JP6411027B2 - 傾斜屋根 - Google Patents

傾斜屋根 Download PDF

Info

Publication number
JP6411027B2
JP6411027B2 JP2014001694A JP2014001694A JP6411027B2 JP 6411027 B2 JP6411027 B2 JP 6411027B2 JP 2014001694 A JP2014001694 A JP 2014001694A JP 2014001694 A JP2014001694 A JP 2014001694A JP 6411027 B2 JP6411027 B2 JP 6411027B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eaves
roof
reinforcing member
plate
reinforcing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014001694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015129409A (ja
Inventor
浩士 水口
浩士 水口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa House Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiwa House Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa House Industry Co Ltd filed Critical Daiwa House Industry Co Ltd
Priority to JP2014001694A priority Critical patent/JP6411027B2/ja
Publication of JP2015129409A publication Critical patent/JP2015129409A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6411027B2 publication Critical patent/JP6411027B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

本発明は、傾斜屋根に係り、特に、傾斜状態で配置されている下地パネルと、下地パネルの上方に位置して下地パネルを覆う屋根板と、を構成要素とする傾斜屋根に関する。
建物の傾斜屋根は、一般的に、その下地をなす下地パネルと、下地パネルの上方に位置して下地パネルを覆う屋根葺き材としての屋根板により構成される。また、屋根葺き材として、例えば比較的薄板の鋼板(以下、化粧鋼板とも言う)からなる屋根板を用いる場合がある。
さらに、屋根葺き材の設置作業(葺設作業)を簡単かつ迅速に行う目的から屋根葺き材を支持する部材を下地パネルの軒先側端部に固定する構成が、既に知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の屋根構造について説明すると、下地パネルに相当する野地板の軒先に、受け部を有する軒先水切を固定している。この軒先水切の受け部には、屋根葺き材としての本体瓦の軒側が載置され、当該本体瓦を、受け部を通して野地板に釘打ち固定することとしている。かかる構成により、特許文献1に記載の屋根構造では、広小舞を用いることなく屋根面に対する傾斜角度を確保して本体瓦を軒先に簡単かつ短時間に葺設することが可能となる。
特開平10−266496号公報
ところで、軒先では、屋根葺き材の先端部(下端部)が下地パネルの軒先側端部よりも幾分外側に張り出し、当該張り出し部分の下方位置には水切が配置されている。一方で、前述したように、屋根葺き材として化粧鋼板のような薄板を用いる場合があるが、かかる場合には、薄板のうち、下地パネルの軒先側端部より外側に張り出した部分が撓む等、不具合が生じる虞がある。かかる不具合について、以下、図6に示すように化粧鋼板2を屋根葺き材として使用した構成を例に挙げて具体的に説明する。
化粧鋼板2は、比較的に薄厚であるために外力が作用すると撓み変形を起こすことがある。例えば、化粧鋼板2のうち、下地パネル1の軒先側端部1aよりも外側に張り出した部分(以下、張り出し部2a)に積雪等によって下向きの外力が掛かると、図6の(A)に示すように、本来の形状(図中、実線にて図示)から張り出し部2aが下方に沈み込んだ形状(図中、破線にて図示)へと変形する。同様に、張り出し部2aに対して下方から吹き上がる風が当たる等して上向きの外力が掛かると、図6の(B)に示すように、本来の形状(図中、実線にて図示)から張り出し部2aが上方に浮き上がった形状(図中、破線にて図示)へと変形する。
以上のような化粧鋼板2の変形は、傾斜屋根がその機能を適切に発揮することができなくなる原因にもなり兼ねない。そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、傾斜屋根の屋根葺き材である屋根板のうち、軒先における屋根板の変形を抑えることが可能な傾斜屋根を提供することである。
また、本発明の他の目的は、化粧鋼板の変形抑制の措置を講じるとともに、化粧鋼板と下地パネルとの間に流れ込んだ雨水等を適切に排するための構造を実現することである。
前記課題は、本発明の傾斜屋根によれば、傾斜状態で配置されている下地パネルと、該下地パネルの上方に位置して該下地パネルを覆う屋根板と、を有する傾斜屋根であって、前記下地パネルの軒先側端部に補強部材が固定されており、該補強部材は、軒先とは反対側に位置し前記軒先側端部に固定されている固定部と、該固定部とは軒先側で隣接し前記固定部から立ち上がった立ち上がり部と、該立ち上がり部よりも軒先側に設けられ、前記軒先側端部よりも外側に張り出した補強部材側張り出し部と、を有し、前記立ち上がり部の前記固定部に対する立ち上がり角度が鈍角であって、前記屋根板のうち、前記軒先側端部よりも外側に張り出した屋根板側張り出し部は、該屋根板側張り出し部の自由端部が該自由端部と対向する対向部よりも下方に位置するようにコの字に折れ曲がっており、前記補強部材側張り出し部は、前記屋根板側張り出し部の前記自由端部と前記対向部との間に入り込んで前記屋根板側張り出し部と接合しており、前記補強部材が前記軒先側端部に固定された状態において、前記補強部材の上端面は、前記固定部の上端面が前記下地パネルの上面に沿っており、軒先側に向かうにつれて前記屋根板から離れるように前記屋根板に対して傾斜していることにより解決される。
上述の構成により、本発明の傾斜屋根では、軒先における屋根板の変形を抑制することが可能となる。すなわち、上記の構成では、補強部材側張り出し部が屋根板側張り出し部の自由端部と対向部との間に入り込んで屋根板側張り出し部と接合している。これにより、屋根板側張り出し部に外力が作用した際、屋根板側張り出し部が上下動するように屋根板が変形しようとするのを、補強部材側張り出し部によって規制することが可能となる。
また、以上の構成であれば、屋根板と下地パネルとの間に流れ込んだ雨水等が、補強部材の固定部と立ち上がり部との境界付近に溜まり難くなるので、当該雨水等を適切に排水することが可能となる。
また、上記の構成において、前記補強部材は、前記傾斜屋根に設けられた軒先水切の延出方向に沿って列をなした状態で複数配置され、前記延出方向において互いに隣り合う前記補強部材の間には隙間が形成されていてもよい。
以上の構成であれば、屋根板の補強のために補強部材を複数設けたとしても、補強部材間に隙間が形成されているので、当該隙間を通じて、屋根板と下地パネルとの間に流れ込んだ雨水等を適切に排水することが可能となる。
また、上記の構成において、前記延出方向における前記隙間の長さは、前記延出方向における前記補強部材の長さよりも長いこととしてもよい。
以上の構成であれば、隙間の幅が十分に確保されるので、屋根板と下地パネルとの間に流れ込んだ雨水等に対する排水性能を更に向上させることが可能となる。
また、上記の構成において、前記補強部材側張り出し部は、該補強部材側張り出し部の自由端部が該自由端部と対向する対向部よりも下方に位置するようにコの字に折れ曲がっており、前記屋根板側張り出し部及び前記補強部材側張り出し部の双方は、互いに係合して接合していることとしてもよい。
以上の構成であれば、屋根板側張り出し部及び補強部材側張り出し部の双方が互いに係合して接合しているので、当該双方の接合強度が増し、この結果、軒先における屋根板の変形をより効果的に抑制することが可能となる。
また、上記の構成において、前記双方が係合した状態において、前記双方の各々において前記自由端部と前記対向部との間を連結する連結部同士が当接し、かつ、前記自由端部同士が当接していることとしてもよい。
以上の構成であれば、軒先における屋根板の変形を更に効果的に抑制することが可能となり、特に、風の吹き上げ等によって屋根板側張り出し部に上向きの外力が掛かった際に屋根板が変形するのを良好に抑えることが可能となる。
また、上記の構成において、前記軒先側端部には、前記傾斜屋根に設けられた軒先水切を構成する板状部材が固定されており、前記補強部材は、前記板状部材の上に載置された状態で前記軒先側端部に固定されており、接合した前記屋根板側張り出し部及び前記補強部材側張り出し部は、前記板状部材のうち、前記軒先側端部よりも外側に張り出した板状部材側張り出し部の上方に位置しているとしてもよい。
以上の構成であれば、軒先における屋根板の変形を抑制するという本発明の効果が好適に発揮される。すなわち、軒先水切の上方に屋根板側張り出し部が位置している構成では、屋根板を伝って流れ落ちる雨水を軒先水切に導くことで適切に排水されるようになっている。この際、屋根板の変形が抑制されていれば、雨水をスムーズに軒先水切に導くことが可能となる。
本発明の傾斜屋根によれば、傾斜屋根の屋根葺き材である屋根板のうち、軒先における屋根板の変形を適切に抑制することが可能である。かかる効果は、積雪量が多く風の吹き上げが発生し易い寒冷地において特に有意義なものである。
また、本発明の傾斜屋根によれば、屋根板の補強のために補強部材を設けたとしても、屋根板と下地パネルとの間に流れ込んだ雨水等を適切に排水することが可能である。
本発明の一実施形態に係る傾斜屋根の側方断面である。 図1中の軒先周辺の拡大図である。 本発明の一実施形態に係る補強部材の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る補強部材と板状部材を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る補強部材と板状部材を示す平面図である。 従来の傾斜屋根における課題についての説明図である。
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
本実施形態に係る傾斜屋根Rは、住宅をはじめとする建物の屋根構造に利用可能なものである。以下では、本実施形態に係る傾斜屋根Rの構成について図1乃至図5を参照しながら説明する。
本実施形態に係る傾斜屋根Rの構成は、本発明の特徴である補強部材が用いられている点を除き、従来の傾斜屋根の構成と概ね共通している。すなわち、本実施形態に係る傾斜屋根Rは、図1に示すように、野地板である下地パネル1と、金属製の屋根板である化粧鋼板2と、を有する。ここで、化粧鋼板2は、下地パネル1の上方に葺設され下地パネル1を覆う屋根葺き材(屋根材)である。また、化粧鋼板2は、比較的薄厚の鋼板によって構成されているため、可撓性を有する。なお、化粧鋼板2の材質については、屋根葺き材として好適な材料であれば特に制限されるものではないが、一例を挙げると、ガルバリウム鋼板が利用可能である。
また、下地パネル1の軒先側端部1aには、軒先水切を構成する板金部材3(板状部材に相当)がネジ止めにて固定されている。この板金部材3の延出方向、換言すると、軒先水切の延出方向は、所定方向、厳密には建物の桁行方向(図1の紙面を貫く方向)に沿っている。また、板金部材3は、側面視で山折り状に屈曲している。このように山折り状に屈曲していることで板金部材3は、その自由端側の端部3aが鉛直方向に対してやや傾いた方向に垂れ下がった状態で、下地パネル1の軒先側端部1aに固定されている。ここで、板金部材3のうち、下方に垂れ下がった自由端側の端部3aは、板状部材側張り出し部に相当し、下地パネル1の軒先側端部1aよりも外側に張り出している。
また、板金部材3の自由端側の端部3aの下方位置には、軒樋5が配設されている。
一方で、化粧鋼板2のうち、最も軒先側(最も下側)に葺設されるものは、図2に示すように、下地パネル1の軒先側端部1aよりも外側に幾分張り出した状態で葺設される。この軒先側端部1aよりも外側に張り出した部分(以下、張り出し部)2aは、屋根板側張り出し部に相当し、側面視でコの字状に折れ曲がっている。より厳密に説明すると、張り出し部2aは、その自由端部2bが該自由端部2bと対向する対向部2cよりも下方に位置するようにコの字に折れ曲がっている。
ところで、発明が解決しようとする課題の項で説明したように、屋根葺き材として化粧鋼板2を用いると、最も軒先側に葺設される化粧鋼板2の張り出し部2aに積雪や風の吹き上げ等によって外力が掛かって本来の形状から撓んでしまう虞がある。このように化粧鋼板2が変形してしまうことで、傾斜屋根Rに沿って軒先へ流れ落ちる雨水を適切に軒樋5に導けなくなり、傾斜屋根Rの排水性能を低下させることにもなり兼ねない。
これに対して、本実施形態に係る傾斜屋根Rでは、補強部材としての補強金具4を用いることによって軒先における化粧鋼板2の変形を抑制している。以下、補強金具4について詳しく説明する。
補強金具4は、最も軒先側に葺設された化粧鋼板2の強度を高めるための部材である。この補強金具4は、図3に示す外形形状を有しており、化粧鋼板2よりも厚みが大きい鋼板を折り曲げ加工して形成される。なお、補強金具4の材質については、以下に説明する補強金具4の機能を好適に発揮するものであれば特に限定されるものではないが、一例を挙げると、溶融亜鉛メッキ鋼板が利用可能である。
また、補強金具4は、下地パネル1の軒先側端部1aに固定されており、図2に示すように、下地パネル1の軒先側端部1aよりも外側に幾分張り出した状態で配置される。より厳密に説明すると、補強金具4は、図4に示すように板金部材3の上に載置されて板金部材3にリベットにて取り付けられ、さらに板金部材3とともに下地パネル1の軒先側端部1aにネジ止めされている。
さらに、図2及び図4に示すように、補強金具4のうち、下地パネル1の軒先側端部1aよりも外側に張り出した部分(以下、張り出し部)4aの張り出し量は、板金部材3の自由端側の端部3aの張り出し量よりも小さくなっている。換言すると、補強金具4が所定位置に固定された状態において、張り出し部4aは、板金部材3の自由端側の端部3aの上方に位置していることになる。なお、張り出し部4aは、補強部材側張り出し部に相当する。
そして、図2に示すように、補強金具4の張り出し部4aは、最も軒先側に葺設された化粧鋼板2の張り出し部2aにおける自由端部2bと対向部2cとの間に入り込んで、当該張り出し部2aと接合している。これにより、軒先における化粧鋼板2の変形を良好に抑制することが可能となる。
ここで、補強金具4と化粧鋼板2との関係について詳細に説明すると、補強金具4の張り出し部4aは、化粧鋼板2の張り出し部2aと対応して側面視でコの字状に折れ曲がっている。より厳密には、補強金具4の張り出し部4aは、その自由端部4bが該自由端部4bと対向する対向部4cよりも下方に位置するようにコの字に折れ曲がっている。
そして、いずれもコの字状に折れ曲がった補強金具4及び化粧鋼板2の各々の張り出し部4a、2aは、図2に示すように、互いに係合して接合している。より具体的に説明すると、最も軒先側の化粧鋼板2は、その張り出し部2aが補強金具4の張り出し部4aに引っ掛けられ、さらに両張り出し部2a、4aが重なり合うように葺設される。この結果、両張り出し部2a、4aが互いに係合し、かかる状態では、張り出し部2a、4a中の自由端部2b、4b同士が当接している。さらに、上記の状態では、張り出し部2a、4a中、最も軒先側に位置する連結部2d、4d同士が当接している。ここで、連結部2d、4dとは、各張り出し部2a、4aにおいて自由端部2b、4bと対向部2c、4cとの間を連結している部分である。
以上のように、本実施形態では、最も軒先側に葺設された化粧鋼板2の張り出し部2aが、補強金具4の張り出し部4aに係合し密着するようになる。このように両張り出し部2a、4aが好適に係合していることにより、本実施形態では、化粧鋼板2の変形を効果的に抑制することが可能である。特に、両張り出し部2a、4aの各々において下端部分に相当する自由端部2b、4b同士が接合しているので、風の吹き上げ等によって化粧鋼板2の張り出し部2aに上向きの外力が掛かったとしても、当該化粧鋼板2の変形を良好に抑えることが可能となる。
なお、化粧鋼板2及び補強金具4の双方の張り出し部2a、4aが互いに係合して接合した状態では、図2に示すように、両張り出し部2a、4aが板金部材3の自由端側の端部3aの上方に位置している。また、両張り出し部2a、4aの張り出し量は、板金部材3の自由端側の端部3aの張り出し量よりも小さくなっている。以上の構成により、化粧鋼板2の表面上を流れ落ちる雨水を軒先水切に導き、当該雨水を適切に排水することが可能となる。さらに、補強金具4により化粧鋼板2の変形を抑制することで、化粧鋼板2が雨水をスムーズに軒先水切へ導くようになる。
次に、補強金具4の構成について図2乃至図4を参照しながら改めて説明する。
補強金具4は、図3に示す通り、側面視で、下地パネル1に固定される固定部4s、固定部4sから立ち上がった立ち上がり部4t、立ち上がり部4tの上端から延出した延出部4u、及び、張り出し部4aを備えている。
固定部4sは、補強金具4を下地パネル1の軒先側端部1aに固定するために設けられた部分であり、補強金具4の固定時に軒先とは反対側に位置し、下地パネル1の上面に沿って延出している。立ち上がり部4tは、固定部4sとは軒先側で隣接した部分である。また、本実施形態において、立ち上がり部4tの固定部4sに対する立ち上がり角度は、鈍角となっている。ここで、立ち上がり角度とは、固定部4sと立ち上がり部4tとがなす角度であり、図4中、記号θにて表される角度である。
延出部4uは、固定部4sとは反対側で立ち上がり部4tと隣接し、下地パネル1の上面に沿って延出した部分である。この延出部4uの上面と、張り出し部4a中の対向部4cの上面とは、連続しており下地パネル1の上面と略平行な平面を形成している。かかる平面(以下、補強金具4の上端面)は、補強金具4が下地パネル1の軒先側端部1aに固定された状態において化粧鋼板2の下方に位置している。
より具体的に説明すると、補強金具4が下地パネル1の軒先側端部1aに固定された状態では、図2に示すように、補強金具4の上端面の上方に、化粧鋼板2(厳密には、張り出し部2a中の対向部2cを含む下端部分)が配置されている。なお、補強金具4の上端面と化粧鋼板2との間には若干のクリアランスが形成されている。
また、補強金具4の上端面は、補強金具4が下地パネル1の軒先側端部1aに固定された状態において、下地パネル1の上面に沿っている一方で化粧鋼板2に対しては僅かに傾いている。詳しくは、補強金具4の上端面は、軒先側に向かうにつれて化粧鋼板2から離れるように傾いている。この結果、補強金具4の上端面と化粧鋼板2との間のクリアランスについては、軒先側ではより大きく、軒先の反対側ではより小さくなっている。このように上記のクリアランスが軒先の反対側でより小さくなっていることにより、当該クリアランスに起因して生じる化粧鋼板2のガタツキを抑制することが可能となっている。
以上までに補強金具4の構造について説明したが、以下では、補強金具4の配置位置等について図5を参照しながら説明する。本実施形態では、前述したように、下地パネル1の軒先側端部1aに補強金具4が板金部材3とともにネジ止めされている。より詳しく説明すると、図5に示すように、補強金具4は、板金部材3の延出方向(すなわち、軒先水切の延出方向に相当し、具体的には桁行方向)に沿って一定間隔毎に複数配置されている。複数の補強金具4は、上記延出方向に沿った列をなして並んでおり、また、同方向において互いに隣り合う補強部材4の間には隙間が形成されている。このように本実施形態では、補強金具4が断片化(ピース化)されて板金部材3の延出方向に沿って断続的に配置されている。これにより、化粧鋼板2と下地パネル1との間の空間内に雨水が流れ込んだとしても、当該空間外へ補強金具4間の隙間を通じて雨水が適切に排水されるようになる。
なお、本実施形態では、図5に示すように、補強金具4間の隙間の幅(例えば、455mm程度)が、各補強金具4の幅(例えば、約100mm)よりも十分に長くなっている。このように隙間の幅が十分に確保されることで、化粧鋼板2と下地パネル1との間の空間内に流れ込んだ雨水に対する排水性能がより一層向上することとなる。ちなみに、「幅」とは、板金部材3の延出方向における長さを意味する。
また、本実施形態に係る補強金具4については、下地パネル1に固定される固定部4sと、固定部4sから立ち上がった立ち上がり部4tとを備え、立ち上がり部4tの固定部4sに対する立ち上がり角度θが鈍角となっている。このように立ち上がり角度θが鈍角となっていれば、化粧鋼板2と下地パネル1との間の空間内に流れ込んだ雨水が、補強金具4の固定部4sと立ち上がり部4tとの境界付近に溜まり難くなる。この結果、化粧鋼板2と下地パネル1との間の空間内に流れ込んだ雨水に対する排水性能が益々向上することとなる。
以上までに本実施形態に係る傾斜屋根Rの構成とその有効性について説明したが、本実施形態に係る傾斜屋根Rの効果、すなわち、積雪や風の吹き上げ等により軒先において化粧鋼板2が変形してしまうのを抑える効果は、積雪や風の吹き上げが多発する寒冷地において特に有意義なものとなる。ただし、当然ながら、本実施形態に係る傾斜屋根Rは、非寒冷地においても有効である。
また、上記の効果は、補強金具4によってもたらされるものであるが、補強金具4については、化粧鋼板2と下地パネル1との間の空間に流れ込んだ雨水に対する排水性を阻害しない形状及び配置を採用している。この結果、積雪や風の吹き上げ等に対する強度、並びに、排水性を同時に満たす傾斜屋根Rが実現されることとなる。
なお、本実施形態に係る構成として図1乃至図5に図示した内容については、あくまでも一例であり、例えば補強金具4の形状やサイズ等については、上述の効果が奏される限りにおいては自由に設計することが可能である。また、本実施形態では、補強部材として補強金具4を用いることとしたが、樹脂製品の補強部材を用いることとしてもよい。さらに、軒先付近の構造、特に、補強金具4周りのレイアウト(例えば、鼻隠し構造)については、傾斜屋根Rを有する建物の設置環境に応じて変えることとしてもよい。さらにまた、本実施形態では、屋根葺き材として金属製の屋根板である化粧鋼板2を用いることとしたが、比較的に薄厚で可撓性を有するものであれば非金属の屋根板であってもよい。
1 下地パネル
1a 軒先側端部
2 化粧鋼板
2a 張り出し部(屋根板側張り出し部)
2b 自由端部
2c 対向部
2d 連結部
3 板金部材(板状部材)
3a 自由端側の端部(板状部材側張り出し部)
4 補強金具(補強部材)
4a 張り出し部(補強部材側張り出し部)
4b 自由端部
4c 対向部
4d 連結部
4s 固定部
4t 立ち上がり部
4u 延出部
5 軒樋
R 傾斜屋根

Claims (6)

  1. 傾斜状態で配置されている下地パネルと、該下地パネルの上方に位置して該下地パネルを覆う屋根板と、を有する傾斜屋根であって、
    前記下地パネルの軒先側端部に補強部材が固定されており、
    該補強部材は、軒先とは反対側に位置し前記軒先側端部に固定されている固定部と、該固定部とは軒先側で隣接し前記固定部から立ち上がった立ち上がり部と、該立ち上がり部よりも軒先側に設けられ、前記軒先側端部よりも外側に張り出した補強部材側張り出し部と、を有し、前記立ち上がり部の前記固定部に対する立ち上がり角度が鈍角であって、
    前記屋根板のうち、前記軒先側端部よりも外側に張り出した屋根板側張り出し部は、該屋根板側張り出し部の自由端部が該自由端部と対向する対向部よりも下方に位置するようにコの字に折れ曲がっており、
    前記補強部材側張り出し部は、前記屋根板側張り出し部の前記自由端部と前記対向部との間に入り込んで前記屋根板側張り出し部と接合しており、
    前記補強部材が前記軒先側端部に固定された状態において、前記補強部材の上端面は、前記固定部の上端面が前記下地パネルの上面に沿っており、軒先側に向かうにつれて前記屋根板から離れるように前記屋根板に対して傾斜していることを特徴とする傾斜屋根。
  2. 前記補強部材は、前記傾斜屋根に設けられた軒先水切の延出方向に沿って列をなした状態で複数配置され、
    前記延出方向において互いに隣り合う前記補強部材の間には隙間が形成されていることを特徴とする請求項に記載の傾斜屋根。
  3. 前記延出方向における前記隙間の長さは、前記延出方向における前記補強部材の長さよりも長いことを特徴とする請求項に記載の傾斜屋根。
  4. 前記補強部材側張り出し部は、該補強部材側張り出し部の自由端部が該自由端部と対向する対向部よりも下方に位置するようにコの字に折れ曲がっており、
    前記屋根板側張り出し部及び前記補強部材側張り出し部の双方は、互いに係合して接合していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の傾斜屋根。
  5. 前記双方が係合した状態において、前記双方の各々において前記自由端部と前記対向部との間を連結する連結部同士が当接し、かつ、前記自由端部同士が当接していることを特徴とする請求項に記載の傾斜屋根。
  6. 前記軒先側端部には、前記傾斜屋根に設けられた軒先水切を構成する板状部材が固定されており、
    前記補強部材は、前記板状部材の上に載置された状態で前記軒先側端部に固定されており、
    接合した前記屋根板側張り出し部及び前記補強部材側張り出し部は、前記板状部材のうち、前記軒先側端部よりも外側に張り出した板状部材側張り出し部の上方に位置していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の傾斜屋根。
JP2014001694A 2014-01-08 2014-01-08 傾斜屋根 Active JP6411027B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014001694A JP6411027B2 (ja) 2014-01-08 2014-01-08 傾斜屋根

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014001694A JP6411027B2 (ja) 2014-01-08 2014-01-08 傾斜屋根

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015129409A JP2015129409A (ja) 2015-07-16
JP6411027B2 true JP6411027B2 (ja) 2018-10-24

Family

ID=53760314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014001694A Active JP6411027B2 (ja) 2014-01-08 2014-01-08 傾斜屋根

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6411027B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5432826Y2 (ja) * 1975-07-29 1979-10-11
JPH0438018Y2 (ja) * 1987-02-25 1992-09-07
KR960702041A (ko) * 1993-04-22 1996-03-28 리차드 위딩톤 널빤지형 지붕 조립체(IMPROVED SHINGLE ROOFlNG ASSEMBLY)
JP3245601B2 (ja) * 1993-09-28 2002-01-15 株式会社アイジー技術研究所 軒先構造
JP3839181B2 (ja) * 1999-03-25 2006-11-01 クボタ松下電工外装株式会社 軒先止め構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015129409A (ja) 2015-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5898461B2 (ja) 屋根材
JP2013256802A (ja) ソーラーモジュール取付構造、ソーラーモジュール取付方法、および屋根
JP7254189B2 (ja) 屋根貫通構造体のためのフラッシングアセンブリ及びフラッシングアセンブリの製造方法
JP6411027B2 (ja) 傾斜屋根
JP6013753B2 (ja) 軒樋曲り継手
JP2015068093A (ja) けらば部材の接続構造
JP6645483B2 (ja) 軒先用板金具及び軒先当たり部の防水構造。
JP2007186872A (ja) 軒先の雨仕舞の構造
JP2020153163A (ja) 屋根構造
JP6265465B2 (ja) けらば水切り、棟違い屋根のけらば水切り構造、および導水板
JP7397894B2 (ja) 縦葺材の端部取付用部材
JP6557480B2 (ja) 外壁構造
JP7144984B2 (ja) 建築板
JP7144985B2 (ja) 屋根構造及び屋根板
JP6014064B2 (ja) 軒先補強具および構造
JP5615617B2 (ja) 軒下導水部材
JP7117496B2 (ja) 軒樋構造
JP3177930U (ja) 波板の固定用部材
JP6778305B2 (ja) 太陽電池モジュールの設置構造
JP3177929U (ja) ソーラーモジュール取付構造、および屋根
JP2018053516A (ja) 金属製縦葺材の接続構造
JP7161324B2 (ja) 取付構造
JP6571120B2 (ja) 建物の屋根構造、および、排水装置
JP7173774B2 (ja) 縦葺き材の接続構造及び縦葺き材
JP7151986B2 (ja) 軒先構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171003

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6411027

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250