以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ14が示されている。図1において、上下方向がタイヤ14の半径方向であり、左右方向がタイヤ14の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ14の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ14の赤道面を表わす。このタイヤ14の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
このタイヤ14は、リム16に組み込まれている。このリム16は、正規リムである。本発明では、タイヤ14の各部材の寸法及び角度は、タイヤ14が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ14に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ14には荷重がかけられない。
本明細書において正規リムとは、タイヤ14が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
本明細書において正規内圧とは、タイヤ14が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。乗用車用タイヤ14の場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
このタイヤ14は、トレッド18、一対のサイドウォール20、一対のウィング22、一対のクリンチ24、一対のビード26、カーカス28、ベルト30、バンド32、一対のチェーファー34及びインナーライナー36を備えている。このタイヤ14は、チューブレスタイプである。このタイヤ14は、乗用車に装着される。
トレッド18は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド18は、路面と接地するトレッド面38を形成する。トレッド18には、溝40が刻まれている。この溝40により、トレッドパターンが形成されている。トレッド18は、ベース層42とキャップ層44とを有している。キャップ層44は、ベース層42の半径方向外側に位置している。キャップ層44は、ベース層42に積層されている。ベース層42は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層42の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。キャップ層44は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
それぞれのサイドウォール20は、トレッド18の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール20は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール20は、カーカス28の損傷を防止する。
それぞれのウィング22は、トレッド18とサイドウォール20との間に位置している。ウィング22は、トレッド18と接合している。このウィング22は、サイドウォール20と接合している。ウィング22は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。
それぞれのクリンチ24は、サイドウォール20の半径方向略内側に位置している。クリンチ24は、サイドウォール20と接合している。クリンチ24は、軸方向において、ビード26及びカーカス28よりも外側に位置している。クリンチ24は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ24は、リム16のフランジ46と当接する。
それぞれのビード26は、クリンチ24の軸方向内側に位置している。ビード26は、コア48と、このコア48から半径方向外向きに延びるエイペックス50とを備えている。コア48はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス50は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス50は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス28は、カーカスプライ52からなる。カーカスプライ52は、両側のビード26の間に架け渡されており、トレッド18及びサイドウォール20に沿っている。カーカスプライ52は、コア48の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ52には、主部と折り返し部とが形成されている。このカーカス28が2枚以上のカーカスプライ52で形成されてもよい。
カーカスプライ52は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス28はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト30は、トレッド18の半径方向内側に位置している。ベルト30は、カーカス28と積層されている。ベルト30は、カーカス28を補強する。ベルト30は、内側層54及び外側層56からなる。図1から明らかなように、軸方向において、内側層54の幅は外側層56の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層54及び外側層56のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層54のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層56のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト30の軸方向幅は、タイヤ14の最大幅の0.7倍以上が好ましい。ベルト30が、3以上の層を備えてもよい。
バンド32は、ベルト30の半径方向外側に位置している。軸方向において、バンド32の幅はベルト30の幅と略同等である。図示されていないが、このバンド32は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド32は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト30が拘束されるので、ベルト30のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト30及びバンド32は、補強層を構成している。ベルト30のみから、補強層が構成されてもよい。バンド32のみから、補強層が構成されてもよい。
それぞれのチェーファー34は、ビード26の近傍に位置している。タイヤ14がリム16に組み込まれると、このチェーファー34がリム16と当接する。この当接により、ビード26の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー34は、布とこの布に含浸したゴムとからなる。このチェーファー34が、クリンチ24と一体とされてもよい。この場合、チェーファー34の材質はクリンチ24の材質と同じとされる。
インナーライナー36は、カーカス28の内側に位置している。インナーライナー36は、カーカス28の内面に接合されている。インナーライナー36は、主層58とタイ層60とを備えている。主層58は、タイヤ14の内面を構成している。主層58は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。主層58は、タイヤ14の内圧を保持する役割を果たす。タイ層60は、主層58に積層されている。タイ層60は、主層58とカーカス28との間に位置している。タイ層60は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。タイ層60は、カーカス28と堅固に接合し、主層58とも堅固に接合する。タイ層60は、インナーライナー36のカーカス28からの剥離を抑制する。
このタイヤ14では、インナーライナー36は、カーカス28の内側に沿って、両側のビード26の間に架け渡されている。このタイヤ14では、このインナーライナー36が、そのトレッド18の半径方向内側部分が取り除かれた構成とされてもよい。このインナーライナー36のタイ層60のみが、そのトレッド18の半径方向内側部分が取り除かれた構成とされてもよい。
主層58は、第一ゴム組成物を架橋したものからなる。第一ゴム組成物は、第一基材ゴムを含む。このタイヤ14では、第一基材ゴムの主成分はブチル系ゴムである。ブチル系ゴムは、他のゴムに比して小さな空気透過係数を有する。ブチル系ゴムは、空気遮蔽性に優れる。
ブチル系ゴムとしては、ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムが例示される。ハロゲン化ブチルゴムとしては、クロロブチルゴム及びブロモブチルゴムが例示される。空気遮蔽性の観点から、ブチル系ゴムとしてはブチルゴムが好ましい。二種類以上のブチル系ゴムが併用されてもよい。
このタイヤ14では、加工性の観点から、ブチル系ゴム以外の他のゴムを第一基材ゴムは含むことができる。この他のゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム及びエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体が例示される。前述したように、このタイヤ14では、第一基材ゴムの主成分はブチル系ゴムである。第一基材ゴムがブチル系ゴム以外の他のゴムを含む場合には、第一基材ゴム全量に対するこのブチル系ゴムの量の比率は、60質量%以上、特には80質量%以上が好ましい。
第一ゴム組成物は、補強剤を含む。典型的な補強剤は、カーボンブラックである。FEF、GPF、HAF、ISAF、SAF等が用いられうる。主層58の強度の観点から、カーボンブラックの量は、第一基材ゴム100質量部に対して5質量部以上が好ましく、10質量部以上が特に好ましい。主層58の軟質の観点から、カーボンブラックの量は50質量部以下が好ましく、40質量部以下が特に好ましい。カーボンブラックと共に、又はカーボンブラックに代えて、シリカが用いられてもよい。この場合、乾式シリカ及び湿式シリカが用いられうる。
第一ゴム組成物は、充填剤を含むことができる。この充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、クレー、タルク及び酸化マグネシウムが例示される。第一ゴム組成物に、2以上の充填剤が併用されてもよい。第一ゴム組成物は、充填剤以外に、軟化剤、粘着性付与剤、硫黄などの架橋剤、加硫促進剤、架橋助剤、老化防止剤等の薬品も含むことができる。タイヤ14の加工性及び性能が考慮されて、最適な薬品が最適な量でこの第一ゴム組成物に配合される。このタイヤ14では、主層58が、従来のタイヤのインナーライナーにおける主層10のためのゴム組成物と同等のゴム組成物で構成されてもよい。
タイ層60は、第二ゴム組成物を架橋したものからなる。第二ゴム組成物は、第二基材ゴムを含む。このタイヤ14では、第二基材ゴムの主成分は好ましくはジエン系ゴムである。ジエン系ゴムは、接着性に寄与する。
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びアクリロニトリルブタジエンゴムが例示される。接着性の観点から、このジエン系ゴムとしては、天然ゴムが好ましい。二種以上のジエン系ゴムが併用されてもよい。
このタイヤ14では、加工性の観点から、ジエン系ゴム以外の他のゴムを第二基材ゴムは含むことができる。この他のゴムとしては、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム及びアクリルゴムが例示される。前述したように、第二基材ゴムの主成分は好ましくはジエン系ゴムである。第二基材ゴムがジエン系ゴム以外の他のゴムを含む場合には、第二基材ゴム全量に対するこのジエン系ゴムの量の比率は、60質量%以上、特には80質量%以上が好ましい。
第二ゴム組成物は、補強剤を含む。典型的な補強剤は、カーボンブラックである。FEF、GPF、HAF、ISAF、SAF等が用いられうる。タイ層60の強度の観点から、カーボンブラックの量は、基材ゴム100質量部に対して5質量部以上が好ましく、10質量部以上が特に好ましい。タイ層60の軟質の観点から、カーボンブラックの量は50質量部以下が好ましく、40質量部以下が特に好ましい。カーボンブラックと共に、又はカーボンブラックに代えて、シリカが用いられてもよい。乾式シリカ及び湿式シリカが用いられうる。
第二ゴム組成物は、充填剤を含むことができる。この充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、クレー、タルク及び酸化マグネシウムが例示される。第二ゴム組成物に、2以上の充填剤が併用されてもよい。第二ゴム組成物は、充填剤以外に、軟化剤、粘着性付与剤、硫黄などの架橋剤、加硫促進剤、架橋助剤、老化防止剤等の薬品も含むことができる。タイヤ14の加工性及び性能が考慮されて、最適な薬品が最適な量でこの第二ゴム組成物に配合される。このタイヤ14では、タイ層60が、従来のタイヤのインナーライナーにおけるタイ層8のためのゴム組成物と同等のゴム組成物で構成されてもよい。
以上説明されたタイヤ14は、次のようにして製造される。複数のゴム部材がアッセンブリーされて、ローカバー(未加硫タイヤ14)が得られる。このローカバーを得る工程は、成形工程とも称される。
この製造方法では、ローカバーは、モールドに投入される。ローカバーの外面は、モールドのキャビティ面と当接する。ローカバーの内面は、ブラダー又は中子に当接する。ローカバーは、モールド内で加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、図1に示されたタイヤ14が得られる。そのキャビティ面に凸凹模様を有するモールドが用いられることにより、タイヤ14に凹凸模様が形成される。ローカバーを加圧及び加熱してタイヤ14を得る工程は、加硫工程とも称される。
本発明に係る製造方法では、成形工程以外の工程は従来のタイヤの製造方法と同様にして、タイヤ14が製造される。成形工程においても、インナーライナー36の形成以外については、従来の成形工程と同様にして実施される。
このタイヤ14の製造方法では、成形工程において、インナーライナー36は次のようにして形成される。主層58のための第一ゴム組成物及びタイ層60のための第二ゴム組成物が準備される。カレンダーロールを用いて第一ゴム組成物をシーティングして、メインシートが形成される。カレンダーロールを用いて第二ゴム組成物をシーティングして、タイシートが形成される。メインシートにタイシートを積層して、ロングシートが形成される。このタイヤ14の製造方法は、第一ゴム組成物からなるメインシートに、第二ゴム組成物からなるタイシートを積層し、ロングシートを形成する工程を含んでいる。
図2に示されているように、メインシート62にタイシート64を積層して得たロングシート66は、ドラム68に一旦巻き取られる。このタイヤ14の製造方法では、図3に示されているように、メインシート62の幅よりも小さな幅を有するタイシート64がメインシート62に積層される。これにより、ロングシート66は、その幅方向における第一縁70において、メインシート62がタイシート64から突出するように構成される。図3から明らかなように、このロングシート66の第二縁72においては、メインシート62はタイシート64から突出していない。この製造方法では、タイシート64の幅、メインシート62に対するタイシート64の位置等の調節により、ロングシート66が、その幅方向における第一縁70及び第二縁72のそれぞれにおいて、メインシート62がタイシート64から突出するように構成されてもよい。
この製造方法では、ロングシート66は、巻き取られたドラム68からその長さ方向に送り出される。図4に示されるように、このロングシート66は、切断手段としてのカッター74を用いて、所定の長さで切断される。これにより、ショートシート76が形成される。この製造方法は、ロングシート66をその長さ方向に送り出しつつこのロングシート66を切断してショートシート76を形成する工程をさらに含んでいる。このショートシート76では、ロングシート66の第一縁70に対応する端78が第一端である。したがって、このショートシート76の第一端78においては、メインシート62はタイシート64から突出している。このショートシート76では、ロングシート66の第二縁72に対応する端80が、第二端である。したがって、このショートシート76の第二端80においては、メインシート62はタイシート64から突出していない。なお、図4において、左側は製造ラインの上流側であり、右側は製造ラインの下流側である。
図5には、ロングシート66を切断して得たショートシート76を次工程に搬送する様子が示されている。この図5においては、左側が製造ラインの上流側であり、右側が製造ラインの下流側である。この図5に示されているように、この製造方法では、ショートシート76の搬送の向きが変えられる。具体的には、ショートシート76の形成工程で得たショートシート76は、一旦、その切断面82を先頭にして製造ラインの下流に向かって搬送される。その後、このショートシート76は、その第一端78を先頭にして製造ラインのさらに下流、つまり、次工程に搬送される。言い換えれば、切断面82を先頭にして搬送していたショートシート76は、その搬送の向きを変えて、このショートシート76の第一端78を先頭にして次工程に搬送される。この製造方法は、ショートシート76の搬送の向きを変える工程をさらに含んでいる。前述したように、ショートシート76の第一端78においては、メインシート62がタイシート64から突出している。搬送の向きを変えたショートシート76は、タイシート64から突出するメインシート62を先頭にして、次工程に搬送される。
この製造方法では、図6に示されているように、ショートシート76は、フォーマー84のドラム86に供給され、このドラム86に巻回される。このドラム86において、ショートシート76は、その巻回しの先端88とその後端90とを接合して、筒状とされる。言い換えれば、この製造方法は、ショートシート76を巻回し、この巻回しの先端88とその後端90とを接合して、筒を形成する工程を含んでいる。
図7には、筒92におけるショートシート76の接合部分94が示されている。この筒92の形成では、ショートシート76の第一端78が巻回しの先端88とされ、このショートシート76の第二端80がこの巻回しの後端90とされている。前述したように、ショートシート76の第一端78においてはメインシート62がタイシート64から突出している。言い換えれば、巻回しの先端88において、メインシート62の一部が露出している。したがって、この接合部分94では、巻回しの後端90におけるメインシート62がこの露出したメインシート62に積層されている。この筒92の形成工程では、ショートシート76の第一端78を巻回しの先端88としこのショートシート76が巻回され、この巻回しの先端88におけるメインシート62に、この巻回しの後端90におけるメインシート62が積層されている。接合部分94においてメインシート62同士が十分に密着して繋げられているので、この筒92より得られるインナーライナー36では、主層58は周方向に途切れることなく連続している。
このようにこのタイヤ14の製造方法では、主層58のためのメインシート62にタイ層60のためのタイシート64が積層されたロングシート66を形成し、このロングシート66を切断することで、ショートシート76が準備される。このショートシート76を巻回して筒92を形成する際に、この巻回しの先端88において露出したメインシート62に、この巻回しの後端90におけるメインシート62が積層される。この製造方法により得られるタイヤ14のインナーライナー36の接合部分では、主層58同士が十分に密着する。主層58同士が十分に密着した接合部分からは、空気は漏れにくい。本発明の製造方法によれば、空気保持性能に優れる空気入りタイヤ14が得られる。
この製造方法では、その第一縁70においてメインシート62がタイシート64から突出するロングシート66を切断してショートシート76が得られる。このロングシート66の第一縁70に対応する第一端78を巻回しの先端88としてショートシート76を巻回し、インナーライナー36のための筒92が形成される。この製造方法では、巻回しの先端88とするこのショートシート76の第一端78において、メインシート62はタイシート64を剥がすことなく露出させられる。この露出は、容易である。しかも露出したメインシート62に巻回しの後端90におけるメインシート62が積層されるので、この製造方法では、メインシート62同士は剥がれることなく十分に密着する。この製造方法では、生産性を損なうことなく、主層58同士が十分に密着した接合部分を有するインナーライナー36が得られる。
図7において、両矢印L1はショートシート76の第一端78においてタイシート64から突出しているメインシート62の長さを表している。
この製造方法では、長さL1は5mm以上10mm以下が好ましい。この長さL1が5mm以上に設定されることにより、メインシート62同士が十分に接合し、空気の漏れが効果的に防止される。一旦接合したメインシート62がその後の工程において剥がれることも、効果的に防止される。この製造方法では、生産性を損なうことなく、空気保持性能に優れる空気入りタイヤ14が得られる。この長さL1が10mm以下に設定されることにより、接合部分94による質量への影響が抑えられる。この製造方法で得られる空気入りタイヤ14では、良好な転がり抵抗が維持される。
前述したように、この製造方法では、タイシート64の幅、メインシート62に対するタイシート64の位置等の調節により、ロングシート66が、その幅方向における第一縁70及び第二縁72のそれぞれにおいて、メインシート62がタイシート64から突出するように構成されてもよい。この場合、第一端78だけでなく第二端80においても、メインシート62がタイシート64から突出したショートシート76が得られる。この場合においても、生産性を損なうことなく、空気保持性能に優れる空気入りタイヤ14が得られるとの観点から、このショートシート76の第二端80においてタイシート64から突出しているメインシート62の長さL2は5mm以上が好ましい。接合部分94による質量への影響が抑えられるとともに、良好な転がり抵抗が維持された空気入りタイヤ14が得られるとの観点から、この長さL2は10mm以下が好ましい。
図7において、両矢印tmはメインシート62の厚さを表している。両矢印tiは、タイシート64の厚さである。両矢印tsは、ショートシート76の厚さである。本明細書においては、この厚さtsは、厚さtmと厚さtiとの和で表される。
この製造方法では、メインシート62の厚さtmは0.6mm以上1.2mm以下が好ましい。この厚さtmが0.6mm以上に設定されることにより、このメインシート62により得られる主層58が内圧の保持に効果的に寄与する。この厚さtmが1.2mm以下に設定されることにより、主層58による質量への影響が抑えられる。
この製造方法では、タイシート64の厚さtiは0.5mm以上1.2mm以下が好ましい。この厚さtiが0.5mm以上に設定されることにより、このタイシート64により得られるタイ層60がインナーライナー36とカーカス28との接合に効果的に寄与する。この厚さtiが1.2mm以下に設定されることにより、タイ層60による質量への影響が抑えられる。
この製造方法では、巻回しの先端88において露出したメインシート62に、巻回しの後端90におけるメインシート62が積層されている長さは、5mm以上10mm以下が好ましい。この長さが5mm以上に設定されることにより、メインシート62同士が十分に接合し、空気の漏れが効果的に防止される。一旦接合したメインシート62がその後の工程において剥がれることも、効果的に防止される。この製造方法では、生産性を損なうことなく、空気保持性能に優れる空気入りタイヤ14が得られる。この長さが10mm以下に設定されることにより、接合部分94による質量への影響が抑えられる。
図8−11には、本発明の他の実施形態に係るタイヤの製造の様子が示されている。図示されていないが、この製造方法により得られるタイヤは、図1に示されたタイヤ14と同等の構成を有している。この図8−11に示されているのは、インナーライナーの形成の様子である。
この製造方法では、成形工程において、インナーライナーは次のようにして形成される。主層のための第一ゴム組成物及びタイ層のための第二ゴム組成物が準備される。カレンダーロールを用いて第一ゴム組成物をシーティングして、メインシートが形成される。カレンダーロールを用いて第二ゴム組成物をシーティングして、タイシートが形成される。メインシートにタイシートを積層して、ロングシートが形成される。この製造方法では、メインシートはタイシートの幅と同等の幅を有している。したがって、このロングシートの第一縁及び第二縁のそれぞれにおいて、メインシートはタイシートから突出していない。このロングシートでは、メインシートの一面全体がタイシートで覆われている。
この製造方法では、図8に示されるように、ロングシート96は、カッター98を用いて、所定の長さで切断される。これにより、ショートシート100が形成される。前述したように、ロングシート96では、メインシートの一面全体がタイシートで覆われている。したがって、このロングシート96から得られるショートシート100においても、メインシートの一面全体がタイシートで覆われている。
図8において、左側は製造ラインの上流側であり、右側は製造ラインの下流側である。この製造方法では、ショートシート100は、切断面102を先頭にして、次工程に搬送される。なお、この製造方法では、ロングシート96の第一縁104又は第二縁106に対応するショートシート100の第一端108又は第二端110を先頭にして、このショートシート100が次工程に搬送されてもよい。
この製造方法では、図9に示されているように、ショートシート100は、フォーマー112のドラム114に供給され、このドラム114に巻回される。このドラム114において、ショートシート100は、その巻回しの先端116とその後端118とを接合して、筒状とされる。これにより、インナーライナーのための筒が形成される。前述したように、この製造方法では、ショートシート100は、切断面102を先頭にして、次工程に搬送される。したがって、この製造方法では、搬送の先頭側に位置する切断面102の側が巻回しの先端116である。
図10に示されているように、この製造方法では、ショートシート100の巻回しの先端116において、メインシート120を外側に、タイシート122を内側にしてショートシート100が折り返される。これにより、メインシート120の一部が露出させられる。つまりこの製造方法は、ショートシート100の巻回しの先端116において、メインシート120を外側にしてこのショートシート100を折り返して、このメインシート120の一部を露出する工程をさらに含んでいる。
図11には、筒124におけるショートシート100の接合部分126が示されている。この筒124の形成では、ショートシート100の巻回しの先端116において、メインシート120の一部が露出している。したがって、この接合部分126では、巻回しの後端118におけるメインシート120がこの露出したメインシート120に積層されている。この製造方法では、接合部分126においてメインシート120同士が十分に密着して繋げられる。したがって、この筒124より得られるインナーライナーでは、主層は周方向に途切れることなく連続している。
このようにこのタイヤ14の製造方法では、主層のためのメインシート120にタイ層のためのタイシート122が積層されたロングシート96を形成し、このロングシート96を切断することで、ショートシート100が準備される。このショートシート100を巻回して筒124を形成する際に、この巻回しの先端116において露出したメインシート120に、この巻回しの後端118におけるメインシート120が積層される。この製造方法により得られるタイヤのインナーライナーの接合部分では、主層同士が十分に密着する。主層同士が十分に密着した接合部分からは、空気は漏れにくい。本発明の製造方法によれば、空気保持性能に優れる空気入りタイヤが得られる。
この製造方法では、ショートシート100の巻回しの先端116において、メインシート120を外側にしてこのショートシート100を折り返してこのメインシート120の一部が露出させられる。そして、この露出したメインシート120に、巻回しの後端118におけるメインシート120が積層され、インナーライナーのための筒124が形成される。この製造方法では、巻回しの先端116において、メインシート120はタイシート122を剥がすことなく露出させられる。この露出は、容易である。しかも露出したメインシート120に巻回しの後端118におけるメインシート120が積層されるので、この製造方法では、メインシート120同士が剥がれることなく十分に密着する。この製造方法では、生産性を損なうことなく、主層同士が十分に密着した接合部分を有するインナーライナーが得られる。
図11において、両矢印Lbは、露出したメインシート120に、巻回しの後端118におけるメインシート120が積層されている長さを表している。本願において、この長さLbはオーバーラップ量とも称される。両矢印Waは、メインシート120を露出させるために折り返したショートシート100の長さを表している。本願において、この長さWaは折り返し幅とも称される。
この製造方法では、長さLbは7mm以上13mm以下が好ましい。この長さLbが7mm以上に設定されることにより、メインシート120同士が十分に接合し、空気の漏れが効果的に防止される。一旦接合したメインシート120がその後の工程において剥がれることも、効果的に防止される。この製造方法では、生産性を損なうことなく、空気保持性能に優れる空気入りタイヤが得られる。この長さLbが13mm以下に設定されることにより、接合部分126による質量への影響が抑えられる。
この製造方法では、巻回しの後端118が、折り返されたショートシート100から突出すると、この突出部分にエアが巻き込まれる恐れがある。エアの巻き込みはタイヤの品質に影響するため、この巻回しの後端118は、折り返されたショートシート100の端、すなわち切断面102と重ねられるか、このショートシート100の端、すなわち切断面面102よりも内側に配置させられるのが好ましい。換言すれば、長さLbの幅Waに対する比は1以下が好ましい。露出したメインシート120と後端118におけるメインシート120との十分な密着を確保するとともに、接合部分126による質量への影響が抑えられるとの観点から、この比は0.5以上が好ましい。
この製造方法では、折り返し幅Waは、ショートシート100の厚みとオーバーラップ量Lbとを考慮して決められるが、メインシート120同士の十分な接合が確保されうるとの観点から、7mm以上が好ましい。折り返し幅Waによる質量への影響が抑えられるとの観点から、26mm以下が好ましい。
図12−13には、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤの製造の様子が示されている。図示されていないが、この製造方法により得られるタイヤは、図1に示されたタイヤ14と同等の構成を有している。この図12−13に示されているのは、インナーライナーの形成の様子である。
この製造方法では、成形工程において、インナーライナーは次のようにして形成される。主層のための第一ゴム組成物及びタイ層のための第二ゴム組成物が準備される。カレンダーロールを用いて第一ゴム組成物をシーティングして、メインシートが形成される。カレンダーロールを用いて第二ゴム組成物をシーティングして、タイシートが形成される。メインシートにタイシートを積層して、ロングシートが形成される。この製造方法では、メインシートはタイシートの幅と同等の幅を有している。したがって、このロングシートの第一縁及び第二縁のそれぞれにおいて、メインシートはタイシートから突出していない。このロングシートでは、メインシートの一面全体がタイシートで覆われている。
この製造方法では、図12に示されるように、ロングシート128は、カッター130を用いて、所定の長さで切断される。これにより、ショートシートが形成される。この図12において、矢印Aで示された方向がロングシート128の搬送方向である。紙面の左側がこの製造ラインの上流側であり、右側はこの製造ラインの下流側である。
この製造方法では、カッター130は、ロングシート128に向かって動かされる。カッター130は、ロングシート128に進入し、このロングシート128を貫通する。これにより、ロングシート128は切断され、ショートシートが得られる。このショートシートは、切断面を先頭にして、次工程に搬送される。図12に示されているように、この製造方法では、カッター130は、ロングシート128の搬送方向、すなわち、ロングシート128の長さ方向に対して傾斜して、ロングシート128に進入させられる。これにより、搬送方向に対して斜めに傾斜した切断面が得られる。
この製造方法では、ショートシートは、フォーマーのドラムに供給され、このドラムに巻回される。このドラムにおいて、ショートシートは、その巻回しの先端とその後端とを接合して、筒状とされる。これにより、インナーライナーのための筒が形成される。前述したように、この製造方法では、ショートシートは、切断面を先頭にして、次工程に搬送される。したがって、この製造方法では、搬送の先頭側に位置する切断面が巻回しの先端である。
図13には、筒132におけるショートシート134の接合部分136が示されている。この図13では、ショートシート134をドラム140に巻回して形成された筒132の一部が示されている。
この製造方法では、ショートシート134の切断面140は搬送方向に対して斜めに傾斜している。特に、この製造方法では、巻回しの先端142となるショートシート134の切断面140において、タイシート144からメインシート146が突出し、メインシート146の一部が露出するように、ロングシート128は切断される。このため、図13に示されているように、ショートシート134の巻回しの先端142において、メインシート146の一部が露出している。この接合部分136では、巻回しの後端148の側におけるメインシート146がこの露出したメインシート146に積層されている。この製造方法では、接合部分136においてメインシート146同士が十分に密着して繋げられる。したがって、この筒132より得られるインナーライナーでは、主層は周方向に途切れることなく連続している。
このようにこのタイヤの製造方法では、主層のためのメインシート146にタイ層のためのタイシート144が積層されたロングシート128を形成し、このロングシート128を切断することで、ショートシート134が準備される。このショートシート134を巻回して筒132を形成する際に、この巻回しの先端142において露出したメインシート146に、この巻回しの後端148の側におけるメインシート146が積層される。この製造方法により得られるタイヤのインナーライナーの接合部分では、主層同士が十分に密着する。主層同士が十分に密着した接合部分からは、空気は漏れにくい。本発明の製造方法によれば、空気保持性能に優れる空気入りタイヤが得られる。
この製造方法では、搬送方向に対して斜めにカッター130をロングシート128に進入させてこのロングシート128を切断することで、ショートシート134の巻回しの先端142において、メインシート146の一部を露出させている。そして、この露出したメインシート146に、巻回しの後端148におけるメインシート146が積層され、インナーライナーのための筒132が形成される。この製造方法では、巻回しの先端142において、メインシート146はタイシート144を剥がすことなく露出させられる。この露出は、容易である。しかも露出したメインシート146に巻回しの後端148におけるメインシート146が積層されるので、この製造方法では、メインシート146同士が剥がれることなく十分に密着する。この製造方法では、生産性を損なうことなく、主層同士が十分に密着した接合部分を有するインナーライナーが得られる。
図12において、角度θはカッター130のロングシート128への進入角度である。この製造方法では、生産性を損なうことなく、主層同士が十分に密着した接合部分を有するインナーライナーが得られるとの観点から、この進入角度θは30°以上が好ましく、45°以下が好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実験1]
[実施例1]
図2−7に示された流れで、インナーライナーを形成し、図1に示されたタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、155/65R13である。主層、すなわち、メインシートの厚さtmは、0.8mmとされた。タイ層、すなわち、タイシートの厚さtiは、0.5mmとされた。
この実施例1では、切断面を先頭にして搬送していたショートシートは、その搬送の向きを変えて、このショートシートの第一端を先頭にしてフォーマーのドラムに供給された。ショートシートの搬送の向きが変えられたことが、表の回転の欄に、「Y」で表されている。
この実施例1のショートシートでは、その第一端においてメインシートは露出し、その第二端においてはメインシートは露出していない。なお、第一端においてタイシートから突出しているメインシートの長さL1は10mmとされた。
この実施例1における筒の接合部分では、メインシート同士が接合された。このことが、表の接合部分の構成の欄に、「M/M」で表されている。巻回しの先端において露出したメインシートに巻回しの後端におけるメインシートが積層されている長さは、10mmとされた。
[実施例2−4及び比較例1]
実施例2−4及び比較例1では、長さL1及び接合部分の長さを下記の表1の通りとした他は実施例1と同様にして、図1に示された構成を有するタイヤを製作した。製作したタイヤのサイズは、155/65R13である。なお、比較例1では、巻回しの先端におけるメインシートはタイシートから突出していない。このため、この比較例1における筒の接合部分では、巻回しの先端におけるタイシートに巻回しの後端におけるメインシートが積層されている。このことが、表の接合部分の構成の欄に、「T/M」で表されている。この比較例1のインナーライナーでは、主層は接合部分において途切れている。
[実施例5−8]
実施例5−8では、第一端及び第二端のそれぞれにおいて、メインシートをタイシートから突出させたショートシートを用いてインナーライナーを形成させた他は実施例1と同様にして、図1に示された構成を有するタイヤを製作した。製作したタイヤのサイズは、155/65R13である。各例の長さL1及び長さL2並びに接合部分の積層長さは、下記の表2の通りに設定された。
[内圧低下率]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを常温で2ヶ月間放置した。2ヶ月経過の時点で、内圧を計測し、内圧低下率を算出した。この算出結果が、下記の表1−2に示されている。この数値が小さいほど好ましい、つまり、内圧保持性能に優れる。
[転がり抵抗係数]
転がり抵抗試験機を用い、下記の測定条件で転がり抵抗係数(RRC)を測定した。
使用リム:15×6−J(アルミニウム合金製)
内圧:220kPa
荷重:4.6kN
速度:80km/h
この結果が、下記の表1−2に示されている。数値が小さいほど好ましい。
[生産性]
タイヤ1本を製作するのに要する時間を算出した。この算出結果の逆数に基づいて、生産性を評価した。この結果が、比較例1を100とした指数として、下記の表1−2に示されている。数値が大きいほど、好ましい。
表1−2に示されるように、実施例の製造方法では、比較例の製造方法に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
[実験2]
[実施例9]
図8−11に示された流れで、インナーライナーを形成し、図1に示されたタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、155/65R13である。主層、すなわち、メインシートの厚さtmは、0.8mmとされた。タイ層、すなわち、タイシートの厚さtiは、0.5mmとされた。
この実施例9のショートシートでは、巻回しの先端において、メインシートを外側にしてショートシートが折り返された。これにより、この先端において、メインシートが露出させられた。この折り返し幅Waは8.3mmとされた。
この実施例9における筒の接合部分では、メインシート同士が接合された。このことが、表の接合部分の構成の欄に、「M/M」で表されている。巻回しの先端において露出したメインシートに巻回しの後端におけるメインシートが積層されている長さ、すなわち、オーバーラップ量Lbは7.0mmとされた。したがって、折り返し幅Waに対するオーバーラップ量Lbの比(Lb/Wa)は、0.84であった。
[比較例2]
比較例2では、巻回しの先端においてショートシートを折り返さずに、後端におけるメインシートをこの先端に積層させた他は実施例9と同様にして、図1に示された基本構成を有するタイヤを製作した。製作したタイヤのサイズは、155/65R13である。
この比較例2における筒の接合部分では、巻回しの先端においてショートシートを折り返さずに、後端におけるメインシートを積層させている。このため、巻回しの先端におけるタイシートに巻回しの後端におけるメインシートが積層されている。このことが、表の接合部分の欄に、「T/M」で表されている。そして、この積層の長さが5.0mmとされたことが、表の長さLbの欄に記載されている。この比較例2のインナーライナーでは、主層は接合部分において途切れている。
[実施例10−13]
実施例10−13では、幅Wa、長さLb及び比(Lb/Wa)を下記の表3の通りとした他は実施例9と同様にして、図1に示された基本構成を有するタイヤを製作した。製作したタイヤのサイズは、155/65R13である。
[実施例14−18]
実施例14−18では、幅Waを変えて比(Lb/Wa)を下記の表4の通りとした他は実施例9と同様にして、図1に示された基本構成を有するタイヤを製作した。製作したタイヤのサイズは、155/65R13である。
[内圧低下率]
実験1と同様にして内圧低下率を算出した。この算出結果が、下記の表3−4に示されている。この数値が小さいほど好ましい、つまり、内圧保持性能に優れる。
[タイヤの質量]
タイヤの質量を計測した。この計測結果が、比較例2を100とした指数で、下記の表3−4に示されている。この数値が小さいほどタイヤの質量は小さい、つまり、軽量であることを表す。
表3−4に示されるように、実施例の製造方法では、比較例の製造方法に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。