JP6396259B2 - 炊飯器 - Google Patents

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本発明は、炊飯器に関するものである。
従来、炊飯器として、購入後の初期炊飯で、自動的に省エネ炊飯メニューで炊飯を開始することにより消費電力を低減するようにしたものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記従来の炊飯器では、初期炊飯で自動的に省エネ炊飯メニューが選択されてしまう。ユーザによっては希望しないことがあるにも拘わらず、自動的に省エネ炊飯メニューが選択されていると、ユーザが通常炊飯メニューが選択されていると勘違いしたままでその後の炊飯が行われることがある。
特開2006−271667号公報
本発明は、炊飯を開始する前にユーザに炊飯メニューの選択を促すことにより、その後の炊飯を希望しない炊飯メニューで行われることを防止することができる炊飯器を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
内鍋が収容される炊飯器本体と、
前記内鍋の上方開口部を閉鎖する蓋体と、
前記内鍋を加熱する加熱手段と、
炊飯メニューを選択するための第1入力手段と、
炊飯処理を開始するための第2入力手段と、
前記炊飯処理を実行するための制御プログラムを記憶する記憶手段と、
前記炊飯メニューを表示する表示手段と、
前記第2入力手段の操作により、前記第1入力手段によって選択された前記炊飯メニューに従って、前記加熱手段への通電を制御しながら前記記憶手段に記憶した制御プログラムを実行し、前記内鍋に収容した飯米及び水を加熱して炊飯する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第1入力手段により前記炊飯メニューが選択されるまでは、前記第2入力手段による炊飯開始を受け付けない準備処理を実行し、前記表示手段に、設定されている炊飯メニューを他と識別表示させると共に、前記炊飯メニューの選択を促す文章を表示させることを特徴とする炊飯器を提供する。
この構成により、炊飯を開始する前に、炊飯メニューが選択されなければ、炊飯が開始されることがない。したがって、ユーザが炊飯メニューに何が選択されているのかを認識することなく炊飯が開始されてしまうことを防止できる。また、ユーザに炊飯メニューの選択を喚起させることができる。
前記制御手段は、初めて前記第1入力手段が操作される1回に限り前記準備処理を実行し、次回以降の炊飯処理では前記第1入力手段により炊飯メニューが変更されない限り、前記準備処理で選択された炊飯メニューで炊飯処理を実行するのが好ましい。
この構成により、炊飯メニューの設定が変更されない限り、準備処理でユーザが設定したメニューと同一内容で次回の炊飯を行うことができる。このため、次回の炊飯で、ユーザが選択メニューを選択する手間を省くことができる。
前記第1入力手段により選択可能な前記炊飯メニューとして、通常炊飯メニュー及び省エネ炊飯メニューを含み、前記省エネ炊飯メニューが初期メニューとして設定されているのが好ましい。
この構成により、省エネ性の高い炊飯メニューを初期メニューに設定しておくことにより、ユーザに省エネ意識を喚起させることができる。
本発明によれば、炊飯を開始する前に、炊飯メニューが選択されなければ、炊飯が開始されないようにしているので、ユーザが炊飯メニューに何が選択されているのかを認識することなく炊飯が開始されてしまうことを防止可能となる。
本実施形態に係る炊飯器の概略断面図である。 図1の蓋体に設けた操作パネルの平面図である。 本実施形態に係る炊飯器の起動初期に行う準備処理を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本実施形態に係る炊飯器の概略を示す。この炊飯器は、炊飯器本体1に回動可能に蓋体2を取り付け、炊飯器本体1内に収容される内鍋3の上方開口部を蓋体2に取り付けた内蓋4で閉鎖するようにしたものである。
炊飯器本体1は、内鍋3が収容される収容凹部5を有している。収容凹部5を構成する底面中央部にはサーミスタ等からなる鍋温度検出センサ6が設けられている。鍋温度検出センサ6の外周側には底ヒータ7が配置されている。また収容凹部5を構成する胴部の外周面には胴ヒータ8が取り付けられている。底ヒータ7は誘導加熱コイルで構成され、本発明に係る加熱手段を構成している。胴ヒータ8は、電熱線で構成される一般的なヒータである。
炊飯器本体1の背面側には制御部9が内蔵されている。制御部9の詳細については図示しないが、プリント基板に、本発明の演算手段の一例であるCPU9a(Central Processing Unit)や、本発明の記憶手段の一例であるROM9b(Read Only Memory)等を実装したものである。ROM9bには、後述する処理を実行する制御プログラム等が記憶されている。CPU9aは、鍋温度検出センサ6や後述する蓋温度検出センサ26、あるいは、蓋体2の各種操作ボタンからの入力信号を受けて、前記ROMに記憶した制御プログラムを実行し、底ヒータ7や胴ヒータ8あるいは蓋ヒータ25への通電制御を行うことにより炊飯処理等を実行する。
内鍋3は、金属材料を有底筒状としたもので、ここでは外面側がステンレス等の磁性材料からなり、内面側がアルミニウム等の高熱伝導材料からなるクラッド材が使用されている。内鍋3の内面には水位線が設けられている。水位線は、「白米」、「おかゆ」、「エコ炊飯」、「すしめし、蒸気セーブ」のそれぞれに応じて形成されている。エコ炊飯(省エネ炊飯)の場合をさらに別の水位線とすることで、より適切な水量で炊飯を行うことができる。具体的には、同じ飯米量であっても、エコ炊飯の場合は、通常の白米の場合に比べて水位を低く設定している。これにより、エコ炊飯であっても、おいしい炊き上がり状態の米飯を得ることができる。
蓋体2は、炊飯器本体1に回動可能に接続されている。蓋体2の前方上面には操作パネル10が設けられている。操作パネル10は、図2に示すように、表示手段である表示パネル11と、入力手段である複数の操作ボタン12とを備える。
表示パネル11には、時刻表示部13、第1メニュー表示部14、第2メニュー表示部15及び米種及び炊き方表示部16が設けられている。時刻表示部13では、24時間の時刻表示が可能となっている。第1メニュー表示部14には、炊飯方法を選択するための炊飯メニュー(「白米」、「エコ炊飯」、「わが家炊き」)と、炊き上がった米飯の硬さを選択するための硬さメニュー(「しゃっきり」、「ややしゃっきり」、「ふつう」、「ややもちもち」、「もちもち」)とが含まれる。第2メニュー表示部15には、炊飯方法を選択するための炊飯メニュー(「熟成」、「特急」、「急速」、「炊きこみ」)が含まれる。「エコ炊飯」の周囲には楕円形の点線部17が設けられ、初期起動時にのみ点滅表示されるようになっている。米種及び炊き方表示部16には、「すしめし」、「おかゆ」、「おこわ」、「雑穀米」、「雑穀米がゆ」、「金芽米」、「蒸気セーブ」、「ふつうおこげ」、「炊きこみおこげ」が含まれる。
操作ボタン12は、とりけしボタン18、無洗米選択ボタン19、メニューボタン20、保温選択ボタン21、時刻合わせ(▽・△)ボタン22、予約ボタン23、及び、炊飯(再加熱)ボタン24で構成されている。
図1に戻って、蓋体2の下面には、内蓋4が取外可能に取り付けられている。内蓋4には蓋ヒータ25が設けられている。蓋ヒータ25の温度は、蓋温度検出手段である、サーミスタ等からなる蓋温度検出センサ26によって検出される。
次に、前記構成からなる炊飯器の動作について説明する。
図3のフローチャートに示すように、工場出荷後に始めて電源が投入されれば(ステップS1:YES)、準備処理を開始する。
準備処理では、初期メニューとして省エネ炊飯が設定されている。そして、表示パネル11に表示させた初期起動画面(図2)に、炊飯メニューとして省エネ炊飯メニューを示す「エコ炊飯」の文字の周囲に形成される楕円形状の点線部17を点滅させる(ステップS2)。またその近傍には、「炊飯メニューを選択してください。」の選択を促す文章を表示させる(ステップS3)。この状態で炊飯ボタン24を押圧操作すると(ステップS4:YES)、ブザー等によってエラーが報知され(ステップS5)、炊飯が受け付けられないようになっている。したがって、ユーザはこの時点で炊飯メニューの選択が完了していないことを認識することができる。またこのとき、ユーザが改めて図2に示す初期起動画面を眺めれば、前述の文章に気がついて何をすべきかを把握することができる。
メニューボタン20が1回押圧されれば(ステップS6)、表示パネル11に表示されている「エコ炊飯」の周囲の点線部17を消灯し(ステップS7)、「エコ炊飯」の文字を点滅表示させる。この段階で、エコ炊飯メニュー(省エネ炊飯メニュー)が選択されたことになる。他の炊飯メニューを選択する場合、メニューボタン20をさらに押圧操作し(ステップS8)、点滅表示される炊飯メニューの位置を変更することができる(ステップS9)。これにより、準備処理が終了し、炊飯ボタンの押圧操作が受け付け可能な状態となる。そして、炊飯メニューを選択(いずれかの炊飯メニューをハイライト表示)した状態で炊飯ボタン24が押圧されれば(ステップS10)、選択した炊飯メニューを点灯し、その他の炊飯メニューを消灯すると共に、その炊飯メニューに応じた制御プログラムに従って炊飯を開始する。
以下、エコ炊飯メニューが選択された場合の炊飯制御について説明する。
エコ炊飯メニューでも、通常炊飯メニューと同様に、予熱工程、昇温工程、沸騰維持工程及び蒸らし工程により炊飯を行う。
予熱工程は、予熱1及び予熱2により行う。
予熱1では、誘導加熱コイルである底ヒータ7に所定の通電率で通電して内鍋3を加熱する。予熱1は、鍋温度検出センサ6での検出温度が予熱温度(例えば、40℃)となるまで行う。この間、通常炊飯メニューでは蓋ヒータ25への通電を行うが、エコ炊飯メニューでは停止して消費電力を抑制する。
予熱2では、鍋温度検出センサ6での検出温度が予熱温度(例えば、40℃)に維持されるように底ヒータ7への通電を制御する。そして予熱2の開始から、予め設定した予熱時間(例えば、8分)が経過することにより次の昇温工程へと移行する。なお、エコ炊飯メニューでの予熱時間は、通常炊飯メニューの場合(例えば、17分)に比べて短い。
このように、エコ炊飯メニューの予熱工程は、通常炊飯メニューの場合に比べて予熱時間が短く、しかも蓋ヒータ25には通電しないため、その分消費電力を抑制することができる。
昇温工程では、予熱工程に比べて底ヒータ7への通電率を高めて投入電力を増大させた状態で内鍋3を加熱する。但し、底ヒータ7への投入電力は、通常炊飯メニューに比べてエコ炊飯メニューを小さくしているので、消費電力を抑制することができる(例えば、通常炊飯メニューでは1200W又は1020Wであるのに対し、エコ炊飯メニューでは960Wとしている。)。そして、蓋温度検出センサ26での検出温度が第1目標温度(ここでは、約90℃)に到達すれば、沸騰維持工程へと移行する。
沸騰維持工程では、底ヒータ7、胴ヒータ8及び蓋ヒータ25に通電し、鍋温度検出センサ6での検出温度を沸騰温度に維持する。このとき、昇温工程に比べて、底ヒータ7への投入電力を大きくする(ここでは、1000Wとしている。)。そして、蓋温度検出センサ26での検出温度が第2目標温度(ここでは、103℃)に到達すれば、蒸らし工程へと移行する。但し、底ヒータ7への投入電力は、通常炊飯メニューに比べてエコ炊飯メニューの場合を小さくする。また、第2目標温度は、通常炊飯メニュー(例えば、110℃)に比べてエコ炊飯メニューの場合を低く設定している。さらに、通常炊飯メニューの場合のように、沸騰維持工程終了後にさらに内鍋3や内蓋4への加熱を続行して内蓋4への露の付着等を防止する、いわゆるドライアップは行わない。これら一連の通電制御により、通常炊飯メニューに比べてエコ炊飯メニューでの消費電力を抑制することができる。
蒸らし工程では、全ヒータ(底ヒータ7、胴ヒータ8及び蓋ヒータ25)への通電を停止し、蒸らし時間が経過するまで待機する。この蒸らし工程では、通常炊飯メニューのように、途中で底ヒータ7に通電することがなく、その分消費電力を抑制することができる。
このように、前記実施形態に係る炊飯器によれば、工場出荷後にめて電源が投入された時点で、炊飯メニューが選択されない限り、炊飯を開始することができない。したがって、ユーザは所望の炊飯メニューで炊飯を開始することができる。またエコ炊飯メニューで炊飯が行われる場合には、予熱、昇温、沸騰維持及び蒸らしの各工程で消費電力を抑制することができる。
また次回以降の炊飯では、メニューボタン20により炊飯メニューが変更されない限り、自動的にエコ炊飯メニューが選択され、表示パネル11には、初期メニューとして設定されている「エコ炊飯」を最初から点滅状態で表示する。したがって、メニューボタン20を操作することなく、炊飯(再加熱)ボタン24を操作するだけで、エコ炊飯を開始させることができる。但し、炊飯メニューを変更する場合、メニューボタン20を操作することにより、点滅表示を「白米」、「わが家炊き」等、他の炊飯メニューへと切り替えればよい。
なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、工場出荷後に始めて電源投入する場合について説明したが、炊飯を行う度に毎回、準備処理を実行するようにしてもよい。
また前記実施形態では、操作パネル10として図2に示す形態のものを示したが、これに限らず、他の表示形態や操作ボタン12を備えた構成であってもよい。
また前記実施形態では、本発明の第1入力手段をメニューボタン20とし、第2入力手段を炊飯(再加熱)ボタン24としたが、これに限らず、他の操作ボタン12(例えば、時刻合わせボタン22)を使用したり、専用のボタンを新たに設けたりすることもできる。
また前記実施形態では、初期電源投入時、表示パネル11に表示させたエコ炊飯の周囲で点線部17を点滅表示させるようにしたが、その表示形態は自由であり、エコ炊飯の文字自体を点滅させたりすることもできる。また炊飯メニューが選択される前に炊飯(再加熱)ボタン24が操作された場合のエラー報知についても、ブザーに代えて、あるいは、同時に、炊飯(再加熱)ボタン24の表示色の変更、点滅等により、自由に設定することができる。
1…炊飯器本体
2…蓋体
3…内鍋
4…内蓋
5…収容凹部
6…鍋温度検出センサ
7…底ヒータ(加熱手段)
8…胴ヒータ
9…制御部
9a…CPU(制御手段)
9b…ROM(記憶手段)
10…操作パネル
11…表示パネル
12…操作ボタン
13…時刻表示部
14…第1メニュー表示部
15…第2メニュー表示部
16…米種及び炊き方表示部
17…点線部
18…とりけしボタン
19…無洗米選択ボタン
20…メニューボタン(第1入力手段)
21…保温選択ボタン
22…時刻合わせ(▽・△)ボタン
23…予約ボタン
24…炊飯(再加熱)ボタン(第2入力手段)
25…蓋ヒータ
26…蓋温度検出センサ

Claims (3)

  1. 内鍋が収容される炊飯器本体と、
    前記内鍋の上方開口部を閉鎖する蓋体と、
    前記内鍋を加熱する加熱手段と、
    炊飯メニューを選択するための第1入力手段と、
    炊飯処理を開始するための第2入力手段と、
    前記炊飯処理を実行するための制御プログラムを記憶する記憶手段と、
    前記炊飯メニューを表示する表示手段と、
    前記第2入力手段の操作により、前記第1入力手段によって選択された前記炊飯メニューに従って、前記加熱手段への通電を制御しながら前記記憶手段に記憶した制御プログラムを実行し、前記内鍋に収容した飯米及び水を加熱して炊飯する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記第1入力手段により前記炊飯メニューが選択されるまでは、前記第2入力手段による炊飯開始を受け付けない準備処理を実行し、前記表示手段に、設定されている炊飯メニューを他と識別表示させると共に、前記炊飯メニューの選択を促す文章を表示させることを特徴とする炊飯器。
  2. 前記制御手段は、初めて前記第1入力手段が操作される1回に限り前記準備処理を実行し、次回以降の炊飯処理では前記第1入力手段により炊飯メニューが変更されない限り、前記準備処理で選択された炊飯メニューで炊飯処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
  3. 前記第1入力手段により選択可能な前記炊飯メニューとして、通常炊飯メニュー及び省エネ炊飯メニューを含み、前記省エネ炊飯メニューが初期メニューとして設定されていることを特徴とする請求項2に記載の炊飯器。
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