JP6405553B2 - 不導態形成性の軽金属上への導電性皮膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、不導態を形成し易いアルミニウム、マグネシウムなどの特定の軽金属上に導電性皮膜を形成する方法に関して、メッキ皮膜の形成が困難な上記軽金属上に高い密着力で銅、銀、スズなどの導電性皮膜を良好に形成できるものを提供する。
アルミニウム、マグネシウム、チタンのような特定の軽金属は大気中で強固な酸化皮膜を容易に形成して不導態となるため、これらの軽金属の表面に銅、銀、スズなどの導電性皮膜を形成しようとしても、メッキなどによる表面処理は困難であり、たとえ、メッキ皮膜を形成できたとしても上記軽金属との間で良好な密着性を確保することは難しい。
そこで、従来では、ダブルジンケート法、陽極酸化法、反転電解活性化法などにより、上記軽金属を表面処理した後に電気メッキなどで導電性皮膜を形成していたが、特に、亜鉛とアルミニウムの置換反応を利用する上記ダブルジンケート法では、最初に形成した亜鉛皮膜の粒子が大きいために、これを一度剥離して再度亜鉛粒子により皮膜形成するため、処理が煩雑で生産性が良くないうえ、処理表面が相対的に粗く、続く電気メッキで平滑な皮膜を形成することが難しいという問題があった。
そこで、アルミニウムなどの不導態を形成し易い軽金属に導電性皮膜を形成する場合、従来では、予め表面にアルカリ脱脂などを施し、ニッケル系皮膜を形成するなどの表面処理をした後に、銅、銀、スズなどの導電性皮膜を形成することが行われていた。
その従来技術を示すと次の通りである。
(1)特許文献1
アルミニウム又はアルミニウム合金に、リン酸と所定のニッケル塩(炭酸ニッケル、クエン酸ニッケルなど)を含む処理浴中で交流電解処理を施して、微細凹凸構造の酸化皮膜の形成と粒子状ニッケルの電解析出とを同時に行う第一工程と、その後に銅、ニッケルなどの無電解又は電解メッキを施す第二工程からなるアルミニウム材へのメッキ方法である(請求項1、段落14〜15、段落44)。
上記第一工程では、酸化皮膜内部までニッケル金属が入り込んで一定膜厚の陽極酸化皮膜が形成された後、その表面に粒子状ニッケル皮膜が均一に被覆する(段落14)。
第一工程の処理液の実施例5(段落31)ではニッケル塩と、リン酸と、マロン酸(ジカルボン酸)が含まれ、実施例8(段落42)ではクエン酸ニッケルと、リン酸が含まれる。
(2)特許文献2
メッキ皮膜に対するクラック発生の防止などを目的として(段落8)、アルミニウム又はアルミニウム合金上の酸化皮膜を酸性又はアルカリ性除去した後(段落9〜26)、第1の無電解ニッケル−リンメッキ液で無電解メッキ皮膜を形成する工程と、第2の無電解ニッケル−リンメッキ液で無電解メッキ皮膜を形成する工程からなるアルミニウム材の表面処理方法(請求項1、段落9)であり、当該処理を経て導電性皮膜が形成される。
上記第1の無電解ニッケル−リンメッキ液はニッケル塩と、次亜リン酸又はその塩と、アミノカルボン酸以外のカルボン酸(クエン酸、酢酸、コハク酸、リンゴ酸、これらの塩、段落36)を含み、上記第2の無電解ニッケル−リンメッキ液はニッケル塩と、次亜リン酸又はその塩と、アミノカルボン酸(グリシン、アラニン、ロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸)又はその塩を含み、アミノカルボン酸以外のカルボン酸を含まない。
実施例1では、アルミニウム層を被覆したシリコン板に、2段階の無電解ニッケル−リンメッキをした後、無電解メッキにより金皮膜を被覆している(表1)。
(3)特許文献3
アルミニウムまたはアルミニウム合金成形品の少なくとも一方の表面上に、硫酸と、ニッケル塩(又は鉄塩、コバルト塩)を含む前処理液中でカソード活性化により前処理する工程と、前処理された基材に電気めっきにより金属層(ニッケル、鉄、コバルト及びこれらの合金)を施す工程からなる表面処理方法である(請求項1〜2)。
上記カソード活性処理では、アルミニウム材表面の薄い酸化アルミニウム皮膜を通してニッケル核が形成され、例えば、その後の電気メッキでニッケル皮膜を形成する場合、このニッケル核がアンカー点となり、アルミニウム材表面とニッケル皮膜を結ぶ薄い結合層の役割りを果たす(段階12)。
また、上記カソード活性処理に用いる前処理液について、含有する緩衝剤の好ましい例としてホウ酸を挙げている(請求項3〜4、段落13)。
(4)特許文献4
アルミニウム合金、チタン合金、マグネシウム合金などの基材の水素脆性を抑制するため(段落13、24)、当該基材にニッケル・リン合金(又はニッケル、他のニッケル合金)の下地皮膜を3〜10μmの膜厚で形成し、下地皮膜上に亜鉛、スズ、銅、銀、クロムなどから選ばれた上層メッキ皮膜を形成したメッキ製品である(請求項1、2)。
例えば、実施例3(段落58、55)はアルミニウム材でなく炭素鋼を基材とし、当該基材に無電解ニッケル・リン合金メッキにより下地皮膜を形成した例であり、メッキ浴の組成は硫酸ニッケル、次亜リン酸塩、乳酸、プロピオン酸である(段落56)。
(5)特許文献5
アルミニウム材(純アルミニウム、アルミニウム合金)上に粗化ニッケルメッキ層を電気メッキで形成し、その上にスズ、銀、金から選ばれた導電メッキ層を形成する導電部材の製造方法である(請求項1、4)。アルミニウム素材には予備処理としてダブル・ジンケート処理(一次ジンケート処理、亜鉛剥離処理、二次ジンケート処理)を施すことができる(請求項4)。また、粗化ニッケルメッキ処理の後で、導電層のメッキ前に、予備処理としてニッケルメッキ処理を施すことができる(請求項5)。
粗化処理用の電気ニッケルメッキ浴は、ニッケル塩と、陽極溶解促進剤(塩化ニッケル、塩酸など)と、pH緩衝剤(ホウ酸)を主成分として、光沢剤、ピット防止剤(アニオン性界面活性剤)などの添加剤を含有できる(段落84〜87)。
尚、実施例1〜4の基材は銅板であり、実施例1(段落123)のニッケルメッキ浴の組成は、ニッケル塩、ホウ酸、塩化カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(アニオン性界面活性剤)である。
(6)特許文献6
ニッケルメッキ液中に難溶性のリン、リン化合物を懸濁させて、アルミニウム、チタン銅、ステンレスなどの金属表面にメッキを行い、ニッケル皮膜中にリンの微粒子を取り込んだ複合皮膜を作成する方法である(請求項1〜8、段落5、9)。
実施例1(段落10)では、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸を含有するニッケルメッキ浴に、2〜3μmの赤リン粒子を添加して、ステンレス板に電気メッキを行い、ニッケル−リン複合皮膜を形成する。
(7)特許文献7
金属材、特にアルミニウム材の表面に、シアン化銅メッキ皮膜と光沢硫酸銅メッキ皮膜を積層した後、高濃度のリンを含むニッケル−リン皮膜を形成する高耐食性ニッケル系複合皮膜である(請求項1、表1)。従って、下地皮膜が銅メッキ皮膜であり、上層皮膜がニッケル−リン皮膜であるため、アルミニウム材に接する下地皮膜はニッケル−リン皮膜ではない。
上記高濃度のリンを含むニッケル−リン皮膜を形成するためのメッキ液の組成は、ニッケル塩と、次亜リン酸塩と、オキシカルボン酸(リンゴ酸、乳酸)と、界面活性剤(詳細は不明)からなる(表5)。
(8)特許文献8
アルミニウム材(純アルミニウム、アルミニウム合金)上にニッケルメッキ層を形成し、その上にスズメッキ層を形成し、リフロー処理により両界面にスズ−ニッケル層(粒状体からなる;請求項6)を形成したコネクタメッキ端子である(請求項1)。
スズ−ニッケル層を界面に形成するため、板状のスズ−ニッケル合金がスズの最表面に向って成長するのを抑制し、また、ニッケル層を介してスズ層をアルミニウム母材に密着良く形成できる。
実施例1〜4では、ニッケルメッキ液の組成の開示はない。実施例1では、アルミニウム母材に無電解メッキで亜鉛層を0.05μm形成してから、電気メッキでニッケル皮膜を形成している。
(9)特許文献9
マグネシウム合金素材上にニッケル・リン合金皮膜(又はニッケル皮膜、或は無機微粒子を含むニッケル複合皮膜)を形成し、これに不活性ガス又は還元ガス雰囲気中で所定温度、所定時間の光輝加熱処理を施すマグネシウム合金素材の表面処理方法であり、上記光輝加熱処理により、マグネシウム合金素材とニッケル・リン皮膜との密着性が改善し、耐摩耗性、耐熱性が向上する(請求項1、段落9〜10)。
上記ニッケル・リンメッキ浴の組成は、スルファミン酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸、次亜リン酸塩である(実施例2〜3、段落13)。
(10)特許文献10
アルミニウムダイカスト素材の表面に、半光沢ニッケルメッキ層と硫酸銅メッキ層を順次交互に積層して下地メッキ層を形成し(実施例では、ニッケル/銅/ニッケルの3層)、下地メッキ層の上にニッケルメッキ層とクロムメッキ層を順次積層する(請求項1)。
アルミニウム材の表面には先ず半光沢ニッケルメッキ浴(弱酸性)にて皮膜を形成するため、アルミニウムが侵食されることはなく、硫酸銅メッキにより被覆性と平滑性は担保される(段落27)。
上記ニッケル皮膜は公知のニッケルメッキ浴で形成され、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸、添加剤(各種光沢剤で詳細は不明)を含有する(段落12)。
特開平11−302854号公報 特開2008−190034号公報 特表2008−527178号公報 特開2013−019024号公報 特開2015−187303号公報 特開2007−077462号公報 特開2011−137195号公報 特開2014−040649号公報 特開平05−271996号公報 特開平07−316877号公報
しかしながら、上記特許文献1〜10(特許文献7は除く)に記載された処理、或はこれに準じた処理により、不導態を形成し易いアルミニウム、マグネシウムなどの軽金属上にニッケル系の下地皮膜を介して銀、銅、スズなどの導電性皮膜を形成する場合、例えば、上記特許文献2に準拠して、予め脱脂処理を行い、或は行わないでニッケル−リン皮膜を無電解メッキにより形成しても、上記軽金属表面に対する無電解ニッケル−リン皮膜の密着力は弱い(後述の比較例参照)。
一方、上記軽金属に予め脱脂処理をし、或はしないで、電気メッキによりニッケル系の下地皮膜を形成する場合、例えば、特許文献1の交流電解処理や特許文献3のカソード活性処理のような特別な操作を並行して行なえば密着性の改善はそれなりに期待できるとしても、このような特別な操作なしに公知のニッケル系メッキ浴(公知のニッケル−リンメッキ浴を含む)、或は、上記特許文献1〜10に記載されたニッケル系メッキ浴を用いて電気メッキしても、得られたニッケル系の下地皮膜は密着力に乏しい。
本発明は、不導態を形成し易いアルミニウム、マグネシウム、チタンより選ばれた特定の軽金属上に銀、銅、スズなどの導電性皮膜を強固に密着形成することを技術的課題とする。
本発明者らは、不導態を形成し易いアルミニウム、マグネシウム、チタンの特定の軽金属上に導電性皮膜を形成する場合、上記軽金属と導電性皮膜の間にニッケル系の下地皮膜を介在させるとともに、当該ニッケル系皮膜としてニッケル−リン皮膜を選択し、且つ、当該下地皮膜を所定の錯化剤と界面活性剤を併用添加した電気ニッケル−リンメッキ浴で形成すると、下地皮膜をアルミニウム、マグネシウム、チタンの特定の軽金属上に強固に密着させることができ、もって当該軽金属上に導電性皮膜を良好に密着形成できることを見い出し、本発明を完成した。
即ち、本発明1は、アルミニウム、マグネシウム、チタンより選ばれた不導態形成性の軽金属上に導電性皮膜を形成する方法において、
(1)上記不導態形成性軽金属上に電気ニッケル−リンメッキ浴を用いてニッケル−リン皮膜からなる下地皮膜を形成する工程と、
(2)当該下地皮膜上に導電性皮膜を形成する工程とからなり、
上記電気ニッケル−リンメッキ浴は、
(a)可溶性ニッケル塩と、
(b)リンを含む化合物と、
(c)アミノカルボン酸類、オキシカルボン酸類、糖質、アミノアルコール類、ポリアミン類より選ばれた錯化剤と、
(d)ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれた界面活性剤と、
(e)緩衝剤
とを含有するとともに、
上記界面活性剤(d)の含有量が1〜40g/Lであり、
上記導電性皮膜が銅、スズ、銀、金、ニッケル、ビスマス、パラジウム、白金、アルミニウム、マグネシウム、コバルト、亜鉛より選ばれた金属又はこれらの金属の合金からなる皮膜であることを特徴とする不導態形成性軽金属上への導電性皮膜形成方法である。
本発明2は、上記本発明1において、上記電気ニッケル−リンメッキ浴にサッカリン及びその塩、ベンゼンスルホン酸及びその塩、トルエンスルホン酸及びその塩、ナフタレンスルホン酸及びその塩、アリルスルホン酸及びその塩、ブチンジオール、エチレンシアンヒドリン、クマリン、プロパギルアルコールより選ばれた光沢剤を含有することを特徴とする不導態形成性軽金属上への導電性皮膜形成方法である。
本発明3は、上記本発明1又は2において、電気ニッケル−リンメッキ浴の錯化剤(c)がクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸より選ばれたオキシカルボン酸、ポリカルボン酸、アミノカルボン酸又はその塩の少なくとも一種であることを特徴とする不導態形成性軽金属上への導電性皮膜形成方法である。
本発明4は、上記本発明1〜3のいずれかにおいて、電気ニッケル−リンメッキ浴のpHが3.0〜8.0であることを特徴とする不導態形成性軽金属上への導電性皮膜形成方法である。
本発明5は、上記本発明本発明1〜4のいずれかにおいて、上記下地皮膜の膜厚が0.01〜10.0μmであることを特徴とする不導態形成性軽金属上への導電性皮膜形成方法である。
本発明6は、上記本発明1〜5のいずれかにおいて、上記導電性皮膜を電気メッキ、無電解メッキ、スパッタリング又は蒸着で形成することを特徴とする不導態形成性軽金属上への導電性皮膜形成方法である。
本発明では、不導態を形成し易いアルミニウム、マグネシウム、チタンより選ばれた特定の軽金属上に、予め、所定のニッケル-リンメッキ浴を用いた電気メッキによりニッケル−リンの下地皮膜を形成した後、この下地皮膜を介して電気メッキなどで、銀、銅、スズなどの導電性皮膜を形成するため、不導態を形成し易い上記軽金属上にも強固な密着性で導電性皮膜を形成できる。
この点を詳述すると、アルミニウム等の不導体を形成し易い特定の軽金属上に、各種の下地皮膜を介して導電性皮膜を形成しようとしても、皮膜形成が困難か、密着不足になるという問題があることは前述の通りである。
そこで、下地皮膜にニッケル−リン皮膜を選択しても、従来公知の電気ニッケル−リンメッキ浴を用いた場合には、上記軽金属上に密着力のある下地皮膜を形成することは容易でなかったが、本発明では、特定の錯化剤、且つ、特定の界面活性剤を含む所定組成の電気ニッケル-リンメッキ浴を用いるため、ニッケル−リン皮膜を上記軽金属上に強固に形成でき、もって、この下地皮膜を介して当該軽金属上に導電性皮膜を密着性良く形成することができる。
本発明は、アルミニウム、マグネシウム、チタンより選ばれた不導態を形成し易い特定の軽金属上にニッケル−リン皮膜よりなる下地皮膜を介して、銀、銅、スズなどの導電性皮膜を形成する方法であって、下地皮膜を特定の錯化剤、且つ、特定の界面活性剤を含む所定組成の電気メッキ浴を用いたニッケル−リン皮膜で形成する方法である。
上記アルミニウムは純アルミニウム、アルミニウム合金を包含し、上記マグネシウムは純マグネシウム、マグネシウム合金を包含し、上記チタンは純チタン、チタン合金を包含する概念である。
本発明は、具体的には、(1)アルミニウム、マグネシウム、チタンより選ばれた上記不導態形成性軽金属上に電気ニッケル−リンメッキ浴を用いてニッケル−リン皮膜からなる下地皮膜を形成する工程と、(2)当該下地皮膜上に所定の導電性皮膜を形成する工程とからなる(本発明1参照)。
上記電気ニッケル−リンメッキ浴は、
(a)可溶性ニッケル塩と、
(b)リンを含む化合物と、
(c)アミノカルボン酸類、オキシカルボン酸類、糖質、アミノアルコール類、ポリアミン類より選ばれた錯化剤と、
(d)所定含有量のノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれた界面活性剤と、
(e)緩衝剤
とを必須成分とする。
上記可溶性ニッケル塩(a)はメッキ浴中にニッケルイオンを供給可能であれば良く、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硫酸ニッケルアンモニウム、酸化ニッケル、酢酸ニッケル、炭酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、有機スルホン酸のニッケル塩などが挙げられ、硫酸ニッケル、酸化ニッケルなどが好ましい。
また、上記リンを含む化合物(b)としては、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、ヒドロキシエチレンジアミンジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びこれらの塩が挙げられる。
上記可溶性ニッケル塩は単用又は併用でき、そのメッキ浴に対する含有量は0.01〜3.0モル/L、好ましくは0.05〜2.0モル/L、より好ましくは0.1〜1.5モル/Lである。
上記リンを含む化合物は単用又は併用でき、そのメッキ浴に対する含有量は0.05〜2.0モル/L、好ましくは0.1〜1.0モル/L、より好ましくは0.1〜0.8モル/Lである。
上記電気ニッケル−リンメッキ浴に含有する錯化剤(c)はメッキ浴中で主にニッケル錯体を形成する化合物であり、電極電位の変化に対する陰極電流密度の変化を緩やかにして、ニッケル系皮膜の析出を容易にする機能を果し、アミノカルボン酸類、オキシカルボン酸類、糖質、アミノアルコール類、ポリアミン類よりなる群から選ばれる。
アミノカルボン酸類には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、イミノジプロピオン酸(IDP)、メタフェニレンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N′,N′−四酢酸、ジアミノプロピオン酸及びこれらの塩などが挙げられ、NTA、EDTAが好ましい。
上記オキシカルボン酸類には、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、グリコール酸、乳酸、グルコヘプトン酸及びこれらの塩などが挙げられ、クエン酸、酒石酸、グルコン酸及びこれらの塩が好ましい。
上記糖質には、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ラクトース(乳糖)、マルトース(麦芽糖)、イソマルツロース(パラチノース)、キシロース、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、エリスリトール、還元水飴、ラクチトール、還元イソマルツロース、グルコノラクトンなどが挙げられ、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトールなどの糖アルコールが好ましい。
上記アミノアルコール類には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミンなどが挙げられ、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンが好ましい。
上記ポリアミン類には、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミンなどが挙げられ、エチレンジアミンが好ましい。
上記錯化剤としては、オキシカルボン酸類、アミノカルボン酸類、糖質が好ましく、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸及びこれらの塩などが好適である。
上記錯化剤は単用又は併用でき、そのメッキ浴に対する含有量は0.001〜2モル/Lであり、好ましくは0.05〜0.8モル/L、より好ましくは0.1〜0.5モル/Lである。
上記電気ニッケル−リンメッキ浴に含有する界面活性剤(d)はノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれ、上記特定の軽金属と下地皮膜の密着性を増進する。
上記ノニオン系界面活性剤としては、一般的に、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、(ポリ)C1〜C25アルキルフェノール、(ポリ)アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)、ソルビタンエステル、ポリアルキレングリコール、C1〜C22脂肪族アミン、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を2〜300モル付加縮合させたものや、C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)などが挙げられる。例えば、ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ジブチル−β−ナフトールポリエトキシレート、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、エチレンジアミン・テトラポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン、ポリエチレングリコール、ラウリルアルコールポリエトキシレートなどが好適である。
上記両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、イミダゾリンベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキシドなどが好適である。また、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとアルキルアミン又はジアミンとの縮合生成物の硫酸化、或はスルホン酸化付加物も使用できる。
上記界面活性剤は単用又は併用でき、そのメッキ浴に対する含有量は1〜40g/L、好ましくは5〜35g/Lである。
上記電気ニッケル−リンメッキ浴に含有する緩衝剤(e)は軽金属に対する下地皮膜の密着性を向上するとともに、メッキ浴の安定剤としても作用する。
緩衝剤としては、ホウ酸、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ニッケル、コハク酸、アスコルビン酸などが挙げられ、ホウ酸、炭酸ナトリウムが好ましい。
上記緩衝剤は単用又は併用でき、そのメッキ浴に対する含有量は0.05〜1.5モル/Lであり、好ましくは0.05〜1.0モル/L、より好ましくは0.1〜0.6モル/Lである。
本発明の電気ニッケル−リンメッキ浴には、光沢剤などの他の添加剤を含有することができる。
上記光沢剤にはサッカリン及びその塩、ベンゼンスルホン酸及びその塩、p−トルエンスルホン酸及びその塩、ナフタレンスルホン酸及びその塩、アリルスルホン酸及びその塩、2−ブチン−1,4−ジオール、エチレンシアンヒドリン、クマリン、プロパギルアルコールなどが挙げられる。
上記光沢剤は単用又は併用でき、そのメッキ浴に対する含有量は0.001〜0.15モル/Lであり、好ましくは0.005〜0.07モル/L、より好ましくは0.01〜0.05モル/Lである。
また、本発明のニッケル−リンメッキ浴では、密着性を増す見地からノニオン性、両性界面活性剤の添加を必須要件とするが、これらの界面活性剤に加えて、カチオン性、アニオン性界面活性剤を併用添加することを排除するものではない。但し、カチオン性又はアニオン性界面活性剤を単独添加すると、メッキ浴の安定性や下地皮膜の密着性を損なう点は後述の試験例に示す通りである。
本発明の電気ニッケル−リンメッキ浴は上記軽金属上に下地形成することを目的とするが、酸性が強いと軽金属の表面に強固な酸化膜を形成するため、同メッキ浴のpHは3.0〜8.0が適当であり、好適には3.0〜7.0、より好ましくは4.0〜6.0である。
また、下地形成工程(1)において、電気メッキの際の陰極電流密度は0.01〜5.0A/dm2、好ましい範囲0.05〜2.0A/dm2である。
上記下地工程(1)において、下地皮膜となるニッケル−リン皮膜は上層に導電性皮膜を形成するに足る導電性と密着力を付与できれば良いので、厚く形成する必要はない。従って、その膜厚は0.01〜10.0μm、好ましくは0.01〜8.0μm、より好ましくは0.01〜5.0μmである。
次いで、上記軽金属に形成したニッケル−リンの下地皮膜の上に、上層皮膜である導電性皮膜を形成する工程(2)を説明する。
上記導電性皮膜は導電性を有する公知の皮膜であれば特段の制約はないが、例えば、銅、スズ、銀、金、ニッケル、ビスマス、パラジウム、白金、アルミニウム、マグネシウム、コバルト、亜鉛より選ばれた金属又はこれらの金属の合金が挙げられる。
導電性金属を構成する金属としては、銀、銅、ニッケル、スズ、パラジウム、金、ビスマスが好適である。また、上記金属の合金としては、ニッケル−タングステン合金、ニッケル−モリブデン合金、ニッケル−スズ合金、スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金、スズ−銅合金、スズ−亜鉛合金、金−スズ合金などが好適である。
上記導電性皮膜は電気メッキ、無電解メッキ、スパッタリング又は蒸着などにより形成することができ、この中では、生産性の見地からメッキ方式が好ましい。但し、アルミニウム、マグネシウムなどはメッキが難しいので、スパッタリング又は蒸着で形成する。
一方、本発明は上記軽金属上に下地皮膜を介して導電性皮膜を形成することを特徴とするが、導電性皮膜は単層で形成しても良いが、2層、3層などの複層で形成することもできる。
複層の導電性皮膜を例示すれば、ニッケル、銅、コバルト、ビスマス、亜鉛、鉄などから選ばれた金属、又はこれらの金属の合金を下層(つまり、下地皮膜に臨む側)とし、スズ、銅、金、銀などを上層とした2層の導電性皮膜を挙げることができる。
また、複層の導電性皮膜の最上層をスズ、ニッケル、コバルト、銀、パラジウム及びこれらの合金などで形成すると、最上層の表面に銀色の美麗な外観を付与できる。
以下、アルミニウムなどの不導態形成性の軽金属上に下地皮膜(ニッケル−リン皮膜)を形成するための電気ニッケル−リンメッキ浴、導電性皮膜を形成するためのメッキ浴、並びに上記軽金属上に当該下地皮膜を介して導電性皮膜を形成する方法の実施例を述べるとともに、上記軽金属に対するニッケル−リン皮膜の密着性の評価試験例を順次説明する。
尚、本発明は下記の実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
《不導態形成性の軽金属上に導電性皮膜を形成する方法の実施例》
下記の実施例1〜23のうち、実施例1〜13はニッケル−リン皮膜(下地皮膜)/スズ皮膜(導電性皮膜)、実施例15はニッケル−リン皮膜(下地皮膜)/ニッケル皮膜(導電性皮膜)、実施例14と実施例16はニッケル−リン皮膜(下地皮膜)/銅皮膜(導電性皮膜)、実施例17はニッケル−リン皮膜(下地皮膜)/銀皮膜(導電性皮膜)、実施例18はニッケル−リン皮膜(下地皮膜)/パラジウム皮膜(導電性皮膜)、実施例19はニッケル−リン皮膜(下地皮膜)/金皮膜(導電性皮膜)、実施例20はニッケル−リン皮膜(下地皮膜)/ビスマス皮膜(導電性皮膜)、実施例21はニッケル−リン皮膜(下地皮膜)/スズ−ビスマス合金皮膜(導電性皮膜)の各例である。また、実施例22〜23は導電性皮膜が2層の例、それ以外の実施例は単層の例である。
実施例6と実施例9は錯化剤にアミノカルボン酸を用いた例、実施例11は同じく糖質を用いた例、他の実施例は同じくオキシカルボン酸又はその塩を用いた例である。
実施例13は界面活性剤に両性界面活性剤を用いた例、他の実施例は同じくノニオン性界面活性剤を用いた例である。
一方、下記の比較例1〜6のうち、比較例1はアルミニウム合金上に下地皮膜を形成せずに、導電性皮膜形成用のメッキ浴を用いて直接に電気メッキしたブランク例である。
比較例2はアルミニウム合金上にニッケル−リン皮膜ではなく、ニッケルの下地皮膜を介して電気メッキにより導電性皮膜を形成した例であり、本比較例2は実施例1を基本として、当該実施例1のニッケル−リンメッキ浴からリン化合物を排除してニッケルメッキ浴を調製し、このニッケル浴を下地形成用の電気メッキ浴に用いた例である。
比較例3〜5はアルミニウム合金上にニッケル−リンの下地皮膜を介して電気メッキにより導電性皮膜を形成しようとした例であり、比較例3は実施例1を基本として、下地皮膜形成用の電気メッキ浴に本発明の錯化剤を欠く例である。
比較例4は実施例1を基本として、下地皮膜形成用の電気メッキ浴に本発明の界面活性剤を欠く例であり、比較例5は同じく、下地皮膜形成用の電気メッキ浴に本発明の界面活性剤に替えてカチオン性界面活性剤を用いた例である。
比較例6は冒述の特許文献2に準拠した例で、アルミニウム合金上に電気メッキではなく、無電解メッキによりニッケル−リン皮膜を形成し、当該無電解のニッケル−リン皮膜上に電気メッキにより導電性皮膜を形成した例である。
(1)実施例1
次の(i)〜(iv)に示すように、3種類の5cm×5cm角のアルミニウム合金板、並びに1種類の5cm×5cm角のマグネシウム合金板を用意し、不導態形成性軽金属の各試料とした(下記の実施例2〜22、比較例1〜6も同じ)。
特に、3種類のアルミニウム合金を選択したのは、当該合金の種類が多種に及ぶため、アルミニウム合金の種類が変わっても本発明の下地皮膜を密着性良く下張りできるか否かの汎用性を検証するためである。
(i) 試料1:アルミニウム合金/Al−Cu系(A2024P;JIS規格)
(ii) 試料2:アルミニウム合金/Al−Mg系(A5052P;JIS規格)
(iii)試料3:アルミニウム合金/Al−Mg−Si系(A6061P;JIS規格)
(iv) 試料4:マグネシウム合金/Mg−Al−Zn系(AZ31;JIS規格)
先ず、上記各試料を水酸化ナトリウム(3重量%)で25℃、3分の条件でアルカリ脱脂し、水洗した後、下記(a)の電気ニッケル−リンメッキ浴を用いて下地皮膜を各試料上に形成し、水洗した後、下記(b)の電気メッキ浴を用いて導電性皮膜形成し、水洗した後、乾燥処理した。
下記(a)は上記試料(Al合金板、Mg合金板)上に下地皮膜(ニッケル−リン皮膜)を形成するために建浴した電気ニッケル−リンメッキ浴の組成、並びに電気メッキ条件などを表す。下記(b)は下地皮膜上に形成する導電性皮膜と、当該導電性皮膜を形成するための電気メッキ浴の組成を表す。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
スルファミン酸ニッケル(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
亜リン酸水素ナトリウム2.5水和物 0.4モル/L
クエン酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル(EO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
上記クエン酸は錯化剤、クミンフェノールのエチレンオキシド付加物はノニオン系界面活性剤、ホウ酸は緩衝剤、ベンゼンスルホン酸塩とブチンジオールは光沢剤である。
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.2μm
リンの含有率:5.0%
(b)導電性皮膜:スズ
次の組成で電気スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.5モル/L
メタンスルホン酸 1.0モル/L
ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル(EO10モル) 10g/L
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:2A/dm2
メッキ時間:5分
[メッキ皮膜]
膜厚:5μm
(2)実施例2
実施例1を基本として、電気ニッケル−リンメッキ浴のニッケル塩を変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
硫酸ニッケル6水和物(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
亜リン酸水素ナトリウム2.5水和物 0.4モル/L
クエン酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル(EO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.3μm
リンの含有率:6.0%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(3)実施例3
実施例1を基本として、電気ニッケル−リンメッキ浴のリン化合物を変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
スルファミン酸ニッケル(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
次亜リン酸ナトリウム 0.4モル/L
クエン酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル(EO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 5.0
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.1A/dm2
メッキ時間:2分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.01μm
リンの含有率:4.5%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(4)実施例4
実施例1を基本として、電気ニッケル−リンメッキ浴のリン化合物を変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
スルファミン酸ニッケル(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
ニトロトリス(メチレンホスホン酸) 0.4モル/L
クエン酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル(EO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.2μm
リンの含有率:5.5%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(5)実施例5
実施例2を基本として、電気ニッケル−リンメッキ浴のリン化合物を変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
硫酸ニッケル6水和物(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
次亜リン酸ナトリウム 0.5モル/L
クエン酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル(EO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.3μm
リンの含有率:5.5%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(6)実施例6
実施例1を基本として、電気ニッケル−リンメッキ浴の錯化剤を変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
スルファミン酸ニッケル(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
亜リン酸 0.4モル/L
ニトリロ三酢酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル(EO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.0
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.1μm
リンの含有率:7.0%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(7)実施例7
実施例1を基本として、電気ニッケル−リンメッキ浴の錯化剤を変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
スルファミン酸ニッケル(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
亜リン酸 0.4モル/L
酒石酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル(EO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.1μm
リンの含有率:4.0%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(8)実施例8
実施例1を基本として、電気ニッケル−リンメッキ浴の錯化剤を変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
スルファミン酸ニッケル(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
亜リン酸 0.4モル/L
グルコン酸ナトリウム 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル(EO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 5.0
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.2μm
リンの含有率:5.0%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(9)実施例9
実施例1を基本として、電気ニッケル−リンメッキ浴の錯化剤を変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
スルファミン酸ニッケル(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
亜リン酸 0.4モル/L
エチレンジアミン四酢酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル(EO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.1μm
リンの含有率:6.5%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(10)実施例10
実施例5を基本として、電気ニッケル−リンメッキ浴の錯化剤を変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
硫酸ニッケル6水和物(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
次亜リン酸 0.5モル/L
グルコン酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル(EO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.3μm
リンの含有率:5.5%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(11)実施例11
実施例5を基本として、電気ニッケル−リンメッキ浴の錯化剤を変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
硫酸ニッケル6水和物(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
次亜リン酸 0.5モル/L
ソルビトール 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル(EO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.3μm
リンの含有率:3.5%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(12)実施例12
実施例1を基本として、電気ニッケル−リンメッキ浴の界面活性剤を変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
スルファミン酸ニッケル(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
亜リン酸水素ナトリウム2.5水和物 0.4モル/L
クエン酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
エチレンジアミンテトラポリオキシエチレン(EO2モル)
−ポリオキシプロピレン(PO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.2μm
リンの含有率:3.0%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(13)実施例13
実施例5を基本として、電気ニッケル−リンメッキ浴の界面活性剤を変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
硫酸ニッケル6水和物(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
次亜リン酸 0.5モル/L
クエン酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ラウリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド 20g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.0
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.2μm
リンの含有率:5.5%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(14)実施例14
実施例1を基本として、導電性皮膜を銅皮膜に変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件は実施例1と同じ。
(b)導電性皮膜:銅
次の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅5水和物(Cu2+として) 0.1モル/L
エチレンジアミン 0.3モル/L
硫酸アンモニウム 1.5モル/L
グリシン 0.3モル/L
α,α′−ビピリジル 30mg/L
pH(28%アンモニアで調整) 7.0
[電気メッキ条件]
浴温:50℃
電流密度:1A/dm2
メッキ時間:13分
[メッキ皮膜]
膜厚:3μm
(15)実施例15
実施例1を基本として、導電性皮膜をニッケル皮膜に変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件は実施例1と同じ。
(b)導電性皮膜:ニッケル
電気ニッケルメッキ浴として次の組成のワット浴を用いた。
硫酸ニッケル6水和物(Ni2+として) 0.15モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.5モル/L
ホウ酸 0.7モル/L
pH(28%アンモニアで調整) 4.0
[電気メッキ条件]
浴温:60℃
電流密度:1A/dm2
メッキ時間:5分
[メッキ皮膜]
膜厚:1.0μm
(16)実施例16
実施例2を基本として、導電性皮膜を銅皮膜に変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件は実施例1と同じ。
(b)導電性皮膜:銅
次の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅5水和物(Cu2+として) 0.8モル/L
硫酸 1.0モル/L
塩酸 1.8ミリモル/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1.0mg/L
ポリエチレングリコール(分子量4000) 1.0g/L
ポリエチレンイミン 3.0mg/L
[電気メッキ条件]
浴温:25℃
電流密度:1A/dm2
メッキ時間:5分
[メッキ皮膜]
膜厚:1.0μm
(17)実施例17
実施例2を基本として、導電性皮膜を銀皮膜に変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件は実施例1と同じ。
(b)導電性皮膜:銀
次の組成で電気銀メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.45モル/L
コハク酸イミド 1.5モル/L
四ホウ酸ナトリウム 0.025モル/L
[電気メッキ条件]
浴温:25℃
電流密度:1A/dm2
メッキ時間:3分
[メッキ皮膜]
膜厚:2.0μm
(18)実施例18
実施例5を基本として、導電性皮膜をパラジウム皮膜に変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件は実施例1と同じ。
(b)導電性皮膜:パラジウム
次の組成で電気パラジウムメッキ浴を建浴した。
硫酸パラジウム(Pd2+として) 0.02モル/L
硫酸 0.4モル/L
リン酸 0.6モル/L
亜硫酸 0.006モル/L
[電気メッキ条件]
浴温:25℃
電流密度:0.6A/dm2
メッキ時間:20分
[メッキ皮膜]
膜厚:1.5μm
(19)実施例19
実施例5を基本として、導電性皮膜を金皮膜に変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件は実施例5と同じ。
(b)導電性皮膜:金
次の組成で電気金メッキ浴を建浴した。
亜硫酸金ナトリウム(Au+として) 0.05モル/L
亜硫酸ナトリウム 0.4モル/L
亜硫酸カリウム 0.006モル/L
タリウム 10mg/L
[電気メッキ条件]
浴温:50℃
電流密度:0.8A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:1.5μm
(20)実施例20
実施例5を基本として、導電性皮膜をビスマス皮膜に変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件は実施例5と同じ。
(b)導電性皮膜:ビスマス
次の組成で電気ビスマスメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.3モル/L
メタンスルホン酸 0.7モル/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO15モル) 10g/L
[電気メッキ条件]
浴温:25℃
電流密度:1A/dm2
メッキ時間:5分
[メッキ皮膜]
膜厚:2.0μm
(21)実施例21
実施例5を基本として、導電性皮膜をスズ−ビスマス合金皮膜に変更した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件は実施例5と同じ。
(b)導電性皮膜:スズ−ビスマス合金
次の組成で電気スズ−ビスマス合金メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.6モル/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.02モル/L
メタンスルホン酸 1.0モル/L
ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル(EO10モル) 10g/L
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:2A/dm2
メッキ時間:5分
[メッキ皮膜]
膜厚:5.0μm
ビスマスの析出率:2%
(22)実施例22
2層の導電性皮膜を形成した例であり、実施例15を基本として、下層側にニッケル皮膜を、上層側にスズ皮膜を形成した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件は実施例15と同じ。
(b-1)下層側の導電性皮膜:ニッケル
本実施例では、上記実施例15のニッケル皮膜を下層側の導電性皮膜とした。
従って、ニッケルメッキ浴の組成と電気メッキ条件は実施例15と同じ。
(b-2)上層側の導電性皮膜:スズ
次の組成で電気スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.5モル/L
メタンスルホン酸 1.0モル/L
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(EO10モル) 10g/L
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:2A/dm2
メッキ時間:5分
[メッキ皮膜]
膜厚:5μm
(23)実施例23
2層の導電性皮膜を形成した例であり、実施例16を基本として、下層側に銅皮膜を、上層側にスズ皮膜を形成した。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件は実施例16と同じ。
(b-1)下層側の導電性皮膜:銅
本実施例では、上記実施例16の銅皮膜を下層側の導電性皮膜とした。
従って、銅メッキ浴の組成と電気メッキ条件は実施例16と同じ。
(b-2)上層側の導電性皮膜:スズ
次の組成で電気スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 0.5モル/L
メタンスルホン酸 1.0モル/L
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(EO10モル) 10g/L
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:2A/dm2
メッキ時間:5分
[メッキ皮膜]
膜厚:5μm
(24)比較例1(ブランク例)
前記実施例1を基本として、(a)の下地皮膜を形成せず、上記軽金属上に直接、実施例1の(b)に記載のスズメッキ浴を用いて(同(b)のメッキ条件で)電気メッキを行った。
その結果、アルミニウム合金、マグネシウム合金の各軽金属板上への導電性皮膜(スズ皮膜)の形成を試みたが、粉状の析出物が生成しただけで、スズメッキ皮膜は形成されなかった。
(25)比較例2
実施例1を基本として、リン化合物を含まないメッキ浴を用いてニッケルの下地皮膜を形成した。導電性皮膜形成用の電気メッキ浴の組成及び電気メッキ条件は実施例1と同じである。
(a)下地皮膜:ニッケル皮膜
実施例1の(a)に記載のニッケル−リンメッキ浴に替えて、同メッキ浴からリン化合物を排除してニッケルメッキ浴を調製した。
ニッケルメッキ浴の組成は次の通りである。
スルファミン酸ニッケル(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
クエン酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル(EO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:1.0μm
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(26)比較例3
実施例1を基本として、下地皮膜用の電気メッキ浴として本発明の錯化剤を含まないニッケル−リンメッキ浴を用いて電気メッキを行った。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
電気ニッケル−リンメッキ浴の組成は次の通りである。
スルファミン酸ニッケル(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
亜リン酸水素ナトリウム2.5水和物 0.4モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ポリオキシエチレンクミンフェノールエーテル(EO10モル) 10g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
上記メッキ浴に沈殿が発生して、アルミニウム合金、マグネシウム合金の各軽金属板上に下地皮膜を形成できなかった。
(27)比較例4
実施例1を基本として、下地皮膜用の電気メッキ浴として本発明の所定の界面活性剤を含まないニッケル−リンメッキ浴を用いて電気メッキを行った。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
硫酸ニッケル6水和物(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
亜リン酸水素ナトリウム2.5水和物 0.4モル/L
クエン酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.2μm
リンの含有率:1.0%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(28)比較例5
実施例1を基本として、下地皮膜用の電気メッキ浴として本発明の界面活性剤に替えて、カチオン性界面活性剤を含むニッケル−リンメッキ浴を用いて電気メッキを行った。
(a)ニッケル−リンメッキ浴の組成と電気メッキ条件
次の組成で電気ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
硫酸ニッケル6水和物(Ni2+として) 0.45モル/L
塩化ニッケル(Ni2+として) 0.03モル/L
ホウ酸 0.2モル/L
亜リン酸水素ナトリウム2.5水和物 0.4モル/L
クエン酸 0.3モル/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.02モル/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.01モル/L
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド 20g/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
[電気メッキ条件]
浴温:40℃
電流密度:0.5A/dm2
メッキ時間:10分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.2μm
リンの含有率:1.0%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
(29)比較例6
冒述の特許文献2に準拠した例である。
即ち、実施例1を基本として、下地皮膜用の電気ニッケル−リンメッキ浴に替えて、無電解ニッケル−リンメッキ浴を用いて無電解メッキを行った。
(a)無電解ニッケル−リンメッキ浴の組成とメッキ条件
次の組成で無電解ニッケル−リンメッキ浴を建浴した。
硫酸ニッケル(Ni2+として) 0.15モル/L
次亜リン酸ナトリウム 0.10モル/L
酢酸ナトリウム 0.15モル/L
pH(24%水酸化ナトリウムで調整) 4.5
[無電解メッキ条件]
浴温:90℃
メッキ時間:5分
[メッキ皮膜]
膜厚:0.8μm
リンの含有率:7.0%
(b)導電性皮膜:スズ
上記実施例1と同じ。
《不導態形成性の軽金属に対する下地皮膜の密着性の評価試験例》
そこで、上記実施例1〜23並びに比較例1〜6の各導電性皮膜の形成方法を上記軽金属板(アルミニウム合金板、マグネシウム合金板)からなる各試料に適用して、得られた導電性皮膜に粘着テープを貼り付けて、粘着テープを剥離した場合に、当該導電性皮膜と一体に密着形成された下地皮膜と軽金属板との境界に着目して、当該境界を起点として下地皮膜が軽金属板から剥離するか否かを観察し、不導態形成性の軽金属板に対する密着性の優劣を下記の基準に基づいて評価した。
○:下地皮膜は軽金属板から剥離しなかった。
×:下地皮膜は軽金属板から全面的に剥離した。
下表はその試験結果である。
但し、マグネシウム合金はアルミニウム合金にように多種多様ではないため、試料4のマグネシウム合金板については、実施例1〜2のみ評価試験を行い、その試験結果をもって、それ以外の実施例の評価を推定することにした(下表の実施例での「−−」参照)。
また、比較例1、3では軽金属上に下地皮膜を形成できなかったので、下表の比較例での「−−」は下地皮膜の剥離試験自体を行わなかったことを示す。
下表の「試n」(n=1〜4)は「試料n」を表す。
試1 試2 試3 試4 試1 試2 試3 試4
実施例1 ○ ○ ○ ○ 実施例16 ○ ○ ○ −−
実施例2 ○ ○ ○ ○ 実施例17 ○ ○ ○ −−
実施例3 ○ ○ ○ −− 実施例18 ○ ○ ○ −−
実施例4 ○ ○ ○ −− 実施例19 ○ ○ ○ −−
実施例5 ○ ○ ○ −− 実施例20 ○ ○ ○ −−
実施例6 ○ ○ ○ −− 実施例21 ○ ○ ○ −−
実施例7 ○ ○ ○ −− 実施例22 ○ ○ ○ −−
実施例8 ○ ○ ○ −− 実施例23 ○ ○ ○ −−
実施例9 ○ ○ ○ −−
実施例10 ○ ○ ○ −− 比較例1 −− −− −−
実施例11 ○ ○ ○ −− 比較例2 × × ×
実施例12 ○ ○ ○ −− 比較例3 −− −− −−
実施例13 ○ ○ ○ −− 比較例4 × × ×
実施例14 ○ ○ ○ −− 比較例5 × × ×
実施例15 ○ ○ ○ −− 比較例6 × × ×
《試験結果の評価》
上表によると、比較例1では下地皮膜を形成せずに直接に、軽金属板上に導電性皮膜(スズ皮膜)を形成しようとしたが、スズ皮膜は得られず、粉状の析出物が得られたのみであった。
これに対して、下地皮膜を介して軽金属板上に導電性皮膜を形成した実施例1〜23では、いずれも下地皮膜は軽金属板に強固に密着しており、特に、前述したように、アルミニウム合金は多種多様であるが、3種類のアルミニウム合金の試料1〜3のいずれについても強固な密着性を示し、アルミニウム合金に対して本発明の電気メッキ浴で形成したニッケル−リン皮膜は汎用性があることが判断できる。
また、実施例(実施例1〜2)の下地皮膜はマグネシウム合金に強固な密着性を示すことから、他の実施例に拡張しても、マグネシウム合金に対して同様の有効性を示すことが推定できる。
従って、実施例1〜23では、不導態形成性の軽金属板上に下地皮膜を介して導電性皮膜を密着性良く形成できることが裏付けられた。
次いで、上記比較例2は軽金属上に電気メッキで形成する下地皮膜をニッケル−リン皮膜からニッケル皮膜に変更したものであるが、軽金属板(アルミニウム合金板)に対してニッケル皮膜の密着性はニッケル−リン皮膜に大きく劣り、従って、不導態形成性の軽金属上に導電性皮膜(スズ皮膜)を密着性良く形成できなかった。
この比較例2を実施例1〜23に対比すると、アルミニウム合金のような不導態形成性の軽金属上にニッケル系の下地皮膜を形成する場合、ニッケルの電着皮膜では密着性に劣り、強固な密着性を実現するには、ニッケルではなくニッケル−リンの電着皮膜を選択することが重要であると判断できる。
上記比較例3〜5は下地皮膜がニッケル−リン皮膜の例である。
比較例3は本発明の所定の錯化剤を欠くニッケル−リンメッキ浴で軽金属上に下地皮膜を形成しようとしたものであるが、メッキ浴が不安定なために沈殿が発生して、電着皮膜を形成できなかった。
比較例4は本発明の所定の界面活性剤を欠くニッケル−リンメッキ浴で軽金属上に下地皮膜を形成したものであり、比較例5は本発明の所定の界面活性剤に替えてカチオン性界面活性剤を使用したニッケル−リンメッキ浴で下地皮膜を形成したものであるが、共にニッケル−リン皮膜の密着性は前記比較例2と同様に劣った。尚、カチオン性界面活性剤に替えて、アニオン性界面活性剤を使用すると、ニッケル−リンメッキ浴に沈殿が発生して、そもそもメッキ浴として成立しなかった。
従って、これらの比較例3〜5を実施例1〜23に対比すると、軽金属上に強固なニッケル−リンの電着皮膜を形成するには、従来公知のニッケル−リンメッキ浴ではなく、所定の錯化剤、且つ、所定の界面活性剤などを含有する本発明のニッケル−リンメッキ浴を選択することの重要性が明らかになった。
比較例6は冒述の特許文献2に準拠したもので、軽金属上にニッケル−リンの下地皮膜を形成するに際して、電気メッキではなく、無電解ニッケル−リン浴を用いた無電解メッキにより形成したものであるが、無電解ニッケル−リン皮膜の密着性は電着皮膜に対して大きく劣った。
従って、当該比較例6を実施例1〜23に対比すると、アルミニウム合金などの不導態形成性の軽金属上に下地皮膜を密着性良く形成するには、下地皮膜にニッケル−リン皮膜を選択するだけでは足りず、無電解メッキではなく、電気メッキによりニッケル−リンの電着皮膜を選択する必要があることが判断できる。
そこで、実施例1〜23を詳細に説明する。
実施例1〜13は導電性皮膜がスズ皮膜、実施例14と16は同じく銅皮膜、実施例15は同じくニッケル皮膜、実施例17は同じく銀皮膜、実施例18は同じくパラジウム皮膜、実施例19は同じく金皮膜、実施例20は同じくビスマス皮膜、実施例21は同じくスズ−ビスマス皮膜の各例である。
所定の錯化剤、所定の界面活性剤などを含有する本発明の電気メッキ浴で形成したニッケル−リンの下地皮膜を介すると、アルミニウム合金上にスズ、銅、銀、パラジウム、金、ビスマスの各種単独金属、或は、スズ−ビスマス合金からなる導電性皮膜を共に密着性良く形成できた。また、マグネシウム合金上にも、本発明の電気メッキ浴で形成したニッケル−リンの下地皮膜を介することで、導電性皮膜の代表としてスズ皮膜を同様に密着性良く形成できた。
尚、本実施例1〜23では、アルミニウム合金などの軽金属素材上に下地皮膜を形成する前処理としてアルカリ脱脂をしているが、前処理なしで直接に素材上に下地皮膜を形成しても、実用的な密着性を一応確保できるという結果が得られた。つまり、当該前処理をすれば、さらに確実な密着性が得られるということである。
導電性皮膜が共にスズ皮膜である実施例1〜13において、下地皮膜形成用の電気メッキ浴の錯化剤、界面活性剤、ニッケル塩、リン化合物の種類を変更した例であるが、下地形成用のニッケル−リンメッキ浴の組成を自由に選択しても、不導態形成性の軽金属に対する下地皮膜の強固な密着性を共に保持できることが判断できる。
例えば、実施例6と9は下地形成用電気メッキ浴に含有する錯化剤にアミノカルボン酸を用いた例、実施例11は同じく糖質を用いた例、他の実施例はオキシカルボン酸又はその塩を用いた例であるが、特定の錯化剤のうちのいずれを選択しても、下地皮膜の密着性を良好に確保できた。
また、実施例13は下地形成用の電気メッキ浴に含有する界面活性剤に両性界面活性剤を用いた例、他の実施例は同じくノニオン性界面活性剤を用いた例であるが、ノニオン性及び両性のいずれの界面活性剤を選択しても、同じく下地皮膜の密着性を良好に確保できた。
実施例1と2はニッケル塩を変更した例、実施例1、3〜5はリン化合物を変更した例であるが、これらの自由な選択に対して、共に下地皮膜の良好な密着性は変わらなかった。
実施例1〜23によれば、不導体形成性の軽金属上に下地皮膜を強固に形成するには、0.3μm以下のごく薄い下地皮膜を形成すれば足り、特に、実施例3を見ると0.01μmのような極めて薄い皮膜でも充分であることが分かる。
従って、アルミニウム、マグネシウムのような不導体形成性の軽金属上にスズ、銅、銀などの導電性皮膜を形成しようとする場合、ニッケル−リン皮膜を電気メッキで薄く下張りするだけで上記導電性皮膜を強固に密着できるので、煩雑な作業を必要とせず、生産性は高い。
また、実施例1〜21は導電性皮膜が単層の例、実施例22〜23は複層(2層)の例である。
即ち、上記実施例22はニッケル−リン皮膜(下地皮膜)/ニッケル皮膜(下層側の導電性皮膜)/スズ皮膜(上層側の導電性皮膜)の例、実施例23は同じくニッケル−リン皮膜(下地皮膜)/銅皮膜(下層側の導電性皮膜)/スズ皮膜(上層側の導電性皮膜)の例であり、円滑なメッキ操作で、不導体を形成し易いアルミニウム上に下地皮膜(ニッケル−リン皮膜)を介して2層の導電性皮膜を強固に形成することができた。

Claims (6)

  1. アルミニウム、マグネシウム、チタンより選ばれた不導態形成性の軽金属上に導電性皮膜を形成する方法において、
    (1)上記不導態形成性軽金属上に電気ニッケル−リンメッキ浴を用いてニッケル−リン皮膜からなる下地皮膜を形成する工程と、
    (2)当該下地皮膜上に導電性皮膜を形成する工程とからなり、
    上記電気ニッケル−リンメッキ浴は、
    (a)可溶性ニッケル塩と、
    (b)リンを含む化合物と、
    (c)アミノカルボン酸類、オキシカルボン酸類、糖質、アミノアルコール類、ポリアミン類より選ばれた錯化剤と、
    (d)ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれた界面活性剤と、
    (e)緩衝剤
    とを含有するとともに、
    上記界面活性剤(d)の含有量が1〜40g/Lであり、
    上記導電性皮膜が銅、スズ、銀、金、ニッケル、ビスマス、パラジウム、白金、アルミニウム、マグネシウム、コバルト、亜鉛より選ばれた金属又はこれらの金属の合金からなる皮膜であることを特徴とする不導態形成性軽金属上への導電性皮膜形成方法。
  2. 上記電気ニッケル−リンメッキ浴にサッカリン及びその塩、ベンゼンスルホン酸及びその塩、トルエンスルホン酸及びその塩、ナフタレンスルホン酸及びその塩、アリルスルホン酸及びその塩、ブチンジオール、エチレンシアンヒドリン、クマリン、プロパギルアルコールより選ばれた光沢剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の不導態形成性軽金属上への導電性皮膜形成方法。
  3. 電気ニッケル−リンメッキ浴の錯化剤(c)がクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸より選ばれたオキシカルボン酸、ポリカルボン酸、アミノカルボン酸又はその塩の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の不導態形成性軽金属上への導電性皮膜形成方法。
  4. 電気ニッケル−リンメッキ浴のpHが3.0〜8.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の不導態形成性軽金属上への導電性皮膜形成方法。
  5. 上記下地皮膜の膜厚が0.01〜10.0μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の不導態形成性軽金属上への導電性皮膜形成方法。
  6. 上記導電性皮膜を電気メッキ、無電解メッキ、スパッタリング又は蒸着で形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の不導態形成性軽金属上への導電性皮膜形成方法。
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