JP2013121642A - 切削インサートおよび刃先交換式エンドミル - Google Patents
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Abstract
【課題】切屑が厚くなる部分での主切刃の切刃強度を確保するとともに、切屑の厚さが厚くなりすぎるのを防いで異常損傷を防止することができ、送り量をさらに高めて一層効率的な高送り加工を行う。
【解決手段】多角形板状をなすインサート本体1の多角形面にすくい面3が形成されるとともに多角形面の周囲に配置される側面には逃げ面4が形成され、これらすくい面3と逃げ面4との交差稜線部には、多角形面の辺稜部に主切刃5が形成されていて、すくい面3に対向する方向から見て、主切刃5の一端部5aは凸曲線状とされるとともに他端部5bは凹曲線状とされており、主切刃5にはランド7が形成され、このランド7のランド角θは、主切刃5の他端部5bにおいて主切刃5の一端部5aに向かうに従い負角側に向けて大きくされている。
【選択図】図4
【解決手段】多角形板状をなすインサート本体1の多角形面にすくい面3が形成されるとともに多角形面の周囲に配置される側面には逃げ面4が形成され、これらすくい面3と逃げ面4との交差稜線部には、多角形面の辺稜部に主切刃5が形成されていて、すくい面3に対向する方向から見て、主切刃5の一端部5aは凸曲線状とされるとともに他端部5bは凹曲線状とされており、主切刃5にはランド7が形成され、このランド7のランド角θは、主切刃5の他端部5bにおいて主切刃5の一端部5aに向かうに従い負角側に向けて大きくされている。
【選択図】図4
Description
本発明は、特に高送り加工用の刃先交換式エンドミルに着脱可能に取り付けられる切削インサート、および該切削インサートを取り付けた高送り加工用の刃先交換式エンドミルに関するものである。
このような高送り加工用の刃先交換式エンドミルに取り付けられる切削インサートとして、例えば特許文献1、2には、略正三角形板状をなしてこの正三角形をなす表裏面が選択的にすくい面とされ、これら表裏面の角部に円弧状をなすコーナ刃が形成されるとともに、このコーナ刃に連なる表裏面の辺稜部に主切刃が形成されたネガティブタイプの切削インサートが提案されている。
この切削インサートは、軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部に、上記表裏面の一方をすくい面としてエンドミル回転方向に向けるとともに、このすくい面の1つの上記主切刃をエンドミル本体先端側に向けて、この主切刃に比較的小さな切り込み角と負のアキシャルレーキ角およびラジアルレーキ角とが与えられるようにして取り付けられ、通常は上記軸線に直交する方向に高送りさせられて切削加工に使用される。主切刃の切り込み角が比較的小さいので、このように送りを高くしても生成される切屑の厚さは薄くなり、効率的な切削加工を行うことができる。
ところで、これら特許文献1、2においては、特許文献1には主切刃が鈍角に交差する直線からなる折れ線状に形成されたものが記載されており、また特許文献2に記載の切削インサートは主切刃が凸湾曲するように形成されている。しかしながら、そのような切削インサートによって高送り加工を行うと、エンドミル本体の外周側に向けて切り込み角が大きくなるため、生成される切屑の厚さが外周側に向けて厚くなってしまう。
そして、この切屑の厚さは主切刃の最外周の切り込み境界部で最大となるため、この切り込み境界部で切削インサートの主切刃がチッピングや欠損等の異常損傷を起こすおそれ生じる。このため、例えば1刃当たりの送り量を抑えて切屑の厚さが厚くなりすぎないようにせざるを得ず、送り量をさらに高めて一層効率的な高送り加工を行うことは困難とされていた。
本発明は、このような背景の下になされたもので、切屑が厚くなる部分での主切刃の切刃強度を確保するとともに、切屑の厚さが厚くなりすぎるのを防いで異常損傷を防止することができ、送り量をさらに高めて一層効率的な高送り加工を行うことが可能な切削インサート、および該切削インサートを着脱可能に取り付けた刃先交換式エンドミルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の切削インサートは、多角形板状をなすインサート本体の多角形面にすくい面が形成されるとともに上記多角形面の周囲に配置される側面には逃げ面が形成され、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部には、上記多角形面の辺稜部に主切刃が形成されていて、上記すくい面に対向する方向から見て、上記主切刃の一端部は凸曲線状とされるとともに他端部は凹曲線状とされており、上記主切刃にはランドが形成され、このランドのランド角は、上記主切刃の他端部において上記主切刃の一端部に向かうに従い負角側に向けて大きくされていることを特徴とする。
また、本発明の刃先交換式エンドミルは、軸線回りにエンドミル回転方向に回転させられるエンドミル本体の先端部に形成されたインサート取付座に、このような切削インサートが着脱可能に取り付けられた刃先交換式エンドミルであって、上記切削インサートは、上記すくい面を上記エンドミル回転方向に向けるとともに上記主切刃を上記エンドミル本体の先端側に向け、この主切刃の上記一端部を上記エンドミル本体の内周側に位置させるとともに上記他端部を上記エンドミル本体の外周側に位置させて、この主切刃が上記一端部から上記他端部に向かうに従い漸次上記エンドミル本体の後端側に延びるように取り付けられていることを特徴とする。
このようにエンドミル本体に取り付けられる上記構成の切削インサートにおいては、すくい面に対向する方向から見て主切刃が、エンドミル本体内周側に位置させられる一端部が凸曲線状とされるとともに、エンドミル本体外周側に位置させられる他端部は凹曲線状とされているので、主切刃の切り込み角はエンドミル本体外周側に向けて、一旦大きくなった後に小さくなる。このため、エンドミル本体外周側の主切刃の切り込み境界部で切屑が厚くなるのを防ぐことができて、チッピングや欠損等の異常損傷を防止することができるとともに、切屑の最大厚さ自体も小さく抑えることができる。
しかも、こうして切り込み角がエンドミル本体外周側に向けて一旦大きくなった後に小さくなることにより、切屑の厚さが最大となる位置はエンドミル本体外周側の主切刃の切り込み境界部からエンドミル本体内周側寄りの中央部に変位するが、エンドミル本体外周側に位置する主切刃の他端部においては、エンドミル本体内周側に位置する一端部に向かうに従い主切刃に形成されたランドのランド角が負角側に向けて大きくされている。従って、切屑の厚さが厚くなる中央部でランドと逃げ面との交差角を大きくして切刃強度を確保することができるので、送り量をさらに高めて一層効率的な高送り加工を行うことが可能となる。
ここで、このような刃先交換式エンドミルでは、上述のようにエンドミル本体をその軸線に直交する方向に高送りするほかに、エンドミル本体を軸線方向に僅かに送り出して被削材を掘り下げるように加工するランピング加工を行うことが近年多くなってきている。そして、このランピング加工では、主切刃のうちエンドミル本体先端側に突出することになる一端部から被削材に切り込まれるため、そのようなランピング加工に多用される切削インサートでは、主切刃の一端部においてはランドのランド角を一定とすることにより、一端部のランド角は他端部から負角側に向けて大きくされたままとなるので、切刃強度を維持して主切刃が被削材に切り込まれる際のチッピングや欠損も防止することができる。
一方、このように主切刃の他端部においてランド角を一端部に向かうに従い負角側に向けて大きくした場合に、この一端部におけるランドのランド角も上記他端部に向かうに従い負角側に向けて大きくなるようにすることにより、上述のようにこれら主切刃の一端部と他端部との間の中央部での切刃強度は確保しつつ、両端部ではランド角を正角側に向けて大きくして主切刃の切れ味の向上を図ることができる。このため、高送り加工の際の切削抵抗の低減を図ってより一層効率的な切削加工を促すことができる。
なお、上記ランドのランド幅は、上記一端部から上記他端部に亙って一定とすることにより、特に主切刃の他端部においてランド角が正角側に大きくなる一端部から離れた部分での切刃強度が損なわれるのを防ぐことができる。また、主切刃の逃げ角は、上記一端部よりも上記他端部において正角側に向けて大きくすることにより、一端部では他端部よりも負角側に大きな逃げ角となるので、上述のランピング加工の際のチッピングや欠損を一層確実に防止することができるとともに、主切刃の他端部では切削抵抗の低減を図ることができる。
さらに、凹凸曲線状に形成された主切刃の曲率半径は、上記一端部がなす凸曲線の曲率半径よりも、上記他端部がなす凹曲線の曲率半径を大きくすることにより、切屑の厚さが最も厚くなる位置を主切刃の中央部により近い位置とすることができるため、切刃強度をさらに十分に確保することができる。また、上記一端部がなす凸曲線と上記他端部がなす凹曲線とが互いに接していて、主切刃が滑らかに連続した凹凸曲線とされていれば、切屑の厚さの変動量も滑らかとなり、主切刃の負担を軽減することができる。
さらにまた、上記インサート本体が正多角形板状をなしていて、正多角形状をなす表裏の上記多角形面の各辺稜部に上記主切刃を形成するとともに、表裏の上記多角形面は該多角形面の中心を通るインサート中心線回りに捩られた配置とし、これら表裏の上記多角形面に関して上記インサート本体を表裏反転対称形状とすることにより、1つのインサート本体で表裏の多角形面を干渉させずに、その辺稜部に形成された主切刃を満遍なく切削加工に使用することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、切屑が厚くなる部分での主切刃の強度を確保するとともに切屑の厚さ自体が厚くなりすぎるのを防いで主切刃の異常損傷を防止し、送り量をさらに高めて一層効率的な高送り加工を行うことが可能となる。
図1ないし図5は本発明の切削インサートの第1の実施形態を示すものであり、図6ないし図9はこの実施形態の切削インサートを取り付けた本発明の刃先交換式エンドミルの一実施形態を示すものである。本実施形態の切削インサートにおいて、そのインサート本体1は、超硬合金等の硬質材料により多角形板状、詳しくは正多角形板状であって、本実施形態では略正方形板状に形成され、この略正方形状をなすインサート本体1の表裏一対の多角形面の中央には、インサート本体1の厚さ方向(図3における上下方向)に貫通して該インサート本体1を刃先交換式エンドミルのエンドミル本体11に取り付けるための取付孔2が開口している。
ここで、本実施形態において、インサート本体1の表裏の多角形面は、図2に示すように上記取付孔2の中心(表裏の多角形面の中心)を通ってインサート本体1の上記厚さ方向に延びるインサート中心線C回りに僅かに捩られるように配置されている。また、正方形板状とされた本実施形態のインサート本体1は、インサート中心線C回りに90°ずつの回転対称形状とされるとともに、このインサート中心線Cに直交してインサート本体1の厚さ方向の中心を通り、インサート中心線C方向視において捩られた表裏の正方形面の対角線同士の二等分線と、これら表裏の正方形面の周囲に配置されるインサート本体1の側面の中心を通る直線とに関して表裏反転対称形状とされている。
このようなインサート本体1の表裏の多角形面にはすくい面3が形成されるとともに、これらの多角形面の周囲に配置されるインサート本体1の上記側面には逃げ面4が形成されている。さらに、これらすくい面3と逃げ面4との交差稜線部には、両多角形面の各辺稜部に主切刃5が形成されるとともに、該多角形面の各角部にはコーナ刃6が形成されており、このコーナ刃6はインサート中心線C方向にすくい面3に対向する方向から見て1/4円弧等の凸曲線状をなしている。なお、これら主切刃5とコーナ刃6とは、本実施形態では表裏の多角形面それぞれにおいてインサート中心線Cに垂直な1つの平面上に位置するようにされている。
表裏の多角形面に形成されるすくい面3は、主切刃5およびコーナ刃6に沿った外周部分が、これら主切刃5およびコーナ刃6から離間して多角形面の内側に向かうに従い反対の多角形面側に向けて上記厚さ方向に後退するように傾斜するポジすくい面3aとされるとともに、該多角形面中央の取付孔2開口部周辺は上記インサート中心線Cに垂直な拘束面3bとされている。
さらに、インサート本体1の表裏の四角形面の周囲に配置される4つの側面は、図3に示すようにインサート本体1の厚さ方向の中央部が凹むように形成されており、4つの側面のこの凹んだ部分はインサート中心線Cに直交する断面において表裏の四角形面の対角線同士の二等分線を対角線とする正方形状をなし、それぞれはインサート中心線Cに平行に延びる平面状とされている。主切刃5およびコーナ刃6の逃げ面4は、各側面の上記厚さ方向の両外側の、凹んだ部分に対して凸となる部分にそれぞれ形成されている。
ここで、本実施形態の切削インサートは、切削加工時に使用される主切刃5およびコーナ刃6が、図9に示すように刃先交換式エンドミルを正面側から見て反時計回り方向に回転させられる右刃をなすようにされた右勝手の切削インサートであり、この主切刃5およびコーナ刃6のすくい面3が形成された多角形面に対向する方向から見て、該多角形面の周回りのうち時計回り方向側に位置する主切刃5の一端部5aに、この主切刃5の一端部5aに連なるコーナ刃6の一端部6aが位置し、反時計回り方向側に位置する主切刃5の他端部5bに他のコーナ刃6の他端部6bが連なるようにされている。
また、このコーナ刃6の逃げ角β6、すなわちコーナ刃6に連なる逃げ面4がインサート中心線Cに沿った断面において該インサート中心線Cに平行な直線に対してなす角度は、図5(a)〜(c)に示すように主切刃5の一端部5aに連なる該コーナ刃6の一端部6aから該コーナ刃6の他端部6bに向かうに従い正角側に向けて大きくなるようにされている。つまり、一端部6aから他端部6bに向けて逃げ面4が、上記断面においてコーナ刃6から上記厚さ方向に離間するに従いインサート本体1の内側により大きく凹んで後退するように傾斜させられている。なお、本実施形態におけるコーナ刃6の逃げ角β6は、コーナ刃6の一端部6aにおいて0°とされており、従ってコーナ刃6の他端部6bにおいては正角で、ただし20°以下となるように正角側に漸次大きくされている。
さらに、主切刃5の逃げ角β5も、図4(a)〜(e)に示すように上記主切刃5の一端部5aよりも該主切刃5の他端部5bにおいて正角側に向けて大きくされている。言い換えれば、主切刃5の一端部5aでは他端部5bよりも逃げ角β5が負角側に大きくされている。ここで、この主切刃5の逃げ角β5は、本実施形態では図2に示すように、インサート中心線Cとインサート本体1の側面の中心を通る直線とを含んだ平面による断面(インサート本体1の側面中央部の凹んだ平面に直交する断面。図2におけるDD断面)とこれに平行な断面において、主切刃5に連なる逃げ面4がインサート中心線Cに平行な直線に対してなす角度とされている。
なお、この主切刃5の逃げ角β5は、該主切刃5の一端部5aにおいては、この一端部5aに連なるコーナ刃6との接点(主切刃5とコーナ刃6の一端)でコーナ刃6の一端部6aにおける逃げ角β6と等しく0°とされ、主切刃5の他端部5bにおいては正角側に漸次大きくなるようにされている。また、この主切刃5の他端部5bに連なる他のコーナ刃6との接点において主切刃5の逃げ角β5は、該接点における他のコーナ刃6の他端部6bの逃げ角β6と等しくされ、主切刃5とコーナ刃6の逃げ面4が滑らかに連続するようにされている。
そして、この主切刃5は、インサート中心線C方向視にすくい面3に対向する方向から見て図2に示すように、コーナ刃6に連なる該主切刃5の上記一端部5aが、コーナ刃6がなす凸曲線よりも曲率半径の大きな凸曲線状とされるとともに、該主切刃5の他端部5bは凹曲線状とされている。ここで、これら主切刃5がなす凹凸曲線は、主切刃5の一端部5aがなす凸曲線の曲率半径よりも、主切刃5の他端部5bがなす凹曲線の曲率半径の方が大きくなるようにされている。
また、本実施形態では、主切刃5の一端部5aがなす凸曲線と他端部5bがなす凹曲線とが互いに接している。主切刃5の一端部5aとこれに連なるコーナ刃6の一端部6a、および主切刃5の他端部5bとこれに連なる他のコーナ刃6の他端部6bも、それぞれ上記接点において互いに接しており、従ってすくい面3とされる表裏の多角形面それぞれの辺稜部と角部に形成された主切刃5とコーナ刃6は、本実施形態では滑らかに連続する凹凸曲線を描いて周回することになる。
さらに、これら主切刃5およびコーナ刃6には、ランド7が形成されている。そして、このうち主切刃5に形成されるランド7のランド角θは、主切刃5の上記他端部5bにおいて一端部5a側に向かうに従い負角側に大きくなるようにされている。ここで、このランド7のランド角θは、本実施形態では、上述したインサート中心線Cと主切刃5に連なる逃げ面4が形成されたインサート本体1の側面の中心を通る直線とを含んだ平面による断面とこれに平行な断面において、ランド7がインサート中心線Cに垂直な平面に対してなす角度とされている。
なお、このランド7のランド角θは、ポジすくい面3aのように主切刃5から離間して四角形面の内側に向かうに従い反対の四角形面側に向けて上記インサート中心線Cに垂直な平面に対し厚さ方向に後退するように傾斜する側が正角側、逆に四角形面の内側に向かうに従い反対の四角形面とは離間して上記インサート中心線Cに垂直な平面に対し厚さ方向に隆起するように傾斜する側が負角側となり、ランド7がインサート中心線Cに垂直な平面上に位置している場合にはランド角θ=0°のフラットランドとなる。ただし、この主切刃5に形成されたランド7のランド角θや、後述するコーナ刃6に形成されたランド7のランド角も、上記各断面において上記ポジすくい面3aがインサート中心線Cに垂直な平面に対してなす主切刃5やコーナ刃6のすくい角よりは負角側に向けて大きくされている。
また、この主切刃5におけるランド7のランド角θは、主切刃5の一端部5aにおいては、他端部5bからこの一端部5aに向けて負角側に向けて大きなランド角θとされたまま、一定とされている。より詳しくは、本実施形態における主切刃5のランド7は、主切刃5の他端部5bにおいて一端部5aから離れた上記他のコーナ刃6との接点付近においてランド角θが正角側に最も大きくされたポジランドとされ、この接点から一端部5a側に向かうに従い漸次ランド角θが負角側に向けて大きくなって、一端部5aにおいてはランド角θが0°のフラットランドとなり、こうしてランド角θが0°とされたまま一定とされて、この主切刃5の一端部5aに連なるコーナ刃6の一端部6aに至るようにされている。すなわち、本実施形態では、ランド角θは正角から0°までの範囲内で一端部5aに向かうに従い負角側に向けて大きくされている。
なお、コーナ刃6におけるランド7のランド角は、主切刃5の一端部5aに連なるコーナ刃6の一端部6aで主切刃5の一端部5aにおける負角側に大きなランド角(0°)と等しくされ、これとは反対のコーナ刃6の他端部6bに向かうに従い漸次正角側に大きくされて、このコーナ刃6の他端部6bに連なる他の主切刃5の他端部5bのランド角と等しくなるようにされている。また、ランド7のランド幅、すなわち上記インサート中心線C方向にすくい面3に対向する方向から見たときの主切刃5に垂直な方向におけるランド7の幅は、図2に示すように主切刃5の一端部5aから他端部5bに亙って略一定とされており、さらにコーナ刃6におけるランド7のランド幅も主切刃5のランド幅と等しく、略一定とされている。
このように構成された切削インサートが着脱可能に取り付けられる本実施形態の刃先交換式エンドミルは、そのエンドミル本体11が軸線Oを中心とした概略円柱状をなし、このエンドミル本体11の後端側(図6において右上側。図7および図8においては上側)は円柱状のままのシャンク部12とされるとともに、このシャンク部12よりも先端側(図6において左下側。図7および図8においては下側)には首部13を介して上記切削インサートが取り付けられる刃部14が形成されている。このような刃先交換式エンドミルは、上記シャンク部12が工作機械の主軸に把持されて軸線O回りにエンドミル回転方向Tに回転されつつ、通常は軸線Oに垂直な方向に送り出され、刃部14に取り付けられた切削インサートにより被削材に切削加工を行う。
この刃部14には、エンドミル本体11の先端部外周に開口するように複数(本実施形態では2つ)のチップポケット15が形成されるとともに、これらのチップポケット15のエンドミル回転方向T側を向く壁面の先端部には切削インサートが取り付けられるインサート取付座16がそれぞれ形成されている。なお、エンドミル本体11には、シャンク部12の後端面から先端側に向けてクーラント孔17が軸線Oに沿って穿設されており、このクーラント孔17は刃部14において複数に分岐して、各チップポケット15のエンドミル回転方向Tの後方側を向く壁面に、インサート取付座16に向けて開口させられている。
インサート取付座16は、エンドミル回転方向Tを向く平坦な底面16aと、この底面16aからエンドミル回転方向Tに向けて延びてエンドミル本体11の先端側を向く壁面16bおよび外周側を向く壁面16cとを備えて、刃部14におけるエンドミル本体11の先端面と外周面に開口する凹部とされている。底面16aにはネジ孔16dが形成されるとともに、壁面16b、16cには、底面16aに垂直な方向から見て互いに直交するとともに底面16aに対しても直交する方向に延びる平坦な突端面を有する突条部が形成されている。
このようなインサート取付座16に、上記切削インサートは、インサート本体1の表裏の多角形面のうち切削に使用する主切刃5およびコーナ刃6が形成された一方の多角形面をすくい面3としてエンドミル回転方向Tに向け、これとは反対の他方の多角形面中央の拘束面3bを底面16aに密着させるとともに、インサート本体1の隣接する2つの側面の凹んだ平面状の中央部を壁面16b、16cの上記突条部の突端面に当接させて着座させられる。そして、インサート本体1の取付孔2に挿通したクランプネジ18を上記ネジ孔16dにねじ込むことにより、切削インサートは、底面16aに押し付けられるとともに上記2つの側面の中央部が上記突条部の突端面にも押し付けられるようにされ、インサート取付座16に固定されて取り付けられる。
こうして取り付けられた切削インサートは、上記切削に使用する主切刃5がエンドミル本体11先端側に向けられて突出させられ、その一端部5aをエンドミル本体11内周側に位置させるとともに他端部5bを外周側に位置させて、この一端部5aから他端部5bに向かうに従い漸次エンドミル本体11の後端側に延びるように配置され、比較的小さな切り込み角がこの主切刃5に与えられるようにされる。
また、エンドミル本体11内周側に位置してこの主切刃5の一端部5aに連なるコーナ刃6は、該主切刃5の一端部5aから離間するに従いエンドミル本体11の後端内周側に向けて延びるように配置され、これら主切刃5の一端部5aとコーナ刃6の一端部6aとの接点周辺がエンドミル本体11の先端側に最も突出するようにされる。なお、この切削に使用される主切刃5の他端部5bのエンドミル本体11外周側に連なる他のコーナ刃6は、刃部14においてエンドミル本体11の外周側に突出させられて、図9に示すようにその軸線O回りの回転軌跡の内周側にインサート本体1の他方の多角形面が位置させられる。
さらに、この切削インサートは、図8に示すようにインサート中心線Cがすくい面とされる一方の多角形面から他方の多角形面に向かうに従いエンドミル本体11の軸線O方向後端側に向かうように僅かに傾けられて取り付けられており、切削に使用される主切刃5には負のアキシャルレーキ角が設定される。ただし、この主切刃5に連なるすくい面3は上述のようなポジすくい面3aとされているため、実際の主切刃5のアキシャルレーキ角は負角側に大きくなりすぎることはない。また、この切削に使用される主切刃5は、エンドミル本体11の軸線O方向先端側から見て図9に示すように、該主切刃5に平行で軸線Oに交差する直線よりもエンドミル回転方向T側に位置するように配置されていて、いわゆる芯上がりとされており、これによってこの主切刃5には負のラジアルレーキ角が与えられる。
上記構成の切削インサートおよび刃先交換式エンドミルにおいては、主切刃5が、すくい面3に対向する方向から見たときに、エンドミル本体11内周側に配置される一端部5aがコーナ刃6よりも曲率半径の大きい凸曲線状をなすとともに、エンドミル本体11外周側に配置される他端部5bは凹曲線状をなしており、このような主切刃5を一端部5aから他端部5bに向かうに従いエンドミル本体11後端側に延びるようにインサート本体1を取り付けることにより、主切刃5の切り込み角は、エンドミル本体11外周側に向けて一端部5aでは漸次大きくなるのに対して他端部5bでは漸次小さくなる。
ここで、図10(a)にハッチングで示すのは、このような主切刃5によって生成される切屑の断面であり、図10(b)にハッチングで示すのは、例えば特許文献2に記載の切削インサートを取り付けた刃先交換式エンドミルのように主切刃の切り込み角が全体的にエンドミル本体外周側に向けて大きくなる場合の切屑の断面であり、1刃当たりの送り量fzと切り込み深さapは互いに等しくされている。そして、このうち図10(b)に示すように主切刃5の切り込み角が外周側に向けて漸次大きくなる場合には、切屑の厚さも外周側に向けて厚くなって最外周の切り込み境界部分で最大の厚さtとなるため、この切り込み境界部で切削インサートがチッピングや欠損等の異常損傷を起こすおそれがあり、例えば1刃当たりの送り量を小さくしたりせざるを得ない。
ところが、これに対して、上述のように主切刃5の切り込み角がエンドミル本体11外周側で小さくなる場合は、図10(a)に示すように切屑の厚さは外周側に向けて一旦厚くなった後に薄くなって主切刃5の中央部で最大の厚さtとなり、しかもこの最大の厚さt自体は薄くなる。そして、さらに上記構成の切削インサートでは、エンドミル本体11外周側に配置される主切刃5の他端部5bにおいて、エンドミル本体11内周側の該主切刃5の一端部5aに向かうに従い、主切刃5に形成されたランド7のランド角θが負角側に向けて大きくされており、このように切屑が最大の厚さtとなる部分でランド7と逃げ面4との交差角を大きくして主切刃5の切刃強度を確保することができる。
このため、上記構成の切削インサートおよび刃先交換式エンドミルによれば、高送り加工の際に主切刃5に作用する切削負荷の低減を図るとともに、特に切り込み境界部における主切刃5への負担を軽減して異常損傷を防止することができ、その一方で上述のように切屑が最大の厚さtとなる部分における主切刃5の切刃強度を確保して、この部分での主切刃5のチッピングや欠損等も防ぐことができるので、1刃当たりの送り量をさらに大きくして一層効率的な高送り加工を図ることが可能となる。なお、主切刃5の他端部5bでは、一端部5aから離れるに従いランド角θが正角側に大きくなるので、切れ味が損なわれて切削抵抗の増大を招くようなことはない。
また、本実施形態では、こうして凹凸曲線状をなす主切刃5のうち、凸曲線状をなす一端部5aの曲率半径よりも凹曲線状をなす他端部5bの曲率半径が大きくされており、これによって図10(a)に示すように切屑が最大の厚さtとなる位置を、これら一端部5aと他端部5bとが接する主切刃5の中央部に近い位置とすることができる。このため、主切刃5の一端部5aや他端部5bの隣接するコーナ刃6に連なる部分に近い位置で切屑が最大の厚さとなるのに比べ、最大の厚さtとなる切屑に対する主切刃5の強度を確保し易く、これによってもチッピングや欠損の防止を図ることができる。
さらに、本実施形態においては、これら主切刃5の一端部5aがなす凸曲線と他端部5bがなす凹曲線とが互いに接するようにされており、すなわち主切刃5が直線部などを有することのない連続した凹凸曲線とされている。従って、エンドミル本体11内外周での切屑の厚さの変動量も連続した滑らかなものとなり、主切刃5の特定の部分に切削負荷が集中するのを避けて主切刃5の負担を一層軽減することができる。しかも、本実施形態では、上記ランド7のランド幅は主切刃5の一端部5aから他端部5bに亙って一定とされており、特にランド角θが正角側に大きくなる他端部5bの一端部5aから離れた部分でランド幅が小さくなりすぎて切刃強度が損なわれるのを防ぐことができる。
一方、このような刃先交換式エンドミルでは、図10に示したようにエンドミル本体11をその軸線Oに垂直な方向に送り出して被削材を高送り加工する場合のほかに、エンドミル本体11を軸線O方向先端側に僅かに送り出して被削材を掘り下げるようなランピング加工を行うような場合が近年多くなってきている。そして、このようなランピング加工ではエンドミル本体11先端側に突き出した主切刃5の一端部5a周辺が最初に被削材に切り込まれることになる。
これに対して、本実施形態の切削インサートでは、主切刃5の一端部5aにおけるランド7のランド角θは、他端部5bから一端部5aに向けて大きくされたまま、一定のランド角θとされ、特に本実施形態では0°とされている。このため、上述のように最初に被削材に切り込まれる主切刃5の一端部5aにおいては中央部と同じように高い切刃強度を確保することができ、ランピング加工の切り込みの際の衝撃によって主切刃5の一端部5aに損傷が生じるのも防ぐことができる。
しかも、本実施形態では、主切刃5の逃げ角β5も、一端部5aにおいて他端部5bより負角側に向けて大きくされて0°とされているので、この一端部5aにおける刃物角を大きく確保して切刃強度の一層の向上を図り、ランピング加工の際の主切刃5の損傷を確実に防止することができる。加えて、ランピング加工では、主切刃5の一端部5aに連なるエンドミル本体11内周側のコーナ刃6の一端部6aも被削材に切り込まれることになるが、本実施形態ではこのコーナ刃6のランド幅は一定とされるとともに、コーナ刃6の逃げ角β6も負角側に大きくされて、特に0°とされているので、コーナ刃6に損傷が生じるのも避けることができる。
ところで、上述のように切削に使用される主切刃5がエンドミル本体11の軸線O方向先端側から見て該主切刃5に平行で軸線Oに交差する直線よりもエンドミル回転方向T側に位置するように配置されて、主切刃5に負のラジアルレーキ角が与えられる場合において、エンドミル本体11内周側のコーナ刃6が、その一端部6aのままの0°の逃げ角β6で他端部6bに延びていると、この他端部6bにおけるコーナ刃6の軸線O回りの回転軌跡が他端部6bに連なる逃げ面4の外周側に位置してしまうため、逃げ面4が被削材と干渉するおそれが生じる。
ところが、これに対して本実施形態の切削インサートでは、上記切削に使用する主切刃5のエンドミル本体11内周側に位置する一端部5aに連なるコーナ刃6が、この主切刃5に連なるコーナ刃6の一端部6aから他端部6bに向かうに従い逃げ角β6が正角側に向けて大きくなるようにされているので、この他端部6bにおいてコーナ刃6の回転軌跡を逃げ面4の内周側に位置させることができ、被削材との干渉を避けることができる。従って、未使用のコーナ刃6が被削材との干渉によって摩耗したりして使用不可能となるのを防ぐことができ、1つのインサート本体1に形成されたすべての主切刃5およびコーナ刃6を満遍なく使い切って効率的かつ経済的な切削加工を促すことができる。
なお、本実施形態では、このようにコーナ刃6の一端部6aにおける逃げ角β6が0°とされていて、逃げ面4がインサート中心線Cに垂直な平面に対して直交するようにされているので、すくい面3のコーナ刃6側が上述のようなポジすくい面3aとされていてもコーナ刃6の刃物角を大きくして、切刃強度を確実に確保することができる。一方、この一端部6aよりも逃げ角β6が正角側に大きくなるコーナ刃6の他端部6bでも、本実施形態では逃げ角β6が20°以下とされているので、この他端部6bにおいても被削材との干渉は防ぎつつ、切刃強度が小さくなりすぎるのは防ぐことができる。
また、本実施形態では、上述のように主切刃5の一端部5aにおけるランド7が、他端部5bの一端部5a側で負角側に向けて大きくされたままの一定のランド角θとされるとともに、コーナ刃6のランド角も一端部6aで他端部6bよりも大きくされ、さらに逃げ角β5、β6も一端部5a、6aが他端部5b、6bよりも負角側に大きくされているので、これら主切刃5の一端部5aとコーナ刃6の一端部6a、および主切刃5の他端部5bとこれに連なる他のコーナ刃6の他端部6bとのそれぞれの上記接点において、主切刃5のランド角θとコーナ刃6のランド角、および主切刃5の逃げ角β5とコーナ刃6の逃げ角β6とを互いに等しくすることができる。このため、インサート本体1のランド7および逃げ面4をそれぞれ滑らかに連続させることができ、これらランド7や逃げ面4に段差などが形成されることによって欠損等が発生し易くなったりするのも避けることができる。
ただし、このように主切刃5の一端部5aにおけるランド7のランド角θを、他端部5bにおいて一端部5aに向かうに従い負角側に向けて大きくされたままの一定のランド角θとするのに代えて、図11に示す本発明の第2の実施形態の切削インサートのように、主切刃5の一端部5aにおいても他端部5bに向かうに従い主切刃5に形成されたランド7のランド角θが負角側に向けて大きくなるようにしてもよい。なお、この第2の実施形態では、インサート本体1の斜視図、平面図、および側面図は図1ないし図3に示した第1の実施形態と略同じであるので図示を省略して、図2におけるAA、BB、DD、EE、FF各断面に相当する拡大断面図を図11に示し、また第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を簡略化する。
このような第2の実施形態の切削インサートにおいても、主切刃5がすくい面3に対向する方向から見て、エンドミル本体11内周側に位置する一端部5aが凸曲線状をなすとともにエンドミル本体11外周側に位置する他端部5bは凹曲線状をなしているので、切屑が最大の厚さtとなる位置をこれら一端部5aと他端部5bとの間の主切刃5の中央部に位置させることができ、またこの最大の厚さt自体も小さくすることができる。そして、この主切刃5の中央部ではランド7のランド角θが負角側に向けて大きくされていて、本実施形態ではランド角θ=0°のフラットランドとされており、切刃強度を確保することができるので、チッピングや欠損等の異常損傷を防ぐことができる。
その一方で、本実施形態では、主切刃5の両端部5a、5bにおけるランド7のランド角θは主切刃5の中央部から離れるに従いともに正角側に向けて大きくなるようにされるので、この中央部から離れた部分では切れ味の向上を図って切削抵抗を低減することができる。従って、本実施形態によれば、専らエンドミル本体11を軸線Oに直交する方向に送り出して高送り加工を行う刃先交換式エンドミルに取り付けて、より一層効率的な切削加工を促すことができる。
なお、本実施形態では、主切刃5の一端部5aとこれに連なるコーナ刃6の一端部6aとの接点における主切刃5のランド7のランド角θと、主切刃5の他端部5aとこれに連なる他のコーナ刃6の他端部6aとの接点における主切刃5のランド7のランド角θとは互いに略等しくされている。また、コーナ刃6におけるランド7のランド角はこれらの接点におけるランド角θと等しくされたまま一定の大きさとされている。
また、この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、インサート本体1が正多角形板状とされ、正多角形とされた表裏の多角形面の各辺稜部と各角部に主切刃5とコーナ刃6が形成されており、ただし表裏の多角形面はその中心を通るインサート中心線C回りに僅かに捩られた配置とされて、インサート本体1が表裏反転対称形状とされている。そして、このような切削インサートが、エンドミル本体11のインサート取付座16に、その1つの主切刃5に比較的小さな切り込み角が与えられるように、またインサート中心線Cがすくい面とされる一方の多角形面から他方の多角形面に向けてエンドミル本体11の軸線O方向後端側に延びるように取り付けられることにより、この他方の多角形面は、一方の多角形面の切削に使用される主切刃5に対してエンドミル本体11の軸線O方向後端側に、またこの主切刃5のエンドミル本体11外周側に連なる他のコーナ刃6の回転軌跡よりも内周側に位置させることが可能となる。
従って、エンドミル回転方向Tに向けられた一方の多角形面の辺稜部に形成された主切刃5を切削に使用するときには、他方の多角形面の主切刃5やコーナ刃6は被削材と干渉することが無く、インサート本体1をインサート中心線C回りに90°ずつ回転してインサート取付座16に取り付け直し、この一方の多角形面のそれぞれ4つの辺稜部および角部に形成された主切刃5およびコーナ刃6を切削に使用した後は、インサート本体1を表裏反転してインサート取付座16に取り付け直すことにより、他方の多角形面とされていたすくい面3をエンドミル回転方向Tに向けてその主切刃5およびコーナ刃6を切削に使用することができる。このため、これら第1、第2の実施形態のようにインサート本体1が正方形板状である場合には、1つのインサート本体1に形成された合計8つの主切刃5およびコーナ刃6を確実に使い切ることができて、一層効率的かつ経済的である。
なお、これら第1、第2の実施形態ではこのようにインサート本体1が正方形板状とされているが、他の正多角形板状、例えば正三角形板状のインサート本体を有する切削インサートに本発明を適用することも可能である。また、正多角形板状以外のインサート本体を有する切削インサートに本発明を適用することも可能である。
また、上記第1、第2の実施形態では上述のように、刃先交換式エンドミルを正面側から見て反時計回り方向に回転させられる右刃をなすようにされた右勝手の切削インサートに本発明を適用した場合について説明したが、正面側から見て時計回り方向に回転させられる左刃となる左勝手の切削インサートに適用した場合には、インサート本体の形状は上記実施形態のインサート本体1と鏡面対称形状となる。ただし、いずれの場合も、エンドミル本体11先端の内周側に主切刃5の一端部5aが配置されるとともに外周側に他端部5bが配置されて、この主切刃5の一端部5aが凸曲線状とされるとともに他端部5bが凹曲線状とされ、この他端部5bにおける主切刃5のランド7のランド角θが一端部5aに向かうに従い負角側に向けて大きくされる。
1 インサート本体
2 取付孔
3 すくい面
3a ポジすくい面
3b 拘束面
4 逃げ面
5 主切刃
5a 主切刃5の一端部
5b 主切刃5の他端部
6 コーナ刃
6a コーナ刃6の一端部
6b コーナ刃6の他端部
7 ランド
11 エンドミル本体
14 刃部
16 インサート取付座
18 クランプネジ
C インサート中心線
O エンドミル本体11の軸線
T エンドミル回転方向
θ 主切刃5におけるランド7のランド角
β5 主切刃5の逃げ角
β6 コーナ刃6の逃げ角
2 取付孔
3 すくい面
3a ポジすくい面
3b 拘束面
4 逃げ面
5 主切刃
5a 主切刃5の一端部
5b 主切刃5の他端部
6 コーナ刃
6a コーナ刃6の一端部
6b コーナ刃6の他端部
7 ランド
11 エンドミル本体
14 刃部
16 インサート取付座
18 クランプネジ
C インサート中心線
O エンドミル本体11の軸線
T エンドミル回転方向
θ 主切刃5におけるランド7のランド角
β5 主切刃5の逃げ角
β6 コーナ刃6の逃げ角
Claims (9)
- 多角形板状をなすインサート本体の多角形面にすくい面が形成されるとともに上記多角形面の周囲に配置される側面には逃げ面が形成され、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部には、上記多角形面の辺稜部に主切刃が形成されていて、上記すくい面に対向する方向から見て、上記主切刃の一端部は凸曲線状とされるとともに他端部は凹曲線状とされており、上記主切刃にはランドが形成され、このランドのランド角は、上記主切刃の他端部において上記主切刃の一端部に向かうに従い負角側に向けて大きくされていることを特徴とする切削インサート。
- 上記ランドのランド角は、上記一端部においては一定とされていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
- 上記ランドのランド角は、上記一端部において上記他端部に向かうに従い負角側に向けて大きくされていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
- 上記ランドのランド幅は、上記一端部から上記他端部に亙って一定とされていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
- 上記主切刃の逃げ角は、上記一端部において上記他端部よりも負角側に向けて大きくされていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
- 上記一端部がなす凸曲線の曲率半径よりも、上記他端部がなす凹曲線の曲率半径が大きくされていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
- 上記一端部がなす凸曲線と上記他端部がなす凹曲線とが互いに接していることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
- 上記インサート本体は正多角形板状をなし、正多角形状をなす表裏の上記多角形面の各辺稜部に上記主切刃が形成されるとともに、表裏の上記多角形面は該多角形面の中心を通るインサート中心線回りに捩られた配置とされ、これら表裏の上記多角形面に関して上記インサート本体が表裏反転対称形状とされていることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
- 軸線回りにエンドミル回転方向に回転させられるエンドミル本体の先端部に形成されたインサート取付座に、請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載の切削インサートが着脱可能に取り付けられた刃先交換式エンドミルであって、
上記切削インサートは、上記すくい面を上記エンドミル回転方向に向けるとともに上記主切刃を上記エンドミル本体の先端側に向け、この主切刃の上記一端部を上記エンドミル本体の内周側に位置させるとともに上記他端部を上記エンドミル本体の外周側に位置させて、この主切刃が上記一端部から上記他端部に向かうに従い漸次上記エンドミル本体の後端側に延びるように取り付けられていることを特徴とする刃先交換式エンドミル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011271368A JP2013121642A (ja) | 2011-12-12 | 2011-12-12 | 切削インサートおよび刃先交換式エンドミル |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011271368A Pending JP2013121642A (ja) | 2011-12-12 | 2011-12-12 | 切削インサートおよび刃先交換式エンドミル |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2013121642A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016051583A (ja) * | 2014-08-29 | 2016-04-11 | Tdk株式会社 | 正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池 |
EP3150317A4 (en) * | 2014-06-02 | 2017-06-07 | Sumitomo Electric Hardmetal Corp. | Cutting insert and milling cutter |
-
2011
- 2011-12-12 JP JP2011271368A patent/JP2013121642A/ja active Pending
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