡大図である。 図3は、従来の電解めっき装置を示す概略斜視図である。 図4は、図3に示す電解めっき装置の要部拡大図である。
次に、本発明に係る電解めっき装置の実施形態の一例を、図1および図2を基にして説明する。なお、図1と図2において同一の箇所には、同じ符号を付して説明する。
本例の電解めっき装置Aは、フレーム1と、導電性ハンガー2と、給電用プレート3と、抵抗調整材4と、整流器(不図示)と、アノード電極5と、めっき浴槽6とを備えている。
フレーム1は、めっき液による腐食に強いステンレス等の良導電性金属同士を接合することで、図2に示すように、上辺および下辺ならびに左辺および右辺を有する四角枠状に形成されている。上辺の両端部と左辺および右辺とは、それぞれ絶縁体7を介して接続されており、上辺と他の辺とは電気的に絶縁されている。
このようなフレーム1は、垂直に立てられた四角平板状の被めっき物Pの外周辺を囲繞するように配置される。そして、被めっき物Pの上端部および下端部をそれぞれ導電性フレーム1の上辺および下辺に配設されたクランプ1aにより固定することで両者が電気的に接続される。
導電性ハンガー2は、例えばステンレス等の良導電性金属から成る。導電性ハンガー2は、被めっき物Pが装着されたフレーム1をめっき浴槽6内に浸漬するとともに、めっき浴槽6内に浸漬された被めっき物Pを移動させるために、一方の端部が移動装置(不図示)に接続されている。
また、導電性ハンガー2の他方の端部は、フレーム1の上辺に絶縁体8を介して固定されている。これにより、フレーム1と導電性ハンガー2との固定部は、電気的に絶縁されている。
給電用プレート3は、例えばステンレス等の良導電性金属から成る。給電用プレート3の一方の端部は、整流器の陰極側に接続されている。また、給電用プレート3の他方の端部は、整流器からの電荷を被めっき物Pに供給するための給電部3aとして機能する。
給電部3aとフレーム1の左辺および右辺とは、導電ケーブル9を介して電気的に接続されることで下端用給電経路を形成している。
抵抗調整材4は、例えばステンレス、チタン、クロム、鉄、ニッケル、マグネシウム、アルミニウム等の金属から成る。
抵抗調整材4の一方の端部は給電部3aに接続されるとともに、他方の端部はフレーム1の上辺に接続されることで上端用給電経路を形成している。
抵抗調整材4は、下端用給電経路の経路長さと上端用給電経路の経路長さとの差により生じる抵抗値の違いをなくして、両経路の抵抗値を同じにする機能を有している。
なお、下端用給電経路の抵抗値と上端用給電経路の抵抗値との測定値の差が3mΩ以下の場合には、測定誤差の範囲として同じ抵抗値とみなす。
アノード電極5は、例えばチタン板に酸化イリジウム等をコーティングした良導電性の金属から成り、フレーム1の搬送方向に沿って等間隔で並ぶようにめっき浴槽5の対向する両内壁付近に配置される。なお、アノード電極5は、例えば銅から成るボールタイプの金属を、メッシュ状のアノードバッグに複数投入したものであっても構わない。
めっき浴槽6は、例えば塩化ビニルから成る複数の平板同士を接合することで容器状に形成される。めっき浴槽6は、内部に電解めっき液(不図示)が入れられている。そして、導電性ハンガー2により吊り下げられたフレーム1が、対向するアノード電極5同士の間を、電解めっき液に浸漬された状態で被めっき物Pの主面に沿った水平方向に搬送することで、被めっき物Pの主面に電解めっき金属層が析出する。
ところで、本発明に係る電解めっき装置Aによれば、被めっき物Pの上端部に電荷を供給する上端用給電経路の抵抗値と、被めっき物Pの下端部に電荷を供給する下端用給電経路の抵抗値とが、下端用給電経路に設けられた抵抗調整材4によって同じになるように形成されている。
このため、被めっき物P内に析出する電解めっき金属層の厚みバラツキを小さくすることが可能になる。これにより、良好な品質の被めっき物Pを供給できる電解めっき装置を提供することができる。
1 フレーム
3 給電用プレート
4 抵抗調整材
A 電解めっき装置
P 被めっき物

Claims (2)

  1. 整流器に接続された給電用プレートと、
    各々導電性の上辺および下辺ならびに左辺および右辺が、垂直に立てられた四角平板状の被めっき物の外周辺を囲繞するように配置され、前記被めっき物の上端部および下端部をそれぞれ前記上辺および下辺に電気的に接続して固定する四角枠状のフレームと、
    を具備して成る電解めっき装置であって、
    前記フレームは、前記上辺と前記左辺および右辺ならびに下辺とが電気的に絶縁されて形成されており、
    前記給電用プレートと前記左辺および右辺ならびに下辺とが電気的に接続された下端用給電経路を形成しているとともに、前記給電用プレートと前記上辺とが抵抗調整材を介して接続されることで前記下端用給電経路と同じ抵抗値を有する上端用給電経路を形成していることを特徴とする電解めっき装置。
  2. 前記上辺および下辺ならびに左辺および右辺と前記抵抗調整材とが、同じ素材によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電解めっき装置。
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