JP6394193B2 - 正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池に関する。
近年、環境・エネルギー問題の解決へ向けて、種々の電気自動車の普及が期待されている。これら電気自動車の実用化の鍵を握るモータ駆動用電源などの車載電源として、リチウムイオン二次電池の開発が鋭意行われている。しかしながら、車載電源としてリチウムイオン電池が広く普及するためには、電池を高性能にして、より安価にする必要がある。また、電気自動車の一充電走行距離をガソリンエンジン車に近づける必要があり、より高エネルギー密度の電池が望まれている。
電池のエネルギー密度を高めるためには、正極と負極の単位質量あたりに蓄えられる容量を大きくする必要がある。この要請に応えられる可能性のある正極材料(正極活物質)として、層状リチウムニッケル系複合酸化物や空間群R−3mに帰属される結晶構造を有し、遷移金属サイトにリチウムを含有するいわゆる固溶体系材料が検討されている。
しかしながら、正極活物質からのLi脱離量を増やし高い容量を得るために充電電圧を上昇させると、正極活物質からの遷移金属溶出量の増加、正極活物質の結晶構造の変化や、有機電解質の酸化分解などにより、サイクル特性の低下を引き起こすおそれがある。
サイクル特性の低下を抑制するために、Al、TiO、ZrO、B、SiO、AlPO等の酸化物で正極活物質を被覆することが開示されている(特許文献1)。
しかし、これらの酸化物はリチウムイオン伝導性が低く、絶縁物のため、特に急速充放電時に抵抗の増大により容量が低下するという問題がある。
また、抵抗の増大を抑制し、サイクル特性を改善するために正極活物質をリチウムイオン伝導性固体電解質で被覆する方法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、充電電圧を上昇させて充放電を繰り返した場合に、サイクル特性の低下を抑制する効果が不十分であるという問題がある。
特開2003−7299号公報 特開2003−59492号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、高容量かつ、サイクル特性の良好な正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る正極活物質は、第一の粒子と第二の粒子とを混合して用いる正極活物質であって、前記第一の粒子は、コア粒子及び前記コア粒子の表面の少なくとも一部を覆う被覆部を備え、前記コア粒子は、リチウムイオン伝導性無機固体電解質であり、前記被覆部は一般式(1)または(2)から選ばれる少なくとも一つのリチウム遷移金属複合酸化物から形成されており、前記第二の粒子は、一般式(1)または(2)から選ばれる少なくとも一つのリチウム遷移金属複合酸化物であることを特徴とする。
一般式(1) LiNit1(M1)p1(M2)q1
〔M1はCo、Mnから選ばれた少なくとも1種;M2はAl、Fe、CrおよびMgから選ばれた少なくとも1種;0.7≦t1<0.95;0.04≦p1≦0.25;0≦q1≦0.1〕
一般式(2) Lit2Nip2Coq2Mnr2(M3)s2
〔M3はAl,Si,Zr,Ti,Fe,Mg,Nb,BaおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1種、2.0≦(p2+q2+r2+s2+t2)≦2.2、1.0<t2≦1.3、0<p2≦0.3、0≦q2≦0.3、0.3≦r2≦0.7、0≦s2≦0.1〕
本発明によれば、充電電圧を上昇させて充放電を繰り返す際に、第一の粒子と第二の粒子を混合した正極活物質を用いることにより、第二の粒子より溶出する遷移金属を第一の粒子が捕捉し、セパレータや負極表面への付着・析出を抑制することで、サイクル特性が改善する。
また、第一の粒子のコア粒子に、リチウムイオン伝導性無機固体電解質を用いることにより抵抗増加が抑制され容量低下を抑えることができ、コア粒子の表面の少なくとも一部を覆う被覆部に、一般式(1)または(2)から選ばれる第二の粒子とほぼ同様のリチウム遷移金属複合酸化物を用いることにより、正極活物質より溶出する遷移金属を、捕捉しやすくなる。
以上により、第一の粒子と第二の粒子とを混合した正極活物質を用いることにより、高容量、かつ良好なサイクル特性が得られる。
また、前記第一の粒子と前記第二の粒子の合計に対する第一の粒子の割合が0.1質量%以上12質量%以下であることが好ましい。
第一の粒子と第二の粒子の合計に対する第一の粒子の割合が0.1質量%以上の時には、より良好なサイクル特性が得られ、12質量%以下の時には高い容量となる傾向が見られる。
また、前記リチウムイオン伝導性無機固体電解質が、一般式(3)、(4)および(5)から選ばれる少なくとも一つであり、前記第一の粒子の前記コア粒子の表面の少なくとも一部を覆う被覆部が、前記第二の粒子を構成する遷移金属元素と同じ遷移金属元素を含む化合物により形成されることが好ましい。
一般式(3) Li1+x(M4)(M5)2−x12
(M4=Al、Y、Ga、Laの中から選ばれる1種以上、M5=Ti、Zrの中から選ばれる1種以上、0.2≦x≦0.4)
一般式(4) Li7−y(M6)(Zr2−yNb)O12
(M6=La、Al、Y、Gaの中から選ばれる1種以上、0≦y≦0.5)
一般式(5) Li3zLa(2/3−z)TiO (0.03≦z≦0.167)
リチウムイオン伝導性無機固体電解質として、リチウムイオン伝導性の優れる一般式(3)、(4)および(5)から選ばれる少なくとも一つを用いることにより、より高い容量が得られる。また、第一の粒子のコア粒子の表面の少なくとも一部を覆う被覆部が、第二の粒子を構成する遷移金属元素と同じ遷移金属元素を含むリチウム遷移金属複合酸化物であることにより、高い容量を得るために充電電圧を上昇させて充放電を繰り返す際に、第二の粒子より溶出する遷移金属を効率よく捕捉することが可能となり、より良好なサイクル特性が得られる。
上述したように、本発明は、従来に比べて、高容量、かつ良好なサイクル特性が得られる正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本実施形態の正極活物質を備えるリチウムイオン二次電池の模式断面図である。 図2(a)は、本発明の実施例1の正極の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影した写真である。 図2(b)は、第一の粒子のコア粒子の構成元素の一つであるリンのTEM−EDS像である。 図2(c)は、第一の粒子のコア粒子の構成元素の一つであるチタンのTEM−EDS像である。 図2(d)は、第二の粒子の構成元素の一つであり、さらに第一の粒子のコア粒子の被覆部の構成元素の一つであるコバルトのTEM−EDS像である。 図2(e)は、第二の粒子の構成元素の一つであり、さらに第一の粒子のコア粒子の被覆部の構成元素の一つであるニッケルのTEM−EDS像である。
以下、本発明の一実施形態として正極活物質、電極、リチウムイオン二次電池について説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
<正極活物質>
本実施形態の正極活物質は、第一の粒子と第二の粒子とを混合して用いる正極活物質であって、前記第一の粒子は、コア粒子及び前記コア粒子の表面の少なくとも一部を覆う被覆部を備え、前記コア粒子は、リチウムイオン伝導性無機固体電解質であり、前記被覆部は一般式(1)または(2)から選ばれる少なくとも一つのリチウム遷移金属複合酸化物から形成されており、前記第二の粒子は、一般式(1)または(2)から選ばれる少なくとも一つのリチウム遷移金属複合酸化物であることを特徴とする。
一般式(1) LiNit1(M1)p1(M2)q1
〔M1はCo、Mnから選ばれた少なくとも1種;M2はAl、Fe、CrおよびMgから選ばれた少なくとも1種;0.7≦t1<0.95;0.04≦p1≦0.25;0≦q1≦0.1〕
一般式(2) Lit2Nip2Coq2Mnr2(M3)s2
〔M3はAl,Si,Zr,Ti,Fe,Mg,Nb,BaおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1種、2.0≦(p2+q2+r2+s2+t2)≦2.2、1.0<t2≦1.3、0<p2≦0.3、0≦q2≦0.3、0.3≦r2≦0.7、0≦s2≦0.1〕
(第一の粒子)
上記、第一の粒子はコア粒子とコア粒子の表面の少なくとも一部を覆う被覆部からなる。
上記コア粒子はリチウムイオン伝導性無機固体電解質からなり、一般式(3)、(4)および(5)から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
一般式(3) Li1+x(M4)(M5)2−x12
(M4=Al、Y、Ga、Laの中から選ばれる1種以上、M5=Ti、Zrの中から選ばれる1種以上、0.2≦x≦0.4)
一般式(4) Li7−y(M6)(Zr2−yNb)O12
(M6=La、Al、Y、Gaの中から選ばれる1種以上、0≦y≦0.5)
一般式(5) Li3zLa(2/3−z)TiO (0.03≦z≦0.167)
これらのリチウムイオン伝導性無機固体電解質は、リチウムイオン伝導性に優れ、有機電解質に対して安定であるため、より高い容量が得られ、良好なサイクル特性が得られる。
さらに、上記被覆部は一般式(1)または(2)から選ばれる少なくとも一つのリチウム遷移金属複合酸化物から形成されていることが好ましい。これにより、正極活物質より溶出する遷移金属を効率よく捕捉することが可能となる。
上記被覆部を形成するリチウム遷移金属複合酸化物は、結晶質もしくは非晶質、さらには結晶質と非晶質の混合状態でもよく、被覆部は複数のリチウム遷移金属複合酸化物から形成されていてもよい。
上記被覆部の厚さは特に限定されず、被覆部はコア粒子の表面を島状に覆っていてもよい。
上記被覆部はコア粒子の表面を30%以上覆っていることが好ましい。
上記第一の粒子の一次粒子の平均粒子径は0.05μm以上、3μm以下であることが好ましい。このような第一の粒子を用いることにより、高容量、かつ良好なサイクル特性が得られる。平均粒子径が0.05μm以上の第一の粒子を用いた場合は、粉体の取扱いが容易になり、5μm以下の第一の粒子を用いた場合は、高い容量が得られる。
さらに、第一の粒子の一次粒子の平均粒子径は、第二の粒子の一次粒子の平均粒子径よりも小さいことが好ましい。第二の粒子の一次粒子の平均粒子径よりも小さい第一の粒子を用いた場合、電極とした際の電極密度が大きくなる傾向となる。
また、第一の粒子は二次粒子を形成していてもよい。
(第二の粒子)
上記、第二の粒子は、一般式(1)または(2)から選ばれる少なくとも一つのリチウム遷移金属複合酸化物である。これらのリチウム遷移金属複合酸化物を用いることにより高い容量が得られる。
上記第二の粒子を形成するリチウム遷移金属複合酸化物は、上記第一の粒子の被覆部を形成するリチウム遷移金属複合酸化物と同じ遷移金属元素を含むことが好ましい。これにより、第二の粒子より溶出する遷移金属をより効果的に捕捉することが可能となり、より良好なサイクル特性が得られる。
第二の粒子の一次粒子の平均粒子径は0.1μm以上、10μm以下であることが好ましい。一次粒子の平均粒子径が0.1μm以上第二の粒子を用いた場合は、粉体の取扱いが容易になり、10μm以下の第二の粒子を用いた場合は、高い容量が得られる。
また、第二の粒子は二次粒子を形成していることが好ましく、その平均二次粒子径は、1μm以上、50μm以下であることが好ましい。平均二次粒子径が1μm以上の第二の粒子の二次粒子を用いた場合は、電極とした際の電極密度が大きくなる傾向となり、50μm以下の第二の粒子の二次粒子を用いた場合は、平坦な電極シートが得られる傾向となる。
第一の粒子(A)と第二の粒子(B)の合計に対する第一の粒子(A)の割合(δ)は、0.1質量%≦δ≦12質量%であることが好ましい。
δ=A/(A+B)×100
δが0.1質量%以上の時には、よりサイクル特性の改善効果が見られ、12質量%以下の時には高い容量が得られる傾向となる。さらに、δが0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
(第一の粒子の製造方法)
第一の粒子のコア粒子の合成方法は特に限定されず、一般的な方法により合成されたものを用いることができる。例えば構成する元素を含む酸化物、水酸化物、硝酸塩又は炭酸塩などの混合粉末を熱処理することによって合成することができる。
被覆部に用いられるリチウム遷移金属複合酸化物の合成方法は特に限定されず、一般的な方法により合成されたものを用いることができる。例えば構成する元素を含む酸化物、水酸化物、硝酸塩又は炭酸塩などの混合粉末を熱処理することによって合成することができる。さらに、得られたリチウム遷移金属複合酸化物を遊星ボールミルやポットミルなどによる微粉化処理を行ってもよい。
第一の粒子のコア粒子粉末とリチウム遷移金属複合酸化物の微小粉末を99:1〜60:40の比率となるように秤量し、メカノフュージョン法、遊星ボールミル法、またはボールミル法などの機械的な被覆処理により、被覆部を形成する方法を採ることができる。
さらには、被覆部の形成後に熱処理を行ってもよい。
また、所望の粒子径を有する第一の粒子の粉体を得るためには、粉砕機や分級機を用いてもよい。例えば乳鉢、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には、水又はヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、ふるいや風力分級機などが、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
(第二の粒子の製造方法)
第二の粒子に用いられるリチウム遷移金属複合酸化物の合成方法は特に限定されず、一般的な方法により合成されたものを用いることができる。一例として湿式方法としては、リチウム化合物、リチウムを含む無機塩、遷移金属を含む無機塩、および溶媒を混合して混合液を調製する工程、前記混合液を乾燥して前駆体を得る工程、ならびに前記前駆体を熱処理して前記リチウム遷移金属複合酸化物を作製する工程を含む正極材料の製造方法であって、前記リチウム化合物および前記リチウムを含む無機塩に含まれるリチウムのモル数が前記遷移金属を含む無機塩に含まれる遷移金属のモル数よりも多くする製造方法が好ましい。
乾式方法としてはリチウムを含む無機塩、遷移金属を含む無機塩およびその他の原材料を混合して混合粉末を調製する工程、前記混合粉末を熱処理して前駆体もしくはリチウム遷移金属複合酸化物を得る工程、ならびにリチウム化合物と前記前駆体もしくは前記リチウム遷移金属複合酸化物とを混合し、熱処理してリチウム遷移金属複合酸化物を作製する工程を含む正極材料の製造方法であって、前記リチウム化合物および前記リチウムを含む無機塩に含まれるリチウムのモル数が前記遷移金属を含む無機塩に含まれる遷移金属のモル数よりも多くする製造方法が好ましい。
また、所望の粒子径を有する第二の粒子の粉体を得るためには、粉砕機や分級機を用いてもよい。例えば乳鉢、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には、水又はヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、ふるいや風力分級機などが、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
さらに、所望の二次粒子径を有する第二の粒子の粉体を得るには、スプレードライを用いてもよく、その他の造粒機を用いてもよい
(正極活物質の製造方法)
正極活物質は第一の粒子と第二の粒子を混合することによって製造することができる。
混合方法については特に限定されない。例えば乳鉢による混合、ボールミル法、メカノフュージョン法、振動ボールミル及び遊星ボールミル法等を用いて行ってもよい。
第一の粒子は第二の粒子の表面もしくは第二の粒子の二次粒子の表面に付着していてもよく、導電助剤とともに第二の粒子の表面近傍もしくは第二の粒子の二次粒子の表面近傍にいてもよい。
また、所望の粒子径を有する正極活物質の粉体を得るためには、粉砕機や分級機を用いてもよい。例えば乳鉢、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には、水又はヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、ふるいや風力分級機などが、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
さらに、所望の二次粒子径を有する正極活物質の粉体を得るには、スプレードライを用いてもよく、その他の造粒機を用いてもよい。
さらに、本実施形態では、上記混合方法により得た正極活物質を、アルゴン雰囲気中、空気雰囲気中、酸素雰囲気中、窒素雰囲気中またはそれらの混合雰囲気中で焼成してもよい。
<リチウムイオン二次電池>
上述した正極活物質を用いて作製される正極、及びリチウムイオン二次電池について図1を参照して簡単に説明する。
リチウムイオン二次電池100は、主として、積層体30、積層体30を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体30に接続された一対のリード60,62を備えている。
積層体30は、正極10および負極20がセパレータ18を挟んで対向配置されたものである。正極10は、正極集電体12上に正極活物質層14が設けられた物である。負極20は、負極集電体22上に負極活物質層24が設けられた物である。正極活物質層14および負極活物質層24がセパレータ18の両側にそれぞれ接触している。正極集電体12および負極集電体22の端部には、それぞれリード60,62が接続されており、リード60,62の端部はケース50の外部にまで延びている。
正極10の正極集電体12としては、例えば、アルミニウム箔等を使用できる。正極活物質層14は、上述の活物質粒子1、バインダーおよび、必要に応じて添加される導電材を含む層である。必要に応じて添加される導電材としては、例えば、カーボンブラック類、炭素材料、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
バインダーは、正極活物質と導電助剤とを正極集電体に結着することができれば特に限定されず、公知の結着剤を使用できる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化ビニリデン―ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂が挙げられる。
このような正極は、公知の方法、例えば、前述の正極活物質、バインダーおよび導電材を、それらの種類に応じた溶媒、例えばPVDFの場合はN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒に添加したスラリーを、正極集電体12の表面に塗布し、乾燥させることにより製造できる。
負極集電体22としては、銅箔等を使用できる。また、負極活物質層24としては、負極活物質、導電材および、バインダーを含むものを使用できる。導電材としては特に限定されず、炭素材料、金属粉などが使用できる。負極に用いられるバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂が使用できる。
負極活物質としては、黒鉛、難黒鉛化炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn等のリチウムと化合することのできる金属、SiO、SnO等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)等を含む粒子が挙げられる。
負極20の製造方法は、正極10の製造方法と同様にスラリーを調整して集電体に塗布すればよい。
電解液としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、有機溶媒にリチウム塩を含む電解液を使用することができる。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF等の塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートおよび、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
また、セパレータ18は、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなる多孔質フィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が使用できる。
ケース50は、その内部に積層体30及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されず、例えば、金属ラミネートフィルムを利用できる。
リード60,62は、アルミニウム、等の導電材料から形成されている。
本実施形態の正極活物質は、リチウムイオン二次電池以外の電気化学素子の電極材料としても用いることができる。このような、電気化学素子としては、金属リチウム二次電池(カソードに本発明の複合粒子を含む電極を用い、アノードに金属リチウムを用いたもの)等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池や、リチウムイオンキャパシタ等の電気化学キャパシタ等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<第一の粒子の作製>
第一の粒子のコア粒子として固相反応法により作製した平均一次粒子径0.15μmのLi1。3Al0.3Ti1.7(POと、被覆部のリチウム遷移金属複合酸化物として、遊星ボールミルにて微粉末化したLiNi0.8Co0.15Al0.05とを95:5の重量比となるように秤量し、ポットミル用のポット容器に安定化ジルコニアビーズとともに投入した。回転数200rpmにて12時間のポットミル処理を行い、ふるいを用いてビーズを取り除いた粉末を第一の粒子とした。
<第二の粒子>
第二の粒子として平均二次粒子径が16μmの二次粒子を形成したLiNi0.8Co0.15Al0.05を用いた。
<正極活物質の作製>
作製した上記第一の粒子と上記第二の粒子を99.5:0.5の重量割合にて秤量し、ポットミル用のポット容器に安定化ジルコニアビーズとともに投入した。回転数200rpmにて12時間のポットミル処理を行い、ふるいを用いてビーズを取り除いた粉末を正極活物質とした。
[正極の作製]
実施例1として上述した正極活物質と、導電助剤と、バインダーを含む溶媒とを混合して、正極用塗料を調製した。正極用塗料を集電体であるアルミニウム箔(厚み20μm)にドクターブレード法で塗布後、100℃で乾燥し、圧延した。これにより、正極活物質層及び集電体から構成される正極を得た。導電助剤としては、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、DAB50)および黒鉛を用いた。バインダーを含む溶媒としては、PVDFを溶解したN−メチル−2−ピロリジノン(呉羽化学工業(株)製、KF7305)を用いた。
作製した正極について断面切断加工を行い、透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮影し、リン、チタン、コバルトおよびニッケルについて組成分析を行った。結果を図2に示す。図2(b)および図2(c)より第一の粒子のコア粒子の成分であるリンおよびチタンが確認され、図2(d)および図2(e)よりコア粒子の表面にコバルトおよびニッケルを含む被覆部が形成され、粒子径が100nm程度の第一の粒子が確認された。また、被覆部の電子回折像を確認したところ第二の粒子と同じであったが、一部ハロー状のパターンが観察され、非晶質状態と思われる箇所も見られた。さらに、第一の粒子は第二の粒子の表面近傍にいることが確認された。
[負極の作製]
天然黒鉛を用い、導電助剤としてカーボンブラックだけを用い、正極用塗料と同様の方法で、負極用塗料を調製した。負極用塗料を集電体である銅箔(厚み16μm)にドクターブレード法で塗布後、100℃で乾燥し、圧延した。これにより、負極活物質層及び集電体から構成される負極を得た。
[リチウムイオン二次電池の作製]
作製した正極、負極とセパレータ(ポリオレフィン製の微多孔質膜)を所定の寸法に切断した。正極、負極には、外部引き出し端子を溶接するために電極用塗料を塗布しない部分を設けておいた。正極、負極、セパレータをこの順序で積層した。積層するときには、正極、負極、セパレータがずれないようにホットメルト接着剤(エチレン−メタアクリル酸共重合体、EMAA)を少量塗布し固定した。正極、負極には、それぞれ、外部引き出し端子としてアルミニウム箔(幅4mm、長さ40mm、厚み100μm)、ニッケル箔(幅4mm、長さ40mm、厚み100μm)を超音波溶接した。この外部引き出し端子に、無水マレイン酸をグラフト化したポリプロピレン(PP)を巻き付け熱接着させた。これは外部端子と外装体とのシール性を向上させるためである。正極、負極、セパレータを積層した電池要素を封入する電池外装体として、PET層、Al層およびPP層から構成されるアルミニウムラミネート材料を用いた。PET層の厚さは12μmであった。Al層の厚さは40μmであった。PP層の厚さは50μmであった。なお、PETはポリエチレンテレフタレート、PPはポリプロピレンである。電池外装体を作製では、PP層を外装体の内側に配置させた。この外装体の中に電池要素を入れ電解液を適当量添加し、外装体を真空密封し、実施例1の評価用セルを作製した。なお、電解液としては、エチレンカーボンネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒にLiPFを濃度1M(mol/L)で溶解させたものを用いた。混合溶媒におけるECとDECとの体積比は、EC:DEC=3:7とした。
[電気特性の測定]
次に、上記のようにして作製した実施例1の評価用セルを用いて、それぞれ19mA/gの定電流で充電終止電圧が4.35V(vs.Li/Li)になるまで充電を行い、さらに4.35V(vs.Li/Li)の定電圧で電流値が10mA/gに低下するまで定電圧充電を行い、5分間休止した後、19mA/gの定電流で放電終止電圧が2.5V(vs.Li/Li)になるまで放電させて、初回の放電容量を測定した結果、放電容量は193mAh/gであった。
続いて、以下の条件にてサイクル特性の測定を行った。上限電圧4.35V、電流95mA/gの条件で充電を行った後、終止電圧2.5V、電流95mA/gの条件で放電を行うといった充放電サイクルを100サイクル繰り返し行った(サイクル試験)。試験は25℃で行った。
2回目の放電容量を基準として100サイクル後の放電容量からその容量維持率を求めた。
容量維持率=100サイクル後の放電容量/2回目の放電容量×100(%)
実施例1の評価用セルを用いてサイクル試験を行った結果、容量維持率は95%であった。
(実施例2〜6、比較例1〜2)
実施例2〜6においては、第一の粒子と第二の粒子とを表1に記載の割合にて秤量し、比較例1においては、第一の粒子を用いず、比較例2においては、コア粒子表面に被覆部のない第一の粒子と第二の粒子とを表1に記載の割合にて秤量した以外は、すべて実施例1と同様に評価用セルを作製し、放電容量測定およびサイクル特性評価を行った。結果を表1に示す。
表1において、実施例1〜6の評価用セルは放電容量が190mAh/g以上であり、100サイクル後の容量保持率が93%以上であることが分かった。比較例1および比較例2の評価用セルは放電容量が190mAh/g以上であったが、容量維持率が90%未満であった。表1において、放電容量が188mAh/g以上であり、かつ容量維持率が90%以上である評価用セルを「A」と評価し、容量維持率が90%未満である評価用セルを「F」と評価した。さらに、第一の粒子と第二の粒子の合計に対する第一の粒子の割合が0.5%から10%の範囲の評価用セルにおいては、放電容量が192mAh/g以上であり、容量維持率が95%以上であることが分かった。
(実施例7)
実施例7においては、第二の粒子として平均二次粒子径が14μmの二次粒子を形成したLi1.2Ni0.17Co0.08Mn0.55を用い以外は、実施例1と同様な方法により評価用セルを作製した。
[電気特性の測定]
次に、上記のようにして作製した実施例7の評価用セルを用いて、それぞれ24mA/gの定電流で充電終止電圧が4.65V(vs.Li/Li)になるまで充電を行い、さらに4.65V(vs.Li/Li)の定電圧で電流値が12mA/gに低下するまで定電圧充電を行い、5分間休止した後、24mA/gの定電流で放電終止電圧が2.5V(vs.Li/Li)になるまで放電させて、評価用セルにおける初回の放電容量を測定した結果、放電容量は245mAh/gであった。
続いて、以下の条件にてサイクル特性の測定を行った。上限電圧4.65V、電流120mA/gの条件で充電を行った後、終止電圧2.5V、電流120mA/gの条件で放電を行うといった充放電サイクルを100サイクル繰り返し行った。試験は25℃で行った。2回目の放電容量を基準として100サイクル後の放電容量から実施例1と同様に容量維持率を求めた結果、容量維持率が94%であることが分かった。
(実施例8〜12、比較例3〜4)
実施例8〜12においては、第一の粒子と実施例7において用いた第二の粒子とを表2に記載の割合にて秤量し、比較例3においては、第一の粒子を用いず、比較例4においては、コア粒子表面に被覆部を持たない第一の粒子と実施例7において用いた第二の粒子とを表2に記載の割合にて秤量した以外は、すべて実施例1と同様に評価用セルを作製し、実施例7と同様に放電容量測定およびサイクル特性評価を行った。結果を表2に示す。
表2において、実施例7〜12の評価用セルは放電容量が238mAh/g以上であり、100サイクル後の容量保持率が93%以上であることが分かった。比較例3および比較例4の評価用セルは放電容量が235mAh/g以上であったが、容量維持率が90%未満であった。表2において、放電容量が235mAh/g以上であり、かつ容量維持率が90%以上である評価用セルを「A」と評価し、容量維持率が90%未満である電池を「F」と評価した。さらに、第一の粒子と第二の粒子の合計に対する第一の粒子の割合が0.5%から10%の範囲の評価用セルにおいては、放電容量が240mAh/g以上であり、容量維持率が94%以上であることが分かった。
(実施例13〜24)
実施例13〜24においては、第一の粒子のコア粒子を表3に記載の組成のリチウムイオン伝導性無機固体電解質を用い、第一の粒子と第二の粒子とを表3に記載の割合にて秤量した以外は、すべて実施例1と同様に評価用セルを作製し、放電容量測定およびサイクル特性評価を行った。結果を表3に示す。
表3において、実施例13〜24の評価用セルは放電容量が191mAh/g以上であり、100サイクル後の容量保持率が95%以上であることが分かった。表3において、放電容量が188mAh/g以上であり、かつ容量維持率が90%以上である評価用セルを「A」と評価した。
(実施例25〜36)
実施例25〜36においては、第一の粒子のコア粒子を表4に記載の組成のリチウムイオン伝導性無機固体電解質を用い、第一の粒子と実施例7で用いた第二の粒子とを表4に記載の割合にて秤量した以外は、すべて実施例1と同様に評価用セルを作製し、実施例7と同様に放電容量測定およびサイクル特性評価を行った。結果を表4に示す。
表4において、実施例25〜36の評価用セルは放電容量が242mAh/g以上であり、100サイクル後の容量保持率が94%以上であることが分かった。表4において、放電容量が235mAh/g以上であり、かつ容量維持率が90%以上である評価用セルを「A」と評価した。
(実施例37〜50、比較例5〜8)
実施例37〜50、比較例5〜8においては、第一の粒子のコア粒子の被覆層および第2の粒子を表5に記載の組成のリチウム遷移金属複合酸化物を用いた以外は、すべて実施例1と同様に評価用セルを作製し、放電容量測定およびサイクル特性評価を行った。結果を表5に示す。
表5において、実施例37〜50の評価用セルは放電容量が190mAh/g以上であり、100サイクル後の容量保持率が94%以上であることが分かった。表5において、放電容量が188mAh/g以上であり、かつ容量維持率が90%以上である評価用セルを「A」と評価し、放電容量が185mAh/g未満もしくは容量維持率が90%未満である電池を「F」と評価した。
(実施例51〜52)
実施例51および52においては、第一の粒子のコア粒子を表6に記載の組成のリチウムイオン伝導性固体電解質を用い、第一の粒子と第二の粒子とを表6に記載の割合にて秤量した以外は、すべて実施例1と同様に評価用セルを作製し、放電容量測定およびサイクル特性評価を行った。結果を表6に示す。
表6において、実施例51および52の評価用セルは放電容量が191mAh/g以上であり、100サイクル後の容量保持率が93%以上であることが分かった。表6において、放電容量が188mAh/g以上であり、かつ容量維持率が90%以上である評価用セルを「A」と評価した。
(実施例53〜61)
実施例53〜61においては、第一の粒子のコア粒子を表7に記載の組成のリチウムイオン伝導性無機固体電解質を用い、第一の粒子と第二の粒子とを表7に記載の割合にて秤量した以外は、すべて実施例1と同様に評価用セルを作製し、放電容量測定およびサイクル特性評価を行った。結果を表7に示す。
表7において、実施例53〜61の評価用セルは放電容量が191mAh/g以上であり、100サイクル後の容量保持率が94%以上であることが分かった。表7において、放電容量が188mAh/g以上であり、かつ容量維持率が90%以上である評価用セルを「A」と評価した。
(実施例62〜70)
実施例62〜70においては、第一の粒子のコア粒子を表8に記載の組成のリチウムイオン伝導性固体電解質を用い、第一の粒子と実施例7で用いた第二の粒子とを表8に記載の割合にて秤量した以外は、すべて実施例1と同様に評価用セルを作製し、実施例7と同様に放電容量測定およびサイクル特性評価を行った。結果を表8に示す。
表8において、実施例62〜70の評価用セルは放電容量が243mAh/g以上であり、100サイクル後の容量保持率が93%以上であることが分かった。表8において、放電容量が235mAh/g以上であり、かつ容量維持率が90%以上である評価用セルを「A」と評価した。
(実施例71〜79)
実施例71〜79においては、第二の粒子を表9に記載の組成のリチウム遷移金属複合酸化物を用い、第一の粒子と第二の粒子とを表9に記載の割合にて秤量した以外は、すべて実施例1と同様に評価用セルを作製し、実施例7と同様に放電容量測定およびサイクル特性評価を行った。結果を表9に示す。
表9において、実施例71〜79の評価用セルは放電容量が243mAh/g以上であり、100サイクル後の容量保持率が94%以上であることが分かった。表9において、放電容量が235mAh/g以上であり、かつ容量維持率が90%以上である評価用セルを「A」と評価した。
(実施例80)
実施例80においては、第一の粒子と第二の粒子とを表10に記載の割合にて秤量した以外は、すべて実施例1と同様に評価用セルを作製し、放電容量測定およびサイクル特性評価を行った。結果を表10に示す。
表10において、実施例80の評価用セルは放電容量が188mAh/g以上であり、100サイクル後の容量保持率が94%以上であることが分かった。表10において、放電容量が188mAh/g以上であり、かつ容量維持率が90%以上である評価用セルを「A」と評価した。
(実施例81)
実施例81においては、第二の粒子を表11に記載の割合にて秤量した以外は、すべて実施例1と同様に評価用セルを作製し、実施例7と同様に放電容量測定およびサイクル特性評価を行った。結果を表11に示す。
表11において、実施例81の評価用セルは放電容量が235mAh/g以上であり、100サイクル後の容量保持率が93%以上であることが分かった。表11において、放電容量が235mAh/g以上であり、かつ容量維持率が90%以上である評価用セルを「A」と評価した。
(実施例82〜88、比較例9〜15)
実施例82〜88、比較例9〜15においては、第二の粒子を表12に記載の割合にて秤量した以外は、すべて実施例1と同様に評価用セルを作製し、実施例7と同様に放電容量測定およびサイクル特性評価を行った。結果を表12に示す。
表12において、実施例82〜88の評価用セルは放電容量が238mAh/g以上であり、100サイクル後の容量保持率が91%以上であることが分かった。表12において、放電容量が235mAh/g以上であり、かつ容量維持率が90%以上である評価用セルを「A」と評価し、放電容量が225mAh/g未満もしくは容量維持率が90%未満である電池を「F」と評価した。
(実施例89〜90)
実施例89および90においては、第一の粒子のコア粒子を表13に記載の組成のリチウムイオン伝導性無機固体電解質を用い、第一の粒子と第二の粒子とを表13に記載の割合にて秤量した以外は、すべて実施例1と同様に評価用セルを作製し、実施例7と同様に放電容量測定およびサイクル特性評価を行った。結果を表13に示す。
表13において、実施例89および90の評価用セルは放電容量が240mAh/g以上であり、100サイクル後の容量保持率が90%以上であることが分かった。表13において、放電容量が235mAh/g以上であり、かつ容量維持率が90%以上である評価用セルを「A」と評価した。
以上、これまで評価した結果から明らかな様に、実施例の評価用セルは高容量で、かつ良好なサイクル特性が得られることが確認できる。
10・・・正極,20・・・負極、12・・・正極集電体、14・・・正極活物質層、18・・・セパレータ、22・・・負極集電体、24・・・負極活物質層、30・・・積層体、50・・・ケース、60,62・・・リード、100・・・リチウムイオン
二次電池。

Claims (4)

  1. 第一の粒子と第二の粒子とを混合して用いる正極活物質であって、
    前記第一の粒子は、コア粒子及び前記コア粒子の表面の少なくとも一部を覆う被覆部を備え、
    前記コア粒子は、リチウムイオン伝導性無機固体電解質であり、
    前記被覆部は一般式(1)または(2)から選ばれる少なくとも一つのリチウム遷移金属複合酸化物から形成されており、
    前記第二の粒子は、
    一般式(1)または(2)から選ばれる少なくとも一つのリチウム遷移金属複合酸化物であり、
    前記リチウムイオン伝導性無機固体電解質が、一般式(3)、(4)および(5)から選ばれる少なくとも一つであり、
    前記第一の粒子の前記コア粒子の表面の少なくとも一部を覆う被覆部が、
    前記第二の粒子を構成する遷移金属元素と同じ遷移金属元素を含むリチウム遷移金属複合酸化物により形成されることを特徴とする正極活物質。
    LiNit1(M1)p1(M2)q1 ・・・一般式(1)
    〔M1はCo、Mnから選ばれた少なくとも1種;M2はAl、Fe、CrおよびMgから選ばれた少なくとも1種;0.7≦t1<0.95;0.04≦p1≦0.25;0≦q1≦0.1〕
    Lit2Nip2Coq2Mnr2(M3)s2 ・・・一般式(2)
    〔M3はAl,Si,Zr,Ti,Fe,Mg,Nb,BaおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1種、2.0≦(p2+q2+r2+s2+t2)≦2.2、1.0<t2≦1.3、0<p2≦0.3、0≦q2≦0.3、0.3≦r2≦0.7、0≦s2≦0.1〕
    Li 1+x (M4) (M5) 2−x 12 ・・・一般式(3)
    (M4=Al、Y、Ga、Laの中から選ばれる1種以上、M5=Ti、Zrの中から選ばれる1種以上、0.2≦x≦0.4)
    Li 7−y (M6) (Zr 2−y Nb )O 12 ・・・一般式(4)
    (M6=La、Al、Y、Gaの中から選ばれる1種以上、0≦y≦0.5)
    Li 3z La (2/3−z) TiO ・・・一般式(5)
    (0.03≦z≦0.167)
  2. 前記第一の粒子と前記第二の粒子の合計に対する前記第一の粒子の割合が、0.1質量%以上12質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載された正極活物質。
  3. 請求項1または2に記載された正極活物質を用いた正極。
  4. 請求項に記載の正極を用いたリチウムイオン二次電池。
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