JP6407053B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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一方、顔料の凝集を抑制しつつ分散させるための分散システムも多数提案されている。具体的には、顔料の過分散を抑制するメディアレス分散機が挙げられる(特許文献5)。
本発明は、上記課題を解決することを目的とする。すなわち、製造安定性に優れ、さらなる高着色力を達成できるトナーの製造方法に関する。
該顔料分散工程が、顔料、顔料分散剤及び有機溶媒を含む顔料分散液を得る工程であり
、
該顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red
122、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red
185、C.I.Pigment Red 258、C.I.Pigment Red
269、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.Pigment Yellow 120、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 155、C.I.Pigment Yellow 180及びC.I.Pigment Yellow
185からなる群より選ばれる1以上であって、
該顔料分散剤が、顔料に吸着する吸着基部位とポリマー部位とを有し、該吸着基部位が下記式(1)で表されることを特徴とするトナーの製造方法。
(i)Arが、アリール基の炭素原子に結合してなる、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基を有する。
(ii)R2〜R6のうちの少なくとも一つは、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基である。
該連結基ではないR2〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシ基、下記式(2−1)で表される基又は下記式(2−2)で表される基を表す。
但し、Ar及びR2〜R6は、下記(iii)及び(iv)の少なくとも一方の条件を満たす。
(iii)Arは、置換基として、下記式(2−1)で表される基又は下記式(2−2)で表される基を有する。
(iv)R2〜R6のうちの少なくとも一つは、下記式(2−1)で表される基又は下記式(2−2)で表される基である。]
れた顔料分散液の粘度低下効果が発現し、製造安定性が著しく向上することを見出し、本発明に至った。
本発明に係る顔料分散剤は、顔料に吸着する吸着基部位と、有機溶媒との親和性が高いポリマー部位から構成される。具体的には、下記式(1)によって吸着基部位は表される。
(i)Arが、アリール基の炭素原子に結合してなる、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基を有する。
(ii)R2〜R6のうちの少なくとも一つは、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基である。
該連結基ではないR2〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシ基、下記式(2−1)で表される基又は下記式(2−2)で表される基を表す。
(iii)Arは、置換基として、下記式(2−1)で表される基又は下記式(2−2)で表される基を有する。
(iv)R2〜R6のうちの少なくとも一つは、下記式(2−1)で表される基又は下記式(2−2)で表される基である。]
置を表し、R7は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルキルオキシカルボニル基又はアラルキルオキシカルボニル基を表し、A1は、酸素原子、硫黄原子又はNR8基を表し、R8は、水素原子、アルキルオキシカルボニル基又はアラルキルオキシカルボニル基を表す。]
また、前記式(1)は式(2−1)又は式(2−2)の置換基を有する。式(2−1)及び式(2−2)は強い水素結合性を有する。
以上のように吸着基部位がπ−π相互作用性と水素結合性を併せ持つ構造をとることで、様々な顔料に強力に吸着作用をおよぼすことが可能となった。
例えば、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red
185、C.I.Pigment Red 258、C.I.Pigment Red 269、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.Pigment Yellow 120、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 155、C.I.Pigment Yellow 180及びC.I.Pigment Yellow 185からなる群より選ばれる1以上の顔料に、式(1)の構造を含む顔料分散剤を加えて顔料分散体を製造した場合大きな減粘効果が発現し、トナー粒子の製造安定性が極めて良好になることを見出した。
上記式(1)を有する分散剤は、顔料に吸着して分散安定効果を発現する。特にポリマー部位を顔料分散液の有機溶媒との親和性が高いものにすることで、優れた分散安定効果が発現する。これは、該顔料分散剤のポリマー部位と有機溶媒との親和性が高いため、ポリマー部位が有機溶媒中へ高分子鎖を広げることで、立体障害が発現することに起因する。立体障害があることで、トナー粒子の製造工程中においても、顔料の強い凝集は抑制され、トナー粒子中に顔料が均一分散できるために、トナー粒子の着色力を向上できると考えている。
上記式(1)中のR1のアルキル基、又はフェニル基は、顔料への親和性を著しく阻害しない限りは更に置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基などのアルキル基等が挙げられる。上記式(1
)中のR1は、上記の中でも顔料への親和性の観点からメチル基であることが好ましい。
上記式(1)中のR2〜R6は、上記の中でも顔料への親和性の観点から、R2〜R6のうちの少なくとも一つがポリマー部位との結合部を構成する連結基であることが好ましい。
なお、本発明において、ハロゲンは第17族元素であり、例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
製造容易性の観点からは、R2〜R6のうちの少なくとも一つが該連結基であり、該連結基ではないR2〜R6がいずれも水素原子であることがより好ましい。
上記式(1)中のArは、顔料への親和性を著しく阻害しない限りは、連結基以外に、更に置換基を有していてもよい。この場合、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシ基、上記式(2−1)で表される基、及び、上記式(2−2)で表される基が挙げられる。
その中でも、顔料への親和性の観点から、上記式(1)中のArは、置換基として、上記式(2−1)で表される基又は上記式(2−2)で表される基を有することが好ましい。さらに、製造容易性の観点から、Arが置換基として、上記式(2−1)で表される基又は上記式(2−2)で表される基のみを有することがより好ましい。
上記式(1)中のArは、上記の中でも顔料への親和性及び製造容易性の観点から、フェニル基であることが好ましい。
上記式(2−1)中のR7におけるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、及びフェネチル基が挙げられる。
上記式(2−1)中のR7におけるアルキルオキシカルボニル基(−C(=O)−O−Alkyl)としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基が挙げられる。
上記式(2−1)中のR7におけるアルキル基、アラルキル基、アルキルオキシカルボニル基、及びアラルキルオキシカルボニル基は、顔料への親和性を著しく阻害しない限りは更に置換基により置換されていてもよい。この場合、置換してもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
上記式(2−1)中のR8及び上記式(2−2)中のR9におけるアルキルオキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、
n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基が挙げられる。
上記式(2−1)中のR8及び上記式(2−2)中のR9におけるアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、及びアラルキルオキシカルボニル基は、平面性を損なわず顔料への親和性を著しく阻害しない限りは更に置換基により置換されていてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
R=Mn/N …(3)
指標Rは、高分子部位に導入する連結基の量により制御することができる。
該吸着基部位が下記式(4)で表される構造であることが好ましい。
より好ましくは下記式(5)で表される構造である。
上記Lで表される連結基は、二価の連結基であれば特に限定されるものではないが、例えば、カルボン酸エステル結合を有する連結基、スルホン酸エステル結合を有する連結基、又はカルボン酸アミド結合を有する連結基が挙げられる。製造容易性の観点から、カルボン酸エステル結合、又はカルボン酸アミド結合を有する連結基が好ましい。
具体的には下記式(L1)又は(L2)で表される連結基であることが特に好ましい。
上記連結基は該吸着基部位の平面性を損なわず、且つ合成の容易性から好ましい。
メディア型分散機としては、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミルが挙げられる。このうち、コボールミル(神鋼パンテックス社製)、ダイノーミル(シンマルエンタープライズ社製)、アペックスミル(コトブキ技研工業製)、連続アトライター及びハンディミル(三井鉱山製)などが好ましい。
メディアレス型分散機としては、T.K.フィルミックス、T.K.パウダーフィルミックス(特殊機化工業社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、及びSS5(エム・テクニック社製)のような分散混合機を挙げることができる。
顔料の過分散なく増粘を抑制し、より優れたトナー粒子の製造安定性と着色力を得るために、メディアレス型分散機を用いることが好ましい。
該分散機は、環状に配置された複数の突起を有する回転子及び環状に配置された複数の突起を有する固定子を有し、
該回転子及び該固定子は、該複数の突起間にスリットを有し、かつ該複数の突起により形成される環が同心円上に多段に形成されており、
該分散機は、該回転子と該固定子とが一定の間隔を保ち、相互に噛み合うように同軸上に設置された分散機であり、
回転子の外周部の周速30m/s以上70m/s以下の範囲で回転する該回転子と該固定子の間隙に、顔料分散液を遠心方向に通過させることによって、該顔料分散液を分散させる工程であることが好ましい。
また、図5、図6は、それぞれ、分散機の回転子の斜視図、固定子の斜視図を示す。
溶媒を含む組成物は、循環ポンプ10を介して、分散機入口より供給され、分散機においては、ケーシング2の内部に具備された、回転子25と固定子21のスリットを通過し、遠心方向(回転子又は固定子の回転軸から外周に向かう方向)に排出される。分散機内を上記組成物が通過する際、回転子、固定子のスリットのずれにより生じる遠心方向への圧縮、吐出による衝撃と回転子、固定子間のせん断による衝撃により、上記組成物の粒子が分散される。本発明で用いられる回転子と固定子の形状は、複数のスリットを具備するリング状の突起が同心円上に多段に形成された形状であり、回転子と固定子とが一定の間隔を保ち、相互に噛み合うように同軸上に設置されていることが好ましい。
また、本発明においては、回転子の外周部の周速を30m/s以上70m/s以下で回転させ顔料分散液を分散させることが好ましい。30〜70m/sであれば、回転子及び固定子のスリットのずれにより生じる上記組成物の遠心方向への圧縮、吐出による衝撃と回転子、固定子間のせん断による衝撃が増し、顔料粒子の高度な分散が達成される。これにより、トナー粒子中の顔料粒子の分散がより微細かつ均質となり、画像濃度等の画像特性がより良好なトナー粒子を得ることが可能となる。そのため、周速は30m/s以上70m/s以下であることが好ましい。該周速はより好ましくは、40m/s以上70m/s以下である。
また、上記所定時間について、トナーの処方や、ホールディングタンクへの仕込みの量に応じて好ましい所定時間は変化するが、この所定時間は顔料粒子の分散状態を指標に調節することが可能である。
そのため、顔料分散剤の添加量は、顔料に対して1.0質量%以上30質量%以下が好ましく、より好ましくは5.0質量%以上20質量%以下である。
例えば、結着樹脂を得るための重合性単量体と、顔料分散液及び必要に応じて離型剤等を含む溶液とを水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;顔料分散液を含む各種トナー構成材料を混練、粉砕、分級する混練粉砕法;結着樹脂を乳化して分散した分散液と、顔料分散液と、必要に応じて離型剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化凝集法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、顔
料分散液と、必要に応じて離型剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂と、顔料分散液と、必要に応じて離型剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等が使用できる。
さらに好ましくは、該顔料分散液中の該有機溶媒が重合性単量体であって、該液滴中の重合性単量体を重合することによりトナー粒子を得ることを特徴とする製造方法が好ましい。
単官能性重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、及び、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体類;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、及び、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、及び、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体類;が挙げられる。
顔料分散剤のポリマー部位について、特に限定されるものではないが、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記ポリマー部位は、主鎖又は末端にカルボキシ基を有していてもよい。当該カルボキシ基を介して、吸着基部位と結合することもできる。この場合、該カルボキシル基と、式(1)で表される吸着基部位のR2〜R6及びArに相当する位置に導入したヒドロキシ基又はアミノ基の少なくとも一つと、が重縮合することで、該ポリマー部位と吸着基部位とがカルボン酸エステル結合又はカルボン酸アミド結合を介して結合することができる。また、前記ポリマー部位がヒドロキシ基を有していてもよく、この場合、同様にカルボン酸エステル結合を介して該吸着基部位のカルボキシ基と結合することができる。
樹脂の設計、合成の容易性及び汎用性などの観点から、ビニル系樹脂であることが好ましく、より好ましくはスチレン系ビニル樹脂である。
スチレン系ビニル樹脂を構成する重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を用いることが可能である。ビニル系重合性単量体としては、前述した単官能性重合性単量体及び多官能性重合性単量体を用いることができる。
酸価を有する重合性単量体が1モル%以上であれば、吸着部位との反応性が確保できるので、顔料分散剤のポリマーに対して均一に導入できる。酸価を有する重合性単量体が20モル%以下であれば、余剰なカルボキシ基によるトナー粒子の帯電性への影響が軽減できる。
次に本発明の顔料分散剤の製造方法について詳述する。上記顔料分散剤は、従来公知の方法に従って合成することができる。
下記に、具体的な合成例を示すが他の合成方法により、本発明の顔料分散剤を得ることが可能である。
具体的には、下記スキームを一例に従って得ることが可能である。
上記に例示した方法(i)のスキームでは、下記工程1〜4を経ることによって、上記式(1)で表される顔料分散剤を合成することができる。工程1では、式(6)で表されるニトロアニリン誘導体と式(7)で表されるアセト酢酸類縁体をアミド化し、アシルアセトアニリド類縁体である中間体(8)を合成する。工程2では、中間体(8)とアニリン誘導体(9)をジアゾカップリングさせ、アゾ化合物(10)を合成する。工程3では、アゾ化合物(10)中のニトロ基を還元し、アゾ化合物(11)を合成する。工程4では、アゾ化合物(11)とポリマー部位Pを縮合反応等により結合させる。
<顔料分散剤の組成分析>
本発明における顔料分散剤の構造決定は以下の装置を用いて行った。
ブルカー社製FT−NMR AVANCE−600(使用溶剤:重クロロホルム)
なお、13C−NMRはクロム(III)アセチルアセトナートを緩和試薬として用いた逆ゲートデカップリング法により定量化し組成分析を行った。顔料分散剤中の吸着基部位の平均の個数Nは、後述する数平均分子量Mnの分子量を持つ分子中に、組成分析結果の組成で均一に導入されているとして算出した。
本発明において数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によってポリスチレン換算で算出される。SECによる分子量の測定は以下に示すように行う。
サンプル濃度が1.0%になるようにサンプルをテトラヒドロフラン(THF)に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブレンフィルターで濾過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−804の2連
溶離液:THF
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.025ml
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂[東ソー(株)製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500]により作成した分子量校正曲線を使用する。
液温が30±1℃に調整された着色剤分散液を、ビスコテ−ターVT550(HAAKE社製)を用いて下記の条件下で測定を行った。
センサー:MV−DIN
せん断速度:1.29(1/s)、4.09(1/s)、12.9(1/S)、40.9(1/s)、129(1/s)
測定時間:30sec×5step
なお、せん断速度:12.9(1/s)で30sec経過した時点の測定値を、顔料分散体の粘度とした。
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気
的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
先ず、酢酸140部にm−ニトロアニリン25.0部、ジケテン15.4部、及びアセトン15.0部を加え、65℃で3時間撹拌した。反応終了後、水1200部に注ぎ込んだ後、濾過により化合物(1)38.4部を得た(収率96.0%)。
次に、5−アミノ−2−ベンズイミダゾリノン15.0部に、N,N−ジメチルホルムアミド142部、濃塩酸30.8部を加えて5℃以下に氷冷した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム7.25部を水50.0部に溶解させたもの加えて同温度で1時間撹拌した(ジアゾニウム塩溶液)。N,N−ジメチルホルムアミド142部に、化合物(1)21.9部、炭酸カルシウム68.4部を加えて、5℃以下に氷冷し、上記ジアゾニウム塩溶液を加え、5℃以下で3時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、溶媒を減圧留去した。析出した沈殿を、希塩酸、水、メタノールで洗浄することで、化合物(2)36.0部を得た(収率94.3%)。
得られた化合物(2)を1,4−ジオキサン203部に加え、室温下、水硫化ナトリウム12.4部を水80部に溶解させた溶液を滴下した。滴下後、溶液を昇温し、50℃で26時間撹拌した。反応終了後、反応液を水中に注ぎ込み、析出した沈殿を濾別し、希塩酸、水、メタノールで洗浄することで吸着基前駆体1(化合物(3))10.0部を得た(収率50.6%)。吸着基前駆体1の構造について表1に示す。
吸着基前駆体1の製造例で、表1の構造となるように用いる化合物を変更した以外は吸着基前駆体1と同様にして、吸着基前駆体2〜5(化合物(4)〜(7))を得た。吸着基前駆体2〜5(化合物(4)〜(7))の構造について表1に示す。表中R1〜R6及びArは前記式(1)中の置換基を示し、該ArにおけるR10〜R14は、前記式(4)のR10〜R14に対応する。なお、Arはフェニルとなる。
プロピレングリコールモノメチルエーテル100部を窒素置換しながら加熱し液温120℃以上で還流させ、そこへ、スチレン52.0部、アクリル酸ステアリル9.0部、アクリル酸2.0部、及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート[有機過酸化物系重合開始剤、日油(株)製、商品名:パーブチルZ]1.00部を混合したものを3時間かけて滴下した。滴下終了後、溶液を3時間撹拌した後、液温170℃まで昇温しながら常圧蒸留し、液温170℃到達後は1hPaで減圧下1時間蒸留して脱溶剤し、樹脂固形物を得た。該固形物をテトラヒドロフランに溶解し、n−ヘキサンでの再沈殿による精製で化合物(P−1)62.2部を得た。
得られた化合物(P−1)10.0部をクロロホルム100部に溶解して、塩化チオニル2.06部を滴下して室温で24時間撹拌を行った。その後、反応液を濃縮して、クロロホルムと過剰の塩化チオニルを除去し、得られた樹脂固形物を回収して、N,N−ジメチルアセトアミド61.1部に再度溶解させ、吸着基前駆体1(化合物(3))を1.71部加えて窒素雰囲気下65℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を濃縮した後、メタノールで再沈殿させることで顔料分散剤1(化合物(8))を9.87部得た。
なお、得られた顔料分散剤1(化合物(8))の分子量測定の結果は、数平均分子量10,000、重量平均分子量29,000であり、13C−NMRの測定結果より、一分子当りの平均吸着基部位数は4.1個であった。
顔料分散剤1(化合物(8))の組成について表2に示す。
顔料分散剤1の製造例で、表3の組成となるように変更した以外は顔料分散剤1と同様にして、顔料分散剤2〜17(化合物(9)〜(24))を得た。顔料分散剤2〜17(化合物(9)〜(24))の組成について表2に示す。
図1の分散システムにおいて、ホールディングタンク内に、
・イエロー顔料 400重量部
C.I.Pigment Yellow 155
(Toner Yellow 3GP:クラリアント社製)
・スチレンモノマー 3600質量部
・顔料分散剤1 40重量部
を導入し、撹拌を行いながら、イエロー顔料を含有している単量体組成物を調製した。その際、ジャケットに冷却水を導入・排出することにより、単量体組成物の液温を17℃に調整した。調製された単量体組成物を循環ポンプにより分散機1に導入した。
分散機Bの内部設定・分散条件は、以下のように設定した。
回転子及び固定子の最外殻スリット幅:0.4mm
分散機背圧:0.5MPa
回転子の外周部の周速:40m/s
流量:10リットル/min
タンク、分散機間流速:0.8m/s
分散時間:180min
上記の条件で分散を行い、Ye顔料分散液1を作製した。Ye顔料分散液1の調製条件及び分散液粘度を表3に示す。
Ye顔料分散液1の調製工程で、図1の分散システムにおいて、図2〜図6で表される分散機を、ハンディーミル(三井鉱山社製)にし、ハンディミルの運転条件を下記通りにした以外は同様にして、Ye顔料分散液19を得た。
主撹拌部材周速:13m/s
メディア径:0.30mm(ジルコニアビーズ)
メディア粒子分離セパレータスリット幅:2.00mm
メディア粒子分離セパレータ開口幅:0.180mm
メディア粒子分離セパレータ開口率:8.3%
開口率/メディア粒子径:28
メディア充填率:60%
流量:10リットル/min
液温:17.0℃
分散時間:180min
Ye顔料分散液1又はYe顔料分散液19の調製工程において、表3のように分散処方及び装置条件を変更した以外は同様にして、Ye顔料分散液2〜18、Ye顔料分散液20〜44、Mg顔料分散液1〜6、比較用Ye顔料分散液1〜4、比較用Mg顔料分散液1〜4を調製した。
[イエロー(Ye)トナー粒子1の製造]
・イエロー(Ye)顔料分散液1 300質量部
・スチレンモノマー 30質量部
・アクリル酸−n−ブチル 95質量部
・離型剤 35質量部
(フィシャートロプシュワックス HNP−9:日本精蝋社製)
・荷電制御剤 3質量部
(ボントロンE88:オリヱント化学工業社製)
上記材料を混合して65℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて60分間均一に溶解し分散し、トナー組成物溶解液を得た。
次に、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットルの四つ口フラスコ中に、イオン交換水750部に0.1M−Na3PO4水溶液450部を投入後、TK式ホモミキサーを15,000rpmに調整して60℃に加温した。その後、1.0M−CaCl2水溶液95部を徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
次に、トナー組成物溶解液へ重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液39.5部を溶解し、十分に混合したのち上記水系媒体へ投入した。これを、温度65℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて15,000rpmで10分間撹拌して重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度75℃に昇温し、5時間重合を行った。その後、昇温速度1℃/min.で85℃に昇温し1時間反応させ重合反応を終了した。次いで、減圧下で残存溶媒を留去し、水系媒体を冷却しYeトナー粒子分散液1を得た。
次いでYeトナー粒子分散液1に塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。これを加圧濾過器にて、0.4Mpaの圧力下で固液分離を行い、トナーケーキを得た。次に、イオン交換水を加圧濾過器に満水になるまで加え、0.4Mpaの圧力で洗浄した。この洗浄操作を、三度繰り返したのち乾燥し、Yeトナー粒子1を得た。この得られたトナー粒子に対して下記評価基準に基づき製造安定性評価及び画像濃度評価を行った。
製造安定性はトナー粒子分散液をコールターマルチサイザーで測定された、重量平均粒子径(D4)と個数平均粒子径(D1)の比であるD4/D1で評価した。
A:D4/D1が1.15未満であり、製造安定性に非常に優れている。
B:D4/D1が1.15以上1.25未満であり、製造安定性に優れている。
C:D4/D1が1.25以上1.35未満であり、製造安定性に課題が無い。
D:D4/D1が1.35以上であり、製造安定性に課題がある。
トナー粒子100質量部に、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体を1.5質量部(数平均一次粒子径:10nm)添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で300秒間混合処理を行い、トナーを得た。
市販のカラーレーザープリンタSatera LBP7700C(キヤノン(株)社製)用のカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、試験トナー(150g)を充填した。また、Satera LBP7700C(キヤノン(株)社製)を一部改造し、定着機を外して未定着画像を出力できるように変更し、コントローラーにより画像濃度を調節可能にした。さらに、一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改造した。上記カートリッジをプリンターに装着し、トナー載り量が0.30mg/cm2となるようにコントローラーを設定して、転写材中央に6.5cm×14.0cmの長方形のベタ画像の出力を行い評価画像とした。転写材は、A4サイズのCS−680(キヤノン社製、68.0g/m2)を用いた。
次いで、評価画像中の画像濃度を測定して着色力を評価した。なお、画像濃度の測定にはX−Riteカラー反射濃度計(color reflection densitometer X−Rite404A)を用いて測定した。原稿濃度が0.00の白下地部分
とベタ画像部の相対濃度を測定し、ベタ画像部の右上、左上、中央、右下、左下の5点の
濃度を測定し、平均値を画像濃度として評価した。評価基準は以下の通りである。
A:画像濃度が1.40以上
B:画像濃度が1.30以上1.40未満
C:画像濃度が1.20以上1.30未満
D:画像濃度が1.20未満
Yeトナー粒子1の評価結果を表4に示す。
表4のように顔料分散液を変更した以外は同様にして、Yeトナー粒子2〜42、及び比較Yeトナー粒子1〜4を製造し、評価を行った。評価結果を表4に示す。
・Ye顔料分散液43 300質量部
・スチレンアクリル樹脂A 25質量部
(スチレン:アクリル酸:アクリル酸−n−ブチル=85:5:20の共重合体、数平均分子量Mn:8500、重量平均分子量Mw:24000)
・スチレンアクリル樹脂B 100質量部
(スチレン:アクリル酸:アクリル酸−n−ブチル=70:20:10の共重合体、数平均分子量Mn:6800、重量平均分子量Mw:18000)
・離型剤 35質量部
(フィシャートロプシュワックス HNP−9:日本精蝋社製)
上記材料を混合して65℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて60分間均一に溶解し分散し、トナー組成物溶解液を得た。
次に、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットルの四つ口フラスコ中に、イオン交換水750部に0.1M−Na3PO4水溶液450部を投入後、TK式ホモミキサーを15,000rpmに調整して60℃に加温した。その後、1.0M−CaCl2水溶液95部を徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
これを、温度65℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて15,000rpmで10分間撹拌してトナー組成物溶解液を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度75℃に昇温し、5時間重合を行った。その後、昇温速度1℃/min.で85℃に昇温し1時間反応させ重合反応を終了した。次いで、減圧下で残存溶媒を留去し、水系媒体を冷却しYeトナー粒子分散液43を得た。
次いでYeトナー粒子分散液1に塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。これを加圧濾過器にて、0.4Mpaの圧力下で固液分離を行い、トナーケーキを得た。次に、イオン交換水を加圧濾過器に満水になるまで加え、0.4Mpaの圧力で洗浄した。この洗浄操作を、三度繰り返したのち乾燥し、Yeトナー粒子43を得た。この得られたトナー粒子に対して実施例1と同様の評価基準に基づき製造安定性評価及び画像濃度評価を行った。Yeトナー粒子43を製造し評価した。Yeトナー粒子43の評価結果を表4に示す。
実施例43において、Ye顔料分散液43をYe顔料分散液44にした以外は同様にして、Yeトナー粒子44を製造し評価した。Yeトナー粒子44の評価結果を表4に示す。
実施例1で、Yeトナー粒子1の製造のトナー組成物溶解液を下記組成に変更した以外は同様にしてマゼンタ(Mg)トナー粒子を製造して評価した。
・Mg顔料分散液1 210質量部
・スチレンモノマー 120質量部
・アクリル酸−n−ブチル 95質量部
・離型剤 35質量部
(フィシャートロプシュワックス HNP−9:日本精蝋社製)
・荷電制御剤 3質量部
(ボントロンE88:オリヱント化学工業社製)
評価結果を表4に示す。
表4のように顔料分散液を変更した以外は同様にして、Mgトナー粒子2〜6、及び比較用Mgトナー粒子1〜4を製造し、評価を行った。評価結果を表4に示す。
、19:バルブ、20:三方バルブ、21:固定子、22:固定子突起、23:固定子円周溝、24:固定子突起間スリット、25:回転子、26:回転子円周溝、27:回転子突起間スリット、28:回転子突起、29:処理液入口、30:駆動軸
Claims (6)
- 顔料分散工程を含むトナーの製造方法であって、
該顔料分散工程が、顔料、顔料分散剤及び有機溶媒を含む顔料分散液を得る工程であり、
該顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red
122、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red
185、C.I.Pigment Red 258、C.I.Pigment Red
269、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.Pigment Yellow 120、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 155、C.I.Pigment Yellow 180及びC.I.Pigment Yellow
185からなる群より選ばれる1以上であり、
該顔料分散剤が、顔料に吸着する吸着基部位とポリマー部位とを有し、
該吸着基部位が下記式(1)で表されることを特徴とするトナーの製造方法。
(i)Arが、アリール基の炭素原子に結合してなる、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基を有する。
(ii)R2〜R6のうちの少なくとも一つは、該ポリマー部位との結合部を構成する連結基である。
該連結基ではないR2〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシ基、下記式(2−1)で表される基又は下記式(2−2)で表される基を表す。
但し、Ar及びR2〜R6は、下記(iii)及び(iv)の少なくとも一方の条件を満たす。
(iii)Arは、置換基として、下記式(2−1)で表される基又は下記式(2−2)で表される基を有する。
(iv)R2〜R6のうちの少なくとも一つは、下記式(2−1)で表される基又は下記式(2−2)で表される基である。]
- 該顔料分散剤のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて測定された数平均分子量をMnとし、該顔料分散剤1分子当りの該吸着基部位の平均の個数をNとしたとき、下記式(3)で表される指標Rが1000以上8000以下である請求項1に記載のトナーの製造方法。
R=Mn/N …(3) - 該顔料分散剤のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて測定された数平均分子量Mnが、3000以上50000以下である請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
- 該顔料分散工程が、分散機を用いて該顔料、該顔料分散剤及び該有機溶媒を含む該顔料分散液を得る工程を有し、
該分散機は、環状に配置された複数の突起を有する回転子及び環状に配置された複数の突起を有する固定子を有し、
該回転子及び該固定子は、該複数の突起間にスリットを有し、かつ該複数の突起により形成される環が同心円上に多段に形成されており、
該分散機は、該回転子と該固定子とが一定の間隔を保ち、相互に噛み合うように同軸上に設置されたものであり、
該回転子の外周部の周速30m/s以上70m/s以下の範囲で回転する該回転子と該固定子の間隙に、該顔料分散液を遠心方向に通過させ、該顔料分散液を得る請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。 - 顔料分散工程で得られた、該顔料、顔料分散剤及び有機溶媒を含有する顔料分散液を含有する組成物を水系媒体中で造粒し、液滴を形成する工程を有し、
該顔料分散液中の該有機溶媒が重合性単量体であり、
該液滴中の重合性単量体を重合することによりトナー粒子を得る請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
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