JP6400158B2 - 駆動力切替機構及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置における駆動力の切り替えを行うための機構に関する。
従来、両面印刷が可能な複写機やプリンタなどの画像形成装置では、画像形成部を通過して1面目が印刷された用紙を、排紙させずに再度画像形成部に導き入れて2面目の印刷を行うことにより、両面印刷を行う。
具体的には、図7に示すように、用紙Sは、給紙部3から画像形成部5を経る第1の搬送経路Aを通ることで1面目が印刷される。用紙S後端が排紙搬送部7の搬送ローラ7aに到達する直前に、搬送ローラ7aの回転が正転方向から逆転方向へ切り替えられることで、用紙Sの搬送方向が反転する。用紙Sは、切替えフラッパにより第2の搬送経路Bに導かれ両面搬送部を経ることにより、1面目印刷時とは面が裏返った状態となり再度第1の搬送経路Aに導かれる。これにより2面目を印刷側にした状態で再度画像形成部5により印刷が行われ、排紙トレイ8上に排出される。
このような画像形成装置では、給紙、給紙搬送、排紙搬送、両面搬送、画像形成部を1つの駆動モータMだけで駆動する構成を採用されることがある。かかる構成では、駆動モータMの1方向の回転駆動力によって各部を駆動させる必要があり、両面印刷時に用紙の搬送方向を切替えるためには、搬送ローラの駆動部において、入力を一方向回転のまま出力の回転方向を反転させる駆動力切替機構が必要となる。
例えば、特許文献1には、駆動モータからの一方向の入力回転に対し、遊星歯車機構を用いて出力回転の正転、逆転の切替えを行う駆動力切替機構が示されている。遊星歯車機構の三つの回転要素(太陽ギヤ、内歯ギヤ、遊星ギヤのキャリヤ)のいずれか二つの要素を互いに拘束し一体化することで、一方向に回転する入力回転体に対し、出力回転体の回転方向を反転させることは公知である。特許文献1では、一例として遊星歯車機構のうち入力ギヤと連結された太陽ギヤと、遊星ギヤのキャリヤとの拘束、解除を「ころクラッチ」を用いたクラッチ機構で行い、内歯ギヤの回転方向を切替えている。
特開2008−304050号公報
しかしながら、特許文献1の機構では、遊星歯機構の回転要素を拘束、解除するために「ころクラッチ」を用いているため、クラッチ機構に求められる部品精度や部品コストは高いものとなる。そのため、汎用的に使用する部品の構成には向かない。
本発明の目的は、簡易かつ要求される部品精度が緩和された構成により駆動力の切り替えを行うことができる駆動力切替機構を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の駆動力切替機構は、
一方向に回転する入力ギヤと、
出力ギヤと、
前記入力ギヤから前記出力ギヤへの動力伝達経路に設けられた遊星歯車機構であって、太陽ギヤと、前記太陽ギヤに噛み合う遊星ギヤと、前記遊星ギヤに噛み合う内歯ギヤと、前記遊星ギヤを回転可能に保持するキャリヤと、を有する遊星歯車機構と、
を有し、前記遊星歯車機構の前記キャリヤの回転、静止を切り替えることにより前記出力ギヤの回転方向を切り替える駆動力切替機構において、
前記動力伝達経路の一部であって、前記入力ギヤの回転駆動力を前記内歯ギヤへ伝達する第一の動力伝達経路と
前記動力伝達経路の一部であり且つ前記第一の動力伝達経路とは異なる動力伝達経路であって、前記入力ギヤの回転駆動力を前記キャリヤへ伝達する第二の動力伝達経路と、
前記入力ギヤが回転していても前記キャリヤが静止状態を保つように前記第二の動力伝達経路に回転負荷を付与する回転負荷付与手段と、
前記第二の動力伝達経路を経由する回転駆動力の、前記キャリヤへの伝達、遮断を切替えるためのアクチュエータと、
を有し、
前記回転負荷付与手段による回転負荷によって前記第二の動力伝達経路を経由する回転駆動力が前記キャリヤに伝達しない状態で前記第一の動力伝達経路を経由して前記内歯ギヤへ回転駆動力を伝達し前記遊星ギヤを自転させる状態と、前記回転負荷付与手段による回転負荷に打ち勝ち、前記第二の動力伝達経路を経由する回転駆動力が前記キャリヤに伝達することによって前記遊星ギヤを公転させる状態と、を前記アクチュエータによって切り替えることにより前記出力ギヤの回転方向が切り替わることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
記録材の片面に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を通過した記録材をさらに下流に搬送するための回転体と、
前記回転体に伝達される回転駆動力の回転方向の正逆を切り替え可能な上記に記載の駆動力切替機構と、
前記回転体の回転方向が逆転することにより搬送方向を逆方向に変更された記録材を、前記画像形成部の上流側に搬送する搬送部と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、簡易かつ要求される部品精度が緩和された構成により駆動力の切り替えを行うことができる。
本発明の実施例1に係る駆動力切替機構の構成と動作を示す図 本発明の実施例1に係る駆動力切替機構の構成と動作を示す図 本発明の実施例2に係る駆動力切替機構の構成と動作を示す図 本発明の実施例2に係る駆動力切替機構の構成と動作を示す図 本発明の実施例3に係る駆動力切替機構の構成と動作を示す図 本発明の実施例3に係る駆動力切替機構の構成と動作を示す図 本発明の実施例に係る画像形成装置の構成を示す模式的断面図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1、図2及び図7を参照して、本発明の実施例1に係る駆動力切替機構及び画像形成装置について説明する。本実施例では画像形成装置の一例としてレーザービームプリンタを例示し、駆動力切替機構を両面印刷時に用いられる用紙反転部に適用した場合について説明する。本発明による駆動力切替機構は、遊星歯車機構を用いて一定回転方向の入力に対し、出力の回転方向を切替える機構であり、用紙搬送方向の反転や、駆動方向の正転、逆転の切替えに対し適応可能な技術である。その適用範囲は特に限定されない。
<画像形成装置>
図7は、本実施例に係る画像形成装置の構成を示す模式的断面図である。画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いて現像剤(トナー)により記録材としての用紙Sに画像を形成するものである。
画像形成装置1は、所定枚数の用紙Sが積載された用紙カセット2、用紙カセット2内
の用紙を1枚ずつ給紙する給紙ローラ3、搬送経路Aを通り用紙Sを画像形成部5へと搬送する搬送ローラ対4を備える。画像形成部5では、感光体ドラム5aに対し、露光ユニット5bが画像情報に基づいた情報光を照射し、感光体ドラム5aに形成された静電潜像を現像手段5cが現像する。そして、転写手段5dが、感光体ドラム5a上に現像された画像を用紙Sに転写し、定着手段5eが、転写された画像を用紙Sに定着する。画像形成部5は、給紙される用紙Sの先端がセンサT1により検知されると、その検知情報に同期して用紙Sに画像形成を行う。片面印刷の場合、定着手段5eで画像を定着された用紙Sは、排紙搬送部7を経て排紙トレイ8上へ排紙積載される。
両面印刷の場合、1面目の印刷が終了し排紙搬送部7に到達した用紙Sの後端が、排紙ローラ7aと排紙従動ローラ7bとの間を抜けて出てしまう前に、排紙ローラ7aを逆転駆動させることで用紙Sの搬送方向を反転させ、用紙Sを装置内に引き込む。定着手段5eと排紙搬送部7の間に設けられた切替えフラッパ6の位置を切替えることで、用紙Sは搬送経路Bに入る。そして、両面搬送ローラ10を介して搬送経路Aの画像形成部5の上流側の搬送ローラ対4へ運ばれ、再び画像形成部を通過し2面目の画像形成が行われる。
本実施例の場合、駆動モータMは不図示の駆動列を介し、給紙部ローラ3、搬送ローラ対4、感光体ドラム5a、定着手段5eや両面搬送ローラ10など複数の駆動部に駆動力を供給している。そのため、各駆動部は基本的に一定方向、一定回転の駆動しか得られないよう構成されている。そこで、本実施例の画像形成装置は、両面印刷時において排紙ローラ7aを逆転駆動するために、駆動モータMからの駆動回転力の正転、逆転を適宜切替えることができる駆動力切替機構9を備えている。駆動力切替機構9は、排紙ローラ7aを回転駆動させるための排紙ローラギヤ7cに対し、排紙アイドラギヤ7dを介して、駆動モータMからの回転駆動力をその回転方向を適宜切り替えて伝達できるように構成されている。
<駆動力切替機構>
図1及び図2を参照して、本実施例に係る駆動力切替機構9について説明する。図1及び図2は、それぞれ、本実施例に係る駆動力切替機構9の構成を示す斜視図であり、(a)は各構成が一体となった状態を示す図、(b)は各構成を分解して示した図である。また、図1は、排紙ローラ7aが用紙Sを排紙トレイ8に排出する方向に回転する正転動作時における駆動力切替機構9の構成と動きを示している。また、図2は、両面印刷時において排紙ローラ7aの回転方向が逆転して用紙Sを装置内に引き戻す方向に回転する逆転動作時における駆動力切替機構9の構成と動きを示している。
本実施例では、遊星出力ギヤ16として遊星歯車機構の太陽ギヤ16aと一体化された出力ギヤ16bが、排紙アイドラギヤ7dと噛合い、排紙ローラギヤ7cを介して排紙ローラ7aを回転させる。また、駆動入力ギヤ11は、クラッチ入力ギヤ12aを介して遊星入力ギヤ15の外歯ギヤ15aに噛合する構成となっている。なお、入力と出力の関係(駆動力の伝達方向)は、逆の関係になってもよい。
図7において、駆動力切替機構9は、駆動モータMから不図示のギヤ列を介して図1に示す駆動入力ギヤ11に対し、矢印51で示す一定方向の回転駆動力が入力される。また、図7において排紙ローラ7aを回転駆動するための排紙ローラギヤ7cは、駆動力切替機構9の出力ギヤ16bと排紙アイドラギヤ7dを介し噛合している。駆動力切替機構9による出力ギヤ16bの正転、逆転の切替えに合わせて排紙ローラ7aも正転、逆転を行う。これら各ローラやギヤは画像形成装置1のフレーム部に回転可能に支持されている。
<<正転動作>>
図1を参照して、図7に示す排紙ローラ7aが用紙Sを排紙トレイ8に排出する方向に
回転する正転動作時における駆動力切替機構9の構成と動きを説明する。駆動力切替機構9は、図1に示すように、キャリヤ13、遊星ギヤ14、遊星入力ギヤ15、遊星出力ギヤ16と、駆動入力ギヤ11、電磁クラッチ12、駆動伝達軸17、キャリヤ入力ギヤ18、トルクリミッタ19などから構成される。
駆動入力ギヤ11は、装置本体に対して図示しない支持軸周りを回転可能に支持されている。駆動ギヤ11には駆動モータMから常に矢印51の方向の回転駆動力が伝達される。駆動入力ギヤ11は、駆動伝達軸17に配置された電磁クラッチ12のクラッチ入力ギヤ12aに噛合している。クラッチ入力ギヤ12aは、電磁クラッチ12のアマチュアと一体に構成されており、電磁クラッチ12のロータと一体に構成されたクラッチ出力シャフト12bの周りを回転可能に保持されている。なお、電磁クラッチ12のアマチェアやロータ、コイル部などは内部構造であり、図示を省略している。電磁クラッチ12には、従来技術の電磁クラッチを適宜用いることができる。
電磁クラッチ12は、係止部12cを図示しない画像形成装置1のフレーム部に係止されることで、電磁クラッチ12全体が回転することを防いでいる。駆動入力ギヤ11の矢印51方向の回転に伴い、クラッチ入力ギヤ12aは矢印52の方向に回転する。クラッチ入力ギヤ12aは、他方で、遊星入力ギヤ15の外周に設けられた外歯ギヤ15aと噛合っており、遊星入力ギヤ15は矢印53の方向に回転する。遊星入力ギヤ15は、その内周に内歯ギヤ15bが設けられ、一方で遊星ギヤ14と噛合っている。遊星ギヤ14は、キャリヤ13の側面に設けられた遊星支持軸13a周りに回転可能に支持されている。
キャリヤ13は、その外形面にキャリヤギヤ13bが設けられており、隣接するキャリヤ入力ギヤ18と噛合する。キャリヤ入力ギヤ18は、内径部にDカット孔18aを有しており、駆動伝達軸17のDカット面17aと嵌合されている。駆動伝達軸17のDカット面17aは、同時に電磁クラッチ12のロータと一体に設けられたクラッチ出力シャフト12bとも嵌合されている。さらに、駆動伝達軸17は、平行ピン17bを介してトルクリミッタ19と噛合っており、トルクリミッタ19から所定の回転負荷を受けている。
トルクリミッタ19の回転負荷によって、駆動伝達軸17、電磁クラッチ12のクラッチ出力シャフト12bとキャリヤ入力ギヤ18、キャリヤ13は静止状態を保っている。キャリヤ13が静止した状態を保っているため、遊星ギヤ14は、遊星入力ギヤ15の内歯ギヤ15aから受ける回転力によって静止したキャリヤ13の遊星支持軸13aを中心に矢印54の方向に自転する。遊星ギヤ14は遊星出力ギヤ16の太陽ギヤ16aと噛合っており、遊星ギヤ14の回転により、遊星出力ギヤ16は矢印55の方向に回転する。
前述したとおり、遊星出力ギヤ16の出力ギヤ16bは、図7の排紙アイドラギヤ7dを介して排紙ローラギヤ7cに噛合っているため、排紙ローラギヤ7cと排紙ローラ7aは、用紙Sの排出方向へ回転させる正回転動作を行う。なお、キャリヤ13、遊星出力ギヤ16、駆動伝達軸17は、それぞれ画像形成装置1のフレーム部に回転可能に支持されている。
<<逆転動作>>
図2を参照して、正転印刷時において、図7に示す排紙ローラ7aが用紙Sを装置内に引き戻す方向に回転方向を切り替えて回転する逆転動作時における駆動力切替機構9の構成と動きを説明する。切り替えは、センサT1から一定時間経ってからのタイミングでもよいし、定着手段5eと排紙搬送部7の間に用紙Sの位置を検出するセンサを設け、該センサの検出結果に基づいて行ってもよい。
正回転時と同様、駆動入力ギヤ11には駆動モータMから常に矢印51の方向の回転駆
動力が伝達されている。
ここで、電磁クラッチ12に電力を供給すると、電磁クラッチ12のコイル部が通電され、磁力が発生する。この磁力によって、電磁クラッチ12のアマチュアとロータとが吸着し一体化される。アマチュア側にはクラッチ入力ギヤ12aが、ロータ側にはクラッチ出力シャフト12bがそれぞれ一体化されている。電磁クラッチ12のアマチュアとロータの一体化により、クラッチ入力ギヤ12aの回転力がクラッチ出力シャフト12bに伝わる。クラッチ出力シャフト12bは、トルクリミッタ19の回転負荷に打ち勝つことにより、クラッチ入力ギヤ12aと矢印52の方向に同期回転する。
前記した通り、クラッチ入力ギヤ12aは、遊星入力ギヤ15の外歯ギヤ15aと噛合しており、遊星入力ギヤ15を矢印53の方向に回転させる。これと同時に、電磁クラッチ12のクラッチ出力シャフト12bは、駆動伝達軸17を介してキャリヤ入力ギヤ18を矢印52の方向に回転させており、その回転力はキャリヤギヤ13bへと伝達され、キャリヤ13は、矢印56の方向に回転する。
電磁クラッチ12のクラッチ入力ギヤ12aの歯数と遊星入力ギヤ15の外歯ギヤ15aの歯数の比は、キャリヤ入力ギヤ18の歯数とキャリヤギヤ13bの歯数比に対して1:1.5の比率で差を設けてある。これにより、遊星入力ギヤ15に対してキャリヤ13は1.5倍の回転数で回転する。
このとき、キャリヤ13の遊星支持軸13aに支持された遊星ギヤ14は、キャリヤ13と共に矢印の方向56に遊星入力ギヤ15に対して1.5倍の速度で公転を始める。同時に、遊星入力ギヤ15も一定の速度で矢印53の方向に回転し続けているので、遊星ギヤ14は、遊星入力ギヤ15を追い越すように公転する状態となる。これにより、遊星ギヤ14のギヤ歯面と遊星入力ギヤの15の内歯ギヤ15bの歯面は、正転時と反対側の歯面で接触することになり、遊星ギヤ14の回転方向が矢印57の方向に反転する。そのため、遊星ギヤ14と噛合している遊星出力ギヤ16の太陽ギヤ16aは、矢印58の方向へと回転方向を変化させられる。前述したとおり、遊星出力ギヤ16の出力ギヤ16bは、図7の排紙アイドラギヤ7dを介して排紙ローラギヤ7aに噛合っているため、排紙ローラギヤ7cと排紙ローラ7は、逆回転動作を行う。
排紙ローラ7aの逆回転動作は、センサT1で紙位置を検知するか、定着手段5eと排紙搬送部7の間に紙位置を検知する検知手段を設けるなどの手段を用い、検出信号に合わせ所定時間後に電磁クラッチ12への電力供給を行うことで実現している。用紙Sを搬送経路Bの両面搬送ローラ10まで送ったら、再度排紙ローラ7aを正転動作に切替えるため電磁クラッチ12への電力供給を遮断する。電磁クラッチ12への電力供給が遮断されると、電磁クラッチ12のアマチュアとロータの吸着状態を保持していた磁力が消失し、アマチュアとロータの吸着状態は解除される。ロータと一体化されたクラッチ出力シャフト12bは、駆動伝達軸17とキャリヤ入力ギヤ18、キャリヤ13と共に慣性で回転を続けようとするが、駆動伝達軸17の平行ピン17bを介して噛合うトルクリミッタ19の回転負荷によって静止させられる。キャリヤ13が静止すると、遊星支持軸13aに支持された遊星ギヤ14は、公転を停止し、再び遊星入力ギヤ15の内歯ギヤ15bによって自転させられる状態となり、回転方向を図1(b)に示す矢印54の方向へと戻す。これに伴い、遊星ギヤ14と噛合う遊星出力ギヤ16は、図1(b)に示す矢印55の方向へ回転し、排紙アイドラギヤ7d、排紙ローラギヤ7cを介し排紙ローラ7aを正回転させる。
本実施例においては、遊星ギヤ14と遊星出力ギヤ16歯数の比を1:1、遊星ギヤ14と遊星入力ギヤ15の内歯ギヤ15bの歯数比を1:3とした。また、電磁クラッチ1
2のクラッチ入力ギヤ12aの歯数と遊星入力ギヤ15の外歯ギヤ15aの歯数の比を、キャリヤ入力ギヤ18の歯数とキャリヤギヤ13aの歯数比に対して1:1.5とした。こうすることで、遊星出力ギヤ16の回転速度を正回転時、逆回転時で等速となるように構成している。
なお、正回転時と逆回転時の回転速度は任意の関係に設定できることは明らかである。遊星歯車機構の構成要素の歯数比と、電磁クラッチ12のクラッチ入力ギヤ12aの歯数と遊星入力ギヤ15の外歯ギヤ15aの歯数の比と、キャリヤ入力ギヤ18の歯数とキャリヤギヤ13aの歯数比の比率を調整すればよい。
特に、逆回転時の回転速度を正回転時より増速されるように設定することによって、用紙Sの搬送経路Bへの引き込み速度を上げることで、処理時間の短縮を図ることも可能となる。
さらに、正回転時と逆回転時の回転速度を変速させる構成においては、逆回転時に遊星入力ギヤ15とキャリヤ13が等速で回転するように設定することもできる。電磁クラッチ12のクラッチ入力ギヤ12aの歯数と遊星入力ギヤ15の外歯ギヤ15aの歯数の比を、キャリヤ入力ギヤ18の歯数とキャリヤギヤ13bの歯数比に対して1:1とすればよい。この場合、遊星ギヤ14は自転を停止し、公転のみを行い、遊星入力ギヤ15、キャリヤ13、遊星ギヤ14、遊星出力ギヤ16が一体となって回転する。したがって、逆回転時の遊星入力ギヤ15の内歯ギヤ15bと遊星ギヤ14、遊星ギヤ14と遊星出力ギヤ16の太陽ギヤ16aとの間で発生するギヤの転がり伝達損失を削減することが可能となる。
本実施例に係る駆動力伝達機構は、遊星歯車機構を用いたものである。遊星歯車機構は、遊星歯車機構の三つの回転要素(太陽ギヤ、内歯ギヤ、遊星ギヤ)のうち、太陽ギヤと内歯ギヤのどちらか一方が入力回転体(遊星入力ギヤ15)であり、他方が出力回転体(遊星出力ギヤ16)となる。入力回転体には、駆動源(駆動モータM)からの回転力が入力される。遊星ギヤ(遊星ギヤ14)を回転可能に支持するキャリヤ(キャリア13)は、駆動源からの回転力により入力回転体と同じ方向に回転させられる回転状態と停止状態の二つの状態に制御される。駆動源とキャリヤの駆動力伝達経路上には、駆動源の回転力のキャリヤへの伝達を任意のタイミングで切り替えるアクチュエータ(電磁クラッチ12)が設けられている。アクチュエータによってキャリヤへの回転駆動力の伝達状態、遮断状態を切り替える一方で、キャリヤには回転負荷付与手段(トルクリミッタ19)が連結されている。回転駆動力を遮断した際にはキャリヤに連結された回転負荷付与手段によって、キャリヤの停止状態を保持することにより、出力駆動の回転方向を適宜切替えることが可能となる。これにより、部品精度を緩和し、単純化した機構で駆動出力の正逆反転の切替えが可能となる。
(実施例2)
図3及び図4を参照して、本発明の実施例2に係る駆動力切替機構及び画像形成装置について説明する。なお、本実施例において実施例1と同機能で同構成のものは同符号で示し、説明を割愛する。ここで説明しない事項は、実施例1と同様である。
図3及び図4は、それぞれ、本実施例に係る駆動力切替機構9の構成を示す斜視図であり、(a)は各構成が一体となった状態を示す図、(b)は各構成を分解して示した図である。また、図3は、排紙ローラ7aが用紙Sを排紙トレイ8に排出する方向に回転する正転動作時における駆動力切替機構9の構成と動きを示している。また、図4は、両面印刷時において排紙ローラ7aの回転方向が逆転して用紙Sを装置内に引き戻す方向に回転する逆転動作時における駆動力切替機構9の構成と動きを示している。
本実施例において、遊星ギヤ14は段ギヤ構成となっており、駆動出力側は太陽ギヤ21と出力ギヤ22をそれぞれの伝達継手部21b、22aを係合させることで、駆動力を伝達する。遊星ギヤ14は、ピッチ円の大きさが異なる2つの第1ギヤ14a、第2ギヤ14bが一体となった2段の段ギヤである。駆動入力側の遊星入力ギヤ15の内歯ギヤ15bと遊星ギヤ14の第1ギヤ14aが噛合し、太陽ギヤ21の外歯ギヤ21aと遊星ギヤ14の第2ギヤ14bが噛合する。
<<正転動作>>
図3を参照して、本実施例における正転動作時の駆動力切替機構9の構成と動きを説明する。電磁クラッチ12のクラッチ入力ギヤ12aは、図3において図示しない駆動入力ギヤ11と噛合しており、駆動モータMから常に矢印62の方向の回転駆動力が伝達される。
クラッチ入力ギヤ12aは、電磁クラッチ12のアマチュアと一体に構成されており、電磁クラッチ12のロータと一体に構成されたクラッチ出力シャフト12bの周りを回転可能に保持されている。駆動入力ギヤ11の回転に伴い、クラッチ入力ギヤ12は矢印62の方向へ回転する。クラッチ入力ギヤ12aは他方で、遊星入力ギヤ15の外周に設けられた外歯ギヤ15aと噛合っており、遊星入力ギヤ15は矢印63の方向に回転する。遊星入力ギヤ15は、その内周に内歯ギヤ15bが設けられ、一方で遊星ギヤ14の第1ギヤ14aと噛合っている。遊星ギヤ14は、キャリヤ13の側面に設けられた遊星支持軸13a周りに回転可能に支持されている。
キャリヤ13は、その外形面にキャリヤギヤ13bが設けられており、隣接するキャリヤ入力ギヤ18と噛合する。キャリヤ入力ギヤ18は、伝達継手18aを有しており、駆動伝達軸17の平行ピン17bと嵌合されている。駆動伝達軸17のDカット面17aは、電磁クラッチ12のロータと一体に設けられたクラッチ出力シャフト12bと嵌合されている。さらに、キャリヤ13は、駆動伝達軸20に設けられた平行ピン20a、20bを介して、トルクリミッタ19と噛合っており、トルクリミッタ19より所定の回転負荷を受けている。駆動伝達軸20は、画像形成装置1のフレーム部に回転可能に支持されている。
トルクリミッタ19の回転負荷によって、駆動伝達軸20、キャリヤ13、キャリヤ入力ギヤ18、電磁クラッチ12の駆動伝達シャフト12bは静止状態を保っている。キャリヤ13が静止した状態を保っているため、遊星ギヤ14は、遊星入力ギヤ15の内歯ギヤ15aから受ける回転力によって静止したキャリヤ13の遊星支持軸13aを中心に矢印64の方向に自転する。遊星ギヤ14の第2歯車14bは、太陽ギヤ21の外歯ギヤ21aと噛合っており、遊星出力ギヤ21は、矢印65の方向に回転する。
前述したとおり、太陽ギヤ21と出力ギヤ22はそれぞれの伝達継手部21b、22aが係合されているため、出力ギヤ22は太陽ギヤと同じ矢印66の方向に回転する。
<<逆転動作>>
図4を参照して、本実施例における逆転動作時の駆動力切替機構9の構成と動きを説明する。電磁クラッチ12のクラッチ入力ギヤ12aは、図4において図示しない駆動入力ギヤ11と噛合しており、正回転時と同様、駆動モータMから常に矢印62の方向へ回転駆動力が伝達されている。
ここで、電磁クラッチ12に電力を供給すると、電磁クラッチ12のコイル部が通電され、磁力が発生する。この磁力によって、電磁クラッチ12のアマチュアとロータとが吸
着し一体化される。アマチュア側にはクラッチ入力ギヤ12aが、ロータ側にはクラッチ出力シャフト12bがそれぞれ一体化されている。電磁クラッチ12のアマチュアとロータの一体化により、クラッチ入力ギヤ12aの回転力がクラッチ出力シャフト12bに伝わる。クラッチ出力シャフト12bは、トルクリミッタ19の回転負荷に打ち勝ってクラッチ入力ギヤ12aと矢印62の方向に同期回転する。
前記した通り、クラッチ入力ギヤ12aは、遊星入力ギヤ15の外歯ギヤ15aと噛合しており、遊星入力ギヤ15を矢印63の方向に回転させる。これと同時に、電磁クラッチ12のクラッチ出力シャフト12bは、駆動伝達軸17を介してキャリヤ入力ギヤ18を矢印62の方向に回転させており、その回転力はキャリヤギヤ13bへと伝達され、キャリヤ13は、矢印67の方向に回転する。
本実施例においては、電磁クラッチ12のクラッチ入力ギヤ12aの歯数とキャリヤ入力ギヤ18の歯数を等しく、遊星入力ギヤ15の外歯ギヤ15aとキャリヤギヤ13bの歯数も等しくなるように構成している。これにより、遊星入力ギヤ15に対してキャリヤ13は同じ回転数で回転する。
このとき、キャリヤ13の遊星支持軸13aに支持された遊星ギヤ14は、キャリヤ13と共に矢印67の方向に公転を始め、同時に、遊星入力ギヤ15も一定の速度で矢印63の方向に回転し続けている。遊星ギヤ14の公転による移動速度と遊星入力ギヤ15の回転速度は同じ速度である。したがって、遊星ギヤ14は、第1ギヤ14aが正転時と反対側の歯面で遊星入力ギヤ15の内歯ギヤ15bと噛合った(接触した)所で自転を止める。これとほぼ同時に、遊星ギヤ14の第2ギヤ14bは、正転時と反対側の歯面で太陽ギヤ21の外歯ギヤ21aと接触する。その結果、キャリヤ13、遊星入力ギヤ15、遊星ギヤ14、太陽ギヤ21の4つの要素が一体となって矢印68の方向に回転する。これにより、太陽ギヤ21と伝達継手部21b、22aにより噛合している出力ギヤ22は、矢印69の方向に回転方向を変化させられる。出力ギヤ22の外歯ギヤ22bは、図7の排紙アイドラギヤ7dを介して排紙ローラギヤ7aに噛合っているため、排紙ローラギヤ7cと排紙ローラ7は、逆回転動作を行う。
本実施例においては、遊星ギヤ14と遊星出力ギヤ16歯数の比を1:1、遊星ギヤ14の第1ギヤ14aと遊星入力ギヤ15の内歯ギヤ15bの歯数比を1:3とした。また、電磁クラッチ12のクラッチ入力ギヤ12aの歯数と遊星入力ギヤ15の外歯ギヤ15aの歯数の比を、キャリヤ入力ギヤ18の歯数とキャリヤギヤ13bの歯数比に対して1:1とした。さらに、遊星ギヤの第1ギヤ14aと第2ギヤ14bとの歯数比を3:1とした。こうすることで、遊星出力ギヤ16の回転速度を正回転時、逆回転時で等速となるように構成している。
本実施例のように、遊星ギヤ14を段ギヤ構成にすることによって、実施例1で示した、出力軸の正転時と逆回転時の回転速度(出力回転数)を等速とする構成と、キャリヤ13と遊星入力ギヤ15を等速回転させる構成とを同時に達成することができる。すなわち、逆回転時の遊星入力ギヤ15の内歯ギヤ15bと遊星ギヤ14の第1ギヤ14a、遊星ギヤ14の第2ギヤ14bと太陽ギヤ21の外歯ギヤ21aとの間で発生するギヤの転がり伝達損失を削減することができる。
また、キャリヤ13とトルクリミッタ19を駆動伝達軸20上に配置し、駆動伝達軸20の平行ピン20a、20bを介して連結することによって、実施例1に比べてギヤのバックラッシ分だけ取り付けガタを減らすことが可能となる。したがって、トルクリミッタ19の回転負荷がキャリヤ13に伝わる時間が速くなり、キャリヤ13が停止する時間が短くなる。
実施例1で説明した通り、正回転時と逆回転時の回転速度を任意の関係に設定できることは明らかである。遊星歯車機構の構成要素の歯数比と、電磁クラッチ12のクラッチ入力ギヤ12aの歯数と遊星入力ギヤ15の外歯ギヤ15aの歯数の比と、キャリヤ入力ギヤ18の歯数とキャリヤギヤ13bの歯数比の比率を調整すればよい。
また、本実施例によれば、遊星ギヤ14を段ギヤ構成(二段ギヤ構造)にすることによって、歯数比の調整を行う箇所が増加し、正転時に対する逆回転時の回転速度をより細かく設定することが可能となる。
(実施例3)
図5及び図6を参照して、本発明の実施例3に係る駆動力切替機構及び画像形成装置について説明する。なお、本実施例において実施例1、2と同機能で同構成のものは同符号で示し、説明を割愛する。ここで説明しない事項は、実施例1、2と同様である。
図5及び図6は、それぞれ、本実施例に係る駆動力切替機構9の構成を示す斜視図であり、(a)は各構成が一体となった状態を示す図、(b)は各構成を分解して示した図である。また、図5は、排紙ローラ7aが用紙Sを排紙トレイ8に排出する方向に回転する正転動作時における駆動力切替機構9の構成と動きを示している。また、図6は、両面印刷時において排紙ローラ7aの回転方向が逆転して用紙Sを装置内に引き戻す方向に回転する逆転動作時における駆動力切替機構9の構成と動きを示している。
駆動力切替機構9は、図7に示す駆動モータMから不図示のギヤ列を介して、図5(a)の入力ギヤ11に矢印71で示す一定方向の回転駆動力が入力される。また、図7に示す排紙ローラ7aを回転駆動するための排紙アイドラギヤ7d、排紙ローラギヤ7cは、駆動力切替機構9の出力ギヤ22と噛合しており、駆動力切替機構9による出力ギヤ22の正転、逆転の切替えに合わせて排紙ローラ7aも正転、逆転を行う。
<<正転動作>>
図5を参照して、本実施例における正転動作時の駆動力切替機構9の構成と動きを説明する。
図5に示すように、駆動入力側では、入力ギヤ11が遊星入力ギヤ15の外歯ギヤ15aと噛合し、遊星入力ギヤ15に矢印72の方向の回転を伝達する。遊星入力ギヤ15は、その内周に内歯ギヤ15bを有し、内歯ギヤ15bは段ギヤ構成となっている遊星ギヤ14の第1ギヤ14aと噛合っている。遊星ギヤ14は、キャリヤ13の側面に設けられた遊星支持軸13a周りに回転可能に支持されている。駆動出力側では、遊星ギヤ14の第2ギヤ14bが、太陽ギヤ21の外歯ギヤ21aと噛合している。太陽ギヤ21と出力ギヤ22のそれぞれの駆動伝達継手21b、22aを駆動伝達軸17に設けた平行ピン17b、17cを係合させることで、太陽ギヤ21、出力ギヤ22、駆動伝達軸17は一体となって回転する。これにより、遊星ギヤ14から太陽ギヤ21に伝達された回転駆動力が、出力ギヤ22から出力される。
電磁クラッチ12のクラッチ入力継手12dは、キャリヤ13に設けられた継手部13cと噛合している。クラッチ入力継手12dは、電磁クラッチ12のアマチュアと一体に構成されており、電磁クラッチ12のロータと一体に構成されたクラッチ出力シャフト12bの周りを回転可能に保持されている。電磁クラッチ12のクラッチ出力シャフト12bは、駆動伝達軸17のDカット面17aと嵌合しており、太陽ギヤ21が回転する際には、電磁クラッチ12のクラッチ出力シャフト12bも同期回転する。
キャリヤ13は、その外形面にキャリヤギヤ13bが設けられており、隣接する回転負荷入力ギヤ24と噛合する。回転負荷入力ギヤ24は、伝達継手24aを有しており、回転負荷入力軸23の平行ピン23aと嵌合されている。回転負荷入力軸23は、平行ピン23bを介してトルクリミッタ19と噛合っており、トルクリミッタ19より所定の回転負荷を受けている。回転負荷入力軸23は、画像形成装置1のフレーム部に回転可能に支持されている。
トルクリミッタ19の回転負荷によって、回転負荷入力軸23、回転負荷入力ギヤ24、キャリヤ13、電磁クラッチ12の入力継手12dは静止状態を保っている。キャリヤ13が静止した状態を保っているため、遊星ギヤ14は、遊星入力ギヤ15の内歯ギヤ15bから受ける回転力によって静止したキャリヤ13の遊星支持軸13aを中心に矢印73の方向に自転する。遊星ギヤ14の第2ギヤ14bは、太陽ギヤ21の外歯ギヤ21aと噛合っているので、太陽ギヤ21は、矢印74の方向に回転する。
前述したとおり、太陽ギヤ21と出力ギヤ22のそれぞれの駆動伝達継手21b、22aが駆動伝達軸17に設けた平行ピン17b、17cを係合されているため、出力ギヤ22は矢印75の方向に回転する。
<<逆転動作>>
図6を参照して、本実施例における逆転動作時の駆動力切替機構9の構成と動きを説明する。図6において、遊星入力ギヤ15の外歯ギヤ15aは、駆動入力ギヤ11と噛合しており、駆動モータMから常に矢印72の方向へ回転駆動力が伝達されている。
ここで、電磁クラッチ12に電力を供給すると、電磁クラッチ12のコイル部が通電され、磁力が発生する。この磁力によって、電磁クラッチ12のアマチュアとロータとが吸着し一体化される。アマチュア側には入力継手12dが、ロータ側にはクラッチ出力シャフト12bがそれぞれ一体化されている。駆動伝達軸17を介して太陽ギヤ21から受ける回転力によって図5(b)に示す矢印74の方向に太陽ギヤ21と同期回転しているクラッチ出力シャフト12bは、アマチュアとロータの一体化によって、クラッチ入力継手12dと同期回転しようとする。電磁クラッチ12のクラッチ入力継手12dは、キャリヤ13に設けられた継手部13cと噛合しており、キャリヤ13も、電磁クラッチ12のクラッチ入力継手12d、クラッチ出力シャフト12bを介して、太陽ギヤ14と同期回転を始める。これと同時に、遊星ギヤ14の自転が停止する。
前記した通り、キャリヤ13は、隣接する回転負荷入力ギヤ24、回転負荷入力軸23を介してトルクリミッタ19からの回転負荷を受けている。したがって、太陽ギヤ21の回転力による駆動伝達軸17、クラッチ出力シャフト12b、クラッチ入力継手12d、キャリヤ13の図5(b)に示す矢印74の方向への同期回転は、瞬時に停止する。このとき、太陽ギヤ21とキャリヤ13は、電磁クラッチ12によって固定されている状態となっている。したがって、駆動モータMからの駆動力を受けている遊星入力ギヤ15の回転力により、太陽ギヤ21とキャリヤ13はトルクリミッタ19の回転負荷に打ち勝って矢印76の方向に一体になって回転する。
前記した通り、太陽ギヤ21と出力ギヤ22のそれぞれの駆動伝達継手21b、22aが駆動伝達軸17に設けた平行ピン17b、17cを係合されているため、出力ギヤ22は太陽ギヤ21と同じ矢印76の方向に回転する。出力ギヤ22の出力ギヤ22bは、図7の排紙アイドラギヤ7dを介して排紙ローラギヤ7aに噛合っているため、排紙ローラギヤ7cと排紙ローラ7は、逆回転動作を行う。
本実施例においては、遊星ギヤ14の第1ギヤ14aと遊星入力ギヤ15の内歯ギヤ1
5bの歯数比を1:3とし、遊星ギヤの第1ギヤ14aと第2ギヤ14bとの歯数比を3:1とした。こうすることで、遊星出力ギヤ16の回転速度を正回転時、逆回転時で等速となるように構成している。
本実施例では、キャリヤ13と電磁クラッチ12を駆動伝達軸17上に配置し、キャリヤ13に設けられた継手部13cと電磁クラッチ12のクラッチ入力継手12dを嵌め合わせて連結することで、キャリヤ13を太陽ギヤ21と一体化し、同期回転させる。また、本実施例では、遊星ギヤ14を段ギヤ構成としている。これにより、実施例1で示した、出力軸の正転時と逆回転時の回転速度(出力回転数)を等速とする構成と、キャリヤ13と遊星入力ギヤ15を等速回転させる構成とを同時に達成することができる。すなわち、逆回転時の遊星入力ギヤ15の内歯ギヤ15bと遊星ギヤ14の第1ギヤ14a、遊星ギヤ14の第2ギヤ14bと太陽ギヤ21の外歯ギヤ21aとの間で発生するギヤの転がり伝達損失を削減することができる。
加えて、本実施例においては、トルクリミッタ19を駆動モータMからキャリヤ13への駆動力伝達経路上から切り離して配置している。これにより、キャリヤ13のキャリヤギヤ13bと回転負荷入力ギヤ24の歯数を調整することで、トルクリミッタ19に要求される回転負荷の大きさを自由に設定することが可能となっている。
さらに、実施例1に示した通り、遊星歯車機構の構成要素の歯数比を変更することで正回転時と逆回転時の回転速度を任意の関係に設定できることは明らかである。
上記各実施例では、アクチュエータとして電磁クラッチ12を用いた場合について説明したが、本発明に適用可能なアクチュエータは上述した電磁クラッチに限定されるものではない。簡易な構成で回転駆動力の伝達、遮断を行うことが可能なものであれば適宜採用することができる。また、回転負荷付与手段についても、上記各実施例で示したトルクリミッタに限定されるものではなく、キャリヤへの駆動力遮断時における自由な回転を規制することが可能なものであれば適宜採用することができる。
9…駆動力切替機構、12…電磁クラッチ(アクチュエータ)、13…キャリヤ、14…遊星ギヤ、15…遊星入力ギヤ、15b…内歯ギヤ、16…遊星出力ギヤ、16a…太陽ギヤ、19…トルクリミッタ(回転負荷付与手段)、M…駆動モータ(駆動源)

Claims (4)

  1. 一方向に回転する入力ギヤと、
    出力ギヤと、
    前記入力ギヤから前記出力ギヤへの動力伝達経路に設けられた遊星歯車機構であって、太陽ギヤと、前記太陽ギヤに噛み合う遊星ギヤと、前記遊星ギヤに噛み合う内歯ギヤと、前記遊星ギヤを回転可能に保持するキャリヤと、を有する遊星歯車機構と、
    を有し、前記遊星歯車機構の前記キャリヤの回転、静止を切り替えることにより前記出力ギヤの回転方向を切り替える駆動力切替機構において、
    前記動力伝達経路の一部であって、前記入力ギヤの回転駆動力を前記内歯ギヤへ伝達する第一の動力伝達経路と
    前記動力伝達経路の一部であり且つ前記第一の動力伝達経路とは異なる動力伝達経路であって、前記入力ギヤの回転駆動力を前記キャリヤへ伝達する第二の動力伝達経路と、
    前記入力ギヤが回転していても前記キャリヤが静止状態を保つように前記第二の動力伝達経路に回転負荷を付与する回転負荷付与手段と、
    前記第二の動力伝達経路を経由する回転駆動力の、前記キャリヤへの伝達、遮断を切替えるためのアクチュエータと、
    を有し、
    前記回転負荷付与手段による回転負荷によって前記第二の動力伝達経路を経由する回転駆動力が前記キャリヤに伝達しない状態で前記第一の動力伝達経路を経由して前記内歯ギヤへ回転駆動力を伝達し前記遊星ギヤを自転させる状態と、前記回転負荷付与手段による回転負荷に打ち勝ち、前記第二の動力伝達経路を経由する回転駆動力が前記キャリヤに伝達することによって前記遊星ギヤを公転させる状態と、を前記アクチュエータによって切り替えることにより前記出力ギヤの回転方向が切り替わることを特徴とする駆動力切替機構。
  2. 前記アクチュエータは、電磁クラッチであることを特徴とする請求項1に記載の駆動力切替機構。
  3. 前記回転負荷付与手段は、前記キャリヤに対して回転方向に常に所定の大きさの回転負荷を付与するトルクリミッタであることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動力切替
    機構。
  4. 記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
    記録材の片面に画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部を通過した記録材を搬送するための回転体と、
    前記回転体に伝達される回転駆動力の回転方向の正逆を切り替え可能な請求項1〜3のいずれか1項に記載の駆動力切替機構と、
    前記回転体の回転方向が逆転することにより搬送方向を反転された記録材を、前記画像形成部の上流側に搬送する搬送部と、
    を備える画像形成装置。
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